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では、遺伝をつかさどるものは何か

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Academic year: 2021

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遺伝の新たな次元

オーガナイザー:森元良太(慶應義塾大学)

提題者:森元良太(慶應義塾大学)

南波英志(東京大学)

鈴木大地(筑波大学)

横山輝雄(南山大学)

遺伝をめぐり最近いろいろ騒がしい。遺伝とは、親の形質が子やそれ以後の世代に 現れる現象のことである。では、遺伝をつかさどるものは何か。アリストテレスの時 代からさまざまな案が提出されてきたが、20世紀半ばにはDNAがその答えとなった。

DNA の塩基こそが遺伝をつかさどるいう考えは進化の総合説の主張の一部に取り入 れられ、一般にも広まった。進化の総合説の中心的な主張の一つに、遺伝をつかさど るのはDNAだというものがある。

ところが近年の遺伝研究の成果を踏まえると、DNA 中心の遺伝観が崩れるらしい。

染色体上の DNA の塩基以外の物質も遺伝することがわかってきた。また最近では、

一生の間に獲得した形質が次の世代に遺伝するという報告が科学の一流雑誌に掲載さ れるようになった。さらには、ラマルキズムの復活や進化の方向性を擁護する主張ま でなされている。獲得形質は遺伝せず、ラマルキズムは死滅したというのが定説だっ たはずなのだが。どうやら、遺伝概念が生物学さらには哲学にどんな影響を及ぼすの か、いまいちど考えなおす必要があるようだ。

そこで本ワークショップでは、DNA中心の遺伝観を崩す事例をいくつかあげ、遺伝 の要因について検討する。DNA以外に何が遺伝するのか、獲得形質はほんとに遺伝す るのか、などを問いなおす。また、DNA中心の遺伝観から脱却することはどういう帰 結をもたらすのかについても考察する。ヴァイスマンはラマルキズムを死滅させたの ではなかったのか、ラマルキズムはほんとうに復活するのか、といった問題も取りあ げる。こうした遺伝にまつわる諸問題を、分子遺伝学、発生学、歴史、哲学というな まざまな角度から議論をし、遺伝についての正しい理解を目指したい。

参照

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