会
議
録(要旨)
附属機関又は 会議体の名称
平成26年度第7回豊島区介護保険事業計画推進会議
事 務 局 ( 担 当 課 ) 保健福祉部介護保険課
開 催 日 時 26年7月22日(火)18時00分 ∼20時00分
開 催 場 所 区役所本庁舎4階 議員協議会室
議 題
(1)介護保険事業計画推進会議
①豊島区介護保険アンケート調査結果の分析について ②介護保険制度の改正内容について
③認知症施策について
公開の
可否
会 議 公開(傍聴人数0人)
会 議 録 公開
出席者
委 員
宮崎牧子、神山裕美、長倉真寿美、草薙豊、小野祥子、瀧井達子
岡田実、山根明子、髙田靖、佐野雅昭、横田勇、石塚知久、久保村寿美
吉田英昭、宮長定男、魚津亮太、黒田雅枝、志村裕子
理 事 者
保健福祉部長、池袋保健所長、健康担当部長、福祉総務課長、高齢者福祉課
長、介護保険課長、障害者福祉課長、西部生活福祉課長、
中央保健福祉センター所長、健康推進課長、高齢者医療年金課長、住宅課長
(午後6時00分開会)
○会長
ただいまより第7回豊島区介護保険事業計画推進会議を開催する。
本日は今年度第1回目の会議となる。委員の交代があったので、初めに、事務局より
新任委員のご紹介をお願いする。
【介護保険課長より新任委員を紹介】
【新任委員より挨拶】
○会長
続いて、区側の職員のご紹介をお願いする。
【介護保険課長より区職員を紹介】
【保健福祉部長より挨拶】
○会長
続いて、事務局より本日の資料の確認をお願いする。
【介護保険課長より配布資料の確認】
○会長
それでは、議事に入る。本日最初の議事は、豊島区介護保険アンケート調査結果の分
析についてである。
【委託業者より資料3−1、3−2の説明】
○会長
ただいまのアンケート調査結果について、何かご感想やご質問等はあるか。
○委員
4ページの、直近の介護状態の変化について、どういうふうに見たらよいのか、考え
たらいいのかと、説明を聞いていて思ったのだが、左上のほうが利用者、右下が未利用
者ということで、未利用者の要介護3∼5の人たちは、介護保険制度を利用していない
人で、状態がよくなったという、それが31.8%いる。母数が違うから一概に言えな
いが、左上の利用者の要介護3∼5の人は、介護保険制度を利用してよくなった人が2
0.8%ということで、数字上はこういうことなのだろう。それから、要介護3∼5と
いうのはちょっと幅があるので、利用者と未利用者の認定の状態が、3∼5で3段階あ
るから何とも言えないが、不思議な数字かなというふうに単純に思った。対象者が違う
から、利用者と未利用者でこういう結果もあり得るだろうが、要支援や要介護1・2の
人は、利用している人のほうが状態がよくなったという数字で、これは素直に見られる
が、要介護3∼5の数字の見方は、これはこれでそういうものだというふうに見るのか。
○介護保険課長
全てがそれに当てはまるというわけではないが、私が見せていただいている限り、こ
の例で未利用の方でよくなったという場合は、最初の介護申請が入院時の、当初は、例
ということで、その状況でまず申請がある。そのときに、やはり3であるとか4である
とか、やや高目な状況で出てくることが多くあり、病院での治療を終えてリハビリを終
えて、在宅に実際に戻られた時点では、当然在宅にかなり耐えられる状況ということで、
次の審査会にかかるときには2であるとか1であるとかのほうによくなっているという
事例が多く見られるので、未利用のままよくなったという方の多くの例は、ここで言う
と大体十四、五人の母数、それぐらいの人数だが、そういった事例に当てはまるのでは
ないかと考えている。
○会長
そのほか、いかがか。
○委員
今の関連だが、虫歯になった部分等を分析するとしたら、年齢構成との関係でこの表
をさらにクロス分析しないと、難しいのではないかと思う。今ご指摘になった4ページ
のところか5ページに行くと、例えば、年をとって老化するためというのは大体40%
台である。しかも、高年齢化することでの急速な認知症の進行という部分が明らかに働
いていると思うので、年齢との関係でのクロス分析をかけて施策に反映させるというこ
とが必要かと思う。
○会長
そのほか、いかがか。
○委員
9ページ、ケアマネジャーが不足していると思われるというところで感じたのだが、
単純に結果のとおりのものもあるのだろうが、ケアマネジャーの知識というか、社会資
源を知らない部分もあるのではないか。あと、19ページにもあるが口腔ケアのほうの
取り組みも、同じような視点だが、ここも、口腔ケアの理解の取り組みということ、先
ほど説明があったが、同じで、そこと絡めると、ケアマネジャーのほうの理解を得るよ
うな仕組み、取り組みというのも今後必要ではないかというふうに思う。
○会長
ケアマネジャーがどれだけ地域の社会資源、そういったことを知っているかどうかで
も随分違ってくるのではないか。
○委員
今の19ページの口腔ケアの件だが、約7割の方が治療していないということと思う
のだが、これは痛いのを我慢しているのか。現実にはどういう状況なのか。
○健康担当部長
一般に言われるのは、やはり、全身の疾患に比べて、歯の疾患、口の中の疾患という
のは、いろいろなアンケートを見ても、痛み、自覚症状が出るまで、忙しいとか時間が
とれないということで、医療機関に行かない方が非常に多いということで、そうしたこ
ては、その重要性であるとか予防治療の必要性というものが社会的にまだ軽視されてい
るのかなというふうに行政側としては考えている。
○委員 今言われたとおりで、口腔はどうしても後回しになりがちということはある。た
だ、我々としても、重度になってから訪問診療に呼ばれても手の出しようがないような
状況になっているので、本当は、先ほどの介護予防のところでも、豊島区の場合はその
ニーズが高いというふうに、大分認識が高まってきていると思う。できるだけ軽度のと
ころから我々が係われるようになってくると、この治療の部分でももうちょっと、お互
いに楽になる。寝たきりになってから抜歯というのはなかなかどうしても難しい。もう
少し元気なうちに歯を抜くとか、だめなものは諦めるとかというようなことも必要だし、
また、家族の方も、入れ歯を入れれば何でも食べられるとかというふうに思われること
もあるが、認知症が重度になってくると入れ歯を認識できなくなるので、入れ歯を入れ
られない。しかし、別に入れ歯がなくても食べられる。そういった家族の認識もまだま
だ不足しているので、今回、豊島区では口腔保健に関する条例もできて、推進計画の中
で、こういった要介護者の方や高齢者に向けたいろいろな口腔に関する施策の計画を立
てているので、これを確実に進めていければよいというふうには思っている。
○福祉総務課長
今の口腔ケアの必要な方221名の抽出の仕方を、コンサルのほうから説明する。
○委託業者
この221名の方々が口腔ケアが必要だということで、グループ化したもとになって
い る 設 問 が 、 先 ほ ど 触 れ た 2 0 項 目 を 基 本 チ ェ ッ ク リ ス ト か ら 、 三 つ の 設 問 の 「 は
い」・「いいえ」というふうに、回答のパターンの中から分けている。
この三つの質問はどういうものかというと、半年前に比べてかたい物が食べにくくり
ましたかという答えに対して、はい、あるいは、いいえというふうにお答えになった方。
それと、お茶や汁物等でむせることがありますかということにはい、いいえというふう
にお答えになった方。それと、口の渇きが気になりますかということでお答えになった、
この三つのはい、いいえの回答パターンでもって口腔ケアが必要な方というふうに分け
ているので、恐らくだが、虫歯ができたからとか、入れ歯の治療でというよりは、これ
はもう少し底辺が広いイメージの中で、ご本人はそこまで認識はされていないだろうが、
むせるようになったとか口の渇きが気になるというところで丸がついた方々は、三つの
中で二つ以上の丸がついてくると口腔ケアの予防が必要な方ということで一応集計・判
別しているので、そういったところで、イメージとしてはなかなか、高齢者ご本人も治
療と結びついていないという中で、今の委員の皆様からのご指摘も含めて、いろいろな
対策が考えられていくことになるのかなというふうに思っている。
○会長
○委員
これまでに豊島区の包括支援センターが中心にやってきたケアマネジャーへの支援、
あるいは、家族介護者支援のためのサロン、介護予防サロンの取り組み、そういったも
のが必要とされる背景というかニーズがこの調査の中に幾つも入っていたので、そうい
ったところは今後も積極的に進めていく根拠ができたと思う。
それで、この調査の中で、閉じこもりがちの方が高齢者一般については認知症になる
リスクが高かったり、あるいは、要介護のリスクが高い方というようなことで結果が出
ているが、介護予防サロンの中での取り組みというところと、あと、一般高齢者施策と
しての取り組み、閉じこもりの予防等、今後はその二通りの施策もより充実させる必要
があるかと思う。
そのときに、高齢者一般の方々がなぜ外出しないのかというところで、18ページの
ところに理由が出ているが、今後、その施策を考えていく中で、理由の中身をもう少し
ニーズを個々に調査していただいて、その方々が出ていきたくなるような集まりとか催
しとかというものをまた地域ごとに考えていくというヒントになるかと思う。
秋田県藤里町では、閉じこもりの方で、若い方々でしたけれども、最初はその方が地
域に100人ぐらいいらして、じゃあ、楽しい集まる場所をつくったらよいのではない
かという思い込みの中でやってみたら、誰も来なかった。そして、さらによくニーズ調
査をしてみたら、その100人の方々の大多数は働きたいという意見だった。だから、
働く就労の場をつくったら、みんな家から出てきたというような結果があったが、閉じ
こもりがちの方々も、こんな理由だったら出ていきたくなるというものがもしかしたら
あるかもしれない。介護予防サロンとか、あるいは、一般高齢者施策の中の閉じこもり
予防の対策を検討されるときは、ぜひこの調査結果に基づいて、個別のニーズにも当た
った上で企画をされていくと、魅力的な事業企画になっていくのではないかと思う。
○会長
そのほか、いかがか。
○委員
詳細に調査していただいて、いろんなデータが出ているが、一番気になったのは、8
ページのところで、サービスの未利用者の方の理由だが、より重度になったときとか、
家族の体力が衰えたときとか、家族以外の介護を受けたくないというのは、個々人の判
断とか家族内での判断ともとれるが、そのサービス利用の手続がよくわからない。介護
保険が始まって大分たつが、そのあたりのところのアウトリーチをどうしていくかみた
いなところに、課題が残っていると感じる。
それで、31ページのところに、未利用者の方が介護保険外のところで今後利用した
いサービスというのが結構高く出ているものもあるので、今後、第6期に向けては、介
護予防であったり地域支援事業のあたりだったり、豊島区が頑張っていかなければいけ
のところも相当きちんとやっていかなければ、漏れてしまう方たちが多いなということ
が非常に気になる。
○会長
そのほか、いかがか。
○委員
ちょっとしつこくて申しわけないですけど、口腔ケアと誤嚥性肺炎の絡みで非常に興
味があるので、もう一回確認したいのだが、19ページだが、半年前との比較、あるい
は、お茶、汁物でむせるか、あるいは、口の渇きはどうかという3項目について聞いて
いるということだが、もう一つふやしてもらいたいと思うのは、うがいができるのかで
きないのか。これによって、口腔ケアのやり方そのものにも大分かかわってくる。その
辺のところの数字が欲しかったかなと思う。
○会長
委員、お願いします。
○委員
これは、高齢者の基礎アンケートは3項目しかないので、たまたまこうなったのでは
ないか。確かに、うがいができる、できないというのは非常に重要である。結局、口腔
ケアは、口の中をきれいにすればいいというものではなくて、口の中をブラッシングす
ると、今まで歯にくっついていた汚れが口の中に出てきて、それをちゃんと排出しない
と、結局、それを飲み込んじゃうことになれば、逆に口腔ケアをやったことによる誤嚥
性肺炎になりがちなので、ぶくぶくうがいというか、うがいができる、排出できる能力、
嚥下は飲み込むほうだが、もう1個、出す能力も考える必要があるので、誤嚥性肺炎の
スクリーニングのときに一つの指標となるのが、低栄養とうがいができる機能があるか
ということが結構関連性があると言われているので、逆に、口の中を徹底的にきれいに
しても、それを出さないと意味がないので、おっしゃるとおり、実は、うがいができる
かできないかというのは重要な項目かなと思う。
○会長
そういった口腔ケアに対してのいろんな知識を多くの人たちに知ってもらうような活
動も一方では必要である。うがいも非常に大切なことだとか、あとは、高齢になって、
口腔ケアにもっと意識を持って取り組むとか、ご家族も含めてそういう啓発活動みたい
なことを一層取り組んでいくということが、こういう調査の中からもはっきりと見えて
きているというようなことかもしれない。そのほか、いかがか。
○委員
先ほどあった外出の考えの中で閉じこもりがちという項目があったが、それに対して、
33ページのケアマネジャーのほうの意見として、左側ですと、入浴のみの短時間の通
所サービス、右側で言うと、リハビリのみの短時間の通所サービス、右側の下の中段の
ではなく、短時間でもいいから外に出ていくというような必要性があるのかなというこ
とを、このデータで感じた。
○会長
時間も短いこと、短いけれども、それで、とにかく1日1回は外出するみたいなこと
もとても意義があるというようなこともあると思う。そのほか、いかがか。
○委員
7ページの右側のほうの定期巡回・随時対応型訪問介護看護だが、要介護3∼5で、
ちょうどn数が101なので、5%とちょうど5人になる。これは全数調査でないので、
全数に当てはめるとかなりの数字なのかなと。新しいサービスにしては結構利用者が多
いのだなと感じたのと同時に、実態として、これが始まったころに足りないような話も
出ていたが、実際、今後の見通しとか、現状でこのまま、5%もあるということは結構
な数字なので、どうなのか。事業者の数とかは足りているのか。
○介護保険課長
今ご指摘いただいたサービスについては、24年の改正の大きな一つの目玉として取
り組んでいる事業であり、豊島区は早目に導入することができた。現在、事業所は区内
に3カ所あり、先日、利用者の方が50名を超えたところまで来ている。ただ、もっと
区内にニーズはあるだろうと考えているが、幾つかサービスを提供していく上でも、提
供する側は、やはり医療の部分で訪問看護との連携のところに、全てのケースについて
いつもスムーズに組むことがどうしても難しいということと、介護保険の中で所得に応
じた利用の限度額はきちんと設けてはいるものの、やはり包括報酬ということで、報酬
の部分で、お支払いの部分で、少し足踏みをする方がいるのではないかというふうに保
険者のほうでは考えているが、在宅サービスにこれからシフトしていく中で、非常に重
要性の高いサービスだと思っているし、報酬についても、今年度開始された次年度に向
けての報酬改定に向けてもかなり大きなポイントを占めて討論されているので、そこを
注視しながら、来年度以降、サービス利用者を増やしていきたいと考えている。
○会長
そのほか、いかがか。
○委員
20ページの世帯状況だが、夫婦二人で65歳以上とか、どちらかが65歳以上とい
う表現だが、実は、子どもと同居でも、その子どもが既に65歳、団塊の世代の方たち
も今は増えていて、当然、この間の厚労省のほうでも報告があったが、そこも含めない
と、既に老老介護が、実は親と子どもでも始まっているので、子どもだから大丈夫では
なくて、子どもも老人になってきている、高齢者になってきているというところを把握
したほうが、今後は地域の老老介護で問題になったときに大事ではないか。子どもだか
○会長
そのほか、いかがか。
○委員
1点は意見だが、14ページ、15ページの介護者の介護負担感の部分で、改めてこ
うやって数値を見てみると、相当負担感が大きい。特に、介護度が高まると非常に高い
傾向になっていっている。そういう意味で、レスパイトケアのあり方というのは、我々
事業者の立場からも相当深刻に考えていかなければならない。
そういう点で、後に出てくる心配事、悩み事の相談先という28、29ページあたり
のところを見ると、この設問との関係もあるが、我々は、地域密着型だけではなく、身
近な介護施設、あるいは、事業所が本当に頼りがいのある相談先に常日ごろからなって
いるべきところなのではないか。もちろん、困難ケースでの包括だとか何かの役割とい
うのは期待も高いのがはっきり出ているが、我々事業者が、そういう地域の中で、レス
パイトも含めてもっと身近に相談に乗っていけるような存在にならなければいけないな
ということが一つの意見である。
もう一つは、32ページにある、地域活動への参加意向。今後、特に来年から始まる
地域支援の総合事業とか、介護保険の要介護が要支援から離れていく部分。そういうも
のとの関係で、区は、余り好きな言葉ではないが、前期高齢者の方々がそういう地域支
援の仕事にかかわっていくという可能性があるというふうに読んだのか、いや、なかな
か難しいと読んでいるのか、その辺は、今回の調査との関係でどのように考えているの
か。
○福祉総務課長 この調査の中の下から2番目のグラフだが、家事援助、移送等の高齢者
の支援活動というところがそれに該当するのかなというふうに思っている。そうすると、
やはりまだまだちょっと低いのかなというふうに思っている。ただ、これは、そういっ
たことに関心がないということなのか、今まで考えたことがないので選択肢として浮上
してこないのかというところは非常にあるかなというふうに思っており、むしろ、そう
いう制度設計がされて、活躍の場ということで広く認識が高まっていけば、そういった
ことへの社会参加を忌避されているわけではないのだろうなというふうには思っている
ところである。
○会長
各委員からも出ているが、まだまだ介護保険制度の手続とかも十分にわからないので、
利用につながっていないということも出てきているし、それから、未利用者のことにつ
いても、委員からご指摘があったように、利用していない、それでいいというわけには
いかなくて、要介護度が重くなる前に少しでもサービスを使ったり、あるいは、何か地
域との関係を持ちながら、家族で介護をしている場合などは、介護者が少しでも気分が
晴れたりとか、精神的な負担の経験になるような、そういう支援もしていかなくてはな
が一番大きいと思うので、ケアマネジャーの質を高めていく。あるいは、行政のほうか
らは、ケアマネジャーがいろいろ問題を抱えて孤立してしまわないように、行政や地域
でどう支えていくかというようなあたりが、これからますます重要になってくる。その
あたりがこのアンケートの結果から非常に考えさせられるような感じがする。こういう
結果を踏まえて、またぜひ今期のこの会議で活発なご意見をいただきたい。
では、次の議題に移る。二つ目の議題は、介護保険制度の改正内容についてというこ
とで、先日公布された医療介護総合確保推進法のうち、介護保険制度に関連する部分に
ついて、ポイントとなるところを事務局より説明をお願いする。
【介護保険課長より配付資料4の説明】
○会長
ただいまの改正内容についてご質問があればお願いする。
○委員
今回の改正でかなり地域支援事業の割合がふえているようだが、その中で、包括的支
援事業の中に生活支援サービスの体制整備というところがあって、コーディネーターの
配置などが書いてあるが、ここで言う生活支援コーディネーターというものはどういう
ものなのか、もう少し詳しく教えていただきたい。
○福祉総務課長
実は、これがよくわからなくて、今、まさに国のほうから示されるのかと思っている。
これについては、私どもも内部の会議でこれは何だろうかとよく話をしているが、包括
においてといったような考え方なのか、もう一つは、受け皿の発掘までもこのコーディ
ネーターに期待されているのか、その辺がちょっと表現としてまだ読み切れないところ
があり、次回のときにはまたご説明できるかと思っている。
○会長
厚生労働省は次々と何か新しい、専門職やら制度やらシステムやらを提案しているが、
地域包括ケアシステムについても、昔からコミュニティソーシャルワーカーが言ってい
たことそのものを流用して地域包括ケアシステムと言っていたので、これは何かと思っ
たが、今回の生活支援コーディネーターについても、多分、意図する役割とか働きは、
コミュニティソーシャルワーカーと同じようなことを意図しているのではないだろうか
ということも読み取れる。
豊島区の場合は、全国に先駆けてコミュニティソーシャルワーカーを積極的に配置し
ているので、それを新しい役割と重複しないようにうまく共有しながら進めていけば、
多分、今までやっていることがこの生活支援コーディネーターの役割と重なってくるの
ではないかなという感じもするので、また今後の情報などを教えていただければと思う。
あと、もう1点は、これはすぐに答えが出るものではないと思うが、先ほどの介護保
険のアンケート調査結果の16ページを見ると、サービスと保険料の関係で、サービス
の制度改正を見ると、保険料は上がる、そして、利用できるサービスは下がるというこ
とが国の意向の中で、豊島区としては住民の意向に合わせてどう調整をしていくのだろ
うかというのが、多分この会議体でも一番のテーマになるかと思うが、そのあたりは、
今現在、区としてはどのように考えているのかというところを教えていただきたい。
○介護保険課長
非常に難しいご質問である。委員がおっしゃったような形で、今後、サービス料も算
定をしていかなければならないし、同時に、区民の方たちにどれぐらいの負担をお願い
するのかというところの細かい調整をしなければならない。前回の24年の改正に向け
ての24年の1月、2月、3月のあたりで申し上げると、国から最終的ないろいろな報
酬が出るのがまず非常に遅いということで、特に介護保険は、今回は4月に報酬改定が
あったが、10%の消費税になるということであれば、再度報酬は上がるだろうと言わ
れていること。それ以外にも、人材確保という点から、一定の人的な今後に対する手当
がされるだろうということも、情報としては伝わっている。
そして、もう一つは、現在、第1号被保険者の方が21%、第2号被保険者が29%
という持ち分で保険料を割り振っているが、多分、これまでの前例で申し上げると、第
1号被保険者の方の持ち分が22%、2号被保険者の方の持ち分が28%ということで、
65歳以上の方に担っていただかなければならない保険料の持ち分が1%ぐらいは多分
上がるのだろうと、私どもとしましては、増の要素しか今のところはないということで、
非常につらいところである。
もう一つは、この会議体に諮って相当もんでいただければならない会議体ですけれど
も、いかんせん、いろいろな資料が出そろうのがいつもぎりぎりになってからというこ
とでお叱りをいただくのだが、今回、どこの時点で先生方に保険料の案をお示しできる
かということが一つ大きな課題だが、いずれにしても、来月、国から出てくるだろうと
言われている様々な政省令、あるいは、ガイドラインを見た上で、また次の会議の日に
ちを設定させていただく予定であるので、そこでまた少し進捗した情報を出せればよい
と思っている。
○会長
そのほか、ご質問はいかがか。
○委員
介護保険制度の主な改正内容というのは、豊島区が進めている豊島区地域保健福祉計
画、これと連動と考えてよろしいか。
○福祉総務課長
もちろん、国の動向を踏まえまして、地域保健福祉計画全般を検討していただく。そ
ういった中で、見守りであるとか、そういう地域活動の部分と、こういった介護サービ
スといったような保険内のものがあり、保険内のものについては、主にこちらの検討会
きたいというふうに考えているところである。
○会長
そのほか、いかがか。
○委員
今日いただいている補足給付費の見直しの試算等の勘案の表の関連だが、我々は、特
養であるとかそういうところには補足給付が今までも認められているけど、グループホ
ームや何かには一切認められない。私どもも毎回毎回国に要望するが、一顧だにしない
まま、今度はこの部分がさらにまた狭められる。私どもは実は地域密着型で、今お預か
りしている中には、私のところも、9人のうち3人の生活保護者でグループホームをス
タートする。どうするかといったら、正直言って、自分たちの自前で特別な規定をつく
って、社会福祉法人だから、生保基準まで下げましょうと。正直言って、7万円だとし
たら、東京都のほうは6万9,800円の23区基準に合わせてくれと言うから、さら
に200円下げますみたいなことをやって生保の人をお預かりする。
生活費の部分でどうなのかといったら、今は、食費のところだって、我々のところは、
食材と呼んでいるが、それでももう、大体全国的には3万7,000円から4万円とい
うふうになってしまう。そうすると、手持ちのお金がなくて、多少ちょっと高カロリー
栄養補助用食をとろうということになったら、もうお金の出しどころがない。変な話、
電気かみそりが必要だったら、私が個人のお金で買って差し上げているみたいことをや
ってでも何とかうちで生活してもらおうということを必死になってやっている。たまゆ
らみたいな事件が起きると、東京都内から低所得者が追い出されて、ああいう無届け老
人ホームで犠牲になるという事態か、そういうときは問題になるが、ふだんのときは全
然そういうことが無視され続けている。自治体の側からも、この辺の低所得者対策をし
っかりやってもらわないといけない。そうでなくても、1割負担、2割負担のところは、
国で根拠としていた数値は撤回している。にもかかわらず、その基準は一向に変わらな
い。これは、私は不勉強なので、最後に質問だけしておきたいのだが、基準額は全国一
律になるのか。全く自治体によって裁量の余地はないのか。その辺だけをお聞きしたい。
○介護保険課長
1割、2割負担のラインについては、地域加算等の勘案はないということで聞いてい
るので、全国一律になると思う。
○会長
そのほか、いかがか。
○委員
この説明で大分わかってきたが、新しい地域支援事業は、これは、全体を含めて多様
な主体を目指しているというふうな形で読み取ったが、既存にないような新しいサービ
スの創出というか、そういうものを期待されていて、それを市町村(保険者)が採用し
○高齢者福祉課長
おっしゃるとおりでして、これまで私どもが気づいていなかった地域の資源等がある。
そういった資源等を活用した新しいサービス等を創出していくといった考え方である。
○会長
そのほか、よろしいか。
○委員
今回の介護保険制度の見直しも例外なく財源のところからスタートしていて、特に2
025年、団塊の世代の人が後期高齢者になったときの状況を想定したときにこうある
べきだということで制度が設計されているが、特に大きなところは、要支援1・2の人
たちが、今度は新しい介護予防、日常生活支援総合事業という、いわゆる多様な担い手
による多様なサービスというすばらしい言葉で説明されているが、要は、ボランティア
とか、NPOとか、民間事業所とか、それなりの報酬は設定されるだろうが、29年度
までにこれは移行しなきゃいけないのということで、果たして本当にこういう大都市、
こういうところでできるのかと。また、逆に、過疎地にもできるのかと、非常にここは
大事なところかというふうに思っていて、感想でいいのだが、保険者として、この辺の
見通しというか、制度で、法律でやらなきゃいけないからやらざるを得ないが、現状を
どういうふうに豊島区内を見ているか、感想でいいので、お聞きしたい。
○福祉総務課長
本当に頭が痛いところで、29年度に何らかの形で、新たなその受け皿というか、サ
ービス形態の萌芽のようなもの、芽生えのようなもののところまでにこぎつけないとい
けないのかなというふうに思っている。ただ、それがサービス全体のニーズを満たして
いくような状況というのは、もちろん29年度にいきなりどかんとできるわけではない
と思っているので、それが今、委員ご指摘の2025年とかまでの間に、その受け皿と
なっていく芽生えた新たな当事者、ボランティアやNPO、そういったところを育成し
ていく。そのためには、まず、一つでも二つでもそういう受け皿となっていただいたビ
ジネスモデルといったら何ですかね、得られる報酬と参加していただける方に対してお
示しをしていく給付、賃金のようなものとのバランスが非常に難しいというふうに思っ
ているので、それを少しずついろんなパターンでご提案いただけるところを、これから
まさに2年間で見出していくということが、難しいとは思っているが、幾つかだけでも
できればいいというふうに願っているところである。
○委員
これから2年間でそれをやらなくてはいけないが、一番心配するのは、今の制度より
も、新しい制度に2年後なったときに、要支援1・2の人がかえって状態が悪くなると
いうか、今の仕組みのほうがよかったということにならないようにしなければならない
し、非常に保険者としても大変だし、我々地域福祉を担当している事業所にしても、各
う。愚痴になってしまうが、だけど、非常に大事な問題だと私は思っている。 ○会長
きょうお示しした改正内容に沿って、第6期の計画をこの会議の中でいろいろ検討し ていくということになるので、この改正内容については、お時間のあるときに十分に読 んでいただきたい。それから、事務局のほうでも、新しい情報などが入ったら、また会 議のほうで情報提供していただく。
それでは、次の三つ目の議題に移る。認知症施策について、事務局より説明をお願い する。
【高齢者福祉課長より配布資料5の説明】 ○会長
ただいまの説明に対してご質問があればよろしくお願いする。 ○委員
区の考え方を聞いておきたいと思うが、先ほどもコーディネーターとかいろいろな制 度が出てきてという話が出ていたが、認知症コーディネーターとなると、私は大変難し いと思う。認知症ケアに毎日かかわっている私どもにしてみたら、コーディネートをす るなんというのは物すごい能力が要求されると思っている。
ある民間の介護事業会社の社長と懇談したときに、小規模多機能の成功の秘訣は何で すかと聞かれたので、私は一言で言いました。ケアマネジャーじゃなくて、ケアコーデ ィネート能力を持っているかどうかだと。だから、そういう能力を持っているケアマネ ジャーが置かれて、それに匹敵するような施設長がいるかどうかによって決まると私は 言った。
認知症という病気は、非常に重要なのは、診察室で起こっているわけでもない。相談 の場所に来て起こっているのでもない。生活の場面で起こっているということが重要で ある。そうすると、こういう仕事や組織を組み立てていくときに何が重要かというと、 やっぱり生活の場目線である。医療の専門家、我々のような介護の専門家みたいな者が ただ寄って、ああでもないこうでもないというのではなくて、生活の場面で区民目線か ら仕事を組み立てていくことをしないと成功しないと私は思っている。
現に今、私のところも認知症カフェをやらせていただいているが、そういう中で二組、 三組とだんだん出てきているのは、連れてくるまちの人が、自分も高齢者だけど、そっ と私の耳元で、近所のつき合っている人を、この人は認知症だと思うから、ぜひちょっ と診てもらいたいと、しばらく話をして、援助してくれないかということがぽろぽろと 出てきた。
住み続けられるまちづくり運動。私は豊島区をもじってデメンチアセーフコミュニティ 運動をやろうという提案したが、そういう目線での運動の構築が私は必要だと思ってい る、その点で私の提案を申し上げたので、区側のお考えを聞いて終わりたい。
○高齢者福祉課長
本当に委員のおっしゃるとおりだと思いまして、大変難しい課題かなと思っている。 国のほうでは、来年度から認知症推進員を地域包括支援センター等の単位で置くという こととしており、今回のこの認知症コーディネーターは、それにつなげようということ での準備的なものというふうに位置づけているが、実際にその認知症推進員にどういっ たことをどこまでやっていただくのかというのは、大変難しい課題と思っている。
そのためのツールの一つが、今、組み立てているケアパスなのかと。まずは、どうい う視点があって、どういう状態の人にどういうものが適切なのか。まずは、そういった ツールがなければいけない。その上では、推進員の能力と幅広い経験等が必要になって くるのかなと思う。それは、先ほどの制度全般については、福祉総務課長の答弁にもあ りましたが、本当にいきなりできることではないと思うが、2025年に向けて、でき るだけ早いほうがいいが、少しずつ豊島区としてのいい状態をつくっていけたらよいの かなと思っている。
○委員
ぜひ、そういう意味では、パブリックコメントを得る機会なんかも含めて、大いに区 民目線での力をかりられる手だてを、準備の段階から講じていただきたいとお願いして おきたいと思う。
○委員
それに関してですが、委員のおっしゃるとおりで、今、この事業のコーディネーター をやってくださるのは、高齢者福祉課の保健師さんでして、ベテランで、非常にコーデ ィネート能力もあって、私はすばらしいと思っているが、いかんせん片手間でやらなき ゃいけないという難しさもあるが、せっかくのこの都の事業に参画して得た知識とかノ ウハウとかを、単年度だけの事業ではなく、認知症が非常に人数が多くなってくるとい うところで、区の施策としては大事なところになってくると思うので、そこの部分をこ の単年度だけでは終わりにせず、上手に残してもらいたいと思うし、片手間は非常に大 変だと思うので、そういうフォーカスはどうやって連携をとっていくかどうかだと思う が、その辺はまだ決まっていないのか。もしその辺のもくろみとかがあれば、ぜひ教え ていただきたい。
○保健福祉部長
る状況にあるので、単年度の事業にとどまることなく、補助金がなくなった場合も、税 を投入してこの事業を続けることにより、認知症の方に対するケア、対策といったもの の方向性を見出していきたいと考えている。
○会長
認知症施策についてはここまでとする本日予定していた議事はこれで終了となる。事 務局よりほかに連絡事項はあるか。
○介護保険課長
これから国から情報が次々と出てくる予定であるため、今年度は、昨年度よりは年間 の開催回数を増やさせていただきたいと考えている。次回は、会長等とも日程を調整し た上で、日程が決まり次第ご通知を差し上げたいと思う。
○会長
以上で、第7回介護保険事業計画推進会議を終了とする。 (午後8時00分閉会)
【配布資料】
資料1 豊島区介護保険事業計画推進会議委員名簿 資料2 豊島区介護保険事業計画推進会議設置要綱 資料3−1 豊島区介護保険アンケート調査 結果より
資料3−2 豊島区介護保険アンケート調査 結果より 図表編 資料4 介護保険制度の改正内容について
資料5 認知症施策検討会議 今年度の活動について
【机上配布】
冊子 「豊島区 介護保険アンケート調査 報告書」