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ェフ首相の北方領土訪問などで日本の対ロ世論が硬化する中 プーチン氏が関係強化のシグナルを送ってきたとみる パトルシェフ氏は 外交 安全保障などの重要方針を決める安全保障会議を実務面で取り仕切る陰の実力者 プーチン氏と同じ KGB 出身で プーチン氏の懐刀 として知られる 領土交渉に関しロ側は ラブロ

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Ⅲ. ロシアの外交・国際関係(24 号 15 年 11-16 年 1 月) シリア、ロシア軍要請ためらわず 外務副大臣が連携強調(D150921)(要約)シリアのメクダ ド外務副大臣は20 日、ロシアから供給を受けた最新兵器の実戦使用を認めた上で、今後の 戦況次第ではロシア軍に実戦部隊の派遣を要請することを「ためらわない」と述べ、両国 の連携を強調した。シリア政府には、ロシアの軍事支援を背景に、アサド大統領退陣を要 求している米国を揺さぶる狙いがあるとみられる。ロシアは急速にシリア介入を進め、米 国が警戒を強めている。メクダド氏は現時点でロシア軍実戦部隊はいないと繰り返した上 で、ロシアの軍事顧問を受け入れ、シリア軍が訓練を受けていることを認めた。 28日に米ロ首脳会談 議題めぐり早くも対立(D150925)(要約)米ロの両政府は 24 日、ニ ューヨークで28 日にオバマ大統領とプーチン大統領による首脳会談を行うと発表。国連総 会の機会を使い、ウクライナ危機やシリア情勢を話し合うが、両政府は優先すべき議題を めぐって早くも対立している。アーネスト米大統領報道官は、ウクライナ危機が最優先だ とし、停戦実現のためロシアが和平合意を履行するようオバマ氏がプーチン氏に直接迫る 方針だと説明した。ペスコフ大統領報道官は、シリア情勢が主要議題だと強調し、ウクラ イナ危機は「時間があれば」話し合うとした。 本物プーチン氏が電話 エルトン・ジョンさんに(D150925)(要約)ペスコフ大統領報道官は プーチン大統領が24 日、英人気歌手エルトン・ジョンさんに電話し、面会を申し出たこと を明らかにした。同性愛者への偏見が強いロシアの現状を憂えたジョンさんがプーチン氏 に直談判したいとの意向を示したところ、ロシアの芸 人2 人が最近、プーチン氏と報道官になりすましてジ ョンさんにいたずら電話をかけていた。本物のプーチ ン氏はジョンさんとの電話で芸人に関して「悪く思わ ないでほしい。彼らに悪気はない」と擁護。その上で 互いの都合が良いときに面会することを提案。 プーチン氏硬軟両様 領土なお不透明(D150925)(要 約) プーチン大統領最側近であるパトルシェフ安全保障会 議書記が来日したのは、対日関係重視をアピールし、 プーチン氏訪日に向けた日本側の期待度を高める狙い とみられる。プーチン氏はウクライナ危機で G7 と対 立後も領土問題の解決に意欲を示し、日本に秋波を送 った。ただ、閣僚らが相次ぎ北方領土を訪問して実効 支配を誇示するなど、硬軟両様の対応で日本を 揺さぶ っている可能性もある。日本側関係筋は、メドベージ

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ェフ首相の北方領土訪問などで日本の対ロ世論が硬化する中、プーチン氏が関係強化のシ グナルを送ってきたとみる。パトルシェフ氏は、外交・安全保障などの重要方針を決める 安全保障会議を実務面で取り仕切る陰の実力者。プーチン氏と同じKGB 出身で「プーチン 氏の懐刀」として知られる。領土交渉に関しロ側は、ラブロフ外相が岸田外相と会談後「北 方領土については協議していない」と述べるなど否定的な構えを見せる。ただ、プーチン 氏は平和条約締結後の歯舞、色丹2島の日本への引き渡しを明記した1956 年「日ソ共同宣 言」に基づいた解決に繰り返し言及するなど、日本に前向きな姿勢を見せてきた。プーチ ン氏が対日関係に関心を示す背景には、G7 の足並みを乱す思惑に加えて、過度な中国依存 を避ける狙いがあるとみられる。ただ、プーチン氏は昨年5月、「四島全体」が交渉対象だ と明言しつつも、日ソ共同宣言に関し「島の主権は誰のものか一切述べられていない」と 指摘。歯舞、色丹の返還条件も交渉次第と示唆するなど「領土で譲歩する姿勢は一切示し ていない」(日ロ外交筋)。安倍氏はプーチン氏の年内来日を実現し領土交渉の進展を狙う が「右手で握手して、左手で銃を突き付けている」(日本政府関係者)と、プーチン氏の真 意を測りかねているのが実情だ。 シリア情勢で米ロ応酬 オバマ氏、アサド政権非難(D150928)(要約)オバマ米大統領は 28 日、国連総会一般討論で、内戦が続くシリア情勢をめぐり「一部の主要国が国際法に反す る形で自らの主張を展開している」と述べ、シリアのアサド政権を支援するロシアを間接 的に批判した。ロシアのプーチン大統領はアサド政権と協力しないのは大きな間違いだと 米ロ外相、アサド政権存続で対立 シリア情勢でせめぎ合い(D150928)(要約)ケリー米国務 長官とラブロフ外相は 27 日、国連総会開催中のニューヨークでシリア情勢について会談。 米ロは過激派組織「イスラム国」掃討作戦へのアサド政権参加の是非をめぐり対立。28 日 のオバマ、プーチン両大統領の会談を前にせめぎ合いを続けた。ロシアはシリアでの権益 保持のためアサド政権への軍事支援を強化。「イスラム国」対処で主導権を握りたい考えだ。 米国は、シリア内戦の政治的解決に向けアサド政権の退陣を主張するが、シリア難民流入 問題に歯止めをかけたい欧州関係国からは政権移行期に政権が一定の役割を果たすことを 容認する声が強まっている。 ロシア、シリア問題で米けん制 大統領10年ぶり国連総会出席へ(D150928)(要約)プーチ ン大統領が28 日、ニューヨークで開催中の国連総会に 10 年ぶりに出席する。昨年のウク ライナ危機で米欧と対立が激化して以来、初めての訪米で、オバマ米大統領との直接会談 に臨む。プーチン氏は、国連総会での演説でシリアなどの過激派組織「イスラム国」対策 で国際連携を呼びかける見通しで、安倍晋三首相とも会談する。シリア問題や日本カード をちらつかせ、対ロ包囲網を揺さぶる狙いとみられ、米国は警戒している。 米ロ首脳、シリアで溝 プーチン氏、アサド政権を正当化(D150929)(要約)オバマ米大統領 とプーチン大統領は28 日ニューヨークの国連本部で会談し、シリア問題とウクライナ問題 について意見を交わした。「イスラム国」との戦いを支援するとの理由でロシアがシリアの アサド政権に対する軍事支援を強める中、アサド政権の退陣を要求している米国は疑念を

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深めていたが、この日の会談では意見の対立があらためて浮き彫りになった。会談で、プ ーチン氏は「アサド政権はイスラム国に対する防波堤となっている」として支援の正当性 を強調。これに対してオバマ氏は、ロシアが単独でイスラム国と戦うことに関しては容認 する考えを示したものの「アサド政権への支援は、反体制派の市民への弾圧につながる」 と指摘し、ロシアによる軍事支援に反対する考えを明確にした。またウクライナ問題をめ ぐって、オバマ氏は「ウクライナ政府の主権と領土の一体性をあらためて支持する」とロ シアによるクリミア編入を批判。ウクライナ軍と親ロシア派武装勢力の間で緊張が続いて いるウクライナ東部の情勢については、関係国が2月に停戦や重火器撤去などを確認した 「ミンスク合意」の完全履行を要求。プーチン氏は、クリミア編入は住民の意思に基づく ものだとして編入をあらためて正当化したもようだ。 対ロ「働き掛け歓迎」 米副大統領、会談で首相に(D150930)(要約)安倍首相は 29 日、国 連総会出席のため訪問中のニューヨークで、米国のバイデン副大統領と会談した。首相は 28 日に行った日ロ首脳会談について「ウクライナ情勢、シリア情勢の改善のため、ロシア が建設的役割を果たすよう求めた」と説明。バイデン氏は「日本の働き掛けを歓迎する」 と評価した。 ロシア上院、シリア空爆を承認 欧米に圧力(D150930)(要約)ロシア上院は 30 日、プーチ ン大統領がシリアのアサド政権支援のためロ軍の実戦部隊を派遣することを承認した。イ ワノフ大統領府長官は、軍事行動は「イスラム国」への空爆に限定し、地上軍は派遣しな いと言明した。米国はアサド政権打倒の姿勢を崩しておらず、プーチン政権はアサド政権 への本格的な軍事支援により、米国との対決姿勢を一層鮮明にした。イワノフ氏は介入の 理由について、「イスラム国」にはロシアや旧ソ連圏から数千人が参加しており、彼らが帰 国すればロシアでテロの脅威が高まると説明した。プーチン氏はアサド氏から部隊派遣の 要請を受け、上院に承認を求めた。プーチン氏は国連総会出席の機会を利用してオバマ大 統領と会談したが、シリア情勢をめぐり事実上、物別れに終わった。軍事支援の拡大で米 国への圧力を強め、外交交渉を有利に進める思惑もありそうだ。 米ロ首脳、隔たり鮮明 ウクライナ危機、互いに批判/混迷シリア、解決糸口見えず (D150930)(要約)オバマ大統領とプーチン大統領が 28 日ニューヨークの国連本部で行った 首脳会談は、冷え込んだ米ロ関係をあらためて印象づけた。対立の始まりだったウクライ ナ危機をめぐり、両首脳は互いを批判した。欧州に押し寄せる多くの難民を生んだシリア 情勢の混迷も、解決の糸口を見いだせなかった。「建設的で実務的で驚くほど率直な会談」 (プーチン氏)は、主張の隔たりを再確認して終わった。会談に先立つ同日の国連総会一 般討論演説で、両氏は激しく応酬した。オバマ氏は「ウクライナの人々はロシアよりも欧 州に心を寄せている。ロシアは(欧米などの)制裁によって資本逃避が起き、経済は収縮 し、ルーブルは下落している」と指摘。プーチン氏は「ソ連が崩壊しても、NATO は拡大 を続けている。旧ソ連の国々に『西側に入るのか、東側か』とばかげた選択を突きつけ、 地政学的危機を招いた。まさにウクライナで起きたことだ」と述べ、米国への不信感をあ

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らわにした。 ■停戦履行は一致 会談ではウクライナ問題について、ロシアによるクリミア編入で損な われたウクライナの主権と領土の回復という根本問題の解決には遠いものの、今年 2 月に 関係国が合意したウクライナ東部の停戦や重火器撤去などの「ミンスク合意」の履行では 一致した。シリア情勢では、オバマ氏がロシアによるアサド政権への軍事支援を中止する よう求めたのに対し、プーチン氏は「アサド政権が『イスラム国』と戦うのを支援する」 ことを理由に拒否した。ただ、シリア領域で同組織空爆を続ける米軍とロシア側との偶発 的衝突を避けることでは一致した。 ■関係改善を期待 ロシアは今回の国連総会に向け、同組織への対処で国際社会が「大連 合」を組む必要性を盛んに発信してきた。シリアからの難民問題で欧州が揺れる中、中東 安定化に向けたロシアの役割を訴え、米国をけん制してきた。ロシア経済紙ベドモスチは、 プーチン氏の訪米は「制裁廃止を狙う戦略の一部」という専門家の見方を伝えた。プーチ ン氏は会談後、オバマ氏と意見の違いがあることを認めつつ、テロ対策などで共同作業を 進める考えも示した。とはいえ、対立の長期化で国内の対米感情が悪化する中、ロシアか ら歩み寄る姿勢は見せづらく、米国への強硬姿勢は当面続きそうだ。 露、天然ガス供給再開へ ウクライナなどと合意 (Y150927)(要約)天然ガス供給をめぐって、 ロシア、ウクライナとEU の 3 者協議が行われ、10 月から来年 3 月までの冬場の供給を再 開することで基本合意した。ロシアは、ウクライナに対し、EU 諸国への供給と同水準まで 値下げすることを約束。EU や国際機関は財政危機のウクライナにガス購入資金 5 億ユーロ を支援する。 「国連主導でIS 対策を」 一般討論 露大統領演説へ (M150928)(要約)国連総会の一般討 論が28 日始まり、初日にプーチン大統領が演説する。西側諸国との関係を悪化させるロシ アだが、IS 対策で世界との協力を訴える見通しだ。ロシアがシリアに軍事介入する計画が 取りざたされており、踏み込んだ発言をするかが注目される。 露、対IS 拠点設置 イラク シリアなど情報共有 (M150928)(要約)イラク軍は 27 日、OS と戦うため、ロシアとシリア、イランの 4 か国で情報共有を進めると発表した。バグダッ ドに情報センターを設置。4 か国の軍部隊で作戦を練り、行動を調整するのが狙いだという。 ロシア、国連議論も主導狙う シリア情勢打開へ決議案(D151001)(要約)シリア情勢の打開 に向けてロシアが国連安全保障理事会の各理事国に配布した決議案の内容が判明。「イスラ ム国」など過激派組織を非難、「全ての国」が協力して対処するよう促しており、シリア空 爆に踏み切ったロシアには軍事、外交両面で主導権を握る狙いがありそうだ。共同通信が 入手した決議案は「中東や北アフリカの国々の領土の一体性や存在」がテロの脅威によっ て危機にさらされているとして、深刻な懸念を表明。テロと戦う当事国の努力を評価し、 全ての国に可能な範囲で戦いに参加するよう呼び掛けている。ロシア案を修正なしで米国 が受け入れることは困難だとの見方が、現時点では支配的だ。ただ、シリア内戦に何ら有 効な手だてを講ずることができない安保理は批判にさらされており、ロシア案を前に「何

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もしない選択肢はない」(外交筋)との声があることも事実。米国は難しい対応を迫られそ うだ。 ロシアがシリア大規模空爆 2日目、50機以上参加(D151001)(要約)ロシア空軍は 1 日、 「イスラム国」の拠点に 2 日目の空爆を実施。北西部イドリブ、ハマ、ホムスなどで戦闘 指揮施設や弾薬庫、爆発物製造工場などを破壊した。ロ国防省報道官は攻撃目標について 「イスラム国」に厳格に限定していると指摘、反アサド政権の支配領域への攻撃や一般市 民への誤爆を否定した。さらに、衛星や無人機による偵察でイスラム国兵士の展開を確認 した上で空爆を行っていると強調した。一方、レバノンのテレビ局アルマヤディーンは、 ロシア軍が「山岳地帯にある『イスラム国』の重要陣地」のほか「反体制派の拠点」も攻 撃したと伝えた。事実であれば反体制派拠点にも空爆が加えられているもようだ。 ロ軍、山地の指揮拠点を破壊 「イスラム国」空爆(D151001)(要約)ロ国防省は、ロ軍がシ リア領で開始した「イスラム国」への空爆で山岳地帯にある戦闘指揮拠点を破壊したと発 表。反体制派は空爆で市民36人が死亡したと主張。一方、米政府は空爆先について「イ スラム国」はいない地域だったとの見方を示し、ロ側発表の信憑性に疑義を示した。 ロシア、シリアを3 連続空爆 米など有志国、即時停止要求(D151002)(要約)シリア軍筋に よると、ロシア軍は 2 日、「イスラム国」が支配するシリア中部カリヤタインを空爆した。 ロシア軍の空爆は3日連続。トルコ外務省は、「イスラム国」掃討作戦を主導する米国、フ ランス、サウジアラビアなどと連名で、ロシアのシリア領内での軍事作戦強化に「深い懸 念」を示し、シリア反体制派や市民への空爆の「即時停止」を求める共同声明を発表。空 爆は「過激思想をあおるだけだ」と批判、ロシアと米国など有志国の間の対立が一層深ま った。 米、ロシア空爆「無差別」と批判 衝突回避へ協議も(D151002)(要約)アーネスト米大統領 報道官は1 日、ロシアが「イスラム国」が標的だとして実施したシリアでの空爆について、 シリアのアサド政権と敵対する反体制派を狙った「無差別な軍事作戦だ」と批判した。米 ロ両政府は1日、シリアで行動する双方の軍用機の偶発的衝突を回避するため、国防当局 間の協議を実施。米側は、ロシアは同組織の支配地域外を空爆しているとして懸念を伝え た。ラブロフ外相はニューヨークでの記者会見で、空爆は「イスラム国」や国際テロ組織 ア ルカイダ 系「ヌスラ戦線」などの掃討が狙いだとし、シリア反体制派のうち欧米が支援す る勢力への攻撃を否定した。 シリア問題、米ロ亀裂 ロシア「イスラム国」空爆主張/米「反体制派も攻撃対象」 (D151002)(要約)シリアでロシアが「イスラム国」掃討を掲げて空爆に踏み切ったことを受 け、米ロの対立が激化している。イスラム国以外の反体制派を狙った空爆との疑念を強め る米国に対し、ロシア側は真っ向から反論。アサド政権の延命を狙うロシアと、退陣を求 める米国の溝は根深く、北方領土交渉など日ロの政治対話にも影響しかねない。シリア問 題をめぐる米ロの対立は、北方領土交渉進展に向け、ロシアとの政治対話の加速を目指し

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ていた日本にも影を落とす。菅義房長官はシリア問題について「米国を中心とする国際社 会と緊密に連携しながら適切に対応していく」と述べつつ、ロシアの空爆については「状 況を詳細に把握していない」としてコメントを避けた。 空爆標的は「イスラム国」 ロシア外相が強調(D151002)(要約)ラブロフ外相は、ロシアが シリアで実施した空爆は「『イスラム国』の拠点を標的としたものだ」と強調、同組織の支 配地域外への空爆を否定した。軍事行動の目的は「米国や有志国と同じだ」と述べ、空爆 はあくまで「イスラム国」やアルカイダ 系「ヌスラ戦線」などの過激派組織掃討を目指す もので、反体制派「自由シリア軍」を狙ったものではないと言明した。また、ロシアが支 援するシリアのアサド政権の「正当性」に言及し、同政権の要請に基づく空爆は国際法に 合致していると強調した。 ロシア、シリア空爆続行 「10 の施設破壊」(D151004)(要約)ロ国防省は 4 日、シリア領内 の「イスラム国」に対する空爆を続行したと発表、過去24 時間に 10 の施設を破壊したこ とを明らかにした。シリアのアサド大統領は、ロシア、シリア、イラク、イランの新たな 有志国は「成功しなければならない。さもなければ中東全域が破壊されるだろう」と主張 した。ロシアの空爆開始後、アサド氏の発言が伝えられるのは初めて。 ロシア、シリアに巡航ミサイル アサド政権と初合同作戦(D151007)(要約)ロシアは 7 日、 シリア領「イスラム国」に対する攻撃で、従来の空爆に加え、カスピ海から巡航ミサイル 26 発を発射したと明らかにした。また、シリア人権監視団(英国)によると、アサド政権 側の地上部隊が同日、ロシア軍の空爆と連携し、反体制派への大規模攻撃を実施した。ロ シアが巡航ミサイルを実戦で使用したのは初めてとみられる。 露大統領、米を批判 シリア内戦「クーデターを主導」 (M150929)(要約)プーチン大統領は 28 日に米 CBS テレビのインタビューで、シリア内戦やウクライナ政変について、「米国主 導で正当な政権を崩壊させようとする違法なクーデターだ」と述べ、痛烈な米国批判を展 開した。(通称「カラー革命」につても)「(米国による)内政介入であり、ロシアは絶対に 許さない」と語った。 論説の目 大木俊治 「ヤルタ」強調の真意は (M151006)(要約)9 月の国連総会でプーチン 大統領は、IS 打倒のための「幅広い反テロ国際連合」構築を呼びかけた。この演説でプー チン氏は、ヤルタ会談(1945 年 2 月)の意義を強調した。ウクライナ問題の対立を棚上げ し「共通の敵」であるイスラム過激派に対抗する「第 2 のヤルタ」連合を呼びかけた---と いうのが、ロシアの軍事評論家フェリゲンガウエル氏の解釈である。期待に反し、国際社 会の反応は鈍かった。ロシアは単独でシリアへの空爆に踏み切った。だがプーチン氏の狙 いが失敗したとみるのは早計かもしれない。それは米国が主導する対露包囲網の結束を揺 さぶることだ。効果は出ている。テロや難民流入にあえぐ欧州からは、欧米主導の対テロ 連合にロシアを引き込む必要性を訴える声も出始めた。国際社会はシリアで単独行動に出 たロシアとの調整を迫られている。プーチン氏はイスラエルのネタニヤフ首相やトルコの エルドアン大統領をモスクワに迎えて会談した。対シリア作戦で米国と連携する両国を懐

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柔する狙いがあったとみられている。日本も懐柔の標的だとの指摘もある。カーネギー国 際平和財団モスクワセンターのトレーニン所長は「ロシアが日本との領土協議に戻る可能 性の窓は閉ざされた」と断言する。日本専門家のストレリツォフ・モスクワ国際関係大学 教授も「当面、領土問題は解決できないことを前提に日露関係をどう進めるか考える必要 がある」という。プーチン氏は国連総会で、ヤルタ会談を戦後国際秩序の出発点と位置付 けた。この会談は、ソ連の対日参戦の見返りにクリル諸島へのソ連の権利を約束した、と される。プーチン氏の演説に、北方領土は譲らないというメッセージも込められていたと みるのは考えすぎだろうか。 親露派、選挙延期に同意 ウクライナ 特別自治権を要求 (M151007)(要約)ウクライナ東 部の親ロシア派武装勢力は6 日、18 日と 11 月 1 日に予定していた独自の地方選挙につい て「来年への延期に同意する」との声明文を発表した。親露派側はこの日の声明で、来年 の地方選挙までに、ウクライナ政府が 2 月の停戦合意に基づいて親露派支配地域に特別な 自治権を与えるなどの措置を完了するよう要求した。 露、シリア地上戦参加論 下院国防委員長「義勇兵派遣を」 (M151007) シリア 露、地上部隊派遣に言及 下院国防委員長「義勇兵加わる」 (Y151007) 露 巡航ミサイル発射 シリア領攻撃 カスピ海から26 発 (M151008) シリア軍事介入 露が地対空ミサイル IS 航空戦力持たず NATO 非難 (M151008)(要約) ロシアが、相手に航空戦力がないにもかかわらず、地対空ミサイルなどをシリアに持ち込 んでいることが分かった。トルコ領空を侵犯した露軍機が空戦用の装備を付け、トルコ軍 機を威嚇したことも判明。ロシアが米国などからシリアのアサド政権を守るため、防空シ ステムを導入したとの見方が強まっている。 露、クラスター弾使用か シリア領空爆 アレッポ近郊 (M151009) イラク、ロシアに期待感 対IS「空爆要請を」 (M151009)(要約)ロシアのシリア空爆を受け、 イラクでもIS に対抗するため、ロシアに空爆による支援を要請すべきだとの議論が高まっ ている。ただイラクでは米軍主導の有志連合がイラク政府の要請に基づく空爆を実施して おり、米露間の連携強化が必要だとの声が上がっている。ロシアの支援への期待が高まっ ている背景には、昨年8 月から対 IS 空爆を続ける有志連合への不満がある。アバディ首相 は「現状の支援は限定的だ。空爆も2003 年のイラク戦争に比べて小規模だ。ロシアから対 IS 空爆の申し出があれば歓迎する」と述べた。 社説 露のシリア空爆 「イスラム国」掃討は名目か (Y151009)(要約)ロシアのシリアでの 本格的な武力行使が、ロシアと米国の均衡関係を高め、固定化させつつある。ロシアは「IS」 の掃討が目的だとしている。だが、アサド政権を支え、自国の権益を守る狙いが明白で、 利己的な行動と言えよう。 露、巡航ミサイルを投入 「イスラム国」攻撃 (Y151009) 露ミサイル イラン墜落か 米CNN 報道 両国は否定 (M151009) 米露外相がシリア情勢協議 (M151009)(要約)8 日の電話協議で、米露両軍の航空機の衝

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突回避策や、内戦の政治決着に向けた取り組みなどを話し合った。 EU、ロシアのシリア介入を懸念 反体制派への攻撃停止を(D151012)(要約)EU は 12 日、 ルクセンブルクで外相理事会を開き、欧州に多数の難民が押し寄せる原因となっているシ リア情勢を協議した。理事会はシリアの穏健な反体制派も攻撃しているとしてロシアの軍 事介入に「深い懸念」を表明し、即時停止を求めることで一致した。外相理事会の総括文 書は、ロシアの介入による軍事活動の拡大は「紛争を長引かせ、政治解決に向けた努力を 損なう恐れがある」と指摘した。アサド氏を支援するロシアの軍事介入で、シリア問題を めぐる外交は一変した。 シリアにロ製クラスター弾 人権団体、投下を確認(D151012)(要約)国際人権団体ヒューマ ン・ライツ・ウオッチ(HRW)は、シリア北部アレッポ近郊でロシア製のクラスター弾が投 下されたとの報告書を発表。シリアで空爆を実施するロ軍と、同軍から武器の提供を受け たシリア軍のどちらが使用したかは特定できないとしている。HRW は「ロシア、シリアの いずれもクラスター弾を使用するべきではない」として、全面禁止する条約(オスロ条約) への加盟を求めた。 ベラルーシ制裁、一時停止 EU、政治犯釈放受け(D151013)(要約)ルクセンブルクで開か れた EU 外相理事会は、ベラルーシのルカシェンコ大統領らに発動している渡航禁止と資 産凍結の制裁を11 月から 4 カ月間停止することで合意した。大統領選で 5 選を決めた強権 統治のルカシェンコ氏はEU との関係改善を意識し、8 月に政治犯を釈放。デジール氏は「民 主主義と人権尊重に関し重要な兆しだ」と述べ、選挙も「平穏に行われた」と指摘した。 ロ製ミサイルで撃墜と結論 マレーシア機最終報告(D151013)(要約)ウクライナ東部で昨 年起きたマレーシア航空機撃墜をめぐり、国際調査を主導したオランダ安全委員会は最終 報告を発表、ロシア製の地対空ミサイルで撃墜されたと結論づけた。 マレー機 「旧ソ連製ミサイルで撃墜」 オランダ安全委が最終報告 マレー機撃墜 露企業も「旧 ソ連製使用」 独自調査公表 親露派発射は否定 (Y151014)(要約) 「イスラム国」で訓練 テロ計画集団を摘発 露連邦保安局 (Y151014)(要約) ミサイル「露にない旧型」 マレーシア機撃墜 製造企業発表 (M151014)(要約)地対空ミサ イル「ブク」を製造するロシアの兵器企業「アルマズアンティ」のノビコフ社長が 13 日、 モスクワで記者会見し、「現在ロシアで配備されていないソ連時代の旧型ミサイルが使われ た可能性がある」と発表した。このミサイルはウクライナ軍にも配備されていたといい、 ウクライナ側による撃墜だった可能性を示唆した。 ウクライナ 安保理当選 非常任理事国 露と対決姿勢鮮明 (M151017)(要約)15 日に実施 された改選投票で、ウクライナが 4 回目の当選を決めた。同国のクリムキン外相は国連本 部で記者団に「国連にとって重要な日だ。ロシアの武力侵略に苦しむウクライナは、平和 の価値を理解しているからだ」と述べ、安保理の場でロシアと対決していく姿勢を鮮明に した。

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米露、シリア衝突回避 軍用機の安全確保で合意 (Y151021) 米露 衝突回避策合意 シリア空爆「安全な距離」確保 (M151021) シリア・アサド大統領が電撃訪ロ プーチン氏会談、連携確認(D151021)(要約)シリアのア サド大統領が20 日、モスクワを電撃訪問しプーチン大統領と会談、軍事・政治両面での連 携を確認した。両首脳は首脳会談で緊密な関係を内外に示し、反体制派を支える米欧やア ラブ諸国を牽制した。アサド氏は頭、シリアの政治改革をめぐり「指導部だけでなく全て の国民が国の将来決定に参加したいと考えている」と説明。プーチン氏は「友好国である シリアには、テロとの戦いだけでなく政治プロセスでも貢献したい」と述べた。ペスコフ 大統領報道官によると、両首脳はロシアの空爆作戦の継続についても協議。両国は当面の 目標として、前線で優勢を確保し、将来的に反体制派を支える米国などとの交渉を有利に 進めたい考えとみられる。 ロシア軍シリア拠点を公開 ラタキア近郊で報道陣に(D151022)(要約)ロ国防省は 22 日、 シリア北西部ラタキア近郊で空爆作戦の拠点としているヘメイミーム空軍基地を一部報道 陣に公開した。同空軍基地はシリア軍が利用していたが、今回のロシアによる軍事介入に 合わせて拡張し、戦闘機の発着が可能になった。基地周辺は警備が厳しく、シリア国内の 記者は立ち入れない。 1 年半で「新生シリア」 ロシア和平案、アサド氏焦点(D151025)(要約)アラブ紙アッシャ ルク・アルアウサトとアルハヤトは25 日、シリア内戦終結に向けたロシア政府の和平案概 要を報じた。来年1 月までに軍事作戦を終了し、議会選挙を経て移行政権を樹立。1 年半の 移行期間の最後に新憲法下で大統領選を実施する内容で、アサド大統領がこの選挙に出馬 する余地を残している。 アサド大統領 訪露 空爆謝意 シリア危機後、初 (M151022)(要約)シリアのアサド大統領 は20 日、電撃的にモスクワを訪問し、プーチン大統領と会談した。アサド氏はロシア軍が 9 月末に開始したシリア領での空爆への感謝を表明、今度の軍事作戦などについて議論した。 プーチン政権にはアサド氏の訪露で空爆の正当性を改めて強調すると同時に、ロシアがシ リア情勢のカギを握っていると誇示する狙いがあるとみられる。 露、シリア主導権狙う アサド氏電撃訪問 空爆を正当化 米欧けん制 政治決着有利に アサド 氏 戦況好転を誇示 (M&Y151022)(要約)プーチン大統領は、アサド氏を招いて会談し、 シリアの後ろ盾としての存在を誇示した。ロシアはシリア内戦の政治的解決で主導権を握 り、中東への影響力を復活させる意図がある。一方、内戦下で初めてとなる外国訪問に打 って出たアサド氏。電撃訪問は、露軍の空爆開始によって政権側が軍事面での劣勢を覆し たという自信の裏返しといえる。 (スキャナー) 露のシリア介入 着々 首脳会談 「政治決着」へ影響力 米シナリオ崩壊 (Y151022)(要約)20 日の首脳会談は、内戦が続くシリアでのロシアの影響力の強さを見 せつけた形となった。反体制派への空爆を繰り返してアサド政権支持を強めるロシアに対 し、反体制派支援でシリアの安定化を目指してきた米オバマ政権は、戦略の見直しを迫ら

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れている。 対シリア 露大統領、理解求める 中東首脳に 米と駆け引き激化 (M151022)(要約)プーチ ン大統領は21 日、エジプトやトルコ、サウジアラビア、ヨルダンの中東 4 か国首脳と個別 に電話協議し、訪ロしたアサド大統領との会談について説明した。アサド政権の後ろ盾と なってシリア領空爆を続けるロシアの立場に理解を求めた模様だ。 4 国外相がシリア協議 露は解決策の主導権狙う (Y151024)(要約)シリア情勢をめぐり、 米、ロシア、トルコ、サウジアラビアの外相による協議が23 日、ウィーンで行われた。シ リアでの存在感を強めるロシアが、解決策を主導しようとする姿勢が目立った。 シリア巡り平行線 米露外相会談 協議継続は一致 (M151024)(要約)米とロシアの外相が 23 日、トルコとサウジアラビアの外相を交えてシリア情勢についてウィーンで協議した。 ラブロフ氏は会談後、最大の焦点だったアサド政権の処遇に「合意はなかった」と述べ、 協議が平行線に終わったことを確認した。4 か国は今後も協議を継続する方針では一致した。 社説 露のシリア政策 駆け引きに利用するな (M151025)(要約)シリアに対するロシアの 介入が目立っている。ロシアはシリアを対米駆け引きの道具に終わらせず、米国と意思統 一を図り、内戦を解決に導くことに努めるべきだ。 露が「和解会議」提案 シリア内戦 欧米、受け入れ困難か (Y151027) 224 人乗り露旅客機墜落 生存者なし 機体トラブルか エジプト (M151101) 露旅客機「撃墜」否定 エジプト首相 (Y151102) 露機撃墜 爆弾テロか 米「IS 関与の可能性」 (M151105) 露機墜落 英「爆発物の可能性」 米報道「イスラム国」系関与か (Y151105) 露機墜落 テロ説に波紋 英政府声明 エジプト「証拠ない」 (Y151106) 米 英 首 脳 「 テ ロ 濃 厚 」 露 機 墜 落 オ バ マ 氏 「 爆 弾 の 可 能 性 」 プ ー チ ン 大 統 領 不 快 感 (Y151106)(要約プーチン大統領は旅客機の墜落原因について、「公式調査で明らかになる データで判断する必要がある」と強調した。エジプトと露当局は、墜落原因の調査を進め ているが、結果は出ていない。プーチンの発言は、英国政府が 4 日に旅客機が爆弾テロで 墜落した可能性があるとする際名を出したことへの不快感を示したものだ。 露、エジプト行き運航停止 旅客機原因特定まで (Y151107) 露、テロ説も念頭か エジプト便運航停止 墜落原因巡り (Y151107) ロシア機墜落 1 週間 露もテロ説に対応 エジプト便の運航一時停止へ 米英との不信なお (M151107) 墜落ロシア機、空中分解か 163 人の遺体収容(D151101)(要約)旧ソ連諸国が組織する「国 家間航空委員会」のシロチェンコ執行委員長は、ロシアの航空機が墜落したエジプト北東 部シナイ半島の現場を視察し、墜落機は空中で分解したとの見解を明らかにした。「結論を 出すのはまだ早いが、機体は空中で分解し、約20平方キロの広範囲に飛散した」と語っ た。テロの可能性については言及しなかった。墜落機は乗客乗員 224 人を乗せ、シナイ半 島南部シャルムエルシェイクを離陸。サンクトペテルブルクに向かったが約20 分後にレー

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ダーから消え、その後墜落した。エジプト政府は生存者はいないとしている。シナイ半島 では、「イスラム国」系の武装勢力が活動。同組織は「ロシア機を墜落させた」と犯行声明 を出したが、エジプト、ロシア両政府はテロの可能性を否定した。 ロシア機墜落、事故調にもテロ説 記録装置「ノイズは爆発音」(D151109)(要約)エジプト・ シナイ半島のロシア機墜落で、エジプトの事故調査委員会の調査官は 8 日、ボイスレコー ダーの最後の部分に記録された「ノイズ」について「9 割方爆発音とみている」と述べ、事 故調内で爆破テロ説が強まっていると明らかにした。 米長官、対ロ制裁一部解除も ウクライナの和平条件に(D151103)(要約)米国のケリー国務 長官は、ウクライナ情勢をめぐり、今年 2 月に実現した和平合意が完全履行されれば、ウ クライナ東部への介入を理由に米国がロシア基幹産業などを対象に科した制裁を解除する 方針を明らかにした。一方でケリー氏は、ロシアが編入を強行したウクライナ南部クリミ ア半島については具体的に言及しなかった。クリミア編入を理由とした制裁は維持すると みられる。ロシア、ウクライナ、ドイツ、フランスの首脳が達成した和平合意は、ウクラ イナ東部の親ロシア派支配地域に高度な自治権を付与することで、親ロ派の武装闘争を終 息させる内容。ケリー氏の発言の背景には、ウクライナ東部の独立やロシアへの編入の可 能性を絶つ保証と引き換えにプーチン政権との関係改善に動く思惑がありそうだ。 ロシアが新シリア和平案 反体制派交え制憲、選挙(D151111)(要約)ロシアは、シリア内戦 の終結に向けた新たな和平案を、国連などで関係国に配布した。最長 1 年半の移行政権下 で反体制派を交えて新憲法を起草し、その後に大統領選と議会選を実施する内容。最大の 焦点となっているアサド大統領の処遇については、新憲法下での大統領選出馬を排除して おらず、米国やアラブ諸国は反発するとみられる。新和平案は(1)2012 年の「ジュネーブ合 意」に基づいた移行政権を、国連のデミストゥラ特使主導で樹立(2)「国内と国外の反体制 派」も参加する憲法起草委員会で憲法草案を作成し、国民投票での可決を目指す(3)新憲法 下で大統領選と議会選を実施する―などの内容。 「イスラム国」テロ、ロシアで懸念の声 世論調査、半数が「近い将来」(D151114)(要約) 「イスラム国」拠点を空爆しているロシアで、同組織によるテロを懸念する声が強まって いる。世論調査では、国民の4 割強がエジプトで 10 月に起きたロシア機墜落をテロ行為だ と認識。ほぼ半数が今後、国内でテロが起きることに懸念を示した。「イスラム国」を名乗 ってロシアへのテロ攻撃を予告するビデオ声明も公開され、政府は警戒している。独立系 調査機関のレバダセンターが墜落事件前の10 月下旬に行い、今月 13 日公表した世論調査 では、48%の国民が「テロや人質事件が近い将来に国内で起こる」と回答。2014 年 9 月の 39%大幅に上昇。誰がテロを行うと思うかの質問では、76%が「イスラム国」と答えた。プ ーチン政権は国内で「イスラム国」によるテロを未然に防ぐことを第一の目的に掲げ、9 月 にシリア空爆に踏み切った。これまでの世論調査では作戦を支持する声が過半数を占める が、国民はテロの脅威が高まったと受け止めているようだ。 ロシア、潜水艦初投入 シリアに巡航ミサイル攻撃(D151118)(要約)ロシア経済紙 RBK(電

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子版)は 17 日、国防省筋の話として、地中海に展開するロシア海軍の潜水艦が、「イスラ ム国」が首都とするシリア北部ラッカへの巡航ミサイル攻撃に投入されたと伝えた。 ロシア、反テロ世論意識 ロシア機墜落原因、制裁緩和狙う(D151118)(要約)プーチン大統 領が17 日、エジプトで 10 月 31 日に起きたロシア機墜落を爆破テロと断定したのは、パリ の同時多発テロに国際的な非難が強まっていることを好機と判断した可能性がある。テロ 包囲網で中心的役割を果たすことで、昨年 3 月のウクライナ南部クリミア半島編入以降、 米国が主導する対ロ制裁の緩和につなげたい狙いがうかがえる。墜落後に米英などが爆破 テロとの見方を示す中で、ロシアは原因調査には数カ月かかるとの見通しを示し慎重姿勢 を崩さなかった。「イスラム国」掃討を名目に始めたシリアへの空爆がテロを招いたとなれ ば、国民から軍事介入への支持を失いかねないため、世論の動向などをうかがっていたと みられる。だが、パリで同時多発テロが発生し、トルコでに開かれたG20 首脳会合は「テ ロとの戦い」に向けて国際社会が連携していくことを確認した。プーチン氏は欧米各国の 首脳らと相次ぎ会談し、テロ掃討に向けて、すべての国際社会の連携が重要だと繰り返し 強調。来週にはオランド仏大統領ともモスクワで会談し、協力を確認する見通しだ。こう した情勢を踏まえ、ロシアにとってシリア空爆の正当性を国内外にアピールする好機との 判断に傾いたとみられる。シリアでアサド政権の後ろ盾となるロシアは、対イスラム国の 軍事作戦で欧米との共闘を実現することで、アサド政権の延命につなげる狙いもある。さ らに、外交筋は「テロの脅威を前面に出して、ウクライナ問題での欧米との対立を薄める 狙いだ」と指摘する。国営ロシアメディアなどは、対テロ共闘が、ウクライナ問題で欧米 が発動した対ロ制裁の緩和に向けた一歩になるとの見方を盛んに伝えている。ただ、オバ マ米大統領やメルケル独首相は、ウクライナの停戦合意が確実に履行されるまで制裁を緩 和しないことを確認した。ロシアの経済紙ベドモスチは17日の社説で、ロシアと欧米と の間の不信感は根強く、ロシアがアサド政権の支持を続ける限り、歩み寄りは難しいとの 専門家の見方を伝えた。 クリミア向け貨物輸送禁止 ウクライナ、対ロ報復(D151123)(要約)ウクライナ政府は、ロ シアが昨年強制的に編入したウクライナ南部クリミア半島向けの貨物の輸送を一時禁止す ることを決めた。ヤツェニュク首相はロシアが来年1月に導入する方針のウクライナ食品 輸入禁止措置への報復だと表明した。禁止対象の物品は、ロシア編入への反発が強いクリ ミア・タタール人に配慮して決めるとしている。食料品や燃料などの大部分はウクライナ 側から陸路で輸送されており、禁止物品が広範な分野に及んだ場合、物資供給をロシアか らの海空路に頼ることになる。ウクライナ本土ではクリミア向けの送電網が爆破され、ク リミア全域で大規模な停電が続いている。ディーゼルやガスによる予備発電機を稼働し、 23 日時点で需要の 3 割程度をカバーする状況という。 ロ空爆でシリア軍「前進」 アサド大統領(D141123)(要約)シリアのアサド大統領は、ロシ アが 9 月末に空爆を開始して以来、シリア軍が「ほぼ全ての前線で前進している」と述べ た。アサド氏は、ロシアは最初の1 カ月で「テロリストを撃退した」と称賛。一方、1 年以

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上続く米軍の空爆はシリア軍との連携がないため効果がなく、むしろ「テロリストの足場 固めにつながった」と皮肉った。 イラン、ロシアとウラン交換合意 核合意履行で前進(D151124)(要約)イランのサレヒ副大 統領兼原子力庁長官は、ロシアに濃縮ウランを売却し、交換で天然ウランを買い取ること など、原子力分野での協力を進めることでロシアと合意したと明らかにした。核問題での 欧米など 6 カ国との最終合意に伴い、イランは既にウラン濃縮に使う遠心分離機の撤去に 着手。今回、核兵器の原料となりうる濃縮ウラン9 ㌧を売却、140 ㌧の天然ウランを買い取 る合意が成立し、イランの核兵器開発への道を遮断する合意の履行がさらに前進した形だ。 最終合意により、イランは 3.67%以下に限った濃縮を中部ナタンズの施設のみで行い、濃 縮ウランの貯蔵量を 300 ㌔に抑えることになっている。ロシアは、医療用アイソトープの 製造に必要な遠心分離機の更新でもイランを支援する。サレヒ氏は、南部ブシェール原発 で使用する核燃料を自国で製造することについても、ロシアの支援に期待を示した。 トルコ、ロシア軍機撃墜 シリア国境「領空侵犯」(D151124)(要約)内戦が続くシリアとト ルコの国境付近で、トルコ軍のF16 戦闘機がロシア軍の戦闘爆撃機スホイ 24 を撃墜した。 トルコ軍はロシア軍機が領空侵犯したと主張しているが、ロ側は否定している。ロシアが シリア空爆を開始した 9 月末以降、有人機が撃墜されるのは初めて。過激派組織「イスラ ム国」掃討に向けた国際社会の連携に影響しそうだ。 ロ大統領、イラン訪問 8 年ぶり、最高指導者と会談(D151124)(要約)プーチン大統領は 23 日、8 年ぶりにテヘランを訪問し、最高指導者ハメネイ師と会談した。会談では、シリア問 題の解決策は他国から押しつけるべきではないとの認識で一致し、アサド大統領の処遇な どの政治問題は、シリア国民自身に委ねるべきだとした。イスラム教シーア派の大国イラ ンは、シーア派に近いアサド政権を強く支持。ロシアも同政権の後ろ盾となっており、両 国が緊密な関係をアピールすることによって、同政権の早期退陣を求める米欧をけん制す る狙いがありそうだ。 ロシア、イランに 50 億㌦支援 プーチン氏“同盟国”待遇(D151124)(要約)プーチン大統 領は23 日、イランに対して発電所や港湾整備など 35 の事業で計 50 億㌦の支援を行うと表 明した。シリアのアサド政権を支えて軍事介入し、米欧と対立する両国が、経済面でも関 係強化を鮮明に打ち出した。ロウハニ師は両国関係が「新たな段階に入った」と強調した。 両首脳はテロ対策やシリアの移行政権づくり、イランでの原発建設でもさらに協力を深め ることで一致。ロウハニ師は、関税の引き下げや査証手続きの簡略化について協議したこ とも明らかにした。 アサド政権支持で連携強化 ロシア、イラン首脳会談(D151124)(要約)プーチン大統領は、 テヘランで最高指導者ハメネイ師と会談した。シリアのアサド政権を支え軍事介入した両 国の連携を強化、イランに対する欧米の制裁解除を見越し、原子力など経済分野でも戦略 的な協調を確認した。プーチン氏は、シリア危機の政治解決は外部からの圧力ではなくシ

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リア人の手で実現しなければならないと強調し、アサド体制の温存を前提に軟着陸を探る 考えを示した。 クリミア停電、反ロ派テロか(D151124)(要約)クリミア半島で 22 日、ウクライナ本土から の送電が停止した。クリミアに接するウクライナ南部へルソン州で謎の爆発が起き、送電 線が損傷した。親ロ派「クリミア共和国」は23 日を公休と定めて大停電による混乱を回避。 一方で「(反ロ派の)テロだ」と非難している。 トルコ、修復を模索 ロ、直接会談を拒否(D151125)(要約)トルコによるロ軍機撃墜を受け、 トルコのチャブシオール外相は、ラブロフ外相と電話協議を行った。チャブシオール氏は 外相同士の直接会談の開催を求めたが、ラブロフ氏は断った。ラブロフ氏は電話協議後、 トルコは「事前に計画し、確固たる目的」を持って撃墜したと指摘、両国関係を「真剣に 見直さなければならない」と述べた。ロシアはトルコによる撃墜を厳しく批判すると同時 に、トルコが歩み寄っているとの印象付けを狙っているとみられる。トルコのダウトオー ル首相は「ロシアとの関係を損なう意図はない。ロシアは友人であり隣人」と述べた。エ ルドアン大統領も「(事態を)エスカレートさせるつもりはない。トルコの安全を守ってい るだけだ」と強調、沈静化を急ぐ構えを明確にした。プーチン大統領は、トルコ指導部が 近年、国のイスラム化政策を進めて過激な方向に向かっていると指摘、「極めて根深い問題 だ」と重ねて非難した。プーチン氏のトルコ批判は、撃墜と直接関係ない内政面にまで及 び、不快感をあらためて示した。 米仏、ロシア機撃墜で対話促す 「イスラム国」空爆拡大で合意(D151125)(要約)オバマ米 大統領と仏オランド大統領はホワイトハウスで会談し、シリア、イラクでの「イスラム国」 に対する空爆拡大やテロ情報の共有拡大で合意した。国際社会の結束に向けて、トルコに よるロシア軍機撃墜に伴う対立激化を阻止することが重要との認識で一致。原因究明に向 けた両国の対話を促した。NATO は同日、ロシア軍機がトルコ領空を侵犯したとの認識を 示した。ロシアはトルコとの国防当局間の連絡中断を決定。米主導の掃討作戦に影響が出 る可能性がある。ロシア機撃墜をめぐりオバマ氏は「トルコには領土、領空を守る権利が ある」と指摘。「イスラム国」掃討作戦でのロシアとの協力の可能性はあるとしながら、ア サド政権と対立するシリア反体制派への攻撃をやめることが前提条件だとした。両首脳は、 シリア内戦終結に向けた政治プロセスの加速でも一致。アサド大統領が将来の選挙に立候 補しないと確約することをたたき台として検討していくことにした。 パイロット1 人死亡確認 ロシア、シリア沖に巡洋艦(D151125)(要約)ロ軍参謀本部は、ト ルコ軍に撃墜されたロシアの戦闘機のパイロット2 人のうち 1 人の死亡を確認した。パラ シュートで脱出し降下中に銃撃されたという。シリア上空で作戦行動を取るロシア機を支 援するため、対空ミサイルシステムを搭載したミサイル巡洋艦「モスクワ」をシリア北西 部ラタキア沖に派遣したことも発表した。ロシアとは別に空爆を続ける米国主導の有志国 をけん制する狙いもあるとみられる。ロシアはトルコと国防当局間の連絡を中断する決定 を下した。

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プーチン氏「テロの共犯者」 ロシア軍機撃墜で激怒(D151125)(要約)プーチン大統領は 24 日、ロ軍機を撃墜したトルコに対する批判をヒートアップさせた。南部ソチに招いたヨル ダンのアブドラ国王との会談冒頭、顔を紅潮させ憤りを隠さなかった。プーチン氏は、ト ルコがロシア同様に「イスラム国」掃討を掲げていたはずなのにロ軍機を撃ち落としたと 指摘。トルコを「テロの共犯者」と呼び、直訳すると「背中を刺された」という意味の極 めて強い言葉で糾弾した。 対テロ共闘に影 ロシア軍機撃墜、トルコと緊張高まる(D151125)(要約)トルコ軍によるロ 軍機撃墜は、シリアのアサド政権をめぐるトルコとロシアの意見の対立が背景にある。両 国は近年、経済分野を中心に関係強化を進めていたが、ロシアが9月末にシリア空爆に踏 み切って以降、関係が冷却化していた。撃墜を機に両国の緊張が高まるのは必至だ。米欧 との対立が続くロシアは、「イスラム国」掃討で国際社会の連携を呼びかけていた。シリア の隣国トルコとの緊張悪化は、2国間関係だけでなく、今後の対テロ共闘やシリアの和平 協議に影を落としそうだ。 トルコ首相「何度も警告した」 ロシア軍機撃墜で正当性強調(D151125)(要約)トルコのダ ウトオール首相は、ロ軍機撃墜についてエルドアン大統領と協議後に声明を発表し、「国境 侵犯にあらゆる対策を取ることは国際的な権利であり、国内的には義務だ」と表明。また ロシアへの名指しは避けながら「何度も警告した」と撃墜の正当性を強調した。トルコの “裏庭”とも言えるシリア北西部で続くロシアの空爆について、ダウトオール氏は「シリ アの火を消す代わりにトルクメン人、アラブ人、クルド人を攻撃している」と非難。「シリ ア国民は平和と名誉の中で生きる権利がある」と主張した。 〈社説〉ロシア軍機撃墜 対立回避へ自制求める(D151126)(要約)内戦が続くシリアとトル コの国境付近で、トルコ軍戦闘機がロシア軍の戦闘爆撃機を撃墜した。このままでは軍事 的緊張が高まりかねない。両国は対立回避のために対話を重ねてもらいたい。国際社会が 取り組むべきは内戦終結と過激派組織「イスラム国」壊滅に向けて団結することだ。NATO) は加盟国であるトルコを支持しているが、真相究明に向けて事件を精査する必要もあるだ ろう。トルコは自国内で起きたテロを機に米国主導の有志国連合によるイスラム国空爆に 参加している。ロシア軍もアサド政権支援のため独自にシリア空爆を開始したが、同組織 だけでなくトルコ系住民などの反体制派への攻撃や領空侵犯を重ねているとして、トルコ 側は警戒していた。そうした状況下で起きた撃墜事件を喜ぶのは過激派だけだろう。オバ マ 米大統領と仏オランド大統領は、パリ同時多発テロを起こしたイスラム国掃討に向け、 空爆を強化することで一致。だが有志国連合のシリア軍事介入は国連安全保障理事会の決 議がなく、国際法上も疑義が残るとの指摘がある。一方、ロシアはアサド政権の要請があ ったと主張するが、同政権は自国民を多数殺傷し、国際社会でその正統性が疑われている。 欧米と対立するロシアはイスラム国対策で国際協調を呼びかけていたが、再び強硬姿勢に 転じてはならない。何より外交上の連携を重視すべきだ。 ロシア、対トルコ経済制裁へ 謝罪要求、応酬激化(D151126)(要約)メドベージェフ首相は、

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ロ軍機を撃墜したトルコに対し、包括的な経済制裁を発動する方針を表明。トルコ企業の ロシアでの活動禁止や両国間の民間航空便の制限、食品輸入規制などを検討。数日中にプ ーチン大統領の承認を得て導入する見通しだ。プーチン氏は「トルコから依然として謝罪、 補償の申し出がなく、(撃墜という)犯罪の犯人を罰する話もない」と主張した。制裁内容 は、ロシアが協力するトルコ初のアックユ原発建設計画の凍結、トルコによるロシアの港 湾施設や空港の使用制限、トルコからの投資の凍結、トルコ向けのガスパイプライン凍結 なども検討されている。 ロシア、撃墜で米国も批判 衝突防止の合意違反と訴え(D151126)(要約)ラブロフ外相は、 ケリー米国務長官と電話協議し、トルコ軍機によるロシア軍機撃墜は、シリア上空で空爆 作戦を実施する米ロが偶発的衝突を防ぐために合意した覚書に明確に違反する行為だと訴 えた。また、米国は覚書がトルコを含む米主導の全有志国に適用されると約束していたと して、米国の「責任」にも言及した。ロ外務省が明らかにした。 対 テ ロ 結 束 、 急 冷 ロ シ ア 軍 機 撃 墜 ロ シ ア ・ ト ル コ 非 難 合 戦 、 米 欧 は 自 制 訴 え (D151126)(要約)シリアとトルコの国境付近でトルコ軍がロ軍戦闘機を撃墜した事件は、パ リ同時多発テロを受けて動きだした国際社会の「対テロ共闘」に水を差した。猛反発する ロシアは対抗措置を打ち出し、米国主導の有志国連合に参加するトルコを「テロの共犯者」 (プーチン大統領)とまで批判した。関係国は両国に自制を求めるものの、相互不信は根 強く、対立はさらに深まりかねない。「イスラム国」掃討を名目に、トルコも含めた国際社 会の連携を目指すロシアだが、犠牲者も出した撃墜に毅然と対応しなければ、政権が進め るシリア戦略に国内から反発が出かねない。一方、トルコのエルドアン大統領は「ロシア はイスラム国を攻撃すると言いながら、われわれの親戚である(トルコ系民族の)トルク メン人を攻撃していた」と非難。ロシアが反体制派への空爆を強めれば、対立激化は必至 だ。 トルコ、ロシアへの渡航延期要請 関係悪化で「問題」警告(D151128)(要約)トルコ外務省 は、ロ機撃墜事件後に同国との関係が悪化したことを受け、自国民にロシアへの不要不急 の渡航は延期するよう呼び掛ける声明を発表した。モスクワでは反トルコデモが起きてお り、声明はトルコ人旅行者が「問題」に直面すると警告し「状況がはっきりするまで」渡 航を先送りするよう求めた。ロ側は謝罪を要求し、エルドアン大統領が提案したプーチン 大統領との首脳会談にも否定的だ。トルコ側は、撃墜は正当だったとの立場を崩していな い。 対トルコ制裁、28 日に報告 ロシアの副首相が述べる(D151128)(要約)ドゥボルコビッチ副 首相は、ロ軍機を撃墜したトルコに対する報復の制裁内容を28 日にメドベージェフ首相に 報告すると述べた。トルコ企業のロシアでの活動や民間航空便の制限、食料品や日用品の 輸入規制など包括的な項目が検討されている。 ロシア・トルコ泥沼対立 撃墜原因両者引かず(D151128)(要約)シリア国境付近で起きた、 トルコによるロ軍機撃墜をめぐり、両首脳の対立が泥沼化している。ロ側の領空侵犯を批

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判するトルコのエルドアン大統領に対し、プーチン大統領はトルコが「テロの共犯者」と 謝罪を要求するなど一歩も引かない構えだ。一時は「盟友」とも評された両首脳だが、互 いに強い指導者として求心力を維持してきただけに、対立は長期化するとの見方が強まっ ている。両首脳は、ともに政権トップに10 年以上立ち、強権的な政治手法など共通点が少 なくない。首脳同士の相性も合うとされ、ロシアメディアでは一時、緊密な関係が盛んに 紹介された。しかし、シリアのアサド政権の後ろ盾となるロシアと、退陣を求めるトルコ には根本的な隔たりがある。ロシアの専門家は「撃墜事件で、2人の首脳の仮面がはがれ た」と指摘する。経済の低迷が続くロシアにとって、原発建設などの大プロジェクトが進 み、第6位の貿易国であるトルコとの関係悪化は反動も大きい。ただ、今回の問題の非を 認めれば、プーチン政権が進めるシリア空爆への国民の支持が揺らぐおそれがある。 ロシア、会談要請を受け入れず トルコに撃墜謝罪を要求(D151128)(要約)ウシャコフ大統 領補佐官は、プーチン大統領はトルコのエルドアン大統領から今月30 日に会談したいとの 提案を受けたが、トルコ軍によるロシア軍機撃墜への謝罪がないため受け入れていないと 明らかにした。ラブロフ外相は、トルコからのビザなし入国を来年1 月 1 日から停止する ことを決めたと明らかにした。ロシア当局は短距離ミサイル共同開発を含め、トルコとの 全ての軍事協力を凍結する方針も示した。他方、トルコのダウトオール首相は、ロシア機 撃墜後に生じた緊張の緩和に向け「ロシアや同盟国と共に取り組んでいく」と表明。批判 の応酬をやめるよう呼び掛けた上で、過激派組織「 イスラム国 」掃討に向け、足並みを そろえることが必要だと強調。ロシアに結束を訴えた。 ロシア、トルコに経済制裁 対決姿勢鮮明(D151129)(要約)ロ大統領府によると、プーチン 大統領は28 日の大統領令で、トルコ国民に対する査証免除の撤回など、人とモノの移動を 厳しく制限する措置を導入した。トルコによるロシア爆撃機撃墜を受けて事実上の経済制 裁を発動した。トルコも自国民にロシア渡航の延期を呼び掛けており、両国関係の悪化は 決定的となった。過激派組織「イスラム国」掃討をめぐっても、NATO 加盟国であるトル コとロシアの連携は当面見込めず、米ロを基軸とする「反テロ大連合」構想は現実味を失 いつつある。ロシアは査証免除協定の効力を、来年1月から停止する。またロシアで活動 するトルコ企業を対象に業務の停止や制限を導入。トルコ人のロシアでの新規雇用を来年 から原則として禁止する。両国間のチャーター機運航を停止、トルコ艦船の入港も制限す る。旅行会社にはトルコ旅行の募集を禁止し、トルコ産物資の輸入を制限する。輸入制限 の対象は内閣が今後決定するが、野菜などが中心とみられる。大統領令は「国家の安全保 障」「国民保護」を経済制裁の理由としており、トルコ敵視の姿勢を鮮明にした。しかし、 トルコへの原発輸出やトルコ経由の 天然ガス 輸出構想については言及がなく、関係改善 に含みも残した。 トルコ、ロシアに硬軟 経済打撃回避へ手探り(D151129)(要約)ロ軍機を撃墜したトルコの エルドアン大統領が、ロシアへ強気な態度をとる一方で、対話も探る硬軟両様の対応を模 索している。撃墜の正当性を繰り返し主張してきたが、ロシアとは経済的な結び付きが強

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くエネルギー輸入を依存しているだけに、緊張緩和も検討せざるを得ないのが実情だ。エ ルドアン氏は大統領権限を強化する憲法改正が悲願で、対ロシアで強硬姿勢を貫くことで 国民の支持を得る狙いもあるとみられる。ただ、トルコにとってロシアはドイツに次ぐ第2 の貿易相手国で、天然ガスの消費量の約 60%を輸入している。ロシアはトルコへの経済制 裁方針を打ち出しており、制裁が始まればトルコ経済への打撃は大きく、国民の不満が高 まれば憲法改正は遠のく。 クリミア全域 停電 非常事態宣言 送電施設爆破か (Y151123)(要約)クリミア半島で 22 日、ほぼ全域が停電となり、地元政府は同半島の非常事態を宣言した。一方、ウクライナ 内務省は同日、クリミアに電力を供給する同国南部の送電施設で21 日に 2 度の爆発があっ たと発表した。この爆発が停電の原因とみられている。 露大統領、イラン訪問 アサド政権支援 連携アピール (M151124)(要約)プーチン大統領は 23 日、テヘランを訪問して最高指導者ハメネイ師と会談し、シリア問題でともにアサド政 権を支える両国の連携をアピールした。中東での影響力を外交と軍事の両面で拡大するこ とでロシアの存在感を高める狙いがあるとみられる。 露大統領 イラン・ハメネイ師と会談 シリア情勢など協力確認 (Y151124) クリミア大規模停電 反露活動家関与疑い (Y151124)(要約)ウクライナのウニアン通信な どは23 日、併合に反対する活動家らが復旧作業を阻止していると伝えた。ロシア主要各紙 は、20 日にも別の送電施設で爆発があったと伝えており、ロシアのクリミア併合に反対す る活動家が関与している疑いもある。 露、イランと関係強化 首脳会談 外交・経済の多方面で (M151124)(要約)プーチン大統領 とイランのロウハニ大統領は23 日、テヘランで会談し、シリア問題での協調継続や原子力 分野の協力など外交・経済の多方面にわたって両国関係を強化することで合意した。 アサド政権支援で協力 露イラン大統領が会談 (Y151124) トルコ 露軍機撃墜 「領空侵犯」プーチン氏否定 シリア付近 (M151125)(要約)トルコなど からの報道によると、トルコ軍のF16 戦闘機 2 機が 24 日、シリアとの国境付近でロシア軍 のスホイ24 戦闘爆撃機 1 機を撃墜した。 IS 包囲網 暗雲 露軍機撃墜 米露協力困難に プーチン氏「トルコはテロ共犯」 (M151125) トルコ、露軍機撃墜 シリア国境「領空侵犯」主張 (Y151125) 軍用機撃墜 露大統領、トルコに警告 敵対行動「許さない」 ラブロフ氏、トルコ訪問中止 (Y151125) ロシア軍機撃墜 露・トルコ 対立回避を 米仏首脳、対話要求 捜査ヘリにも攻撃 反体制派か (M151125) 露軍機撃墜 露トルコ 非難の応酬 国際社会 冷静対応求める 武装組織 露捜査ヘリ攻撃 (Y151125) 社説 露トルコ緊張 自制し「対テロ連携」を (M151126)(要約)対立をエスカレートさせて 対テロ国際連携の機運を乱さないよう、双方が自生して事態収拾にあたるよう求めたい。

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露、トルコ批判強める 軍機撃墜 「過激イスラム支持」 プーチン氏 経済的報復へ NATO、緊 張緩和模索 露は政権側 トルコは反体制側 シリアを巡る対立が背景 (M151126) 露、シリアにミサイル配備 露機撃墜に対応 米露協調難しく (Y151126) 露機撃墜 トルコに焦り 支援のシリア反体制派 劣勢 「イスラム国」伸長懸念 (Y151126)(要 約)トルコ軍が24 日、ロシア軍機を撃墜した背景には、ロシアが「テロリスト掃討」を掲 げて 9 月末に開始したシリア空爆により、トルコが支援するシリア反体制派が劣勢に立た されていることへのいら立ちがあったとみられる。 社説 露軍機撃墜 非難合戦を続けている場合か (Y151127)(要約)今回の撃墜の背景には、 両国の立場の根本的な違いがある。重要なのは、ロシアとトルコが非難の応酬をやめ、再 発防止と事態の沈静化へ動くことだ。 露軍機撃墜 露、トルコに対抗措置 農産物輸入など制限 (Y151127) 仏露 対IS 共闘模索 首脳会談 「大連合」は困難 (M151127) 露、有志国連合に協力 対IS 仏と情報交換強化 首脳会談 (M151127) 仏露 対テロ共闘確認 首脳会談 空爆「イスラム国」限定 (Y151127) 露軍機撃墜 シリア北部 広がる混乱 アサド軍と反体制派激戦 (Y151128) 露軍ミサイル トルコも射程内 (Y151128) 対「イスラム国」 露仏仲介で共闘へ、首脳会談 有志連合に間接協力 (Y15112)(要約) トルコ、対露姿勢軟化 首脳会談提案 プーチン氏は強硬 (M151128) 露、トルコ批判強める 「大統領娘婿、IS 利権関与」 (M151129) トルコ首相「石油密輸」は中傷 ロ大統領に反発(D151201)(要約)トルコのダウトオール首 相は 1 日、トルコによるロ軍機撃墜後にプーチン大統領がトルコは「イスラム国」から石 油を密輸していると指摘したことに対し、「根拠のない誹謗中傷だ」と反発した。エルドア ン大統領も「証拠があるなら見せてもらいたい。(事実と)証明されればこの職にとどまっ ていられない」と述べて密輸を強く否定。ただ両氏ともロシアに対する強硬な批判は抑制 し、冷静な対応を要求。エルドアン氏は「感情的になるべきではない」と表明し、ダウト オール氏は「外交ルートを保ち、冷静に座って話し合うべきだ」と訴えた。 撃墜目的は「石油密輸」 ロシア大統領、トルコを非難(D151201)(要約)プーチン大統領は 30 日、トルコによるロ軍機撃墜は、「イスラム国」から石油を密輸するルートの安全を確保 するのが目的だったとしてトルコを厳しく批判した。これに対し、トルコのエルドアン大 統領は、「イスラム国から石油を買っているかのような非難は容認できない」と反論し「そ のような事実が証明されるなら辞任する」と述べた。「イスラム国」は支配地域内で産出す る石油の密売を重要な資金源にしている。プーチン氏は「イスラム国の支配地域から大量 の石油がトルコに運ばれている新たな情報を得た」と指摘。ロシア軍機の空爆から石油の 輸送車両などを守るためにトルコが撃墜したとの見方を示した。 トルコへ圧力強化 ロシア、シリア和平協議へ思惑(D151202)(要約)ロ軍機を撃墜したトル コに対し、ロシアが圧力を強めている。農産品禁輸などの対抗制裁に加え、トルコ政府が

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