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緩衝空間としての小屋裏および床下の熱的設計法 [ PDF

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(1)緩衝空間としての小屋裏および床下の熱的設計法 藤本. 1. はじめに. 大輔. 計算対象となる住宅には、日本建築学会の住宅用標. 日本の伝統的な住宅では、縁側や土間のような居住. 準問題モデル 3)をもとに、断熱仕様の異なる 3 つのモ. 空間に対する熱的な緩衝空間が存在する。しかしなが. デル①屋根断熱と基礎断熱の組み合わせにより、小屋. ら、現代の一般的な住宅では土地面積の制限などもあ. 裏・床下空間の熱環境を室内に近づけるモデル(以下、. り、緩衝空間として働く空間といえば小屋裏か床下く. I-I モデル)、②天井断熱と基礎断熱の組み合わせによ. らいであろう。ところが近年は断熱気密住宅の普及に. り、小屋裏空間は室外、床下空間は室内に近づけるモ. 伴い、 “熱的な境界をはっきりさせる”という考え方が. デル(以下、O-I モデル)、③天井断熱と床断熱の組み. 求められ、小屋裏や床下を室内とするか、室外とする. 合わせにより、小屋裏・床下空間ともに室外に近づけ. かによって各地域の断熱や換気の最適仕様は異なると. るモデル(以下、 O-O モデル)を考えた。各断熱モデ. 思われる。. ルの概念図を図 1 に示す。小屋裏および床下空間を室. 本研究では、こうした小屋裏や床下といった現代の 熱的緩衝空間の仕様について地域性に即した設計法を. 外に近づける場合の換気回数はそれぞれ 2.0 回/h、 7.0 回/h とした。. 明らかにすることを目的とし、断熱仕様の異なる住宅. 居住者は夫婦および子供 2 人の 4 人家族で、 1 日の. モデルを用いた PMV 計算、冷暖房負荷計算、床下温湿. 生活スケジュールと内部発熱量は生活スケジュール自. 度環境の計算結果から考察していく。. 動生成プログラム SCHEDULE Ver.2.04) にて作成した。. 2. 数値計算の概要 計算には多数室室温変動・熱負荷計算プログラム. 1) TrP を使用した。計算対象地域は寒冷地として盛岡、. 温暖地として福岡、夏季蒸暑地として鹿児島の 3 地域 ①. である。各地域について、標準年拡張アメダス気象デ. 0. 5. 2.0. 2. 0. 0. 5. 0.5. 0. 5. 0. 5. 0.5. 0. 5. 0. 5. 0.5. 屋根断熱 + 基礎断熱 ⇒I-Iモデル. ータ 2)より算出した月平均外気温を表 1 に、住宅モデ. 以上を夏季、10℃以上 20℃未満を中間季、10℃未満を. 3. 冬季と区別する。また、月平均外気温が 15℃以下の月. 3-1 はじめに. 盛岡 福岡 鹿児島. 暖房期間 冷房期間. : :. 3月 2.6 9.4 11.8. 4月 5月 8.4 13.3 15.4 19.3 16.9 20.4. 月平均気温が15℃以下の月 暖房期間以外の月. 6月 17.9 22.1 23.9. 7月 21.7 27.4 27.7. 夏季 中間季 冬季. 8月 9月 23.7 18.9 27.2 24.6 28.4 25.3 : : :. 天井断熱 + 床断熱 ⇒O-Oモデル 備考 図内の数字は換気回数[回/h]. 自然状態におけるモデルの検討. “高断熱高気密住宅は省エネ住宅である”という言葉を. ー消費量は増えるばかりである。在来住宅と比べて空調用. 表 1 各地域の月平均外気温 2月 - 1.4 6.1 8.4. 7. 0 ③. 鵜呑みにして必要以上に冷暖房を行えば、空調用エネルギ. 度は 27℃、暖房設定温度は 22℃である。 1月 - 2.1 7.1 8.3. 天井断熱 + 基礎断熱 ⇒O- Iモデル. 図 1 断熱モデルの概念図. ルの仕様を表 2 にそれぞれ示す。月平均外気温が 20℃. を暖房期間、それ以外を冷房期間とする。冷房設定温. ②. 10月 11月 12月 12.1 5.5 0.7 18.5 13.7 8.9 19.9 15.1 9.8. 月平均外気温が20℃以上 月平均外気温が10℃以上20℃未満 月平均外気温が10℃未満. エネルギー消費量が格段に大きくなりかねない。 高断熱高気密住宅では自然状態の住まいやすさの検討 も必要である。本節では PMV 計算による快適時間率とい う観点から、各モデルの非空調時の室内温熱環境を検討. 表 2 住宅モデル仕様 盛岡 O- I 1.88 0.063. 福岡 (東区) 鹿児島 断熱モデル I- I O- O I- I O- I O- O I- I O- I O- O 熱損失係数 [W/m2K] 1.89 1.78 2.68 2.67 2.59 2.68 2.67 2.59 夏期日射取得係数 0.065 0.064 押出法 押出法 断熱材 硬質ウレタンフォーム ポリスチレンフォーム2種 ポリスチレンフォーム2種 外張屋根断熱・天井断熱 外張屋根断熱・天井断熱 外張屋根断熱・天井断熱 屋根 又は天井 断熱 115 140 140 仕様 断熱 外張断熱 外張断熱 外張断熱 厚さ 壁 70 65 65 [mm] 基礎外断熱・充填床断熱 基礎外断熱・充填床断熱 基礎外断熱・充填床断熱 床 110 85 85 窓仕様 ペアガラス 単板ガラス 単板ガラス. する。. 3-2 計算条件 中間季に、窓を閉めた場合と窓を開けて換気を行う 場合を想定して、表 3 に示す計 18 ケースについて計算 を行う。窓の開放は日中在室時に行い、適度に窓を開 36-1.

(2) けた状態を想定して換気回数を 20 回 /h とする。窓を閉 めた場合の換気回数は 0.5 回/h とする。 PMV 計算は、居住者の 1 人である専業主婦を対象と する。専業主婦の 1 日の行動スケジュールと代謝量を 表 4 に示す。気流速度については窓開放時で 0.4m/s、. 表 5 活動時および睡眠時の着衣量 月平均室空気温度 活動時の着衣量 tia [℃] [clo] 25 ≦ t ia 0.4 20 ≦ tia < 25 0.5 15 ≦ tia < 20 0.6 10 ≦ tia < 15 0.7 tia < 10 0.8. 月平均外気温度 to [℃] 25 ≦ t o 20 ≦ t o < 25 15 ≦ t o < 20 10 ≦ to < 15 to < 10. 就寝時の着衣量 [clo] 0.6 1.0 2.0 2.5 3.0. それ以外では 0.1m/s とする。日常生活の中で暑さや寒. で、着衣量に+0.3clo の補正を加える。なお、11 時と. さを感じるとき、我々はまず着衣を調節する。これを. 15 時からの各 1 時間は生活スケジュール上で外出と設. ふまえ、着衣量は日中の月平均室空気温度に従って決. 定されており、PMV 計算は行わない。. 定し、代謝量に合わせて調節した。就寝時は布団も着. 3-3 非空調時の快適時間の検討. 衣として想定する。活動時および就寝時の着衣量を表. 福岡における中間季の PMV 出現率を図 2 に示す。換. 5 に示す。代謝量による調節として、月平均外気温が. 気回数 0.5 回/h では PMV出現率が全体的にやや高めで. 20℃以上の月を除いて代謝量が 2.0met 未満の時間帯. あるのに対し、換気回数 20 回/h では PMV 出現率が. (睡眠時を除く)では、肌寒い時に上着を羽織る感覚. PMV=0 を頂点とした山なりのグラフとなる。中間季は 窓を開けて適度な換気を行うことで、各断熱モデルと. 表 3 自然状態計算ケース 計算番号 NAC1 NAC2 NAC3 NAC4 NAC5 NAC6 NAC7 NAC8 NAC9 NAC10 NAC11 NAC12 NAC13 NAC14 NAC15 NAC16 NAC17 NAC18. 計算地域. 換気回数 [回/h] 0.5. 盛岡 20 0.5 福岡 20 0.5 鹿児島 20. も良好な温熱環境が保てることがわかる。 断熱モデル. 快適時間率の観点から各断熱モデルの温熱性能の違. I- I O- I O- O I- I O- I O- O I- I O- I O- O I- I O- I O- O I- I O- I O- O I- I O- I O- O. いをより具体的に検討する。表 6 に示す7つの温冷感 カテゴリーのもと、各カテゴリースケールが全体に占 める割合を百分率で表現し、”neutral”が占める割合を快 適時間率とする。各地域の快適時間率を図 3 に示す。 換気回数 20 回/h では全体的に快適時間率が大きくなり、 モデルの違いによる差異がみられないが、換気回数 0.5 回/h では、各地域とも O-I モデルの快適時間率が最も 大きい。. +3. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24. 睡眠 睡眠 睡眠 睡眠 睡眠 炊事 食事 洗濯 掃除 趣味. 主寝室 主寝室 主寝室 主寝室 主寝室 厨房 居間 洗面 居間 主寝室 外出 居間 厨房 主寝室 外出 居間 厨房 厨房 居間 居間 居間 主寝室 主寝室 主寝室. 食事 炊事 趣味 在宅 炊事 炊事 食事 アイロンかけ テレビ 読書 睡眠 睡眠. +1. 代謝量 [met] 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8 2.2 1.4 1.6 2.0 1.2. 中間季 N=5366. +1. 0 -1. 0. 5. 10. 0 -1. I-I O-I O-O. -2 -3. 福岡:換気回数 20 [回/h]. +2. PMV. 対象室. PMV. 行為. +3. 中間季 N=5366. +2. 表 4 生活スケジュール(専業主婦) 時刻. 福岡:換気回数 0.5 [回/h]. I-I O-I O-O. -2 15. PMV(主婦)出現率 [%]. -3. 0. 5. 10. 15. PMV(主婦)出現率 [%]. 図 2 中間季の PMV 出現率(福岡). 1.4 2.2 1.2. 表 6 PMV の温冷感カテゴリー スケール(PMV) 温冷感カテゴリー +2.5 < PMV ≦ +3 かなり暑い hot +1.5 < PMV ≦ +2.5 暑い warm +0.5 < PMV ≦ +1.5 やや暑い slightly warm - 0.5 ≦ PMV ≦ +0.5 中立 neutral - 1.5 ≦ PMV < - 0.5 やや寒い slightly cool - 2.5 ≦ PMV < - 1.5 寒い cool - 3 ≦ PMV < - 2.5 かなり寒い cold. 1.0 2.2 2.2 1.4 1.6 1.2 1.0 0.7 0.8. 36-2.

(3) 7.6. 21.1. 40% 20% 0%. 15.7 3.2 0.4. 6.3 0.9. 0.0. 0.1. (a) 盛岡. 4. 30.2 30.1. 17.5 4.7 0.6. 20.4. 0.1. 8.4 3.9. 23.3 9.9 4.4. 22.0. 60% 40% 20%. 9.4 4.3. 0%. 20.4. 21.5. 20.5. 20.8. 22.5. 25.1 23.9 16.6 3.6 0.4 0.0. 6.3 11.3. 24.1 23.6. 25.5. 24.4. 6.7 0.9 0.1. (b) 福岡 図 3 快適時間率. 期間冷暖房負荷計算におけるモデルの検討. 18.3. 21.7. 5.1 10.8. 21.1 19.5 4.8 0.6 0.1. 9.4 4.9. 22.5. 21.9. 11.6 5.5. 10.8 5.4. hot warm slightly warm neutral slightly cool cool cold. NAC 18. 7.7. 23.0. 15.4. NAC 17. 9.0. 32.4. 26.1. 27.6. 32.1. NAC 16. 0.0. 17.3. 60%. 80%. 22.2. NAC 15. 8.3 0.6. 18.0. 時間率 [%]. 8.2. 20.1. 17.8. 28.4. 5.5 32.8. NAC 14. 0.0. 18.4. 19.9. 28.5. 16.3. 20.2. 22.8. 100%. NAC 13. 5.7 0.2 0.0. NAC1. 0%. 28.3. 5.9 10.4. NAC1 2. 20.7. 12.1 1.4. 27.8. 4.8 9.6. NAC1 1. 29.5. 5.4 13.2. NAC1 0. 27.0. 80%. NAC9. 28.1. 30.8 20.2. NAC8. 26.6 27.3 28.0. 30.2. 100%. NAC6. 20%. 0.5 4.5 13.5. 22.7. NAC4. 40%. 0.4 4.1 11.0. NAC5. 60%. 1.3 4.8 12.9. NAC7. 30.9 26.8. NAC2. 時間率 [%]. 80%. 17.1. NAC3. 100%. 21.3. 時間率 [%]. 19.9. (c) 鹿児島. 4-2 計算条件. 4-1 はじめに. 空調条件は表 7 に示すような 3 通りを想定した。な. 本節では、温度制御空調時の冷暖房負荷の計算によ. お一般的な日中の過ごし方として、冷房期間の非空調. り、各地の最適断熱モデルを検討する。また、比較の. 時には通風が予想されるため、夜間間欠空調で 7∼ 18. 前提条件として、比較対象の室内温熱環境が等しいこ. 時の在室時は全室、窓の開放を想定する。窓開放時は. とを確認するため、PMV 計算による各モデルの居住環. 積極換気として換気回数を 40 回/h とする。以上、計算. 境もあわせて検討する。. 地域・空調条件・断熱モデルの 3 つをパラメータとし て、表 8 に示す計 27 ケースについて計算を行う。. 表 7 空調条件 ①全室終日空調 1:00 全室. ②間欠空調 1:00. 6:00. 12:00. 4-3 室内温熱環境の検討 18:00. 24:00. 前節同様、専業主婦を対象とした PMV 計算により、 :日中在室時に空調(7:00∼睡眠後2時間) 6:00 12:00. 18:00. 空調期間の室内温熱環境を検討する。PMV 計算に際し. 24:00. 居間 主寝室 子供室1 子供室2. ての計算条件は基本的に前節と同じで、空調時は気流 速度を 0.2m/s とする。. ③夜間間欠空調 :夜間在室時に空調(18:00∼睡眠後2時間) 1:00 6:00 12:00 居間 主寝室 子供室1 子供室2  窓の開放 :夏季、昼間の非空調在室時に全室窓を開ける 全室. 18:00. 各断熱モデルにおける年間の PMV出現率を図 3 に示. 24:00. す。図は福岡、間欠空調時である。冷房・暖房期間と もに、I-I・ O-I・ O-O モデルの PMV 出現率に大きな違 いはみられず、着衣量を調節することで各断熱モデル の室内温熱環境は等しくなっていることがわかる。. 表 8 温度制御空調計算ケース 計算番号 TMP1 TMP2 TMP3 TMP4 TMP5 TMP6 TMP7 TMP8 TMP9 TMP10 TMP11 TMP12 TMP13 TMP14 TMP15 TMP16 TMP17 TMP18 TMP19 TMP20 TMP21 TMP22 TMP23 TMP24 TMP25 TMP26 TMP27. 計算地域. 空調条件 全室終日空調. 盛岡. 間欠空調 夜間間欠空調 全室終日空調. 福岡. 間欠空調 夜間間欠空調 全室終日空調. 鹿児島. 間欠空調 夜間間欠空調. 間欠空調(福岡). 断熱モデル. +3. 暖房期間 N=3322. I- I O- I O- O I- I O- I O- O I- I O- I O- O I- I O- I O- O I- I O- I O- O I- I O- I O- O I- I O- I O- O I- I O- I O- O I- I O- I O- O. +2. 冷房期間 N=4708. +1 0 I-I O-I O-O. -1 -2 30. 20. 10. -3 0 0 10 PMV 出現率 [%]. 20. 30. 図 3 PMV 出現率(専業主婦). 4-4 期間冷暖房負荷の検討 盛岡・福岡・鹿児島における期間冷暖房負荷を図 4 に示す。地域・空調条件に関わらず、期間冷房負荷が 最も小さく期間暖房負荷が最も大きいのが O-I モデル の特徴である。他方、期間冷房負荷が大きく期間暖房 負荷が最も小さいのが I-I モデルである。こうした特徴 36-3.

(4) 期間暖房負荷. 期間冷房負荷. 期間冷房負荷. 122 94 116 48 63 55 53 46 50. (a) 盛岡. 190 159. 300 191. 191 177. 200 318 100. 47. 263 297. 64. 93. 53 91. 92. 145 113 138 23 34 28 68 59 64. 0. (b) 福岡. TMP 27. 108 106. 147. TMP 26. 84 105 94 101. 217 246. 400. TMP 25. 265. 0. TMP9. TMP8. TMP7. TMP6. TMP5. TMP4. TMP3. TMP2. TMP1. 0. 200 100. 100 129 115 109 76 103 56 36 55 15 11 14. 夜間間欠空調. 456. TMP 24. 128. 200. 453. 500. TMP 23. 100. 115. 間欠空調. TMP 22. 146 189 164. 209. 206. 465. TMP 21. 200. 300. 600. TMP 20. 140. 終日空調. 期間冷暖房負荷[MJ/㎡・period]. 219. 278 242. TMP 18. 225 262. 223. TMP 17. 421 349. 400. TMP 16. 319. 500. 489. TMP 15. 300. 496 488. TMP 14. 400. 600. TMP 13. 500. 夜間間欠空調. 700. TMP 12. 427. 452. 間欠空調. 700. TMP 11. 497. 終日空調. 夜間間欠空調. 期間暖房負荷. 800. TMP 10. 600. 間欠空調. 期間冷暖房負荷[MJ/ ㎡・ period]. 終日空調. 700 期間冷暖房負荷[MJ/㎡・period]. 期間暖房負荷. 800. TMP 19. 期間冷房負荷 800. (c) 鹿児島. 図 4 期間冷暖房負荷. が、暖房負荷の支配的な盛岡では I-I モデル、冷房負荷. 6 まとめ. の支配的な鹿児島では O-I モデルが優位となる傾向を. 断熱仕様の異なる住宅モデルの数値計算により、地. 形成している。福岡においては全室終日空調時は O-O. 域性に即した小屋裏および床下空間の熱的設計のあり. モデル、間欠空調時は O-I モデル、夜間間欠空調時は. 方について検討した。得られた知見を以下に示す。. I-I モデルが最も優位であるという結果となった。これ. (1) 非空調時は小屋裏を室外、床下を室内に近づける. は、福岡(東区)のような温暖地では生活スタイルに. 設計手法が快適に過ごしやすい。適度に換気を行. より熱的に最適な断熱仕様が左右されることを示して. うことで、設計手法の違いによる居住空間の快適. いる。冷房負荷が最も小さくなるのが O-I モデルであ. さの差異は小さくなる。. ることを考慮すれば、暖房負荷を抑えることで温暖地. (2) 小屋裏、床下ともに空間の熱環境を室内に近づけ. における O-I モデルの優位性は高まると考えられる。. ることで暖房負荷は小さくなり、寒冷地では有利. 5. 床下湿度環境の検討. である。一方、小屋裏を室外、床下を室内に近づ. 間欠空調時の各断熱モデルの床下相対湿度累積度数 (福岡)を 図 5 に示す。I-I・O-I モデルは冷房期間を通 して床下相対湿度がほぼ 60%以内に収まる一方で、O-O モデルは床下相対湿度 80%以上が全体の約 15%を占め る。温暖地においても床下空間を室内側とする断熱手 法が床下湿度環境に優位性をもつことがわかる。. 相対湿度累積度数 [%]. 100. 小屋裏および床下空間の最適な設計手法は変わる。 (4) 床下空間の熱環境を室内に近づけることで、床下. 地においても、床下空間を室内側に取り入れる設 I-I O-I O-O. 計手法は熱的に有効である。 参考文献 1) 林徹夫:マイコンによる住宅の多数室室温変動・熱負荷計算 システムの開発、住宅総合研究財団研究年報、 No.20、 PP.337-346、1992 2) 赤坂裕、他:拡張アメダス気象データ、日本建築学会、2000 3) 宇田川光弘:標準問題の提案、日本建築学会環境工学委員会、 熱分科会第 15 回熱シンポジウム、 1985 4) 空気調和衛星工学会 住宅用エネルギーシミュレーション 小委員会 5) 次世代省エネルギー基準解説書編集委員会:住宅の次世代省 エネルギー基準と指針、財団法人 建築環境・省エネルギー 機構、1999. 40. 0 0. (3) 温暖地では、夏季と冬季の生活スタイルにより、. 夏季に床下の湿害が心配される温暖地や夏季蒸暑. 60. 20. ある。. の高湿化は大きく改善される。寒冷地のみならず、. 間欠空調(福岡: 4 ∼10月). 80. けると冷房負荷は小さくなり夏季蒸暑地で有利で. N=5136. 20. 外気相対湿度. 40. 60. 80. 100. 相対湿度 [%] 図 5 冷房期間の床下相対湿度累積度数(福岡). 36-4.

(5)

図 4  期間冷暖房負荷  0 20 40 60 80 100020406080100間欠空調(福岡: 4∼10月) 相対湿度  [%]相対湿度累積度数 [%] 外 気 相 対 湿 度 I-I O-I O-ON=5136 図 5  冷房期間の床下相対湿度累積度数(福岡)  318 263 297 145 113 138 68 59 64147190 15947645323 34 280100200300400500600700800TMP19TMP20TMP21TMP22TMP23TMP24TMP25TMP

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