Eng. Kinhi Univ. 42 (2006) 53-59 Sci.
School J.
重点サ ンプ リングを結合 した条件付 き期待値法 に基 づ く構造信頼性 推定
米 澤 政 昭*,奥 田 昇 也 索*
Structural Reliability Estimation Based on Conditional Expectation Approaches Combined with Importance Sampling
Masaaki YONEZAWA* and Syouya OKUDA* *
This paper describes conditional expectation approaches to estimate the structural failure probability. By coupling the importance sampling with simulation method based on the conditional expectation, generated samples are effectively made use of estimating the structural failure probabilities with smaller coefficient of variation. Numerical examples results based on the proposed method are compared to those based on other simulation methods and the proposed method results in making the estimation process of structural failure probability more efficient, reducing the dimensionality of structural reliability assessment problem and expediting convergence.
Conditional expectation, Importance sampling, Key words: Reliability estimation, Failure probability,
Variance reduction
1.序 論
的 手 法 を 必 要 とせ ず,近 似 に よ る誤 差 を 伴 わ な い の で, 有 効 で あ る と思 わ れ る.し か し,シ ミュ レー シ ョン 法 は 限 界 状 態 関数 が 既 知 で あれ ば,破 損 確 率 の 推 定 を厳 密 に 取 り扱 うこ とが で き るが,破 損 確 率 は,一 般 に微 小 な値 で あ る の で,精 度 よい 推 定 量 を 得 るた め に は,非 常 に 多 く のサ ン プ ル数 を必 要 と し,計 算 時 間 が 膨 大 に な る とい う問題 が 生 じる.
シ ミュ レー シ ョン法 を適 用 す る場 合 に は,少 な い サ ン プ ル 数 で精 度 よい破 損 確 率 の 推 定 が 可 能 で あ る こ と,生 成 サ ン プ ル が,有 効 に破 損 確 率 算 出 に活 用 さ れ る よ うに す る こ とが,留 意 点 とな る.
少 な い サ ン プ ル で 効 率 的 に シ ミ ュ レー シ ョ ン を 行 う た め に,一 般 に分 散 減 少 法 を 適 用 す る こ とが 提 唱 され,
これ ま で各 種 分 散 減 少 法 が提 案 され て き た3戎9一11).そ の 中 の1つ で あ る重 点 サ ンプ リ ン グ法 に 着 目す る8).
重 点 サ ンプ リン グ法 は,破 損 に 寄 与 す る最 も 重 要 な 座 標 点(通 常,設 計 点 座 標 と呼 ばれ る)に よ り多 くの サ ン
プル を 集 中 させ,破 損 確 率 を 求 め る方 法 で あ る.
本 研 究 で は,基 本 確 率 変 数 が正 規 分 布 に従 う場 合 に っ い て,条 件 付 き期 待 値 原 理 に基 づ く シ ミ ュ レー シ ョン を 適 用 した構 造破 損 確 率 の 推 定 を行 う.一 般 に,条 件 付 き 期 待 値 原 理 に 基 づ く シ ミュ レー シ ョン で は,生 成 サ ン プ ル が全 て,破 損 確 率 推 定 計 算 に 活 用 され る が,さ らに 重 点 サ ン プ リ ン グ 法 を 条 件 付 き期 待 値 原 理 に 結 合 して 適 用 し,シ ミュ レー シ ョン の効 率 を高 め る こ と を試 み る.
種 々 の 計 算 例 に よ り,条 件 付 き期 待 値 原 理 の み に 基 づ く場 合 と,重 点 サ ン プ ン リ ン グ を結 合 した 条 件 付 き期 待 値 原 理 に 基 づ く シ ミュ レー シ ョ ン法 に よ る破 損 確 率 の 推 定 量 の精 度,そ の 分 散 減 少 効 果 に つ い て 比 較 検 討 す る.
構 造 シ ステ ム の信 頼 性 解 析 は,経 験 に よ る決 定 論 的 な 取 扱 い が な され て き た が,大 規 模 な構 造 シス テ ム に 対 し て は,十 分 な対 応 が 出 来 な い.そ こ で,Freudenthal1) は 構 造 シス テ ム に関 る各 要 因 の 不 確 実 性 を 考 慮 し,確 率 論 に基 づ い て構 造 シ ス テ ム の信 頼 性 解 析 を 行 う こ とを 提 案 した.確 率論 的 手 法 で は,構 造 シ ス テ ム に働 く外 部 荷 重 や 部 材 強 度 は確 定値 で は な く,統 計 的 変 動 を もつ確 率 変 数(以 下 で,基 本 確 率 変 数Xと す る)と して 定義 し,構 造 シ ス テ ム の応 答 等 を数 理 的 に モ デ ル 化 して 取 扱
う,
そ こ で,構 造 シス テ ム が 安 全 状 態 か破 損 状 態 か を 判 定 す る た め に,基 本 確 率 変 数 の 関 数 で あ る 限 界 状 態 関 数 g(濁 を 定義 し,こ の 限 界 状 態 関数 に よ り,g(理)>0の 場 合 は シス テ ム が安 全 状 態,g(濯)=0の 場 合 は限 界 状 態, g(濯)<0の 場 合 は破 損 状 態 を表 す.構 造 シス テ ム の破 損 確 率 は,確 率 密 度 関 数 に 関 して,シ ス テ ム が 破 損 状 態 に あ る領 域,す な わ ちg(濁 ≦0と な る領 域 上 の 積 分 と して 定 義 され る.し か し,こ の 積 分 は,複 雑 な 多 重 積 分 で 表 され るの で,解 析 的 に そ の 解 を厳 密 に 求 め る こ とは 困 難 で あ る場 合 が多 い た め,破 損 確 率 を 算 定 す る近 似 的 手 法 が 多 く 開発 され て き た.
FOSM法 やAFOSM法 な どの 線 形 化 近 似 法2)は,簡 易 な 方 法 で あ る が,限 界 状 態 関 数g(濁 が 多破 損 モ ー ド や 多 変 数 の 非 線 形 関 数 の 場合 に は,破 損 確 率 推 定 量 に誤 差 が 生 じる.一 方,シ ミ ュ レー シ ョン 法 は,複 雑 な解 析 平 成18年6月24日 受 理
*近 畿 大 学 理 工 学 部 機 械 工 学 科
**近 畿 大 学 工 業 高 等 専 門 学 校 機 械 シ ス テ ム 工 学 科 日本 機 械 学 会 関 西 支 部 第81期 定 時 総 会 講 演 会 に て 一
部 発 表
番 目の確 率 変 数 研 に着 目 し,こ れ を制 御 変 数 とす る.
こ の制 御 変 数 を 除 く疋一1個の変 数 を0許(q,防,...,研4, 研+1̲,硫)7と お く.
確 率 変 数 ベ ク トル 鞠 の あ る実 現 値 ベ ク トル 〃3に対 応 す る限 界 状 態 曲 面 上 の 点 で 制 御 変 数 〃1を求 め,そ の 点 よ り破 損 領 域 内 の 累積 確 率 を条 件 付 破 損 確 率 乃(〃11〃8)と して 計 算 す る と,構 造破 損 確 率 は,次 式 の よ うに.ん8(恥) に 関 す る 弓(〃11〃ε)の期 待 値 で 表 わ され る1乳戦
(8) こ こで,乃1(〃1)は,確 率 変 数 〃1の確 率 密 度 関 数, .ん8(賑) は,確 率 変 数 恥 の 結 合 確 率 密 度 関数,乃(〃11〃8)は,砕 μsに 対 応 す る 制御 関 数 〃1に対 して,限 界 状 態 関 数 が負
とな る条 件 付 破 損 確 率 で あ る.
シ ミュ レー シ ョン 計 算過 程 で は,式(8)の 期 待 値 を標 本 平 均値 か ら求 め る.す な わ ち,ん 試こ⑤ に 従 うサ ンプ ル ベ ク トル 〃3(1)を生 成 し,こ れ に対 応 す る 限 界 状 態 曲 面 上 の 点 の 制 御 変 数 〃1(ゴ)を求 め,そ の 点 を 基 準 に破 損 領 域 内 の 累積 確 率 を条 件 付 破 損 確 率 乃(〃1①1〃ε(らと して,構 造 破 損 確 率 の推 定 量,分 散 は 次 式 で 与 え られ る.
以 下 に,条 件 付 期 待 値 に 基 づ く シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ る 破 損 確 率 の 推 定 方 法 に つ い て 述 べ る.ま ず,限 界 状 態 関 数 が2変 数(2次 元)の 単 一 破 損 モ ー ドの 場 合 に っ い て 考 え る.
あ る サ ン プ ル 変 数 〃1(ゴ),〃1(田)に対 す る 限 界 状 態 曲 面 上 の 制 御 変 数 μ2(ゴ),π2(田)を乃@2,〃1>=0か ら 求 め る.そ
の 点 よ り破 損 領 域 内 の 累 積 確 率 を 条 件 付 破 損 確 率 と し て 求 め る.そ の 概 念 図 をFig.1‑A,FB斜 線 部 で 示 す.
条 件 付 破 損 確 率 を 求 め る 際 に,防=〃2(ゴ)を 積 分 範 囲 の 下 限 値 と す る 上 側 確 率 を 採 る か,砺=〃2(1)を 積 分 範 囲 の 上 限 値 とす る 下 側 確 率 を 採 る か の 問 題 が あ る.次 の 手 順 で そ の 判 断 を 行 う.限 界 状 態 関 数 式 乃(〃2⑦,〃1(ゴ))≦0から 制 御 変 数 π2⑦と サ ン プ ル 変 数 〃1①を 左 辺 と右 辺 に わ け る.
i)〃2ω<乃4(〃1(∫))の 場 合,下 側 確 率 ii)〃2ω 〉乃4(〃1ω)の 場 合,上 側 確 率
を 採 用 す る.Fig.1‑A,Fig.1‑Bの 場 合,斜 線 部 の 条 件 付 破 損 確 率 は,伍=〃2① の 積 分 範 囲 の 下 限 値 と す る 上 側 確 率 で あ る.ま た,サ ン プ ル 変 数 を 〃2①,制 御 変 数 を 〃1⑦
2.シ ミュ レー シ ョ ン に よ る 破 損 確 率 の 推 定 2.1構 造 破 損 確 率 の 定 義
た次 元 の 基 本 確 率 変数 』←(漏,澱,...,澱)τ は,そ れ ぞ れ 統 計 的 に独 立 で 時 間 に依 存 しな い 確 率 変 数 で あ る と す る.一 般 に構 造 シ ステ ム の破 損 確 率 身 は,次 式 の積 分 に よ っ て表 され る.
ノ 凸"ア
こ こ で,五 く濁 は 基 本 確 率 変 数 の 確 率 密 度 関 数,&〈 岡, σ=1,2,...,〃2)は 各 破 損 モ ー ドに 対 す る 限 界 状 態 関 数 で あ り,Dfは 次 式 で 表 さ れ る 破 損 領 域 で あ る.
限 界 状 態 関 数 に対 して,次 式 の 指 標 関数1身{・】を 定 義 す る.
r■ ・巳‑‑n
この 指 標 関 数1身{・】を 式(1)に導 入 す る と,破 損 確 率積 分 は 次 式 で表 され,式(4)は 確 率 密 度 関 数 ム(κ)に関す る 1捌 ・1の期 待 値 と して 表 され る.
従 っ て,モ ン テ カ ル ロ法 に よ る破 損 確 率 の 推 定 量 は, 基 本 確 率 変 数 の確 率 密 度 関数 五 〈濁 に従 うサ ンプ ル κ(ゴ), σ=1,2,̲,1>)を 生 成 して,次 式 を用 い て 求 め られ る.
こ こで,2>は シ ミュ レー シ ョン の総 サ ン プ ル 数 を表 す.
ま た,破 損 確 率 の 推 定 量 の 分 散 そ の 変 動 係 数 は,次 式 に よ り求 め られ る,
以 上 の シ ミュ レー シ ョン 計 算 の サ ン プ リン グ は,基 本 確 率 変 数Xの 全 定 義 域 に わ た るの で,構 造 破 損 確 率 の よ う
な小 さい 値 を精 度 良 く推 定 す る に は,非 常 に 多 くの サ ン プル 数 を必 要 とす る とい う問 題 が あ る.こ れ は破 損 に 寄 与 しな い サ ン プル が 多 く生 成 され る た めで あ る.
2.2条 件 付 き 期 待 値 に 基 づ く 破 損 確 率 の 推 定 基 本 確 率 変 数2←(渇,為,̲,瓦...,澱)礼 確 率 密 度 関 数 ム 〈濯),限 界 状 態 関 数g(濁 を 標 準 化 変 換 し,そ れ ぞ れ,
ひ=(砧,砺...,研,...,θ 差)礼ん(の,戻 の と お く.基 本 確 率 変 数0』(研,σ2,...,研,...,σ 彦ゾ に つ い て,任 意 の1
1-L.
A conditional failure probability for sample variable ui in two modes failure domain.
. ,,+„ _ _, . t,+„
Fig.3-A
A conditional failure probability for sample variable u, ('+' ) in two modes failure domain.
Fig.3-B
き く な る 方 の 値 〃2(躯 乃14(〃1(らを 積 分 範 囲 の 下 限 値 と し て 選 ぶ.サ ン プ ル 変 数 に よ っ て は こ の 関 係 が 逆 に な る 場 合 が あ る.そ の 例 をFig.3・Bに 示 す.こ の 場 合 は,
"2(汁1)=乃14(π1(汁1))〉〃2(ゴ+1)=麓1(〃1(f+1))であ る の で,上 側 確 率 の 大 き い と し て,〃2(ゴ+1)=乃ゴ1(〃1(ゴ+1うを 積 分 範 囲 の 下 限 値 と し て 選 ぶ こ と に な る.
2.3重 点 サ ン プ リ ン グ を 結 合 し た
条 件 付 き 期 待 値 に 基 づ く破 損 確 率 の 推 定 条 件 付 期 待 値 に 基 づ く シ ミ ュ レー シ ョン で は 生 成 サ ン プ ル は,全 て破 損 確 率 計 算 に 寄 与 す るが,破 損 確 率 推 定 に 最 も寄 与 す る領 域 に サ ン プ ル を集 中 して 生 成 す れ ば,よ り効 率 的 な分 散 減 少 効 果 が 得 られ る,そ こ で,式 (8)に,重 点 サ ンプ リン グ密 度 関 数 乃us(〃3)を導 入 す る, これ に よ っ て破 損 確 率 は,乃 価1〃5)伽(μ8)ノ妬8(〃s)の重 点 サ ンプ リン グ密 度 関数 乃認(〃8)に関 す る期 待 値 の 形 で 次 の よ うに表 され る.
Failure region Limite state surface---,
h (u1,u)=0 \
A conditional failure probability for sample variable U1 w
Fig.1-A
sample probability for A conditional failure
variable ul ('+' ) Fig. 1-B
P
A conditional failure probability for sample variable U2(1)
Fig.2
と した 場 合 の 条 件 付 破 損 確 率 をFig.2の 斜 線 部 に 示 す.
破 損 領 域 の 〃1ωは π1のくガ(〃2⑦)で あ り,砧=〃1ω を 積 分 範 囲 の 上 限 値 と す る 下 側 確 率 が 条 件 付 破 損 確 率 と な る, 次 に,2変 数(2次 元),限 界 状 態 関 数 が2個,す な わ ち2破 損 モ ー ドの 場 合 に つ い て 考 え る.
ま ず サ ン プ ル 変 数 π1⑦に 対 応 す る 制 御 変 数 〃2⑦を, 2個 の 限 界 状 態 関 数 に 対 し て そ れ ぞ れ 求 め,Fig.3‑Aに 示 す よ うに,〃2(ゴ)=乃14(〃1(ゴ)),〃2(ゴ)=乃ゴ1(〃1(ゴ))とす る.条 件 付 破 損 確 率 と して は,制 御 変 数 が 破 損 領 域 内 に あ る 確 率 で あ る の で,上 側 確 率 が,大 き く な る 方 の 値 を 積 分 範 囲 の 下 限 値 と し て 選 ぶ.今 の 場 合 は 図 か ら 解 る よ う に
〃2(ゴ)=乃14(〃1(ゴ))<〃2(ゴ)=乃ゴ1(〃1⑦)であ る の で,上 側 確 率 が 大
重 点 サ ンプ リ ング を結 合 した 条 件 付 き期 待 値 法 に基 づ く構 造 信 頼 性 推 定
構 造 破 損 確 率 の推 定 量 と分 散 は,次 式 で 求 め られ る.
A conditional failure probability for sample variable u1(1) generated by a multi-modal
importance sampling p. d. f.
Fig.5-A (13)
重 点 サ ン プ リン グ 密 度 関 数 に 従 うサ ン プ ル に対 す る条 件 付 破 損確 率 の概 念 図 をFig.4に 示 す.こ の 場 合 の計 算 は,式(12)か ら解 る よ うに,破 損 確 率 の 推 定 量 を求 め る 標 本 値 の 各 項 に,修 正 項 海(〃1ω)1乃朋(〃1(らを乗 じた も の と な る.
A conditional failure probability for sample variable u, ('+' ) generated by a multi-modal importance sampling p. d. f
Fig.5-B for sample
importance failure probability
generated by an
A conditional variable U1(1)
sampling p.d.f.
Fig.4
こ こで,あ,σ=1,2,…,切 は,各 破 損 モ ー ドに 対 応 す る 信 頼 性 指 標2)で あ る.
多 峰 性 重 点 サ ン プ リ ン グ密 度 関 数 に 従 うサ ン プ ル に 対 す る条 件 付 破 損 確 率 の 計 算 の 概 念 図 をFig5‑A,yB
に示 す.
図 の よ うな2変 数 の場 合,制 御 変 数 を μ2と す る と, 多 峰 性 重 点 サ ン プ リ ン グ密 度 関 数 は,限 界 状 態 関 数 乃1(〃1,〃2)=0と 乃2(〃1,〃2)=0に 対 応 す る ガ 研(〃1)と 乃㌔(〃1)の2種 の 関 数 か らな る多 峰性 密 度 関数 が構 成 さ せ る.乃1研(〃1)と〆 ㎝(〃1)からの サ ン プ ル 生 成 数 は,各 限 界 状 態 関数 の 信 頼 性 指 標 か ら求 め た 重 み式(15)に 応 じて 配 分 され る.多 破 損 モ ー ドで あ り,今 の場 合限 界 状 態 曲 面 が2個 あ る の で,上 側 確 率 を 求 め る制 御 変 数 の 積 分 下 限 値 は,Fig.5‑Aの 場 合 は,〃2(り=乃14(〃1(ゴ)),Fig5‑Bの 場 合 は,〃2ω=尻1(〃1⑦)を 用 い る,
2.4多 峰 性 重 点 サ ン プ リ ン グ を 結 合 し た 条 件 付 き 期 待 値 に 基 づ く 破 損 確 率 の 推 定 限界 状 態 関数 が複 数 個 存 在 す る場合,す な わ ち 多破 損 モ ー ドを 有 す る構 造 シ ス テ ム の信 頼 性 解 析 に 重 点 サ ン プ リン グ法 を適 用 す る場 合,限 界 状 態 関 数 ご とに 重 点 サ ン プ リ ン グ密 度 関数 を構 成 す る必 要 が あ る.そ して,各 重 点 サ ン プ リ ン グ密 度 関 数 を 多 峰 性 の密 度 関 数 と し て 構 成 し,そ れ ぞ れ の 限 界 状 態 関 数 が 破 損 確 率 に 寄 与 す る レベ ル に応 じて,こ の 多 峰 性 重 点 サ ンプ リン グ密 度 関 数 に従 うサ ン プ ル を生 成 す れ ば,全 て の 限 界 状 態 関数 を加 味 した重 点 サ ン プ リン グ 法 を行 う こ とが で き る.こ れ が 多 峰 性 重 点 サ ン プ リン グ 法 蝦5)で あ る.多 峰 性 重 点 サ ン プ リン グ密 度 関 数 は,各 破 損 モ ー ドご と に関 連 付 け た 局 所 的 重 点 サ ンプ リン グ密 度 関 数 が 顔 〃5),σ=1,2,̲, 切 を結 合 さ せ て 多 峰 性 重 点 サ ン プ リン グ密 度 関 数 と し て,次 式 の よ うに 決 定 され る.
3.シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 計 算 例
提 案 手法 の 有 効性 を検 討 す る た め に,以 下 に 示 す 限 界 状 態 関 数 を もつ 構 造 シス テ ム の破 損 確 率 に っ い て,種 々 の シ ミュ レー シ ョン に 基 づ く推 定 を行 い,指 定 され た サ
乃ひ3(κs)=犀
1蝿5("∫)('4)
こ こ で,吻,(1=1,2,̲,加)は,多 次 元 結 合 標 準正 規確 率 分 布 Φ(うを用 い て次 式 の よ うに 決 定 され る 各破 損 モ ー ドに対 す る重 み 係 数 で あ る ,
理 工 学 部 研 究 報 告 第42号
arison of estimations for Case 1 Com
Table 1
10000 100 1000
Sample size N Method
1.8 74 0.17 1.1 300 0.02 3.0
570
Pf x10-2 c.o.v. x 10-3 Processing time
(Sec) M.C.S.
1.78 28.5 0.41 1.74 86.0 0.04 2.44
309 Pf x10-2
c.o.v. x 1 O-3 Processing time
(Sec) C.E.
1.70 15.6 0.31 1.63 50.0 0.03 1.08 215 Pf x10-2
c.o.v. x 10-3 Processing time
(Sec) I.S.
1.69 4.08 0.47 1.67 13.4 0.05 1.72 36.2 Pf x10-2
c.o.v. x 10-3 Processing time
(Sec) C. I. S.
(Proposed method)
Pf x10-2 1.69 Exact
ンプ ル 数 に 対 して,破 損 確 率 の推 定 量,そ の 変 動 係 数, 所 要 計 算 時 間 を比 較 した 。
シ ミュ レー シ ョ ン計 算 例 で用 い た 確 率 変 数 は,全 て標 準 正 規 分 布 に従 う もの と し,用 い た 正 規 乱 数 は,一 様 乱 数 をボ ック ス ・ミュ ラ ー法 に よ り変 換 し生成 した,一 様 乱 数 の 等 確 率性,系 列 相 関 お よび連 の 検 定 に は 有 意 水 準 5%で 棄 却 され な い こ と を確 認 した.使 用 計 算 機,言 語 は 配C製EWS4800/310PX,FOR㎜ で あ る.
計 算 例 で,厳 密 解 が与 え られ て い な い 構 造 シ ス テ ム の 場 合,サ ンプ ル数 をN』109と した原 始 的 モ ンテ カル ロ ・
シ ミュ レー シ ョン に基 づ く推 定 結 果 を厳 密 解 と して い る.
比 較 に用 い た破 損確 率 推 定法 と して,原 始 的 モ ンテ カ ル ロ ・シ ミュ レー シ ョン をM.C.S.,設 計 点 に 中 心 を も つ 重 点 サ ン プ リン グ法 を1、S.,多 峰 性 重 点 サ ン プ リン グ 法 をM.1.S.,提 案 手 法 と して,設 計 点 に 中心 を もつ 重 点 サ ン プ リ ン グ を 結 合 した 条 件 付 き 期 待 値 に 基 づ く シ ミ ュ レー シ ョン 法 をC■S.,各 限 界 状 態 関 数 の設 計 点 に 中心 を もつ 多 峰 性 重 点 サ ン プ リン グ を結 合 した 条 件 付 き期 待 値 に よる 方 法 をC.M.1.S.,条 件 付 き期 待 値 に基 づ く シ ミュ レー シ ョン の み に よ る方 法 をC.E.と す る.
ま た,表 中 の破 損 確 率 の 推 定 量欄 の"一"の 記 号 は,サ ン プ ル 数 が少 な くて,破 損 事 象 を 再 現 出 来 な か っ た こ と を 表 し,計 算 時 間 の 場 合 は,α01以 下 で あ っ た こ とを示 す.
結 果 を 比 較 す る表 中 で は,以 上 の 記 号 を 用 い て 表 す, 3.1Case1数 値 計 算 例1
1破 損 モ ー ドの場 合 を考 え る.限 界 状 態 関 数 は 次 の2 変 数 関 数 で あ る.
基 づ く シ ミ ュ レー シ ョ ン法 を採 っ て い る の で,サ ン プ リ ン グす る確 率 変 数 の 次 元 数 が1つ 減 す こ とが で き,計 算 時 間 が 節約 され る は ず で あ る.し か し,相 対 的 に 多 くの 時 間 が か か って い る理 由 は,重 点 サ ン プ リン グの み の場 合 に 比 べ,条 件 付 破 損確 率 の計 算 に 時 間 が か か っ て相 殺
され て い る と考 え られ る.
(16) 9(x)=κrx2+3
3.2Case2数 値 計 算 例2
4破 損 モ ー ドの場 合 を 考 え る.限 界 状 態 関数 は,そ れ ぞ れ 次 の2変 数 関 数 で あ る.
91(X)二 麹 一x2+4 92(X)=5κrx2+13
9、(X)=‑6挽 一x2+2・(17) 94(X)一 一隔 一 κ2+9
こ の 場 合 の 破 損 確 率 の 厳 密 解 は,8.7×10β で あ る.各 種 手 法 の 比 較 結 果 をTable2に 示 す.
Caselの 場 合 と 同 様 に,条 件 付 き 期 待 値 に 基 づ く シ ミ ュ レー シ ョ ン に よ る 推 定 法 の 場 合(CE.)で は,M.C.S.
の 場 合 と 同 様 に,推 定 量 の 精 度,変 動 係 数 と も,M.1.S.
やC.MJ.S.な ど他 の 手 法 に 比 べ,悪 い 結 果 と な っ て い る.
多 峰 性 重 点 サ ン プ リ ン グ(M.1.S.)お よ びM.1。S.を 結 合 した 条 件 付 き 期 待 値 に 基 づ く シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 法 で あ る 提 案 手 法(C。M.1.S)の 比 較 で は,計 算 時 間 の 違 い が あ る が,分 散 減 少 効 果 が 大 き く,提 案 手 法 は 有 効 な 手 法 で あ る こ と が 判 る.M.1.S.やCM.1.S.の 場 合,推 定 量 が, こ の場 合 の 破 損 確 率 の 厳 密 解 は1.69×1σ2で あ る,
Tablelよ り,条 件 付 き期 待 値 に 基 づ く シ ミ ュ レー シ ョンの み に よ る推 定 法(CE.)の 結 果 をみ る と,原 始 的 モ ンテ カ ル ロ ・シ ミュ レー シ ョン(M.C.S.)の 場 合 に 比 べ て 推 定 量 の変 動 係 数 は 小 さ くな っ て い るが,計 算 時 間 がM.C.S.の 場 合 に比 べ て増 加 して い る,CE.に よ る推 定 量 の 精 度 と変 動 係 数 も,他 の 手法(M工S.やC.MI.S.) に 比 べ て,結 果 は あま りよ くな い.C.E.で は,生 成 され る サ ン プル はM.C.S.の 場 合 と変 わ らな い が,条 件 付 き 期 待 値 に基 づ く シ ミュ レー シ ョン に よ りサ ン プ ル が 有 効 に破 損 確 率 推 定 に活 用 され る の で,変 動 係 数 はM.C。S.
の 場 合 よ り小 さく な る と考 え られ る.ま た,C.E.で は, 今 の 場 合 〃1一 変 数 だ け を 生成 す れ ば よ く,サ ン プ リ ン グ す る 確 率 変 数 の 次 元 数 が1つ 減 らせ る利 点 が あ る,し か し条 件 付 き 期 待 値 に 基 づ く処 理 の 計 算 時 間 が か か っ て,M.C.S.の 場 合 よ り,計 算 時 間 が増 大 す る欠 点 もあ る.
一 方,設 計 点 に 中心 を もつ 重 点 サ ン プ リン グ(1.S.) に よる場 合 は,M.C.S.の 場 合 に 比 べ,破 損 確 率 推 定 量 の 精 度 も よ く,推 定 量 の 変 動 係 数 も小 さい 値 とな って い る,
サ ン プ ル 生 成 に 重 点 サ ン プ リン グ を 結 合 した 条 件 付 き期 待 値 に 基 づ く提 案 手 法(C.1。S.)によ る結 果 を見 る と, 破 損 確 率推 定 量 の 精 度 も よ く,変 動 係 数 も小 さ く,効 率 的 な 手法 で あ る とい え る.た だ し,計 算 時 間 に関 して は, 他 の方 法 と大 差 は な い.C.1.S.で は,条 件 付 き 期 待 値 に
重 点 サ ンプ リ ングを 結 合 した 条 件 付 き期 待 値 法 に基 づ く構 造 信 頼 性 推 定
arison of estimations for Case 3 Corn
Table 3 Comparison of estimations for Case 2
Table 2
10000 1000
Sample size N 100 Method
2.0 70 0.51
Pfx10-4 C.O.V. x 10-2 Processing time
(Sec)
M.C.S.
0.68 23 0.75 1.13
83 0.07 0.014
74 Pfx 10-4
C.O.V. x 10-2 Processing time
(Sec) C.E.
1.85 2.03 1.0 80
55 .1 1.
6.
0 1.33 23.7
Pf X 10-4 c.o.v. x 10-2 Processing time
(Sec)
M.I.S.
1.75 0.86 1.6 1.77
2.69 0.16 1.83
7.77 Pfx 10-4
c.o.v. x 10-2 Processing time
(Sec) C.M.I. S.
(Proposed method)
1.74 Pf x10-4
Exact 10000
100 1000 Sample size N
Method
9.6 10 0.18 0.1
31 0.02 0.2
70
Pf x 10-3 c.o.v. x 10-2 Processing time
(Sec)
M.C.S.
9.7 7.6 0.33 9.52
24 0.03 20.8
64 Pf X 10-3
c.o.v. x 10-2 Processing time
(Sec) C.E.
8.49 1.74 0.28 8.26 5.64 8.61
17.1 Pf x 10-3
C.O.V. x 10-2 Processing time
(Sec) M.I.S.
8.49 0.91 0.3 8.48 2.90 0.03 8.48 9.38 Pfx 10-3
c.o.v. x 10-2 Processing time
(Sec) C.M.I.S.
(Proposed method)
8.70 Pf x10-3
Exact
ミ ュ レー シ ョ ン に よ る 推 定 法 の 場 合(C.E)で は,M.C.S.
に 比 べ て,推 定 量 の 精 度,変 動 係 数 と も,良 い 結 果 を 与 え て い る,し か し,他 の 手 法(MI.S.,C.M.1,S.)に 比 べ, 著 し く 悪 い 結 果 と な っ て い る.一 方,提 案 手 法C.M.1.S。
の 場 合 は,CE.とM工S.の 場 合 の 合 計 に 近 い 計 算 時 間 を 要 す る が,結 果 と して 得 られ る 推 定 量 の 精 度 も よ く,相 対 的 に 変 動 係 数 は 小 さ い の で,提 案 手 法 は 有 効 な 手 法 で あ る,
4.結 論
シ ミュ レー シ ョン に 基 づ い て,構 造 シス テ ム の破 損 確 率 の推 定 を 行 う場 合,条 件 付 き期 待 値 に基 づ く シ ミュ レ ー シ ョン に よ る推 定 法 で は,分 散 減 少 効 果,推 定 量 の 精 度 に 関 して は,好 ま しい 結 果 を得 る こ とが 出 来 な か っ た.
こ の理 由 と して,条 件 付 き 期 待 値 に 基 づ く シ ミ ュ レー シ ョン に よ っ て 生 成 され る サ ン プル は,全 て破 損 確 率 に 寄 与 す る こ とが 出 来 る が,原 始 的 モ ンテ カ ル ロ ・シ ミュ レ ー シ ョン と同 じで,破 損確 率 の 算 出 に 重 要 な領 域 へ の サ ン プル 生 成 とは な らな い こ とが 原 因 で あ る.し か し,条 件 付 き期 待 値 に 基 づ く シ ミ ュ レー シ ョン に よ る推 定 法 を重 点 サ ン プ リン グ法 と結合 す る こ とに よ り,重 点 サ ン プ リン グ法 の み の 場 合 に 比 べ て,推 定 量 の 精 度,分 散 減 少 効 果 が 著 し く向 上 す る こ とが 判 っ た,
本 研 究 で は,重 点 サ ン プ リン グ密 度 関数 は,設 計 点 座 標 を用 い て構 成 した,し か し,条 件 付 き期 待 値 に基 づ くシ ミュ レー シ ョン に よ る推 定 法 で は,次 元数 を1っ 減 じた 重 点サ ン プ リン グ密 度 関数 を構 成 す る 必要 が あ り,設 計 モ ンテ カル シ ミュ レー シ ョン に よ る厳 密 解 に 比 べ,小 さ
く算 出 され て い る,こ の 理 由 と して,多 破 損 モ ー ドの 信 頼 性 解 析 に 対 して,多 峰 性 重 点 サ ンプ リン グ を行 うた め に は,各 破 損 モ ー ドの限 界 状 態 関 数 ご とに重 点 サ ンプ リ ン グ に よ っ て サ ン プル を集 中 させ る た め,1破 損 モ ー ド 信 頼 性 解 析 問 題 の場 合 と同 じサ ン プル 数 で は,相 対 的 に サ ン プル 数 が 少 ない た め で あ る と考 え られ る.サ ンプ ル 数 を100000ま で大 き くす る と,厳 密 解 に近 い 推 定 量 を 与 え る こ とが わ か っ て い る.今 後 この 問 題 に対 処 す るた め に,シ ミュ レー シ ョン に際 して,サ ン プル 数 に 対 応 し た 破 損 確 率 の 推 定 量 の 比 較 で は な く,目 標 変 動 係 数 を指 定 して,目 標 変 動 係 数 を もつ 推 定 量 を得 る た め に 要 す る サ ン プ ル 数 計 算 時 間 を比 較 す る こ とが 必 要 で あ る, 3.3Case3数 値 計 算 例3
4破 損 モ ー ドで,限 界 状 態 関数 が,そ れ ぞ れ6変 数 関 数 で あ る場 合 を考 え る.こ の 場合 の 破 損 確 率 の厳 密 解 は, サ ンプ ル 数N』109の 原 始 モ ン テ カ ル ロ ・シ ミュ レー シ
ョ ン に よ り求 め,1.74×104で あ る.
(18)
g1(X)= xi +x2 +x3 +x4 +x5 -x6 +11 g2(X)=xi -x2 -x3 -x4 -x5 -x6 +9
g3 ( (X) = -x1- x2 + x3 +x4 + x5 - x6 +10 g4(X)=-2x1 -x2 -x3 -x4 -x5 -x6 +12
各 種 手 法 の 比 較 結 果 をTable3に 示 す.Table3は, 多 変 数,多 破 損 モ ー ドの 場 合 で あ る.
Case2の 場 合 と 同様 に,条 件 付 き期 待 値 に 基 づ く シ
理 工 学 部 研 究 報 告 第42号
点 座 標 を用 い た 重 点 サ ン プ リン グ密 度 関数 が 最 適 な サ ン プ リ ング密 度 関数 で あ る か の 理 論 的 根 拠 が な い.そ こ で,条 件 付 き期 待 値 に基 づ く シ ミュ レー シ ョン に よ る を 適 用 す る場 合 の 最 適 な 重 点 サ ン プ リ ン グ密 度 関数 の構 成 につ い て,検 討 す る こ と が重 要 で あ る.こ れ は今 後 の 研 究 課 題 で あ る.
参考文献
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