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トランプ政権の誕生とその後 (教授研究会報告要旨2: 2017年7月19日(水))

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トランプ政権の誕生とその後 (教授研究会報告要旨

2: 2017年7月19日(水))

著者

井口 治夫

雑誌名

国際学研究

7

1

ページ

117-117

発行年

2018-03-30

URL

http://hdl.handle.net/10236/00026591

(2)

〔教授研究会報告要旨 2〕 2017 年 7 月 19 日(水)

トランプ政権の誕生とその後

井口 治夫

(関西学院大学国際学部教授) 本報告は、2016 年 11 月の米国大統領選挙で、トランプがクリントンに勝った要因、また、なぜ殆ど の大統領選挙の予想が外れたのかについて考察を行った。一般投票では、クリントンがトランプに勝利 したものの、肝心の各州の選挙管理人票では、ラストベルトの学歴の低い白人票がトランプに圧倒的に 流れたことで、ラストベルト地帯や中西部の接戦州でクリントンがトランプに敗れ、各州の選挙管理人 票ではトランプがクリントンに勝利し、トランプが大統領になったわけであった。ラストんベルト地帯 のいわゆるワーキング・クラスの白人票は、1980 年と 1984 年のレーガン政権の誕生と、2006 年と 2010 年のオバマ政権誕生で極めて重要な役割をはたしており、今回は、彼らの票がトランプに流れて いたのであった。

この報告の後半では、政治学者アランリットマンの 2017 年春に刊行された著書 The Case for Im-peachment を紹介しながら、トランプが、米国連邦議会により今後弾劾裁判にかけられて罷免になる可 能性について考察を行った。リットマン教授は、2016 年の夏にトランプがクリントンに勝利したこと を予想したが、そのさい、、大統領に就任後米国連邦議会により罷免される可能性が高いと指摘してい た。 リットマンの前述の書物では、トランプおよびトランプの側近たちとロシアおよびロシア系の関係者 との過去からのビジネス面での利害関係を詳述しており、また、大統領選挙中と選挙後の大統領就任前 におけるトランプ陣営とロシア政府関係者との接触、ロシア政府によるソーシャル・メディアを通じた 米国大統領選挙への干渉疑惑についても言及している。 2017 年 10 月 30 日には、モラー特別検察官が、トランプ陣営のポール・マナフォート元選挙対策本 部長とリック・ゲーツ元代理人をマネーロンダリング(資金洗浄)などの罪状で起訴した、また、別の 選挙顧問から罪を認める供述を確保した。モラー検察官は、今後その広範な権限を行使して、トランプ 陣営とロシアの関係について真相をつきとめようとするであろう。一方、連邦議会の特別調査委員会で は、ロシアによる米国のソーシャル・メディアを通じた大統領選挙への干渉の実態をつきとめようとし ている。 11 月上旬には、「パナマ文書」に匹敵するオフショア市場の機密データが暴露された。国際調査報道 ジャーナリスト連合は、「パナマ文書」を以前紹介と分析を行っていたわけであるが、今回は、租税回 避地に関する新たな文書「パラダイスペーパー」を入手し、その分析を行っていた。この調査報道のな かで、同文書は、トランプ政権の商務長官ウィルバー・ロスが、実質的に出資する海運会社が、ロシア のプーチン大統領の親族らが役員を務める企業との取り引きで巨額の収入を得ていたことをつきとめ た。プーチン大統領に近いロシア企業から、トランプ政権内でトランプと親密な重要閣僚に、同社が得 た利益の一部が流れる構図が浮上した。しかし、これが、トランプ政権をめぐる「ロシア疑惑」の重大 な問題に発展するのかは不明である。 ― 117 ―

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