[教育週数の算出の仕方]
・1週を月曜日から金曜日までの5日間とする。
・月曜日から金曜日までの教育を行う週において、週の途中に休業日(祝日、開園記念日
等)が入る場合であっても1週と数える。
・学期の始めと終わりが週の途中である場合については日数で数え、各学期の総数に週を換
算する。この場合の祝日等は、日数に加える。
例えば、月曜日から金曜日まで教育を行う週が年間 37 週であり、学期の始めと終わり
を週数に換算すると2週と2日になった場合、37 週+2週と2日= 39 週と2日になる。
端数の2日は切り捨てずに教育を行う。
2 教育時間
1日の教育時間については、幼稚園教育要領により、幼児の幼稚園における教育時間の妥当
性及び家庭や地域における生活の重要性を考慮して4時間を標準とすることと示されている。
各幼稚園においては、幼児の年齢や教育経験などによる心身の発達の程度や季節などを踏ま
え適切な教育時間を定める必要がある。この場合、保育所の整備が進んでいない地域において
は、幼稚園の実態に応じて弾力的な対応を図ることが必要である。
このように4時間を標準としてそれぞれの幼稚園において定められた教育時間については、
登園時刻から降園時刻までが、教育課程に基づく教育が行われる時間となる。
第3 ねらい・内容の組織
教育目標の達成を目指し、幼稚園の教育年限における幼児の「発達の過程」を長期的な視野で
とらえることが必要である。さらに、発達の過程を踏まえ、具体的な「ねらい」「内容」を組織
することとなる。その際には、表記する形式の工夫も必要である。
1 「幼稚園や地域の実態」に即したねらい・内容の組織
幼稚園教育要領解説では、幼稚園や地域の実態について次のように解説している。
上記の諸条件は、幼稚園ごとに全て異なり、一様ではない。したがって、各園で編成される
教育課程も、創意工夫が生かされ特色あるものでなければならない。各幼稚園においては、地
域や幼稚園の実態及び幼児の心身の発達など、教育課程編成のための基礎資料を整理しておく
ことが必要である。
2 「幼稚園教育の基本」を踏まえたねらい・内容の組織
幼稚園教育の基本、特に総合的な指導については、次のように示されている。
○ 幼稚園の実態とは:・幼稚園規模
・教職員の状況(特に、教職員の構成)
・施設設備の状況(特に、遊具や用具の整備状況)など
○ 地域の実態とは :・都市,農村,山村など生活条件や環境
・文化などの特色
・地域資源-社会教育施設(幼稚園・保育所・小学校、図書館など)
-人材(幼稚園の教育活動に協力することのできる人)
○ 幼稚園において,地域や幼稚園の実態及び幼児の心身の発達を十分に踏まえ,創意工夫
を生かし特色あるものとすることが大切である。
[幼稚園教育要領解説:第1章第2節 : 1教育課程の基本⑵]
3 編成例③:「自信をもった行動」を視点として
【幼児の具体的な姿 と
【幼稚園教育要領及び解説の記述】
○ 集団の生活の中で,幼児が自己を発
揮し,教師や他の幼児に認められる体
験をし,自信をもって行動できるよう
にすること。
[幼稚園教育要領「人間関係」内容の取扱い(2)]
○ 教師が,その幼児なりに取り組んで
いる姿を認めたり,ときには一緒に行
動しながら励ましたりして,幼児が,
安心して自分らしい動き方ができるよ
うな状況をつくっていく必要がある。
ありのままの自分が認められていると
いう安心感や,日々の遊びや生活の中
でその幼児なりのよさをとらえる教師
のまなざしに支えられ,自分に力があ
ると信じて取り組み,自信をもって行
動することができるようになっていく
だろう。また,他の幼児からもその幼
児のよさを認められることにより,さ
らに幼児は活力を得て,自信を高めて
いく。この自信を基盤として,人とか
かわる力も育っていく。
○ 幼児は自分が認められることで友達
のよさも認められるようになっていく。
○ 一人一人を生かした集団を形成する
ための特別な方法があるわけではないが,
一人一人のよさが生かされる学級集団
の在り方を考えることが必要である。
[解説:第2章第2節「人間関係」内容の取扱い(2)]
●4歳児2月:Aは「僕、縄跳びはできないんだ」と
言い、挑戦しようとしない。仲の良いBが数回跳べ
るようになり、Aはその様子を羨ましそうに見ている。
そんなAの様子を見て教師は、Aがどこでつまずい
ているのかを考え、アドバイスをしたり、一緒に跳
んでみたりした。繰り返す中で、Aは一回跳ぶこと
に成功する。教師は自分のことのように喜び、Aの
頑張りを認めた。その様子を見ていた幼児たちも「や
ったね、すごいよ、頑張ったね」と声を掛けた。
●5歳児11月:段ボール箱で遊ぶうち、動物園に遠足
に行った経験から動物づくりが始まった。A「ワニ、
つくろう」BCD「つくろう、つくろう」A「ワニ
は長いから、長い箱がいいな」B「これなら大きな
口になるよ」C「いいね、それお腹にしよう」それ
ぞれがワニをイメージして箱を集める。D「口が開
くようにしようよ」B「うん、口の中に入れるよう
にしたらいいね」Cは、段ボールカッターを持って
きて、切り始める。教師「口の中に入れるのってす
ごいね」A「そうだ、口から入ってお腹の中通って、
しっぽから出てくればいいんじゃない」「うん、い
いね」みんなが賛成する。
●5歳児11月:Aは、「よく見てください。タネもし
かけもありません」「ここに呪文をかけます」と、興
味を引く言葉を使いながら手品を始める。親指が一瞬
にして長くなったり消えたように見える手品、ハンカ
チが見えない糸に引っ張られて動く手品、はさみで毛
糸を切るが開くと一本のままである手品などをやって
見せる。どの手品もとてもうまく見せており、見てい
る幼児は「おお、すごい」と驚く。Bが「ちょっと、
タネがあるかもしれない」と言い、Aの手元を見るが
見付けられない。「すごいよ。本物だ」
Cも手品をする側として参加する。空き箱の下に置
いた紙をずらし、それが消えたように見せる。D「そ
れ、箱動かしているからじゃない」E「今見えたよ、
ほら」C「だめかぁ、ばれたかー」と、さらに考える。
4 編成例④:「協同して遊ぶこと」を視点として
【幼児の具体的な姿 と
【幼稚園教育要領及び解説の記述】
○ 幼児が互いにかかわりを深め,協同
して遊ぶようになるため,自ら行動す
る力を育てるようにする とともに,
他の幼児と試行錯誤しながら活動を展
開する楽しさや共通の目的が実現する
喜びを味わうことができるようにする
こと。
[幼稚園教育要領「人間関係」内容の取扱い(3)]
○ 協同して遊ぶようになるためには,
まず一人一人がその子らしく遊ぶこと
ができるように,自発性を育てること
が基盤におかれなければならない。(中
略)幼児は,他の幼児とのかかわりの
中で自発性を獲得し,この自発性を基
盤として,より生き生きとした深みの
ある人間関係を繰り広げていく。
幼児が互いにかかわりを深め,共に
活動する中で,みんなでやってみたい
目的が生まれ,工夫したり,協力した
りするようになっていく。
○ 幼児一人一人のよさを生かしながら
協同して遊ぶようになるためには,集
団の中のコミュニケーションを通じて
共通の目的が生まれてくる過程や,幼
児が試行錯誤しながらも一緒に実現に
向かおうとする過程,いざこざなどの
葛藤体験を乗り越えていく過程を大切
に受け止めていくことが重要である。
[解説:第2章第2節「人間関係」内容の取扱い(3)]
●3歳児11月:ABCDが引き出しから紅白帽子を出
してかぶり、自分で飾りを付けた紙袋製のかばんを
肩に掛ける。A「電話持っていこう」C「これ電話ね」
と木製のブロックをかばんに入れる。C「電話持った?」
とBやDに同じ形の物を入れているか確認する。メ
ンバーが揃うと一緒に外へ出る。途中で、Cが「こ
れも持っていこう」とフープを肩に掛ける。A「赤
にしよう」と、色も合わせて持とうとする。
●4歳児2月:A、Bが、牛乳パックの椅子を見て構
造を調べながら、真似てつくろうとしている。
Aが、2つの牛乳パックを重ね合わせようとする
が、固くて思うように作業できない。それを見て、
Bが「こうしたら?」と、片方の牛乳パックを机の
上に立て、下の部分を押さえて安定させる。うまく
入ると「やったー」と2人で顔を見合わせている。
同じ物を数個つくるうち、C、Dがやってきて一緒
に遊びに加わった。Cが「ぼく、ガムテープ切る係
やる」と言うと、D「ぼくは貼る係!」B「ぼくつ
なげる係やる」とそれぞれが役割を申し出て分担し
ていた。
●5歳児6月:4人の幼児が切り紙をして遊ぶうち、
切った残りの部分から、キツネ、ネコ、おばけを連
想して遊んでいる。そこに、Dがペンで目や口を描き、
「先生、これ、人形劇にするから、棒みたいなのない?」
と言う。教師は、「こういうの、使えるかな」と、
竹ひごを出した。4人で、次に何が出てくるか、話
をつくり足しながら人形をつくる。
その後、Aがお客さんのいすを並べ、ハンドベル
を鳴らして、「これ、始まりってことにした」と言う。
翌日も、朝から4人で人形劇の準備を始める。A
はチラシをつくって配る。10人ほど集まってきた所
で演じ始める。観客になる幼児は、ポップコーンに
見立てた紙容器を手にしたり、折紙のカメラで撮る
まねをしたりしながら劇を見ている。教師も観客の
一人として座って劇を見る。
5 編成例⑤:「規範意識の芽生え」を視点として
【幼児の具体的な姿 と
【幼稚園教育要領及び解説の記述】
○ 集団の生活を通して,幼児が人との
かかわりを深め,規範意識の芽生えが
培われることを考慮し,幼児が教師と
の信頼関係に支えられて自己を発揮す
る中で,互いに思いを主張し,折り合
いを付ける体験をし,きまりの必要性
などに気付き,自分の気持ちを調整す
る力が育つようにすること。
[幼稚園教育要領「人間関係」内容の取扱い(5)]
○ 社会のきまりを守ることは,初めか
らできるわけではなく,日々,繰り返
される生活や人とのかかわりを通して徐々
に規範意識が形成され,きまりを守る
ことができるようになっていく。特に,
幼児期では,教師や友達と共にする集
団の生活を通して,体験を重ねながら
規範意識の芽生えを培うことが重要で
ある。
○ 幼稚園では,幼児が教師との信頼関
係に支えられて自己を発揮するとともに,
友達とかかわりを深め,互いに思いを
主張し合う中で,自分の思いが受け入
れられないこともあり,相手と折り合
いを付けながら遊ぶ体験を重ねていく
ことが重要である。
○ これらの体験を通して,幼児が,き
まりを守ると友達と楽しく過ごせるこ
とに気付き,それを守ろうとして行動
する中で,規範意識の芽生えを培って
いくことが大切である。
[解説:第2章第2節「人間関係」内容の取扱い(5)]
●3歳児11月:AとBがままごとコーナーについたて
を立て、その中で遊んでいる。そこへ、アニメのキ
ャラクターになって戦いごっこをしている男児たち
が入ろうとすると、Aが「ピンポンしないで入った」
と騒ぎ出す。男児たちは納得できない様子である。
教師「Aちゃん、ピンポンしたら入れるの?」A「う
ん」教師が「ピンポンしたら入れるんだって」と男
児に伝えると、「あ、怖い人はだめ」と言う。E「僕、
怖くないよ」C「ピンポン鳴ってるよー。ピンポン、
ピンポン」とボタンを押すまねをしながら言う。A「C
君が来たー」とついたてを開ける。教師「優しい人は、
入れるって」F「僕、優しい人だよ」
●4歳児4月:片付けの時にAが泣いているそばで、
Bが怒っている。教師「どうしたの?」B「僕がみ
ていた本をとったんだ」教師「Aちゃん、B君が本
をとったって言ってるよ」A「お片付けだからしま
ったんだ。そしたら、ぶった」
教師は、二人の話をきいて、BにはAの気持ちを
伝え、Aには一生懸命片付けたことを認めながら、「B
君に片付けだよってお話しすれば、B君もわかって
片付けてくれたね」と話した。
●5歳児9月:ドッジボールを連日、行っている。B
が外野からAを当てた。A「Bは線を踏んでいた。
だから僕はアウトではない」B「僕は絶対踏んでない」
二人は主張を曲げない。同じチームの幼児たちもそ
れぞれAとBの味方になり話し合うが、だんだん言
い争いになってきた。その時、Cが「ケンカになる
とドッジボールできないからジャンケンで決めるこ
とにしよう」教師「ジャンケンってことは、それで
決まりってことだよ」二人は頷きジャンケンをする。
Aが負けた。D「しょうがないよドンマイ。次に当
てればまた中に入れるよ」その言葉にAは気を取り
直しゲームを再開した。