経済不況下における民間住宅開発形態の変容 : 台 湾の三大都市圏における民間分譲住宅開発実態
著者 商 聖宜, 野嶋 慎二, 桜井 康宏
雑誌名 福井大学工学部研究報告
巻 51
号 1
ページ 55‑62
発行年 2003‑03
URL http://hdl.handle.net/10098/3121
M6m.Fac.Eng.Fukui Univ。,Vol.51,No.1(M町。h2003)
経済不況下における民間住宅開発形態の変容
一台湾の三大都市圏における民間分譲住宅開発実態一
商 聖宜*
野鴨慎二軸 桜井康宏淋
Tmms血g㎜mti㎝of仙6Ho㎜si㎎1Deve1opm㎝tP洲emas仙。EcommicDepmssi㎝
一Thωeve1opm㎝tC㎝ditiomsof仙ePriv独Comdomimi㎜m im mr㏄Metmpolitam Amas ofTaiw㎜一 Shemgyi SHANG,S阯mji NOZIMA amd Yas凹阯m SAKURAI
(Received Febmary19.2003)
The economic has been plunged into depression sin㏄1990,and it caused the serious e舖ect to the private constmction industry in Taiwan.The purpose of this paper is to find out the tr㎝sfiguration ofthe housing deve1opment as the ecommic depression.In this paper,it used the data of private condominium deve1opment in each of3metropolitan areas,and examined the year s transition ofdeve1opment pattem丘。m1991t02000.The d㏄ade is divided into帥。 stages for each5years,and we analyzed the di価erences ofeach index between the丘rst and second stage.
Fina11y,as the血ans的㎜ati㎝of the development body s character,we arranged the transnguration ofdeve1opm㎝t pattem about pr句㏄t deve1opment strategy(volume/1ocation)and housing危㎜s血ategy(housingtype/estateuse).Atlast,wepresentedthehypotheticalmode1in3
urban areas.
κ印〃b7必:Private Condominium,Housing Deve1opment,Economic Depression,
Transfigurati㎝,Taiwan,Three Metropolitan Areas
1.研究の目的と方法
1970〜80年代に長く続いた台湾の好景気も,90 年代から経済全体の不況化に突入し,民間建設業者 に大きな影響を与えて,財務困難・倒産など深刻な 事件が次々と起こった.このような背景から本研究 では,経済不況下における住宅開発形態の変容を明
らかにすることを目的とする.
研究方法として,まず台湾全体の不況化の実態お よび問題点を整理し,続いて三大都市圏それぞれの 民間分譲住宅開発データを用いて,1991年から2000 年までの住宅開発指標の経年推移を考察した.なお,
‡大学院工学研究科システム設計工学専攻
榊大学院工学研究科ファイバーアメニディエ学専攻
‡Graduate Student, Course of System Design Eng.
榊Gradua t e Schoo1 of F iber Amen i t y Eng.
分析にあたって,10年間を5年ごとに前期と後期に 分けて,各指標別に前・後期の差を分析した.さら に,それから得た変容の実態について開発業者にヒ ヤリングを実施し,変容要因を考察した.これらの 分析をふまえて主体規模別に変容の基本性格を把握 し,それに従ってプロジェクト開発戦略(量的開発 戦略・立地的開発戦略)および住宅開発企画戦略(住 宅形式企画戦略・用途構成企画戦略)に関する変容 を整理し,仮説モデルの構築を行った.
2.住宅市場不況化の実態
2−1.経済社会的背景
台湾においては1970年代に不動産市場が好景気 になり,1974年に住宅価格が高騰したため,住宅価 格抑制政策が公表された.1980年代には通貨膨張に なってきたため,1989年にインフレ抑制政策が公表 された.このように1970〜80年代は経済の成長期で あった.しかし1990年代前期の1993年に世界的不
56
祝の影響を受け,さらに後期の1997年には山間部の 土石流による団地崩壊事故が発生したため,山間部 における建築行為が制限され,1998年にはアジア金 融危機によって大手建設会社の財務困難が深刻とな った.これに対して政府は,不動産振興法案を公表 する一方, r国民住宅」の建設を停止した.しか
し,1999年には「集集大震災」が起り,住宅市場に 大きな影響を与え,建設会社倒産が深刻になった.
政府は中小建設企業に400億元を融資し,住宅購入 補助も1500億元に拡大した.この間,2000年の総 統選挙で民進党疎水房総理が当選し,初の政権交替
という政治環境の変化にもかかわらず,不況は深刻 化し続け,大手建設会社は「開発停止」を宣言し,
民間奨励「国民住宅」の建設も停止され,多くの銀 行倒産が発生した.政府はさらに3200億元の住宅購 入補助を投入したが,1970〜80年代の好景気と比べ れば,1990年代の台湾の経済不況はますます明らか
になった.
2−2.住宅市場の変容
以上のような経済動向を統計的にみたものが図1 である.台湾行政院主計処による「経済成長率」を みると,1970〜80年代には成長率10%前後で上昇と 下降を繰り返しながら推移していたのに対して,
1990年代には6〜8%程度の範囲で下降ぎみに安定し,
2001年にはマイナスに転じている.一方,台湾行政 院内政部建築研究所による「不動産景気指標」1)に よると,70年代から80年代前半には小さな上昇と下 降を繰り返していたが,80年代後半に急上昇し,1993 年にピークに達したのちに急激な下降をみせている ことがわかる.以上のことからみれば,不動産景気 は,経済成長そのものより遅れて好況のピークをむ かえつつ,不況の影響を一気に急激に受けて深刻化
していることが伺われる.
続いて,台湾行政院内政部営建署「建造執照統計」
の各年度版により1985年以降の総建築着工および住 宅着工の動向を示したものが図2である.三大都市 圏共通のマクロな傾向として1990年代前期に大きな ピーク,後期に小さなピークがみられ,近年の着工 量は下降傾向にあることが伺われるが,台北市の住 宅建設が1985年以前にすでにピークが現われ,台北 県でもピークは1990年とやや早くなっている点と,
高雄県では未だピークが形成されていない点が特徴
的である.
さらに,90年代における三大都市圏の民間分譲住 宅の開発量および開発主体数を示したものが図3,図 4である.開発件数・戸数および開発主体数について も,前述の建築着工のマクロな傾向とほぼ同様に90
111
108
105
102
99 71
14 12 10
8 6 4 2 1●
12 10 8 6 4 2 1●
12 10 8 6 4 2 1●
12 10
8 6 4 2 1●
12 10
8 6 4 2 1●
12 10
8 6 4 2 0
一不動蟻:気指標 べ一経済成長率
73 75 77 79 81 83 85 87 89 91 93 95 97 99 01
図1.不動産景気および経済成長率の推移
三 ∵㌻∵
I l
・叶烹汽1二十
1 3433万㎡l
l 1 l l
1台中市
が一岬、..==、.、.、.・
l I I 台中県
高雄市
..紬・
5906万㎡1 3210万㎡1
4733万㎡1 2978万㎡・
…一II ……P…
5 7万㎡I
3{81万 ㎡
1高雄県 。川万、㎡
H21万 ㎡
85868788899091 92939495969798990001
図2.三大都市圏の建築着工面積の推移
XlOO件 X万戸 一一一一一 一一 一一 一一 10
台北 小件数 ε
φ戸数 ;\瓜\、ほ
……
;。
台中 三
; 5、〜==㌧/\=、 隻
十 ㌧は
高雄
!同一 ̲
㌧1氏、
91 92 93 94 95 96 97 98 99 00
図3.民間分譲住宅開発量の推移
酬
24%脳
16%12%
眺
4%
脳 4%
年代前期に大きなピーク,後期に小さなピークを もつ漸減傾向を示している.このことから,三大 都市圏における纏建築着工,住宅着工,民間分譲 住宅開発のいずれの指標も経済の動向に強く影 響を受けてきたことが理解できる.
3.プロジェクト開発戦略の変容
3−1.開発量による主体別分類
以上のような中にあっても,開発主体規模によ って影響の受け方と対応の仕方が異なると考え られるため,開発主体の性格を10年間に同じ主 体名で行われてきたプロジェクトの合計戸数に より5タイプに分類した.即ち,r広域主体:三 大都市圏のうち2都市圏以上で事業をもつ主体」,
「大規模主体:1地域のみの主体で開発戸数合計 200戸以上」,「中規模主体:同じく50〜199戸」,
「小規模主体:同じく50戸未満」,「個人主体:
個人名の開発主体」である.
開発主体別の戸数割合の構成を示したものが 図5である.広域主体はいずれの指標でみても高 雄〉台中>台北の順であり,高雄の戸数比では 17%を占めているのに対して個人主体が逆順と
なっている.
続いて開発主体別による戸数割合の推移を示 したものが図6である.三大都市圏とも90年代 初に20〜40%程度を占めていた個人主体が急減 しているが,台北・台中ではそれに代わって小規 模主体の増加が目立つのに対して,高雄では大規 模主体の増加が顕著となっている.これらの推移 の特徴を90年代の前・後期別に整理したものが 図7であり,三大都市圏とも大規模主体の戸数割 合が圧倒的に高いとはいえ,相対的には,【台 北・台中:中小規模主体】,【高雄:大規模主体】
という性格が強まりつつあることが確認できる.
3−2.量的開発戦略の変容
.一ツの開発主体名が関わるプロジェクト数の 構成を示したものが図8である.三大都市圏とも プロジェクト数が1件しかない主体が半数以上を 占めており,極めて多くの主体が単発的・非継続 的な開発に関わっていることが分かる.
続いて1主体当りプロジェクト数の推移を示し たものが図9である.台北では安定的に微増傾向 をみせているのに対して高雄と台中では前期の 縮小傾向から後期の拡大傾向に転じていること と,高雄のプロジェクト数が一貫して高位で推移 していることがわかる.
700 600 500 400 300 200 100 0
図4.
舳
45%
舳
15%
舳 蜥 鰍
15%
舳 蜥 鰍
15%
0%
台北
台中
高雄
ぺ\∵三菱ビ
高雄
画広域■大規模口中規模口小規模■個人
O% 20% 40 60 80% 100%
91 92 93 94 95 96 97 98 99 00
民間分譲住宅開発主体数の推移 図5主体別戸数割合の構成
70% 15%
→一応城 1一大規模 …
60% 1眺
→F小規模 一…個人台北
脳
5%
舳
畔 ノ 舳 眺 !〆{H 猟 挑
\ 1眺 舳
7眺 ㎜ 台中 6①% 1眺
脳
5%
∠\い…・・一Ψ・ 帆 脳
舳{%
酬
1眺 一1眺 ㎜ ㎜ 60% 1眺
舳
5%
帆
眺 脳
\ 慧 為
則}一』舳1一一L 一⊥・一」 09毛 _15%
91 92 93 議 95絶 97 98 99 00 広域 大規模 中規模 小規模 個人
図6.主体別戸数割合の推移 図7.前後期別にみた主体別戸数割合
とその変化
別件■2件D3件口4件■5件国6件以上 件ノ主体
1.6 i.5 :1;
1川女吋
1.1
1.〇 一・・・・・・・・・・…
O% 20% 4コ肌 60% 80% 100% 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00
図8・主体によるプロジェクト数図9.1主体当りプロジェクト数
の構成 の推移
件!主体
5
前期:白抜き後期:黒塗り 台北
台北 困後期[コ前期
遇、
^台中
一難
聰、
高雄
鍵
≡轟
字域
⑭ぐ
個人台中 大規模
々_へ
魚
広域
や鳥
中規模
!紅働
小規模 肴 中規模・、 σ 個人
0 30 60 90 120 150戸/件180 一図10.主体別にみた量的開発戦略の変容
58
そこで開発主体による量的開発戦略を考察す るため,1主体当りプロジェクト数と1プロジェ クト当り戸数の変容を前・後期別にまとめて整理 したものが図10である.三大都市圏それぞれの 平均をみると, 【台北・台中:1主体当りプロジ ェクト数微増・1プロジェクト当り戸数減】であ るのに対して, 【高雄:1主体当りプロジエクト 数増・1プロジェクト当り戸数微増】という性格 の違いをみせていることがわかる.
これを主体別にみると,高雄の大規模主体のみ が【1主体当りプロジェクト数増・1プロジェク
ト当り戸数微増】という傾向をみせであり,高雄 における大規模主体数そのものの増加が上記平 均値の動向に大きな影響を与えることが読み取
られる.
1コ広域■大境検口中規模■小糧検口個人
2舳
台 1舳 台北一命・一台北果
.一後期 傘.、へ..加、、.、、
北原粛 A一■■一
Aぶ1城マ・舳.1舳㌦=
後期
一㎜ ・・
台中 一一_一=,・一…台中県
台市後期一
@ 1 、 〆…5、
…一一一一一 」 O%4片L一」≠下一・L㍉」
中果 ! ・舳 寸
後期
高1幾 ド∵、↓驚1=
o%
前期 広い舳 ...一郷に人一 雄^ 舳 ←・
後期 一20 ・・
096 50% 100%
3−3.立地的開発戦■各の変容
これらの変容を開発地の立地的観点から検討 するため,県・市部別に主体別開発戸数割合の 前・後期構成および変化値を示したものが図11 である.前期から後期にかけて増加が顕著である のは,台北【市部:広域十大規模,県都:小規模 十中規模】,台中【市部:大規模,県都:小規模 十中規模】であるのに対して,高雄では【市部:
大規模,県都:広域】が極立ち,小中規模主体は 市部・県都ともに減少している.ここからも高雄 における近年の大規模主体の位置づけの大きさ
が伺われる.
4.住宅開発企画戦略の変容
4−1.住宅形式の変容
プロジェクトの住宅形式については,「共同住 宅」, r非共同住宅」およびr複合住宅(共同住 宅十非共同住宅)」に3分類した.10年間の合計 からみたものが図12である.台北では共同住宅 が9割以上であるのに対して,台中・高雄では6 割強にとどまっている.
この年度別推移を示したものが図13,前・後期 別にまとめたものが図14である.三大都市圏と
も【非共同住宅増,共同住宅減】が読み取れるが,
とくに台中の変化が大きい点が注目される.
このような非共同住宅増加の要因について開 発業者にヒヤリング調査の結果,一般的には非共 同住宅の建設コストが比較的に低く,工事期間が 短く,資金回収が容易であるために,近年の非共 同住宅の開発が多く行われてきたとのことであ る.しかし,台北では,首都として都市化が最も
100%
㎜
㎜ 伽 酬
100%
㎜ 舳 伽
㎜
100%
㎜
㎜ 伽 洲
帆
図11.前後期別・県市別にみた主体別戸数割合とその変化値
台北
台中
高業
O% 2096 40% 60% .80.6 100%
図12.住宅形式の構成
搬帥 三 …繋輸
…紗…複合住宅
伽
舳 獅
100 へ ㎜
、 台中 酬 、・・…◆ ㎜
へ・・◆.一川ノ 伽
棚 ㎜
…㈱・一・・伽…{』一個 個 炉{』1・場 10
洲
㎜・…ぺ・…◆、 舳く、 洲 ・吋・ノ I・、㎜ κ
伽 一1舳
伽 酬
伽
仙
91 92 93 94 策 96 97 90 99 00 非共同住宅 共同住宅 種合性宅
図13.住宅形式の推移 図14・前後期別にみた住宅形式 とその変化値
台北
庫】前編
}後期¥創合
.謁.... 。。 。。.
台中
一
商業
期 後 期
●共同住宅 口複合住宅
60伽
40
洲
・20 ■o
珊
10
図15.前後期にみた主体刑住宅形式の備成および変化値3〕
進んでおり,地価が高いため,土地利用収益の 少ない非共同住宅開発を実現する可能性が比 較的低いこと,一方,高雄の場合は,主流とな りつつある大規模主体にとって,資金不安が比 較的に少ないため,非共同住宅の増加が顕著で ないとのことであった.
続いて主体刑でみた住宅形式の前・後期別構 成および変化値を示したものが図15である.
三大都市圏とも非共同住宅の割合は前・後期と も【小規模〉中規模〉大規模】の順であり,いず れの規模でも前期から後期にかけて非共同住 宅の割合を増加させているが,その変化が小規 模および中規模で顕著であることが読みとれ
る.
最後に住宅形式の変容を県・市別に示したも のが図16である.台北・高雄では県都・市部
ともに変化が少ないが,台中では県都・市部と もに非共同住宅が増加し,共同住宅が減少して きた傾向が顕著に現われており,とくに県都で の変容が大きくなっている.
高市
台北 ◆ 台北市 ・v 台北県
・一一・シ由一一谷一一」
共同住宅 複合住宅
台中 ム 台中市
…台中県
r−L一一一一一」一一一一
ヤ十
㌔拝住宅、I舶住宅
・ムー
商業 ...■..衛絶市
叫一島渥県
共同住宅 複合住宅
4−2.用途格成の変容
用途構成については「専用住宅:専用住宅の みのプロジェクト」,「店舗併用:店舗併用住 宅を含むプロジェクト」,「非住宅複合:オフ ィス・ショッピングセンターなどの非住宅を含 むプロジェクト」の3タイプに分類した.
用途構成の全体合計を示したものが図17で ある.三大都市圏のいずれも店舗併用の割合が 大半を占めるが,その割合は台北〉台中〉高雄の 順となっている.
この年度別推移を示したものが図18である.
台北では店舗併用が微増から微減へと変化し ているものの安定的に推移しているのに対し て,台中では78%から45%まで大幅に減少し,
高雄でも76%から58%まで低下してきている.
前・後期別変化としてまとめたものが図19で あり,近年における専用住宅の増加はとくに台 中において顕著であることが確認できる.なお 開発業者のヒヤリングによれば,近年台湾にお ける商業形態の変化(例えば大型スーパーの展 開)のため,住宅団地内の小型店舗の経営が認 められなくなってきたとのことである.
主体別に用途構成の変容を示したものが図 20である.三大都市圏とも小規模主体ほど専 用住宅の割合が高いという傾向が前・後期に共 通しているが,台中における専用住宅の増加傾 向は小規模主体ほど顕著であり,主体規模によ
図16.前後期別にみた県市別住宅形式とその変化値 8集用住宅 ■店韓併用 口非住宅複合
台北
台中
高雄
0% 20% 伽 60% 80% 100%
図17.用途構成の割合
100% 80% 15%
十算用住宅 舳80% …▲一店舗俳用 台北 60%
5%60%
40% 眺 4舳 .5%
20%20% ・1説 .!臥・、、
80、 ㎜100%
。。。 台中 舳 1㎜
▲I.II 5%
▲・・・・…▲・・… 一■I ^一、.、
60% ㌧ 帆 冊
40% 一5%
舳20% ・1眺
舳 舳伽榊紬㈱…舳 勝
・・…
@ル…・…3匁へ。.、 … 、、
4眺 09660%
40% 一5%
20%20% ・1舳
眺.凶{={・日・刈眺 一冊
91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 専用住宅 店舗併用 非住宅複合
図18.用途構成の推移 図19.前後期別にみた用途構成 とその変化値
前期 後期 変化値
口専用住宅 ■店舗併用 口非住宅複合
舳 ・
一■一店県併用
珊北小鮒 傾人 一
蝋 ・
.1 広域一一 一一天一 小規模 録人 中小鮒 、
伽 個人
広域 酬 高讐
.1舳 詞人雄心鰍
蝋
個人
珊 ・
帆 舳 100 舳 100%
図20.前・後期別にみた主体別にみた主体刷用途構成とその変化値3 台北 腕前期
幽後期十変化
山 …
由.
台中
閑
..阯一.、.、商業
60
る用途構成の違いが台中の後期で一層顕著となっ
ている.
県市別に用途構成の変容を示したものが図21で ある.まず,大きな特性として,台北では市部,台 中と高雄では県都で専用住宅が相対的に多いこと があげられる.続いて前・後期の変化をみると,高 雄においては県都・市部ともに変化が小さいが,台 北における店舗併用の増加傾向は県都において顕 著であり,台中における専用住宅の増加傾向も県都 において顕著である.
4−3.形式・用途の組合せとその変容
最後に,前述した住宅形式と用途構成を組み合わ せて図22に示す4つのタイプ,即ち「連続建住宅 2):非共同住宅・専用住宅」,「連続建店舗:非共 同住宅・店舗併用」,「単純集合住宅:共同住宅・
専用住宅」,「店舗付集合住宅:共同住宅・店舗併 用」である.4つのタイプの構成を示したものが図 23である.三大都市圏とも「店舗付集合住宅」が 大半を占めるが,台北では「単純集合住宅」,台中
と高雄では「連続建住宅」と「複合住宅」の割合が 相対的に高くなっている.
この推移を示したものが図24であり,台中では
「店舗付集合住宅」が70%から15%まで大きく低 下して, 「連続建住宅」が15%から50%まで増加
していること,高雄では「店舗付集合住宅」が60%
から38%まで低下して「連続建住宅」と「単純集 合住宅」が増加していることがわかる.一方,前・
後期別にみた開発住宅類型の変化を示したものが 図25であり,台中における後期の「連続建住宅」
の増加とr店舗付集合住宅」の減少傾向が顕著に現 われている.一方,主体別から開発住宅類型をみた ものが図26である。台中と高雄では, 「店舗付集 合住宅」が小規模主体ほど減少傾向が大きくなって
きたのに対して、台北では主体別による違いが読み 取れない.県市別に開発住宅類型を示したものが図 27である.台中では市部で連続建住宅の増加と店 舗付集合住宅の減少に対して、台北と高雄では県市 別の違いが読み取れないことになっている.
5.まとめ
以上,台湾の三大都市圏における民間分譲住宅開 発の実態について,90年代からの不況化に伴う住 宅開発形態の変容を検討した.これを基に,以下で は仮説モデルを構築して「まとめ」とすることとす
る.
100%
峨 舳 似 猟
100%
脇
㎜ 棚 酬
1㎝%
㎜
㎜ 伽 脳
眺
口非住宅複合
15%
10%
5%
帆 .一
挑 専瞭4
・10%
一15%
10%
5%
o% 」
.5% 専用住宅
・10%
10%
5%
0% ■ ・… ...
.5% 専用住宅
・10%
一15% ・・・…
台北
店舗併用
㍗㌘一・
着 燃一 ..雑宅複合1
図21.前後期別にみた県市別用途構成との変化値
連続建住宅
触
曲
用
駐1図 艶
単純集合住宅店舗付集合住宅
台北
台中
高盤
図22.開発住宅類型の分類
㎝1 洲 伽 60% 80% 100
図23.開発住宅類型の構成 ≡8眺
台北山連離十岬
小鮒十醐竿舳
台中
メ
砂へ桑
商業眺
康鰯...康』
商標
猟
10%
眺
.10%
一肌
10%
眺
一10%
棚
8
舳眺
一10%
蝋
91 92 93 94 韓 業 9796 99 00 連続住 連続店 純集住 店鼻佳 珊
図24.開発住宅類型の推移図25・前後期別にみた開発住宅類型 とその変化値
①住宅開発形態変容の仮説モデル(図28):
市場不況化に伴う開発主体の変容には2つ のタイプがある.一つは大規模主体が開発停 止あるいは開発主体が分解することにより小 規模主体が主流になる場合であり,もう一つ は小規模主体が合併あるいは倒産吸収によっ て大規模主体が主流になる場合である.そし て,その主体規模の変容に従ってプロジェク
ト開発戦■名および住宅開発企画戦略も変わる と考え られる.
1)プロジェクト開発戦略:小規模主体が主 流になる場合は,プロジェクト規模が戸数の 少ない小型プロジェクトに分けられ,開発回 数が増加し, r分割的開発」に変わって,立 地的には郊外に移転していく.大規模主体が 主流になる場合は,プロジェクト規模が戸数 の多い大型プロジェクトで, 「継続的開発」
が行われて,立地的には都心に開発し続けて
いく.
2)住宅開発企画戦略:「住宅形式企画戦■各」
では,基本的には建設コストの低価,工事期 問の短期化,資金回収の容易な非共同住宅の 開発が多くなっていく.但し,都市化度の高 い都市圏では,地価が高いため,土地利用収 益の低い非共同住宅の開発は比較的に考えら れない.一方,大規模主体が主流になる場合 には,資金に対する不安が比較的に低いため,
大規模主体による非共同住宅の増加は顕著で ない.一方, 「用途構成企画戦略」では,基 本的には近年商業形態の変化(例えば大型ス ーパーの展開)のため,住宅団地内の小型店
60% …
舳
広r㌣張中肋7航 1 州
一む…建練住一 一遅続店 洲 台中 .、、.、。一…^伽
舳
珊
.一. w ・・
善業 舳
舳
舳 ・
1㎜
図26.前後期別にみた主体刑閉発住宅類型とその変化値3,
㎜
10
・10
・㎜
棚
洲10%
・10
・㎜
舳
…、}…・台中県
舳一._舳市 一0一高6県 一
建 店 練鼻柱 住
区27.前後期別にみた県市別即発住宅類型とその変化値
主体規模
プロジェクト開発戦略
τ
市場不況に伴う 譜主体の変容が2つのタ イプがある。
①小規模主体が主清になる:
(大規模主体が 発停止、分解11.)
②大規模主体が主流になる:
(小規模主体が合併,倒産吸収...)
住宅開発企画戦□各
量的開発戦■各 立地的開発戦■各 住宅形式企画戦略 ........用途律成企画戦口各
①小規模主体が主流にな る場合:戸数の少ない小 型プロジェクトに分け られ, 発回数が増加し ていて,分割的開発が行 われて㌧、く.
②大規模主体が主沌にな る場合:戸数の多い大型 プロジェクトで,ブロジ ェクト教も多くなって,
継続的即発が行われて
し・く.
①小規模主体が主流にな る場合:郊外に開発が行 われる.
②大規模主体が主抗にな る場合:都心に 発が行 われる.
讐本的には,建設コストの 低価,工■期問の短期化,貸金 回収の容易な非共同住宅の 発が多くなっていく.但し、
①都市化度が高く.地価の高い 都市口では,土地利用収益の 低い非共同住宅の 発は比 散的考えられない.
②大規模主体が主流になる場 合:貸金に対する不安が比静 的に少ない大規模主体によ る非共同住宅の増加は夢着 でない.
讐本的には,近年商業 形態の変化(例えば大型ス ーパーの展即)のため、住 宅団地内の小型店舗 務 が減少していく.但し,
住宅形式と合わせて考 えると,非共同住宅全体の 上鼻に従う連携建店錆の 上昇もある.
図28.住宅開発形態変容の仮説モデル
62
鋪の開発が減少していく.但し,住宅形式と合わせ て考えると、非共同住宅全体の上昇に従う連続建店 舗の上昇する場合もある.
②仮説モデルの三大都市圏への展開(図29)
上述した開発事業手法変容の仮説モデルに従い,
台湾における三大都市圏それぞれに展開すると以下 のとおりである.
1)台北都市圏:近年の不況化に伴い小規模主体が 主流になり,プロジェクトが小さく「分割的開発」
が県都で行われ,非共同住宅の増加がわずかであり,
店舗併用のうちの連続建住宅が増加してきた.
2)台中都市圏:台北と同じく小規模主体が主流に なり,プロジェクトが小さく, r分割的開発」が県 都に行われ,非共同住宅の増加が顕著であり,店舗 併用が減少し,連続建住宅が増加してきた.
3)高雄都市圏:不況化に伴い逆に大規模主体が主 流になり,プロジェクトが大きく,継続的開発が市 部で行われ,そして非共同住宅の増加がわずかであ
り,店舗併用が減少し。単純集合住宅が増加してき
た.
注
1)不動産景気指標:台湾行政院内政部建築研究所の「台 湾房地産景気動向季報」により,不動産景気指標は建物売 買登録件数,新築着工面積,新築住宅平均価格変動率,住 宅使用率から構成される.
2)連続建住宅:本稿の開発データにより,台湾における 民間分譲住宅開発のうち,戸建住宅や2戸建住宅が極めて 少ないため,連続建住宅と合併し集計する.
3)1990年代後期の高雄における個人主体の開発はI件し かないため、割合の変化が大きいである。
参考文献
[1]商聖宜,失政徳,菊地吉信,桜井康宏:台湾の三大都 市における民間分譲住宅団地の開発実態,日本建築学会北 陸支部研究報告集2002.6,p.275〜278
[2]商聖宜,失政徳,菊地吉信,桜井康宏:台湾の三大都 市における民間分譲住宅団地の開発の経年変化,日本建築 学会大会学術講演梗概集2002.8,p.1079〜1080
[3]商聖宜,失政徳,菊地吉信,桜井康宏:人口・住宅・
建設活動の動向からみた台湾の地域特性,2002.9,p.191
〜196
[4]商聖宜,失政徳,菊地吉信,桜井康宏:台湾の三大都 市圏における民間分譲住宅団地の開発実態,日本都市計画 学会学術研究論文集2002.11,p.631〜636
[5]失政徳,商聖宜,菊地吉信,桜井康宏:台北市におけ る都市型積層集住空間に関する研究その1一台北市国民住 宅供給の経年変化,日本建築学会北陸支部研究報告集
島業、
六繰績窪講主漬
麟鎌驚、
書繍寛難婆撒畿 繍続獲慧⑫構準湧欄・
膚戦撮胸,.
・蝉箏徽、小
小機、杢榊
腱 斧.、
.\ .、・、 ぶ簑業顯鋭
艦灘、 き
ブ測饒遼劣制・き慈
鰯軸⑳1揮綴
竈続建店幻増加
図29.仮説モデルの三大都市圏への展開 2002.6, p.279〜282
[6]失政徳,商聖宜,菊地吉信,桜井康宏:台北市におけ る都市型積層集住空間に関する研究その2一台北市国民住 宅の住棟構成の類型化について,日本建築学会北陸支部研 究報告集2002.6,p.283〜286
[7]失政徳,商聖宜,菊地吉信,桜井康宏,碓田智子:台 北市における供給主体からみた都市型積層集住空間の供 給動向に関する研究,日本建築学会大会学術講演梗概集
2002.8, p.1081〜1082
[8]失政徳,商聖宜,菊地吉信,桜井康宏:台北市におけ る住宅政策の変遷および積層集合住宅供給の概要,日本建 築学会大会学術請漬梗概集2002.9,p.197〜206
[9]台北・台中・高雄財団法人建築投資公会r大台北・大 台中・大高雄地区房屋市場年報」 (各年度版)、台北・台 中・高雄財団法人建築投資公会出版
[1O]台湾行政院内政部営建暑r建造執照統計」(各年度版)
[11]台湾行政院内政部主計処「人口及居住調査統計」
(1995年版)
[12]台湾行政院内政部主計処「重要経杜指標」(2001年版)
[13]台湾行政院内政部建築研究所「台湾房地産景気動向季 報」 (2002年第1四半期版)
[14]中村仁,大方潤一郎:都心住商混合地域における敷地 統合の事業主体と住宅供給の関係について,日本都市計画 学会,1998.11,P.775〜780
[15]田中腸:豊田市の都心部にゃける分譲マンションの需 要構造と居住環境評価,日本都市計画学会,1997.11,p.481
〜486
[16]福島茂:経済危機下におけるバンコク大都市圏の住宅 市場と都市居住の変動,日本都市計画学会,2000.11,p.961
〜966
[17]弘永直廉,中園真人,古田健1一:福岡市における民間 分譲マンションの供給特性一利潤推計モデルによる地価 と分譲マンション市場の連関構造分析,日本都市計画学会,
1991.11, p.799〜804