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アフターコロナの大学についての提言

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Academic year: 2021

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3 JUCE

Journal 2020年度 No.4

コロナ感染症の拡大に歯止めがかからない現段 階では、アフターコロナではなくウィズコロナの 大学について語るべきかもしれない。しかしあえ て感染が収束したあとの大学のあり方を問うの は、緊急避難的な対処療法的方策とは異なる、新 しい授業のあり方を見つめ直したいからである。

今般の新型コロナ感染症の世界的拡大は、西欧 中世以来続いてきた大学のあり方を根本的に問い 質す機会を与えている。なぜなら、大学がクラス ターの発生源となるリスクを避けるために、世界 中のほぼすべての大学において、これまでのよう な校舎や施設に固定された対面授業を、全面的あ るいは部分的に中止して、オンラインの遠隔授業 に切り替えざるをえなくなっているからである。

わが国でも現今のコロナ禍のなかで、オンライン 授業はさしあたり緊急避難的措置として認可され ている。しかしこれを一時的な措置と見なすだけ でよいであろうか。

本学は、学校法人そのものは135年の、そして 4年制大学としては70年の歴史を有する、北海 道の最古・最大の私立総合大学である。経済、経 営、法、人文、工の5学部を擁し、その上には6 つの大学院研究科(修士・博士課程)が開設され ていて、現在、一部・二部併せて約8

,

300名の学 生が学んでいる。令和2年度の1学期は、感染リ スクを避けるために、4月からオンライン授業に 限ってスタートし、6月中旬以降、ソーシャルデ ィスタンスを確保できる人数に制限して、対面授 業も実施した。2学期はほぼ7割強を対面授業に し、残り3割弱をオンライン授業にしている。幸 い、サークル活動やアルバイト先での感染者(2 月11日現在で54名の陽性者)を除けば、教室内 での感染者は1名も出ていない。それだけ徹底し たリスク管理をしているからでもあるが、しかし 少しでも管理の手を緩めれば、感染状況が全国で も有数の北海道・札幌にあっては、学内での感染 が一気に広まり、大学閉鎖に追い込まれかねな い。そのような危険性と隣り合わせの日々が続い

ている。

ところで、コロナ禍でやむなく実施されたオン ライン授業は、教師の側にも学生の側にも新たな 気づきをもたらしている。従来わが国の大学で は、語学の授業や演習を除いて、学生は何の予習 もせずに授業に出席して、教壇で語られる内容を ただ受け身的にノートに書きとる、というスタイ ルが一般的であった。しかしオンライン授業で は、学生は画面上とはいえ近距離で語りかけてく る教師と正面から向き合い、毎回求められる課題 をこまめにこなさなければならない。教師も遠隔 地にいる学生に、あたかも目の前にいるかのごと くに語りかけ、学生の関心を惹きつける授業に腐 心しなければならない。要するに、オンライン授 業は教師と学生の双方に真剣なインタラクション を要求するのである。

教師が学生に「読んで聞かす」(vorlesen)と いう形式のドイツ流の「講義」(Vorlesung)を 除けば、欧米の大学には専ら受身的な授業はほと んど存在しない。欧米の大学の授業は、いわゆる アクティブ・ラーニングが支配的である。すなわ ち、「課題の発見と解決に向けて主体的・協働的 に学ぶ学習」に重きが置かれ、レクチャーに加え て、グループ・ディスカッション、ディベート、

グループ・ワークなどが適切に組み合わされてい る。学生はシラバスに明記されたリーディング・

アサインメントを事前にこなし、一定の予備知識 と意見をもって授業に臨む必要がある。

コロナ禍でのオンライン授業を経験したわが国 の大学も、大学が第一義的に「『教える』ないし

『学ぶ』というコミュニケーション行為の場」

(吉見俊哉)であることを再認識して、予習を大 前提としたコミュニカティブな授業に切り替える べきである。最新のICTを活用したハイブリッド なインタラクティブな授業をどう構築するかが、

アフターコロナの大学の成否を決する、といって も過言ではなかろう。

北海学園大学

学長 安酸���� ����敏眞

アフターコロナの大学についての提言

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