論 文
L 字型励振素子を用いたキャビティ装荷円偏波アンテナ *
柳 崇
†a)大島 毅
†西澤 一史
†深沢 徹
†宮下 裕章
†小西 善彦
†Cavity-Backed Circularly Polarized Antenna Using L-Shaped Excitation Elements
∗Takashi YANAGI
†a), Takeshi OSHIMA
†, Kazushi NISHIZAWA
†, Toru FUKASAWA
†, Hiroaki MIYASHITA
†, and Yoshihiko KONISHI
†あらまし 本論文では開口面が正方形のキャビティ内部に設けたL字型励振素子により励振される4点給電円 偏波アンテナを提案している.提案アンテナは4本のL字型励振素子がキャビティ壁面近傍に配置された簡易な 構造であり,それぞれの給電部が近接しないためキャビティ底面に設ける円偏波励振回路との接続性がよい.ま た,キャビティ壁面に近接したL字型励振素子の垂直部分をλ/4インピーダンス変成器として動作させること により整合回路を追加することなく広帯域特性が得られる利点がある.本論文では,提案アンテナの動作原理と 設計方法について述べ,試作により提案アンテナの有効性を検証している.その結果,35%以上の広い帯域にわ たって軸比3 dB以下の良好な円偏波特性が得られている.
キーワード 円偏波アンテナ,キャビティ装荷,L字型励振素子
1.
ま え が きキャビティ装荷円偏波アンテナは高利得が得られる こと,サイドローブやバックローブが小さいこと,低 軸比特性が得られることといった利点を有しており,
キャビティにより素子間結合を抑えられることから,
通信用,衛星搭載用アンテナとして広く用いられてい る.円偏波を放射させるための励振構造に関してはこ れまでにいくつもの例が提案されており,大別すると クロスダイポール
[1], [2]
,ヘリカル素子[3], [4]
,スパ イラル素子[5], [6]
,クロススロット[7], [8]
,テーパ状 のマイクロストリップ線路[9]
などが挙げられる.励振構造がクロスダイポールの場合
[1], [2]
,二つの 直交するダイポールアンテナをキャビティの中心に設 け,それぞれのダイポールアンテナを90
◦ずつ位相差 を設けて励振するため,ハイブリッドなどの円偏波励 振回路が必要である.このとき,給電部がキャビティ†三菱電機株式会社,鎌倉市
Mitsubishi Electric Corporation, 5–1–1 Ofuna, Kamakura- shi, 247–8501 Japan
a) E-mail: [email protected]
*本論文は,アンテナ・伝搬研究専門委員会推薦論文である.
底面の中心部に集中するので,キャビティ底面にマイ クロストリップ線路やトリプレート線路で構成した円 偏波励振回路を実装するような場合に伝送線路のレイ アウトが制約される.そのため,中心周波数以外での 励振位相誤差が増大し,軸比の周波数特性が劣化する 要因となる.また,同軸給電の場合にはバランが必要 であるため,給電部の構成が複雑になる.
ヘリカル素子の場合
[3], [4]
,1
点給電で円偏波励振 が可能である.また,バランを必要としないため構造 を簡易化できる.しかし,良好な軸比を得るためには ヘリカル素子の巻き数を多くする必要があり,アンテ ナの全長が大きくなる.通常の場合,ヘリカル素子の 軸方向の長さは1
波長以上が必要である[10]
.文献[4]
では,
0.23
波長のヘリカル素子の先端にストリップ導 体を装荷することで軸比を改善しているが,軸比の周 波数特性は狭帯域化し軸比3 dB
以下となる比帯域幅 は約23%
である.スパイラル素子
[5], [6]
も1
点給電で円偏波励振が 可能な構造である.スパイラル素子のもつ性質から,3
倍帯域において軸比3 dB
以下となる超広帯域アン テナを実現している[5]
.しかし,キャビティによりス パイラル上の電流分布が乱されると低周波側でのインピーダンス,軸比の劣化が生じる.文献
[6]
では,こ れを回避するためキャビティ側面に吸収体を装荷する 方法を用いているが,利得低下の原因となる.クロススロット
[7], [8]
の場合では,90
◦直交配置し た4
本のスロットをマイクロストリップ給電により励 振するアンテナが提案されている[7]
.キャビティ開口 面に配置した基板上にスロットと給電回路を設けてい る.そのため,広帯域な円偏波励振回路のレイアウト が困難であり軸比が劣化する.また,キャビティの一 つの面に長さの異なるスロットを十字状に設け45
◦方 向から給電することにより,1
点給電で円偏波を放射 するアンテナが提案されている[8]
.簡易な構成である が,スロットの長さをずらすことにより直交する2
偏 波に90
◦位相差を設けており原理的に広帯域特性を得 るのが困難と考えられる.軸比の広帯域化を図った例としてテーパ状のマイク ロストリップ線路により励振するキャビティアンテナ が提案されている
[9]
.軸比3 dB
以下の比帯域幅が約50%
と広帯域であるが,広角方向における交差偏波レ ベルが高く,軸比の角度特性が良好ではないという課 題がある.励振素子と給電回路を一体化し簡易な構造で円偏波 励振を実現した例として,誘電体基板上に設けた直交 する
2
本の線状の励振素子によりキャビティを励振す る構造[11]
が提案されている.励振素子と同一平面上 に配置された伝送線路の経路差によって円偏波励振の ための90
◦位相差を設けている.簡易な構造であるが,2
本の励振素子を90
◦位相差を設けて励振すると,そ れぞれのアクティブインピーダンスが異なる値となる のでインピーダンスの広帯域特性が得られにくいとい う課題がある.文献[11]
の例では,VSWR<1.5
とな る比帯域幅は約12%
である.更に,励振素子寸法の個 別調整,キャビティのアスペクト比の調整,励振素子 のオフセット等の煩雑な設計が必要になるといった課 題がある.解決策として4
点給電によりアンテナの構 造を回転対称とすることで各励振素子のアクティブイ ンピーダンスを全て等しくすることが考えられるが,励振素子と給電回路が同一平面上にある場合には基板 上のレイアウトが困難である.
以上述べたことから,簡易な構造で低軸比,広帯域 特性を有する円偏波アンテナを得ることが一つの課題 となる.そこで本論文では,
4
本のL
字型励振素子に より励振されるキャビティ装荷円偏波アンテナを提案 する.提案するアンテナは正方形の開口を有するキャビティの側面に近接して
L
字型励振素子を配置した 簡易な構造であり,各々の励振素子の給電点が離れて いるため,キャビティ底面に設ける円偏波励振回路と の接続性がよい.また,L
字型励振素子の垂直部分をλ/4
インピーダンス変成器として動作させることによ り,整合回路を追加することなくインピーダンス特性 の広帯域化を図ることができる.本論文では,まず2.
で提案アンテナの構造を示し,
3.
において動作原理に ついて述べる.更に4.
において設計方法を示す.最 後に5.
では試作評価により提案アンテナの有効性を 検証した結果を示す.2.
提案アンテナの構造図
1
に提案アンテナの構造を示す.幅W
cの正方形 の開口を有する高さh
cのキャビティの内側に,4
本 のL
字型励振素子を90
◦回転対称に配置する.L
字 型励振素子の垂直部分はキャビティ側面に近接してお(a) Top view.
(b) Cross-sectional view at A–A’.
図1 提案アンテナの構造
Fig. 1 Configuration of the proposed antenna.
り,キャビティ開口付近で
90
◦屈曲した構造となって いる.ここで,L
字型励振素子の垂直部分の長さ(キャ ビティ底面からの長さ)をh
p,水平部分の長さをL
p,L
字型励振素子の垂直部分の中心軸からキャビティ側 面までの距離をD
とする.円偏波放射のため,各励 振素子を90
◦ずつ位相差をつけて励振する.円偏波励 振回路はキャビティ底面に誘電体基板を用いて構成し,キャビティ底面の外周付近に設けた穴を介して円偏波 励振回路と
L
字型励振素子を接続して同軸給電する構 造としている.なお,今回の検討ではL
字型励振素子 の直径を0.009λ
cとした.ここで,λ
cは動作周波数帯 の中心周波数f
cに対する自由空間波長である.図
2
に円偏波励振回路の基本構成を示す.図2
にお いて,(1)
が入力ポート,(2)
〜(5)
がL
字型励振素子 に接続されるポートである.(2)
〜(5)
のポートに90
◦ ずつ位相差を与えるため,同振幅かつ180
◦の位相差 を与える逆相分配回路と,同振幅かつ90
◦の位相差を 与える90
◦ハイブリッドの組合せにより円偏波励振回 路を構成している.提案アンテナでは(2)
〜(5)
のポー トが一点鎖線a, b, c, d
に対して対称であり,それぞ れが離れている.したがって,図2
に示すように90
◦ ハイブリッドを中心に対して回転対称に配置し,逆相 分配回路の出力を線d
上に合わせることで,逆相分配 回路と90
◦ハイブリッドを接続する線路や90
◦分配回 路の出力からポート(2)
〜(5)
までの線路は曲げの位置図2 円偏波励振回路の基本構成 Fig. 2 Basic configuration of the feed circuit for
circular polarization.
まで含めて対称に構成できる.これにより中心周波数 以外での励振位相誤差が緩和され,軸比の広帯域化に 有利にはたらく.
3.
動 作 原 理L
字型励振素子の垂直部分はキャビティ壁面に近接 しているため,ほとんど放射に寄与しない伝送線路と みなすことができる.この場合,放射に寄与するのはL
字型励振素子の水平部分であり,これはキャビティ 壁面に設置したモノポールアンテナと考えることがで きる.このことを検証するため,本アンテナの構造をL
字型励振素子の水平部分からなるモノポールアンテ ナ,L
字型励振素子の垂直部分からなる伝送線路,キャ ビティ底面を貫通する50 Ω
同軸線路に分割し,それぞ れのS
パラメータを個別に計算して回路シミュレータ で合成することにより得られるインピーダンス特性と 図1
のアンテナ構造から計算される入力インピーダン ス特性を比較する.なお,電磁界解析には有限要素法 を使用する.ここでは円偏波励振回路は解析モデルに は含まず,各励振素子に同振幅かつ90
◦ずつ位相差を 設けた理想的な励振とした場合のアクティブインピー ダンスとして評価する.図3
にモノポールアンテナ部 の解析モデルを示す.キャビティ側面に給電部を設け てL
字型励振素子の垂直部分に直接給電する.このと き,インピーダンスの基準面はキャビティの内壁面に 合わせている.図1
の各パラメータは,W
c= 0.63λ
c, h
c= 0.24λ
c, h
p= L
p= 0.23λ
c, D = 0.006λ
cとし ている.図
4
に入力インピーダンスの比較結果を示す.実 線が回路シミュレータによりS
パラメータを合成して 求めた場合,点線が図1
のモデルにより求めた場合 を表している.周波数範囲はf
cを中心周波数として,0.8f
cから1.2f
cである.またf
cをマーカーで表示し ている.両者はよく一致しており,本アンテナの動作 は4
本のモノポールアンテナにL
字型励振素子の垂直 部分とキャビティの側面で構成される伝送線路が接続 されたモデルとして説明することができる.したがっ て,中心周波数f
cにおいてモノポールアンテナのアク ティブインピーダンスが実数となるようにL
pを決定 し,L
字型励振素子の垂直部分による伝送線路をλ/4
インピーダンス変成器として動作させれば,モノポー ルアンテナのアクティブインピーダンスと給電線路と の整合を図ることができ,簡易な構造で広帯域特性が 得られる.整合回路を新たに設けることが不要となる(a) Top view.
(b) Cross-sectional view at A–A’.
図3 モノポールアンテナ部の解析モデル Fig. 3 Monopole antenna model.
図4 入力インピーダンスの比較
Fig. 4 Impedance characteristics of the circuit model analysis and full model analysis.
ので,円偏波励振回路がレイアウトしやすくなる.
4.
設 計 方 法本節では,
L
字型励振素子の水平部分からなるモノ図5 設計フローチャート Fig. 5 Design flowchart.
ポールアンテナ部と
L
字型励振素子の垂直部分から なるλ/4
インピーダンス変成器の設計手順について 示す.図5
に設計フローチャートを示す.まず,モノ ポールアンテナ部分のアクティブインピーダンスZ
mを算出する.次に,
Z
mと給電線路の特性インピーダ ンスZ
f の整合条件から,L
字型励振素子の垂直部分 からなる伝送線路の特性インピーダンスZ
0を算出す る.最後に,所望のZ
0が得られるようにD
の値を決 定する.図
3
のモノポールアンテナにおいてL
pを変化させ た場合のアクティブインピーダンス特性を図6
に示 す.ここで,W
c= 0.63λ
c, h
c= 0.24λ
c, h
p= 0.23λ
cである.
L
p= 0.23λ
c のとき中心周波数f
c におい てインピーダンスが実数となることが確認できる.L
p= 0.27λ
cにおいてもf
cにおいて実数となってい るが,インピーダンス特性の広帯域化に有利となるよ うインピーダンス変成比が小さくなるL
p= 0.23λ
cを 選ぶ.次に,
L
字型励振素子の垂直部分からなるλ/4
イン ピーダンス変成器の設計を行う.モノポールアンテナ のアクティブインピーダンスZ
mと給電線路の特性イ ンピーダンスZ
f のインピーダンス整合条件から,L
字型励振素子の垂直部分からなる伝送線路の特性イン ピーダンスZ
0はZ
mとZ
f の幾何平均とする.キャ ビティ壁面からD
だけ離れた円筒導体からなる伝送 線路は,鏡像により間隔が2D
の平行2
線に置き換え られるので,L
字型励振素子の垂直部分からなる伝送 線路の特性インピーダンスZ
0は容易に算出でき,D
図6 Lpに対するアクティブインピーダンスの変化 Fig. 6 Active impedance variation byLp.
図7 L字型励振素子の垂直部分によるインピーダンス 変成
Fig. 7 Impedance transform by the vertical arm of the L-shaped probe.
を決定することができる.
モノポールアンテナのアクティブインピーダンス
Z
mは図3
のモノポールアンテナ部の解析モデルから 求められる.図6
のL
p= 0.23λ
cの場合を参照する と中心周波数f
cにおいてZ
m= 145 Ω
であるので,Z
0= 85 Ω
となるようにD
を決定し,D = 0.014λ
cとしている.このときのアンテナのインピーダンス 特性を図
7
に示す.図7
よりL
字型励振素子の垂直 部分により所望のインピーダンス変成がなされてい ることが確認できる.VSWR<1.5
となる比帯域幅は0.890f
cから1.130f
cの24.0%
となっている.5.
試作及び測定結果4.
の設計方法の妥当性及び本アンテナの有効性を実 験的に確認するため,アンテナの試作評価を行った.(a) Top view.
(b) Cross-sectional view at A–A’.
図8 試作アンテナの構造
Fig. 8 Structure of experimentally manufactured antenna.
図9 円偏波励振回路の入力ポートから見たリターンロス の周波数特性
Fig. 9 Frequency characteristics of Return loss.
キャビティを厚さ
5 mm
のアルミ板を用いて製作し,L
字型励振素子には直径0.009λ
cの導線を用いた.試 作では,図8
に示すように中空のテフロンスペーサをキャビティの中央に設け,
L
字型励振素子の水平部分 の先端をテフロンスペーサに挿入して励振素子を支持 する構造とした.テフロンスペーサの比誘電率は2.2
である.円偏波励振回路は2
枚の誘電体基板を重ね合 わせたトリプレート線路で構成し,キャビティ裏面に 配置している.使用した誘電体基板の比誘電率とtanδ
はそれぞれ2.6
,0.0018
である.なお,4.
で述べた設 計方法ではスペーサの影響を考慮していないが,図3
のモノポールアンテナモデルにおいてスペーサを考慮図10 放射効率の周波数特性 Fig. 10 Frequency characteristics of radiation
efficiency.
図12 試作アンテナの放射パターン及び軸比の角度特性 Fig. 12 Radiation pattern and axial ratio of the prototype antenna.
した場合のモノポールアンテナのアクティブインピー ダンスを算出すれば,同様の考え方で設計が可能であ る.試作アンテナの各パラメータは,
W
c= 0.63λ
c, h
c= 0.24λ
c, h
p= L
p= 0.23λ
c, D = 0.014λ
cで ある.図
9
に円偏波励振回路の入力ポートから見た反射 特性を示す.アンテナの給電点で反射した多くの電力 は,円偏波励振回路の90
◦ハイブリッドのアイソレー ション抵抗で消費されるため,反射特性は円偏波励振図11 利得及び軸比の周波数特性 Fig. 11 Frequency characteristics of Directivity,
actual gain and axial ratio.
図13 アンテナに給電される分配振幅特性 Fig. 13 Frequency characteristics of split amplitude
of the each antenna port.
回路の特性に左右される.そこで円偏波励振回路の損 失を含んだ放射効率でアンテナの動作帯域を評価する.
その放射効率を図
10
に示す.−1 dB
以上の放射効率 が24%
の帯域で得られている.図11
に利得及び軸比 の周波数特性を示す.利得,軸比ともに計算値と測定 値はおおむね一致しており,35%
以上の広い帯域にわ たって軸比3 dB
以下が得られている.中心周波数f
cにおける指向性利得は
7.8 dBi
,放射効率は円偏波励 振回路の損失を含んだ値で−0.6 dB
である.図12
に 放射パターン及び軸比の角度特性を示す.周波数は中 心周波数f
c及び軸比3 dB
以下となる帯域端である0.887f
cと1.228f
cとしている.各周波数とも計算値(点線)と測定値(実線)はよく一致している.
ここで,アンテナと円偏波励振回路それぞれの散乱 行列を接続した状態での振幅特性及び位相差特性を示 し,アンテナの軸比特性に与える影響を評価する.ア ンテナと円偏波励振回路は一体化されているため,こ こでは計算値を示す.アンテナの各励振素子に給電さ れる振幅特性の計算結果を図
13
に,同様に位相差特 性を図14
に示す.−1 dB
以上の放射効率が得られる 帯域における分配振幅偏差の最大値は2.9 dB
,位相差 は3.1
◦となっている.この帯域内における軸比最悪値は
1.6 dB
であり,高周波側における分配振幅偏差の影響が大きい.各励振素子に給電される分配振幅及び 位相差特性が理想的な場合,軸比はほぼ
0 dB
となる ので,90
◦ハイブリッドや逆相分配回路を広帯域化で きれば,更なる軸比特性の広帯域化が可能である.また,図
15
に分配振幅及び位相差が理想的であっ た場合と実際の分配特性の場合の動作利得の比較を示 す.帯域端では分配特性の劣化により動作利得が低下 するが,円偏波励振回路を広帯域化することにより動図14 アンテナに給電される分配位相差特性 Fig. 14 Frequency characteristics of split phase
difference of the each antenna port.
図15 分配振幅及び位相差特性が理想的な場合との動作 利得の比較
Fig. 15 Comparison of actual gain with the case of ideal excitation.
作利得を改善することが可能であることが分かる.
6.
む す び本論文では,簡易な構造で円偏波励振回路との接続 性が良好な円偏波アンテナとして,
L
字型励振素子に より励振されるキャビティ装荷円偏波アンテナを提案 した.L
字型励振素子の垂直部分をキャビティ側面に 近接配置してインピーダンス変成器として動作させる ことにより,整合回路を追加することなく広帯域特性 が得られることを示し,簡単に励振素子の最適寸法が 求められることを示した.最後に,試作評価により提 案アンテナの有効性を実証した.試作の結果,24%
の 比帯域幅において放射効率−1 dB
以上,35%
以上の 比帯域幅において軸比3 dB
以下となる広帯域特性が 得られた.文 献
[1] M.F. Bolster, “A new type of circular polarizer us- ing crossed dipoles,” IRE Trans. Microw. Theory and Techniques, vol.MTT-9, no.5, pp.385–388, Sept.
1961.
[2] J.L. Wong and H.E. King, “A cavity-backed dipole antenna with wide-bandwidth characteristics,” IEEE Trans. Antennas Propag., vol.AP-21, no.5, pp.725–
727, Sept. 1973.
[3] H. Nakano and H. Mimaki, “Radiation from a short helical antenna backed by a cavity,” Electron. Lett., vol.31, no.8, pp.602–604, April 1995.
[4] K.M. Keen, “Low profile cavity antenna with small pitch angle helix feed,” Electron. Lett., vol.29, no.5, pp.501–502, March 1993.
[5] H. Nakano, T. Igarashi, H. Oyanagi, Y. Iitsuka, and J. Yamauchi, “Unbalanced-mode spiral antenna backed by an extremely shallow cavity,” IEEE Trans.
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[7] Q. Li and Z. Shen, “An inverted microstrip-fed cavity-backed slot antenna for circular polarization,”
IEEE Antennas Wireless Propag. Lett., vol.1, no.1, pp.190–192, 2002.
[8] D. Sievenpiper, H.P. Hsu, and R.M. Riley, “Low- profile cavity-backed crossed-slot antenna with a single-probe feed designed for 2.34-GHz satellite ra- dio applications,” IEEE Trans. Antennas Propag., vol.52, no.3, pp.873–879, March 2004.
[9] K.F. Hung and Y.C. Lin, “Novel broadband circu- larly polarized cavity-backed aperture antenna with traveling wave excitation,” IEEE Trans. Antennas Propag., vol.58, no.1, pp.35–42, Jan. 2010.
[10] J.D. Kraus, “Helical beam antennas for wide band applications,” Proc. IRE, vol.36, no.10, pp.1236–
1242, Oct. 1948.
[11] N.S. Seong and S.O. Park, “A microstrip-fed cavity- backed circularly polarized horn antenna,” Microw.
Opt. Technol. Lett., vol.48, no.12, pp.2454–2456, Dec. 2006.
(平成24年1月6日受付,4月19日再受付)
柳 崇 (正員)
平14早大・理工・電気卒.平16同大大 学院修士課程了.同年三菱電機(株)入社.
以来,移動通信用アンテナの研究・開発に 従事.現在,同社情報技術総合研究所アン テナ技術部勤務.平22年度本会学術奨励 賞受賞.IEEE会員.
大島 毅 (正員)
平7神奈川大・工・電気卒.平9電通 大大学院博士前期課程了.同年三菱電機
(株)入社.以来,マイクロ波電力分配器 等のアンテナ給電回路の研究に従事.現在,
同社情報技術総合研究所アンテナ技術部勤 務.平14年度本会学術奨励賞受賞.IEEE 会員.
西澤 一史 (正員)
平4東北大・工・電気卒.同年三菱電 機(株)入社.以来,レーダ,衛星通信等 のアンテナに関する研究に従事.現在,同 社鎌倉製作所技術部に勤務.博士(工学).
平9 IEEE AP-S Tokyo Chapter Young Engineer Award,平11年度本会学術奨 励賞受賞.IEEE会員.
深沢 徹 (正員)
平4北大・工・電子卒.平6同大大学院 修士課程了.同年三菱電機(株)入社.以 来,移動体通信等のアンテナの研究に従事.
現在,同社情報技術総合研究所アンテナ技 術部勤務.博士(工学).平11年度本会学 術奨励賞受賞.IEEE会員.
宮下 裕章 (正員)
昭62東大・工・物工卒.昭63三菱電 機(株)入社.以来,公衆通信,衛星通信 レーダ等のアンテナ研究に従事.現在,同 社情報技術総合研究所アンテナ技術部グ ループマネージャ.博士(情報学).平6 IEEE AP-S Japan Chapter Young En- gineer Award,平7年度本会学術奨励賞各受賞.IEEEシニア 会員,American Physical Society, American Mathematical Society各会員.
小西 善彦 (正員)
昭57早大・理工・電子通信卒.昭59同 大大学院修士課程了.同年三菱電機(株)
入社.以来,レーダ,衛星通信等のアンテナ の研究に従事.昭63(株)ATR光電波通 信研究所に出向.通信用アクティブアレー アンテナの研究に従事.平3三菱電機(株)
に復帰.現在,同社情報技術総合研究所アンテナ技術部長.博 士(工学).平元篠原記念学術奨励賞,2001R&D100賞,第58 回電気科学技術奨励賞,第22回電波功績賞総務大臣賞受賞.
IEEEシニア会員.