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医療紛争論・序説 : 医療過誤を中心に

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医療紛争論・序説 : 医療過誤を中心に

著者 大橋 憲広

雑誌名 東京家政大学研究紀要 1 人文社会科学

巻 46

ページ 11‑18

発行年 2006

出版者 東京家政大学

URL http://id.nii.ac.jp/1653/00009182/

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医療紛争論・序説

一医療過誤を中心に一

   大橋 憲広

(平成17年10月6日受理)

Zum medizinischen Konflikt

OHAsHI, Norihiro

 (6. Oktober 2005)

キーワード:専門家,リスク,統御の不可能性,裁判外紛争処理

Schlagworte:Fachkreis, Risik, Unm6gkichkeit der Steuerung, auBergerichtliche Konfliktregelung

はじめに 〜医療紛争の概況〜

1.法律問題

II.医療紛争の現代性と選択的処理方法 結語にかえて

はじめに 〜医療紛争の概況〜

 厚生労働省や日本医師会が,病院評価を主要な義務と して1995年に設立した財団法人「日本医療評価機構」は,

2004年から,病院機能評価の受審契約に,過誤や患者が 予期できない形で死亡した場合に,45日以内に事実経過 や再発防止策を入れた報告書を提出する項目を入れた.

これは,認定取得済みの病院も含めた約2300病院が対象 であるが,2004年7月以降,医療事故の報告書は,毎月

10件以上となっている.

 医療紛争は,民事紛争のうちでも困難な紛争類型のひ とっである.ここで「困難」とは,原告患者・遺族にとっ ての訴訟遂行の困難性,納得ゆく判決の獲得の困難性と いう意味以外にも情念・感情のケアの必要の充足問題な どを含む.他の民事紛争に比較して医療紛争を特別困難 なものとしている原因は,紛争情況の「専門性」,「密室 性」,「封建性」であるといわれる.これらは,医療過誤 訴訟において典型的に見られる.専門性は,いうまでも なく,医学的知識が紛争当事者たる「素人」,「市民」に 理解しがたいものであること,そして,たとえ弁護士や 裁判官であってもそれらを理解,判断するには困難であ

教養部 法学研究室

ることである.訴訟を提起した場合にも,証拠となる資 料は,被告医療側に偏在している.ましてや,治療方法 や薬剤の革新は早く,これに対応していくことは,現在 においてとりわけ困難といわざるをえない.専門性の壁 に加えて密室性の壁がある。治療行為の場は,医師及び 看護師などのみからなる閉鎖空間であることによって,

医師法による診療録,診療記録などの記録があったとし ても訴訟過程において,事実を再構成する場面では,原 告側からそれにアクセスすることは困難である.訴訟に おいては,医師側による診療録の改ざんは,日常的と考 えたほうがよいといわれる.封建制とは,医師と看護師 などコメディカルの関係が,指示一実行の上下関係があ る.さらに,医療過誤について「後医は前医を批判して はならない.」という暗黙の掟があるといわれる.鑑定 の場面では,鑑定医が容易に見っからないことにも現れ る.鑑定医は,いわば「仲間」である被告医師側に不利 になる鑑定を出そうとしない.学閥・出身大学が被告医 師と鑑定医が同じであるとき,そして医局の中では相互 批判は回避され,率直な意見が言いにくいなどの情況が ある.こうした事情から原告患者側は協力医を得ること も難しい.

 医療訴訟の件数は,1994年では,506件(新受件数)

に対して,2003年では987件(同)となり,増加してい る.係属中の医療訴訟は,同じく1994年には1446件に対 し,2003年では2015件である.平均審理期間は,1994年 には41.4ヶ月が2003年には27.7ヶ月に減少しているもの の,人証調べを行った一般民事通常訴訟の平均審理期間,

約20ヶ月に比べて,長期に及んでいる。請求認容率は,

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大橋 憲広

一般民事事件約80パーセント(対席判決でないものを含 む)に対し,2003年までの約10年で約40%である.ただ し,これには,数字としては出ていない原告の勝訴的和 解が相当数あるといわれる.訴訟に占める診療科目別割 合では,内科25%,外科21%,産婦人科と整形・形成外 科それぞれ13%で,これらを併せると全体の70%以上と なる.終局区分では,判決約40%,和解約50%(2003年)

である.通常民事事件では,判決和解ともに3割から4

割である.

 統計の数字から見ると医療訴訟は,やはり,原告にとっ て一般民事事件よりは,負担が多くかっ,勝訴の見込み も低い,厳しいものであることが分かる.

 原告患者・遺族が,訴訟によって医療紛争を起こす動 機は,医療者に対する賠償に加え,医療過誤の真実・原 因を訴訟の過程で明らかにし,医療者に謝罪させたいと いう願い,再発の防止という非金銭的な要求の方が大き いことも医療過誤訴訟の特徴の一つである.

1.法律問題

 医療者は,診療契約によって診断・治療の義務を負い,

「最善の注意義務」,すなわち臨床医学の診療当時の医療 水準によって処置しなければならない.医療者の民事責 任を追及するには,「不法行為」によるか,「債務不履行」

によるかの2つ方法がある.両者は請求権競合の関係に あり,いずれも選択可能である.実務的には選択的併合 または主位的・予備的併合として提訴されている.

 不法行為構成では,民法709条による故意または過失 と権利侵害・損害の因果関係が,主張・立証されなけれ ばならない.「最善の注意義務」は,現場における慣行 ではないことに注意を要する.すなわち,平均的医師が 臨床現場で行っている「医療慣行」を意味するものでは ない.著名な最高裁判例【最三小判平8・1・23民集50 巻1号1頁】では,医薬品の使用について添付文書に記 載された注意事項に従わず,これにより医療事故が発生 した場合に,従わなかったことにつき特段の合理的理由 がない限り,当該医師の過失が推定される,とする.次 に,「最善の注意義務」の医療水準は,一律の医療水準 が要求されるものではない.医療機関の性格,所在地域 の医療環境の特性によって異なる.具体的には,大学病 院の医療水準は,個人経営の病院における医療水準より

も高い水準が要求される.

 なお,医師は「専門科目」を選択でき,また,応召義

務(医師法19条)により,正当な事由がなければ診察治 療を拒否できない.しかし,医療の現場では,医師が専 門科目以外の診療を行わざるを得ない場合が,相当数あ る.これにっき医療法1条の4の3項は,「必要に応じ,

医療を受ける者を他の医療提供施設に紹介し,その診療 に必要な限度において医療を受けうる者の診療又は調剤 に関する情報を他の医療提供施設において診療又は調剤 に従事する医師などに提供し,及びその他必要な措置を 講ずるよう努めなければならない.」として転医義務を 定める.具体的には,自己の専門外かその疑いがあり,

臨床経験では疾病の診療が困難であること,患者が転医 のための搬送に耐えること転移先が,患者の受け入れを 承諾し,転医によって患者に重大な結果の回避可能性が

ある情況が前提となる.

 原則として,専門外の治療を行う場合でも学説・判例 では医師としての注意義務は,軽減されないとされる.

 診療契約は,美容整形などの少数の結果債務を除けば 多くが手段債務であるから善管注意義務違反が問題とな

る.したがって,債務不履行構成の場合も不法行為構成 の主張・立証と大きな差はない.不法行為構成と債務不 履行構成で違いが生じるのは,被告の範囲と時効および 損害遅延金の発生時期である.不法行為構成の場合,被 告は,過誤を行った当事者たる担当医およびその使用者 であり,個人経営の場合には行為者としての医師,法人 の場合には行為者としての医師とその使用者ということ になる.債務不履行構成では,個人経営の場合には個人,

法人経営の場合には法人であり,担当医ら個人を被告と ならない.時効にっいては,民法が規定するように,前 者では,被害者またはその法定代理人が,損害と加害者 を知ったときから3年で時効消滅し,除斥期間は不法行 為から20年である.また,債務不履行では,請求可能な ときから10年で時効となる.損害遅延金の発生時期は,

前者では損害の発生時期から遅滞に陥るが,後者では,

履行の催告を受けた時からとなる,さらに近親者の固有 の慰謝料は,前者では認められるが,後者では,民法 711条の類推適用を認あることには,消極的見解もある.

 歴史的には,不法行為構成による請求から,最近では 債務不履行構成による構成のほうが優勢になっているが,

最高裁判例の中には,不法行為構成を使っている例も見

られる.

 以上に述べた医療水準,転医義務以外に責任原因とな

るものには,説明義務と問診義務がある.説明責任義務

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違反は,たとえば,医療側の手技過誤などが認められて ない場合に主張されることが多かったが,「患者の権利 に関するWMAリスボン宣言」(1981)において,自己 決定の権利に基づき「(患者は)正しい説明を受けた上 での,診断上の手続ないし治療にっき同意を与えるか,

差し控えるかの権利を有する.」とされ,インフォーム ドコンセントとして,患者が単に受動的な診療行為の対 象としてではなく,積極的に自己の治療にかかわってい

く主体的存在として捉えられるようになり,その意義は,

大きくなっている.説明されるべき内容は,①病名・症 状 ②医療行為の内容・目的・必要性 ③危険や副作用・

予後 ④選択的治療方法の有無と内容などである.

 説明責任の根拠・目的は,①治療行為における患者の 身体に対する医学的侵襲性への患者の承諾を得る必要性,

②予後の人生の自己決定権を確保すること,③患者に適 切な療養状況を与えること,④患者にこれまでの治療行 為を理解させるため,とされる.これらは,大分すれば,

承諾を得るためのものと侵襲性を伴う治療行為の違法性 を阻却するもの〔①〕,および,診療行為の一環として のもの〔②③④〕に分けられよう.

 説明義務では,患者と医師との間でどの範囲で説明を 行えば,説明義務が果たされたことになるのかが,問題 になる.学説上,4説に分かれる.①「合理的医師説」

は,通常の合理的な医師が説明する情報を説明すること が基準となるとするものである.②「合理的患者説」は,

合理的な患者が,必要と考える情報を説明することを基 準とする.③「具体的患者説」は,当該患者が必要と考 える情報を基準とする説である.④「二重の基準説」は,

具体的患者説と合理的医師説とを組み合わせて,当該患 者が必要としている情報で,合理的医師が説明できる情 報を基準とするものである.①説と②説は,「合理的」

ということで,実際の治療行為が行われている現場を 基準としない点で適切ではない.③「具体的患者説」が,

妥当と考えるが,患者の理解力,判断力,生活状況,精 神状態などを考慮しなければならない.説明を受ける対 象は患者本人であること,患者の理解能力が十分でない 場合や,説明することが患者にマイナスになるとき,緊 急性があるときには,代諾者としての看護者・家族に対

する説明である.

 っぎに,診療行為と発生した結果との間の因果関係が,

問題となる.医療事故における因果関係は,医療行為者 の診療行為に基づく結果か,患者の疾患進行によるもの

なのか,また,医学的には,いまだ未知の解明されてい ない病理の機序によるものなのかなど,その立証は困難 なものである.これらの因果関係を,医学知的識を有さ ない患者側が訴訟過程で明らかにすることは,きわめて むずかしい.したがって,ここでの因果関係は,先行事 実がなければ,後に起こった事実が,生起しなかったと いう事実的(自然科学的)因果関係とは異なり,帰責の 相当性を含む相当因果関係である.そして,その証明の 程度は,「高度の蓋然性の証明」で足りる.すでに,幾 度となく引用されている判例であるが,東大ルンバール 事件最高裁判決【最判昭50・10・24民集29巻9号1417 頁】をここでも挙げよう.事例は,髄膜炎の治療として 腰椎を穿刺による髄液採取ののちに髄腔にペニシリンを 注入するという治療を受けた後,患者に障害が残ったも のである.1審,2審とも請求を認めなかったが,最高 裁は,判決の中で「訴訟上の因果関係の立証は一点の疑 義も許されない自然科学的証明ではなく,経験則に照ら して全証拠を総合検討し,特定の事実が特定の結果発生 を招来した関係を是認しうる高度の蓋然性を証明するこ とであり,その判定は,通常人が疑いをさせ挟まない程 度に真実性の確信をもちうるものであることを必要とし,

かっ,それで足りる.」とした.ただし,この趣旨も考 えられているほど明確であるとはいえない.「経験則」

を使って「総合検討」するのは,法の専門家たる裁判官 や弁護士であり,かっ,その蓋然性が,「通常人が疑い をさし挟まない程度に真実性の確信をもちうるもの」と 判断するのもまた,彼らであるからである.「通常人」

の概念は明確ではないし,専門家のそのような判断,っ まり,専門家の「通常人」像が,実態としての「通常人」

と同一である保証はない.したがって,いうところの

「通常人」から,その言明は常に注目・批判されていな ければならないということになる.

 以上は,作為に対する因果関係であるが,不作為と結 果の間の因果関係の主張・立証には,困難を伴う.つま

り,結果が疾患悪化によるものではないと主張するには,

適切な診療行為によって結果回避義務が,尽くされてい れば,悪しき結果が生じなかったであろうことを「観念 的に」構成してそこから,因果関係を主張することにな るからである.この問題でも,最高裁は,東大ルンバー ル事件判決を踏襲して,高度の蓋然性の証明で因果関係 の存在を認めるものとする.

 なお,環境訴訟において問題となる疫学的因果関係は,

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大橋 憲広

地域性・集団性を背景としているので 個々の患者のそ れぞれの条件・性質が問題となる医療訴訟には,原則と

してなじまないと考えられる.

 責任と結果との因果関係を争う訴訟の中で,専門訴訟 としての医療訴訟の性格から,「鑑定」が,大きな意味 を持っ,ひとたび,鑑定が出るとそれを覆すのは困難で ある.裁判所の鑑定依存傾向も強い.鑑定費用も,少し 以前の数字では,80万円から90万円が多いといわれ,原 告患者が行うには,大きな負担となる.鑑定医の側でも,

鑑定人尋問で,ストレスを被り,もうやりたくないとい

う医師も多いという.

 鑑定自体は,法律問題ではないが,医療訴訟において 重要であるのでここで見ることとする.鑑定は,裁判官 が証拠調べで心証形成に達しないとき,公平な第三者で ある専門的知識を有するものの判断を聞き,裁判官の医 学的知見に関する判断に資するものである.①鑑定人は,

裁判所の推薦によるもの,②原告被告の推薦によるもの,

③最高裁医事関係訴訟委員会に依頼するもの,がある.

 従来,鑑定医は,一人で鑑定書を作ることが行われて きたが,先述したように,医学界の「封建制の壁」によ り,同僚医師を非難したくない,という心情や学閥・医 局関係への配慮から鑑定医の引き受け手が少なかった.

したがって,鑑定の公正さを確実としなければならない.

 簡便さや複数の意見を聞くことによる,より公正な判 断という視点から,最近ではいくつかの鑑定方式が行わ れっっある.①「カンファレンス方式」は,鑑定結果を 3名程度の鑑定人が作成し,裁判所,鑑定人,当事者が 集まって裁判所の指揮で,鑑定人が意見を述べ,議論の 結果を鑑定人の陳述とするものである.②「複数鑑定個 別方式」は,複数の鑑定人が,鑑定書を作成するもので ある.③「複数鑑定討議方式」は,複数の鑑定人が討議 して1通の鑑定書を書くものである.④「アンケート方 式」は,複数の鑑定人がアンケートに答えるものである.

これは,あまり複雑ではない鑑定事項について行われる.

 「カンファレンス方式」については,「原告側が持って いる医療に対する不信感が,確実に解けていく」 【参考 文献11;317頁】とか,「パフォーマンスとしても裁判に とってプラスになる」との医師の肯定的見解がある.た だし,鑑定人の個性や発言の順番その場の雰囲気,で 決まるという可能性も指摘されており,たとえば,経験 年数の少ないものから順番に発言するなどの工夫が必要 である.「複数鑑定個別方式」は,鑑定医が,同時に鑑

定書を作成するものであれば,信頼性が高まる.「個別 鑑定討議方式」には,討議の経過が鑑定書に反映される かにっいての疑問が指摘される,

 「カンファレンス方式」以外では,専門家のみによる のに対して,この方法では,当事者たる原告被告が,ア クティヴに関与できる条件が十分用意されれば,もっと

も望ましい方式である.

∬.医療紛争の現代性と選択的処理方法

 近代民事訴訟では,「手続的安定性」,「処理の画一性」,

「迅速性や訴訟経済」,が要請される.手続的安定性とは,

訴訟過程の中で一定の行為を積み重ね,以前の行為が無 効となり,過程全体の進行がとどまらないようにするこ

とを言う.時限立法や特定の地域にのみ適用される法律 を除き,法律は,国家の制度として時間・空間的に普遍 的であることを言う.そして,その結果として,個々の 事件の個性は,手続過程においては十分に考慮されない という処理の画一性が帰結される.さらに,たとえば環 境訴訟において高齢者が,損害賠償を求めても訴訟が,

長期間にわたる場合には,たとえ賠償を認める判決があっ たとしても,高齢の当事者の寿命が尽きたとすれば,結 果として救済は得られないこと考えても,とりわけ,現 代のような時間の進行の早い時代では,長期にわたる手 続は訴訟制度自体の存在価値と矛盾する.このようなこ

とから迅速性の原則が要請される.

 近代民事訴訟は,訴訟において実現される権利は実体 法から論理的に導出できるものとされ,訴訟は過去を志 向する.すなわち,救済は権利侵害が生じた事後に為さ れるのであって,将来の権利侵害を見越して,積極的に 権利侵害を救済することは原則としてできない。さらに 権利の救済は金銭賠償が原則であり,原状回復はできな い.近代民事訴訟では当事者主義の原則から,訴訟過程 では,裁判官は中立的であり,当事者がイニシアティヴ

をとる.

 現代型の紛争では,以上のような近代民事訴訟の原則,

性格によっていたのでは,適切に処理されない紛争が多

くなってきている.すなわち,歴史的には,日本では

1970年代からの各種公害訴訟では,求められる権利の救

済は,過去の損害賠償とともに差し止あなど将来にわた

るものである.そして,訴訟の目的は,公共的,不特定

多数のものであること,訴訟当事者は,被害住民と加害

大企業,あるいは,国家・行政のようにその社会経済的

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力関係において大きな格差がある.当事者の双方は,立 場の相互交換可能な対称的位置にはない.また,訴訟に おいて求められるのは個別救済よりもむしろ,実質的に 政策であることである.現代型紛争が特徴このように特 徴づけられるとすれば,医療紛争もまた現代型紛争であ る.金銭賠償とともに,医療者に真実を語らせ,慰謝さ れること,そして,同様の医療過誤を将来,再び起こさ せないような方策の実施こそが医療過誤訴訟の原告当事 者の願いでである.しかし,現場でしばしば見られるの は,原告の次のような思いである.「ミスを認めない医 師に責任を取らせる最後の手段として訴訟を起こし,長 年にわたり激しく争った訴訟で患者側の言い分が通り,

社会的にも医師の責任が認あられた.それでも反省の色 がなく,今までと同じように変わらず『先生,先生』と 崇められて毎日患者を診療していく.いったい何が変わっ たのだろうか,とふと患者は考える.そういえば医師は,

裁判所に自分の言い分を述べるときに一度か二度は法廷 に来たが,それ以外は裁判に姿を見せず,判決言い渡し の日には空いた席には医師も弁護士も不在であった.

刑事事件では裁判官が判決後に被告人に説諭すると聞い ているのに,あれだけ争ったのは何だったんだろう一.」

【参考文献10;147頁】.

 先述したように医療訴訟では,原告の勝訴率は,他の 民事訴訟に比べて低い.医療側が勝訴した場合でも,医 師の処置の正当性を認あて,被告が敗訴するのではなく,

過失とするには十分な証拠がないとか,医師の責任の証 明が為されていないというものが多い.勝訴したとして も敗訴したとしても,医療訴訟においては原告患者側に も被告医療者にも,不満と納得のいかない思いが残る.

医療者を理想的人間と想定すれば,過誤にっいてそれが 生じた条件・真相を患者遺族に説明し,患者に対して直 接詫びたい,そして,将来事故・過誤が起こらないよう に防止策に取り組みたいといことになろうが,医療紛争・

訴訟の現場では,常に理想的人間を想定するのは現実的 ではない.医療者に真実を語らせ,慰謝されること,そ して,同様の医療過誤を将来,再び起こさせないような 方策の工夫・実施を訴訟の中で約束させることは,極め て困難といわなければならない.本来訴訟が紛争を権利 義務・過失の有無に縮減して処理するものである以上,

原則的にそのようなことを判決文中に示すことは,望め ないとすれば,医療紛争には訴訟以外の,以上のような 主として原告側の思いを実現させるためにより適した処

理ルートが,あってしかるべきである.

 医療紛争を手続として調停的に処理するシステムが提 示されている【参考文献4;123−130頁】.これは,病 院内における医療苦情相談(調停)と病院外における調 停委員会を組み合わせたものである.前者は,まず,入 院時にこのシステムで解決に一歩を踏み出すことを合意 しておき,第一段階として,医療コミュニケーターが,

患者側と医療者側をシャトルし,双方の「聞く,話す,

伝える」という意思疎通ギャップを解消し,調停を行う.

医療コミュニケーターには,一定の訓練を行った医師・

看護師・臨床心理士・社会福祉士をあてる.ここまでは,

非公開・非開示である.院内の調停不調となったときに は,常任の弁護士を委員長とし,医療関係者(研究者・

臨床医),市民(男性と女性),オブザーバーからなる病 院外の調停委員会に委ねようとするものである.そして,

 これら全体を「管理者」が,進行管理を行う.ここで の調停が不調となれば,通常の訴訟手続に移行できるが,

調停手続の情報は訴訟には非開示とされる.

 この調停システム構想はあらすじ的なスケッチで,詳 細な事項は今後の展開を待つとして,いくっかの見解を 述べよう.まず,調停手続を院内と院外の両者に置くこ とは,プロセス自体が煩環にすぎないだろうか.コスト の点でも本論文には指摘がないが,どのように負担する のかの点でも2っの手続を置くこと疑問が残る.院内の 手続は患者と医療者の間のコミュニケーションの促進機 能を持たせるだけでよいであろう.医療コミュニケーター は,当該院外のものとしても,公平中立的第三者として の立場が期待されている以上,患者・遺族から見れば,

医療側の立場とも見られかねず,疑心暗鬼になりかねな

い.

 院外の調停では,医師会・患者団体・弁護士会も関与 するような図が,示されている【参考文献4;127頁】.

この点,調停委員を推薦することになるのか,あるいは,

調停全体をモニターすることになるのであろうか.調停 の結果の「勧告」には,保険会社がかかわる.この場合,

交通事故紛争処理センターの裁定のように,患者側が,

保険金について調停案を受け入れる場合には,保険会社 はそれ以上の異議を申したてない「片面的拘束」も考え

られる.

 先述のとおり,医療事故はインシデント(事故寸前の

いわゆる「ヒヤリ・ハット」【参考文献14】)から過失

を伴う医療過誤も含めて,近時,数多く報告され,一般

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大橋 憲広

の耳目に触れるようになった.かつての,手術用の器具 やガーゼを患者の体内に置き忘れるといったものから,

1999年の横浜私立大学医学部付属病院の肺手術患者と心 臓手術患者取り違えまでに至る多様なものがある.そし てこの種の事故は繰り返されている.2005年9月の国立 がんセンター中央病院もでも同様の患者を取り違えての

手術事故が起こった.

 これら市民・素人の常識では,想像できない事故は,

防こうとすれば防止できたものである.もっともこれと は別に,医慮事故の中には,回避できない事故もあるこ とは,認あなければならない.それでは,近時になって 医療事故・過誤が多く見られるようになったのはなぜか.

その一っは,当然であるが,技術の高度化・複雑化があ げられる.高度化・複雑化により従来の,何か原因を与 えれば予測可能な結果が表れるという線形的な関係では なく,システムの中で「原因(たとえば,環境からの作 用)」は,システム内部の固有の有意性に変換され,予 測されない結果を生み出すという関係が常態になりつっ

あることによる.「ああすれば,こうなる(wenn−dann)」

という図式の成立しない情況が多くなっている.同じこ とを逆に言えば,人間の意識から見れば,あらゆる対象 が統御できるという観念が,かつてないほど強まってい ることである.そのことによって自然やその一部である 身体はもちろんのこと,人間の意図に従って作動するは ずの人工物・制度ですらも,完全な統御の対象にはなり 得ないという至極当然の事実が,忘れられようとしてい

ることである.とすれば,事故や過誤がゼロになるよう な方策は,現実的には存在し得ないと考えたほうが現実

にかなっている(To err is human.).つまり,事故や

過誤は常に生起するものであることを前提としなければ ならない.

 医療事故の対処には,事故を引き起こさない措置と事 故が起こってから対応という2段階のリスクマネージメ

ントが必要であり,後者は,コンフリクトマネージメン トである,前者では,フールプルーフやフェイルセーフ のようなシステムの導入に加え,人的手当てとして,リ スク管理担当のマネージャーが任命されるようになって きている【参考文献5;10−11頁】.これは,個々の病 棟・診療科外来・中央診療施設・薬剤部などの各部門で 経験のある職員を現場での事故防止に関する中心的役割 を担うものとして任命し,安全管理の点から監督,連絡・

指示の伝達周知,管理部門への改善措置の提案等を行い,

かつ,現場での自主的改善活動を行うものである.さら に,看護職師長相当職の専任のゼネラル・リスクマネー ジャーが,病院長に直結した安全管理部(部長は,副病 院長など)の中心的役割を果たすこと期待されている.

 コンフリクト・マネージメントの局面では,訴訟によ る処理とそれ以外の処理方法がある.まず,訴訟による 処理の最近の動きを見る.先述したとおり,医療裁判の 審理期間は他の民事裁判よりも長い.これを克服するた めに,2001年より,東京地方裁判所と大阪地方裁判所に 医療集中部(東京地裁4つの部と大阪地裁の2っの部)

が,設けられ,その後,千葉地裁と名古屋地裁に同様の 部が作られた.これらの医療集中部での審理方式の革新 は,各種提出書類をわかりやすいものとすること訴訟の 進行プロセスを効率的なものとすることからなっている.

大阪地裁医療集中部の場合,前者は,集中的証拠調べの 他に,争点整理段階において診療経過上の争いの確定を する「診療経過一覧表の作成」を被告医療側が行い裁判

所に提出する.一覧表には,「診療経過」,「検査・処置」

「証拠」の各欄がある.参考書式がフロッピーで配布さ れる.次に,弁論準備期日において争点を確定する.す なわち,左右対照の争点整理表を裁判所が作成し,最初 に原告患者に交付してこれに原告主張を記入してもらい,

後に,被告に交付し,被告の主張を記入し,最後に裁判 所が加除訂正して当事者の確認を得て,証書に添付する.

書証の提出方法も分類してしやすいように行う.つまり,

従来,医療訴訟においては,診療記録,医学文献,損害 に関するものが渾然としていて,膨大な資料の中から必 要な証拠を見つけ出すのが困難であった.新たな方法は,

それぞれ甲号証,乙号証ともに,診療経過の事実関係に 関する書証(A号証),医学的評価に関す書証(B号証),

損害立証に関する書証(C号証)として初めから分類し て提出することになった.また,東京地裁民事部で行わ れるようになったメモを使う.これは,期日において議 論したこと次回期日に各当事者が準備しておくことを各 期日ごとに裁判所がメモ(プロセスカード)を作成し,

当事者に渡すものである.以上のような工夫は,判決ま での時間短縮に貢献するであろう.

 これらの工夫にもまして,次のような裁判官の発言は,

注目されるべきである.「…医療集中部では和解にかな

り積極的な考え方をもっております.…また,判決でスッ

パリ結論を出すのがどうもしっくりこない事件もありま

す.和解の解決例が判決に優ることも多いのではないで

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しょうか.」【参考資料9;30頁】東京地裁医療集中部で は,証拠調べ前の和解もある程度あるという.従来,裁 判官は,判決を書くことを本分であるとされ,和解が軽 視されてきた.「和解裁判官となるなかれ。」というかっ ての和解を判決に劣るものとする裁判官の間の言説は,

今日そのまま通用しなくっている.

 医療紛争の処理に,必ずしも訴訟がマッチしていない とすれば,訴訟上の和解以外の処理方法として何が考え られるべきなのか.紛争処理方法の原型は,当事者間の 直接交渉である.コストの点からも結果の自発的履行の 可能性の高さからも有効な交渉であることは間違いない.

しかし,前に見たように被告医療者側に知識・情報が偏 在しておりしており,さらに,経済的背景も患者個人と

巨大法人医療者という関係ならば,同等の関係は望めな い.訴訟以外のチャンネルは,調停,仲裁とADRがあ る.これらを当事者間のコミニケーションを実現するチャ ンネルを探るべきであろう.これらのうちで,近時,

ADR基本法(「裁判外紛争解決手続きの利用の促進に関 する法律」平成16年法律第151号)が,制定されたので ADRにっいてみる.本法の目的は,「紛争の当事者がそ の解決を図るのにふさわしい手続を選択することを容易 にする」(第1条)ことである.一般市民は,ADRにっ いて情報がなく,利用されにくいという事情を改善する ものであろう.すなわち,国及び地方公共団体は,

ADRの情報を提供するよう努める.さらに,法務大臣 の認証制度を設け,認証を受けた機関の業務については,

時効中断の法的効果を認める.認証を受けるか,否かに っいては,任意である,認証制度の目的は,暴力団等の 民事介入を目的とするものであろうが,フレキシブルな ADRとしての窮屈なものとする危険性があり,また,

法外の選択肢としての民間の制度を法によって規制する という矛盾がある.ADRの利点は,低廉,迅速性,低 コストの視点から語られるが,国家に頼らないで市民が 自発的合意を調達する仕組みとしての意義が,強調され るべきであろう.このことは,近代私法の「私的自治」

の原則上にあるものといえる.ADRは,訴訟に比較し て,all or nothing的解決ではなく,事情に応じた多 様な解決が可能である.金銭賠償以外のケア問題を含あ た解決を探る医療紛争においても,利用できる可能性が 大きい.医療ADRの実際の制度設計には,弁護士を中 心とするものとなることが考えられるが,すでに,医療 事故情報センター,患者の権利を作る会などの組織が参

加していくことが可能である.

結語にかえて

 法学と医学とは,その専門性や専門家のあり方,対象 がそれぞれ,争いや,病老死など取り除くべき存在とさ れるものであることなどの共通性から,比較的に語られ ることが多かった.以上では,医療におけるリスクは,

避けられないものであること,そして,紛争もゼロとす ることは,不可能であるという当然の事実を前提とする べきであることを見た.そして,医療紛争の処理には,

訴訟のみではなく,さまざまチャンネルがあり,むしろ 訴訟外のルートで処理した方が適切であるもあることが Ptされたかと思う.訴訟が,ハードなものすれば,

ADRその他の処理方法は,当事者にとっては,ソフト でアクセスしやすくて金銭賠償以外の,要求・思いを実 現させる可能性も多いこともあろう.ちなみに,臨床医 学の分野でも,とりわけ癌患者にっいて,従来は,まず 根治治療を行い,根治治療の尽きたところから緩和ケア が始まった.しかし,最近では,治療の当初より,根治 治療と緩和ケアを組み合わせて行い,患者のQ.0.L.を 尊重するという方法に変化してきているという.これら の関係を,医療訴訟における訴訟とその他の紛争処理と の関係とパラレルな関係と見ることは,あながち,牽強 付会ともいえないように思われる.

 医療紛争の壁である「専門性」,「密室性」,「封建制」

は,いずれも,市民・素人を遮断したところに成立する.

これらの壁を解消することは容易ではない.医療紛争の 場では,患者・遺族側の憎しみと復讐心からの提訴,医 療側では訴訟の危険からの必要な難易度の高い診療の回 避iと過度の検査という患者と医療者の相互乖離と過度の 保身といった悪循環になる.

 医療者の側では,事故・ニアミスの報告を,医療従事 者が「報告したい」,「報告が報われた.」と思われる環 境で行えるようにし,報告が,人事管理や懲罰に使われ ないようにすることが,いたずらに保身に走らせないこ とに効果があることが,知られている【参考資料5;19

頁】.

 市民・素人が,専門家のなか入り込み,議論できるよ

うなフォーラムが必要である.その場としてのADR活

用の可能性がある.この場では,損害賠償に限らず,感

情問題にも対応できるような処理が,行われなければ成

らない.そのためには,ADR主催者の法律知識に限定

(9)

大橋 憲広

されないカウンセリング的技術力量も必要となる.患者 被害者側が,受身に恩恵的に動くのではない,医療 ADRの制度設計が望まれる.そこでこそ「キュア」が

「ケア」に転換されよう.

《参考資料》

1.宮坂道夫「医療倫理学の方法 一原則・手順・ナラ

  ティヴー』(医学書院 2005)

2.加藤良夫・増田聖子『患者側弁護士のための実践医   療過誤訴訟』(日本評論社 2004)

3.藤田康幸編『医療事故対処マニュアル』(現代人文

  社 2002)

4.稲葉一人『医療・看護過誤と訴訟』(MCメディカ

  出版 2003)

5.国立大学医学部付属病院長会議編『医療事故防止の   ための安全管理体制の確立に向けて[提言]』(日総

  研 2001)

6.太田幸夫編『医療過誤訴訟法』(青林書院 2000)

7.竹中郁夫『医療者のための医療紛争対処ハンドブッ   ク』(日本医療情報センター 2003)

8.上田和孝『実務 医療過誤訴訟入門』(民事法研究

  会 2003)

9.東京弁護士会弁護士研修センター運営委員会編『医

  療訴訟』(商事法務 2003)

10.石川寛俊『医療と裁判 一弁護士として同伴者とし

  て一』(岩波書店 2004)

11.畔柳・高瀬・前田編『分かりやすい医療裁判処方箋』

  (判例タイムズ社 2004)

12.和田仁孝『医療紛争 一メディカル・コンフリクト・

  マネジメントの提案一』(医学書院 2001)

13.福永・井上『新 民事の訴訟 ある医療過誤事件の

  展開』(悠々社 2000)

14.柿田章他著『事例で学ぶ医療事故訴訟防止と対策ガ

  イド」(日総研 2001)

15.高橋宏志「紛争と訴訟の機能」(岩波書店『岩波講   座社会科学の方法VI社会変動の中の法』1993)所   収

16.内堀宏達『ADR法概説とQ&A』(商事法務

  2005)

17.長尾クニ子『医療裁判』(さいろ社 2001)

18.大橋憲広「紛争処理」 大橋憲広他『レクチャー   法社会学』(法律文化社 1998)所収

19.小松丈晃『リスク論のルーマン』(勤草:書房 2003)

20.ヘルマー・クルップ著 大橋憲広訳「リスクと危険   との間のシュンペーター・ダイナミクス ーシステ   ム理論による大きな物語の素描一」土方・ナセヒ編   著「リスクー制御のパラドクスー』(新泉社 2002)

  所収

21.廣田尚久「紛争解決手段としてのADR」(ジュリス   ト 1207号 2001)

22.日本予防医学リスクマネージメント学会 HP

  http://www.jsrmpm.org/

23.大阪地方裁判所医療集中部 HP

  http://courtdomino2.courts.go.jp内のHP

Zuzammenfassung

 Konflikte im medizinischen Bereich sind gegenwartig haufig auftretende Streitsachen, bei deren Abwicklung Grundsatze des modernen Zivilprozesses wie verfahrensmasige Stabilitat , Standardisienlng der Erledigung und

,°Schnelligkeit der Durchflihmng bzw. Prozessokonomie nicht ausreichend beachtet werden. Der Patient als Klager in einem arztlichen Kunstfehle1prozess verlangt nicht immer bloB finanzielle Entschadigung, sondem ebenso Offenlegung der Wahrheit seitens des Arztes, psychische Unterstutzung des Patienten durch den

behandelnden Arzt sowie Vorbeugungsmasnahmen gegeneventuelle zUkUn伍ge Fehler. Was nach verbreit eter

Meinung Kμnstfehlerprozesse so schwierig macht, sind vor allem die BeschrtinkUng auf die ausschlieslich 飴chliche Sichtweise, mangelnde Transparenz und ein gewisses 1Feudalsystem 1. Um diese Schwierigkeiten zu Uberwinden, wird ein Forum ben6tigt, an dem sich Nicht−Experten mit Experten gemeinsam aktiv beteihgen.

Daruber hinaus muss auch eine auBergerichtliche Konfliktregelung in Betracht gezogen werden.

参照

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