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教育支援情報システムの現状 ―明治大学の事例調査報告―

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大学評価・学位研究 第1号 平成17年3月 (研究ノート・資料) [独立行政法人大学評価・学位授与機構]

Research on Academic Degrees and University Evaluation, No. 1 (March, 2005) [the essay/material]

National Institution for Academic Degrees and University Evaluation

教育支援情報システムの現状

―明治大学の事例調査報告―

Case Study of Education Support Information System―Meiji University―

野澤 孝之, 井田 正明, 喜多

NOZAWA Takayuki, IDA Masaaki and KITA Hajime

(2)

1. はじめに 147

2. 教育支援システム 「Oh-o! Meiji」 の概要 147

2.1 クラス・ウェブ 147

2.2 ポータルページ 148

2.3 システム導入による効果 149

2.4 システム利用状況と利用促進 149

2.5 他の学内情報システムとの連携 150

3. システムの導入来歴 150

3.1 大学全体での情報システムについて 150

3.2 「Oh-o! Meiji」 システムの開発について 150

4. システムの運用体制 151

4.1 「Oh-o! Meiji」 システムの開発・運用体制 151

4.2 サポート関係 151

4.3 大学執行部とのつながり 151

5. システムの将来構想 151

6. おわりに 151

ABSTRACT 153

………

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大学評価・学位研究 第1号 (2005)

1. はじめに

大学評価・学位授与機構では調査研究 「大学評 価情報の構造解析と評価プロセスへの応用の研究」

にて, 大学における教育研究活動に関連する情報 の活用・分析技術について研究を行い, 評価を支 援するシステムの構築を目指して検討を行ってき た。 そしてその一環として, 大学の教育研究活動 に関する情報システムの開発を行っている大学に 対し事例調査を実施してきた。

本稿は, 明治大学のネットワークを用いた教育 支援システム 「Oh-o! Meiji」 [1] など明治大学 の情報システムについてインタビュー調査を行っ た内容をまとめたものである。 インタビューは20 03年11月5日に明治大学駿河台キャンパスにおい て, 明治大学政治経済学部・経済学科長の安藏伸 治教授, 教務事務部・教務課の高村潤氏と神野祥 子氏, 情報システム事務部・教育研究システム課 の松崎英樹氏と矢崎俊彦氏を対象に行われた。

2. 教育支援システム 「Oh-o! Meiji」 の概要

明治大学の教育支援システム 「Oh-o! Meiji」

は, 大学空間に存在する教育研究情報と教育研究 生活に必要なあらゆる情報を提供し, 明治大学で の教育研究活動と生活がネットワークを介して行 えるようなシステムとして開発されたものである。

この取り組みは全学的支援のもとに実施されてお り, 本システムを活用した 「ネットワークを用い た教育学習支援システム」 は文部科学省による平

成15年度の 「特色ある大学教育支援プログラム」

に選定されている。

シ ス テ ム は 大 き く 分 け て ,

ク ラ ス ・ ウ ェ ブ

(Class Web) とポータルページ (Portal Page) の二つのサブシステムから構成されている。 クラ ス・ウェブは, 学生, 教員, 外部利用者に対して, 教育に関する通覧的な情報を提供するものであり, ポータルページは, 学生や教員が大学生活で日常 的に必要とする情報を提供するものである。

2.1 クラス・ウェブ

クラス・ウェブが提供するのは, 全学で11,000 にのぼる授業・セミナーに関するウェブページに よる情報である。 またそれと相互に結び付く形で, 教員データベースのデータも提供する。 各授業の ページは教室と同じように, 一つの容れ物であり, コンテンツの構成は担当教員の自由に任される。

一つの授業に対応する一つのクラス・ウェブは次 のような情報項目を備えることができる。 実際に どの情報項目を持たせるかは担当教員により設定 される。

・ 「シラバス」:授業目的, 概要等の情報。

・ 「授業計画」

・ 「関連リンク」:授業内容に関連する Web サ イトへのリンク。

・ 「お知らせ」:授業に関する担当教員から学生 への告知。

・ 「ディスカッション」:チャットルームのよう なもの。 ページ所有者のみ発言削除可能。

・ 「資料」:授業関連の資料ファイル。 担当教員

147

教育支援情報システムの現状

―明治大学の事例調査報告―

野澤 孝之, 井田 正明**, 喜多 ***

独立行政法人大学評価・学位授与機構 評価研究部 助手

** 独立行政法人大学評価・学位授与機構 評価研究部 助教授

*** 京都大学 学術情報メディアセンター 教授

シラバスとは本来, 履修者が学習を進める上で参考となる授業計画書を意味するが, 日本では, 学生が履修科目を選択 する際の判断材料として基本情報だけを集めたものをシラバスと呼称することも多い。 この慣習に合わせ, 本システム では 「シラバス」 と 「授業計画」 を並立させている。

(4)

がアップロードする。

・ 「レポート」:課題の内容と期限。 学生からの アップロード提出機能はまだ実装されていない。

参照, ダウンロード機能は実装済みである。 担 当教員は履修学生全体の提出状況を表形式で確 認できる。 成績の採点機能 (課題に重みをつけ て和をとり成績を計算) なども2004年度には設 置する予定である。

・ 「アンケート」:授業評価のアンケート。 学生 がアクセスすると, その授業の評価アンケート を提出できる。 教員はアンケートの集計を確認 できる。

・ 「専任教員 DB」:教員の専門分野, 学歴, 職 歴等の情報。

・ 「フレキシブルメニュー」:上記の 「シラバス」,

「お知らせ」, 「資料」, 「関連リンク」 と同様の 情報をアップできる他, 画像も載せることがで きる。 実験手順を示したり, 視察旅行の写真集 など, 様々な情報を組み合わせて提示できるよ うになっている。

クラス・ウェブの特徴・工夫として, 以下のよ うなものが挙げられる;

・3段階の公開レベル―1. 担当教員・履修者, 2. 学内, 3. ゲスト (学外者一般) ―が準備 されており, ページ管理者である担当教員はペー ジが含む各情報について, どのレベルまで公開 するかを設定できる。

・ページ所有者が各項目に情報をアップロードし 公開レベルを設定するときに, 入力した情報の 著作権を確認する機能がある。 たとえば 「資料」

や 「レポート」 の項目に書籍からの引用情報を アップロードした場合, それをゲストも閲覧で きるように設定してしまい著作権法に抵触する ことが無いよう注意を促すことができる。 ある 情報をシステム内に入れるか, リンクを張るか も著作権に応じて決めるべき事柄である

・各ページで使用する情報項目は, すべてを用い るのではなく, 受講者数やゼミや講義といった

授業の種別によって最適なものを教員が選択す ることができる。 このシステムを利用しない科 目は, 「シラバス」 の情報のみが提示されるこ ととなる。 また, ページのデザインも教員がセ レクトメニューによってページごとに設定する ことができる。

・同じ授業が学部によって違う名前を持つ場合,

「代表科目」 という形で, ひとつの科目を選択 すれば同じ教育情報が各学部に設置されている 異なる名称の授業に反映される。

・授業アンケートの集計結果を参照可能。 また, 集計結果を CSV 形式

でダウンロードし, 統 計ソフトを使って分析できる。 たとえば, 統一 された質問表をつかって得た結果を因子分析す ることで, 学生の授業評価を左右する因子を発 見することができる。

・過去年度 (2, 3年) のシラバスも保存してい る。

2.2 ポータルページ

ポータルページは, 学生や教員個人が日常の大 学生活で必要となる情報を簡単に一箇所で取得で きるようにするため, 掲示板や冊子に含まれる情 報でその個人が関係するものを集積する。 ポータ ルページが提供する情報には, 次のような項目が ある;

・ 「お知らせ」:休講や時間割変更のような掲示 板情報, 図書館からの情報 (資料検索, 取り寄 せ状況など)。

・オンラインサポート:事務室や教員への質問を, 相手を指定して Web フォームで送る。

・FAQ:オンラインサポートやサポート窓口で よくある質問とその答。

・時間割:履修登録を反映した時間割表。 時間割 は, 学籍データ, 履修データなどのデータベー スと連動している。 教員アカウントの場合は, 時間割の裏返しとして 「出講表」 が閲覧できる。

・成績照会:本人の成績。

・健康診断結果

大学評価・学位研究 第1号 (2005) 148

著作権法ではその第三十五条において, 学校その他での教育機関における授業のための著作物の複製を認めており, 平成 16年からは, 授業を担任する者に加えて授業を受ける者による複製や, 遠隔教育を想定した公衆送信も認められた。 この 種のシステムでは著作権法上の教育への特例的な扱いに留意することが求められる。

CSV は Comma Separated Value の略。 コンマを区切り文字としてデータの各項目をテキスト形式で列挙するデータ フォーマット。 テキスト形式であるため汎用性が高く, さまざまなプログラムで処理しやすい。

(5)

・パーソナルリンク:個人のお気に入りリンク集。

どの端末からでも, 自分のアカウントでログイ ンすれば自分の環境が使える。

・ウェブメール:ブラウザから使えるメール機能。

・メールの転送設定:個人契約プロバイダのメー ルアカウントや, 携帯アドレス等への転送設定 が可能。

・自分に必要な情報の選択・設定:ポータルペー ジの個人別機能設定。

・デザイン:ポータルページの個人別デザイン設 定。

スケジュール帳などについても, 将来の導入を 検討している。

クラス・ウェブとポータルページによって, 学 生・教員が大学内での生活・活動において必要と する全ての情報が提供される。 ただし受講そのも のに関する情報支援は除かれており, その点が受 講 を オ ン ラ イ ン で 行 う こ と を 目 的 と す る e- Learning システムとの相違点である。 明治大学 でも e-Learning について調査・研究を行ってい るが, どのような形で導入するかは検討中である。

2.3 システム導入による効果

「Oh-o! Meiji」 システムの導入がもたらした効 果について, アンケート調査による教員・学生か らの意見聴取が行われていた。 その結果は, 「教 員・学生双方の連絡が取りやすくなった」, 「教員・

学生間の心理的距離が縮まった」 というのが多数 の意見であった。 学生の授業出席率が悪くなるの ではないかという懸念もあったが, 学生はむしろ システム運用以前よりも授業に出席するようになっ た。 全体として教員-学生間のコミュニケーショ ンが密になったというプラスの感触が得られてい る。 その他の意見として;「教員側から出す課題 の数が増えた」, 「授業時間をより有効に使える」,

「黒板に書くより情報をより正確につたえられる」,

「視覚効果に気をつけた授業を気にかけるように なった」 など授業改善への効果についての意見や, その結果として 「毎回の授業に興味をもち, 授業 に出席する意欲が増す」 といった意見もあった。

教員-学生間のコミュニケーションが密になっ たというその一方で, メールのやりとりなどが大 量になり, 教員側の負担が増大するという問題点 も生じている。 現段階は, 大学における本格的な

「教育の情報化」 への移行期間であるとも言える ため, 今後, 講義や演習といった授業の形式や受 講人数に応じた適切な利用など負担軽減のための システム運用の工夫が必要と考えられる。 「Oh-o!

Meiji」 システムは学部の大規模授業から, 学部 や大学院のゼミ形式の少人数授業においても多様 な利用が可能である。 しかしながら, 昼間部, 夜 間部, 大学院と言うように教員一人当たりの担当 授業数の多い私立大学では, 担当科目すべてにこ のシステムを活用するには教員への負荷が大きす ぎる。 そこで, 2004年度からは TA も編集作業 を行えるようにシステムを改修している。

2.4 システム利用状況と利用促進 2.4.1 利用状況

2000年末から稼動したクラス・ウェブは, 約2, 000名 (専任700, 兼任1300) の教員のうち約400 名が利用している。 2003年の春から導入したポー タル・ページは, 2004年度から全学的な活用が始 まることとなる。 「Oh!-o Meiji」 システムが 「特 色ある大学教育支援プログラム」 に採用されたこ とを機会に, 現在は各学部を廻ってシステムの利 用促進を行っている。 特に日本技術者教育認定制 度 (JABEE) への認定申請との関係で, 理工学 部での活用促進には力を入れており, 日本で初め て, ほとんどの科目が Web 上で管理されるよう になるのではないかと期待している。 ほかにも政 治経済学部はジョブインターンシップとの関係で 強化し, またロースクールは専門養成型として社 会人の利用を促進するなど, それぞれの分野に合 わせて利用を拡大していく予定である。

2.4.2 利用促進

システムの利用を促すため, 教員に対しては, 教授会などの機会に利用法を説明している。 学生 に対しては, 入学時に受講を義務付けているネッ トワーク講習会の場で説明を行っている。 上述の ように, 2004年度からは TA が教員を補助しク ラス・ウェブのページを作れるようにする予定で あるため, TA への講習も充実させる予定である。

また, システム利用において注意すべき事柄と して, 著作権の保護, 個人情報保護規定の遵守, ネットワーク利用規定の遵守などを挙げ, 利用ガ イドラインのパンフレットを配布している。 今後

野澤ら:教育支援情報システムの現状 149

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はガイドライン講習会の開催なども考えている。

学生側のシステム利用促進には, 学生が使用で きる計算機環境の充実も重要である。 明治大学で は, 駿河台キャンパスの新教育棟リバティタワー の全教室と図書館の全席に情報コンセントを完備 しており, ノートパソコン等を接続できる環境に なっている。 さらに館内, 図書館等に学生が共同 利用できる端末を設置したり, 図書館内で貸し出 しサービスも行っている。 過去には, 累計で1,80 0台近くのパソコン貸与もおこなったが, 貸与に よる教育効果が不明であるばかりでなく, 経費が 膨大であることから現在は行っていない。 コンピュー タの個別購入に関しては, 携帯電話と同じで, コ ンテンツが揃っており, 生活に必要となれば, 学 生は自然とコンピュータを購入すると考えられる。

実際アンケートをとったところ, 現状でも80%弱 の学生は個別にコンピュータを所有し, ネットワー クを介してシステムを利用できる環境にある。

2.5 他の学内情報システムとの連携

「Oh-o! Meiji」 システムは, 学籍, 履修・成績, 時間割などの学内データベースシステムと連動し ている。 また, 教育・研究ネットワークと接続さ れ図書館とも接続されている。 さらに, 事務ネッ トワークを介して大学の基幹システムや事務用イ ントラネットシステムとも接続されている。

事務ネットワークのデータは事務員専用端末か らしかアクセスできない。 「Oh-o! Meiji」 システ ムは, 共有ネットワークを通じて事務ネットワー ク内のデータを参照する。

なお, イントラネット内の各種データベースと つながないスタンドアローンの教育支援システム を, 本システムの施工担当業者が製品としてパッ ケージングし, ライセンスを販売している。

3. システムの導入来歴

3.1 大学全体での情報システムについて

情報システム全般に関しては, 1988年あたりか ら, 同大学の情報科学センターで基礎情報教育を 行ってきた。 現在では毎年5,000名ぐらいの学生 が授業を受けている。

「Oh-o! Meiji」 の前身は, 「実験的コンピュー タ利用授業 (略称:PC プロジェクト)」 である。

1995年あたりからプリミティブな試みが始まり,

1998年あたりから本格的にネットワークを利用し, コンテンツ作成を行い, 成果を発表してもらうと いう取り組みとなった。 担当教員を責任者にし, 学生にコンピュータを貸与していた。

1998年に駿河台キャンパス・リバティータワー が完成した。 97の教室全てにプレゼンテーション 設備を備え, また教室, ゼミ室, 図書館などの全 ての座席に情報コンセントを配置した。 和泉, 生 田キャンパスは, このリバティータワーをモデル に, さらに新たな設備を備えている。

3.2 「Oh-o! Meiji」 システムの開発について

「Oh-o! Meiji」 システムの開発は, PC プロジェ クトなどの取組の延長として比較的ボトムアップ に進んできたが, 全学展開に関しては教務部長 (副学長クラス) がトップレベルでリーダシップ を発揮した。

「Oh-o! Meiji」 システムの本格的開発は1999年 度から始まっている。 まず最初にクラス・ウェブ が開発され, その後2002年度からポータルページ の開発が始まり, 2003年4月からポータルページ も含めた形で公開, 利用に供された。

まず, 1999, 2000年度の2年間で, クラス・ウェ ブの概形が完成された。 この段階では学内のコン ピュータ, および PPP 接続を用いて, 学内ネッ トに接続しているコンピュータのみがシステムを 利用可能であった。

2001年は学外に対する接続の提供, およびそれ に必要なセキュリティの向上などを行った。 他の 各種情報システムと共通の認証サーバを利用する ことにより, 同年11月から, ID-パスワード認証 を用いてインターネット経由でクラス・ウェブシ ステムにアクセスできるようにした。 導入された システムはつぎのものである:

・共通認証サーバ:イントラネットシステム (共 有) 内の各種システムと共通

・既存のシラバス DB に統合

・時間割システム

・イントラ DB サーバ (基幹システム)

・インターネットマークスサーバ:セキュリティ 機能

ただしこの時点では, システム利用のために利 用者が自ら専用のプラグインを導入する必要があっ たため, 十分な利用状況ではなかった。

大学評価・学位研究 第1号 (2005) 150

(7)

2002年度はさらにポータルページの開発を行っ た。 また, ロードバランシングや SSL アクセラ レータを導入して冗長化・安定化を図り, 24時間 運用可能なシステムとした。 2003年度4月より, クラス・ウェブとポータルページの両方を含むトー タルシステムとしての 「Oh-o! Meiji」 システム が利用可能となった。

2003年度 (今年度) は更に研究者情報システム の追加・統合を進めている。

4. システムの運用体制

明治大学は, 「Oh-o! Meiji」 システムを含め, 広範囲の情報サービスを提供している。 これらの 運用は技術系職員と, 常時雇用されている二十名 にのぼる専任の SE により担われている。 また, 新たな情報サービスの導入時には専門の設備導入 コンサルタントを雇う。

4.1 「Oh-o! Meiji」 システムの開発・運用体制

「Oh-o! Meiji」 システムの設計・開発は明治大 学内で行い, 施工を業者に外注した。 具体的には,

「コンテンツ委員会」, 「教育の情報化 WG」, 「業 者との定例会」 が連携して開発・運用が行われ, その結果が大学にフィードバックされる体制となっ ている。 それぞれの役割は;

・コンテンツ委員会:各学部の教員および事務局 から構成され, 情報システムの将来の方向を議 論し, 意思決定を行う。

・教育の情報化 WG:大学雇用の SE をメンバー に含め, コンテンツ委員会の委員でない教員か らの要請や事務員からの提案に対応する。

・業者との定例会:施工を担当した業者に, 教育 の情報化 WG を通じて集められたシステム改 善の要望等を提出する。

4.2 サポート関係

「Oh-o! Meiji」 システムを含め, 明治大学の情 報サービス全般についてのサポートデスクを各地 区に設置している。 サポートの提供は外注業者に 委託して行っている。

サポートは以下の時期に順次導入された:

駿河台キャンパス:1998年度から 和泉キャンパス:2000年度から 生田キャンパス:2003年度から

システムが統合される以前は, 分担サービスご とに異なる曜日でサポート人員が来ていた。 現在 は窓口が統一されたワンストップサポートを提供 している。 ただしシステム利用に関する質問に対 してはサポートデスクが窓口であるが, システム に対する意見・要望に対しては教務課が窓口となっ ている。

4.3 大学執行部とのつながり

現在, システムの運用部局と大学の意思決定を 行う執行部とをつなぐ組織として, 「総合情報執 行委員会」 という権威ある委員会が存在する。 こ の執行委員会は 「Oh-o! Meiji」 だけでなく, ビ ルや基幹システムなど全ての情報関連設備を審議 の対象としており, 理事, 各学内情報システム担 当, 国際交流, システム監査などが参与している。

5. システムの将来構想

システムの将来構想については, 将来どんな技 術が出てくるか予想がつかないため, 長期的な方 針を立てることが難しい。 現在はアプリケーショ ンを充実化している段階であり, 教員との結びつ きを強め, 教材作成デスクを設立し, 教育の充実 を図るつもりである。 また将来構想の検討を行い 必要な調査を進めるための組織体制については,

「明治大学 教育の情報化将来構想委員会」 を組 織し, 学長に答申を出した。 答申は大きな見直し 事項を含んでおり, 現在は上記の執行委員会で審 議中である。 具体的な答申の中身として, たとえ ば, 事務と教務の統合, 情報科学センターの改変 (高校段階での情報教育を受けた学生への対応) などを提言している。

とくに海外では, 情報システムがもたらすデー タ の 分 析 結 果 を 大 学 の 運 営 に 活 か す IR (Institutional Research) が普及している。 明治 大学では, このような利用の構想は企画部系が別 個に進めつつある。 戦略的情報部門のようなもの はいまのところ存在しないが, 将来的には 「情報 企画部」 という形で立ち上げようという動きがあ る。

6. おわりに

社会的に情報ネットワークが整備されつつある 中で, コミュニケーションの向上など多数の利点

野澤ら:教育支援情報システムの現状 151

(8)

を持つネットワークを介した教育支援システムは, 今後の大学教育において重要な位置を占めるもの と思われる。 明治大学の事例が示すように, シス テム導入により従来の授業よりも時間的および空 間的制約が緩和されプレゼンテーションが改善さ れるなど教育サービスの充実が図られている。 ま た, 明治大学では教育支援システムだけではなく, 図書館・成績情報・研究者情報など他の情報シス テムとの結合も進めており, さらに有用な総合的 情報サービスが期待される。 一方で, 教員側の負 担が増加することも予想され新たな情報環境への 教員側の適応について課題が出てくるものと思わ れる。 また, 情報システムの管理・運用などシス テム基盤面を担当する大学側の管理体制の充実が 必要とされる。 明治大学においては, 情報技術系 専門職員や教務系職員により組織的に情報システ ムの開発・運用がなされている点は注目すべきで ある。

今回調査を行った明治大学のような大規模な私 立大学での教育への情報システムの活用事例は, システム開発計画を有する他の大学にとって有用 な参考事例になるものと思われる。

明治大学政治経済学部・経済学科長の安藏伸治 教授, 教務事務部・教務課の高村潤氏と神野祥子 氏, 情報システム事務部・教育研究システム課の 松崎秀樹氏と矢崎俊彦氏には, ご多忙の中, イン タビューと教室, ゼミ室, 図書館などの見学に時 間を割いていただきました。 ここに深く御礼申し 上げます。

また, 大学評価・学位授与機構 学位審査研究 部の宮崎和光助教授には, 明治大学へのインタビュー の設定をしていただきましたことを深く御礼申し 上げます。

参考文献

1) 明治大学 Oh-o! Meiji システム:

http://oh-o.meiji.ac.jp

上記 URL から体験利用も提供している。

(受稿日 平成16年2月23日)

大学評価・学位研究 第1号 (2005)

152

(9)

Research on Academic Degrees and University Evaluation

, No. 1 (2005) 153

[ABSTRACT]

Case Study of Education Support Information System―Meiji University―

NOZAWA Takayuki

, IDA Masaaki

**

and KITA Hajime

***

In the National Institution for Academic Degrees and University Evaluation (NIAD-UE), as a part of the investiga- tion research project Structure Analysis of Information for University Evaluation and Its Application to Evaluation Processes", some case studies have been carried out for universities which are developing information systems for supporting their educational and research activities.

This report summarizes an investigation by interview of Meiji University's Oh-o! Meiji" system, a web-based edu- cation support information system which has been adopted by the Distinctive University Education Support Program for fiscal 2003 of the Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology, Japan. Professor Anzo Shinji, head of the Department of Economics, and other staffs at the Surugadai campus in Tokyo were interviewed on November 5, 2003.

Research Fellow, Faculty of University Evaluation and Research, National Institution for Academic Degrees and University Evaluation

** Associate Professor, Faculty of University Evaluation and Research, National Institution for Academic Degrees and University Evaluation

*** Professor, Academic Center for Computing and Media Studies, Kyoto University

参照

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