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(1)

芋焼酎における製造条件と酒質分析値および香味の 関連性に関する研究

著者 瀬戸口 智子

ファイル(説明) 博士論文全文

博士論文要旨(English) 博士論文要旨(日本語) 最終試験結果の要旨 論文審査の要旨 学位授与番号 17701乙連論第139号

URL http://hdl.handle.net/10232/00031369

(2)

芋焼酎における

製造条件と酒質分析値および香味の関連性に 関する研究

瀬戸口 智子

2020

(3)

i

目 次

第 1章 緒 論 ... 1

1. 焼 酎 ・本 格 焼 酎 とは ... 1

2. 焼 酎 の歴 史 ... 1

3. 一 般 的 な芋 焼 酎 の製 造 方 法 ... 2

4. 芋 焼 酎 の香 りに関 する研 究 動 向 ... 4

5. 本 研 究 の概 要 ... 7

6. 本 論 文 での成 分 名 の表 記 法 ... 8

第 2章 芋 焼 酎 と黒 糖 焼 酎 における一 般 分 析 と一 般 香 気 成 分 -市 販 本 格 焼 酎 の分 析 (1)- ... 11

第 1節 緒 言 ... 11

第 2節 実 験 方 法 ... 13

1. 試 料 ... 13

2. 一 般 分 析 ... 15

3. 一 般 香 気 成 分 分 析 ... 15

第 3節 結 果 および考 察 ... 16

1. 原 料 別 の一 般 分 析 ... 16

2. 原 料 別 の一 般 香 気 成 分 濃 度 ... 19

3. 芋 焼 酎 における一 般 分 析 値 のヒストグラム ... 22

4. 芋 焼 酎 における一 般 香 気 成 分 濃 度 のヒストグラム ... 25

4.1 タイプ1:単 峰 型 ... 25

4.2 タイプ2:単 峰 型 +最 大 外 れ値 ... 27

4.3 タイプ3:単 峰 型 +最 小 外 れ値 ... 29

4.4 タイプ4:連 続 多 峰 型 ... 30

(4)

ii

4.5 タイプ5:未 検 出 +無 峰 型 ... 31

4.6 タイプ6:未 検 出 +外 れ値 ... 32

5. 黄 麹 製 品 群 の特 徴 ... 34

6. 芋 麹 製 品 群 の特 徴 ... 36

第 4節 小 括 ... 38

第 3章 芋 焼 酎 の一 般 分 析 および一 般 香 気 成 分 における相 関 関 係 -市 販 本 格 焼 酎 の分 析 (2)- ... 39

第 1節 緒 言 ... 39

第 2節 実 験 方 法 ... 41

1. 試 料 ,一 般 分 析 ,一 般 香 気 成 分 分 析 ... 41

2. チオバルビツール酸 (TBA)価 ... 42

第 3節 結 果 および考 察 ... 43

1. 高 級 アルコール類 の成 分 間 相 関 ... 43

2. 酢 酸 エステル類 の成 分 間 相 関 ... 46

3. 中 鎖 脂 肪 酸 エチルエステルの成 分 間 相 関 ... 48

4. 紫 外 部 吸 収 とフルフラールの相 関 ... 49

5. TBA 価 の相 関 ... 50

6. TBA 反 応 物 質 の検 索 ... 51

6.1 6成 分 の TBA 価 ... 51

6.2 6成 分 を組 み合 わせた混 合 溶 液 の TBA 価 ... 52

6.3 芋 焼 酎 に含 まれる TBA 反 応 物 質 ... 54

6.4 芋 焼 酎 における TBA 非 反 応 物 質 と TBA 価 との相 関 ... 56

第 4節 小 括 ... 57

(5)

iii

第 4章 芋 焼 酎 と黒 糖 焼 酎 における微 量 香 気 成 分

-市 販 本 格 焼 酎 の分 析 (3)- ... 58

第 1節 緒 言 ... 58

第 2節 実 験 方 法 ... 59

1. 微 量 香 気 成 分 分 析 ... 59

1.1 試 料 ... 59

1.2 微 量 香 気 成 分 ... 59

2. 弁 別 閾 値 測 定 ... 60

第 3節 結 果 および考 察 ... 61

1. 微 量 香 気 成 分 分 析 の信 頼 性 ... 61

2. 原 料 別 の微 量 香 気 成 分 濃 度 ... 62

2.1 モノテルペンアルコール(MTA) ... 62

2.2 ローズオキサイド ... 65

2.3 β-ダマセノンとβ-イオノン ... 65

2.4 硫 黄 化 合 物 ... 65

2.5 ヘキサナール ... 66

3. 弁 別 閾 値 と香 りの評 価 ... 67

4. 芋 焼 酎 に含 まれる微 量 香 気 成 分 濃 度 のヒストグラム ... 69

4.1 黄 麹 製 品 群 ... 69

4.2 芋 麹 製 品 群 ... 72

4.3 紫 系 サツマイモ製 品 群 ... 72

4.4 「ハマコマチ」製 品 ... 73

4.5 「ジョイホワイト」製 品 ... 73

4.6 カメ壷 仕 込 み製 品 群 ... 74

4.7 減 圧 蒸 留 製 品 ... 75

4.8 貯 蔵 製 品 群 ... 75

4.9 成 分 の観 点 から見 た考 察 ... 75

(6)

iv

第 4節 小 括 ... 77

第 5章 芋 焼 酎 の一 次 もろみ酸 度 が もろみと焼 酎 の香 味 に与 える影 響 ... 79

第 1節 緒 言 ... 79

第 2節 実 験 方 法 ... 80

1. 製 麹 ... 80

2. 小 仕 込 み および蒸 留 ... 80

3. 麹 および もろみの分 析 ... 81

4. 芋 焼 酎 の香 気 成 分 分 析 ... 82

5. 芋 焼 酎 の官 能 評 価 ... 82

第 3節 結 果 および考 察 ... 83

1. 低 酸 度 麹 の分 析 ... 83

2. 一 次 もろみの発 酵 経 過 ... 84

3. 一 次 もろみの一 般 分 析 ... 85

4. 二 次 もろみの発 酵 経 過 ... 87

5. 二 次 もろみの一 般 分 析 ... 89

6. 芋 焼 酎 の一 般 香 気 成 分 濃 度 ... 92

7. 芋 焼 酎 の微 量 香 気 成 分 濃 度 ... 94

8. 官 能 評 価 ... 97

第 4節 小 括 ... 99

第 6章 芋 焼 酎 における蒸 留 時 の各 種 成 分 の留 出 挙 動 ... 101

第 1節 緒 言 ... 101

第 2節 実 験 方 法 ... 103

1. 小 仕 込 み試 験 ... 103

2. 二 次 もろみの分 析 ... 103

(7)

v

3. 留 出 液 の分 画 ... 103

4. 各 画 分 の一 般 分 析 ... 104

5. 各 画 分 の香 気 成 分 分 析 ... 104

5.1 一 般 香 気 成 分 ... 104

5.2 長 鎖 脂 肪 酸 エチルエステル ... 104

5.3 微 量 香 気 成 分 ... 106

6. 各 画 分 の官 能 評 価 ... 106

第 3節 結 果 および考 察 ... 108

1. 二 次 もろみの分 析 ... 108

2. 1分 あたりの留 出 量 ... 109

3. 一 般 分 析 値 の留 出 時 の経 時 変 化 ... 111

4.香 気 成 分 の留 出 曲 線 ... 113

4.1 急 減 型 ... 113

4.2 漸 減 型 ... 116

4.3 急 落 型 ... 118

4.4 初 留 画 分 頂 点 型 ... 119

4.4.1 長 鎖 脂 肪 酸 エチルエステル ... 119

4.4.2 シトロネロールとネロール ... 120

4.5 中 留 画 分 頂 点 型 ... 122

4.6 後 留 画 分 頂 点 型 ... 124

4.7 後 留 後 画 分 頂 点 型 ... 125

4.8 漸 増 後 一 定 型 ... 127

4.9 漸 増 型 ... 128

5. 各 画 分 の官 能 評 価 ... 130

第 4節 小 括 ... 131

(8)

vi

第 7章 総 括 ... 133 参 考 文 献 ... 138 謝 辞 ... 143

(9)

1

第 1 章 緒論

1. 焼 酎 ・本 格 焼 酎 とは

焼 酎 は日 本 において約 500 年 の歴 史 を持 つ伝 統 的 な蒸 留 酒 である。本 格 焼 酎 は指 定 された原 料 を用 いて製 造 した単 式 蒸 留 焼 酎 であり,使 用 する原 料 の違 いによって主 なものだけでも芋 焼 酎 ,麦 焼 酎 ,米 焼 酎 ,黒 糖 焼 酎 がある。

原 料 の違 いを明 確 にした呼 び方 をする理 由 は,原 料 によってその風 味 が大 きく 異 なるからであり,本 格 焼 酎 は原 料 特 性 が強 い蒸 留 酒 といえる。

2. 焼 酎 の歴 史

日 本 国 内 に現 存 する焼 酎 に関 する最 古 の記 録 は 1559 年 に柱 貫 に書 かれた 落 書 きである 1)。1560 年 に桶 狭 間 の戦 いで織 田 信 長 が今 川 義 元 に勝 利 してお り,落 書 きが書 かれた当 時 は戦 国 時 代 であった。その柱 貫 は鹿 児 島 県 伊 佐 市 に鎮 座 する郡 山 八 幡 神 社 の社 殿 の一 部 であり,1954 年 に社 殿 の解 体 修 理 が 行 われた際 に,柱 貫 の先 端 に釘 打 ちして塗 り込 められていた木 片 が発 見 された。

木 片 を取 り出 すと,外 から見 えないところに落 書 きが残 されていた。落 書 きには

「その時 座 主 ハ大 キナこすてをちやりて一 度 も焼 酎 ヲ不 被 下 候 何 共 めいわくな 事 哉 (この神 社 の宮 司 または神 主 は大 変 なケチで,焼 酎 を一 度 も飲 ませてくれ なかった。なんとも迷 惑 なことだ。)」と不 満 が書 かれており,永 禄 2 年 (1559 年 ) の日 付 と社 殿 修 理 に雇 われた2名 の大 工 の署 名 も確 認 された。この落 書 きから,

当 時 も焼 酎 を飲 むことが楽 しみであったことがうかがわれる。現 在 ,鹿 児 島 県 で 最 も多 く製 造 されている焼 酎 はサツマイモから造 られる芋 焼 酎 である 2)が,サツ マイモが鹿 児 島 県 で広 く普 及 したのは漁 師 の利 右 衛 門 が琉 球 から鹿 児 島 県 指

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2

宿 市 山 川 へサツマイモを持 ち帰 った 1705 年 以 降 であること,1546 年 にポルトガ ル人 のジョルジェ・アルバレスが書 いた「日 本 報 告 」に薩 摩 では米 から作 るオラ ーカ(米 焼 酎 )が飲 まれていたと記 されていることから,1559 年 の落 書 きに書 か れた焼 酎 は米 焼 酎 のことと推 察 されている 3)

1705 年 にサツマイモが鹿 児 島 県 に持 ち込 まれると,サツマイモは台 風 に強 く,

痩 地 であるシラス台 地 (火 山 灰 土 壌 )に栽 培 適 性 があることから鹿 児 島 県 に広 まり,1700 年 代 の半 ばころにサツマイモを原 料 とした芋 焼 酎 が誕 生 したと考 えら れている3 )。江 戸 時 代 中 期 に,京 都 の医 者 である橘 南 谿 は鹿 児 島 県 へ旅 行 し 芋 焼 酎 について「味 甚 だ美 なり(味 がとても良 い)」と絶 賛 している3)

蒸 留 は焼 酎 の製 造 工 程 で必 須 であり,アルコール以 外 に揮 発 性 成 分 を取 り 出 すことができるため天 然 香 料 (精 油 )の採 集 にも利 用 されている技 術 である。

ペリー提 督 による黒 船 来 航 の翌 年 ,1854 年 に現 在 の広 島 県 の佐 藤 亥 三 郎 が ハッカの栽 培 を始 め,芋 焼 酎 の蒸 留 にヒントを得 てハッカの蒸 留 に成 功 し精 油 を得 ている 4)。佐 藤 がハッカの栽 培 方 法 と蒸 留 方 法 を公 開 したためにハッカの 精 油 造 りが日 本 各 地 に広 まり 4 ),第 二 次 世 界 大 戦 前 に日 本 はハッカ精 油 に関 して世 界 最 大 の供 給 国 であった 5)。世 界 規 模 に成 長 する精 油 製 造 業 の誕 生 に,

芋 焼 酎 の蒸 留 技 術 が影 響 していたことは興 味 深 い。

現 在 ,芋 焼 酎 は主 に南 九 州 で製 造 されている。芋 焼 酎 製 造 業 は鹿 児 島 県 の基 幹 産 業 の一 つであり,2017 年 の鹿 児 島 県 における芋 焼 酎 の製 造 場 は 89 場 と報 告 されている 2)

3. 一 般 的 な芋 焼 酎 の製 造 方 法

主 原 料 はサツマイモであり,その他 の原 料 は米 麹 である。これらの原 料 を一 括 して仕 込 むのではなく,以 下 に述 べるように二 段 仕 込 みを行 う。

(11)

3

3.1 製 麹 (せいきく)

麹 を作 る工 程 を製 麹 という。米 を水 で洗 い,水 に浸 漬 した後 ,蒸 す。次 に,所 定 の 温 度 ま で 冷 ま し た 蒸 米 に 種 麹 菌 を 接 種 す る 。 種 麹 菌 は 白 麹 菌

Aspergillus luchuensis

mut.

kawachii

)か黒 麹 菌 (

A

.

luchuensis

)を用 いる。そ の後 ,40 時 間 程 度 かけて温 度 と湿 度 を調 整 して麹 菌 を増 殖 させて米 麹 とする。

なお,製 麹 の終 了 を出 麹 という。日 本 の伝 統 的 な発 酵 食 品 には麹 を利 用 するも のが多 く,味 噌 ・醤 油 ・清 酒 などでは黄 麹 菌 (

A

.

oryzae

)が,焼 酎 では白 麹 菌 と 黒 麹 菌 が用 いられている。白 麹 菌 と黒 麹 菌 が黄 麹 菌 と大 きく異 なる点 はクエン 酸 を生 成 する点 であり,焼 酎 の仕 込 みではこのクエン酸 によって雑 菌 汚 染 を防 いでいる。近 年 では,製 造 技 術 の向 上 により,芋 焼 酎 製 造 にも黄 麹 菌 が用 いら れる場 合 があり,香 味 の多 様 化 が図 られている。

3.2 一 次 仕 込 み

一 次 仕 込 みは米 麹 と焼 酎 酵 母 ,水 を混 ぜる作 業 のことであり,それらの混 合 物 が一 次 もろみである。一 次 もろみでは米 麹 由 来 のデンプン分 解 酵 素 が米 の デンプンを分 解 し,グルコースを生 成 する。酵 母 はグルコースを取 り込 んで増 殖 し,主 発 酵 の場 である二 次 仕 込 みに向 けて菌 体 量 を増 加 させる。酵 母 は増 殖 と 同 時 にアルコール発 酵 を行 う。一 次 もろみの期 間 は1週 間 程 度 である。

3.3 二 次 仕 込 み

主 原 料 であるサツマイモを水 で洗 い,両 端 部 と病 痕 部 を切 除 して蒸 す。一 般 的 に用 いられるサツマイモ品 種 は「コガネセンガン」である。二 次 仕 込 みでは,

一 次 もろみと蒸 したサツマイモを粉 砕 したものと水 を混 ぜ,二 次 もろみとする。二 次 もろみにデンプン分 解 酵 素 などの供 給 源 である米 麹 を新 たに加 えることはな い。その理 由 は,もろみ中 のデンプン分 解 酵 素 などの残 存 活 性 が高 いからであ る。瀬 戸 口 ら 6 )は白 麹 菌 を用 いた芋 焼 酎 もろみ中 の酵 素 活 性 について出 麹 時

(12)

4

に対 する残 存 率 を調 べ,一 次 もろみ6日 目 のα-アミラーゼは 84.7%,グルコア ミラーゼは 81.9%であり,二 次 もろみ7日 目 のα-アミラーゼは 67.5%,グルコア ミラーゼは 58.5%と報 告 している。このことから,一 次 仕 込 みに用 いた米 麹 由 来 のデンプン分 解 酵 素 が二 次 もろみ中 でサツマイモのデンプンをグルコースへ分 解 することがわかる。二 次 もろみでは 10 日 間 程 度 アルコール発 酵 させる。

3.4 蒸 留

蒸 留 方 法 には常 圧 蒸 留 と減 圧 蒸 留 があり,芋 焼 酎 では常 圧 蒸 留 が主 流 で ある。常 圧 蒸 留 では,アルコール発 酵 した二 次 もろみに水 蒸 気 を吹 き込 み,二 次 もろみを 90℃以 上 まで加 熱 し,アルコールと揮 発 性 成 分 を回 収 して芋 焼 酎 と する。

3.5 貯 蔵 ・精 製

蒸 留 したばかりの芋 焼 酎 はメチルメルカプタンや硫 化 水 素 といった硫 黄 化 合 物 7)およびアセトアルデヒドなど 8)により刺 激 的 な香 味 があるため,それらの成 分 が揮 散 するまで一 定 期 間 貯 蔵 する。精 製 には,綿 ろ過 ,ろ紙 ろ過 ,イオン交 換 樹 脂 処 理 などがあり 8),熊 本 国 税 局 の調 査 によると 2017 年 の鹿 児 島 県 ・宮 崎 県 ・熊 本 県 における芋 焼 酎 の製 造 場 136 場 のすべてにおいてイオン交 換 樹 脂 処 理 は行 われていない 2)。綿 ろ過 ,ろ紙 ろ過 の目 的 は,油 性 成 分 の除 去 である。

4.芋 焼 酎 の香 りに関 する研 究 動 向

本 格 焼 酎 の風 味 は味 と香 りから形 成 され,これまでは特 に香 りに関 する研 究 が進 められてきた。本 格 焼 酎 の香 りの中 で,多 くの人 が認 知 する香 りは欠 点 臭 と特 徴 香 に大 別 される。

欠 点 臭 とは品 質 に悪 影 響 を与 える香 りのことである。これまで,先 行 研 究 によ り本 格 焼 酎 の欠 点 臭 について解 明 が進 められてきた。「本 格 焼 酎 製 造 技 術 7 )

(13)

5

には,不 良 酒 を製 造 しないために欠 点 臭 の内 容 ,原 因 ,対 策 をあらかじめ知 っ ておかなければならないとして,酸 臭 ,原 料 臭 ,ガス臭 ,末 垂 れ臭 ,容 器 臭 ,油 臭 ,沪 過 クセ,その他 ,の8項 目 について原 因 や対 策 が述 べられている。油 臭 については 1970 年 代 に西 谷 らによって,原 因 物 質 の同 定 9,1 0),油 臭 発 現 を防 止 する貯 蔵 管 理 法 の検 討 11 ),油 臭 の強 さを定 量 的 に表 現 する指 標 としてチオ バルビツール酸 価 が使 用 しうること 1 1),などが報 告 され,本 格 焼 酎 の品 質 の向 上 へ大 きく貢 献 した。

一 方 ,特 徴 香 とはその本 格 焼 酎 に特 有 な香 りのことである。例 えば,芋 焼 酎 と麦 焼 酎 の香 りを嗅 ぐとそれらは異 なるものと認 識 できる。本 格 焼 酎 は添 加 物 の 使 用 が認 められていないため,その香 りの違 いは原 料 や製 法 に由 来 すると考 え られる。

芋 焼 酎 の特 徴 香 成 分 は 1990 年 に太 田 ら1 2)によってリナロール,α-テルピネ オール,シトロネロール,ネロールおよびゲラニオールの5成 分 のモノテルペンア ルコール(MTA)類 であることが明 らかにされた。これらの成 分 は食 品 香 料 や香 粧 品 香 料 としても利 用 される重 要 な香 気 成 分 である 5)。また,太 田 ら 13 )は芋 焼 酎 の製 造 工 程 における MTA の生 成 経 路 を解 明 し,特 徴 香 が強 い芋 焼 酎 を造 るために,①MTA 配 糖 体 から MTA を遊 離 させるβ-グルコシダーゼ活 性 が強 い 麹 菌 ,例 えば黒 麹 菌 を用 いる,②β-グルコシダーゼは製 麹 の終 盤 に活 性 が増 大 することから若 い麹 (製 麹 時 間 が短 い麹 )を使 わない,③β-グルコシダーゼ 活 性 が著 しく強 い麹 菌 を育 種 する,④MTA 配 糖 体 量 が多 いサツマイモ品 種 を 用 いる,⑤MTA 配 糖 体 量 が多 くなるようにサツマイモを品 種 改 良 する,⑥サツマ イモの先 端 部 や表 皮 部 は MTA 配 糖 体 量 が多 いため,その部 分 を用 いる,⑦も ろみの pH を低 くする(出 麹 酸 度 を高 くする),⑧蒸 留 温 度 を高 くする,⑨蒸 留 時 間 を長 くする,などの方 法 を提 案 している。このことは,製 造 条 件 を選 択 すること

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6

で芋 焼 酎 の MTA 濃 度 を制 御 できることを示 している。さらに,MTA の分 析 方 法 としては,2003 年 に神 渡 ら 1 4)によって芋 焼 酎 をポラパック Q カラムで濃 縮 して GC-MS を用 いて定 量 する方 法 が報 告 された。この方 法 は溶 媒 抽 出 法 と比 べて 濃 縮 時 間 が短 縮 されただけでなく,操 作 の煩 雑 さが軽 減 された。

芋 焼 酎 の主 原 料 であるサツマイモは品 種 が多 く,内 部 の色 (肉 色 )が黄 白 , 白 ,紫 ,橙 など,皮 色 が白 ,淡 黄 ,紅 ,紫 など様 々である。2018 年 に日 本 全 国 で栽 培 されたサツマイモの主 要 品 種 は約 60 品 種 であり,作 付 面 積 が最 も多 い 品 種 は肉 色 が黄 白 色 の「コガネセンガン」と公 表 されている 15 )。芋 焼 酎 において 原 料 サツマイモとして一 般 的 に用 いられる品 種 は「コガネセンガン」であるが,用 いるサツマイモの肉 色 や品 種 の違 いによって,芋 焼 酎 の香 味 は大 きく異 なる。

神 渡 ら 1 6, 1 7)は,小 仕 込 み試 験 により「ムラサキマサリ」,「アヤムラサキ」などの肉 色 が紫 色 の紫 系 サツマイモを用 いた芋 焼 酎 は甘 酸 っぱくヨーグルト様 の香 りを 示 し,その香 りはジアセチルに起 因 すること,また「サニーレッド」,「アヤコマチ」

などの肉 色 が橙 色 の橙 系 サツマイモを用 いた芋 焼 酎 は加 熱 したニンジン様 の 香 りを示 し,その香 りはβ-イオノンに起 因 すること,サツマイモ品 種 「ジョイホワイ ト 」 や 「 ダ イ チ ノ ユメ 」 を 用 いた 芋 焼 酎 は さわ や か な果 実 香 を 示 し ,この 香 気 は MTA の一 つであるリナロールに起 因 すること,さらに,香 気 成 分 のβ-ダマセノン が芋 焼 酎 の甘 い香 りに関 与 することを明 らかにした。

熊 本 国 税 局 の酒 類 鑑 評 会 と独 立 行 政 法 人 酒 類 総 合 研 究 所 の本 格 焼 酎 鑑 評 会 においては,出 品 された芋 焼 酎 の原 料 サツマイモの品 種 ごとの特 性 を的 確 に評 価 するために,2008 年 から原 料 サツマイモの肉 色 や皮 色 から芋 焼 酎 を

「コガネセンガン」,「紫 グループ」,「橙 グループ」などとグループ化 して品 質 評 価 している。 独 立 行 政 法 人 酒 類 総 合 研 究 所 の 2008 年 の第 31 回 本 格 焼 酎 鑑 評 会 における芋 焼 酎 の出 品 数 は 103 点 であり,その中 で「コガネセンガン」以

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7

外 のサツマイモ品 種 を用 いたものは 36 点 で,芋 焼 酎 全 体 の 35.0%を占 めてい た 18)。2018 年 の第 41 回 本 格 焼 酎 ・泡 盛 鑑 評 会 においては,「コガネセンガン」

以 外 のサツマイモ品 種 を用 いたものが芋 焼 酎 全 体 の 41.8%を占 めており 1 9), 2008 年 から 2018 年 にかけて,従 来 の「コガネセンガン」を用 いた焼 酎 とは異 な る香 味 の芋 焼 酎 の割 合 が増 えている。

このように芋 焼 酎 の多 様 化 が進 んでいるが,市 販 されている芋 焼 酎 における 製 造 条 件 と酒 質 分 析 値 の関 係 は未 解 明 な部 分 が大 きい。嗜 好 が細 分 化 した 日 本 国 内 だけでなく海 外 にも販 路 を拡 大 するために,今 後 も香 味 の多 様 化 が 課 題 である。芋 焼 酎 のさらなる香 味 向 上 ならびに多 様 化 のためには,製 造 条 件 と酒 質 分 析 値 ならびに香 味 の関 係 を明 らかにする必 要 がある。これらの関 係 を 解 明 し整 理 することで,芋 焼 酎 の香 味 設 計 が可 能 となる。

5. 本 研 究 の概 要

第 2章 ~第 4章 では,製 造 条 件 と酒 質 分 析 値 の関 係 の解 明 を目 的 として,市 販 されている芋 焼 酎 と黒 糖 焼 酎 の合 計 74 点 について一 般 分 析 と香 気 成 分 の 分 析 を行 った。そして,得 られた分 析 値 と,麹 菌 やサツマイモ品 種 ,仕 込 み方 法 ,蒸 留 方 法 および貯 蔵 方 法 の関 係 を検 討 した。その過 程 で,芋 焼 酎 の濃 厚 さに関 与 する成 分 としてジメチルジスルフィドとジメチルトリスルフィドを見 出 し,こ れら成 分 の香 りを感 じる最 低 濃 度 である閾 値 を決 定 した。

第 5章 では,一 次 もろみ酸 度 の違 いが,一 次 もろみと二 次 もろみの発 酵 状 態 および芋 焼 酎 の香 味 に与 える影 響 を明 らかにすることを目 的 に芋 焼 酎 を小 仕 込 み試 験 した。一 次 もろみ酸 度 が低 い場 合 は,一 次 もろみにおいて酵 母 のアル コール発 酵 が過 剰 に進 行 することで酵 母 の生 菌 数 が減 少 し,二 次 もろみの初 期 のアルコール発 酵 が遅 れた。また,一 次 もろみ酸 度 の違 いが芋 焼 酎 の香 気

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成 分 濃 度 や香 味 に大 きく影 響 することが明 らかになった。

第 6章 では,芋 焼 酎 の香 気 成 分 が蒸 留 時 にどのような留 出 挙 動 を示 すのか 小 仕 込 み試 験 により検 討 し,特 徴 香 成 分 であるリナロールやβ-ダマセノンの留 出 のピークが中 留 画 分 であること,そのため,蒸 した芋 の甘 い香 りは中 留 画 分 から後 留 画 分 で最 も強 く感 じられることが明 らかになった。

以 上 のように,本 研 究 は芋 焼 酎 の製 造 条 件 と酒 質 分 析 値 ならびに香 味 の関 連 の一 部 を明 らかにしたものである。

6. 本 論 文 での成 分 名 の表 記 法

本 論 文 において,成 分 名 は醸 造 分 野 の慣 習 に従 って主 に慣 用 名 で表 記 し た。慣 用 名 で表 記 した成 分 について,慣 用 名 とその IUPAC 名 を Table 1 に示 す。

(17)

9

Table 1

Common names and IUPAC names of the flavor compounds in

shochu

.

Common names IUPAC names Isobutyl alcohol 2-Methylpropan-1-ol

Isoamyl alcohol 3-Methylbutan-1-ol active-Amyl alcohol 2-Methylbutan-1-ol β-Phenetyl alcohol 2-Phenylethanol Isoamyl acetate 3-Methylbutyl acetate β-Phenetyl acetate 2-Pheylethyl acetate Furfural Furan-2-carbaldehyde Acetal 1,1-Diethoxyethane Acetoin 3-Hydroxybutan-2-one Diacetyl Butane-2,3-dione γ-Butyrolactone Oxolan-2-one

Methionol 3-Methylsulfanylpropan-1-ol Ethyl caproate Ethyl hexanoate

Ethyl caprylate Ethyl octanoate Ethyl caprate Ethyl decanoate Ethyl laurate Ethyl dodecanoate Ethyl myristate Ethyl tetradecanoate Ethyl palmitate Ethyl hexadecanoate

Ethyl linoleate Ethyl (9Z,12Z)-octadeca-9,12-dienoate

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10

Common names IUPAC names Linalool 3,7-Dimethylocta-1,6-dien-3-ol

α-Terpineol 2-(4-Methylcyclohex-3-en-1-yl)propan-2-ol Citronellol 3,7-Dimethyloct-6-en-1-ol

Nerol (2Z)-3,7-Dimethylocta-2,6-dien-1-ol Geraniol (2E)-3,7-Dimethylocta-2,6-dien-1-ol Rose oxide 4-Methyl-2-(2-methylprop-1-enyl)oxane β-Damascenone (E)-1-(2,6,6-Trimethylcyclohexa-1,3-dien-1-

yl)but-2-en-1-one

β-Ionone (E)-4-(2,6,6-Trimethylcyclohexen-1-yl)but-3- en-2-one

Dimethyl disulfide (Methyldisulfanyl)methane Dimethyl trisulfide (Methyltrisulfanyl)methane Ethyl butyrate Ethyl butanoate

Ethyl isovalerate Ethyl 3-methylbutanoate

Myrtenol (6,6-Dimethyl-2-bicyclo[3.1.1]hept-2- enyl)methanol

Terpinen-4-ol 4-Methyl-1-propan-2-ylcyclohex-3-en-1-ol 4-Methyl-5-

vinylthiazole 5-Ethenyl-4-methyl-1,3-thiazole Methyl salicylate Methyl 2-hydroxybenzoate

Ethyl phenylacetate Ethyl 2-phenylacetate Diethyl succinate Diethyl butanedioate Cinnamic acid ethyl

ester Ethyl (E)-3-phenylprop-2-enoate Guaiacol 2-Methoxyphenol

Vanillin 4-Hydroxy-3-methoxybenzaldehyde Benzylalcohol Phenylmethanol

Ethyl DL-3-

hydroxybutyrate Ethyl 3-hydroxybutanoate Phenylacetaldehyde 2-Phenylacetaldehyde

5-Methyl-2-flualdehyde 5-Methylfuran-2-carbaldehyde 3-Thiophen aldehyde Thiophene-3-carbaldehyde 2-Thiophen aldehyde Thiophene-2-carbaldehyde

(19)

11

第 2 章

芋焼 酎と黒 糖焼 酎における一 般分 析と一 般香気 成分

-市 販本格 焼酎 の分析(1)-

General quality values and general flavor compounds in sweet potato shochu and brown sugar shochu

-Analysis of commercial Honkaku-shochu (1)-

第 1節 緒 言

本 格 焼 酎 には使 用 する原 料 の違 いにより芋 焼 酎 ,麦 焼 酎 ,米 焼 酎 ,黒 糖 焼 酎 などがある。また蒸 留 方 法 には,大 気 圧 下 でもろみを 90℃以 上 まで加 熱 し蒸 留 する常 圧 蒸 留 と,蒸 留 器 内 部 を 0.1 気 圧 程 度 まで減 圧 し 40~50℃で蒸 留 す る減 圧 蒸 留 がある。蒸 留 後 の原 酒 に対 する精 製 工 程 には,ろ過 の強 弱 やイオ ン交 換 樹 脂 処 理 の有 無 などがあり,現 在 の本 格 焼 酎 はこれら原 料 ,蒸 留 ,精 製 などの組 み合 わせにより多 彩 な製 品 が市 販 されている。

特 に芋 焼 酎 においては,第 1章 で述 べた一 般 的 な製 造 条 件 とは異 なる製 品 が あり ,原 料 であるサ ツマ イ モ品 種 の 違 い によ る製 品 や ,黄 麹 菌 (

Aspergillus oryzae

)を使 用 した黄 麹 製 品 ,米 麹 の代 わりにサツマイモに麹 菌 を培 養 した芋 麹 を用 いた芋 麹 製 品 などが存 在 する。また,現 在 の芋 焼 酎 の仕 込 み方 法 は二 段 仕 込 みであるが,明 治 時 代 に行 われていた原 材 料 すべてを一 括 して仕 込 む

「どんぶり仕 込 み」の製 品 も販 売 されている。

本 研 究 では,多 様 化 された本 格 焼 酎 について原 料 や製 法 の違 いがどのよう

(20)

12

に分 析 値 に影 響 するか検 討 するために,現 在 市 販 されている芋 焼 酎 と黒 糖 焼 酎 の合 計 74 点 について一 般 分 析 と一 般 香 気 成 分 および微 量 香 気 成 分 の分 析 を行 った。ここでは,一 般 分 析 値 と一 般 香 気 成 分 濃 度 について製 品 との関 係 を述 べる。

(21)

13

第 2節 実 験 方 法 1. 試 料

市 販 されている芋 焼 酎 65 点 ,黒 糖 焼 酎 9点 の合 計 74 点 を用 いた。これらの 試 料 は鹿 児 島 県 において入 手 可 能 な製 品 であり,様 々なタイプの焼 酎 を網 羅 している。

芋 焼 酎 は ,第 1章 で述 べた 一 般 的 な製 造 条 件 で製 造 した 白 麹 製 品 ( 白 麹 菌 :

Aspergillus luchuensis

mut.

kawachii

) が 18 点 ,黒 麹 製 品 (黒 麹 菌 :

A.

luchuensis

)が 18 点 であり,特 殊 製 品 として黄 麹 製 品 (黄 麹 菌 :

A. oryzae

)6点 , 芋 麹 製 品 7点 ,特 殊 なサツマイモ品 種 を用 いた製 品 5点 (紫 系 サツマイモ製 品 3点 ,橙 系 の「ハマコマチ」製 品 1点 ,白 系 でβ-アミラーゼ欠 損 の「ジョイホワイト」

製 品 1点 ) ,カメ 壷 仕 込 み 製 品 8点 ,減 圧 蒸 留 製 品 2点 および 貯 蔵 製 品 5点

( カ メ 貯 蔵 3 点 , 3 年 貯 蔵 1 点 , 5 年 貯 蔵 1 点 ) を 用 い た 。 そ の 詳 細 な 情 報 を Table 2-1 に示 す。なお,特 殊 製 品 のうち複 数 の項 目 に該 当 する製 品 はそれぞ れの項 目 で重 複 計 上 している。

黒 糖 焼 酎 は常 圧 蒸 留 製 品 7点 と減 圧 蒸 留 製 品 2点 である。

なお,製 造 方 法 等 についてはラベルや公 式 ホームページを参 照 し,アルコー ル度 数 が 25 度 より高 い場 合 は 25 度 に割 水 して分 析 し,25 度 での分 析 値 を示 した。

(22)

14 Ty

pe ard nd Sta l ia ec Sp

(23)

15

2. 一 般 分 析

製 品 の pH,酸 度 ,紫 外 部 吸 収 ,チオバルビツール酸 (TBA)価 については国 税 庁 所 定 分 析 法 20 )に従 った。濁 度 は光 路 長 1 cm セルの 660 nm の吸 光 度 を 1,000 倍 して表 した8)。すべての項 目 において測 定 回 数 は1回 である。

3. 一 般 香 気 成 分 分 析

一 般 香 気 成 分 は製 品 の濃 縮 を行 わずに検 出 が可 能 な成 分 とし,分 析 は神 渡 ら 1 6)の報 告 に従 い,内 部 標 準 法 で定 量 した。測 定 回 数 は1回 である。ガスク ロマトグラフィー質 量 分 析 計 (GC-MS)での分 析 条 件 を Table 2-2 に示 す。

Table 2-2

Conditions for gas chromatography - mass spectrometry to analyze general flavor compounds.

GC-MS Agilent 5973 MSD

Column DB-WAX 0.25 mm I.D×60 m,Film 0.25 μm Oven temperature 40℃ to 230℃ at 3℃/min (hold 10 min) Carrier gas Helium,1 mL/min

Injection temperature 250℃,Split rate 1:10 Total flow 13.5 mL/min

Ion source temperature 250℃

Ionization method Electron ionization

Scan range Total ion monitor : m/z 35~300

(24)

16

第 3節 結 果 および考 察 1. 原 料 別 の一 般 分 析

Table 2-3 は,原 料 別 に一 般 分 析 の値 を示 す。

pH は芋 焼 酎 と黒 糖 焼 酎 の平 均 値 に大 差 がなかった。また,今 回 分 析 した 74 製 品 の中 で最 大 値 7.29 を示 したものは黄 麹 を使 った芋 焼 酎 であり,軽 快 な香 味 の 製 品 で あっ た 。こ の 製 品 は , 他 の 項 目 でも 特 異 的 な値 を 示 し てお り 今 後

「黄 麹 製 品 A」と表 記 する。なお,三 上 2 1)は麦 焼 酎 の pH が高 い理 由 としてイオ ン交 換 樹 脂 処 理 の影 響 を推 察 していることから,pH が極 端 に高 い製 品 にはイ オン交 換 樹 脂 処 理 の影 響 が考 えられる。一 方 ,最 小 値 3.84 を示 した製 品 もま た黄 麹 を用 いた芋 焼 酎 であり,明 治 期 に行 われていた製 法 いわゆる「どんぶり 仕 込 み」により造 られたもので,その香 味 は濃 醇 な味 と酸 味 を帯 びた香 りを持 つ 個 性 的 なものであった。この製 品 の酸 度 は 5.5 と最 も高 い値 を示 し,その他 の分 析 項 目 においても特 異 的 な分 析 値 を持 っており,今 後 「黄 麹 製 品 B」と表 記 す る。黄 麹 製 品 A と黄 麹 製 品 B については,第 3節 5にて考 察 する。このように芋 焼 酎 の pH は特 殊 製 品 によって広 い範 囲 に分 布 していることがわかった。濁 度 の平 均 値 は芋 焼 酎 で2,黒 糖 焼 酎 で1であるが,芋 焼 酎 では最 大 値 32 と非 常 に高 い値 を示 す製 品 がみられた。

紫 外 部 吸 収 は加 熱 の程 度 を表 し8),フルフラール等 の含 有 量 を反 映 する2 1)。 平 均 値 を比 較 すると芋 焼 酎 は黒 糖 焼 酎 よりも高 かった。さらに,黒 糖 焼 酎 の最 大 値 は最 小 値 の約 11 倍 であったが,芋 焼 酎 の最 大 値 1,145 は最 小 値 24 の 約 48 倍 であったことから,芋 焼 酎 の紫 外 部 吸 収 は黒 糖 焼 酎 と比 べて非 常 に広 い範 囲 に分 布 することがわかった。紫 外 部 吸 収 は蒸 留 時 間 の長 さ,後 留 区 分 の回 収 量 などにより異 なる 8)ため,芋 焼 酎 における蒸 留 条 件 の多 様 さが示 され た。

(25)

17

TBA 価 は油 臭 と高 度 に相 関 し,常 圧 蒸 留 製 品 は減 圧 蒸 留 製 品 よりも高 い値 を示 すことが知 られている 2 0 )。しかし,黒 糖 焼 酎 の減 圧 蒸 留 2製 品 のうち1点 は 367 であり平 均 値 の 260 より高 い値 であった。TBA 価 は原 酒 の管 理 状 況 によっ て変 動 する 21 )ため,同 一 製 造 場 の常 圧 蒸 留 した黒 糖 焼 酎 をみると最 大 値 812 を示 していた。このことから,TBA 価 が高 いことはこの製 造 場 の特 徴 と推 察 され る。

このように,一 般 分 析 では原 料 や仕 込 み方 法 ,蒸 留 方 法 ,製 造 場 などの違 いによって分 析 値 に差 がみられた。

(26)

18

(27)

19

2. 原 料 別 の一 般 香 気 成 分 濃 度

Table 2-4 は,原 料 別 に一 般 香 気 成 分 27 種 の分 析 値 を示 す。

黒 糖 焼 酎 の平 均 値 と比 べて,芋 焼 酎 の平 均 値 が高 い成 分 は,高 級 アルコー ル 類 の イ ソブ チル ア ル コー ル ,イ ソア ミル ア ル コー ル ,活 性 ア ミ ル ア ル コー ル,

β-フェネチルアルコールであった。イソブチルアルコールとイソアミルアルコール については,黒 糖 焼 酎 は他 の原 料 の焼 酎 と比 べて低 濃 度 であるとの安 藤 ら 2 2) の報 告 と一 致 する。活 性 アミルアルコールは 100 mg/L 程 度 の濃 度 であるが,こ れまで言 及 されることが少 なかった高 級 アルコールである。この活 性 アミルアル コールはガスクロマトグラフィー分 析 においてイソアミルアルコールと極 めて近 接 して検 出 されるため,従 来 はイソアミルアルコールと活 性 アミルアルコールを合 算 してイソアミルアルコール類 として定 量 していたと考 えられる。β-フェネチルア ルコールは原 料 別 の差 が大 きく,芋 焼 酎 の平 均 値 は黒 糖 焼 酎 の平 均 値 の約 3 倍 であり,芋 焼 酎 の最 小 値 32 mg/L は黒 糖 焼 酎 の最 大 値 31 mg/L と同 程 度 であった。また,酢 酸 イソアミルと酢 酸 β-フェネチルは,酵 母 においてそれぞれ イソアミルアルコールと β-フェネチルアルコールを基 質 として生 成 されるため,

これら高 級 アルコール類 と同 様 に芋 焼 酎 において高 濃 度 となる傾 向 がみられた。

フルフラールの平 均 値 も芋 焼 酎 は黒 糖 焼 酎 より 1.7 倍 高 かった。フルフラー ルの生 成 には蒸 留 方 法 が影 響 するが,どちらの焼 酎 も試 料 の大 半 は常 圧 蒸 留 であり,フルフラール濃 度 の違 いは原 料 の違 いに起 因 すると考 えられる。さらに,

酵 母 によって生 成 される中 鎖 脂 肪 酸 エチルエステルのうちカプロン酸 エチルに 違 いはなかったが,カプリル酸 エチルとカプリン酸 エチルの平 均 値 は芋 焼 酎 に おいて黒 糖 焼 酎 の3倍 以 上 高 い値 を示 す点 も興 味 深 い。

一 方 ,芋 焼 酎 の平 均 値 が黒 糖 焼 酎 の平 均 値 と比 べて低 い成 分 は,高 級 ア ルコール類 の

n

-プロピルアルコール,

n

-ブチルアルコールのほか,アセトアルデ

(28)

20

ヒド,アセタール,酢 酸 ,アセトインであった。特 に

n

-プロピルアルコール,

n

-ブ チルアルコール,アセトアルデヒド,アセタールでは芋 焼 酎 の平 均 値 は黒 糖 焼 酎 の最 小 値 を下 回 っていた。

以 上 のように,主 原 料 の違 いによって一 般 香 気 成 分 の一 部 の濃 度 が大 きく 異 なることが明 らかになった。

(29)

21

Sweet potato shochu (n=65) Brown sugar shochu

(n=9)

Mean S.D. Min. Max.

Mean of special products

Mean S.D. Min. Max.

Yellow- koji 1 )(n=6)

Sweet potato -koji 2 )(n=7)

Isobutyl alcohol 236 49 156 420 301 264 141 24 114 178 Isoamyl alcohol 336 71 191 512 346 419 231 46 162 282 active-Amyl alcohol 147 25 97 239 163 183 90 16 67 114 β-Phenetyl alcohol 61 11 32 84 65 73 19 6.86 12 31 n-Propyl alcohol 98 17 61 157 92 94 135 15 111 157 n-Butyl alcohol 3.40 1.18 1.13 8.34 3.02 3.81 8.77 3.53 3.64 14 Isoamyl acetate 3.05 1.62 N.D. 10 2.88 2.41 0.91 0.41 N.D. 1.31 β-Phenetyl acetate 1.59 0.70 0.21 4.45 1.58 1.35 0.29 0.11 0.11 0.45

Furfural 2.49 1.12 N.D. 5.89 1.19 2.49 1.49 0.91 N.D. 2.79

Acetaldehyde 40 12 14 91 33 46 58 14 45 82 Acetal 4.63 2.69 0.85 16 3.28 6.46 7.26 2.21 4.79 10 Acetic acid 62 45 12 376 93 55 92 33 49 148 Acetoin 1.36 2.39 N.D. 19 0.87 1.25 2.98 2.67 0.65 9.64

Diacetyl 0.07 0.57 N.D. 4.58 0.00 0.00 0.00 0.00 N.D. N.D.

γ-Butyrolactone 0.87 0.34 0.18 1.86 0.75 0.96 1.12 0.43 0.40 1.56 3-Ethoxy-1-propanol 3.93 1.77 0.85 8.35 4.39 2.21 1.88 0.52 1.19 2.92 2,3-Butanediol 54 22 14 109 52 37 55 31 5.05 100

Methionol 0.33 0.44 N.D. 1.57 0.39 0.19 0.10 0.13 N.D. 0.31

Ethyl lactate 4.64 7.81 N.D. 46 13 14 5.58 3.06 3.03 13 Ethyl acetate 42 11 11 90 39 40 37 9.40 26 59 Ethyl caproate 0.20 0.09 0.13 0.39 0.22 0.29 0.19 0.04 0.12 0.26 Ethyl caprylate 1.70 0.31 1.08 2.65 1.53 2.12 0.53 0.12 0.36 0.70 Ethyl caprate 1.84 0.50 0.92 3.26 1.44 2.46 0.44 0.25 0.16 0.93 Ethyl laurate 0.82 0.64 N.D. 1.51 0.42 1.15 0.07 0.15 N.D. 0.43 Ethyl myristate 0.02 0.20 N.D. 1.58 0.00 0.00 0.00 0.00 N.D. N.D.

Ethyl palmitate 0.51 0.81 N.D. 2.34 0.00 0.78 0.00 0.00 N.D. N.D.

Ethyl linoleate 0.04 0.33 N.D. 2.66 0.00 0.00 0.00 0.00 N.D. N.D.

S.D. : Standard Deviation, N.D. : Not Detected

1) Product was made using yellow-

koji

. 2) Product made from sweet potato-

koji

. Table 2-4 Concentration of general flavor compounds in sweet potato

shochu

and brown sugar

shochu

. (mg/L)

(30)

22

3. 芋 焼 酎 における一 般 分 析 値 のヒストグラム

芋 焼 酎 の一 般 分 析 値 の分 布 状 況 を調 べるために,ヒストグラムを作 成 し Fig.

2-1 に示 す。階 級 間 隔 は(最 大 値 -最 小 値 )÷10 の値 であり,集 団 から2階 級 以 上 離 れたものを外 れ値 と定 義 した。この外 れ値 は香 味 の個 性 を表 すものと考 えられる。

pH は,ピークが一 つだけの単 峰 型 で外 れ値 が確 認 される「単 峰 型 +外 れ値 」 タイプであった。ピークの左 右 非 対 称 な形 から 4.89 超 の製 品 数 は 4.54 以 下 と 比 べて非 常 に少 ないことがわかった。外 れ値 は最 大 値 の 7.29 であり,この製 品 は第 3節 1に示 した黄 麹 製 品 A である。酸 度 も「単 峰 型 +外 れ値 」タイプであった。

最 大 値 5.5 が外 れ値 であり,この製 品 は第 3節 1に示 したどんぶり仕 込 みの黄 麹 製 品 B である。濁 度 もまた「単 峰 型 +外 れ値 」タイプであり,約 9割 の製 品 が最 低 階 級 付 近 に集 中 した。最 大 値 が外 れ値 であり,この製 品 はろ過 を行 っていない 無 濾 過 タイプである。一 方 ,紫 外 部 吸 収 は外 れ値 が存 在 しない「単 峰 型 」分 布 であった。紫 外 部 吸 収 の下 位 2階 級 にある3点 のうち2点 は減 圧 蒸 留 製 品 であ り,蒸 留 での加 熱 条 件 が穏 やかであることから低 い値 を示 したといえる。

TBA 価 は「単 峰 型 +外 れ値 」タイプであり,外 れ値 は平 均 値 に対 して5倍 高 い 最 大 値 786 を示 した5年 貯 蔵 の製 品 であった。TBA 価 は油 脂 の酸 化 度 合 を表 すため貯 蔵 製 品 で高 くなると考 えられたが,その他 の貯 蔵 製 品 4点 では 85,149,

176,211 と平 均 的 な値 であった。貯 蔵 期 間 が長 いにもかかわらず TBA 価 が上 昇 しなかった理 由 として,貯 蔵 前 のろ過 により不 飽 和 脂 肪 酸 エチルエステルを ある程 度 取 り除 いていたことが考 えられる。なお,この最 大 値 製 品 から油 臭 は感 じられなかった。野 村 ら 23)は清 酒 において過 酸 化 脂 質 ではなく 3-デオキシグル コソンが TBA と反 応 することを報 告 していることから,芋 焼 酎 においても油 臭 の 原 因 となる物 質 以 外 の成 分 が TBA と反 応 している可 能 性 が推 察 される。このこ

(31)

23

とについては,第 3章 にて検 討 する。また,TBA 価 が1~4と非 常 に低 いものは 減 圧 蒸 留 製 品 2点 と黄 麹 製 品 A であり,この黄 麹 製 品 A のように,常 圧 蒸 留 製 品 であっても TBA 価 が減 圧 蒸 留 製 品 と同 程 度 の製 品 が存 在 した。

このように,ヒストグラムを作 成 することで外 れ値 の存 在 や分 布 状 況 がわかり,

芋 焼 酎 の多 様 性 が確 認 された。

(32)

24

Fig. 2-1 Histogram of general quality values in sweet potato

shochu

.

○ : Product was made using yellow-

koji

. (n=6,

A : Product A was made using yellow-

koji

.,

B : Product B was made using yellow-

koji

.)

* : Product was made using vacuum distillation. (n=2)

△ : The highest turbidity.

(33)

25

4. 芋 焼 酎 における一 般 香 気 成 分 濃 度 のヒストグラム

芋 焼 酎 の一 般 香 気 成 分 についてヒストグラムを作 成 し,その分 布 パターンか ら成 分 を6つのタイプに分 類 して Fig. 2-2~2-7 に示 す。それぞれの定 義 と香 気 成 分 の特 徴 を以 下 に述 べる。

4.1 タイプ1:単 峰 型

このタイプは外 れ値 の無 い単 峰 型 のヒストグラムを示 す。Fig. 2-2 に示 す9成 分 が該 当 する。カプロン酸 エチルとフルフラールは最 も出 現 頻 度 の高 い階 級 を 中 心 とした左 右 対 称 な分 布 を画 いたが,その他 の成 分 では分 布 に歪 みがみら れ,特 にβ-フェネチルアルコールでは 44 mg/L 超 になると製 品 の出 現 頻 度 が 急 激 に高 くなることがわかった。カプロン酸 エチル,カプリル酸 エチル,カプリン 酸 エチルなどの炭 素 数 6~10 の中 鎖 脂 肪 酸 エチルエステルにおいて最 大 値 を 示 したものは,同 一 製 品 ではないが,いずれも芋 麹 製 品 であった。減 圧 蒸 留 製 品 は2点 すべてがフルフラール,β-フェネチルアルコール,アセタールにおいて 下 位 2階 級 に分 布 した。

(34)

26

Fig. 2-2

“Type 1” histogram of general flavor compounds in sweet potato

shochu

.

○: Product was made using yellow-

koji

. (n=6, A : Product A was made using yellow-

koji.

, B : Product B was made using yellow-

koji

.)

■ : Product made from sweet potato-

koji

.(n=7)

* : Product was made using vacuum distillation. (n=2)

(35)

27

4.2 タイプ2:単 峰 型 +最 大 外 れ値

このタイプは単 峰 型 で外 れ値 が最 大 値 であるため,その香 気 成 分 は外 れ値 製 品 の香 味 に大 きな影 響 を与 えている可 能 性 が考 えられる。Fig. 2-3 に示 す 10 成 分 が該 当 し,一 つの製 品 が複 数 の成 分 において外 れ値 となることが以 下 の3パターンあった。一 つ目 はどんぶり仕 込 みの黄 麹 製 品 B であり,酢 酸 エチル と酢 酸 の外 れ値 であった。黄 麹 製 品 B の特 徴 である酸 の香 りはこれらの成 分 が 高 濃 度 であることが影 響 していると考 えられる。二 つ目 は

n

-プロピルアルコール とアセトインの外 れ値 となった製 品 であるが,ラベルや公 式 ホームページには特 別 な原 料 や製 法 は記 載 されていない。なお,この製 品 の香 味 は芋 焼 酎 として標 準 的 なものであり,際 立 った個 性 は認 められなかった。三 つ目 は鹿 児 島 県 工 業 技 術 センターが開 発 した Ko-CR-37 酵 母 24) を用 いた製 品 であり,酢 酸 イソアミ ルと酢 酸 β-フェネチルの外 れ値 となった。この製 品 の特 徴 はバナナ様 の香 りで あるが,それは高 濃 度 の酢 酸 イソアミルに起 因 すると推 察 される。

乳 酸 エチルでは8割 の製 品 が5 mg/L 以 下 に集 中 したが,10 mg/L を超 える 高 濃 度 のものも点 在 した。それらはすべて黄 麹 製 品 と芋 麹 製 品 であり,特 に上 位 2点 は芋 麹 製 品 が占 めた。また,黄 麹 製 品 は乳 酸 エチル濃 度 が高 い傾 向 に あるが,65 点 中 唯 一 乳 酸 エチルを検 出 できなかった製 品 は黄 麹 製 品 A であっ た。活 性 アミルアルコールについて最 大 外 れ値 は黄 麹 製 品 であり,黄 麹 製 品 6 点 中 5点 は平 均 値 を上 回 ったが,どんぶり仕 込 みの黄 麹 製 品 B は最 小 値 を示 した。

このように,タイプ2では,酢 酸 や酢 酸 イソアミルにおいて外 れ値 となった製 品 の香 味 にこれらの香 気 成 分 が大 きな影 響 を与 えていることが視 覚 的 に示 され,

麹 菌 や麹 原 料 の違 いが乳 酸 エチル濃 度 に影 響 することが明 らかになった。

(36)

28

Fig. 2-3

“Type 2” histogram of general flavor compounds in sweet potato

shochu

.

○: Product was made using yellow-

koji

. (n=6, A : Product A was made using yellow-

koji

., B : Product B was made using yellow-

koji

.)

■ : Product made from sweet potato-

koji

.(n=7)

(37)

29

4.3 タイプ3:単 峰 型 +最 小 外 れ値

Fig. 2-4 に示 す「単 峰 型 +最 小 外 れ値 」タイプは単 峰 型 に最 小 値 (未 検 出 ) の外 れ値 があり,平 均 値 は出 現 頻 度 がゼロの階 級 に属 するため全 体 像 を表 し ていない。ラウリン酸 エチルとパルミチン酸 エチルが該 当 したが,これら長 鎖 脂 肪 酸 エチルエステルはろ過 で取 り除 くことができるため未 検 出 の製 品 がそれぞ れ 24 点 ,46 点 と多 く存 在 した。この2成 分 において最 大 値 を示 した製 品 は,濁 度 の最 大 値 を示 した製 品 であった。また,1 mg/L 以 上 の値 を示 した製 品 数 は ラウリン酸 エチルで 41 点 ,パルミチン酸 エチルで 19 点 と違 いがみられることから 製 品 のろ過 時 にパルミチン酸 エチルは効 率 よく除 かれるが,ラウリン酸 エチルは ある程 度 製 品 中 に残 ると推 察 される。

Fig. 2-4

“Type 3” histogram of general flavor compounds in sweet potato

shochu

.

△ : The highest turbidity.

(38)

30

4.4 タイプ4:連 続 多 峰 型

このタイプはピークが複 数 ある多 峰 型 であり,それらピークの間 に出 現 頻 度 が ゼロになる階 級 が存 在 しない,すなわち連 続 して複 数 のピークが存 在 するため 連 続 多 峰 型 と名 付 けた。Fig. 2-5 に示 す2成 分 が当 てはまった。イソアミルアル コールは,平 均 値 が2つのピーク間 に位 置 する階 級 に存 在 し,その階 級 を境 と して低 濃 度 グループが 30 点 ,高 濃 度 グループが 29 点 とほぼ二 分 され,芋 麹 製 品 群 (n=7)はすべて高 濃 度 グループに分 布 した。なお,最 大 値 を示 した製 品 は Ko-CR-37 酵 母 を用 いており酢 酸 イソアミルにおいても最 大 値 である。3-エトキ シ-1-プロパノールでは低 濃 度 グループが 20 点 ,高 濃 度 グループが 42 点 と1:

2の割 合 で2つのピークを形 成 し,芋 麹 製 品 群 はすべて低 濃 度 グループに分 布 した。

Fig. 2-5

“Type 4” histogram of general flavor compounds in sweet potato

shochu

.

■ : Product made from sweet potato-

koji

.(n=7) B : Product B was made using yellow-

koji

.

(39)

31

4.5 タイプ5:未 検 出 +無 峰 型

Fig. 2-6 に示 す未 検 出 +無 峰 型 タイプは,約 半 数 の製 品 では未 検 出 であり,

そのほかの製 品 は複 数 の階 級 にまんべんなく分 布 してピークが形 成 されない珍 しいタイプであり,メチオノールのみが該 当 した。出 現 頻 度 が高 い階 級 を中 心 と したピークが無 いため無 峰 型 とした。カメ壷 仕 込 み製 品 群 は8点 中 7点 でメチオ ノールを検 出 し,その平 均 値 は 0.69 mg/L であり,芋 焼 酎 全 体 の平 均 値 0.33 mg/L と比 べて 2.1 倍 を示 した。

Fig. 2-6

“Type 5” histogram of general flavor compounds in sweet potato

shochu

.

◇ : The mash was fermented in a ceramic vessel. (n=8)

(40)

32

4.6 タイプ6:未 検 出 +外 れ値

未 検 出 +外 れ値 タイプは,大 部 分 の製 品 で検 出 できないが,ごくまれに定 量 できたものが外 れ値 となったタイプである。Fig. 2-7 に示 す3成 分 が該 当 し,い ずれも外 れ値 は1点 であった。ジアセチルは,紫 系 サツマイモ焼 酎 の特 徴 香 成 分 であり 25%エタノール溶 液 での検 知 閾 値 は 0.7 mg/L である 1 6 ) 。今 回 は紫 系 サツマイモ製 品 を3点 分 析 した。そのうち1点 はジアセチル濃 度 4.6 mg/L を 示 し,その香 りからヨーグルトや赤 ワインのような紫 系 サツマイモ焼 酎 らしさが感 じられた。しかし,残 りの2点 からジアセチルは検 出 されずその風 味 には紫 系 サ ツマイモ焼 酎 らしさが現 れていないことから,紫 系 サツマイモの原 料 特 性 が表 現 されていない製 品 が存 在 することがわかった。ミリスチン酸 エチル,リノール酸 エ チルといった長 鎖 脂 肪 酸 エチルエステルは,ろ過 で除 くことができるため未 検 出 の製 品 が多 かった。これら成 分 において外 れ値 となった製 品 は濁 度 のヒストグラ ムにおける最 大 外 れ値 の製 品 であり,濁 度 が高 い理 由 はこれら長 鎖 脂 肪 酸 エ チルエステルが高 濃 度 で含 まれるためであると判 断 した。

(41)

33

Fig. 2-7

“Type 6” histogram of general flavor compounds in sweet potato

shochu

.

P : Product made from purple sweet potato. (n=3)

△ : The highest turbidity.

(42)

34

5. 黄 麹 製 品 群 (n=6)の特 徴

今 回 試 料 とした芋 焼 酎 における黄 麹 製 品 は6点 あり,これら黄 麹 製 品 はこれ までに示 した各 種 分 析 値 において,その他 の芋 焼 酎 とは異 なるいくつかの特 徴 がみられた。Table 2-3 に示 すように紫 外 部 吸 収 における黄 麹 製 品 群 の平 均 値 は 259 であり,これは芋 焼 酎 全 体 の平 均 値 493 に対 して約 2分 の1であることか ら,黄 麹 製 品 群 の紫 外 部 吸 収 は低 い傾 向 にあった(Fig. 2-1)。また TBA 価 に おける黄 麹 製 品 群 の平 均 値 は 77 であり,紫 外 部 吸 収 と同 様 に芋 焼 酎 全 体 の 平 均 値 152 と比 べて低 かった(Table 2-3,Fig. 2-1)。Table 2-4 のアルコール 類 について黄 麹 製 品 群 の平 均 値 と芋 焼 酎 全 体 の平 均 値 を比 べると,イソブチ ルアルコールは黄 麹 製 品 群 が芋 焼 酎 全 体 と比 べて約 1.3 倍 高 い値 を示 したが,

その他 の成 分 に違 いはみられなかった。また,黄 麹 製 品 群 では6点 中 3点 で乳 酸 エチルが 10 mg/L を超 える高 濃 度 で含 まれていた(Fig. 2-3)。焼 酎 もろみで は,白 麹 菌 と黒 麹 菌 が生 産 するクエン酸 により雑 菌 汚 染 を防 止 しているが,黄 麹 菌 はクエン酸 を生 産 しないために補 酸 する必 要 がある。しかし,本 格 焼 酎 とし て販 売 するためには酒 税 法 でクエン酸 の使 用 が認 められていないことから乳 酸 を添 加 する場 合 がある。乳 酸 で もろみを補 酸 した黄 麹 芋 焼 酎 では乳 酸 エチル 含 量 が多 いとの報 告 2 5)があることから,もろみへの乳 酸 添 加 の影 響 で一 部 の黄 麹 製 品 において乳 酸 エチルが高 濃 度 を示 したと考 えられる。

黄 麹 製 品 A は,前 述 したとおり pH が7を超 え TBA 価 は1と非 常 に低 く,すべ ての芋 焼 酎 の中 で唯 一 乳 酸 エチルが検 出 されなかったが,さらにフルフラール とアセトインが検 出 できず,酢 酸 エチル(11 mg/L),酢 酸 (12 mg/L),およびア セトアルデヒド(22 mg/L)はそれぞれ全 体 平 均 値 と比 べて 0.3 倍 ,0.2 倍 ,0.5 倍 であり非 常 に低 い濃 度 であった。佐 無 田 ら 26)は麦 焼 酎 を用 いてイオン交 換 樹 脂 処 理 を行 い,フルフラール,乳 酸 エチル,酸 のほぼ完 全 な除 去 ,酢 酸 エチ

(43)

35

ル等 の大 幅 な減 少 などを報 告 しており,ここでの現 象 と一 致 する事 柄 が多 いこと から,黄 麹 製 品 A は蒸 留 後 にイオン交 換 樹 脂 処 理 などの精 製 を行 っていると 推 察 される。

どんぶり仕 込 みの黄 麹 製 品 B は酸 度 が極 めて高 く,ヒストグラムにおいて酢 酸 エチルと酢 酸 における外 れ値 を持 つことを先 に述 べた。高 濃 度 の酢 酸 エチル や酢 酸 と関 連 する事 柄 として,泡 盛 の酸 敗 酒 は正 常 酒 と比 べて酢 酸 や乳 酸 濃 度 が高 いこと 2 7),産 膜 酵 母 や酢 酸 菌 に汚 染 された場 合 は酢 酸 エチルが極 端 に 多 く酢 酸 などを副 生 すること 2 8)が知 られているが,黄 麹 製 品 B の乳 酸 エチル濃 度 は 7.0 mg/L であり平 均 値 の 4.6 mg/L よりやや高 いものの標 準 偏 差 内 であり 異 常 発 酵 とは考 えにくい。どんぶり仕 込 みは発 酵 初 期 に濃 糖 状 態 となること 2 9), 発 酵 初 期 のグルコース濃 度 に比 例 して酵 母 が生 成 する酢 酸 の濃 度 が高 まるこ と3 0)から,どんぶり仕 込 みの黄 麹 製 品 B は発 酵 初 期 のグルコース濃 度 が高 いた めに酵 母 が酢 酸 を高 生 産 したと推 測 される。また,その生 成 に酵 母 が関 与 する 2,3-ブタンジオール,γ-ブチロラクトン(以 上 Fig. 2-2),酢 酸 イソアミル,酢 酸 β-フェネチル,活 性 アミルアルコール,

n

-ブチルアルコール(以 上 Fig. 2-3),

イソアミルアルコール(Fig. 2-5)の濃 度 は芋 焼 酎 の中 で最 も低 い値 であった。こ れらのことは明 治 期 の製 法 による「どんぶり仕 込 み」の発 酵 形 態 が現 在 の二 次 仕 込 み法 とは大 きく異 なるためと考 えられる。

(44)

36

6. 芋 麹 製 品 群 (n=7)の特 徴

芋 麹 芋 焼 酎 は米 麹 芋 焼 酎 と比 べてアルコール類 の濃 度 が高 いと報 告 されて いること 31 )から,高 級 アルコール類 について芋 麹 製 品 群 の平 均 値 と芋 焼 酎 全 体 の平 均 値 を算 出 し,その結 果 を Table 2-4 に示 す。芋 麹 製 品 群 の平 均 値 は 芋 焼 酎 全 体 の平 均 値 と比 べて,イソアミルアルコール,活 性 アミルアルコール,

および β-フェネチルアルコールにおいてそれぞれ約 1.2 倍 高 い値 であった。ま た,

n

-プロピルアルコール,イソブチルアルコール,

n

-ブチルアルコールについ ては 1~2点 の芋 麹 製 品 において高 濃 度 であったが,芋 麹 製 品 群 の平 均 値 と 芋 焼 酎 全 体 の平 均 値 に差 はみられなかった。一 方 ,3-エトキシ-1-プロパノー ルと 2,3-ブタンジオールは,芋 麹 製 品 群 の平 均 値 が芋 焼 酎 全 体 の平 均 値 と比 べて 0.6~0.7 倍 であり低 い値 であった。先 にカプロン酸 エチル,カプリル酸 エチ ル,カプリン酸 エチルにおいて芋 麹 製 品 が最 大 値 を示 したことを述 べた。そこで これら中 鎖 脂 肪 酸 エチルエステルについて芋 麹 製 品 群 の平 均 値 と芋 焼 酎 全 体 の平 均 値 を比 べると,芋 麹 製 品 群 は芋 焼 酎 全 体 と比 べて 1.2~1.3 倍 高 いこと がわかった。一 方 ,炭 素 数 12 以 上 のラウリン酸 エチル,ミリスチン酸 エチル,パ ルミチン酸 エチル,リノール酸 エチルなどの長 鎖 脂 肪 酸 エチルエステルは麹 原 料 などの違 いを問 わず,検 出 できない製 品 が多 かった。これら長 鎖 脂 肪 酸 エチ ルエステルは分 子 量 が大 きくろ過 により取 り除 かれやすいため,各 製 造 場 での ろ過 の程 度 により残 存 率 が大 きく異 なると考 えられる。

また,乳 酸 エチルは濃 度 が高 い上 位 2点 が芋 麹 製 品 であり 30 mg/L を超 え る高 濃 度 であった。一 般 的 に,乳 酸 エチルが非 常 に高 い場 合 は前 述 したいくつ かの知 見 2 7, 28)から酢 酸 や酢 酸 エチルが高 濃 度 になることが予 想 されるが,この 芋 麹 2製 品 の酢 酸 は 57 mg/L,80 mg/L,酢 酸 エチルは 37 mg/L,46 mg/L と それぞれ平 均 的 な値 であり,もろみの汚 染 は考 えられない。このことから,乳 酸

(45)

37

エチルが高 濃 度 である芋 麹 製 品 では,黄 麹 製 品 と同 様 に補 酸 の目 的 でもろみ へ乳 酸 を添 加 している可 能 性 が考 えられる。

以 上 のように,芋 麹 製 品 群 の分 析 値 には米 麹 を用 いた芋 焼 酎 とは異 なる傾 向 がいくつかみられた。

(46)

38

第 4節 小 括

芋 焼 酎 と黒 糖 焼 酎 について,これまで報 告 されていた高 級 アルコール類 やそ のエステル類 以 外 のさまざまな成 分 の濃 度 を明 らかにした。また,芋 焼 酎 の分 析 値 を基 にヒストグラムを作 成 し原 料 や製 法 の違 いについて検 討 した。

(1) 芋 焼 酎 は黒 糖 焼 酎 と比 較 して β-フェネチルアルコール,酢 酸 イソアミル,

酢 酸 β-フェネチル,フルフラール等 の濃 度 が高 かった。

(2) 芋 焼 酎 は黒 糖 焼 酎 と比 べて

n

-ブチルアルコール,アセトイン,アセタール などの濃 度 が低 かった。

( 3 ) 黄 麹 製 品 群 の 平 均 値 は 芋 焼 酎 全 体 の 平 均 値 と 比 べ て 紫 外 部 吸 収 と TBA 価 が約 2分 の1と低 く,イソブチルアルコールは約 1.3 倍 高 い値 を示 した。また乳 酸 エチルが高 濃 度 を示 す製 品 があり,もろみへの乳 酸 添 加 の 影 響 が考 えられる。

(4) 芋 麹 製 品 群 の平 均 値 は芋 焼 酎 全 体 の平 均 値 に対 して,イソアミルアルコ ール,活 性 アミルアルコール,β-フェネチルアルコールにおいてそれぞれ 約 1.2 倍 高 く,3-エトキシ-1-プロパノールと 2,3-ブタンジオールでは 0.6

~0.7 倍 であり低 い値 を示 した。また,カプロン酸 エチル,カプリル酸 エチ ル,カプリン酸 エチルは芋 焼 酎 全 体 と比 べて 1.2~1.3 倍 高 かった。

(5) 減 圧 蒸 留 製 品 ではフルフラール,β-フェネチルアルコール,アセタールの 濃 度 が低 く,カメ壷 仕 込 み製 品 群 ではメチオノールの濃 度 が芋 焼 酎 全 体 の平 均 値 と比 べて 2.1 倍 高 かった。

(47)

39

第 3 章

芋焼 酎の一 般分析 および一般 香気成分における相関 関係

-市 販本格 焼酎 の分析(2)-

Correlation between general quality and general flavor compounds in sweet potato shochu

-Analysis of commercial Honkaku - shochu (2) -

第 1節 緒 言

第 2章 において,65 点 の市 販 芋 焼 酎 の成 分 分 析 値 を用 いたヒストグラムを作 成 して分 布 パターンを解 析 し,原 料 や製 法 の違 いに起 因 する分 布 のかたよりや 外 れ値 の存 在 を明 らかにした。その中 で,同 一 製 品 に含 まれる酢 酸 イソアミルと 酢 酸 β-フェネチルがそれぞれ最 大 値 を示 すなど,複 数 の成 分 の濃 度 が同 じ 傾 向 にある製 品 がいくつか見 出 された。

宇 都 宮 ら 32)は吟 醸 酒 を用 いて含 有 成 分 間 の相 関 分 析 を行 い,酢 酸 エチル と中 鎖 脂 肪 酸 エチルエステルには強 い負 の相 関 があることなどを報 告 している。

しかし,芋 焼 酎 における成 分 間 の相 関 関 係 はこれまで報 告 されていない。蒸 留 酒 である芋 焼 酎 と醸 造 酒 である吟 醸 酒 は原 料 や製 造 方 法 が異 なるが,高 級 ア ルコール類 やエステル類 などの共 通 する香 気 成 分 を含 んでいるため,芋 焼 酎 と 吟 醸 酒 におけるこれら共 通 成 分 の相 関 関 係 を比 較 することで,相 関 に影 響 する 要 因 が明 らかになる可 能 性 がある。

以 上 のことから,芋 焼 酎 の一 般 分 析 値 および一 般 香 気 成 分 濃 度 について相

(48)

40

関 分 析 を行 い,吟 醸 酒 における相 関 関 係 32 )と比 較 した。また,その過 程 におい て,焼 酎 における油 臭 の指 標 であるチオバルビツール酸 (TBA)価 に関 する新 たな知 見 を得 た。

(49)

41

第 2節 実 験 方 法 1. 試 料 ,一 般 分 析 ,一 般 香 気 成 分 分 析

第 2章 で用 いた市 販 の芋 焼 酎 から,現 在 の二 段 仕 込 み法 と仕 込 み方 法 が大 きく異 なる明 治 期 の製 法 で造 った黄 麹 製 品 を除 外 した 64 点 を試 料 とした。

分 析 項 目 は第 2章 の第 2節 2および3に示 した一 般 分 析 5項 目 と一 般 香 気 成 分 27 項 目 とし,合 計 32 項 目 について相 関 係 数 を算 出 した。Table 3-1 は高 い 相 関 係 数 を示 す 18 項 目 に番 号 を振 ったもので,この番 号 が Table 3-2~3-4 に示 す相 関 マトリックス上 の番 号 に相 当 する。なお,相 関 係 数 が危 険 率 1%未 満 で統 計 的 に有 意 であれば相 関 があると判 断 した。

Table 3-1 Numbering of 18 compounds.

No. Compounds No. Compounds 1 Isobutyl alcohol 11 Ethyl acetate 2 active-Amyl alcohol 12 Isoamyl acetate 3 Isoamyl alcohol 13 β-Phenetyl acetate 4 β-Phenetyl alcohol 14 Ethyl caproate 5

n

-Propyl alcohol 15 Ethyl caprylate 6

n

-Butyl alcohol 16 Ethyl caprate 7 3-Ethoxy-1-propanol 17 Acetaldehyde 8 2,3-Butanediol 18 Acetal

9 Acetic acid 10 Furfural

(50)

42

2. チオバルビツール酸 (TBA)価

TBA 価 との 相 関 が 認 めら れた 6成 分 に つ い て,第 2章 の 第 2節 2 の 方 法 で TBA 価 を 2 回 ず つ 測 定 し , 平 均 値 を 算 出 し た 。 ア セ ト ア ル デ ヒ ド は Sigma- Ardrich 製 ,アセタール,フルフラール,カプリル酸 エチル,カプロン酸 エチル,

およびカプリン酸 エチルについては東 京 化 成 工 業 株 式 会 社 製 の標 準 試 薬 を用 いた。

参照

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