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修士学位論文

題 名 正社員の柔軟な働き方が P-E fit に 与える影響

頁 1~44

指導教員 西村 孝史 准教授

2020年 1月 10 日提出

首都大学東京大学院

経営学研究科(博士前期課程)経営学専攻

学修番号 18836305

氏 名

堀内

ほりうち

葉津

(2)

1

正社員の柔軟な働き方が P-E fit に与える影響

学修番号 18836305 名 前 堀内 葉津美

目次

第1章 問題意識 ... 2

第2章 先行研究レビュー ... 5

2.1 P-E fit ... 5

(1)定義 ... 5

(2)類似概念 ... 6

(3)規定要因 ... 7

(4)成果変数 ... 8

2.2 柔軟な働き方 ... 9

(1)柔軟な勤務時間 ... 10

(2)柔軟な勤務場所 ... 12

2.3 長時間労働 ... 14

第3章 仮説の導出 ... 16

第4章 調査方法 ... 21

4.1 使用する調査データ概要 ... 21

4.2 調査項目 ... 21

(1)従属変数:P-E fit ... 21

(2)独立変数 ... 24

(3)コントロール変数 ... 24

第5章 分析結果 ... 25

5.1 データの概要 ... 25

5.2 仮説の検証 ... 27

第6章 考察 ... 30

第7章 まとめ ... 34

謝辞 ... 36

参考文献 ... 37

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2 第1章 問題意識

本研究の目的は,正社員の柔軟な働き方が個人-環境適合(Person-Environment fit)

に与える影響を明らかにすることである。柔軟な働き方には,働く場所の柔軟性,働く時 間の柔軟性,雇用形態の柔軟性があるが,本研究では,柔軟な働き方として,働く場所の 柔軟性と働く時間の柔軟性に着目する。

ワーク・ライフ・バランスや働き方改革が検討される中で,労働者を取り巻く環境は大 きく変わりつつある。国の取り組みとしては,2018年1月に厚生労働省がモデル就業規則 から「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。」という規定を削除し,新たに副 業・兼業に関する規定を設けた。総務省(2018)は「お試しサテライトオフィス推進要 綱」を制定し,地方がサテライトオフィスの誘致を積極的に取り組めるよう支援する事業 を開始した。自治体の取り組みとして,東京都を中心に,鉄道会社や都内企業等と連携し て実施されている時差出勤(通称「時差Biz」)は,それまで夏季にキャンペーンを行って いたが,2019年1月から冬にも行われることになった(東京都, 2019a)。副業・兼業やサ テライトオフィスの開設支援,時差出勤の解禁および推奨は行政が行っているが,企業も 独自に取り組んでいる。

企業の取り組みとして日本マイクロソフト株式会社は,東日本大震災翌週の3日間,社 員全員を在宅勤務とした経験から,2012年に「テレワークの日」を設定した。この結果,

テレワーク導入前の2010年から2015年にかけて,従業員満足度調査におけるワーク・ラ イフ・バランスは40%上昇した(リクルートワークス研究所, 2016)

内閣府(2007)は,ワーク・ライフ・バランスが実現した社会を「国民一人ひとりがや りがいや充実感を感じながら働き,仕事上の責任を果たすとともに,家庭や地域生活など においても,子育て期,中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実 現できる社会」(内閣府, 2007)と定義している。職業能力の向上や,仕事と生活の双方の 充実,地域活動への参加等,重視するものは人それぞれ異なるため,多様な働き方が模索 されている(内閣府, 2007)。政府によるワーク・ライフ・バランスに関する議論は2003 年から2004年にかけて開催された「仕事と生活の調和に関する検討会議」以降,断続的 に行われている(鈴木, 2008)。

内閣府(2007)は,ワーク・ライフ・バランスに向けた取り組みを通じて「ディーセン ト・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)」の実現に取り組むことが求められるとし ており,労働者の健康を確保し,安心して働くことのできる職場環境を実現するために,

長時間労働の抑制等が重要であると主張する。ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた

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議論に関連して,現在,法律やガイドラインが整備され,長時間労働を抑制する動きが活 発になっている。

例えば,2017年には働き方改革実現会議において働き方改革実行計画がまとめられ,長 時間労働の是正が盛り込まれた。この計画では,罰則付きの時間外労働の上限規制を導入 している。2018年には多様で柔軟な働き方を選択できる社会の実現を目指し,「働き方改 革を推進するための関係法律の整備に関する法律」(働き方改革関連法)が制定された。

働き方改革は「労働者がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現す る」(厚生労働省, 2018)ものであり,多様で柔軟な働き方の実現,長時間労働の是正,雇 用形態にかかわらない公正な待遇の確保等を目指すものである。

厚生労働省(2018)は,働き方改革関連法において長時間労働の是正に新たな規定を設 けた。特に,労働時間に関する制度の見直しでは,時間外労働の上限規制を設けるととも に,月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金率(50%以上)の中小企業への猶予措 置の廃止等が盛り込まれた。これまでは,時間外労働の上限は厚生労働大臣の告示によっ て基準が設けられていたが,今回の改正により,罰則(6か月以下の懲役または30万円 以下の罰金)付きで法律に規定された。企業は,労働者の労働時間を適正に把握する責務 があり,タイムカードやパソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎とすることが 原則とされる(厚生労働省, 2017)。つまり,企業は長時間労働に対して何かしらのアクシ ョンを起こし,時間外労働の上限を超えないようマネジメントする必要がある。

長時間労働の是正については,これまでも様々な取り組みが行われてきたが,男性正社 員の労働時間削減が主な争点であった。一方で,少子化の進んだ高齢社会である我が国で は,女性や高齢者の労働力が欠かせないものとなりつつある。総務省(2019)によると,

正社員は前年に比べて53万人増加しており,このうち女性の正社員は24万人増加した。

女性の年齢階級別労働力率のカーブ(M字カーブ)は以前に比べて浅くなっており,M字 の底となる年齢階級も上昇している(内閣府, 2018)。すなわち,結婚や出産を機に仕事を 辞める女性は減少しており,最も辞める人数が多い年齢が高齢化している。厚生労働省

(2019)によると,2018年に離職した労働者のうち,出産・育児を理由に退職した女性

30~34歳が最も多い。退職する年齢が高くなっているとはいえ,30代で退職されてし

まうと,投資した人材育成のコストの回収は困難である。また,組織で経験を積んだ戦力 が失われるという意味でも,企業にとっては痛手である。女性だけでなく,男性の育児参 加も進んでいる中,長時間労働の是正や柔軟な働き方の実現が求められる。

子育て世代だけでなく,親の介護に直面する中高年の労働者も長時間労働の是正や柔軟

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な働き方の実現を必要としている。矢島(2015)は,仕事と介護の両立のために企業に求 められる施策として,長時間労働の抑制,休暇取得や支援制度利用のしやすい環境整備,

上司の理解を挙げており,子育て支援のための施策と大きく変わらないとしている。40~

60代の働き盛りの労働者が介護離職の中心層であるが,介護休業が育児休業に比べて取得 が低調な理由として,将来の予測の不確実さがある(西村, 2016)。いつまで介護が続くか わからない中,これまでのように働き続けることが困難であると感じるのであろう。子育 て世代の労働者や,親の介護をする労働者が働き続けるためには,仕事と家庭を両立する ことができる柔軟な働き方が求められる。

柔軟な働き方が認められるようになれば,従来の労働環境が大きく変化する可能性があ る。たとえば,サテライトオフィスが普及すれば,従来のワーキングスペースで引き続き 職務に励むことが可能になるため,支社をまたぐ異動でも転居の必要性は低くなる。ま た,テレワークが導入された場合,オフィスで部署の同僚と顔を突き合わせて作業するの ではなく,自宅や任意の場所で仕事を行うことができる。

労働環境の変化は,働く人々の利便性を向上させる一方で,同時に個人と組織との関わ り方も変化させる可能性が高い。同じ職務に従事する労働者であっても,労働環境によっ て組織との適合度が異なることが予測される。たとえば,夕方に子どもを迎えに行かなけ ればならない労働者が,定時後すぐに退勤しなければならず,自分の納得のいく仕事がで きなかったり,周囲に対して肩身の狭い思いをしたりする場合,フレックスタイム制を利 用し,朝早く出勤することで自分のライフスタイルと労働条件が合致していると感じるか もしれない。

こうした問題意識に基づき,本研究では,時間および場所に関する柔軟な働き方が組織 との適合状況すなわちP-E fit(個人-環境適合:Person-Environment fit)に与える影響 を明らかにする。P-E fitは,個人と組織の関わり合い(Employee-Organization

Relationship:EOR)に関連する概念の一つである(服部, 2016)。EORには,P-E fitの ほかに組織社会化や組織コミットメント,組織市民行動等が含まれる。組織コミットメン トは,個人が組織に対してどのように考えているかを指し,組織市民行動は,組織の有効 性向上のために個人がどのように行動するかを指す。一方で,P-E fitや組織社会化は,個 人の状態を表す概念である。組織社会化は,個人が組織に適応するプロセスを指してお り,時間の経過や経験を積むにつれて,段階的に適応が進むとされている(Wanous, 1980; 高橋, 1994)。組織社会化はP-E fitと類似する定義をもつ概念であるが,P-E fitは 測定時の適合を指す概念であり,時間の経過や経験を積んでも,場合によっては適合度が

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低下する場合があるという点で,異なる概念である。たとえば,テレワークによって働き 方が変化しても,組織社会化の視点からは,それまでに得た職務の規範・価値・行動様式 の受容や職務遂行に必要な技術を失うものではないから,適応のプロセスが後退するとは 言い難い。一方,P-E fitの場合は,テレワークによって働き方が個人のニーズに合うよう になり,P-E fitが高まる側面がある一方で,組織文化を知る機会が減少し,上司や同僚と の関係を構築することが困難になる側面もある。本研究では,変動する労働環境のなか,

個人と環境との適合がどのように変化するかを明らかにする。

第2章 先行研究レビュー 2.1 P-E fit

(1)定義

P-E fit とは,個人と環境の適合を表す概念である。何をもって適合とするかについては

現時点で一致した見解がない(服部, 2016)。Kristof-Brown(1996)は,P-O fitに関する 研究で用いられている適合の定義を分類し,「個人の価値と組織の価値の一致」がもっとも 用いられているとした。Swanson & Fouad(1999)によると,環境は,似たような人々の 集まりとして見ることができる。人々が自分の能力を活かせる場や価値を表現できる環境 を探すのと同様に,職場環境もまた採用と選抜を通じて確かな能力や価値を持っている人 物を探している。P-E fitは相互的な性質を持っており,1つの要素が変化すると他の要素 に影響を与えて不均衡を生じさせる。

P-E fitの下位概念は5つある(Kristof-Brown, Zimmerman & Johnson, 2005)。P-O fit

(Person-Organization fit:個人-組織適合)は,「個人の価値,目標,及び特性と組織の 構造,風土,及びトップマネジメントとの適合」(鄭・竹内・竹内, 2011)と定義される。P-

J fit(Person-Job fit:個人-職務適合)は,「職務遂行上必要となる技能及び知識と個人が

持っている能力との適合」を表す(Jansen & Kristof-Brown, 2006; 鄭ら, 2011)。P-G fit

(Person-Group fit:個人-集団適合)は,個人と集団の間の適合である。この「集団」の 定義は幅広く,すぐ近くの同僚とのグループから,機能部門等のユニットまで含まれる

(Kristof-Brown, 1996)。P-V fit(Person-Vocation fit:個人-職業適合)は,P-E fitの下 位概念の中で最も幅広い定義を持ち,個人とキャリア選択との適合を意味する職業選択理 論が含まれている(Jansen & Kristof-Brown, 2006)。P-S fit(Person-Supervisor fit:個 人-上司適合)は,リーダーとフォロワーの価値の一致や,監督者と部下の人格の類似性,

マネジャーと労働者の目標の一致などを指す(Kristof-Brown, et. al., 2005)。

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竹内(2009)は,P-E fitを測定する方法を客観的適合,認知的適合,主観的適合の3つ に大別している。客観的適合とは,個人と組織を代表するメンバーがそれぞれ価値観の重要 度を回答することで,客観的な適合を測るものである。認知的適合は,個人の価値観の重要 度と組織の価値観の重要度を同じ回答者から得るものである。主観的適合は,個人に対して 環境と適合しているかどうかについて直接的に尋ねるものである。本研究では,労働者の主 観に基づいた回答,すなわち主観的適合を用いる。

(2)類似概念

P-E fitEORに関連する概念の一つである(服部, 2016; 大橋, 2019)。服部(2016)

は,組織行動論の概念を横断的にレビューしたHeath & Sitkin(2001)と産業・組織心理 学の観点からEORをレビューしたCoyle-Shapiro & Shore(2007)をレビューし,P-E fit や組織コミットメント,組織市民行動,組織社会化等の概念がEORに含まれることを明ら かにした。

組織コミットメントは,情緒的・存続的・規範的の3つの側面を持ち,これらの組み合わ せやそれぞれの強さによって決定される。組織コミットメントが高い人は,低い人に比べて 組織にとどまりやすい。情緒的コミットメントが強い人は,その人が「そうしたい(want to)」ために組織にとどまる。存続的コミットメントが強い人は,「そうする必要がある(need to)」から組織にとどまる。規範的コミットメントが強い人は,「そうしなければならない

(ought to)」から組織にとどまる(Allen & Meyer, 1990)。

田中(2001)によれば,組織市民行動は「(組織市民行動とは)従業員が行う任意の行動 のうち,彼らにとって正式な職務の必要条件ではない行動で,それによって組織の効果的機 能を促進する行動。(しかも)その行動は強制的に任されたものではなく,正式な給与体系 によって保証されるものでもない。」とOrgan(1988)によって定義される。ここで言う「任 意の行動」とは,公的に決められた役割や職務として遂行すべき要件ではない行動である。

すなわち,組織市民行動は,自由裁量性・非報酬性・有効性の向上の3つの要素から構成さ れている(宮辻, 2015)。組織市民行動と職務満足の関係を検証した過去の研究をレビュー した西田(1997)によると,組織市民行動は利他主義と一般的追従の2つの因子から成り,

どちらの因子も職務満足と相関が高いことが明らかになっている。

組織社会化は,「組織への参入者が組織の一員となるために,組織の規範・価値・行動様 式を受け入れ,職務遂行に必要な技能を習得し,組織に適応していく過程」(高橋, 1993)

と定義される。P-E fitと近い概念であるが,組織社会化は時間経過や経験を重ねるにつれ

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て段階的に適応が進むプロセスを指している(Wanous, 1980)。

組織コミットメントは,個人が組織に対してどのように考えるかを指すものであり,組織 市民行動は,個人がどのように行動するかを指すものであるため,個人と環境との適合とい う状態を指すものではない。組織社会化は,これらの概念の中で最もP-E fitに近い意味を 持つが,組織社会化が段階的に組織に適応するプロセスを指す(Wanous, 1980; 高橋, 1994)

のに対し,P-E fit はその時点での適合を指す概念であり,場合によっては適合度が低下す る場合がある点で異なる。たとえば,柔軟な働き方施策の導入によって,組織への適応プロ セスが鈍化することはあっても,組織社会化が低下する,すなわち個人がそれまでに獲得し た組織の規範・価値・行動様式の受容や,職務遂行に必要な技能を失うとは考えにくい。一 方で,柔軟な働き方施策の導入によって,組織文化や組織内政治について知る機会が減り,

個人が組織の価値観と一致していると感じることができなくなると,P-E fitが低下する可 能性がある。本研究では,変動する労働環境のなかで,個人と環境との適合がどのように変 化するかを明らかにするため,P-E fitを用いる。

(3)規定要因

個人の行動や内面的な意識が P-E fit に与える影響に着目した研究として,Saks &

表 1 EOR の種類と定義

EOR 定義

組織コミットメント

情緒的・存続的・規範的の3つの側面を持ち,これらの組み合わ せやそれぞれの強さによって決定される。組織コミットメントが 高い人は,低い人に比べて組織にとどまりやすい。(Allen &

Mayer, 1990)。

組織市民行動

従業員が行う任意の行動のうち、彼らにとって正式な職務の必要 条件ではない行動で、それによって組織の効果的機能を促進する 行動。その行動は強制的に任されたものではなく、正式な給与体 系によって保証されるものでもない。(Organ, 1988)

組織社会化

組織への参入者が組織の一員となるために,組織の規範・価値・

行動様式を受け入れ,職務遂行に必要な技能を習得し,組織に適 応していく過程(高橋, 1993)を指す。組織社会化は段階的に達 成される(Wanous, 1980)。

P-E fit

個人と環境との適合を表す概念。何をもって適合とするかは一致 した見解はないが、「個人の価値と組織の価値の一致」がもっと も用いられている(Kristof-Brown, 1996)。

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Ashforth(2002)や竹内(2012)は,就職前の個人の行動が就職後のP-E fitおよびその

下位概念に与える影響を明らかにした。具体的には,就職前のキャリアプランニング行動 は,就職後のP-J fitに正の影響を与える(Saks & Ashforth, 2002)。また,入社前のキ ャリア探索行動は入社時の P-V fit を形成し,組織適応につながる(竹内, 2012)。古田

(2017)は,個人の職業観がP-E fitに与える影響を検証し,自己実現等の個人的な側面 を持つ職業観は仕事の意味深さを媒介してP-E fitに正の影響を与えるが,社会の一員と しての義務を果たすといった社会的な側面を持つ職業観は,P-E fitに直接正の影響を与 えると同時に,仕事の意味深さを媒介してP-E fitに正の影響を与えることを明らかにし た。

個人特性ではなく,組織や職務の特性に着目した研究として,鄭ら(2011)やWeale, Wells & Oakman(2017),Shin(2004)がある。鄭ら(2011)は,人材開発施策に対す る従業員知覚がP-O fitおよびP-J fitに正の影響を与えていることを明らかにした。ま た,Weale, et al.(2017)は,高齢者介護施設で働く主に女性のパートタイム労働者を対 象として,柔軟な働き方がP-E fitに与える影響を検証した。柔軟なシフト制によって労 働者はより望ましいライフスタイルを実現し,P-E fitが向上することを明らかにした。た だし,調理等の決められた時間に作業を行わなければならない労働者は,時間の面から見 た自由度が低く,柔軟な働き方ができない点を指摘した。Shin(2004)は,P-E fitのフ レームワークを用いて,バーチャル組織1における適合性を高めるメカニズムを構築した。

Shin(2004)によると,バーチャル組織に適合するためには,労働者が自律性を重要視す ることが求められるが,上司によって物理的に監督されているような働く時間や場所のば らつきが小さい組織では,自律性はそれほど重要ではない場合がある。このため,自律性 を重要視する人は,働く時間や場所のばらつきが小さい組織よりも,ばらつきが大きい組

織でよりP-O fitが高くなる。また,バーチャル組織において働く労働者は,自律的に働

く能力やタイムマネジメントスキルがあるからこそ,期日までに仕事を完了することがで きる。同時に,バーチャル組織で働く労働者にとって,時間や作業負荷を効率的に管理す ることが重要である。このため,自律的に働く能力やタイムマネジメントスキルがどれほ

P-J fitを高めるかは,組織によって働く時間や空間のばらつきに依存する。すなわち,

働く時間や場所のばらつきが大きい組織は,ばらつきが小さい組織よりも,自律的に働く 能力やタイムマネジメントスキルがP-J fitに与える正の影響を大きくする。

(4)成果変数

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Kristof-Brown, et al.(2005)によると,P-E fitはそれぞれの下位概念によって影響を与 える変数が異なる。P-J fitは職務満足度,P-O fitは組織コミットメント,P-G fitは同僚満 足度,P-S fitは上司満足度に影響を与える。Lauver & Kristof-Brown(2001)は,P-O fit とP-J fitに着目して実証研究を行い,P-J fitよりもP-O fitの方が離職意志に与える影響 が大きいこと,P-J fit は仕事の業績に影響を与えないことを明らかにした。Hoffman &

Woehr(2006)は,P-O fitが個人の行動にどう影響するかを検証し,P-O fitが組織市民行

動や業績を高め,離職率に負の影響を与えることを明らかにした。また,吉野・松尾(2019)

は,心理的エンパワーメントの先行研究をレビューし,P-O fitが心理的エンパワーメント を高めることをGregory, Albritton & Osmonbekov(2010)の研究から明らかにしている。

入社前後のP-J fitおよびP-O fitを調査した研究として,Saks & Ashforth(2002)は,

入社前のP-J fitは入社後のP-J fitに,入社前のP-O fitは入社後P-O fitにそれぞれ正の 影響を与えることを明らかにした上で,入社後のP-O fitP-J fitがともに仕事に対する 態度や組織に対する態度に正の影響を与えることを示した。類似する日本の研究では,竹内

(2012)が入社時点のP-E fitと入社1年後のP-E fitを調査し,入社時点のP-V fitが入社 1年後のP-O fitP-V fitに正の影響を与えること,入社1年後のP-O fitP-V fitは職 務満足,組織コミットメントに正の影響を与え,転職意思に負の影響を与えることを明らか にした。

下位概念ではなく,P-E fitそのものが与える影響を調査した研究も存在する。P-E fitは 労働者の職務関与を高め,離転職意思を低下させる(竹内・竹内・外島, 2007)。労働者が 知覚する人材開発への投資はP-E fitを媒介して労働者の職務満足や職務関与に正の影響を 与え,組織内でのキャリア計画はP-E fitが労働者の職務満足や職務関与に与える正の影響 をさらに強める(鄭ら, 2011)。また,Shin(2004)によると,P-E fitは職務満足,組織コ ミットメント,キャリアの成功に正の影響を与え,離職意志や離職行動に負の影響を与える

(e.g., Bretz & Judge, 1994; Chatman, 1991; Hollenbeck, 1989; Kristof, 1996; Lauver &

Kristof-Brown, 2001)。これらの研究が前提としているのは伝統的な組織であるが,働く空

間や時間,労働者の文化が異なるバーチャル組織においても,P-E fitは同様に影響を与え る(Shin, 2004)。

2.2 柔軟な働き方

本研究における「柔軟な働き方」とは,勤務時間・勤務場所が柔軟に設定されている働き 方のことである。たとえば,フレックスタイム制や裁量労働制は柔軟な勤務時間制度に,在

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宅勤務制やサテライトオフィスは柔軟な勤務場所制度にあたる。

(1)柔軟な勤務時間

一日の時間が有限である以上,労働時間と余暇時間はトレードオフの関係にある。労働時 間が固定されている場合,それに合わせて余暇時間も固定される。一方で,柔軟な労働時間 が選択できる場合,余暇時間も柔軟に取ることができる。実際に勤務している時間のほか,

通勤時間も含めて労働時間として考えた場合,裁量勤務制等の柔軟な勤務時間だけでなく 在宅勤務制等の柔軟な勤務場所も,労働時間と余暇時間の配分に影響を与えると言えよう。

労働時間と余暇時間がトレードオフの関係にあるということは,仕事と家庭における役 割の間で葛藤が生まれる可能性がある。仕事と家庭のそれぞれの要求が両立せず,互いの達 成を阻害する状況をワーク・ファミリー・コンフリクトと言う(松浦・菅原・酒井・眞榮城・

田中・天羽・詫摩, 2008)。ワーク・ファミリー・コンフリクトには,仕事役割からの圧力が 家庭役割での達成を阻害することによる WTFC(仕事→家庭葛藤)と,家庭役割からの圧 力が仕事役割での達成を阻害することによるFTWC(家庭→仕事葛藤)が存在する(加藤・

富田・金井, 2018)。小堀(2010)は,共働きの労働者にインタビューをして,家庭と仕事 のどちらを優先するかを尋ねた。この結果,仕事が重要な局面にある場合においては,女性 よりも男性の方がより仕事を優先すると答えた。また,同じ正社員として勤務する女性であ っても,子どものいる共働きの女性より,むしろ子どものいない女性の方が仕事より家庭を 優先するという伝統的性役割観に基づいた振る舞いを想定すると主張した。これは,子ども のいる女性が,仕事と家庭の両立について,実際の経験をもとに具体的な解決策を示した一 方で,子どものいない女性は,具体的な方策を検討するのではなく,現状の自分の余裕のな さを根拠に仕事を優先しないためである。

柔軟な勤務時間制度の一つにフレックスタイム制がある。フレックスタイム制は,「使用 者は,就業規則その他これに準ずるものにより,その労働者に係る始業および就業の時刻を その労働者の決定にゆだねることとした労働者については,(中略)生産期間として定めら れた期間を平均し一週間当たりの労働時間が第32条第1項を超えない範囲内において,同 条の規定にかかわらず,一週間において同項の労働時間又は一日において同条第2項の労 働時間を超えて,労働させることができる」(労働基準法第 32 条第3項)制度である。第 32条第1項とは,一週間に40時間,一日に8時間を超えて労働させてはならないという規 定を指す。また,第32条第2項は,一定期間のうち,一週間あたり平均労働時間が40時 間を超えなければ,特定の週において40時間を超えて,または特定の日において8時間を 超えて働かせることができると定めている。すなわち,第32条第3項に定められるフレッ

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クスタイム制は,あらかじめ総労働時間を決定したうえで,出退勤時間や一日の働く長さを 労働者が自由に決定することができる制度である。フレックスタイム制の導入にはコスト がかかるが,欠勤や離職率の低下につながる(Lee & DeVoe, 2012)。Scandura & Lankau

(1997)は,フレックスタイム制を提供されていると認識した女性は,認識しなかった女 性に比べて,組織コミットメントや職務満足度が高いことを明らかにした。武石(2011)

は,日本,イギリスおよびドイツの比較を行い,日本では,裁量労働制のもとで働く労働者 は,労働時間が長くなる傾向があるが,フレックスタイム制のもとで働く労働者は,その傾 向は見られないと指摘した。これは,フレックスタイム制を適用されている労働者と適用さ れていない労働者の間で,始業時間と就業時間の分布に明確な違いが認めにくいためであ る(武石, 2011)。

裁量労働制も柔軟な勤務時間制度の一つである。裁量労働制は,専門業務型裁量労働制と 企画業務型裁量労働制から成る。専門業務型裁量労働制は,「業務の性質上その遂行の方法 を大幅に当該業務に従事する労働者の裁量にゆだねる必要があるため,当該業務の遂行の 手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をすることが困難なものとして厚 生労働省令で定める」業務(労働基準法第38条第3項)と定義されている。企画業務型裁 量労働制は「事業の運営に関する事項についての企画,立案,調査及び分析の業務であつて,

当該業務の性質上これを適切に遂行するにはその遂行の方法を大幅に労働者の裁量にゆだ ねる必要があるため,当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的 な指示をしないこととする業務」(労働基準法第 38 条第4項)と定められている。すなわ ち,裁量労働制は「①裁量労働者に関する制度であること,②実際の労働時間数にかかわら ず労働時間を一定時間とみなす(算定する)こと,③成果主義賃金とリンクしていること2, の3点を要素とする」(土田, 2017)ものである。

裁量労働制が労働時間や賃金等の働き方に与える影響を調査した研究に,戸田(2016)

や二神(2007),高見(2016)がある。戸田(2016)は,裁量労働制やフレックスタイム制 を適用されている労働者の労働時間,賃金および満足度について調査した結果,裁量労働制 の適用を受けている労働者は,仕事の量を自分で決めることができる傾向がみられるなど,

より柔軟な働き方が可能な職務についていることを明らかにした。また,裁量労働制を適用 されている労働者は,適用されていない労働者に比べて,週当たり労働時間が長くなる傾向 がある。しかしながら,時間当たり賃金率が高く,長くなった分の労働時間を賃金で補填さ れており,「残業代ゼロ」と言われるような,残業代の支払いがなされず時間当たり賃金率 が下がるといった現象は確認されなかった。二神(2007)は,企画業務型裁量労働制導入の

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効果を検証し,全体業務量に対する企画・調査業務比率を高めることによって,仕事の意欲 や仕事の満足度を高めるとともに,ストレスを低め,仕事と生活の調和を実現させることが できると主張した。また,高見(2016)は,裁量労働制が適用されている労働者が多忙な状 態に陥る要因を調査した。仕事量や期限を上司が一方的に決めている場合や,取引先への即 時対応が求められる仕事で,上司が部下の進捗状況把握に消極的な場合,労働時間が長くな ることを明らかにした。

佐藤(2008)は,『21世紀生活ビジョン研究会報告書』(電機連合総合研究企画室, 2007)

のデータを用いて,フレックスタイム制や裁量労働制が仕事のやりがい感やワーク・ライ フ・バランス満足度に与える影響を調査した。フレックスタイム制や裁量労働制を適用され ている労働者は,通常勤務の労働者に比べて仕事のやりがい感(「あなたは今の仕事にやり がいを感じていますか。」)が大きい一方で,残業時間が長くなり,ワーク・ライフ・バラン ス満足度(「あなたは今の仕事と生活のバランス(時間配分)に満足していますか。」)が小 さいことを明らかにした。

(2)柔軟な勤務場所

在宅勤務制等のオフィスから離れて勤務することをテレワークと言う。日本テレワーク 協会は「情報通信技術(ICT)を活用した,場所や時間にとらわれない柔軟な働き方」と定 義しており,テレワークは在宅勤務制,サテライトオフィス,モバイルワークから構成され る。中小企業におけるテレワークの導入・実施は進んでいないが,テレワークを導入してい る中小企業では,意識改革や業務プロセスの革新による優秀な人材の確保・維持や組織の活 性化の点でプラスの効果を感じている(小豆川, 2018)。レノボ・ジャパン(2019)の調査 によると,テレワークを導入していない労働者の勤務環境満足度が28.7%であるのに対し,

テレワークを導入している労働者の勤務環境満足度は 56.0%である。勤務環境満足度をテ レワーク利用頻度別で見てみると,週5日以上が76.7%,週1~4日が71.6%,それ以下

47.2%となり,テレワークの利用頻度が高いほど勤務環境の満足度が高い。また,テレ

ワークをしている労働者に「出社して仕事をする時と比べて,テレワークは働きやすいか」

と尋ねたところ,20代の約7割が,30~50代の約半数が「テレワークは働きやすい」と回 答した。その理由として最も多く挙げられたのが,通勤時間を作業時間に割くことができる こと(51.5%)であった。テレワークによって通勤時間を削減し,時間を有効活用できるよ うになったことで,勤務環境満足度が高くなったと言える。このように,テレワークは,企 業からも労働者からもポジティブな評価がされている。

(14)

13

中国の旅行代理店である Ctrip のコールセンターでの在宅勤務実験において,在宅勤務 のもとではパフォーマンスの向上,シフトあたり作業時間の増加,1分あたりの作業数の増 加が示された。また,在宅勤務を行った労働者の仕事に対する満足度が向上し,離職率が減 少した(Bloom, Liang, Roberts & Ying, 2015)。一方で,在宅勤務制には負の側面も存在す る。専門職の在宅勤務における個人のwell-being は,いつ,どこで,どのように働くかを コントロールできることが重要であり,労働者が職務管理の厳格さを知覚すると,離職意志 やワーク・ファミリー・コンフリクトは悪化する(Kossek, Lautsch & Eaton, 2006)。労働 政策研究・研修機構(2009)によると,勤務先以外の働く場所が「自宅」であると労働時間 が長くなるが,これは,夜間や休日に仕事をしているためである。柔軟な働き方の一つであ る在宅勤務制が,かえって長時間労働につながる可能性がある。坂本(2015)は,ICT ツ ールの利用が仕事・家庭生活に及ぼす影響を検討し,男性は女性に比べて所定労働時間外に 在宅勤務がなされる場合が多く,在宅勤務が多いとワーク・ファミリー・コンフリクトが高 くなることを実証した。女性がICT ツールをスケジューラーや業務マネジメントに用いる のに対して,男性はICT ツールをリアルタイムコミュニケーションの手段として用いる。

ICTツールを使う頻度が高いほど所定外労働時間に在宅勤務をするため,ワーク・ファミリ ー・コンフリクトが高くなる。

サテライトオフィスに関する研究は,日本では地域活性化との関連性を調査したものが 多い。企業の作業拠点としてのサテライトオフィスが地域活性化に与える影響を調査した 研究に,谷垣・加藤(2017)がある。谷垣・加藤(2017)は,徳島県神山町のサテライト オフィス誘致事業に着目し,2014年におけるサテライトオフィスの経済効果を検証した。

神山町では,神山町内の生産拠点と雇用の創出を目的に,2010年からサテライトオフィス 誘致を行っている。2014年のサテライトオフィスの経済効果は,約5,800万円と算出され た。金額的には大きくはないが,情報通信業が神山町に参入したことで,既存の産業と情報 通信業との相乗効果が今後期待できるとしている。西田・大原・藤岡(2018)は,総務省が 実施しているお試しサテライトオフィス事業のモデル団体のひとつである静岡県南伊豆町 の誘致戦略について調査した。西田ら(2018)によると,サテライトオフィスには,スタッ フが常駐し,地方にオフィスを設置する滞在型と,実際にオフィスは設置せずに,短期間で 東京と地方を行き来する循環型の2種類の形態がある。南伊豆町は循環型に該当するため,

進出企業数は少ないものの,地域課題解決のために地域との連携を図る企業を獲得してい る。西田ら(2018)は,サテライトオフィス誘致による地域課題の解決や地域との交流につ なげるためには,誘致ビジョンを明確にし,地域住民や企業への説明を十分に行う必要があ

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14

ると主張した。このように,サテライトオフィスが与える影響に関する研究はこれまでにも あるものの,在宅勤務制に比べて,職務満足や離職意志といった労働者の意識との関連性を 調査したものは少ない。

2.3 長時間労働

働き方改革の目指すものの一つが長時間労働の是正である。長年,日本では長時間労働の 削減に取り組んできた。労働政策研究・研修機構(2018)によると,1980年以降,日本人 の一人当たり労働時間は減少している。しかしながら,これは短時間労働を行う非正規雇用 者が増加したためであり,正社員の労働時間は25年間でほとんど変化しておらず,むしろ 土曜日の「半ドン」がなくなったために平日の労働時間は増加している(山本・黒田, 2014)。

長時間労働は,企業や労働者にとって問題を引き起こす可能性がある。小野(2016)によ ると,長時間労働が引き起こす問題は主に5つあり,①人的資本の無駄使い,②ワーク・ラ イフ・バランスの実現を妨げる,③ダイバーシティの障壁要因となる,④イノベーションを 妨げる,⑤健康・well-beingに悪影響であることが挙げられる。①人的資本の無駄遣いに関 する研究として,Collewet & Sauermann(2017)は,オランダのコールセンターにおける 調査で,労働時間が長くなると平均通話時間が長くなる,すなわち生産性が低下することを 明らかにした。②ワーク・ライフ・バランスの実現を妨げることに関連して,池田(2010)

は,長時間労働が男性正社員のみならず,女性正社員や非正規労働者にも拡大していること に触れて,出産・育児期や介護期の就業継続を困難にしていると指摘した。③ダイバーシテ ィの障壁要因に関連して,ダイバーシティは,ジェンダーや人種,年齢等の表層的なものか ら,パーソナリティや価値観,職歴といった深層的なものまでを包括している(谷口, 2008)。 性別や年齢によって仕事で使える体力は異なるが,長時間労働でより多くの体力を必要と すると,体力の少ない層はその仕事から離脱してしまい,ダイバーシティは妨げられること になる。④長時間労働がイノベーションの妨げになることについて,小野(2016)は,Carson, Peterson & Higgins(2003)の研究を紹介し,心理学の研究から,豊かな発想と想像はゆ とりのある時に生まれることが明らかになっていると指摘した。⑤健康・well-beingに関す る研究として,岩崎(2008)は,長時間労働と健康問題に関する研究をレビューして,長時 間労働は睡眠不足や脳・心臓疾患,精神疾患に大きな影響を与えていることを示唆した。さ らに,山本ら(2014)は,メンタルヘルス不調の労働者が多い企業ほど,中長期的な業績は 低下することを示唆している。

残業時間が発生する最大の理由は,労働者および管理者の仕事量の多さによるものであ

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15

る。日本企業は採用・育成にかかる費用が高いため,労働者を景気後退期に解雇しなくて済 むよう,あらかじめ労働時間の調整余地をつくっておくという「残業ののり代(バッファー)

説」が有力である(山本ら, 2014)。一方で,職務特性上,残業が発生しやすい場合もある。

「取引先や顧客の対応が多い」「会議や打ち合わせが多い」「会社以外の場所でも仕事ができ る」に当てはまる人は,当てはまらない人よりも10時間以上労働時間が長い。「自分で仕事 のペースや手順を変えられる」に当てはまる人は,当てはまらない人よりも労働時間が短い

(労働政策研究・研修機構, 2011)。

残業時間が発生するその他の理由としては,労働者の個人特性が挙げられる。黒川・佐々 木・大竹(2017)によると,労働者の個人特性について,子どもの頃に夏休みの宿題を後回 しにしていた人ほど深夜残業時間が長く,協調性がある人ほど45時間以上残業をする確率 が高い。また,平等主義的な人ほど総残業時間が長い一方で,開放性が高い人ほど総残業時 間は短い。「自分の仕事をきちんと仕上げたい」という理由で残業が発生する場合も少なく ない(佐藤, 2008)。労働者は,残業することを美徳として,すなわちプラスのシグナルと してとらえ,定時に帰宅することがマイナスのシグナルとして受け取られることを懸念す る(小野, 2016)。残業時間の上限目標を月45時間とする人事制度の導入前後で残業時間の 差を測定した結果,個人特性によって残業削減効果は異なることが明らかになっている(黒 川ら, 2017)。

企業特性や職場特性によっても残業時間の発生しやすさは異なる。残業が発生しやすい 企業特性として,仕事に対するインプットすなわち労働時間を重視する企業では,アウトプ ットすなわち成果を重視する企業より,残業を美徳と認識する(小野, 2016)。日本人社員 の欧州赴任前後で比較すると,欧州赴任後の労働時間は有意に減少した(山本ら, 2014)。 これは,赴任元の日本企業がインプットを重視する一方で,赴任先の欧州企業がアウトプッ ト重視の企業であったためだと言える。また,残業が発生しやすい職場特性として,残業は 職場で「集中」「感染」「麻痺」「遺伝」する(中原・パーソル総合研究所, 2018)ため,残業 が発生しやすい職場では,さらなる長時間労働につながる。残業の「集中」とは,管理職が 能力のある部下に仕事を重点的に割り振ることにより,特定の人ばかりが残業することで ある。職場で誰かが残業していると,同調圧力が生じてしまい,必要のない人にまで残業が

「感染」する。また,残業時間が60時間を超えると,疲労感が「麻痺」してしまい,さら なる長時間労働につながる。若いころに残業が長かった管理職の部下は,同じく残業が長く なる傾向がある。すなわち,残業時間が上司から部下へ「遺伝」する。

(17)

16 第3章 仮説の導出

P-E fitは職務満足に正の影響を与え(Saks & Ashforth, 2002; Shin, 2004; Kristof-Brown, et al., 2005; 鄭ら, 2011),離職意志に負の影響を与える(Lauver & Kristof-Brown, 2001;

Saks & Ashforth, 2002; Shin, 2004; 竹内ら, 2007)。柔軟な働き方施策も同様に,職務満足 に正の影響を与え(Scandura & Lankau, 1997; 二神, 2007; Bloom, et al., 2015),離職意 志に負の影響を与える(Lee & DeVoe, 2012; Bloom, et al., 2015)。このことから,P-E fit と柔軟な働き方施策には正の相関があると予想される。P-E fitが柔軟な働き方施策に先行 するとは考えにくいため,柔軟な働き方施策が適用されているとP-E fitが高いという因果 関係が推測できる(図1)

フレックスタイム制は,一週間あたり総労働時間を超えない範囲で,出退勤時間や一日の 労働時間を労働者が自由に決定できる制度である。Scandura & Lankau(1997)は,フレ ックスタイム制の導入によって,組織コミットメントや職務満足度が上がることを明らか にした。また,フレックスタイム制の導入は,離職率の低下につながる(Lee & DeVoe, 2012)。

裁量労働制は,職務遂行のための方法等を労働者の裁量にゆだねるとともに,実際に働い た時間にかかわらず,あらかじめ定められた労働時間を働いたとみなす制度である。森本

(2003)は,高齢者施設で働く介護職員の精神的健康を調査し,仕事の方法に関する裁量 度が高いほど,職務満足度が高いことを明らかにした。仕事の進め方や時間配分を労働者の 裁量にゆだねる裁量労働制でも,職務満足度が高いであろう。

P-E fitは組織コミットメントや職務満足度を高め(Kristof-Brown, et al., 2005; 竹内ら, 2007),離職率を低める(Hoffman & Woehr, 2006)ことから,フレックスタイム制や裁量 労働制を適用されている労働者は,P-E fitが高いと言える。また,Weale, et al.(2017)

は,オーストラリアの高齢者介護施設のパートタイム労働者が,労働時間を短縮したり希望 シフトを選択したりすることで,P-E fitが高まることを108名の半構造化インタビューに

図 1 P-E fitと柔軟な働き方施策が職無満足度と離職意志に与える影響

(18)

17

より明らかにした。以上の研究から仮説1-1,仮説1-2を導出する。

仮説1-1.フレックスタイム制が適用されている労働者は,P-E fitが高い。

仮説1-2.裁量労働制が適用されている労働者は,P-E fitが高い。

テレワークは,在宅勤務制・サテライトオフィス・モバイルワークから成る。Fonner &

Roloff(2010)によると,テレワークをしている労働者は,組織内政治への積極的な行動を

知覚する可能性が低くなる。組織内政治は離職意志を高めることが明らかになっており

(Cropanzano, et al., 1997),テレワークは離職意志を低下させると主張した。また,テレ ワークと職務満足度には正の相関がある(森川, 2018)。P-E fit は離職意志を低下させ

(Lauver & Kristof-Brown, 2001),職務満足度を高める(Kristof-Brown, et al., 2005; 竹 内ら, 2007)ことから,テレワークはP-E fitを高めるであろう。一方で,テレワークによ って組織内政治への積極的な行動を知覚する可能性が低下すると,組織風土等を知ること ができず,P-E fitが下がる可能性がある。大嶋・宮崎・芳賀(2016)は,Chang, Rosen &

Levy(2009)を引用し,組織内政治は労働者から緊張した反応を引き出し,ストレスを生 み出すことと,組織内政治の知覚は個人と組織間の健全な交換関係の維持に弊害をもたら すことに言及した。組織内政治を知覚する可能性が下がることで,むしろP-E fitの低下を 防ぐことができるであろう。

在宅勤務制は,企業等と雇用関係にある労働者が,雇用契約や就業規則に基づいて,自宅 で働く制度である。働く時間や働く場所に関する調査を行った労働政策研究・研修機構

(2009)によると,自宅で働く人は,自宅で働く理由として,所属先企業の他事業所や顧客 先の事務所に比べて「家族と過ごす時間を増やしたいから」「通勤の負担を減らしたいから」

と回答した人が多い。自宅で仕事をするメリットとして最も多く挙げられているのは,仕事 の生産性向上である。コールセンター業務を在宅勤務で行った労働者は,そうでない労働者 に比べて生産性,職務満足度が高く,離職率が低い(Bloom, et al., 2015)。

サテライトオフィスは,企業等と雇用関係にある労働者が,雇用契約や就業規則に基づい て,自身が所属する営業所等とは異なる拠点で働く制度である。東京都(2019b)によると,

サテライトオフィスのメリットとして,通勤時間の削減(61.4%)や定型型業務の生産性の 向上(42.9%),業務への集中力の向上(40.0%)と回答した人が多い。デメリットを尋ね る項目では,デメリットを感じていない(42.9%)と回答した人が最も多かった。株式会社 ガイアックスでは,事業部ごとにサテライトオフィスを導入しており,該当事業部では,離

(19)

18 職率が四分の一に減少した(総務省, 2017a)。

P-E fitは職務満足度を高め(竹内ら, 2007),離職率を低める(Hoffman & Woehr, 2006)。 このことから,在宅勤務制やサテライトオフィスが適用されている労働者とP-E fitとの間 には正の相関関係があることがわかる。在宅勤務制やサテライトオフィスとP-E fitの因果 関係を推定すると,在宅勤務制やサテライトオフィスは,組織の制度であり,個人のP-E fit の高さによって適用の有無が左右されるものではない。このため,在宅勤務制やサテライト オフィスが適用されていると,P-E fitが高いと推測できる。

仮説2-1.在宅勤務制が適用されている労働者は,P-E fitが高い。

仮説2-2.サテライトオフィスが適用されている労働者は,P-E fitが高い。

子どもがいる労働者は,余暇時間が増えることでワーク・ファミリー・コンフリクトが起 こりにくくなるであろう。雇用形態を変えずに余暇時間を増やすためには,働き方を柔軟に する必要である。

柔軟な働き方施策が適用されている労働者は,適用されていない労働者に比べて P-E fit は高いと考えられる。たとえば,フレックスタイム制は,所定労働時間のもとで勤務時間を 変更しやすい。子どもの送迎が必要な労働者は,フレックスタイム制を利用して送迎時間と 勤務時間を調整することが可能になる。Scandura & Lankau(1997)は,家庭的責任があ る労働者は,フレックスタイム制によって組織コミットメントと職務満足度が高くなるこ とを明らかにした。フレックスタイム制を適用されている労働者は,適用されていない労働 者に比べてP-E fitは高いであろう。

仮説3.子どもがいる労働者が,フレックスタイム制を適用されていると,子どもがいて フレックスタイム制を適用されていない労働者に比べてP-E fitは高い。

Weale, et al.(2017)は,柔軟なシフト勤務はP-E fitに影響を与えるものの,調理など,

決まった時間に出勤して作業をしなければならない等の職務特性によっては柔軟に働けな い場合もあると指摘している。そこで,柔軟な働き方施策と職務特性の交互作用効果が P-

E fitに与える影響を検証する。

職務特性モデルとは,個人が自分の仕事を効率的に遂行するために内発的に動機づけら れる条件を職務特性によって規定するモデルである(Hackman & Oldham, 1976)。

(20)

19

Hackman & Oldham(1976)によると,職務特性はスキル多様性,職務完結性,職務重要 性,職務自律性,フィードバックの5つに分けることができる。スキル多様性は,その職務 の遂行にどれだけ多様なスキルや経験が必要であるかを意味する。職務完結性は,他人の作 業に依存せず,自分でどの程度職務を遂行できるかを指す概念である。職務重要性は,その 職務がどれだけ重要であるかを表す。職務自律性は,どの程度職務に対する裁量を持ち,ス ケジューリングや仕事の進め方を決定できるかを指す概念である。フィードバックは,どれ ほど職務の成果を知ることができるかを意味する。同じ仕事を仮定した場合,働く時間や働 く場所が柔軟になることで特に影響が大きいのは,職務完結性と職務自律性であると考え られる。なぜなら,職務完結性と職務自律性の程度によって,他人の作業への依存度や仕事 の進め方に関する裁量が変化し,その職務を遂行するために関与する人数が変化するから である。

働く時間や場所が変わると,コミュニケーションの取り方が変化するため,同じ職務に関 与する人数は非常に重要である。古川(2014)は,テレワーク導入企業における労働者に対 する動機づけ施策について調査し,組織メンバー間の情報共有を促す施策,メンバー同士の 協力体制を高める施策,組織内での垂直・水平方向のコミュニケーションを促す施策,メン バー相互間の信頼関係を高めていく施策が特に重要であることを示唆した。テレワーク導 入企業において,労働者の動機づけにはコミュニケーションを促す施策が求められること から,テレワークをしている労働者にとって,円滑なコミュニケーションは重要であると言 える。働く時間や場所にばらつきがある場合,職務に関与する人数が少ない方が,円滑にコ ミュニケーションをとりやすいと思われる。このため,職務完結性と職務自律性に着目する。

また,働く場所のばらつきによって,自律的に働く能力やタイムマネジメントスキルの重 要度が異なる。働く場所のばらつきが小さい組織よりも,ばらつきが大きい組織の方が,自 律的に働く能力やタイムマネジメントスキルがP-J fitを高める(Shin, 2004)。サテライト オフィスよりも在宅勤務制の方が働く場所のばらつきが大きいため,在宅勤務制と職務自 律性の交互作用効果に着目する。

専門職の在宅勤務において,労働者が職務自律性を知覚すると,FTWC や離職意志は低 下する(Kossek, et al., 2006)。柔軟な勤務場所での職務に対して,職務自律性が労働者の 離職意志を低下させることから,在宅勤務制には職務自律性が求められると言える。

仮説4.在宅勤務制が適用されている労働者は,職務自律性が高いほど,P-E fitは高い。

(21)

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フレックスタイム制のもとでは,コアタイムはあるものの,出退勤時間を自由に決めるこ とができるため,通常勤務制に比べて他者とかかわる時間が短くなると考えられる。このた め,他者との連携をせずに仕事を完結できることが必要であると言える。このことから,フ レックスタイム制と職務の完結性の交互作用効果により,P-E fitを高めると推測できる。

仮説5.フレックスタイム制が適用されている労働者は,職務完結性が高いほど,P-E fit は高い。

Weale, et al.(2017)によると,高齢者介護施設で働くパートタイマーの多くは,柔軟な シフト選択によって仕事と家庭の相互作用の最適化を実現していた。例えば,パートタイマ ーは,勉強や育児,介護に時間を費やすことを可能にするシフトパターンを選択した。この ことは適合の観点から望ましい効果があり,ワーク・ライフ・バランスの実現のもとで,P-

E fitが高まることを指摘した。このことは,柔軟な働き方ができたとしても,望ましいワ

ーク・ライフ・バランスが実現できなければ, P-E fitは向上しないことを意味する。

他方で,在宅勤務制のデメリットとして,「仕事と仕事以外の時間の切り分けが難しい」,

「長時間労働になりやすい」が挙げられており(労働政策研究・研修機構, 2009),長時間 労働はワーク・ライフ・バランスを妨げることが明らかになっている(小野, 2016)。この ため,在宅勤務制が適用されている労働者は,残業時間が長いと,P-E fitが低いであろう。

仮説6.在宅勤務制が適用されている労働者は,残業時間が長いほど,P-E fitが低い。

図 2 研究枠組み

(22)

21 第4章 調査方法

4.1 使用する調査データ概要

パーソル総合研究所の「働く1万人の就業・成長定点調査,2017」の調査データを用い て分析を行う。この調査データは,派遣・契約社員・自営業を含む全国の15歳から 69歳 の個人を対象に2017年3月に実施されたものである。サンプルサイズは10,000人であり,

性別及び年代は国勢調査の分布に従っている。本研究では,「現在の雇用形態」を「会社員

(正社員)」を選択したサンプル(サンプルサイズ4814人)を調査対象とする。たとえば,

派遣労働者は派遣先企業と派遣元企業のどちらに適合しているのかを明らかにすることが 困難である。このような混乱を避けるために,会社員(正社員)のみを分析の対象とした。

本研究で調査対象となるサンプルサイズは4814人である。年齢の平均値は29.269だが,

質問票では,14歳未満を1,15歳を2,16歳を3,…,69歳を56,70歳以上を57とし て,実際の年齢から13を引かれた数字で変数になっているため,実際の平均年齢は42.269 歳である。以降の分析では,質問票で得た数字をそのまま使用する。男性が68.76%,女性

31.24%である。業種は製造業(1176人),サービス業(545人),卸売業・小売業(530

人)の順に多く,職種は経理・財務(365人),総務(326人),研究・開発・設計(274人)

の順に回答が多い。勤続年数は5年~10年未満のサンプルが最も多く(967人),次いで10 年~15年未満(753人),3年~5年未満(599人)と続く。職位は一般社員・労働者(3071 人),課長相当(539人),係長相当(519人),部長相当(287人),代表取締役・社長相当

(149人),取締役相当(144人),事業部長相当(59人)の順に多い。個人年収は300万 円~400 万円未満(857 人)が最も多く,400 万円~500万円未満(764人),200万円~

300万円未満(641人)と続く(表 2)。

4.2 調査項目

(1)従属変数:P-E fit

「現在の仕事・職場との適合状況」の6項目(「現在の仕事に対して私の知識や能力は十 分である」「勤め先の企業理念に共感できる」「勤め先の文化や風土は私にあっている」「現 在の働き方は自分にあっている」「勤め先の上司と自分の相性はよい」「勤め先の同僚との関 係はよい」)をP-E fit尺度として使用する。

P-E fitの下位概念は,P-O fit(Person-Organization fit:個人-組織適合),P-J fit(Person- Job fit:個人-職務適合),P-G fit(Person-Group fit:個人-集団適合),P-V fit(Person- Vocation fit:個人-職業適合),P-S fit(Person-Supervisor fit:個人-上司適合)の5つ

(23)

22

である。P-O fitは「個人の価値,目標,及び特性と組織の構造,風土,及びトップマネジ メントとの適合」(鄭ら, 2011)と定義される。P-O fitの先行研究では,“Do you think the values and ‘personality’ of this organization reflect your own values and personality?”

(Cable & Judge, 1996),「私の個人的な価値観と会社の価値観や文化は合っている」(中 村, 2015),「組織の持つ価値観を大切にしている」(古田, 2017),といった質問項目が使用 されている。このことから,P-O fitに当てはまる項目として,「勤め先の企業理念に共感で きる」「勤め先の文化や風土は私にあっている」の2項目を使用する。P-J fitは「職務遂行 上必要となる技能及び知識と個人が持っている能力との適合」を表す(Jansen & Kristof-

年齢 度数 年齢 度数 性別 度数

172 43117 男性 3310

184 44128 女性 1504

198 45121 個人年収 度数

207 46114 50万円未満 17

2119 47100 50万~100万円未満 23

2239 48114 100万円~200万円未満 212

2387 49115 200万円~300万円未満 641

24122 5089 300万円~400万円未満 857

2567 51105 400万円~500万円未満 764

2686 52127 500万円~600万円未満 543

27109 53106 600万円~700万円未満 375

28138 54113 700万円~800万円未満 288

29142 55138 800万円~900万円未満 176

3096 56106 900万円~1000万円未満 114

31109 5791 1000万円~1200万円未満 150

32119 58114 1200万円~1500万円未満 75

33146 5986 1500万円~2000万円 36

34158 6081 2000万円以上 33

35126 6166 わからない・答えたくない 510

36116 6250 職位 度数

37134 6352 一般社員・従業員 3071

38155 6430 係長相当 519

39177 6528 課長相当 539

40122 6623 部長相当 287

41117 6724 事業部長相当 59 42141 6814 取締役相当 144 6916 代表取締役・社長相当 149 その他管理職 46

合計 4814

表 2 サンプル概要

表 1  EOR の種類と定義  EOR 定義 組織コミットメント 情緒的・存続的・規範的の3つの側面を持ち,これらの組み合わせやそれぞれの強さによって決定される。組織コミットメントが 高い人は,低い人に比べて組織にとどまりやすい。(Allen & Mayer, 1990)。 組織市民行動 従業員が行う任意の行動のうち、彼らにとって正式な職務の必要条件ではない行動で、それによって組織の効果的機能を促進する 行動。その行動は強制的に任されたものではなく、正式な給与体 系によって保証されるものでもない。
図 1  P-E fit と柔軟な働き方施策が職無満足度と離職意志に与える影響

参照

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Especially, statements 1, 7, and 9 resulted in scores close to the intermediate range. These three statements in the former study also resulted in slightly lower scores 5). However,

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