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鹿児島県における幼児期の運動能力・生活習慣に関する調査研究

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Academic year: 2021

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(1)

1.はじめに

近年,子どもの体力・運動能力の低下・学力の低下あるいは健康状態の悪化などが懸念 されている。幼児における身体活動研究の分野では,身体を動かすことの価値が見直され つつあり,幼児期の運動やスポーツに対する保護者からのニーズは高まりをみせている

(Benesse,2006)。また,中村(2006)は,運動や遊びの減少,食生活・食習慣の悪変,

睡眠不足とメデイア漬けなどによって体に変調をきたしているものも少なくないと述べて おり,幼児の生活習慣が,運動遊びやスポーツの身体活動を減少させていると考えられる。

2008年に幼稚園教育要領ならびに保育所保育指針が示された。その中の身体活動に関す る改訂点として,「十分に体を動かす気持ちよさを体験し,自ら体を動かそうとする意欲 が育つようにすること(幼稚園教育要領)」という文言が新たに加わった。また,「日常的 な遊びや運動遊びなどを通して体力づくりができるよう,科学的根拠に基づいた健康教育 を計画する(保育所保育指針解説書 健康および安全第5章)」と述べられており,身体活 動と保育内容の関連については,より科学的な分析を取り入れた指導が必要になると考え られる。

小澤ら(2009)は,就学前の保育園・幼稚園の園児(計1,923名)を対象として生活実 態(起床・就寝時間,朝食接種状況,排便,入浴,学習時間,運動時間,テレビ・ゲーム 時間ほか)計28項目からなるアンケート調査を実施した。その結果,外遊びの減少,家屋 内での遊びが増加,食事・睡眠などの生活習慣の変化などが明らかとなった。

南北600㎞に広がる鹿児島県は,離島関係市町村数(22市町村,2009.4.1 現在),離島人 口(182,602人)および離島面積(約2,485平方㎞)であり,全国第1位である。また,有 人離島数(人が住んでいる離島数28)は,長崎,沖縄,愛媛に次いで第4位とである。鹿 児島県内においても,市町村数29.2%,面積27.2%,人口10.7%を占めており,全国でも 有数の離島県といえる(2009.11.13現在)。

鹿児島県における幼児期の運動能力・生活習慣に関する調査研究

―離島(徳之島)での調査をとおして―

Researches on Athletic Ability and Lifestyle of the Infancies in Kagoshima Prefecture

―In the Case of Tokunoshima―

黒原 貴仁

・小松 恵理子

・大村 一光

Takahito Kurohara, Eriko Komatsu, Ikko Omura

廣瀬 勝弘

**

・伊地知 啓一郎

***

Katsuhiro Hirose, Keiichiro Ijichi

鹿児島女子短期大学  

**

鹿児島大学教育学部  

***

筑波大学大学院

(2)

本研究は,独特の文化と生活習慣が存在する離島における就学前の幼児を対象として,

生活習慣を調査し,さらに運動能力を測定することで,鹿児島県の離島における幼児の生 活習慣および運動能力についての基礎資料収集を目的とした。

2.研究対象

徳之島は,南西諸島の奄美群島に属する離島の1つで,島内には鹿児島県大島郡徳之島 町,伊仙町,天城町の3町がある。奄美群島は奄美大島を中心とする奄美地方という地区 に分類される。面積は約247.77㎢であり,民謡(島唄),三線(サンシン)を使ったもの が多いなど,本土より沖縄文化に近い。牛同士を戦わせる闘牛が盛んで,シーズンには島 全体が熱気に包まれる。

2012年「徳之島空港」から「徳之島子宝空港」の愛称を制定するように,子どもの数が 比較的多く,合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子どもの平均数の推計値)の高さ では,国内の第1-第3位を徳之島3町が独占している(厚生労働省,2009)。

気候は亜熱帯気候に属し,1年を通して暖かい。最低気温が10℃を割り込み日は少なく,

冬でも20℃を超える日がある。夏は台風の通り道になり,勢力が強く速度が遅いことで知 られている。事前調査として,10月に徳之島を訪れた際,台風通過の直後であり,空港が 海水に浸かり,屋根が飛び電柱が折れている箇所があった。

事前調査では,フィールドワークを行い,研究対象となる園の子どもたちの1日の様子 を消極的な参与者(passive participation)の立場で観察した。その中で,筆者が最も大 きな印象を受けた自由時間の遊びは,3歳児2名が三輪車に縄跳びで使用する縄をむす び,三輪車のハンドルの部分を勢いよくぶつけ合うという三輪車を牛にみたてた「闘牛 ごっこ」遊びであった。その他の子どもたちも元気いっぱい外で遊び,遊具で遊ぶという よりも身近にあるものを自分たちで工夫して,遊びを行っているようだった。

3.研究方法 生活習慣調査

⑴ 調査対象

大島郡徳之島町にある,K 保育園および K 幼稚園へ通う園児の保護者53名を対象と した。

⑵ 調査方法

幼児の家庭生活に関する無記名選択式の質問用紙自記式調査を実施した。質問用紙

は,文部科学省委託事業 『子どもの生活リズム向上のための調査研究』-乳幼児期

の調査研究-(平成20年度報告書)で用いられた 計28項目からなるアンケート調査

を実施した。

(3)

運動能力調査

⑴ 調査対象

大島郡徳之島町にある,K 保育園(3歳児15名,4歳児20名,5歳児3名)K 幼稚園

(5歳児17名) 計55名の園児を対象とした。

⑵ 調査方法

MKS 幼児運動能力検査で用いられる(25m 走・立ち幅跳び・両足連続跳び・体支持 時間・ソフトボール投げ)を実施した。

4.調査結果

Ⅰ.質問紙調査結果(回答数と有効回答数は各項目で示した)

2012年12月第1週~第2週にかけて実施した。各結果については,それぞれχ

2

検定を 行った。

健康状態について

「良い」が83%であり,偏りがみられた(χ

(3)2

=99.2,p<.01)。

また,「だいたい良い」が17%であり,子 どもの健康状態に不安を持っている保護者は いないことが示唆された。

就寝・起床時間について

就寝時間については「21:00~21:30」「21:30~22:00」がともに34%と最も多いことが示 唆された(χ

2(7)

=60.4,p<.01)。

起床時間については「6:30~7:00」が40%も最も多く偏っていることが示唆された(χ

2(7)

=82.7,p<.01)。

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

良い だいたい良い あまりよくない 悪い

(%)n=53

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

35%

40%

(%)n=53

20:00前 〜21:00 〜22:00 〜23:00

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

35%

40%

45%

(%)n=53

6:00

〜7:00

〜8:00

〜9:00

図1 お子様の健康状態はどんな様子ですか

図2 お子様は毎日何時頃に寝ますか 図3 お子様は毎日何時頃に起きますか

(4)

朝食と大便について

朝食については,「毎日食べる」が87%と最も多いことが示唆された(χ

2(3)

=108.9,

p<.01)。

大便については,「1日1回」が57%と最も多いことが示唆された(χ

2(3)

=32.2,

p<.01)。

お風呂について

お風呂については,「毎日入る」が96%と最も多いことが示唆された(χ

2(2)

=94.5,

p<.01)。

湯船については,「必ず湯船につかる」が43%であり,「つからない時がある」「つかる 事がない」が合わせて47%であることが示唆された(χ

2(3)

=225.3,p<.01)。

テレビ・ゲームについて

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

毎日食べている たまに食べる あまり食べない 食べない

(%)n=53

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

毎日入る 2、3日に1回 その他

(%)n=53

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

35%

40%

45%

50%

見てない 〜1時間時間 〜2時間 〜3時間 〜4時間 4時間以上

(%)n=53

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

1日1回 1日2回 2、3日に1回 その他

(%)n=53

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

35%

40%

45%

必ず湯船につかる つからない時がある つかる事がない シャワーのみ

(%)n=53

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

していない 〜1時間 〜2時間 〜3時間 〜4時間 4時間以上

(%)n=53

図4 お子様は毎日何時頃に寝ますか

図6 お子様はどのくらいお風呂に入りますか

図8 お子様は1日どのくらいテレビをみてい ますか

図5 大便回数について

図7 湯船にはつかっていますか

図9 お子様は1日どのくらいゲームをしますか

(5)

テレビについては,「1時間以内」が43%と最も多いことが示唆された(χ

2(5)

=39.7,

p<.01)。

ゲームについては,「していない」が68%と最も多いことが示唆された(χ

2(5)

=116.5,

p<.01)。

お稽古ごとについて

習いごとやお稽古ごとについては,

「通っていない」が68%であり,1週間 で「1.2回」 「3.4回」通っている子どもは,

合わせて33%であるかこと示唆された

(χ

2(3)

=58.8,p<.01)。

また,通っている子どもは,「スポー ツ系」では,空手,水泳,サッカー,「文 化系」では,ピアノ,日舞,さらに「学 習系」も少数であったが,回答があった。

おやつについて

おやつについては,「毎日食べる」が72%

であり,「たまに食べる」が28%であり,対 象児のすべての子どもが間食を行っているこ とが示唆された(χ

2(3)

=73.0,p<.01)。

また,自由記述で「おやつは毎日たくさん 食べるが,朝食は食べないか,食べても少し しか食べないで困っている」という回答が あった。

昼寝とその時間

昼寝については,「毎日する」が49%であり,「していない」は25%であることが示唆さ

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

1.2回 3.4回 5回以上 通っていない

(%)n=53

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

毎日食べる たまに食べる あまり食べない 食べない

(%)n=53

図10 習いごとやお稽古ごとは1週間どのくらい 通っていますか

図11 お子様はおやつをどのくらい食べてい ますか

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

35%

40%

45%

50%

毎日する たまにする あまりしない していない

(%)n=53

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

35%

40%

45%

50%

〜30分くらい 〜1 時間くらい 1時間以上

(%)N=38

図12 お子様はどのくらい昼寝をしていますか 図13 昼寝をする時間はだいたいどのくらい

ですか

(6)

れた(χ

2(3)

=18.8,p<.01)。

昼寝の時間については,「30分~1時間」「1時間以上」合わせて,92%であることが示 唆された(χ

2(2)

=12.2,p<.01)。

遊びについて

帰宅後の外遊びについては,「たまに行く」が51%であり,「毎日行く」が19%と帰宅後 に,外遊びに行く子どもが比較的多いことが示唆された(χ

2(3)

=21.6,p<.01)。

体を動かす頻度については,「非常によくする」「よくする」が合わせて87%であり,よ く体を動かして遊んでいることが示唆された(χ

2(3)

=31.9,p<.01)。

登下校や移動手段

登下校手段については,「自家用車」が92%であり,ほとんど自家用車で通園している ことが示唆された(χ

2(3)

=129.4,p<.01)。

子どもとの移動手段については,「自家用車」が96%であることが示唆された(χ

2(4)

= 192.8,p<.01)。

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

毎日行くたまに行く たまに行く あまり行かない 行かない

(%)n=53

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

35%

40%

45%

50%

非常によくする よくする あまりしない まったくしない

(%)n=53

図14 帰宅後,外遊びに行きますか 図15 体を動かす遊びをどのくらいしていますか

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

自家用車 通園バス 徒歩 その他

(%)n=53

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

自家用車 公共交通機関 自転車 徒歩 その他

(%)n=53

図16 普段の登下校は何を使われていますか 図17 外出する時の移動手段は何を使われて

いますか

(7)

ベビーカーについて

ベビーカーについては,「使わない」が98%であり,「あまり使わない」が2%と,ほと んどの家庭でベビーカーを使用していないことが示唆された(χ

2(3)

=151.2,p<.01)。

また,使用時期は,「3歳まで」が85%であり,「その他」という回答も15%であった(χ

(3)2

= 30.1,p<.01)。

夕食について

夕 食 の 時 間 に つ い て は,「18:00~19:00」

「19:00~20:00」を合わせて98%であり,残り の2%も「18:00前」と回答してあり, 「20:00」

までには全員が夕食を食べていることが示唆 された(χ

2(5)

=101.1,p<.01)。

読み聞かせについて

絵本やお話の読み聞かせについては,「た まにする」が57%であり,「毎日する」が 13%であることが示唆された。

また,「あまりしない」が28%であり,「し ない」が2%であることが示唆された(χ

2(3)

=35.7,p<.01)。

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

必ず使う たまに使う あまり使わない 使わない

(%)n=53

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

18:00前 〜19:00 〜20:00 〜21:00 〜22:00 〜23:00

(%)n=53

図18 外出する時にベビーカーを使われますか

図20 夕食の時間は何時ごろが多いですか

図19 ベビーカーは何歳まで使われていまし たか

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

毎日する たまにする あまりしない しない

(%)n=53

図21 絵本やお話の読み聞かせはどのくらい していますか

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

35%

40%

45%

50%

1歳まで 2〜3歳まで 4〜5歳まで その他

(%)n=53

(8)

心身の状態について

心身の状態については,「特に気になると ころはない」が,39%と最も多いことが示唆 された(χ

2(11)

=91.4,p<.01)。

また,61%の保護者が,子どもの心身の状 態に何らかの不安をもっていることがわかっ た。特に多かったのは,「風邪気味」「疲れて いる」が多く,次いで「食欲がない」「寝付 きが悪い」という回答が多かった。

Ⅱ.運動能力テストの結果

2012年12月第1週~第2週にかけて実施した。結果は男児・女児を年齢別に平均値で示 した。

25m 走

25m 走において,女児より男児の方が,全体的に記録がよい傾向にあることが示唆さ れた。

立ち幅跳び

立ち幅跳びにおいて,女児より男児の方が,全体的に記録がよい傾向にあることが示唆 された。

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

35%

40%

(%)n=53

食欲がない便秘 下痢

いらいらしている寝付きが悪い急に泣く 腹痛 疲れている 気分が落ち込んでいる

風邪気味 頭痛

特にきになるところはない その他

図22 最近1ヶ月お子様の状態で気になるこ とはありますか(複数回答可)

3歳後半 4歳前半 4歳後半 5歳前半 5歳後半 6歳前半 6歳後半 平均 8.55 8.05 7.10 7.09 6.07 6.08 6.08 4.00

4.50 5.00 5.50 6.00 6.50 7.00 7.50 8.00 8.50 9.00

3歳後半 4歳前半 4歳後半 5歳前半 5歳後半 6歳前半 6歳後半

平均 75 61 93.8 80 110 121 111

40 50 60 70 80 90 100 110 120 130

cm

3歳前半 3歳後半 4歳前半 4歳後半 5歳前半 5歳後半 6歳前半 平均 8.39 9.13 7.78 6.46 6.79 6.69 6.53

4 5 6 7 8 9 10

cm

3歳前半 3歳後半 4歳前半 4歳後半 5歳前半 5歳後半 6歳前半 平均 62.5 80.7 75.2 91.5 96.4 94.2 98.4 40

50 60 70 80 90 100

図23 25m 走(男児)n =25

図25 立ち幅跳び(男児)n =25

図24 25m 走(女児)n =33

図26 立ち幅跳び(女児)n =35

(9)

ソフトボール投げ

ソフトボール投げにおいて,女児より男児の方が,全体的に記録がよい傾向にあること が示唆された。

両足連続跳び

両足連続跳びにおいて,女児より男児の方が,全体的に記録がよい傾向にあることが示 唆された。

体支持継続時間

体支支持継続時間において,女児より男児の方が,全体的に記録がよい傾向にあること が示唆された。

3歳後半 4歳前半 4歳後半 5歳前半 5歳後半 6歳前半 6歳後半

平均 4 4.25 5.17 5.25 8.1 8.3 10

3 4 5 6 7 8 9 10

m

3歳前半 3歳後半 4歳前半 4歳後半 5歳前半 5歳後半 6歳前半

平均 3 2.5 2.7 3.63 5.5 3.67 4.61

2 2.5 3 3.5 4 4.5 5 5.5 6

m

図27 ソフトボール投げ(男児)n =25 図28 ソフトボール投げ(女児)n =33

3歳後半 4歳前半 4歳後半 5歳前半 5歳後半 6歳前半 6歳後半 平均 4.7 4.89 5.07 5.0 5.25 4.49 4.82

4 4.2 4.4 4.6 4.8 5 5.2 5.4

3歳後半 4歳前半 4歳後半 5歳前半 5歳後半 6歳前半 6歳後半 平均 8 16 33.8 23 33.7 73.7 103

0 20 40 60 80 100 120

3歳前半 3歳後半 4歳前半 4歳後半 5歳前半 5歳後半 6歳前半 平均 5.79 6.13 5.96 5.27 4.8 5.21 5.28

4 4.5 5 5.5 6 6.5

3歳前半 3歳後半 4歳前半 4歳後半 5歳前半 5歳後半 6歳前半

平均 12 2 11.8 37 37 41.1 56.9

0 10 20 30 40 50 60

図29 両端連続跳び(男児)n =25

図31 体支持継続時間(男児)n =26

図30 両足連続跳び(女児)n =34

図32 体支持継続時間(女児)n =34

(10)

5.運動能力調査について

今回の調査結果と,森ら(2011)により報告された2008年の全国データ(対象:男児約 5,000名,女児約5,100名)を用い比較した。結果は,男児・女児を年齢別に平均値で示した。

男児では,5歳是半の記録で有意差がみられ,全国平均値より本研究対象の記録が全体 的によい傾向にあることが示唆された。女児では,4歳前半および5歳前半で有意差がみ られた。

男児では,5歳後半および6歳前半において有意差がみられた。女児では,4歳後半お よび5歳前半において有意差がみられた。

男児では,4歳児,5歳後半,6歳児において有意差がみられ,全国平均値より本研究 対象の記録が全体的によい傾向にあることが示唆された。女児では,4歳後半および5歳 後半において,有意差がみられた。

4歳前半 4歳後半 5歳前半 5歳後半 6歳前半 6歳後半 徳之島 8.05 7.10 7.09 6.07 6.08 6.08 全国 8.11 7.33 6.92 6.48 6.19 6.12

5.00 5.50 6.00 6.50 7.00 7.50 8.00 8.50

4歳前半 4歳後半 5歳前半 5歳後半 6歳前半 6歳後半

徳之島 4.25 5.17 5.25 8.1 8.3 10

全国 3.3 4.3 5.2 6.1 7.1 7.7

2 3 4 5 6 7 8 9 10

m

4歳前半 4歳後半 5歳前半 5歳後半 6歳前半 6歳後半

徳之島 61 93.8 80 110 121 111

全国 76 87 93 103 111 114

50 60 70 80 90 100 110 120 130

cm

4歳前半 4歳後半 5歳前半 5歳後半 6歳前半

徳之島 7.78 6.46 6.79 6.69 6.53

全国 8.44 7.57 7.15 6.66 6.38

5.00 5.50 6.00 6.50 7.00 7.50 8.00 8.50

4歳前半 4歳後半 5歳前半 5歳後半 6歳前半

徳之島 2.7 3.63 5.5 3.67 4.61

全国 2.4 3.1 3.6 4.2 4.8

2 2.5 3 3.5 4 4.5 5 5.5 6

m

4歳前半 4歳後半 5歳前半 5歳後半 6歳前半

徳之島 75.2 91.5 96.4 94.2 98.4

全国 71.7 79.7 86 96 102.8

60 65 70 75 80 85 90 95 100 105

cm

図33 25m 走(男児)

図37 ソフトボール投げ 図35 立ち幅跳び

図34 25m 走(女児)

図38 ソフトボール投げ

図36 立ち幅跳び

(11)

男児では,4歳児および5歳前半,6歳前半において有意差がみられ,また,女児では,

4歳児および5歳前半において有意差がみられ,全国平均値より本研究対象の記録が全体 的によい傾向にあることが示唆された。

男児では,4歳後半および5歳児,6歳児において有意差がみられ,全国平均値より本 研究対象の記録が全体的によい傾向にあることが示唆された。女児では,4歳後半におい て有意差がみられた。

6.考察 本研究対象児の運動能力について検討した。

体力科学センターが運動動作を系統的にまとめた Locomotion(移動系)に属する「25m 走」「両足連続跳び越し」において,女児に比べて,男児の方が優れていることが示唆さ れた。また,「両足連続飛び越し」において,全国平均と比較した場合,男女とも全国平 均値よりも大きく上回っていることが示唆された。

Manipulation(操作系)に属する「ソフトボール投げ」において,女児に比べて,男児 の方が優れていることが示唆された。また,全国平均と比較した場合,男児が全国平均よ りも大きく上回っていることが示唆された。この原因として「野球」が男児にとって,人 気のある遊びの一つであるということが考えられる。

「体支持継続時間」におけて,男児6歳児において,全国平均と比較した場合,全国平 均値よりも大きく上回っていることが示唆された。これは,子どもたちの遊びに関係性が あると考えられる。子どもたちの遊び場は,夏は海,冬は山と豊かな自然の中,離島特有 の環境地形が影響し,全身持久力が発達しているためだと考えられる。

4歳前半 4歳後半 5歳前半 5歳後半 6歳前半 6歳後半 徳之島 4.89 5.07 5.0 5.25 4.49 4.82 全国 8.14 6.89 6.38 5.72 5.25 5.03

3 4 5 6 7 8 9

4歳前半 4歳後半 5歳前半 5歳後半 6歳前半 6歳後半

徳之島 16 33.8 23 33.7 73.7 103

全国 18.2 24.1 33.8 44.8 57.7 64.1 10

20 30 40 50 60 70 80 90 100 110

4歳前半 4歳後半 5歳前半 5歳後半 6歳前半

徳之島 5.96 5.27 4.8 5.21 5.28

全国 8.17 6.93 6.4 5.63 5.35

3 4 5 6 7 8 9

4歳前半 4歳後半 5歳前半 5歳後半 6歳前半

徳之島 11.8 37 37 41.1 56.9

全国 16.6 26.8 31.9 45.2 53.8

10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60

図39 両足連続跳び

図41 体支持継続時間

図40 両足連続跳び

図42 体支持継続時間

(12)

7.まとめ

本研究は,独特の文化と生活習慣が存在する離島における就学前の幼児を対象として,

生活習慣を調査し,さらに運動能力を測定することで,鹿児島県の離島における幼児の生 活習慣および運動能力についての基礎資料収集を目的とした。その結果,大島郡徳之島の 生活習慣および運動能力のデータを収集することができた。運動能力において,各種目ご との平均値を比較した場合,女児よりも男児の記録がよい傾向にあることが示唆された。

今度の課題として,離島と本土での生活習慣の違いが運動能力におよぼす影響について 明らかにすることを目的として量的・質的データを収集し,データをもとに運動介入を行 い,さらには運動プログラムを構築し,鹿児島県における子どもの身体の発達に寄与して いきたいと考えている。

<謝辞>

本論文作成にあたり,ご協力いただいた亀徳保育園の先生方および亀徳幼稚園の先生方,幼児・

保護者の皆様,また,本研究に快くご賛同下さり場所等提供して下さった,名城慎吾先生に心より 感謝申し上げます。

引用・参考文献

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(平成25年1月16日 受理)

参照

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