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コンセンサス法の意義と課題

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(1)

教 で‑1揮J:I:.I:tilr・究 第 15i,'・iYk795

研究ノート

コンセンサス法の意義と課題

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r

.

はじめに 1. 産業実践の内容

Ⅰ.押葉実践をふリかえって コンセンサス法の魚轟と課題

はじめに

学級活動やホー ムルーム活動,あるいは特別活動な どにおいて, 子どもたちが話 し合い なが ら何かを決' J i :I' j i行す るプロセスのなかでは,多数決法が採用され ることが少 な くな い。限 られた時間のなかで, クラス全体 で何かを決定 ・実行する場 合は無理 もない と思わ れ るが, この方法は 一人ひ とりの意見表明や意 見交換が十分 にできて 含意に至るわけでは ない。

本稿 は,学校の教育活動, とりわけ学級活動や特別活動な どにおいて,人間関係づ くり の視点か ら, 子どもたち同 上が 十分な意見交換をはか りなが ら小 グ/ レ ‑ プで合意をはかる コンセ ンサス法を効果的 に取 り入れる ことができないか模索するものである。 そ こで,筆 名が非常勤 講 師を勤め る

I

朝 日 ド予校の授業 ( 人肌闇係論),^ ' r t I 帯が勤務す る K大ノ 芋経 済学部 2部の授業 ( 対人関係論) において,価値観をめ ぐる問題を扱 った領域で コンセ ン サス法を取 り入れ,多数決法の結果 と対比 しなが らその意義 と課題を検討 したり

一 般的 に価値観が問われ るのは,「何が大 切か 」 とい うことが順位に出 る ときであ るハ た とえば,愛情 と健康の どち らが大切か,あえて どち らを先に順位をつ けるか とい うと, これ には正解はない。私 たちは,生きてい く過程 で どち らかを選ばなければな らない とき

たか .けんいち 沢再 を

ノ こ ・ j , I :

キーワー ド lifFi机軌.,Ll.:

兄必

‑1jj.息比交換.r.!T勤.JJ棚・封係づ くり

108

(2)

高 コンセ ンサ ス法の息壷 と

灘過

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が少な くない,日常 生活 も含めて価値観 をめ ぐる課題 を扱 った題 材 は豊富 にあ るが,授業 で は 「クルー ザー」 (テキ ス ト賃料 o} ,:JT13) とい うエ クサ サ イズ に取 り

み,;;':生の 反応 を調査 し, その効 用性 を検討 した()

Ⅰ. 授業実践の内容

l専門 学校 の授 業 K大学2部 の授 業 ̀乙'も甘 ‑テキ ス トを使 用 してい るため, ど ち らの学 生に対 して も グルー プ学習 を取 り入れ, 同様 な方法 で コ ンセ ンサ ス法 と多数決法 で グルー プ としての順位 を決定 し,学 生 の 反応 を検討 した。 まず . 「クルー ザー」 のエ ク ササ イズ 内容 は以 下の とお りであ る。

クルー ザー (物語)

突然の暴風雨にみまわれたクルーザー (大型ヨット)が2龍.無人島に避難しました。 1艇 には若い女性とそのフィアンセ (婚約者).もう 1艇には∃、ソトマンと老人が弄っていました

日が暮れて暴風雨がおさまった頃,フィアンセが享熱にうなされ 意識不明に陥ってしまいま したC若い女性は.汗をノいたり水を口に含ませたりするなど いろいろと手を尽くしてみま したが.容態は全く良くなりません。

夜はとんとん深まっていきます。クルーザーの操縦ができない彼女は.何とか彼を助けたい 一心で.∃、ソトマンに医者のいる島まですぐに連れていってくれるように頼みました。すると

∃、ソトマンは.「この島から医者のいる島までは.どうみても5時間はかかる。それに.夜の航 海は危険で.命がけになる」としばらく考えていましたが.「含 あなたを抱かせてくれたらク ルーザーを出しましょうJと言いました

思いもよらないE:,巣に磨り果てた彼女は.老人に 「どうしたらいいでしょうか

?

」と相談し たところ.「今のあなたにとって何がよいのか.何が悪いのかは私には言うことができませんO 自分の心に問いかけて.自分で決めるのがいいでしょう」と言うのみでした。彼女は.苦しん だ末にヨットマンの言う通りにしました。夜明けにヨ、ソトマンの操縦するクルーザーは.無事 医者のいる島に着き.フィアンセは医者の手当てを受けることができましたC

3

日38

免 医者の懸命な看護により.フィアンセは目を覚ましましたC若い女性はフィアン セを抱きしめながら.事の成り行きを話そうかどうか大いに迷いましたが.正直にすべてを打 ち琴=itナました。それを胤いたフィアンセは怒り狂い,彼女に 「何ていうことをするんだ l絶交 」と言い.彼女を部屋から追い出しました。

あまりのことに呆然とし.浜辺に座って波の行方をみつめていると.医者がやってきて 「ど うしたの

?

」と背きましたこ彼女が事情を話すと.「僕には君の気持ちが痛いほどわかるよこ彼 には君のことをよく話してみようきっと彼も病気が治れば理解してくれると思う。それまで しばらくの闇.私があなたの世話をしてあげよう」と言いながら.彼女の肩に手をかけました。

109

(3)

教Iff・:L・::岬究 第 15

1 1 J

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MlIllHIJH‖日日HIlHLulHIHHl日日日日HHmM川lMMMIHHMl=lJMHlHr日日1日川日日‖MHM川MJHlmHHmuMHlrllHJlHHlMIH川lMr‖llm日日日日‖川lllHlIIMllIlu]l川Il)llHIllHM日日rlI日日HHIIH日日HlH

エ クササ イズの内容は以上の とお りであるが,このエ クササ イズで学ぶ ことは,「 人そ れぞれものの考え方,価仙観に気づきなが ら,お

II

こ いの理解を深めてい く」 と記されてい る。看護学校の学生は 42 名で,各班 6 人の 7 グルー プ編成, 2 部学生は 1 8 名で各班 6 人の

3

グルー プ編成 とした。エ クササイズの進め方 としては,各班の一 一人ひ とりが,

5

人 の登場人物について 「 好 き

「 嫌い

で順位をつけ,コンセンサス法 と多数決法の 2 つの 方法によって各班 としての順位をつけてい く方法を とった。

5人の うちでこの人が一番感 じがいい ( 好感が持てる) と思 う人を 1 番,順に2番, 3 香, 4番, 5番 とつけてい くが, 一 番嫌な感 じの人が 5番 とい うことになる

C

.物語を読む と,「どの人 もみんな嫌い」 とい うことになるかもしれないが,「 なかでも,この人が一 一 番 まし」 とい う具 合に,それでもあえて順位をつけてもらう

1 人でつける場 合は,誰にも 相談 しない ことが原則である。

各班で決めた司会者は,グループの全員に各人が決めた順位 と理由を発表させ,まず多 数決法による順位を決定するO次に,グループとして話 し合わせ,時間は 30 分を目安に してコンセンサス法によ りグループとしての順位を決めてい く。これには正解はないので, 納得できるところでグループとしての結論を出す。コンセンサス法で決めた結果 と多数決 で決めた結果の違いも把捉させるO グJ レ‑プでの

位づけが終わったら,詣 し合って決め たことについてプロセ スシー トに記入 してふ り返る。次に,プロセスシー トに書いたこと を発表 しあい,わかちあいを行 う

最後に,各班の発表者が自分のグループとしての順位 を理由をつけてみんなの前で発表するoなお,コンセンサス法による集団決定をする際の 留意点について,以 下

くり

のように学生に伝えたO

「今の時点での決定は,あなたの個 人決定です。 これはあなた自身の ものであ り,納得 できない限 り変えないで ください。 これか ら,コンセンサス ( 全員の含意)による集団決 定を しますが, 一つひ とつについてグループの各メンバーが合意 して,初めてグループの 決定 となるわけです。 コンセンサスは,もちろん容易ではあ りません。 したがって,すべ ての決定が各人の完全な合意を得ることはできないか もしれ ませんが,お互いが努力 し あって,できるだけ含意に近いかたちで決定 して ください。以 下に,コンセンサスを得る ための若干の留意点を確認 します。

1 .十分納得で きるまで話 し合って ください。 自分の意見を変える場 合は, 自分にも他の メンバーにもその理由が明 らかであることが必要です。

2.自分 の判断に固執 し,他に勝つための論争 ( あげつ らい)は避けて ください。

3.決定するのに,多数決 とか,平均

を出 してみるとか,または取, ]ほ をするといった ような 「 葛藤をな くす方法」は避けて ください。 また,結論を急 ぐあまり,あるいは葛 藤を避けるために安 易な妥協はl しないで ください。

110

(4)

高 コンセ ンサ ス法の正 と.;・LJ!題

lMHHMHM川IIJ川=lHH川‖川日日MuIIHulJlllJHJIHIIl[川IIJM川l‖Hllll川MMIlllHHlullHHIHllLHHIHllll‖川日日=MHHllMI川mlHMI州 川JHlMHHlJtHIHMLl日日IHHl日日HMlmlHHIrlHflmlIHJrllJn

4.少数意見は,集団決定の妨げ とみなすよ り,考え方の幅を広げて くれるもの として尊

I

l

i することは大切な ことです.

5. 論理的に考えることは大切ですが,それぞれのメンバーの感情やグループの動きにも 十分配慮 して ください」

Ⅱ. 授業実践をふ りかえって

さて,多数決法およびコンセンサス法によって,看護学校の学生 7 グループおよび K 大 学 2部の学生 3グループが出 した順位は,以 下の とお りである。

l看護専門学校42名】

1班 2I)i 3王腫 4 5 6王JR

若 い女性 1 2 1 ′J■ヽ 1 2 1 1 2 1 2 2 4 フィアンセ 3 4 4 2 4 4 3 2 4 3 4 3 2

∃ツトマン 5 5 5 5 l 5 4 5 3 5 5 4 4 5 老人 2 1 2 1 3 2 1 3 2 1 2 3 1 1 医 者 4 3 ′Jヽ 4 3 5 4 5 4 3 5 3

【K大学23名

】 1

川 2王ElI 3王F)i 3 4 J 1 2 4 3 エ i 3 4

5 5 L= 4 4 5

1 2 2 1

L

.1′I77ミ:1⊃ノセンサス.I.rTよFC噸・. ̀;tZ‑iIL='筑L;,A1.rよそ的 い

まず気がつ くのは,多数決法によるグループ順位 とコンセ ンサス法によるグルー プ順位 には微妙な違いがみ られることであるO看護学校学生の 3 分の 2 が女性,残 り 3 分の 1が 男性である。 これに対 して, 2 部学生は 3 分の 2 が男性,残 り 3 分の 1が女性であるO

男性 と女性では,若い女僅 とフィアンセに対す る好感度が少 し異なることが明 らかに なったりつま り,男惟の多いグループではフィアンセに,女性の多い グルー プでは若い女 性に好感度が高か った. 〕プロセスシー トの質問に対する応答に基づいて,学生の反応を調 べた。

1 .この実習で,あなたは自分の意見をどの程度主張できましたか ? 多数決法とコンセンサス 法に分けて答えてください。

l看護学校(42J K大学 三部 (18名 ) 全 体(60..: 二■全く主張できなかった 8 0 ′ヽニ ー ll 0

あまリ主張できなか った 33 3 14 1 17 4

Lとちらてもない 1 4 1 2 2 6

かなリ主張できた

25

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全体を通 して見ると,コンセンサス法では,全 く主張できなか った学生は皆無,あまり 主張できなかった学生は 4名 ,かな り主張できた学生は約 57% , 十分主張できた学生は 約 27% ,、 否と⑤を合わせると約 83% に達する√ .このように,多数決法の結果 とコンセン サス法の結果では歴然 とした違いがみ られる. .多数決法では,全体の約 92% の学生が 「 全

く」あるいは 「 あまり」主張できなかったとい うことになる。

2.

メンバーはお互いの理由や意見を聴きあえていましたか?

看進学校(42名 ) く大学2Ll汚し18名 ) LGO

こ全 くできていな かった ? 0 4 0 ll )

丘.あまリできていなか った 34 0 I:3 0 47

(

主=どちらでもない 1 3 1 1 2 4

)かな リできていた 0 28 0 10 0 38

,王 も枠はコンセンサス汁 T,i枠 iT孝折沫 J.::̲鳩 舎

全体を通 して見ると,多数決法では 「 全 く」あるいは 「 あまり」聴きあえていなかった と答えた学生は,全体の約 97% にも達する。逆に,コンセ ンサス法では全体の 93% に達 する学生が 「 かな り」あるいは 「十分」聴き合 えたとい うことになることがわかる。 この よ うに,お互いの意見な どを聴 きあ う点においても多数決法 とコンセ ンサス法の違いが歴 然 としている。

3.

コンセンサスはどの程度できたと思いますか ?

I看護草根 (42名 ) K大学2(18名 ) 全体(60名 )

全 くできなか った 8 ○ 3 ○ ll 0

主凌'まリできていなか つ. 33 0 14 ○ 47 0

ふ,どちらでもない 1 2 1 +/ 0 3

T,,かな リできていた 0 22 0 6 0. 28

F.コ:センサス法 .Ji打 ∴台数沖,.1,1頻:'

「 かな り」および 「十分」できていた と思 う学生は, J j 封こ全体の 950 / Oにも遵することか ら, コンセ ンサス法による順位づけが全員の 含意で決められていることが推察できよう。 逆に, 多数決淫 による順位づけでは,ほ とん ど合意できていないことが明 らかである0

4.コンセンサスによる集団決定をしてみて( 多数決と比較 して) ,どのように感 じましたか ? ( 抜 粋)

112

(6)

コンセ ンサ ス法の定義 と湖退

l日日日日ll=ll=lmHlMMH日日川川IIHt=MulMH‖lHmH日日日日川日日日日MHM川IllfImtlllltLH日日JIlrlll川tHMMHHMMHlHHlM川‖mMHHmlIH川HILI日日日日川日日日日‖日日HHII日日llltI‖IMHlmHHl

《肯定的なコメン ト》

・多数決だと早く結果が出るが.少人数の意見は全く反映されない。だけど コンセンサス法 は.みんなで話 し合って結果を出すから.そのなかでもお互いの考えが変わったUもするし, いろんな考え方を知ることができる

・いろんな意見が聞けてよかったが.そうした意見が闇けるからこそ.当然のことながら順位 とか決めるのは時間がかかった

・数で決める (判断する)のではなく.メンバーの意見や理由をじっくり聴いてから決められ るからお互いに納得できるものがある

・人の考えは十人十色だということを改めて実感した。

・話し合いによって決めるのは.お互いの意志疎通ができていないと難 しいが.少数意見でも 大切にされるところがすぼらしい

・多数決ではなかなか自分の意見が採用されにくいガ.コンセンサス法では自分の意見を取り 入れてもらうことができた。

・話し合いのなかで.新たな意見や考えが出てくることによって.全員が納得できる答えを導 くことができる。

・自分とは異なる意見でも.しっかりとした理由があると.自分の考えよりその人の意見が正 しいのではないかと思うことがあった

・多数決とは違って.みんなで話し合 って答えを出したので.お互いに納得のいく答えが出て よかった思います。

・同じ川引立でもいろいろな考えがあり.考え方が深まりましたC

・他人の意見に納得できるものがたくさんあり.自分の意見も変わっていった

・どうしてそのような順位になったのか.その理由を述べることが重要だとわかった

・たとえ少数意見であっても.グループとしての順位が変わることもあるのだということを思 い知らされた. I

・自分の意見だけでなく.他人の意見もしっかり聴くことができてよかったC

・多数決法よりもコンセンサス法の方が時間はかかるが.お互いに十分話し合って納得できる 順位ができるという点ですばらしいと思った。

・これまでこのようなことはほとんどやったことがなかったので.とても新魚羊に感じた

・自分の主刑まある程度意見がまとまっていたが.他の班の結果を見ると意外と順位が違ってい たので驚きました。

・こんなにもイ酎直観が達うんだなということがわかった。

・みんなの意見を聴いているうちに.考えが変わっていくので不思議な感じがした。

・他人の川副立の王望由を管いて一日分とは全く異なる彊由が出てきたので驚いたL.

・人によって感じ方や考え方が違うので.グループとしてしっかりと理由づけをして決めるこ とができたO

・他人の意見を十分聞いてゲル‑プとしての貴兄を決めていくので.多数決よりも時間がかか るけれど お互いに納得することができたこ

113

(7)

教再拝J.;:;.'桝究 第15

・ 号

2009・5

日川 日川 MJH日日JlHIllHLmJIItH lI川 FHUMHlHIL日日JllMM日日‖川=川Jm川川HlM川Il日日MMMM

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JrlJH=lHllJ川MllMHHHlMMHIIH日日mLHHMr‖IJMlHllMIH日日l‖lIIJH日日‖HMlMlJJllJHl

・司会者がすぼらしかったので.とてもいい雰囲気で話し合うことができた

・多数決はすぐに決まってしまうが.f L = の本当の意見を反映しているとは思えない。コンセン サス法のように,班の人たちと真剣に話し合って決めた答えが.やはりその至 り 王 の答えである と思う。

・いろんな意見を聞くことができたので.自分の考えの幅が広がったように思う。

・多数決法だと.自分があまり納得していなくても多数派に従わなければならないが.コンセ ンサス法の場合は.たとえ1人だけの意見でも尊重されるので充実感があるO

《否定的な コメン ト》

・自分と違う意見の人を説得するのは難しいC

・完全に意見が分かれたときに,まとめるのにとても時間がかかる

C

・多数決法だとす<に決めることができるが.コンセンサス法だとじっくりと他人の話を闇い て総合的に決めなければならないので大変だった

・何となく自分を意見を言うのがつらかった

・多数決法よりも納得できる点もあるが.時間がかかりすぎて説得することが難しい。

・一人ひとりの意見が全部違っていて.それを

1

つにまとめるのは大変だった。

多 くの コメン トか らは,多数決法 に比べ る と時間はかか るが, 一人 ひ とりの意 見が十分 けT T 7 . : され,納得のい く合意が

られ るコンセ ンサ ス法の メ リッ トが 十分伝わ って くるO し か し, 一 一人ひ とりの意 見が違 っていて,それを 1つ にま とめるのは決 して容 易な ことでは ない よ うであ る( ,司会 者の力量 によって も, コンセ ンサス法 によるメ リッ トが大 き く左右 され るよ うであ る。 このエ クササ イズで学ぶ 目的 は.「 人 それぞれの ものの考 え方や価値 観 に気づ きなが ら,お互いの理解 を深め る」 であ ったが, 多 くの肯定的な コメン トか らそ の 目的が 十分達成 され た と思われ る。

5. この実習のなかで,あなた自身の態度や行動などについて感 じたことはどんなことですか ? ( 抜粋)

・あまり自分の意見を言えなかったけど 他の人の話はちゃんと聞くことができた

C

・周りの意見はしっかりと受け止めることができたが.自分の意見をもう少し発言できたらよ かったと思いました

・自分のなかでは順位と理由が明確であったが.実際に自分の主張を言い切るのは難しいと感 じた

1つのことでも.いろんな角度から見たり考えたりすることが大切だと思った.

・ちゃんと円滑に話し合いを進めようとしたけど もう少し柔らかい言い方ができるとよかっ

・相手の意見を全否定しないように.自分の意見を考えるのが意外と難しかった

114

(8)

.I.I,.J コンセ ンサ ス法の意義 と..難題

ILHlLJImJJ川HHM川IJtllHHlLHlMl川Hlllm日日Illll川‖lllHHlMM1LHIIM日日MllIlllMuHllHI日日日日IllHIJllMHlHHtlllHIMHHmIlHH日日I日日日日日日lrrlIJll‖LH川ILHlllMrHMIlllmlHHllHMIlll川HHl

虹 王

・自分の意見を主張しながらも.他の人の意見も聞くことができるんだと感じたO

・人の話を深く聞くことが大切だと思いました。

・一人ひとりの意見をしっかりと聞くことができたし.あいづちをうちながら納得できた

・自分の意見を言うことができましたが.もう少し感情的に発言すればよかったと思う

・人の気持ちを考えながら話したりすることで.人を説得することができると思い.これから 活かしていきたいと思いますC

・違う意見を言う人に対して熱く燃えてしまった

・もっと自己主張して.相手を納得させる意見を言えるようにしたい

・自分の意見がとても言いやすい。楽しいけど まじめに話し合えるC

・ちょっとしゃべり過ぎたかなと思います。他の人たちにもしゃべらせたほうがいいと思いま した。

・他人の意見を聞くと.すぐに自分の意見を変えてしまう気がするので.もう少 し自分の意見 を大切にしていきたいC

今回のエ クササイズでは,自分の意見を十分主張できたような印象が強かったが,なか には周 りの意見を尊重するあま り, もう少 し自己主張できれたばよかったと思 う学生 もい たようである。その一 一万で,違 う意見の人に対 して熱 く燃えて しまった学生,もっと柔 ら か く主張できればよかったとい う学生な ど,自分を前面に出 し過 ぎた と反省 してい学生も み られる。全体的には,自己主張 しなが ら周 りの意 見も聴き入れることができた とい う学 生が多かったように思われる。

Ⅲ: コンセ ンサス法の意義 と課題

価値観の違いを どのように扱 った らいいのか とい うことであるが,自分の意 見をはっき り言って,それを聴いてもらうこと,つ まりお

圧い

に聴き合 うことが大切である。意見は 違 っても,お互いに理解 し合えたことが大 切であ り, これがで きた とい うことは 「コ ミュ ニケー ションが成立 した」と言えるのではないだろうか"私たちは, ふだんの生活のなかで, 何かについて良い とか悪い とか言 った り,その ことで議論 して しまうことがあるが,その 根底にあるのが価値観である。価値観はす ぐには見えてこないが, じっ くり話 し合ってい る とお互いの考え方の違いが明 らかになって くる。

今回のエ クササイズは,まさにこの価値観 に関わるものであったが,エ クササイズにコ ンセ ンサス法を取 り入れることによって, 自分の意見をはっき りと主張する 一方で,他人 の意見を しっか り聴いて,お互いに理解 し合えたとい う点で, とても有意義な体験 になっ た ことは学生の反応か らも明 らかである。価値観は,その 人が新 しい経験を重ねるなかで

115

(9)

I f J

:常研究 範 15

1 J

' 2009・5

HHHI日日JuF日日日日t日日日日川IJlMmlHITlllHmt]MMtMlH‖Hl‖lJJHMImLMHIHHlI

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変わってい くものであると思われる。 コンセンサス法では,なぜそのように考えるのか と い うことを率直に包み隠さず詣 し,それに耳を傾けて聴 く,つ まり傾聴 し合 うことを大切 にするため,お互いの考えがよ く理解できるようになる。お互いに理解できたことを どの ように合意 とい う形にもってい くのか, これが大 きな課題ではあるが,納得できないまま 数の論理で決定するよ りははるかにコンセンサスが とれるものである。

学生の指摘にもあったように,意 見が真 っ二つに分かれた場合などは合意に達すること が とても難 しいもの と思われる。 しか し,相手の考えを理解するということは,相手 と自 分の考えを‑ 一致させるということではない, ,た とえ 一致 しな くても,相手の考えを受け入 れることは可能である。 これが 理解 できるようになれば,大きな助 藤は 回 避できるもの と 思われる

コンセンサス法の課題を敢えて挙げるとするな らば,急いで意思決定 しなければならな い ときに時間がかかることであろ うO どんな ときにコンセンサス法を使 うかであるが,あ る程度の時間を確保できる場合は使 うことの意義は大きい といえよう

しか し,早急な意 思決定が求められる場 合は, 十分時間をかけて話 しあい,合意を得るコンセ ンサス法は不 都合であろう

, 2 つの授業尖銭を通 してコンセンス法の) 意義を十分

認することができたが,さ らに別の学生に対 しても実施 してみたい と考えている。今回のようなグループワー クでは, コンセンサス法の意義はもちろんの こと,学生同士の人間関係づ くりとい う点でも大きな 成果が得 られた, ,‑ ‑ 一方,小 ・ ' * ・高校な どの学校現場に目を向けてみると, 子どもたち同 士の人間関係づ くりが叫ばれているなかで,こうしたグループワークを学級活動や特別活 動な どの教育活動に活用できる と思われる。 どのような形で取 り入れてい くのが効果的な のか,今後も研究実践活動を継続 していきたいが,人間関係づ くりの重要な 方略の 1つ と

してコンセンサス法を実践 してみる価値は十分あるもの と思われる。

註】

(1) 人間関係論̲,.の授業 (後期2単位)で,人間の価値観が問われるエ クササ イズを実践 してみること に した( 使用テキス トは∴ 人間関係づ くりトレーニング (星野欣生著,金子書嵐 20口3年初版)で ある.、学生は42

(2)丁ー対 人闇係諭」の授 業 (後期 2里位)で,771.iLtZ学校 と同 じテキ ス ト (!人聞閲係づ くりトレーニン グ , 金子.判J,7‑.吊野欣生 宮,2003年初版)を使用 した.学生は1円名t

( 3 ) 吊

野 欣生 井 i人肌関係づ くり トレーニ ング !金子.Ii'JJ,'・,2003年初版,p・107・

116

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