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目次 1. モビリティサービスについての海外動向 マルチモーダル カーシェア レンタカー ライドシェア タクシー配車 旅客サービス ( タクシー事業 バス事業 鉄道事業 ) その他駐車支援事業者

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平成29年度高度な自動走行システムの社会実装に向けた研究開発・実証事業

(自動走行が活用されうるモビリティサービスの海外動向・国内事業性の調査)報告書

平成 30 年 3 月

有限責任 あずさ監査法人

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目次

1.モビリティサービスについての海外動向 ... 3 1.1 マルチモーダル ... 3 1.2 カーシェア・レンタカー ... 6 1.3 ライドシェア・タクシー配車 ... 9 1.4 旅客サービス(タクシー事業、バス事業、鉄道事業) ... 14 1.5 その他駐車支援事業者 ... 15 1.6 各モビリティサービスの事業性の検証 ... 19 (参考)モビリティサービスに関する海外動向調査(ジュネーブ、フィンランド) . 34 2.モビリティサービスの国内事業性の調査 ... 45 2.1 モビリティサービスを担う可能性のあるプレイヤーの分類 ... 45 2.2 国内のモビリティサービス関連業界の現状と課題 ... 46 2.3 モビリティサービスを担う個別プレイヤーの選定 ... 47

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1.モビリティサービスについての海外動向

1.1 マルチモーダル スマートフォンの普及によってインターネットに常時接続できる環境が整いつつあるこ とが、これまでは統合されていなかった様々な交通サービスを統合し、“マルチモーダル” なサービスとして提供できる状況を生み出しつつある。海外では、ヘルシンキ(フィンラン ド)、アイントフォーヘン(オランダ)、ヨーテボリ(スウェーデン)、モンペリエ(フラン ス)、ウィーン(オーストリア)、ハノーバー(ドイツ)、バルセロナ(スペイン)、ラスベガ ス、ロサンゼルス、デンバー、シンガポールなどで様々なマルチモーダルサービスや実証実 験が行われている。 ① フィンランド・ヘルシンキ 代表格といわれているのが 2015 年からヘルシンキで開始した MaaS.fi プロジェクトを きっかけに創業したMaaS Global 社である。同社の特徴は、Whim という定額のマルチモ ーダルサービスであり月額499 ユーロを 支払えば公共交通、カーシェアリングが 使い放題で、タクシーも半径5km以内 で あ れ ば 乗 り 放 題 と い う Whim Unlimited という定額サービスプランを 提供している。(その他も公共交通以外 は従量制となっている月額 49 ユーロの Whim Urban や月額無料で全てが従量 制であるWhim To Go というプランがあ る) ② ドイツ

ドイツにはドイツ鉄道(Deutsche Bahn)系の Qixxit とダイムラー系の Moovel の 2 つ のマルチモーダルサービスがあり、Qixxit では鉄道や航空券以外にカーシェアリング、ラ イドシェアリング、レンタサイクルの予約に加えて最適な鉄道との乗り換え案内や複数の ルート案内をQixxit アプリで提供している。Moovel は 1 つのアプリで Car2Go(カーシェ アリング)、mytaxi(タクシー配車)、ドイツ鉄道の予約と決済ができるサービスでシュツ ットガルトとハンブルグでは公共交通の支払いも可能となっている。ドイツ国内だけでな く、ヘルシンキ、ボストン、ポートランドでも試験的にサービス提供を行っている。

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↑ドイツ鉄道のQixxit ↑ダイムラー系のMoovel

https://beta.qixxit.com/?lng=en https://www.moovel-group.com/en

③ スウェーデン・ヨーテボリ

スウェーデンのヨーテボリではスウェーデン政府のイノベーショ ン推進機関であるVinnova が補助をし、Lindholm Science Park と いう工業団地が主体となったUbiGo というマルチモーダルサービス が提供されている。同サービスでは公共交通機関、カーシェアリン グ、レンタカー、タクシー、レンタサイクルを全て1 つのアプリで 予約し、決済することができる。現在の利用者はヨーテボリに居住 している 70~80 世帯程度。なお、Vinnova と Lindholm Science Park はスウェーデンにおける自動運転の実証プロジェクトである Drive Sweden も実施している。

UbiGo:http://ubigo.se/las-mer/about-english/

Lindholm Science Park :https://www.lindholmen.se/en/

④ オーストリア・ウィーン

オーストリアのウィーンではオーストリア政府の支援により2014 年 11 月~2015 年 5 月 においてウィーン市が中心となったSMILE プロジェクトが実施された。Wiener Linien(ウ ィーン市の公共交通サービス事業者)とOBB(オーストリア鉄道)が中心となり、公共交

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5 通、フェリー、タクシー、シェアサイクル、カー シェアリング、駐車場、乗り換えサービスの全て を網羅したマルチモーダルサービスが提供さ れ、予約、課金・決済、利用が一つのアプリでで きるようになっていた。現在は Wiener Linien がWienMobilというマルチモーダルサービスを 提供しており、アプリ一つで公共交通機関、シェ アサイクル、タクシー、カーシェアリングの全て の予約と決済ができる仕組みとなっている。 ⑤ その他 デンソーが出資している米国の ActiveScaler 社では AI を活用した FleetFactor という運 行管理・フリート管理のソリューションを提供している。 https://www.activescaler.com/ また、BMWi などが出資している Ridecell 社はライドシェア、カーシェアリング、マル チモーダルサービス、自動運転などのオペレーションをサポートするモビリティサービス のプラットフォームを提供している。 https://ridecell.com/

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6 1.2 カーシェア・レンタカー ① 米国の状況 レンタカー事業においてアメリカおよび世界第 1 位の企業はエンタープライズ・ホール ディングスである。Enterprise Rent-a-car、Alamo、National というレンタカーブランド を持ち85 か国に 9900 を超える事業所を構えている。グループ内には大学や法人のみを対 象としてライドシェアを提供するZimride を 2013 年に買収している。カーシェアリングに ついてはEnterprise CarShare というグループ企業がニューヨークを中心にフィラデルフ ィア、ホノルル、ヒューストンなど全米17 都市や全米の様々な大学でサービスを提供して いる。乗り合いバスサービスについては Vanpooling という通勤者用のサービスを全米 45 州の12,300 路線にてサービスを提供している。 ↑https://www.enterprisecarshare.com/us/en/home.html

第2 位は Hertz Global Holdings であり、Hertz、Dollar、Thrifty というレンタカーブラ ンドを持ち、北米、欧州、カリブ海、南米、アフリカ、中東、アジア、オーストラリア、ニ ュージーランドに約9700 か所の事業所を構えている。カーシェアリングについては Hertz 24/7 というサービスをオーストラリアのシドニー周辺で提供している。

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第3 位は Avis Budget Group であり世界全体で 11000 か所に事業所を構えている。同グ ループは2013 年にカーシェアリング大手の Zipcar を買収した。Zipcar は世界 9 か国 500 都市でサービスを展開しており、2017 年 9 月時点で 100 万人の会員数を抱えるとともに、 300 近い大学と提携して教職員及び学生向けのサービスを提供している。同社は Car2Go/Daimler、Maven/GM、ReachNow/BMW などのカーシェアリング会社との差別化 を図るために2017 年 10 月から定額制の Subscription Program を開始。平日の午後 7 時 までの利用に限って月額$199~$299 で利用できるサービスである。 ↑http://www.zipcar.com/ ② 欧州の状況 Car2Go はダイムラーグループに所属している世界最大のカーシェアリング会社である。 2008 年にドイツのウルムでサービスを開始し、現在ではドイツ、米国、カナダ、イタリア、 スペイン、オーストリア、ニュージーランド、中国の8 か国 30 都市でサービスが展開され、 14000 台の車両と 270 万人の会員を抱えている。 ↑https://www.daimler.com/products/services/mobility-services/car2go/ DriveNow は 2011 年に BMW とレンタカー会社の Sixt の合弁会社として設立されたカ ーシェアリング会社であるが、2018 年 1 月に BMW の完全子会社となった。ドイツ国内で はベルリン、ハンブルグ、ミュンヘン、デュッセルドルフ、ケルンの5 都市、その他にウィ

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8 ーン、ロンドン、コペンハーゲン、ストックホルム、ブリュッセル、ミラノ、ヘルシンキ、 リスボンで提供されている。また、米国ではRidecell がシステムを提供している ReachNow というカーシェアリングサービスが2016 年から開始され、シアトル、ポートランド、ニュ ーヨークで5 万人の会員に対してサービスが提供されている。 ↑ https://www.drive-now.com/en BMW グループとダイムラーグループがモビリティサービス事業を統合(2018 年 3 月 28 日発表)  BMW グループとダイムラーグループはカーシェアリング、ライドシェア、スマート パーキング、スマートチャージング、マルチモーダルサービスの分野においてそれぞ れのグループが提供していたサービスを統合することとなった。両社が 50%ずつを 保有する合弁企業を設立する。  マルチモーダルサービス:moovel と ReachNow  カーシェアリング:Car2Go と DriveNow

 ライドシェア・配車サービス:mytaxi, Chauffeur Privé, Clever Taxi, Beat  スマートパーキング:ParkNow と Parkmobile

 スマートチャージング:ChargeNow と Digital Charging Solutions

③ 中国の状況

中国では運転免許保有者が3 億人いるのに対して、自家用車は 1 億台しかないことから、 この1 年でカーシェアリング市場が急成長しており、北京だけでも約 200 社が参入する状 況となっている。

代表的な企業としては“Gofun 出行”、“Evcard”、“一度用車”、“軽享出行”、“即行car2go” などであり、Gofun 出行は北京、上海、武漢、成都、南京など 21 都市でサービスを展開し、 保有台数は12000 台となっている。Evcard は中国の自動車メーカー“上海汽車”の傘下に あるカーシェアリング事業者でEV に特化し、8400 代の EV を 20 都市で展開している。 登録ユーザーは120 万人を超えている。一度用車は北京、天津、太原、広州などの都市でサ

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9 ービス展開している。軽享出行、北京汽車系の電気自動車メーカーが提供しているカーシェ アリングサービスであり12 都市で 8000 台を運営している。即行 car2go はドイツの Car2Go が重慶市を皮切りに展開しているカーシェアリングサービスであり、2016 年 4 月にサービ スを開始し、最初の2 か月間で 7 万 8000 名のユーザーが登録した。 ↑ GoFun http://www.shouqiev.com/index.html 1.3 ライドシェア・タクシー配車 ① 米国の状況 Uber Technologies は世界 83 か国 674 都市で展開されている世界的なライドシェアサー ビス事業者である。米国だけで毎月4000 万回のライドシェアを提供し、アクティブな登録 ドライバーは16 万人を超える。ユーザーは 4000 万人を超え、米国市場において 77%のシ ェアを保有している。 Lyft は Uber と並んで代表的なライドシェアサービス事業者である。ニューヨーク、サン フランシスコ、ロサンゼルスを中心に全米300 都市でサービスを展開しており、2017 年末 にはカナダにも進出した。登録ドライバーは32 万人以上で、登録ユーザー数は 850 万人。 Via はニューヨークを中心として、シカゴとワシントンの 3 都 市でサービスを提供している乗り合いライドシェアサービス。 Juno は 2016 年にニューヨーク市でスタートしたライドシェ アサービス事業者。Uber や Lyft と比較してドライバーへの還元 率を大きくしていることを特長としている。 2016 年 9 月に Ford に買収された Chariot は 14 人乗りのバン を使って通勤者用のライドシェアサービスを提供する事業者で ある。サンフランシスコ周辺から提供を始め、オースティン、 シアトル、ニューヨーク、コロンバスに展開している。また、 2018 年 2 月からはロンドン郊外でもサービス提供を始めて いる。

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10 ② 欧州の状況 mytaxi は 2009 年 6 月にドイツで設立されたスタートアップ企業でありスマートフォン 経由でタクシー配車ができるサービスを提供している。ドイツ国内 6 か所のサービス提供 から始まり、ウィーン、バルセロナ、チューリッヒ、ワルシャワ、ワシントンDC、マドリ ッドと展開し、2014 年 9 月にダイムラーグ ループによって買収された。その後、同社は 2016 年末にロンドン発のタクシー配車サ ービスである Hailo を買収し、すべてのサ ービスをmytaxi に統一した。現在は 1000 万人のユーザーと45000 台のタクシーが登 録されている。 ↑ https://uk.mytaxi.com/welcome BlaBlaCar は 2006 年にフランスで設立された長距離を中心としたライドシェアサービ ス。フランス、スペイン、ポルトガル、イタリア、ベルギー、ルクセンブルグ、オランダ、 ポーランド、イギリス、ロシア、ウクライナ、ドイツ、インド、トルコ、ハンガリー、クロ アチア、セルビア、ルーマニア、スロバキア、メキシコ、ブラジルの21 か国でサービス展 開。登録ユーザーは4000 万人。 ↑ https://www.blablacar.com/ Taxify は 2013 年にエストニアで創業したライドシェアとタクシー配車のスタートアッ プ企業。現在はオーストラリア(シドニー、メルボルン、ブリスベン)、オーストリア、ア ゼルバイジャン、トロント、プラハ、エストニア(タリン、タルトゥ)、フランス(リヨン、 パリ)、ジョージア、ガーナ、ハンガリー、イラク、ケニア、南アフリカなど20 か国以上で 事業展開しており、300 万人以上のユーザーが登録されている。

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11 ↑ https://taxify.eu/ ③ ASEAN の状況 Grab はシンガポールを拠点とする東南アジアで代表的なライドシェア・配車サービス企 業である。2012 年にマレーシアでサービス提供を始め、フィリピン、シンガポール、タイ、 ホーチミン、インドネシアと展開し、現在では8 か国 195 都市でサービス提供している。 タクシー配車の Grabtaxi に加えてライドシェアの GrabCar、オートバイタクシーの GrabBike、相乗りの GrabHitch、配達の GrabExpress、決済の GrabPay、シェアサイク ルのGrabCycle など多様サービスを提供し、毎日約 500 万人のユーザーが利用し、アプリ のダウンロードは9000 万台に及ぶ。2018 年 3 月 26 日には Uber の東南アジア事業を買収 することが発表され、Grab の東南アジアでのポジションが確固たるものとなった。 ↑ https://www.grab.com/ GoJek はオートバイでの配車サービス企業として 2010 年にインドネシアで設立された スタートアップ企業。現在はインドネシア国内50 都市でサービス提供しており、配車サー ビスのGo-Car、食事宅配の Go-Food、買い物代行の Go-Mart、薬宅配の Go-Med、出張マ ッサージのGo-Massage、出張清掃の Go-Clean など様々なサービスを展開している。

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12 ↑ https://www.go-jek.com/ ④ 中国の状況 中国では2012 年に北京で設立され、中国版 Twitter のテンセントの投資を受けて成長し た嘀嘀打車と、2012 年に杭州で設立され、中国版 Amazon のアリババの投資を受けて成長 した快的打車が2015 年 2 月に合併し、滴滴出行として中国市場の 95%以上のシェアを保 有するライドシェア大手となった。2016 年 7 月に中国政府は合法的なライドシェアを運営 するための規制法であるインターネット予約タクシー管理サービス暫定措置法を制定し、 ライドシェアを合法化した。その後、2016 年 8 月にウーバーは中国事業から撤退し、同事 業を滴滴出行に売却した。同社は4.5 億人のユーザーが登録するライドシェアにおける世界 最大手であり、中国400 都市以上でサービス提供している。2018 年 1 月には 2012 年創業 で20万人のドライバーと1400万人のユーザーを抱えるブラジルのライドシェア大手“99” を買収した。 滴滴出行はエストニアのライドシェア事業者 Taxify とドバイのライドシェア事業者 Careem とも戦略的な提携関係にある。 ↑ http://www.didichuxing.com/ ⑤ インドの状況 インドでは地元の最大手であるOla と米国 Uber の 2 強が熾烈な競争を繰り広げる状況 となっている。Ola の運営会社は 2011 年に創業した ANI テクノロジーズであり、インド を中心に110 都市以上でサービス提供している。登録ドライバーは 100 万人、登録台数は

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13 80 万台でありインド国内のシェア50%以上を占めている。2018 年 1 月からはオーストラ リアに進出しており、2 月でのパースにおけるサービス開始後にシドニーとメルボルンに展 開する予定。 ↑ https://www.olacabs.com/ 対抗するUber は 2013 年からサービス提供を始めており、45 万台の登録台数と 30 都市 でのサービス展開を行っている。 インドではその他にもフランスベースのBlaBlaCar、2014 年に創業した sRide(プネ、 ハイデラバード、バンガロール、デリー、ムンバイ、チェンナイ、カルカッタ)、バンガロ ールを中心にハイデラバード、チェンナイ、プネ、コチなどでライドシェアサービスを提供 するQuickRide など多数の事業者が参入している。 ⑥ その他 Careem はドバイを本拠地として 2012 年に創業したライドシェア企業。中東(UAE、サ ウジアラビア、ヨルダン、パレスチナなど)、北アフリカ(エジプト、モロッコなど)、南ア ジア(パキスタン)の13 か国 90 都市でサービス提供している。登録ユーザー数は 2000 万 人超、登録ドライバーは50 万人超となっている。 ↑ https://www.careem.com/

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14 1.4 旅客サービス(タクシー事業、バス事業、鉄道事業) 欧州、米国、中国、ASEAN、インドにおけるタクシー、バス、鉄道についての主なプレ イヤーは図表1に示す通りとなる。欧州においてドイツ鉄道がマルチモーダルサービスや カーシェアリングの事業展開していること、ウィーン市の公共交通機関である Wiener Linien がマルチモーダルサービスを提供していることを除けば、既存の旅客サービス事業 者がモビリティサービスにおける新しいプレイヤーとして活動しているケースは極めて少 ない。 タクシー業界においても新興の配車サービス事業者である mytaxi(欧州)、Grab(東南 アジア)、Ola(インド)などが台頭してきており、既存のタクシー事業者が廃業に追い込ま れる/配車サービスに基づいてサービス提供するという流れになっているのが一般的と言 える。 図表1:旅客サービスにおける主要プレイヤー 地域 業界 主要プレーヤー タクシー 北米におけるタクシー会社は、いわゆるタクシー車両リース会社であるが、地域ごとに中小企 業が乱立しており、マーケットリーダーとなるような大手企業は存在しない。 バス Greyhoundを傘下に収めたFirstgroupと英国の格安長距離バス会社のStageCoach Groupが 米国でもサービス提供。 鉄道 都市間鉄道についてはAmtrakが運営、都市内交通についても大多数は地方政府またはその 傘下の公社が運営。 タクシー ダイムラー系のmytaxiがイギリスのHailoを吸収し、欧州域内におけるタクシー配車の代表的 企業となっている バス イギリスのFirstGroup(ファーストグループ、GBR)、Stagecoach Group(ステージコーチ・グルー プ、GBR)、National Express Group(GBR)、Deutsche Bahn(ドイツ鉄道、DEU)傘下のArriva (アリヴァ、GBR)、Veolia Environnement(ヴェオリア・エンヴァイロメント、FRA)、Caisse des Depots(フランス預金供託公庫、FRA)傘下のTransdev(トランスデヴ、FRA)、Société Nationale des Chemins de fer Français(フランス国有鉄道、通称SNCF、FRA)傘下のKeolis (ケオリス、FRA) 鉄道 Deutsche Bahn(ドイツ)、SNCFフランス国有鉄道、Firstrail(イギリス) タクシー ComfortDelGro Corporation Ltd(シンガポール) バス ComfortDelGro Corporation Ltd(シンガポール)、SMRTバス(シンガポール) 鉄道 SMRT株式会社(シンガポール)、タイ国有鉄道(タイ)、バンコク大量輸送システム社(タイ)、 バンコク・メトロ社(タイ) タクシー

Beijing Beiqi Kowloon Taxi(北京北汽九龍出租車、CHN)、Beijing Yinjian(北京銀建、CHN) Beijing Xianglong Taxi(北京祥龍出租客運、CHN)

Shanghai Qiangsheng(上海强生、CHN)、Dazhong Transportation(大衆交通、CHN) Shanghai Jinjiang International Industrial Investment Company(上海錦江国際実業、CHN) バス バスの運営は地方自治体の国有企業がメイン、民営の参入が開始したばかり

鉄道 Guangshen Railway(広州、深圳)、China Railway Tielong(大連)、Shanghai Shentong Metro (上海)、MTR Corporation(香港) タクシー ライドシェアのOlaとUber(インド)がタクシー業界の過半数以上を占めており、タクシー業界の 主要なプレーヤーは存在しない。 バス インド政府によって運営されている公共部門バス運営者(SRTU)は、全州に存在し、民間部門 は、すべての州で運営されているプライベートプレイヤーがなく、断片化している 鉄道 インド鉄道(国営)、デリーメトロレール、ムンバイメトロワン、バンガロールメトロレール 米国 欧州 ASEAN 中国 インド (出所)KPMG 作成

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15 1.5 その他駐車支援事業者 ① 米国の状況 SpotHero は 2011 年にシカゴで創業したベンチャー企業。現在全米とカナダの 50 都市 で駐車場サービス(予約と決済)を展開。2017 年に Parking Panda を買収したことによ り、北米で約5,000 箇所の駐車スペースを提供。2017 年中に 2,000 台分の駐車スペースも 新たに取得する予定。Hertz と提携してレンタカー向けの駐車サービスを提供。 ↑ https://spothero.com/ ParkMobile は 2008 年に創業したアトランタを拠点とするベンチャー企業でニューヨー ク、フィラデルフィア、フェニックスなど全米300 都市において 800 万人以上のユーザー を対象にサービス提供している。スマートフォンでの駐車場の予約と駐車料金の支払いが 可能。2018 年 1 月に BMW が買収。 ↑ http://us.parkmobile.com/ ParkWhiz は 2006 年にシカゴで創業した駐車場の事前予約と決済のサービスを提供す るベンチャー企業。2015 年にニューヨーク発の BestParking を買収。全米 3814 か所にお いて80 万台分の駐車スペースを提供。シカゴとニューヨークがメイン。 ↑ https://www.parkwhiz.com/

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16 ParkFi は 2014 年にデンバーで創業したベンチャー企業で駐車場オーナーに対してリア ルタイムに駐車場の利用状況をモニターし、違法駐車を含めた管理のサービスを提供。 ← https://www.parkifi.com/ Spaceek は 2014 年にイスラエルで創業した駐車場管理のためのデバイス、アプリ、クラ ウド型システムを提供するスタートアップ企業。ブルートゥースで発信する駐車場のセン サーとアプリ、クラウド型システムを組み合わせることでリアルタイムに駐車状況を管理 できるソリューションを提供。 ↑ http://www.spaceek.com/ MeterFeeder は 2014 年にピッツバーグで創業し、中小自治体に向けて路上パーキング のソリューションを提供。ユーザーはスマートフォンで路上駐車料金を支払い。駐車場管理 者はタブレット端末で駐車管理することが可能。 ↑ https://www.meterfeeder.com/ Streetline は 2005 年にサンフランシスコで創業したスマートパーキングのスタートアッ プ企業で駐車場を探したいドライバーと効率的に駐車場を貸し出したいオーナーを結び付 けるシステムを提供している。ロサンゼルスでは2 万か所の駐車場で導入されている。

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↑ https://www.streetline.com/

Fybr は 1998 年に創業したセントルイスを本拠地とする MtoM や IoT のソリューション を提供するベンチャー企業。駐車管理に関するソリューションとしては、駐車センサー、モ バイルアプリ、管理システムなどを提供。サンフランシスコでは11,000 のセンサーと 400 のゲートウェイを導入して駐車管理ソリューションを提供。 ← https://fybr.com/ ParkMe は 2004 年創業の INRIX というコネクテッドカーや交通分析を本業とするデー タサービス会社が提供する駐車支援サービス。INRIX にはポルシェグループが出資してい る(シェア10%)。ParkMe は東京、ニューヨーク、ロンドン、ミュンヘン、サンパウロ、 サンフランシスコなど15000 都市の 20 万か所で提供されている駐車場検索、料金支払いサ ービス。 ↑ https://www.parkme.com/

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18 ② 欧州の状況 Zenpark は欧州の駐車場シェアベンダ。フランスのパリを中心に駐車場を貸したい所有 者と、探しているドライバーをアプリでマッチングさせるサービスを提供。20,000 ヶ所の 駐車場スポットあり。 ↑ https://zenpark.com/ PayByPhone はバンクーバー(カナダ)を拠点とするスマートフォンで駐車と支払ので きるサービスを提供するベンチャー企業。米国、フランス、英国、スイス、オーストラリア でサービスを提供。2016 年 12 月に VW グループに買収された。 ↑ https://www.paybyphone.com/ ③ 中国の状況 2005 年に創業した 51 Park は 2015 年 4 月にオンラインサービスを始めてから 20 都市 以上で10 万台分の駐車スペースを管理。 2014 年に北京で設立された駐車支援スタートアップの U-Parking は、ナンバープレート で車の識別を行う駐車場予約・自動割当システムを導入しており、これにより都市全体の駐 車場利用の最大化とコスト削減を図っている。北京で5000 台分の駐車スペースを確保。 2014 年 4 月に上海で設立された駐車支援スタートアップの Tingchebao(停車宝)は上 海、北京、天津、広州、杭州、深圳でサービス提供。

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19 1.6 各モビリティサービスの事業性の検証 各モビリティサービスの現時点における事業ステージについて図表2にまとめた。 図表2:各モビリティサービスの事業ステージと今後の展開 (出所)KPMG 作成 マルチモーダル事業はまだ実証試験段階、駐車場シェアリング事業は北米や日本を中心 に事業が立ち上がっている段階のため、当該事業での収益化はまだ見えていないと思われ る。一方、カーシェア事業とライドシェア事業は黎明期を経て、市場が大きく拡大している ステージにあり、公共交通事業はこれらの新たなモビリティサービスの台頭を受けて、成熟 期のステージから大きなビジネスモデルの変革期に差し掛かっている状況にあると考えら れる。そこで、これらの状況を踏まえ、各モビリティサービスの事業性について検証する。 (1) マルチモーダル事業 マルチモーダル事業は世界各国で実証試験が行われている段階であり、本格的な事業化 はこれから検討されることとなる。ビジネスモデルとしては、サービス会員向けの月額定額 +従量制のサブスクリプションモデルが考えられる。つまり、当該事業の収益は、サービス 会員数×月額基本料(定額)+サービス利用料金(従量制)の形態で計上されることになろう。 事業性の評価を検討するにあたっては、月額基本料の価格設定とユーザー獲得施策が非常 に重要になってくる。

例えば、フィンランドのMaaS Global 社の Whim という定額のマルチモーダルサービス では月額 499 ユーロを支払えば公共交通、カーシェアリングが使い放題で、タクシーも半 径5km以内であれば乗り放題というプランを提供しており、都市部の首都ヘルシンキ市 民約60 万人のうち、3%の人々が利用すると仮定すると、月額約 11.6 億円(ユーザー1.8 万 モビリティサービス 事業ステージ ビジネスモデルと今後の展開 マルチモーダル 実証試験、事業化(黎明期) デジタル化による交通サービスの統合、交通手段の多様化だけではなく、予約から決済までスマートフォン1台で行える 月額定額制+利用料金のサブスクリプションモデル カーシェアリング 事業化(成長期) 特定の自動車を会員間で共有するサービスで、レンタカー事業に比べ、人件費、設備代などの管理コストが少額で収益性は高い 最近は、P2Pモデルへの参入事業者も多い ライドシェア 事業化(成長期) 既に米国、欧州、中国などでは主要な交通手段の1つとなっている特定企業による寡占事業で、各地域の主要なプレイヤーは固まりつつある 運賃の20~30%の手数料をライドシェア事業者が徴収 公共交通(タクシー、バス、鉄道) 事業化(成熟期) 一般的に公共交通の収益性は低く、特に、海外ではライドシェア事業の拡大によりタクシー市場は減少傾向にある。一部の鉄道事業者の収益性は高く、マルチモーダ ル事業に進出している企業も存在する 駐車場シェアリング 事業化(立ち上がり期) 個人・法人が利用していない駐車場を他社に貸し出すマッチングプラットフォーム事業。駐車場代金の35~50%を手数料として徴収。特に、駐車場不足問題が深 刻な中国を中心市場が拡大するとみられる

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20 人、1€=130 円で計算)、年間では約 140 億円の収益が計上される。ここから各交通事業者 に支払う手数料が差し引かれ、さらに運用管理に係るコストを除いたものがフリーキャッ シュフローとなる。そして、このフリーキャッシュフローをユーザー獲得のために、システ ム開発とマーケティングコストにどう振り分けていくのかが重要な分岐点となる。 ここで、ポイントは、獲得した収益をどのように各交通事業者に分担するのかという点と 継続的なシステム開発を行うためにどの程度の投資金額が必要で、それに見合うユーザー 数を獲得するためのマーケティングコストはいくらかという点であろう。前者の配分につ いての詳細は不明であるが、各交通事業者に支払われる全体金額についてはライドシェア 事業者などの事例から推測するに70~80%程度が支払われるのではないかと推測される。 上記の例だとMaaS Global 社は年間 28 億円の売り上げが計上される計算となる。ここか らオペレーションコスト、管理コストを差し引き、更にシステムの開発費とマーケティング コストを費計上した差額が最終損益となる。現状、MaaS Global 社はまだ 20 数名程度のス タートアップ企業であるため、この収益規模でも黒字化する可能性はあるが、更なる成長の ためには、当該サービスとシステムをパッケージ化した上で海外に横展開したり、サービス を通じて蓄積された移動データの活用をビジネス化したりといった事業の多角化や海外進 出を検討する必要があろう。そういった意味では、各ローカル都市に閉じた形での当該事業 単体での収益性はあまり高くないのではないかと推測される。 (2) カーシェアリング事業 図表3はカーシェアリングの今後の市場規模を記載したものである。 図表3:カーシェアリング事業の市場規模 0 100,000 200,000 300,000 400,000 500,000 600,000 700,000 800,000 0 5000 10000 15000 20000 25000 30000 35000 40000 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2025年 2030年 2035年 百万円 千ユーザー 日本 北米 欧州 中国 インド その他 金額 (出所)富士経済データをもとにKPMG作成

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21 図表3より、カーシェアリング市場は成長期に位置しており、世界中で多くの事業者が新 規参入している。2017 年時点で世界最大の事業者は、ドイツのダイムラー社が展開してい るCar2go と韓国の Socar でともに 300 万人の会員を抱えているとみられている。図表4 は、2017 年のマーケットシェアを示したものであり、日本ではパーク 24 が約 96 万人のユ ーザーを抱え最大手である。 図表4:カーシェアリング事業のマーケットシェア (出所)富士経済データをもとにKPMG 作成 日本では、パーク24 と同様な駐車場運営・管理業者やレンタカー事業者などがカーシェ アリング事業への参入を行っているが、実際にはパーク24 以外の事業者はカーシェアリン グ事業の拡大に苦戦している。カーシェアリング事業は 1 台の車を共通利用するビジネス で、利用時間はレンタカーなどと比べ非常に短い。そのため、出来るだけ1 台当たりの稼働 率を上げることが戦略上重要になる。つまり、カーシェアリングのステーションの場所が非 常に重要となる。この点、パーク24 はこれまでに駐車場管理システムの情報を保有してお り、顧客ニーズを上手く活用することが出来る。また、ステーションを設置する際のコスト についても、利用者の多い都心部に既に保有する駐車場がありその一角を上手く利用する ことで、ほぼ追加コストなしで事業を開始することも出来る。情報とアセットという他社に ない優位性を持っていることがカーシェアリング事業の拡大につながっているのであろう。 図表5はパーク24 のカーシェアリング事業、レンタカー事業の収益構造を示したもので ある。 Car2go 18.0 Socar 18.0 Gleen Car 7.8 EVCARD 7.2 Zipcar 6.1 Drive Now 6.0 パーク24 5.8 オリックス自動車 1.1 その他 30.0

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22 図表5:カーシェアリング事業の収益構造(パーク24) (出所)決算情報などをもとにKPMG 作成 上記を見て分かるように、パーク24 でのカーシェア事業の営業利益率は約 15%と高い。 これは、同じように自動車を貸し出すレンタカー事業に比べても高収益である。参考までに、 同じパーク24 のレンタカー事業の収益性は約 5%である(図表6参照)。 カーシェアリング事業はレンタカーと違い、施設投資を行い、窓口業務の人材やメンテナ ンス費用など多くの管理コストを掛けていない点が事業としての強みであり、要するコス トとしては、車両代、燃料代、メンテナンスや税金保険などの維持コスト、本社のオペレー ションコストなどである。この違いが約9%の利益率の差になっているのである。 図表6:レンタカー事業の収益構造(パーク24) (出所)決算情報などをもとにKPMG 作成 では、他社もこれと同じように出来るかというとそうではない。まず、コスト面で見ると、 適切な場所にアセットを持たない他事業者が新規に事業を立ち上げようとすると、上記パ ーク24 のコストには含まれない駐車場代がかかってくる。都心の駐車場の 1 台当たりの月 次の駐車料金は4~5 万円程度であり、これを考慮すると、図表5のように赤字に転落して 売上高 100 営業費用 営業収益 (駐車場代) -31 46 85 15 売上高 100 営業費用 管理費 営業収益 85 9 5

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23 しまう。さらに、パーそのク24 ではほぼゼロで設置できていたステーション設置費用も計 上するとさらに赤字幅は拡大する。 次に、収益面に関してであるが、カーシェアリング事業では保有する自動車の稼働率をい かに向上させるかが収益向上の重要なポイントとなる。当該事業はレンタカー事業に比べ、 1 回あたりの利用時間が少なく、稼働率は低い。そのため、一般的には、ステーションの 300 m四方にどれだけの潜在ユーザーが存在するかで収益性は決まると言われており、その意 味では、過去から蓄積された駐車データを保有する駐車場の運営管理業者の優位性は高い と言えよう。実際、パーク24 は毎年 1 台当たりの売上金額が向上しており、5 年前と比べ て約8.7%も向上している。 以上をまとめると、カーシェアリング事業は、アセットや情報を既に保有もしくは入手で きる企業にとっては高い収益性が見込める有望な市場であると思われる。マーケットとし てもまだまだ拡大期に位置し、特に、自動車の保有台数の制限を行っている中国では急激に 普及していくのではないかと推測される。 (3) ライドシェア事業 図表7はライドシェア事業の今後の市場規模を記載したものである。 図表7:ライドシェア事業の市場規模 図表7より、ライドシェア市場は成長期に位置しており、市場規模も大きいため世界中で 0 500,000 1,000,000 1,500,000 2,000,000 2,500,000 3,000,000 3,500,000 4,000,000 4,500,000 5,000,000 0 100000 200000 300000 400000 500000 600000 700000 800000 900000 1000000 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2025年 2030年 2035年 百万円 千ユーザー 日本 北米 欧州 中国 インド その他 金額 (出所)富士経済データをもとにKPMG作成

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24 様々な事業者が新規参入しているが、日本と韓国を除く世界の各主要地域での主要なプレ イヤーは出揃いつつある。市場規模では、特に中国市場が大きく、最大手のDiDi Chuxing (滴滴出行)は中国全土に約4 億人のユーザー(2017 年)を抱えており、1 日当たり 2,500 万件の配車をこなしていると言われている。参考までに、2017 年のライドシェア事業のマ ーケットシェアの現状を図表8に記載した。 図表8:ライドシェア事業のマーケットシェア (出所)富士経済データをもとにKPMG 作成 では、ライドシェア事業の収益性はどうなっているのであろうか。ライドシェア事業は、 一般ドライバーと移動したい乗客(ユーザー)のマッチングを行うプラットフォーム運営サ ービスのことであり、ユーザーが実際に輸送サービスに対して支払った報酬額の約 20~ 35%が手数料収入として計上される。また、主要なコストとしては、オペレーションに関す るコストやマーケティングコストなどが想定されるが、最も大きいのはシステム開発コス トであろう。数ある新規参入事業者の中でドライバーやユーザーから選ばれるためには、彼 らにとってシンプルで便利なシステムを開発する必要があり、その投資額は莫大である。実 際に、米国のUber 社は自社で約 7,000 人の技術者を抱えており、自社開発のルート検索エ ンジン「Gurafu」を保有している。Uber のサービスの裏側では、このルーティングの技術 のみならず、最適なマッチングをするためのアルゴリズム、需給に応じてリアルタイムで価 格変動できるダイナミックプライシングの技術などの差別化されたテクノロジーが存在し ているのである。 Didi Chuxing 69.3 mytaxi 13.9 BlaBlaCar 6.1 Uber 4.3 Careem 2.6 Lyft 1.5 Grab Taxi 0.7 iDVROOM 0.2 Heetch 0.1 その他 1.4

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25 では、2017 年で 2,500 万人のユーザー数を抱えている Uber 社の実際の決算の状況はど うであろうか。2017 年の売上については前年比 15%増の約 8,250 億円(75 億ドル、1 ドル =110 円と仮定、以下同様)、四半期ベースで見ても 2017 年第 4 四半期の売上は前年同期 比で61%増の 2,420 億円と過去最高であった。一方、損益については、第 4 四半期の最終 損失は約1,210 億円と縮小傾向にはあるものの、通期では前期より大幅に赤字が膨らみ、約 4,950 億円の損失であった。この主な要因としては、自動運転などの新規事業への多額の投 資もあるが、前CEO 時代に行っていた効率よりも規模拡大を重視した戦略による収益性の 低下によるものも大きい。2018 年 3 月の Glab 社へ東南アジア地域の事業売却報道に見ら れるように、今後は単価の高い米国、欧州、オーストラリアなどを中心に展開していくもの と思われる。 このUber 社の事例から分かることは、ライドシェア事業の収益性はサービス単価と規模 の経済の 2 点から決まってくるということであり、サービス単価が低く、地元事業者との シェア争いが厳しい地域への参入は非常に厳しいということでありる。つまり、ライドシェ アの市場はそれぞれの地域で1,2 社が寡占する市場構図となることが予想され、実際、中 国のDiDi Chuxing、米国の Uber、ドイツの my taxi、東南アジアの Grab Taxi などのプ レーヤーが固まってきた印象である。 では、現状法令で許されていないライドシェア事業を日本で行うとした場合に、事業とし て成り立つのであろうか。この点について、競合となり得るタクシー事業と比較して考察す るが、前提として、そもそも日本は世界第 2 位のタクシー王国であり、タクシー事業者数 5.2 万社、その大半は中小法人や個人タクシーであることから、新たに一般ドライバーを募 集して参入するというよりは既にタクシードライバーとして働いている人がライドシェア のドライバーに移行すると仮定する。つまり、タクシードライバーにとって、どちらが職場 として魅力的かについて検証する。 図表9は乗客が利用した際のサービス対価を 100 とした場合のタクシー事業会社の収益 構造を表したものである。各種業界、関連資料から推定したものであるが、一般にタクシー 会社はサービス対価の約40~50%を会社取り分として収益計上するため、当該図表では収 益を50 とした。また、コスト構造については、37%が人件費、5%が車両関連費となって おり、その結果、若干の赤字になっている。 ポイントは、人件費の割合でこれは主にタクシードライバーの報酬である。前述の通り、 タクシー事業者は赤字経営の会社も多く、会社としてこれ以上ドライバーの報酬を上げる ことは困難である。

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26 図表9:タクシー事業の収益構造の算定 (出所)各種データをもとにKPMG 作成 では、ライドシェア事業でのドライバーの収益構造はどのようになっているのであろう か。図表10は、以下の前提をおき、サービス対価を 100 とした場合のライドシェア事業 のドライバーの収益構造を示したものである。 実際にドライバーが乗客にするサービスは変わらないので、タクシー会社の収益構造を 参考に、①一般的なライドシェア事業者の手数料率が約20~30%であることから手数料を 25 にしたこと、②燃料費が LP ガスからガソリンに代わること(3⇒5、+2)、③個人事業主 になることに伴うその他諸々の諸費用の追加(9⇒14、+5)の 3 点を考慮し、算定した。 図表10:ライドシェア事業のドライバーの収益構造 (出所)各種データをもとにKPMG 作成 サービス対価 100 手数料収入 労務費 燃料費 車両償却・修繕費 その他費用 営業損失 -1 9 50 37 3 2 サービス対価 100 手数料 労務費 燃料費 車両償却・修繕費 その他費用 営業収益 14 17 25 37 5 2

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27 その結果、ライドシェア事業では17 の利益が発生することが分かった。これは個人事業 主になって費用は増したが、それ以上に手数料割合の低さの恩恵を受けたことが要因であ る。つまり、ドライバーにとっては、タクシー事業者よりライドシェア事業の方が収益性が 高く、これまでと同等の給与水準のほかに追加報酬を獲得する可能性があることを示して いる。 もちろん、実際には様々な要因が関係してくるため断定は出来ないが、少なくとも個人や 中小法人で活動しているドライバーにとっては魅力のある事業だと思われる。一方で、純粋 なライドシェア事業者にとって、当該事業の収益性が確保できるかについてはユーザー数 の獲得がポイントで、競合相手となる大手タクシー会社との連携を図るなどが考えられる。 実際、ソフトバンクは中国のDiDi Chuxing と第一交通産業と組んで、配車システムを日本 のタクシー会社に提供するサービスを2018 年中に実用化するとの発表を行っており、この 流れは今後も続いていくであろう。 (4) 公共交通事業(タクシー、バス、鉄道) 前述した通り、公共交通事業の市場は成熟期にあり、公共交通事業者の各ビジネスモデル は確立されている。一方で、前述したようなライドシェアやカーシェアなど新たなモビリテ ィサービスの普及によりその一部が衰退する可能性も否定できない。このような状況の中、 現状の交通事業者それぞれの収益構造について検証する。 ① タクシー事業 2015 年時点で、日本のタクシー業界は約 5.2 万社であり、そのほとんどが個人、もしく は中小零細企業である。タクシー業界を取り巻く市場環境は厳しく、図表11は、輸送人員 数と車両数の推移を示したものである。これをみると、車両数は25 万台付近でずっと横ば いなのに対し、輸送人員数は大きく縮小しており、1 台あたりの収益性が大きく悪化してい ることが分かる。 では、実際の収益構造はどうなっているのであろうか。図表12は、関係資料をもとに、 売上高を100 とした場合の収益構造を算定したものである。コストの 7 割以上を人件費が 占め、全体としては損失が計上されている。そのため、大半のタクシー会社では新規ビジネ スに投資する余力はないと思われる。

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28 図表11:タクシー市場環境の推移 (出所)国土交通省データをもとにKPMG 作成 図表12:タクシー事業の収益構造 (出所)各種データをもとにKPMG 作成 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 300,000 輸送人員数( 百万人) 車両数( 両) 年度 輸送人員 車両数 売上高 100 労務費 車両償却・修繕費 燃料費 その他費用 営業損失 -1 19 74 5 3

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29 ② バス事業 次に、乗合バス事業の事業環境について考える。日本の乗合バス事業者は 2,200 社であ り、図表13は乗合バスを取り巻く市場環境の推移を示したものである。 図表13:乗合バスの市場環境の推移 (出所)国土交通省のデータをもとにKPMG 作成 上記データが示す通り、乗合バスの輸送需要はこの20 年間で縮小傾向にある。一方で車 両数は約6 万両で横ばい傾向にあり、バス事業に関しても 1 台当たりの乗車率は低下傾向 にあることが分かる。 実際に、2015 年度の 30 両以上の車両を保有する乗合バス事業者の収益構造を示したの が、図表14である。関係資料をもとに、売上高を 100 としてその割合を算定したもので ある。コストの6 割が人件費、約 2 割が車両維持・運営費が占め、全体としては損失が計上 されている。実際、2016 年度の国内のバス事業者の 63%が赤字であり、タクシー会社同様、 新規ビジネスに投資する余力がある事業者は少ないと思われる。 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 輸送人員( 百万人) 、 走行キ ロ ( 百万 KM) 車両数( 両) 年度 輸送人員 走行キロ 車両数

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30 図表14:バス事業の収益構造 (出所)各種データをもとにKPMG 作成 ③ 鉄道事業 図表15は鉄道事業者を取り巻く市場環境を示したものである。2017 年時点の国内の鉄 道会社は 216 社であり、鉄道事業者を取り巻く市場環境を示す指標である旅客人キロの推 移を示したものである。 図表15:鉄道事業者の旅客人キロの推移 (出所)国土交通省データをもとにKPMG 作成 2016 年度における鉄道事業者の旅客人キロは 4,317 憶人キロ(JR2,720 憶人キロ、民 鉄1,598 憶人キロ)であり、利用者は僅かではあるが少しずつ増加傾向にある。中でも新幹 売上高 100 労務費 車両償却・修繕費 燃料費 その他費用 営業収益 -3 11 8 24 60 0.0 50.0 100.0 150.0 200.0 250.0 300.0 350.0 400.0 450.0 500.0 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 十億人キ ロ 年度 JR(新幹線以外) JR(新幹線) 民鉄

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31 線の旅客人キロの増加が一番大きく、これは既存路線の利便性向上や輸送力強化などの成 果であろう。 では、このような環境下において、事業の収益性はどうなっているのであろうか。図表1 6は、関係資料をもとに、売上高を100 とした場合の収益構造を算定したものである。 図表16:鉄道事業の収支構造 (出所)各種資料をもとにKPMG 作成 減価償却費22%、修繕費 15%と設備投資や維持に関する経費が 35%を占め、人件費 25% と合わせるとかなりのコストが固定費であると推測できる。このことから鉄道事業におい てはいかに採算ラインを超えるべく、一定以上の輸送量を確保するかが収益性向上のポイ ントとなることが分かる。 実際、2015 年度の鉄道事業者の営業成績を示した図表17をみると、JR の営業利益率 22%に対し、民鉄は 13%と約 10%の大きな違いが存在しており、新規事業への進出は JR 各社と大手民鉄に限られると思われる。 図表17:2015 年度の鉄道事業者の営業成績 (出所)国土交通省資料をもとにKPMG 作成 売上高 100 労務費 車両償却費 車両修繕費 燃料費 その他費用 営業収益 23 17 18 13 25 4

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32 (5) 駐車場シェアリング事業 図表18は駐車場シェアリング事業の今後の市場規模を記載したものである。 図表18:駐車場シェアリング事業の市場規模 図表18から分かるように、駐車場シェアリング事業はこれから立ち上がろうとしてい る市場であり、現状は北米、日本及び欧州を中心に2017 年で約 517 億円の市場規模であ る。今後大きく伸びる市場としては中国が挙げられる。一般的な先進国の大都市における自 動車台数と駐車スペースの割合が1:3 であるのに対し、中国では 1:0.8 と都市部の駐車場 が大きく不足しているからである。 図表19は、2017 年の駐車場シェアリング事業におけるマーケットシェアを示したもの である。1,2 位の企業はいずれも米国の企業であるが、3 位につけているのが日本の akippa 社である。akippa 社は 2009 年設立で、駐車場シェアリング市場の黎明期から事業を続け ている。そのため、ユーザーの認知度は高く、駐車場事業大手などの新規参入にもかかわら ず、日本国内シェアの80%以上を占めている。 駐車場のシェアリング事業は、個人や法人が使っていない駐車スペースと駐車場を借り たいニーズをマッチングするサービスで、一般的には利用者から受け取った対価の 50~ 65%を駐車場オーナーに支払い、残りが収入として計上される。コインパーキングなどと比 べまだまだ参入プレイヤーも少なく、現在はスタートアップ企業が多いことからサービス 0 200,000 400,000 600,000 800,000 1,000,000 1,200,000 1,400,000 1,600,000 1,800,000 0 10000 20000 30000 40000 50000 60000 70000 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2025年 2030年 2035年 百万円 千台 日本 北米 欧州 中国 インド その他 金額 (出所)富士経済データをもとにKPMG作成

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33 価格については通常のコインパーキングの値段よりも低めに設定されているケースが多い のが実情である。 また、市場自体が立ち上げ期であるため、駐車スペースを拡大するための営業費用や認知 度を上げ、ユーザーを獲得するためのマーケティングコストなど先行投資が必要で、当該事 業だけで黒字化するステージには到達していないと思われる。実際に、akippa 社の業績を みてみると、ここ数年売上自体は大幅な増加が続いているものの、2017 年度時点でも売上 約5 億円、最終損益約 5 億円の赤字となっている。当該ビジネスはプラットフォームビジ ネスであり、日本のマーケットサイズを考えると、将来的には数社の寡占市場になることが 予想される。そのため、いかに早くユーザー数を獲得しておくかが収益性を確保するために 重要になるであろう。 図表19:駐車場シェアリング事業のマーケットシェア (出所)富士経済データをもとにKPMG 作成 ParkWhiz 41.1 SpotHero 26.6 akippa 4.3 Zenpark 3.9 その他 24.2

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2.モビリティサービスの国内事業性の調査

2.1 モビリティサービスを担う可能性のあるプレイヤーの分類 本章では、今後の国内でのモビリティサービスを推進する上で、主要なプレイヤーとなり 得る事業者について考察する。新しいモビリティサービスのプレイヤーを考える上で重要 なのは、今 100 年に一度と言われる変革が起きている「自動車産業界」からの視点と今後 モビリティサービスの担い手となるであろう「サービス事業者」からの視点を融合させてい くことであろう。図表20は、両者の視点から次期モビリティサービスを実施する可能性の ある主なプレイヤーをまとめたものである。 図表20:モビリティサービスを担う可能性のあるプレイヤーの分類 (出所)KPMG 作成 まず「自動車業界」が考える将来のモビリティサービスの方向性であるが、ドイツのダイ ムラー社が発表した“CASE”という言葉に代表されるようにコネクティビティの「C」、オ ートノマスの「A」、シェアードの「S」、そしてエレクトリックの「E」に則ったサービスで あろう。自動車の保有形態が個人所有から共有へと変わり、それに伴い、従来型のビジネス モデルを変更する必要がある。中でも特に影響があるのは、自動車産業のバリューチェーン の中でも川下に位置するカーディーラーや中古車販売業者などである。 一方、「サービス事業者」が考える将来のモビリティサービスとは、ユーザー目線での考 えに基づくものであり、所有から共有への流れの中で、自動車の公共交通化が進み、例えば マルチモーダルのような次世代交通システムの構築の観点から考えるものである。この視 該当なし IDOM ディーラー ・ ・ 自動車 サービス系 パーク24 レンタカー 西鉄バス 神奈川中央交通 みちのりホールディングス バス JR各社 東京急行電鉄 小田急電鉄 ・ ・ 電鉄 該当なし NTTドコモ KDDI ソフトバンク 通信系 第一交通産業 日本交通 大和自動車交通 タクシー トヨタ デンソー 豊田通商 ・ ・ OEM系 自動車関連業界 プレイヤー サービス関連業界 プレイヤー モビリティ サービス マルチモーダル ライドシェア カーシェア

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46 点での代表的なサービス事業者は公共交通事業者である鉄道、バス、タクシーの事業者やパ ーク24 のような駐車場管理・運営事業者などである。 2.2 国内のモビリティサービス関連業界の現状と課題 1章で検証した海外のモビリティサービスの状況や事業性の評価を踏まえると、国内に おいて実現可能性のあるモビリティサービスとして、カーシェアとライドシェアが挙げら れる。なお、前述した通り、海外ではマルチモーダル事業も都市計画と絡めて有望な事業と して立ち上がっているが、日本においては現状その担い手がおらず、事業に関連するステー クホルダーの数が多すぎることなどから、当面、主要プレイヤーは出てこないと判断した。 図表21は、これまでの 3 回の意見交換会と各社への個別ヒアリングの結果を踏まえ、 各関連業界のプレイヤーがモビリティサービスを担うための課題について検討したもので ある。 図表21:各主要プレイヤーの現状とスタンス (出所)KPMG 作成 プレイヤー 置かれた状況・スタンス 基本的には中小企業、お金がなくデジタル投資できず。 ライドシェアなど新規ビジネスに批判的で、業界のつながりが 強く保守的 鉄道 鉄道事業自体の収益性は高い。但し、他社路線や他交通との連 携には消極的で、スケーラビリティに乏しい サービス領域に張り出していく必要性は理解するが、 クルマのデータをどのように活用すべきか思案中 既存の系列販売モデルからの脱却に課題 中古車販売はブランドやスケールアップに課題 プラットフォーマーになるだけの国内プレイヤー不在 ベンチャーも弱小、スケールアップに苦労。 プラットフォーマーになるだけの国内プレイヤー不在。 ベンチャーも弱小、スケールアップに苦労。 バス、タクシー 自動車OEM 自動車販売 駐車場管理 通信

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47 2.3 モビリティサービスを担う個別プレイヤーの選定 図表22は、今後のモビリティサービスを担う可能性のあるプレイヤーを業界ごとにま とめたものである。自動車メーカー系、鉄道系、旅行会社、バス専業会社、タクシー会 社、自動車周辺サービス系、通信事業者系など様々な業種・企業がモビリティサービスの 担い手となりうる可能性がある。実際にプレイヤーとなりうるかは、①当該プレイヤーの 事業に対する本気度、②規制などの事業展開を可能とする周辺環境の整備状況によって決 まってくるものと考えられる。 また、地域の交通事業者の多くは投資余力を十分に持たないことから、自動車メーカ ー、通信会社、金融機関などが事業展開に必要となる資金をどの程度提供できるかという 点も大きく左右すると考えられる。 海外ではダイムラー、VW、BMW、GM、フォードなどの自動車メーカーが買収によっ てモビリティサービス事業者に資金を提供してきたことが当該サービスの広がりに貢献し てきた。また、大手自動車メーカーの傘下に入ることは、地域発のモビリティサービスが グローバルに展開する際にもプラスの効果をもたらしている。 日本で同様のことが起きるためには、大手自動車メーカー、鉄道事業者、通信事業者な どの大手企業が、どの程度モビリティサービスに対して積極的にリソースを投入するかに よるものと思われる。 図表22:モビリティサービスを担う可能性のあるプレイヤー 業界 プレイヤー メリット デメリット 自動車 メーカー系 OEM(トヨタ、日 産、ホンダなど) ダイムラー、BMW、VW、フ ォード、GM などが積極的 にモビリティサービスを展 開(ベンチャー買収を含む) していることもあり有力な候 補 グループ企業として抱えている ディーラーやレンタカー会社と の競合が気になる場合は思い 切った事業判断ができない可 能性あり Tier1、商社(日 立、デンソー、 豊田通商、三菱 商事など) 資金力とシステム構築力を 活用することでモビリティサ ービス事業者となりうる可 能性あり 一般ユーザーを対象にしたビジ ネスの経験が少ないことがサー ビス展開の障害となりうる 鉄道 JR系(JR 東日 本、JR 東海、 JR 西日本など) 圧倒的な収益性とエリアカ バー率を有することからサ ービスエリアにおけるモビリ あらゆるモビリティサービスを自 社で抱えようとすると鉄道以外 のサービスでシェアをとれない 可能性あり

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48 ティサービス事業者として は有力 私鉄(東京急行 電鉄、小田急電 鉄など) 小売や生活サービスまでを 網羅している沿線において はモビリティサービスの提 供者としての親和性が最も 高い 沿線以外への展開に課題あり 旅行会社(JTB、HIS など) 旅行商品とすることで既存 の規制体系や許認可の影 響を最小化してモビリティ サービスを提供できる可能 性あり モビリティサービスのオペレー ションを他社に委託する必要が あることから実際のオペレータ ーになりにくい バス専業会社(みちのりホー ルディングス、ウィラー、両備 バス、神奈川中央交通など) オンデマンドバスや自動運 転バスのオペレーターとし ては最有力 収益性の低い事業を抱えてい ることから新規事業への投資余 力が不足 タクシー会社(日本交通、第 一交通、大和交通など) オンデマンド交通のオペレ ーターとしては有力 収益性の低い事業を抱えてい ることから新規事業への投資余 力が不足、ライドシェア的なサ ービスを展開する必要が出てき た場合に既存事業との利益相 反が発生 自動車周辺サービス系 (IDOM、パーク 24、自動車デ ィーラーなど) サービスに必要となる自動 車を安価で調達できる点が サービス展開するうえで有 利 オペレーションを行う上で運転 手を必要とするサービスには展 開しにくい 通信事業者系(ドコモ、KDDI、 ソフトバンク) スマートフォンユーザーを すでに抱えていることから 既存ユーザーを対象にした サービスを展開しやすい モビリティに関するノウハウが ほとんどない (出所)KPMG 作成

以上

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(様式2) 頁 図表番号 20 図表3 21 図表4 23 図表7 24 図表8 32 図表18 33 図表19 報告書の題名:平成29年度高度な自動走行システムの社会実装に向けた研究開発・実証事業(自動走行が活用されうるモビリティサービスの海外動向・国内事業性の調査)報告書 委託事業名:平成29年度高度な自動走行システムの社会実装に向けた研究開発・実証事業(自動走行が活用されうるモビリティサービスの海外動向・国内事業性の調査) 受注事業者名:有限責任 あずさ監査法人 カーシェアリング事業の市場規模 カーシェアリング事業のマーケットシェア ライドシェア事業の市場規模 ライドシェア事業のマーケットシェア 駐車場シェアリング事業のマーケットシェア

二次利用未承諾リスト

駐車場シェアリング事業の市場規模 タイトル

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