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輸出業者の立場より見たる商業荷為替信用状取扱上 の問題点(2)

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(1)

輸出業者の立場より見たる商業荷為替信用状取扱上 の問題点(2)

その他のタイトル Technical Hints on the Export Documentary Letter of Credit (II)

著者 来住 哲二

雑誌名 關西大學經済論集

巻 5

号 7

ページ 795‑818

発行年 1955‑11‑30

URL http://hdl.handle.net/10112/15736

(2)

輸出業者の立場より見たる商業荷為替信用状取扱上の問題点︵来住︶ では六二封度︑米国では六〇封度を︑又米国及びカナダのライ麦取引では五六封度を︑

輸入小麦では四九六封 大麦の取引では四八封度 する慣習の相違にも注意しなければならない︒

Me tr ic

t on

は英国 海上売買取引が売主の申込に始まり︑船積︑荷為替取組による代金決済にて終る迄︑終始数を基礎としていることを思えば︑数量の問題を品質や包装の問題以上に注意しなければならないのは当然であろう︒

問題は信用状に記載された不完全な数羅規定により惹起される︒即ち信用状記載数量と現実の引渡数景との相違

に帰因するのであるが︑その相違は重量単位の誤解の場合に起り易い︒例えば売主が契約に於て

Sh or t to n (

000封度︶単位でその物品の総重量を売つているにも拘らず︑買主が誤つて

Lo ng

t on

(英噸・ニニ四0封度︶或

(仏噸•

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l2

)

単位として信用状に数景を記載し︑開設してくる場合である︒又数量単位に関

即ち穀物取引に用いられる数量単位のプッシエル

( B u s h e l )

を︑玉蜀黍の取引では米国は五六封度を︑燕麦の取引では米国は三二封度︑カナダでは三四封度を一プッシエルと

(27

>

している︒又英国で用いられるクォーター

( Q u a r t e r )

は自国産の小麦取引では五

0

(D el iv er y Qu an ti ti es ) 

商業荷為替信用状取扱上の問題点② 輸出業者の立場より見たる

(3)

766 

度を︑又自国産の燕麦取引では三三六封度︑輸入燕麦では三二

0

封度を︑大麦の取引では英国は四八八封度︑カナ

(28) ダ︑ロシャ︑アルゼンチンでは四

00

封度を︑ライ麦取引では四八〇封度を一クォーターとしている︒且又容量単位

として用いられているガロン︵G

on

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英国標準ガロン

( I m p e r i a l

g al l

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では四・五四六リットル︑米国標準ガロ

( W

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g al l

o n)

では三・七八五三リットルを一ガロンとしている︒か4

完全に表示されているならば紛争を惹起せしめることは明らかであろう︒併しこれらの事柄は明らかに買主の過誤

であって︑輸出業者が精細に信用状を検査するならば早期にその誤りを発見し︑訂正し得るのであるが︑これとは

異り︑外面上は何ら支障を感ぜず︑出荷数量の確定を侯つて︑初めて重大な問題を提起する所の数量上の問題を次

に考察してみよう︒

売買取引に於ては引渡数量は約定数量と同一なることが要求されるのであるが︑国際貿易では契約は未行売買に

属するものであるから︑約定数量と同一の数量の物品を引渡すことは種々なる理由によって妨げられ勝ちである︒

即ち生産製造上の支障︑大量貨物の輸送上に於ける減量︑積込作業中の飛散︑漏失︑海中への墜落︑又液体商品の

如く商品の性質により運送保管中に自然的に減量するものがある︒これらの商品の中には数量の過不足許容の慣習

( 2 9 )  

を持つているものも少くはないが︑約定数量と引渡数量との不一致によって惹起された紛争は枚挙に退がない︒信

用状に数量の明記例えば

50

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なる許容文言がなく︑又分割積

( Pa r t ia l sh ip me nt )

も許可されていない場合がかなり多い︒

軽視するならば︑この記載数量は約定数量と同一の数量であるから問題になるとは考えられないが︑商品の出荷︑

( 3 0 )  

船積を侯つて始めて重視されることになる︒即ち出荷数量が約定数量或は信用状記載数量の五万砥を上廻るか︑乃

至は不足するかにより信用状条件に合致しないということになる︒併し過剰分を残して輸出すれぽ問題は起らない

(4)

轍出業者の立場より見たる商業荷為替信用状取扱上の問題点︵来佳︶

と言えるであろうが︑その余剰分の何形かは損失となり︑不足の場合は全然輸出出来ず︑非常な損失を蒙るのであ

る︒又これが液体商品の如く漏失又は揮発し易いもの並びに粒状商品︑鉱物の如くバラ積のなされるものにとつて

は海上運送上の減量を見越して輸出し︑もし予想以上に減量しなかったならば過剰による紛争を惹起するため前者

以上に注意しなければならない︒然しながら信用状に

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言があるか︑分割積許可なる言葉があれば問題は又別である︒

英国に於ては

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第三十条に於て︑誤りたる数量の引渡

(D el iv er y

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なる見出しの下に約定品引渡数量の過不足の問題を取扱っている︒即ち第一項では﹁売主が約定数

量より少い数量を買主に引渡したる場合︑買主はこれを拒否し得る︒但し︑もし買主がかくの如く引渡された物

品を受取るならば︑買主は契約値段で支払わなければならない︒﹂又第二項では﹁売主が約定数羅よりも多い数量

を買主に引渡したる場合︑買主は約定数量を受取り︑残余を拒否し得る︑或はその全部を拒否し得る︒もし買主が

かくの如く引渡された物品の全部を受取るならば︑買主は契約値段で支払わなければならない︒﹂第四項では﹁本

条の規定は取引慣習︑特約又は当事者間に慣行ある場合にはこれに従うものとする︒﹂としている︒か4

買主は売主が約定数量を超過するか又は不足して物品の引渡を行った場合にはその受諾を拒否し得るのである︒ア

メリカ合衆国に於ても一九〇六年の統一売買法第四十四条に同様の規定が設けられており︑又仏国に於ても売買取

引上買主への引渡数量は約定数量と合致しておらなければならないとしている︒而して現行の海上売買に於ては︑

一九︱二年に起った なる許容文

Br

ot

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の紛争事件に於て︑売主は約定数蛍︵許容数最も含む︶の最大限四九五〇封度を上廻るわづかな数量五五

封度を含んで引渡を履行し︑その過剰分に対して代金の支払を明1ホ的にも︑暗示的にも請求しなかった︒この事は 数量の問題に就いては是等の規定が適用されている︒

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一八九三年の物品売買法

( Sa l e o f  G

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(5)

798 

を得ないと定義されており︑ 仲立人組合

( 3 1 )  

売主の善意の提供であって︑買主はこれを拒否することは出来ないとされ︑極めて僅少なる過剰に関しては︑所謂

ておりながら︑

De

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ni

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e x ﹂なる原則が適用され︑売主に有利な判決が与えられたのである︒許容文言を含有し

4る紛争事件を提起したことを思えば︑確定数量記載の場合の契約履行が如何に至難であるかゞ

分るであろう︒

て︑輸出業者は約定数量よりも多く或は少なく物品の引渡を行い得るのである︒

英国に於ては︑ それ故に︑売主の陥り易い不完全履行より生ずる不利益を回避せんがために︑

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なる許容文言を買主をして信用状に記載させることは望ましい

土ジM

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なる許容文言を考察してみるならば︑ 

4る文言に対してその過不足の許容限度は確定化しておらず︑契約当事者の合意に基く場合も

あり︑又商品の性質により︑且又商慣習に於て了解せられるものもある︒併しこの限度を超えてなされた船積又は

引渡に関して︑買主は全部の提供を拒否し得ることは物品売買法第三十条の規定により明らかであろう︒この許容

( 3 2 )  

が挙げられる︒文言の使用された売買契約に関する紛争事件として一九

0

倫敦契約に於ける

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なる許容文言に就いて一瞥するならば︑

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の規約では、その過不足は二•五彩を超えること

倫敦穀物取引組合

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4る文言の附加によっ

の規約をみるに

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t では約定数量の二形の過

不足提供が許され︑.且つ売主は二形に加えて三%の増減の選択払が許されている︒又化学製品同業組合の規定では

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天産物 引渡数量に附加し

(6)

り ︑

輸出業者の立場より見たる商業荷為替信用状取扱上の問題点︵来住︶ 信用状金額又は商品の数量若しくは単価に対し︑

‑ 0

彩を超えない増減を許容しているものと解すべきであ 更に統一規則に於ては︑その三十五条に 而して

" E n v i r o n "

なる許容文 五彩の過不足が許されている︒斯様に英国では許容文言による許容限度はまちまちであるため︑在日外銀乃至我が

( 3 3 )  

国外国為替銀行に於て確たる取極めがないのは当然であって︑英国系銀行の信用状には^^

A b o u t "

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A p p r o x i m a t

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なる用語よりも6^5,  

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の如く︑明確なる許容文言を入れる様に依頼すべきである︒

仏国に於てはこ

( A b o u t " ,

"

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に該当する用語として6^

E n v i r o n "

なる用語があり︑この用語の使用

により輸出業者は約定数景に或る程度の過不足を伴う引渡を履行し得るのである︒この用語による過不足許容限度

は︑契約文言の解釈︑売買両当事者の合意︑商取引上の慣習︑商品の性質等によって決定されるのであるが︑判例

( 3 5 )   ( 3 4 )  

上示されたものを挙げてみるならば︑酒樽の場合一〇彩︑ラム酒の場合は同様に一

0

彩︑鉛の場合はわづかに一彩

(36)

3 7)

を超えてはならないとされている︒併し取引上一般に行われている取極めは五形乃至一〇彩とされているのである

が︑現行の信用状取引に於ては統一規則に則つて一〇彩の過不足を認容している︒

言が信用状に記載されてあるならば︑輸出業者は了解された限度内で引渡数量を増減し得るのであるが︑このこと

は約定数量と同一の引渡の至難さから起る不完全履行に対して輸出業者の利益を捷護するものであって︑理由なく

して専恣に引渡数量の増減を行うことは出来ないのである︒又輸出業者は許容文言による許容限度の充当をなして

も︑引渡数塁に不足を生ずる場合があり︑この場合には﹁分割積禁止﹂の原則に制約せられ︑他船による補足租出

( 3 8 )  

が許されない場合がある︒

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,

" C i r c a

"

又その同義語が指図中に使用されている位置によ

る︒信用状が数量に関する規定に於て︑包装単位︑容器又は個々の品目別に数量が規定されていない時には︑仮令

(7)

800 

しておかなければならない︒

一般には物品の不足を来

信用状が確定した重量又は容積を要求しておる場合に於ても︑信用状に記載された総数量の百分の三形の増減が許 される︒但し信用状が明白に記載数量の増減を許容しないことを規定している場合にはこの限りでない︒﹂と述べ

られている︒この様によ^

A b o u

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A ' C i

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なる用語の位置に従つて︑商品の数量︑信用状金額若しくは単価は一

0

を超えない過不足が認められており︑包装単位︑容器又は品目別の数量の規定がなければ総数量の三彩の過不足が許 容されているのである︒而して一九五二年アメリカ合衆国

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h i l a

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1 L 於ける銀行業者

の研究会に於て﹁第三十五条に規定する三疹過不足許容限度に関し︑銀行はその商品の性質が確定数量乃至は確定 容積にて引渡し得るものか否かにつき︑これを確めるために努力すべきか否や︒﹂たる質疑に対し︑商品によりては 当然になさなければならないという回答が行われたのである︒

では牛豚の如き生物の場合には一︱︱形以上になると言っても半分に切る事は出来ないとして三彩を上 廻る場合をも認めている様である︒猶英国系銀行に於てはこの三疹の過不足の許容は通用しないということを銘記 海上売買取引に於て︑約定数量と引渡数量との不一致の問題は商品数量の過剰よりも寧ろ不足の場合に多く現わ

れることは言う迄もないが︑相当量の減少の発生を予想して余分に積出した場合︑反つて過剰になり︑紛争を惹起 する恐れもある︒それ故に︑許容文言を信用状に明白に記載することにより︑約定品の引渡の不履行による紛争を 大幅に減少させ得る︒而して許容文言を上廻る増加に対しては物品を残すより外ないが︑

たす場合が多いので許容文言︑否それよりは分割積許可の記載が望ましく︑猶それ以上に両者を記載した信用状が

切望されるのである︒ ch

ap pi j 

̀ 

N .  

V . )  

これに関し和蘭銀行

( Ne d e rl a n ds c h e Ha nd el   ‑M aa ts   , 

(8)

輸出業者の立揚より見たる商業荷為替信用状取扱上の問題点︵来住︶

約定数量と引渡数量との合致の困難さ︑それによる紛争問題並びに許容文言による紛争打開を先に説明したが︑

此処に分割積許可

( Pa r t ia l sh ip me nt s  are  pe rm it te d, P  ar t  shipmen

ts   ar e  a ll ow ed

; 

を一枚加えるならば紛争は自ら打開さ

れてくる︒然るに︑分割積不許可

(P ar t sh ip me nt s     i no t  p er mi tt ed ) 

ず︑多くの人々はあまりにも分割積の問題を軽視する嫌いがあるのは残念である︒成程︑或る取引に於ては輸出業 と記載されている信用状がかなりあるにも拘ら

(P ar ti al Sh ip me nt ) 

( 2 7 )

A.A•H8

k er :  "

Th e  I n te r n at i o na l  G ra in   Tr ad e"

,  1936, 

PP . 

1 1  

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2  ( 2 8 ) A  . 

A•

Ho ok er   " 

I bi d . ,  PP . 

1 1   , 

12   ( 2 9 ) 数量問題に関する紛争事件は

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D .   Ch al me rs :  "

Sa le  o f  Go od s  A ct   1893", 

9t h  e d ,  1 92 2 P,   P.   19

5  , 1

96

を参照され

度し︒本書は第十一版(‑九三一年︶まである︒

( 3 0 ) 加工品に対しては普通︑製造業者間では不足を見越してアップ反を入れるから︑上手に仕上った場合には数量過剰となる︒

(31)M•

D .  

Ch al me rs :  I bi d . ,  P .  85

Illu~tration(l)

  ( 3 2 )

  K en ne dy :  "

On .  C

 

I•

F.  C on tr ac t"

,  2n d  e d .,   1 92 8 P . ,    6 5  ( 3 3 ) 外国為替銀行に於ては一般に五%と見ている様であるが︑これには確定的な取極めはなく︑輸入業者乃至は代理店又は 輸出業者の信用状態︑発行銀行︑商品の性質等を考慮して

Ca se by   case

で行っているのが現状である︒

(34)

( 3

5 )

(36)同一九一六・一―•五

( 3 7 )

この取極めは

Ad ri en Ga ub er t:  "

Le s  V en te s  Ma ri ti me s"

,  1 91 2 P . ,     18 0

(2 )

及び

P .3 34

に見られる如く︑

以前から行われている︒(38)マルセイユ判例一九

0

·IO• かなり

(9)

B02 

た所であるが︑

m i s s

i b l e

.   輸出業者の立場より見たる商業荷為替信用状瑕扱上の問題点︵来住︶

者は分割積を必要としないかもしれない︒併し若干の取引の中には数回の船積を必要とするものがある︒この分割

積なる言葉は単に貨物の分割を意味するのではなく︑各給付が時間的の間隔に於て行われるものを言うのである︒

概して分割積の問題は輸入業者の買付資金の関係並びに需要者側の消費能力等により約定品の引渡が長期に亙るを

有利にした場合に︑輸入業者の要求として専断に提起されることが多いのであるが︑輸出業者としても生産︑製

造︑集荷︑船腹の関係並びに金融上の理由により単一の積出が履行し難い場合に必要とされるものであるから︑単

一積出の確信をもつていない場合には分割積許可

( P a r

t s h

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なる約款を信用状に記載させること

が肝要である︒

( 3 9 )  

英国の判例並びに現行の実例よりみて︑賀屋教授の指摘されておられる如く︑分割積による売買は凡そ三種に分

第一は分割積の履行が契約文言に明示されている場合である︒例えば①

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の加苓?ものである︒併し⑤の用語は筆者の経験し

一般に二月一日から三月末迄に二回に分けて船積すればよいと解されているにも拘らず︑各月一回

4積むのが至当であると解釈されたこともあるので︑念の為︑輸入業者に明確な指図を求める必要がある︒第二

は給付の性質上︑分割引渡が技術上の理由により当然必要とされるものである︒例えば数万噸に上る石炭の契約の

場合がそれで︑この場合には現在の海運状態では一船で運ぶことは不可能であるからである︒第三ば契約上︑単一

給付でありながら輸出業者が分割積をなし︑輸入業者がこれに異議を唱えずその提供を受諾したる場合である︒こ

れらに該当する明示又は黙示がない場合には売買契約は単に単一給付を目的とする全体契約と解され︑この場合に

(10)

輸出業者の立場より見たる商業荷為替信用状取扱上の問題点︵来住︶

(40) は買主は分割による給付を受諾する義務はなく︑又逆に買主は売主に対して分割による給付を要求する権利はない

のであって︑この規定はアメリカ合衆国に於ても採用され︑一九〇六年の統一売買法第四五条にもその趣旨が見受け

られる︒それ故に︑信用状に分割積許可を明示させることは非常に望ましく︑特に英国系銀行では信用状に分割積許

可の規定なき限り︑給付は単一であると看倣して分割積を認めていないから特にその必要性が要望されるのである︒

次に分割引渡による売買契約は本質的には全体契約であって各個の契約に分たれると解するのは誤りであるとして

(41) いるが︑当事者の合意により各積出は各個の契約を楠成するものであり︑而して部分的違反に対しては部分的損害

請求権を行使すればよいのであって︑契約全体を解除する必要はないのである︒この場合︑買主は遅滞分の引渡を

強要することは出来ず︑各個の違反に対しては商品を買入れることによって売主に対抗すべきものである︒又逆に

売主も買主に対して遅滞分の受諾を要求する権利を有していないのである︒而して買主の要求による引渡の延期は

各個の引渡が順次引延ばされたことになり︑後述の統一規則第三十七条の趣旨もこの線に沿ったものと思われる︒

又約定品の全数量が明示されており︑個々の引渡数塁が明記されていない場合には比例的に引渡しするか或は適.

当な割合に於て引渡しすることが必要であり︑その引渡数量が妥当であるか否かの判断は裁判官の認定に委されて

いる︒このことは一九五二年のアメリカ合衆国

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に於ける銀行業者間の研究会

に於ても質疑応答のあった問題である︒併し現実には商品の出来ただけを船積している状態であり︑これに対する

紛争は殆んど起つていない様である︒最後に︑分割積に於て部分的不履行があった場合の救済として物品売買法第

三十一条第二項では﹁商品が一定の分割により引渡され︑その分割引渡に対して各別に支払をなすべき売買契約に

於て︑又売主が一回又は数回不完全なる引渡を行い︑或は買主が一回又は数回の分割引渡に対し︑その受諾若しく

(11)

804 

積すればよく︑時期順に貨物が仕向地に到着する必要はない︒ はそれに対する支払を怠り又は拒否したる場合は︑かくの如き契約違反が全契約の拒否であるか或は各個の違反に

つき損害賠償請求権を生ずるに止り︑全契約の拒否として取扱われないものかは︑各々の場合に於ける契約条件及

( 4 2 )  

び事件の事情に依る問題である︒﹂と規定されており︑この規定は代金支払が各個の引渡に対して別個に行われる

場合に適用されるもので︑この範囲に属しないものは一般慣習法によるとされている︒而して前述の如く︑不可分

性の商品を除いては部分的違反に対しては部分的損害請求権を行使すればよく︑契約全体を解除する必要はないと

いうのが通説である︒穀物売買の如き代替性を有する商品に於ては一部分の違反を以て契約全体を終滅させること

は妥当性を鋏くものと言わなければならない︒然るに鉄材・石炭の如き代替性を有する商品の分割積に於て履行期

( 4 3 )  

の始めの違反は将来もその不履行を推知せしめるという理由の下に契約全部を破棄せしめた判例も存じている︒

次に仏国の約定品引渡に対する解釈は英国と同様に特別の取極めのない限り︑約定品は単一に給付されなければ

ならないとし︑分割による引渡を許容していない︒従って不可抗力か黙示の許可がなければ分割による引渡に対し

て買主はこれを拒否し得るのである︒このことは契約上に於ける約定品引渡に於ての本質的なものであるが︑信用

状取扱に於てはこれとは反対に統一規則に準拠して︑特別の明示なき限り分割船積を認めているのである︒而して

( 4 4 )  

仏国に於ては梯次的引渡売買

(V en te su r  l i vr a i so n s   echelonnees)

というのがあって︑履々連月渡

(L iv ra is on s me ns ue ll es ) 

なる方法が用いられるが︑この分割引渡には各個積出独立の原則

(P ri nc ip de   l'independance)

が適用され︑特別の取

極めのない限り︑各々独立の契約を構成し︑その前後の引渡には何ら関係なく︑夫々の当該引渡部分のみ問題にさ

れなければならないのである︒従って船積売買

(L a ve nt e  sur   em ba rq ue me nt ) 

1 l .  

於ては︑輸出業者は約定時期順に船

併し引渡売買

(L e ma rc he

 

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では約定時期順 六六

(12)

輸出業者の立場より見たる商業荷為替信用状取扱上の問題点︵来住︶ に履行されることが必要である︒又連月渡契約に於て最初の引渡がなされなかったため︑爾後の船積書類の受諾を

(45) 拒否し︑且つ全契約を解除せしめた判例がある︒これは︵註

4 3 )

に記載した英国の

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と軌を︱つにするものであって︑将来の不履行を推測し得るからである︒

最後に統一規則では︑その三十六条に﹁他に特別の明示なき限り︑信用状に或る船舶名が指定されてあっても︑

該船舶によって分割船積が行われる場合︑銀行はそれによる分割船積に対して支払引受又は買取を行うことが出来

る︒﹂と規定している︒斯様に信用状に

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の如く︑分割積禁止の明示なき限り︑

分割引渡を許容し︑更に船名指定でも単一給付を指すものとは認めず︑該船舶による分割引渡に対しては分割支払

を許容している︒アメリカ合衆国では実際取引に則つてこの見解を採つており︑不明確なものを排除しようとする

意向が窺えるのである︒これに反し︑英国系銀行では前述の如く分割積許容の明示なき限り︑給付は単一なりと看

倣し︑分割引渡を許容していないことに注意しなければならない︒又三十七条には﹁一定期間内に分割積が規定さ

れてある場合︑各個の分割積は各々別個の取引として取扱われ︑

事件

(1 85 9)

後の積出に加える事は出来ず︑事実上取消されたものと看倣される︒併し銀行は踊後の積出が一定期間内になされ

るならば︑その書類に対して支払をなすことが出来る︒﹂と規定している︒例えば三月に一万砥︑四月に一万硼︑

は出来ないが︑三月の積出不履行という理由により︑四月の一万砥︑ 五月に三万砥の綿布の船積を規定している場合は︑三月の積出の不履行分を四月に纏め二万砥として船積すること

五月の三万砥の船積が制約されるものではな

く︑これら各月の船積も︑又それに伴う荷為替取組も共に有効となされているのである︒然しながら英国系ではあ

るが南阿向け貨物のために開設された南阿発行並びに倫敦発行の信用状に於ては

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一定期間内に船積されなかった分割引渡はそれ以

(13)

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斯様に分割積に於ても英米はその解釈を異にしているのであるが︑実際取引から見て米国解釈の方が当を得てい

ると考える︒何故ならば︑輸出業者は製造業者からの出荷に於て一級品に比較して二級品が多くても︑又船積前の

物品検査に於て劣悪品があっても︑単一給付の場合には︑

替取組に支障を来たすため︑ これらを残して船積することは数量不足を来たし︑荷為

やむを得ず劣悪品をも含めて輸出しなければならないからである︒このことは延いて

は輸入業者をも不利に導くものであると考える︒而して各国又各地方に於ても前述の英︑仏及び統一規則と夫々異

った解釈や慣習をもつているから︑実際取引に於ては紛争を惹起せしめない様に注意しなければならない︒

( 3 9 ) 賀屋俊雄著﹁前褐書﹂七二頁 ( 4 0 )

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18 93 , 

31

( 1 )

( 41 ) この点は英国系銀行に於てよく問題とされる所で︑最近にも輸出業者が日本の為替銀行を涌じて在日英系銀行に荷為替 瑕組を求めた時に在日英系銀行と日本の為替銀行との間に於て問題となった所である︒信用状記載総数量が一万砥で︑

それを分割積し︵信用状は無論分割積許可︶︑最後の分割積の荷為替取組が信用状有効期限の当日で︑その引渡数菰の 合計が総量一万砥に対し蓬に不足していた︒在日英系銀行は信用状条項に合致しておらずとして荷為替取組を拒絡した のであるが︑日本の為替銀行は正華なりとし︑ケープル・ネゴンエイトを要求したため︑発行銀行にその支払を求めた 所︑各積出は各個の契約を構成するものとしてその支払引受の確約を得たのである︒但し商品の数量の一部分の不足が 機械の部分品のように必要構成部品の場合は当て嵌らない︒

( 42 )

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  31 1(2)この蝉t細は

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 87この判例として︵イ︶

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(1 90 8)

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ては特に留意しなければならない︒

輸出業者の立場より見たる商業荷為替信用状取扱上の問題点︵来住︶

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なければ︑四月否爾後の船積に対する支払はしないとしている一例があるから︑この様に記載された信用状に対し

(14)

輸出業者の立場より見たる商業荷為替信用状瑕扱上の問題点︵来住︶

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事件

(1859)

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(11)がある︒

( 4 4 )

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(45)ナント判例一九ニ―•四・ニ五 241  

売買取引に於て数量の過不足の問題は必然的に金額の過不足の問題に陥つてくる︒信用状は一般には数量をカバ

ーするに充分な金額をもつているが︑往々にして不足している場合がある︒信用状に明確な数量記載がなければ︑

信用状金額がこれをカバーしておらなくても輸出業者が信用状金額内で商品を輸出すれば︑余剰商品の何彩だけが

損失となるだけで荷為替取組に支障をきたさないことは数量の問題で述ぺた所である︒然るに信用状に明確な数量

記載がある場合はこれと趣を異にし︑特に信用状に分割積禁止なる規定があり︑単一給付が要求されている場合は

明らかに輸出出来ず︑又分割積許可なる規定があり︑分割引渡が許されておつても信用状金額の限度一杯まで船積

( 4 6 )  

することは問題を惹起するから注意しなければならない︒

容文言があれば︑数羅と同様の規定が適応されることは勿論である︒

次に注意しなければならないのは︑信用状が国内価格乃至はFOB価格をカバーしているが︑海上運賃及び保険

( 4 7 )  

料の先払を要求している場合であって︑この場合︑銀行は商品の国内価格乃至はFOB価格以外の支払をなさない

のは当然であり︑

併し信用状金額に

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なる許

そのため輸出業者はこの運賃及び保険料を他の方法によって回牧しなければならない︒併しこの

場合には信用状条件の訂正がなくとも︑

CIF

建値という名目で輸出し︑銀行より貨物代金の支払を受けることが

これは飽く迄も正常なものではなく︑それにしても運賃及び保険料は飽く迄も回牧されておらず︑

( C r e

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) 

参照

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