横浜事業所は、京浜急行電鉄の金沢八景駅 と金沢文庫駅の中間に位置し、いずれの駅か らも徒歩10分程度です。 横浜事業所は、1946 年 ( 昭和 21 年 ) に当 時の旧第一海軍航空技術廠支廠跡に東急興業 株式会社横浜製作所として東京急行電鉄の戦 災電車復旧を主体に操業開始しました。敷地 面積は 285,000 ㎡ ( 東京ドーム約 6 個分 )、 従業員数は900名弱(2017年5月現在)です。 初めに会議室でご挨拶をさせて頂き、その 後、宮下代表取締役社長から「会社概要」「沿 革」「企業理念」「事業分野」「主要製品」「品 質活動」及び「人材育成」についてご説明し て頂きました。 ご対応頂いた方をご紹介致します。 ・代表取締役社長 宮下 直人 様 ・常務取締役 生産本部長 前田 秀幸 様 ・経営管理本部 総務部(広報) 秋本 祐介 様 今回の事業所訪問は、佐伯 ( 鉄車工専務理事 )、小峰 ( 広報・教育担当部長 )、北川 ( 広報・情報 システム部長)の3名で、神奈川県横浜市の「株式会社総合車両製作所(J-TREC)横浜事業所」を お訪ねして、会社概要及び主要製品の説明を受け、事業所内施設の見学をさせて頂きましたので、 ご紹介致します。
横浜事業所をお訪ねして
株式会社 総合車両製作所の沿革を以下に示 します。 ・1948 年 ( 昭和 23 年 ):東京急行電鉄、京 浜急行電鉄、小田急電鉄、京王帝都電鉄(現: 京王電鉄 ) の出資により株式会社東急横浜 製作所を設立 ・1949 年 ( 昭和 24 年 ):旧国鉄から湘南電 車を受注。鉄道車両メーカとして地位を確 立 ・1953 年 ( 昭和 28 年 ):東急車輛製造株式 会社と商業変更 ・1958 年 ( 昭和 33 年 ):日本初の ( セミ ) ス テンレス電車 東京急行電鉄5200形完成 ・1962 年 ( 昭和 37 年 ):日本初のオールス テンレス車両 東京急行電鉄 7000 形完成、 日本初のFRP前面覆いの京王帝都電鉄(現: 京王電鉄)3000系完成 ・1966 年 ( 昭和 41 年 ):旧国鉄新幹線メー カに指定 ・1968 年 ( 昭和 43 年 ):帝国車輌工業株式 会社と合併、大阪工場(のちに「大阪製作 所」に改称)とし、これより東西の鉄道車 両・特装自動車工場を有する生産・販売体 制が確立。 ・1988 年 ( 昭和 63 年 ):オールステンレス 車両生産2,000両達成 ・2003年(平成15年):和歌山製作所(現和 歌山事業所)完成 <横浜事業所全景>・2007 年 ( 平成 19 年 ):世界発のディーゼ ルハイブリッド営業車両 東日本旅客鉄道 キハE200形完成納入 ・2012 年 ( 平成 24 年 ):東日本旅客鉄道グ ループの株式会社 総合車両製作所 (J-TREC) 創立、保存ステンレス車両 (5200 形・7000 形) が日本 機械学 会から「機械遺 産」に認 定 (2010 年産業考古学会「推薦産業遺産」 認定 )、次世代ステンレス車両のブランド名 「sustina(sus+sustainable)」 を 制 定、 東 日 本旅客鉄道北陸新幹線E7系受注 ・2013年(平成25年):国内向け「sustina」 の先駆車両 東京急行電鉄 5050 系 5576 号車完成、ALSTOM 社 LRT“Citadis( シ タディス )”の国内導入協力に関して覚書 を締結 ・2014年(平成26年):東日本旅客鉄道烏山 線用蓄電池駆動電車EV-E301系(ACCUM) 完成、東日本旅客鉄道新津車両製作所の車 両製造事業を経営統合「新津事業所」とす る。 ・2015年(平成27年):「sustina S24シリ ーズ」量産第1号として東日本旅客鉄道山 手線用E235系完成、「sustina」海外向け 第1号としてタイ・バンコク パープルラ イン向け車両完成 (現在に至る) 会社の企業理念、概要、品質活動、安全教 育及び人材育成について以下にご紹介しま す。 [企業理念] 株式会社総合車両所の社章は、 ・総合(Sougou) ・車両(Sharyou) ・製作所(Seisakusho) の 3 つをモチーフにしたものに会社の略称で ある「J-TREC」を組み合わせています。 さらに、「S」には、次世代ステンレス車両 「sustina」やShinkasen、Speed、Safety、 Strong、Smart、Satisfaction といった鉄 道車両製造事業において欠くことのできない キーワードのイニシャルの「S」の意味を含 み、「鉄道車両を中心とした『総合』鉄道技 術を提供することで世界に貢献する」企業理 念も表しています。 デザインは、高速車両が風を切って走るス ピード感や会社の行動力・技術力・想像力を シンボリックに表現しており、先進性と信頼 性、環境調和性などをイメージした色彩と なっています。 [会社概要] ・売上高:430億円(2016年3月期) ・従業員数:1,197名 ・事業所:横浜(本社)・新津・和歌山・ 東京事務所・西日本支店 ・事業分野:①鉄道車両 (横浜事業所、新津事業所)
事業所訪問
私たちは 高品質かつ低コストを実現できる 鉄道車両を中心とした 総合技術を提供することで 世界に貢献していきます。和歌山事業所:6,000コンテナ 240分岐器 ・製造車両数(1948 ~ 2017.3末): 22,399両 オールステンレス車両:13,235両 (内新津事業所: 4,790両) 新幹線電車 : 899両 (国鉄向け : 700両) (JR東日本向け: 199両) 輸出車両(1960 ~ 2015年): 1,153両 *輸出先:アイルランド、台湾、シンガポール、 タイ、中国、インドネシア、米国等 次に「sustina」についての紹介がありま した。 会社の沿革でも紹介しましたが、1958 年 から製造に取り込まれたステンレス車両のパ イオニアメーカですが、2012 年に次世代ス テンレス車両の開発と併せてブランド名とし て「sustina」を制定、その後“共通プラッ トフォームによるコストダウンの追求”、“保 守費などのライフサイクルコストの低減“及 び”ユニバーサルデザイン等の快適・安心性 及びS13シリーズ(車長18m、3扉)と、シリー ズ名称を設けているとのことでした。 [品質活動] 1997 年に ISO9001 認証を取得され、下 記に示すQC活動も盛んに行われていました。 ・小集団活動 NDAA(NEW DENSHA ALL ATACK) 毎年各職場の 40 チームが活動して月1回 部長報告会で報告されているとのことです。 ・VE活動 自動車業界を参考にスタートして3年目に なりますが、異なる部門のコラボレーション チームにより原価推計によるコストダウン施 策を論議しておられるとのことです。 現在、60名のVEリーダ資格者がおられて 15 チームが活動されています。毎年、社長 の前で報告会が行われています。 ・改善提案活動 全社員参加で活発に活動されているとの ことでした。 [安全教育及び人材育成] 事業所内の技能教育訓練センターでの技能 修得や、最近、危険体感設備「体感道場 虎 の穴」を設置し、擬似体験を通じた安全教育 などを実施されているとのことでした。 会議室でのご説明の後、前田常務取締役の ご案内で事業所内を見学させていただきまし た。 事業所は非常に広く、日光取り入れ用の三 角屋根があり、歴史を感じさせる建屋があり ました。 事業所見学は、内装工場→構体工場→ぎ装 <ステンレス車両の特長>
工場→台車工場→機械工場の順で見せていた だきました。 各工場内は、通路に物が置かれていなくて 整理整頓が行き届いていました。また、下記 写真に示すような掲示物、IT化された表示器 による情報発信、また構体工場では溶接資格 者一覧など見える化が図られていました。 構体工場は、320 mの長さで各パネル結 合、六面体組立や仕上げ等、一連の構体製造 が行われていました。なお、鉄車工主催の鉄 道車両講習会 ( 基礎コース ) の見学会では、最 終の仕上げ工程が高い通路上からの見学でし たが、今回の訪問では床面作業ステージで見 学させていただきました。 各工場見学の後、技能教育訓練センター、 完成車両の通電試験場、試運転線、沿革で紹 介した保存ステンレス車両(5200形・7000形) を見学させていただきました。 また、技能教育訓練センター及び危険体感
事業所訪問
<構体工場全景> <掲示物:改善広場> <IT化された表示器> <構体工場での溶接資格者一覧> <技能教育訓練センター> <技能訓練風景> <実寸大車両のモックアップ>急行電鉄5200形・7000形)を見学しました。 今回はお忙しい中にもかかわらず事業所見 学を受け入れて頂き、丁寧なご説明を頂戴で きました事、感謝申し上げます。 誠にありがとうございました。 (鉄車工 北川 好弘) ドアの調整実習等が行われています。 危険体感設備「体感道場 虎の穴」では、 現物での各種危険体験を実施して、徹底した 安全教育を実施されています。 <保存ステンレス車両(5200形)> <作業服・保護具の正しい着用> <不良工具取り扱い体験> <墜落衝撃体験> <保存ステンレス車両(7000形>