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を把握する 調査は処理場の処理機能を最優先させて行うことが原則としてあり また機器が設置 稼働している状態で調査を行うことが原則であるため 機器内部の劣化状況を確認するためにコンサル側で機器を分解し内部を確認するといったことはできない 表 1 保全区分の主な例 状態監視保全 予防保全 時間計画保全

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Academic year: 2021

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長寿命化業務における処理場機械の調査方法と保全区分

株式会社三水コンサルタント東日本事業本部東京支社 施設部施設第二 G 前田充・中村哲也・吉田毎郎 1.はじめに 平成20年度に「下水道長寿命化支援制度」が創設された。この制度は下水道施設の健全 度に関する点検・調査結果に基づき「長寿命化対策」に係る計画を策定するとともに、当 該計画に基づき長寿命化を含めた計画的な改築を行うものである。 処理場を対象とした長寿命化計画の大まかな流れとしては、①基礎・詳細調査、②健全 度算出、③最適アクションの選定、④基本方針検討、⑤予算照合、⑥各種計画の策定、の 順に、通常2カ年の間に計画を行う。この内②健全度算出の部分が機器を更新する上で非 常に重要であり、健全度算出を行った時点で機器の健全度がある程度悪くなければ、自治 体側が更新したいという希望があっても更新の計画を立てられない。 このため特に処理場内の機械設備を対象とした長寿命化計画では、基礎、詳細調査にお いて機械設備の状態の調査を厳密に行う必要があるが、調査項目の中にはケーシング内の スクリューの摩耗、主軸の摩耗、損傷といった機械内部部品の状態についても含まれ、コ ンサルタント側が現地で調査しきれない部品まで調査するように項目が定められているケ ースが多い。このようなコンサルタント側で調査しきれない部品について、どのように機 器や部品の状態を評価したらよいのか、提案を行う。 2.調査の流れと設備の保全区分 長寿命化業務における基礎調査、詳細調査の流れとしては、基礎調査でリストを作成し、 その後詳細調査において個々の設備の健全度を把握するために、保全区分に従った調査項 目による調査を行う。 調査に先立ち、各設備の重要性や、目視による劣化状況の把握の容易性などに応じて、 各設備の保全区分を選定する。通常、設備の保全区分は、①状態監視保全、②時間計画保 全、③事後保全の3つに分類される。機械設備で②時間計画保全に分類されるのは、「ク レーン等安全規則」により定期的な検査が義務付けられている電動クレーン等、一部の機 器のみである。 長寿命化を図ることでメリットが出やすいのは、①状態監視保全に分類される設備であ る。状態監視保全は、対象物の劣化状態を適宜観察し、状態に応じて何らかの措置をする もので、劣化の状況を予測して一定レベルの状態を保持し、長寿命化を図る考え方に基づ くものである。状態監視保全に分類される機器は、詳細調査時には部品ごとの調査を行う。 部品によっては据え付けられている状態では見られない部品もあるので、場合によっては 水路の水抜、機器の引き上げ、分解清掃時の写真提供等を自治体側へ依頼し、機器の状態

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機器名 部品名 機器名 部品名 バースクリーン 散気板 スプロケット ホルダー チェーン、ローラーガイド 架台 レーキアーム ライザー管 本体電動機 ヘッダー管 ケーシング インペラ フレーム ケーシング 潤滑油装置 軸シール 制御盤 軸継手 内胴スクリュー 軸受 外胴ボウル 主軸 軸受 計装盤 主軸 変減速機 電動機 電動機 変減速機 架台、歩廊 潤滑油装置 主軸 フレーム、ケーシング、シュート 軸受 計装機器 レーキアーム 制御盤 手動式仕切弁 全体 変減速機 手動式バタフライ弁 全体 電動機 可動堰 全体 ケーシング ゲート 全体 走行レール チェーンブロック 全体 本体用チェン 天井走行クレーン 全体 フライト 床排水ポンプ 全体 スプロケット 駆動軸 水中軸 潤滑油装置 初沈汚泥掻き寄せ機 散気装置 主ポンプ 重力濃縮槽 汚泥掻寄機 細目自動除塵機 遠心濃縮機 を把握する。 調査は処理場の処理機能を最優先させて行うことが原則としてあり、また機器が設置・ 稼働している状態で調査を行うことが原則であるため、機器内部の劣化状況を確認するた めにコンサル側で機器を分解し内部を確認するといったことはできない。 表―1 保全区分の主な例 「下水道長寿命化支援制度に関する手引き(案)」(平成21年度版国土交通省・地域整 備局下水道部)より 表―2 調査診断部品の例 3.調査方法の問題点 詳細調査においては右表-2 のような調査項目 について、発錆や動作不良の有無、振動・異音、 摩耗の量などが調査される。しかし、調査項目 によっては現地で調査できないものも多い。 例としては、遠心濃縮機内胴スクリュー、主 軸の摩耗量(機械を分解しない限り中は見られ ない、見られたとしても摩耗量の測定は困難)、 初沈汚泥掻寄機の走行レール摩耗量(レールが シンダーコンクリートに埋まっているためコン クリートを斫らない限り測定できない)、スプ ロケット摩耗量(型紙や木型を現物に当てて摩 耗量を測定しないと正確には測定できない)な どがある。 これら現地で確認項目を測定できない機器や 部品については、必然的に自治体側や維持管理 者へヒアリングを行い、現在の機器の状況を把 握した上で分解整備時のデータや写真を頂き調 査内容に組み込むことになる。しかし、そもそ も分解整備時の写真をいただいた時は、修理を 電 気 制御電源及び計装用電源設備 (蓄電池盤)       など 受変電設備・自家発電 設備監視制御設備・負 荷設備   など 計装設備      など 機 械 自動除塵機,沈砂掻き揚げ機,ポン プ本体,汚泥掻き寄せ機,送風機本 体,散気装置濃縮機,脱水機,焼 却炉 など 堰 弁 脱臭装置 など 予防保全 事後保全 状態監視保全 時間計画保全

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行っている時(もしくは修理が終わった後)であることが多く、いただいた写真を以って 機械設備の不具合を示すことは難しい。不具合があり中が見られない部品について、写真 は撮ったが部品の状態が悪くまだ修理していない、という例であれば、コンサル側で見ら れない部品の状態把握となるだろうが、そのような例は写真を撮る目的を考えると少なく なる。 4.メーカーによる劣化状況把握の手法 機器の劣化状況を最も正確に把握できるのは、その機器を制作したメーカーであると考 えられる。制作メーカーは(当然のことながら)機器内部の部品やその構造に精通してお り、機器を分解して内部の劣化を調査することが可能である。一方コンサルタント側は個々 の機器については制作メーカーよりも知識が少なく、また調査の性質上機器を分解してま で調査することができないため、機器の調査を行った時に劣化状況把握の精度がメーカー より落ちると思われる。しかしすべての機器劣化状況がメーカーでなければ状況把握でき ないわけではない。外観調査によるケーシングの腐食確認や軸受からの異音確認など、コ ンサル側で現地を確認して判断できる劣化状況もある。 メーカーでしかできない劣化状況把握の手法と、コンサル側でもできる劣化状況把握の 手法の、線引きはどのあたりにあるのかを考えた時、メーカー側で劣化状況を把握する際 に現地に設置されている機械設備をそのままの状況で現地で診断できれば、コンサル側で も同じ手法で機械設備の劣化状況をある程度診断できると考えられる。逆に、設置されて いる機械設備を取り外して場外に運搬し、工場にて検査を行ったり、あるいは機械設備を 分解して中の状態を調べる、という手法で劣化状況を判断する場合は、機器が設置・稼働 している状態で調査を行うことが原則である、コンサル側の調査手法の範囲を逸脱するた め、機械設備の劣化状況は判断できないことになる。 そこで工場検査や分解整備などでメーカーにしか判断できない劣化状況と、コンサル側 で十分判断できる劣化状況は、どのような部品のどのような状態なのかを明らかにするた め、今回メーカーにヒアリングを行った。具体的には、こちらの指定した機械設備の部品 について、メーカーは劣化状況を把握するために現地で機器を診断するのか、それとも分 解整備を行ったり工場検査を行わなければ機器の診断ができないのか、聞き取り調査を行 った。 5.調査結果 表―3に3社からのヒアリング結果を示す。ヒアリングによると、ゲート、可動堰、仕 切弁、逆止弁などメーカーとコンサルの劣化状況把握の手法がほぼ同じである機器がある 一方、遠心濃縮器、遠心脱水機など、工場での分解整備やオーバーホールを行わなければ 劣化状況が把握できない機器もあった。ざっくりと分けると、大きく複雑な機器は現地調 査は不可、小さく単純な機器は現地調査で劣化状況把握可能、という結果だった。

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表-3 ヒアリング結果 機器名 部品名 (1)現地調 査の可否 (2)現地調査方法 (外観目視、温度、 振動、その他) (3)工場調査方法 (外観目視、温度、 振動、その他) (4)備考 バースクリーン 可 外観目視 水抜き必須 スプロケット 可 外観目視 水抜き必須 チェーン、ローラーガイド 可 外観目視 水抜き必須 レーキアーム 可 外観目視 水抜き必須 本体電動機 可 外観目視 温度、振動も実施 ケーシング 可 外観目視 フレーム 可 外観目視 潤滑油装置 可 外観目視 制御盤 可 外観目視 変減速機 否 その他 電動機 否 その他 ローラ類 可 外観目視 プーリ類 可 外観目視 コンベヤベルト 可 外観目視 ケーシング(防臭カバー) 可 外観目視 フレーム 可 外観目視 蛇行修正装置 可 外観目視 外観状態だけでなく動作状況も目視にて確認 ロール、軸受 可 外観目視 変減速機 可 外観目視 温度、振動も実施 電動機 可 外観目視 温度、振動も実施 潤滑油装置 可 外観目視 フレーム、ケーシング、シュート 可 外観目視 制御盤 可 外観目視 動作確認も実施 計装機器 可 外観目視 動作確認も実施 ろ布 可 外観目視 内胴スクリュー 否 その他 外胴ボウル 否 その他 軸受 否 その他 主軸 否 その他 電動機 否 その他 変減速機 否 その他 潤滑油装置 否 その他 フレーム、ケーシング、シュート 否 その他 計装機器 否 その他 制御盤 否 その他 内胴スクリュー 否 その他 外胴ボウル 否 その他 軸受 否 その他 主軸 否 その他 電動機 否 その他 変減速機 否 その他 潤滑油装置 否 その他 フレーム、ケーシング、シュート 否 その他 計装機器 否 その他 制御盤 否 その他 金属フィルタ 否 その他 スクレーパー 可 外観目視 現地にて取外し、目視確認 ケーシング 可 外観目視 現地にて取外し、目視確認 軸受 否 その他 異常音等は現地にて確認できるが、原因調査は不可 電動機 否 その他 変減速機 否 その他 計装機器 否 その他 制御盤 否 その他 散気板 可 外観目視 槽内水抜き実施後の外観確認とともに、低水位での発泡状態の確認 ホルダー 可 外観目視 架台 可 外観目視 ライザー管 可 外観目視 ヘッダー管 可 外観目視 変減速機 可 外観目視 水抜き作業必須 電動機 可 外観目視 水抜き作業必須 ケーシング 可 外観目視 水抜き作業必須 走行レール 可 外観目視 水抜き作業必須 本体用チェン 可 外観目視 水抜き作業必須 フライト 可 外観目視 水抜き作業必須 スプロケット 可 外観目視 水抜き作業必須 駆動軸 可 外観目視 水抜き作業必須 水中軸 可 外観目視 水抜き作業必須 潤滑油装置 可 外観目視 水抜き作業必須 手動式仕切弁 全体 可 外観目視 開閉動作確認、異音、外傷、腐食状況、設置年数把握 手動式バタフライ弁 全体 可 外観目視 開閉動作確認、異音、外傷、腐食状況、設置年数把握 可動堰 全体 可 外観目視 開閉動作確認、異音、外傷、腐食状況、設置年数把握 ゲート 全体 可 外観目視 開閉動作確認、異音、外傷、腐食状況、設置年数把握 チェーンブロック 全体 可 外観目視 天井走行クレーン 全体 可 外観目視 床排水ポンプ 全体 可 外観目視 振動なども実施 メーカのよる調査を実施しない限り、状況、原因は判断できない。 通常は、運転時間にて管理し、推奨オーバーホール時間を過ぎた 場合に、メーカ調査を行う。ただし、調査により内部点検する場合に も、シール等は交換が必要となる。 フレーム、ケーシング、シュートに関しては、外観目視での確認は可 能と思われる。 回転加圧脱水機 現地にて異常温度・振動・騒音は確認できますが、原因調査は不可。また、現地に て分解するとメーカ保証がなくなるため、対応注意。 散気装置 細目自動除塵機 汚泥搬出機 現地にて異常温度・振動・騒音は確認できますが、原因調査は不可。また、現地に て分解するとメーカ保証がなくなるため、対応注意。 ベルトプレス式 汚泥脱水機 遠心濃縮機 メーカのよる調査を実施しない限り、状況、原因は判断できない。 通常は、運転時間にて管理し、推奨オーバーホール時間を過ぎた 場合に、メーカ調査を行う。ただし、調査により内部点検する場合に も、シール等は交換が必要となる。 フレーム、ケーシング、シュートに関しては、外観目視での確認は可 能と思われる。 初沈汚泥掻き寄せ機 遠心脱水機

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機器名称 部品名称 部位 状態 し渣スッキプホイスト 駆動装置 電動機 温度 No1し渣搬出機 駆動装置 電動機 温度 No2し渣搬出機 駆動装置 電動機 温度 No3し渣搬出機 駆動装置 電動機 温度 No1主ポンプ ポンプ、ファン、かくはん機 インペラ 損傷or変形 No2主ポンプ ポンプ、ファン、かくはん機 インペラ 損傷or変形 No3主ポンプ ポンプ、ファン、かくはん機 インペラ 損傷or変形 No1-1初沈汚泥掻寄機 ガイドレール、埋込レール、シュー 走行レール 磨耗_m No1-1初沈汚泥掻寄機 スプロケットホイール、軸、軸受、軸封水装置 スプロケット 磨耗_m No1-2初沈汚泥掻寄機 ガイドレール、埋込レール、シュー 走行レール 磨耗_m No1-2初沈汚泥掻寄機 スプロケットホイール、軸、軸受、軸封水装置 スプロケット 磨耗_m No1遠心濃縮機 供給機、搬送機 内胴スクリュー 磨耗_v No1遠心濃縮機 供給機、搬送機 内胴スクリュー 錆 No1遠心濃縮機 供給機、搬送機 内胴スクリュー 損傷or変形 No1遠心濃縮機 配管、筒類 外胴ボウル 磨耗_v No1遠心濃縮機 配管、筒類 外胴ボウル 錆 No1遠心濃縮機 駆動装置 電動機 温度 No1遠心濃縮機 駆動装置 変減速機 錆 No1遠心濃縮機 駆動装置 変減速機 油脂漏れ No1送風機用電動機 スプロケットホイール、軸、軸受、軸封水装置 軸受 絶縁抵抗値 No1送風機用電動機 駆動装置 カーボンブラシ 磨耗_m No1送風機用電動機 駆動装置 コイル 損傷or変形 No1送風機用電動機 駆動装置 スリップリング 損傷or変形 No1送風機 ポンプ、ファン、かくはん機 インペラ 損傷or変形 表-4 現地調査できなかった部位、状態 6.実際に現地調査を行った際に劣化状況が判断できなかった機器 実際に A 処理場において現地調 査を行った際に現地で劣化状況を 確認できなかった機器の名称、部位、 状態等を表-4 に示す。 A 処理場は機械設備機器点数は 3 00 点余りであり、うち 22 点が長寿 命化検討対象施設である。右の機器 は全て長寿命化対象施設となって いる。 調査できなかった部位の状態と しては、ベルトコンベア電動機温度 (モータープーリーのため電動機 が機器の中に入ってしまっている) や、主ポンプのインペラ(ケーシングの中)、汚泥掻寄機走行レール摩耗量及びスプロケ ット、遠心濃縮機のケーシング内の部位、送風機電動機ケーシング内の部位、送風機イン ペラ、などとなっている。これらについては調査ができなかった、ということで判定表や 写真票等は該当部位の状態の記述が空欄になってしまっている。 長寿命化検討対象外の機器については、設置されているそのままの状態を外観調査によ って調査するため、調査ができない機器は無かった。 7.内部劣化状況を長寿命化業務においてどう評価するか 機器には国交省の機器分類に基づき耐用年数が設けられており、長寿命化業務では耐用 年数の2倍を超えた機器については健全度が低下し、通常は更新の対象となる。日常の業 務上でも耐用年数の2倍を超えた機器は腐食や動作不良等が見られ、更新することが望ま しい場合であることが多く、自治体側でも新しいものに更新したいと希望されている場合 がほとんどである。耐用年数の2倍を経過していない機器でも、長寿命化業務をいくつか 行ってきた経験からは、だいたい耐用年数を超えたあたりから腐食や動作不良が見られる ケースが多く、経過年数と機器の劣化状況はある程度比例していると考えてよいと思われ る。 健全度を算出し機器を評価する場合、発錆や動作の状況とともに、通常機器全体や部品 ごとに経過年数が評価のファクターに入っており、経過年数が大きい機器や部品は健全度 が下がる。経過年数と劣化状況が比例するため経過年数を評価すること自体は当然なのだ が、問題となるのが状態監視保全に分類される機器で内部を確認できない機器や部品が、 評価項目として経過年数のみによる評価になってしまう事がある点である。これは、内部

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の部品についての調査項目(例:主軸の摩耗量、発錆状態)がコンサル側で調査できない ために、経過年数のみが調査可能な項目となってしまい、結果的に経過年数のみによる評 価となってしまう、という理由からである。 健全度がほぼ経過年数のみで算出されてしまう機器や部品があるという、上記の問題点 を解消するため以下2つのケースの解決策を考えた。 ケース1 保全区分の見直し 内部確認できない機器を状態監視保全として内部の部品について多数の調査項目を設け たとしても、調査できないと項目を入れようがないため、項目はあるが点数が入れられな い状態の機器や部品が多数出てくる事になる。結局評価したのが経過年数のみであるとす れば、状態監視保全の機器は一つ一つの部品について複数の項目で状態を評価していると は言い難い。部品を経過年数のみで評価した結果となるなら、いっそ保全区分は時間計画 保全として経過時間で健全度を評価する方が、より機器劣化状況を反映したものになるの ではないだろうか。 ケース2 状態監視技術の向上 現状の調査方法では内部確認ができない事が問題なのであり、調査技術や調査道具によ ってはこれが解決される可能性がある。より詳しい診断ができるだろうと考えられる手法 として、非破壊検査で使用される放射線の透過による検査や、超音波測定、音響測定、渦 流探傷試験、ひずみ測定等が考えられる。機器のどのような部位のどのような状態を判断 するのかにより、調査手法が膨大になる可能性もあるが、分解せずとも内部の状態を確認 できる手法があれば長寿命化調査を行うにあたりより正確な診断を行うことができるだろ う。 また、自治体側にて状態監視機器をオーバーホールする際に、どのような部位がどのよ うに劣化しているのかが詳しくデータベース化されていれば、劣化状況を判断する時に以 前に劣化した部位を重点的に調べることにより劣化度合いを判断できると考えられる。 8.まとめ 本稿の趣旨としては、内部の調査を行うのが難しい機器の部品は、部品ごとに時間計画 保全で評価するか、もしくは状態監視技術を向上させる事が望ましいという提案を行った。

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