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Salacia chinensisの抗糖尿病作用と品質評価に関する研究

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Academic year: 2021

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全文

(1)

生年月日

学位論文審査結果の報告書

本籍(国籍)

学位の種類

学位記番号

赤木

Υ子一

E召禾口

学位授与の条件

(博士の学位)

54年

大阪府

8月 文題目

Samcmch加e加iSの抗糖尿病作用と品質評価に関する研究

士(

7日

学位規程第5条該当

学)

第128 号

審査委員

(主査)

(副主査)

(副主査)

(副査)

(副査)

村岡

仲西

秀秋

1

-功

'、ノ

薬 △冊 二一口

(2)

Sa1αCm(S.)属植物は、インドやスリランカ、タイなどの熱帯、亜熱帯地域に広く分布司・るっる

性の植物であり、インドやスリランカを起源とする S.1'eガCU1αmおよび S ohl0π8αの抽出エキス

には顕著なα・グノレコシダーゼ阻害活t牛が報告されている。また、その活性成分として Salacin。1

(1)をはじめとする 8 種のスノレホニウム化合物(neosalacin01(2), kotalan01(3), neokotalan01(4),

Ponkoran01(5), neoP飢koran01(6), salaprin01(フ), neosalaprin01(8))が単肩隹・構造決定されてぃる。

Samcm属植物は、その機能性や活性寄与成分が解明された結果、食後の血糖値上昇を抑制する

ための科学的エビデンスを有する健康食品素材「サラシア」として認知され、近年、国内でも広

く流通している。一方で、「サラシア」の需要が高まった結果、その資源性や供給会定性の確保

が大きな課題となっている。これまで、 S.ルh'CU1ωa や S 0み1011gαにっいての研究が先行して行わ

れた背景から、国内では、「サラシア」の原材料として、インドやスリランカ産の素材が主に使

用されてきた。これらにっいては有用植物の資源保護の観点から既に現地における栽培化が着手

されてはいるが、栽培品が十分に生育するまでには時間を要するため、未だ商業利用には至って

し、ない

本論文では、 S.ルh'culam や S.0610h宮a と同様にα・グルコシダーゼ阻害1舌性を有し、地域分布

が広く資源量が比較的豊富な S.所加e那iSに着目し、その実用的な活用を目指した多面的な検言寸が

加えられている。

最初に、種による血糖上昇抑制作用や糖尿病に対する効果の差異を検討するために、タイ産S

Ch加eπSiS ιこっし、て、その車全音晶烹曳オく1由出エキス(sa1αCia ch加e松9is extract: SCE)の in ν1'ν0 言式暫貪{こよる

評価がなされている。正常ラットを用い、糖質としてデンプンを投与した結果、他種のSdacm

エキスと同様の用量依存的な血糖上昇抑制作用を確認し、 SCEの 50%有効量(ED5。)を 94.om8爪g

と算出している。また、代表的なスルホニウム化合物にっいても同系で評価がなされ、 ED は、

1:>1.o mgAくg、 3:0.62 mgnくg および4:0.54 mg/kg であり、 4 がデンプン負荷に対して強い血糖上

昇抑制作用を示すことを明らかにしている。また、これらのスルホニウム化合物はその極性の高

い構造から小腸から吸収され難いと予想されるが、これを検証する目的で消化管内における安定

性や吸収性にっいて評価がなされ、1-4は胃液に対して安定であり、またラット小腸結紫ループ

試験において小腸からほとんど吸収されないことが確認された。(第一章第一節)

次に、 SCEの連続投与時における抗糖尿病作用の検言寸のため、2型糖尿病KK.Ayマウスへの

SCEの数週間にわたる混餌投与実験がなされている。その結果、糖尿病の管理指標としての

HbAICの上昇が抑えられ、耐糖能の改善効果も観察された。一方、飼料中の消化性糖質をすべて

グルコースに置き換えた同様の試験も行われ、SCEの長期投与による作用機序にっいてもα、グ ルコシダーゼ阻害活性を介したものであることが確認されている。(第一章第二節) 第二、三章では、 Sα1αCm属植物を素材とするエキスの品質評価法の確立を目的とした試みがな されている。機能性食品の有効性を担保するには、その素材となるエキスの品質を一定に保っこ

とが極めて重要である。特に野生品を原材料とする場合、採取時期や採取場所等により、有効成

分の含有量が大きく変動する可能性があり、使用する原材料の規格としてその基原や成分含量な

どにつき、一定の基準の策定が求められる。従前より SωαCmエキスの品質評価法として、α、グ

ルコシダーゼ阻害活性を指標とした生物学的手法が用いられているが、著者は、より客観的かっ

定量的な方法として、まず、活性寄与成分(1-8)にっいて、 LCMS定量分析による化学的品質評

価法を検討している。 はじめに Salacin01(1)およびkotalan01(3)については、糖など親水性化合物の分析に利用される 市販の3種のアミノ系カラムを用いて検討がなされている。 Sα1αCm 属植物中の主要な糖アルコー

ル成分である dulcit01との分籬を目標に条件設定が試みられ、分離度やピークの形状から、硬質

合成ポリマーにポリアミンを結合させたAsahipakNH2P.50カラムが最も適切であると結論づけて

いる。分析条件としては、ネガティブイオンモードESI、MS にて形々333および形々423 にそれぞ れ1および3の擬似分子イオンに該当するピークを検出するともに、チオ糖部が切断されたと考 えられるフラグメントイオンをそれぞれ沈た 183、版た 273 に確認してぃる。一方、ポジティブイ 委△ 文内 ク、マ 毛三」

(3)

オンモードにおいても検言寸が加えられたが、3の擬似分十イオンが観察されず、1と異なるイオ ン化バターンを示したことから、1および3の分析にはネガティブイオンモードが適切との結論 を得ている。 Neosalacin01(2)およびneok0仇lan01(4)はスルホニウムカチオン構造に由来する陽イオン性化合 物であるため、ポジティブイオンモードESI・MSにて検討がなされ、同モード下で分子イオンの 検出に成功している。 LC分離条件については、1と3の分析と同様の方法では2および4はカラ ムに保持されず、移動相にイオンペア試薬を添加した逆相クロマトグラフィーによって良好な分 離を得ている。さらに、マイナー成分であるスルホニウム化合物(5-8)にっいても上記の方法に ならって分析がなされ、いずれも良好な分離とビーク形状が確認されている。最後に、1-8にっ いて分析法バリデーションを実施し、8種類の1舌性成分についての独立した2種の分析法の確立 に成功している。 次に、インド、スリランカおよびタイより入手した Samcm属植物サンプル32種にっいて 1-8 の定量分析がなされ、スルホニウム化合物は薬用音畷立である根や幹に多く局在し、スリランカ産

S reticU1αla およびインド産 S obl0πga では Salacin01(1)が、タイ産 S ch加eπS留では neokotalan01 (4)が多く含まれているととを見いだしている。さらに複数のタイ産 S.ch加幼Sお幹部熱水抽出工 キスについて、活性なスルホニウム化合物a-6)含量とα、グルコシダーゼ阻害1舌性の相関を検 言寸した結果、両者に良好な正の相関力靖忍められた。このことから、 Sωada エキスのα.グノレコシ ダーゼ阻害活性ヘの寄与成分はスノレホニウム化合物(1-6)であり、その定量分析が、 S.chme燭is をはじめとするSalacm 属植物の品質評価法として有用であることを明らかにした。(第二章) Samom属植物には多くの種が知られているが、このうち現在「サラシア」素材として流通して いるのは、 S.1・akwam および Sob1伽宮aとされている。基原種の同定は、外部や内部の形態学的 特徴によって行われているが、類似の特徴を有する植物種も多く、正確な同定には専門的知識や 熟練した経験を要し、 Sα1αCm 属植物についても例外ではない。本論文では、次に、遺伝情報に基 づく Samcm属植物の基原鑑別法の確立を目的に、1TS領域の塩基配列を解析による植物種固有の マーカー配列が検言寸されている。 18SrDNA および26SrDNA に設計したプライマーセットを用い

て、形態的特徴が類似する S.ch加ehS詔、 S.reh'CU1αtαおよびS oblohgαサンプノレについて ITS 領域

の塩基配列を解析した結果、これら3種は遺伝的にも近縁種であることを見いだした。また、 S Chiπe那iS からは、 S.reticU1αtαおよびS obl0πgαと区別可能な特徴的な遺伝子配列を見いだし、こ の特徴が市場品の鑑別に利用可能であることを明らかにした。(第三章)

(4)

本論文は、近年我が国において、食後過血糖の抑制を目的とした機能性食品素材「サラシ ア」として認知されている Samdα属植物のうち、タイ産 Samdach加e那iSの同機能性食品素材 としての利用可能性について多面的な評価研究を実施したものである。本論文の着想に至る先 行研究として、同属植物である SルhcU1αm や S、0610hgaの抽出エキスについて、顕著なα、グル

コシダーゼ阻害活性が見いだされるとともに、その活性寄与成分として Salacm01(1)をはじめと

する8種のスルホニウム化合物a-8)が単籬・構造決定されている。現在、上記「サラシア」 としては、主にスリランカ、インド産の S rebcldam や S 0610πga とされる種が流通している が、その供給は専ら野生品の伐採に依存しているため、資源性や供給安定性の確保が大きな課 題となっている。有用植物の資源保護の観点からも既に現地における栽培化の検討が着手され ているが、これまでのところ栽培品の商業利用には至っていない。 このような背景のもと申請者は、まず第一章において、東南アジア地域に広く分布し、その

資源量が比較的豊富とされる S.chme郷太のうち、タイ産の同植物幹部熱水抽出エキス(SCE)に

ついて、血糖値や糖尿病に対する効果を、正常ラットへの単回投与、また、2型糖尿病KK、Ay

マウスに対しての数週間にわたる混餌投与により検証した。その結果、用量依存的な血糖上昇 抑制作用(ED北=94.om呂永g)を確認するとともに、糖尿病の管理指標として重要なHbAIC の上

昇抑制作用および耐糖能改善効果を見いだしている。また、含有スルホニウム化合物a,2,4)に

ついても mviv0での同作用を確認している。さらに、これらのスルホニウム化合物の消化管内 における安定性や吸収性についても評価を加え、1-4は胃液に安定でほとんど分解されず、か つ、小腸からほとんど吸収されないことを確認し、有効成分の安全性を科学的に裏付ける結果 を得ている。 第二章では、 SωαCm 属植物を素材とするエキスの抗糖尿病活性を指標とした品質評価法とし て、活性寄与成分(1-8)についての効果的な2種のLCMS定量分析法の確立に成功している。 本分析法と従前の生物学的評価法との相関についても検討を加え、良好な相関関係を得てお リ、本定量分析法は同エキスの化学的評価法として極めて有用と認められる。 第三章では、 S.ルh'CU1αta、 S 0610πgαおよび S.ch加eπSiS の遺伝情報に基づく基原鑑兄1」法の確 立を目的とした検討がなされている。1TS領域の塩基配列における植物種固有のマーカー配列を 検討した結果、 samcm 属植物に分類される数ある種のうち、上記3種は遺伝的に近縁種である こと、また、 S.ch加e那iS については S.rehC解amや S.0610ngαとは区別可能な特徴的な遺伝子配 列を見いだし、その鑑別に本方法が有効であることを示している。 以上、得られた結果は当初の研究目的をよく達成しており、タイ産 S.ch加e加おエキスの機能 性素材としての有用性と安全性を明らかにしたもので評価できる。また、確立した有効成分の LCMS分析法および遺伝子による種の鑑別法は、 samcm 属植物エキスの機能性食品素材として の品質評価に極めて有用と認められる。論旨も終始一貫しており、よって、本論文は博士の学 位論文に値するものと認める。 言△ rj-゛ 査 の E=' ' 「 4 -ー;"ーーーーーー.ー''ーーー曳'"エーーι1井1ーーー.ーーーー'ーゞ﹂ー ー,ーー Jノ

参照

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