北 陸 の 植 物 第18巻 第l号 昭和45年1月
中島邦雄
*
新外来多肉植物三種Kunio NAKAJIMA*: Three new succulent plants to Ryukyus
1964年春,沖縄に渡来している多肉植物(シャボテン科も含む)を調査した際面白いも
Fig. 1.
ユメノサンゴデン(夢の珊瑚殿)Edithocolea grandis
*明治山植物園,
Meiji yama Botanical Garden, Kube Okinawa.
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ーJanuaryl970TheJournalofGeobotanyVol・XVIII.No.1
のを見出した。その後日本でも殆んど普及をみないのでここに3点を報告する。種名は Dr.H・JAc)BsEN"AHandbookofsucculentplants"(1954‑60,London)を参考と した。いずれも和名がないので新称を試みた。それぞれの特徴は簡単に記したが,足らな いところは写真で見ていただきたい。3の写真のみ紙面の節約上入れなかった。塚本洋太 郎「原色園芸植物図鑑」Vol.I.,pl.24(p.47)1965にカラー写真が入っているので参照
していただきたい。
長年,材料の提供や研究に多大の援助をいただいたKirstenboschNasionaleBotaniese TumevanSuid‑Afrika,東京大学理学部植物園,日本沙漠植物研究会,竜謄寺雄,Dr.
H.JAcoBsEN(Kiel,GERMANY)の職員の方々および諸氏に深く感謝を捧げるC l・ユメノサンゴデン(夢の珊瑚殿,新称)Fig.1.&j"加COノgagγα"碗sN.E.BR.
(ガガイモ科)
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北 陸 の 植 物 第18巻 第 1号 昭和45年1月 多肉質な多年生草本。茎は斜上,多数分岐し高さ30cm になり,太く,五稜,無毛,稜 上l乙廓j状突起がある。花は単 生,直径 8~10cm,中央盃状,小花柄lま長さ 12~1加1m, 花弁五中裂, 三角状卵形,長さ 4~5 cm,幅2.5 ~ 3cm,桃黄色地に赤褐色の斑点が 入る。花筒深部lζ長さ 4mm の円味がかった突起がある。 花弁の縁や花筒の中央から基 部に五条の梶棒状の長い紫毛がある。原産地はBritish Somaliland, Kenya, Tanganyika lζ 1属 1種1品穫がある。英名Persian carpet. Journ. S. Afr. Botany, XXIX. 21-23
( 1963)に,花などの美しい図がある。1964年6 月,筆者が米国California より得た。
2. ハナフウ(花風,新称)Fig. 2.
Sedum morganianum
E. WALTH・(ベンケイソウ科 )英名をBurro tail といい, Mexico lζ原産する。沖縄への渡米は,1957年頃井上五郎 氏によってHawaii よりもたらされた。植物全体は灰緑色で白粉をひいている。葉はとて も脱落しやすく,高温多湿は好まない。花は light pink to deep scarlet perpule であ る。当地で開花したものを見たととがない。なんとなく弱々しい多肉植物で,琉球舞踊の 花風を思わせる。
3, ペニヒスイ(紅翁翠,新称)ツルナ科
Dorotheanthus gramineus
(HAw.) SCHWANT.Syn.
Mes. gramineum
HAw.,Cleretum gramineum
(HAw.) N. E. BR.,Mes.
clavatum
HAW.,Mes. claviforme
DC.,Mes.
ρ,yro.
戸aeum
HAw.原産 CapeProvince, S. Africa.
Dorotheanthus
ScHw A NT. 属はそのIV亜科:Ruschieae ScHw. のI遠〈亜科の次 にくる配列)Ruschieae ScHw, 19亜速に位置し,多肉植物,一年生草本。 Dr. H. M.L. BOLUS (BoLus Herbarium, Univ. Cape Tawn)によ れば10種1変穫の報告がある。
本 属のリピンストン・デージー
D. bellidiformis
N. E. BR. は園芸品として,広く一般 に親しま れている。ベニヒスイは媛性, 基部より多数分岐,茎は斜上, 高さ 8~12cm, 小突起が多く赤味 がかる。葉は基部癒合,長線形,長さ3~7cm,幅3~5mm,鮮緑色,表面平滑,裏面 は円味を帯びた小乳頭状突起が多い。花は頂生,単一,径1.5~ 2. 6cm, 洋紅色(通常〉
で光沢がある。 小花柄長さ3~7cm,花期, 3-10月 (原産地では 6 ~ 9月〉。塚本洋 太郎氏は,上記文中lとて,種小名は何につけたのか不明であると記しているo gramineus
(穀粒の意)は,本種の全草に細かい透明のガラス片状突起が多数あるところJから,そ れ を鍛粒にみたてたものである。筆者が1964年以前lζ,東京大学理学部植物園で実生したこ ともある。