安全で安心できるe-社会を実現するソフトウェアとシステム技術:0.編集にあたって
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(2) 編集にあたって 南山大学. アイ・ビー・エム ビジネスコンサルティング サービス(株). [email protected]. [email protected]. 青山 幹雄. 丸山 宏. 現代社会は脆弱なソフトウェア基盤の上にある 近年,情報システムの障害がビジネス活動や社会生. の関与と全組織的な取組みが必要である.さらに,国全 体のセキュリティや競争力の問題ともなっていることか ら,国としての取組みも必要である.. 活にきわめて大きな損害をもたらす事故が発生してい る.米国では,著名な事例として,組込みソフトウェア のバグによる死亡事故も発生している.一方,情報シス. 特集の構成:システム全体で考える. テムの規模,複雑さ,広がりの増大とともに,その開発. システム全体としての安全性を保証するためには,. リスクも増大し,巨額の開発費を投じたプロジェクトの. ハードウェアとソフトウェアを統合した開発・管理技術. 破綻が報告されている.米国大統領情報技術諮問委員会. が求められる.本特集は図 -1 に示す 3 つのカテゴリか. (PITAC)は,1999 年にまとめた報告書の中で,「国民. らなる.「システムリスクに挑む」では,問題と研究開. が脆弱なソフトウェアに頼らざるを得ない状況にある」. 発の現状を概観する.「オートノミックコンピューティ. と警告している.. ング」では自律的に動作し,自己修復するシステム技術. 本特集は,このようなシステム障害や開発リスク増大. とその実際を紹介する.「ソフトウェア完全性検証技術」. の問題を一企業や一過性の問題ではなく,情報技術の問. では, システムセキュリティ技術の現状を示す. 一方, 「大. 題,とりわけ,システムとソフトウェアの開発・管理技. 規模企業情報システムの開発・管理の実際」では,開発. 術の問題としてとらえる.さらに,その背景に,我が国. の問題とリスク管理などの現状を紹介する.「みずほの. の情報産業の構造的問題があると考えている.. トラブルから何を学ぶか」は,失敗学の視点からの洞察 を示す.さらに,「ソフトウェアエンジニアリングセン. 情報システムの安全性への組織的な取組みが必要. ターの構想」では,問題の背景にあるソフトウェア産業 の構造的問題とそれに対する取組みを組織的に行う構想. 90 年代の情報システムの開発では,市場提供へのス. を紹介する.なお,「安全なプログラミング」に関する. ピードが重視された.しかし,現在では,品質,とりわ. 記事は次号で掲載の予定である.. け,安全性やセキュリティの保証が不可欠となっている.. 本特集の課題を,情報処理学会の会員をはじめ情報処. 社会の基盤となる大規模システム,家電や自動車など日. 理技術の研究者,実務者すべてが認識し,組織的に取り. 常生活の中で情報技術を意識せずに利用される組込み/. 組むことを期待する.. ユビキタスシステムでは,安全性の意義は大きい.シス. (平成 16 年 3 月 22 日). テムとソフトウェア開発の前提を見直す必要がある. 一方,現在の情報システムの安全性やセキュリティの 欠陥の主因は,ソフトウェアの設計問題にある.問題発 生のたびに継ぎはぎの対応をするのではなく,問題の根 源を見据え,設計のあり方を見直す必要がある.システ ム障害がもたらす損害の大きさを考えれば,この問題 への取組みは全社的リスク管理(ERM: Enterprise Risk Management)にみられるように,トップマネジメント. 338. 45 巻 4 号 情報処理 2004 年 4 月. 失敗から学ぶ:みずほのトラブルから何を学ぶか ソフトウェア ソフトウェア システムリスクに挑む 開発管理: 安全で安心できる 大規模企業情報システムの開発・管理の実際 エンジニア リング e- 社会を実現する 検証:ソフトウェア完全性検証技術 センターの ソフトウェア開発・ プログラミング:安全なプログラミングの機構 構想 管理技術. システム:オートノミックコンピューティング. 図 -1 本特集の構成.
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