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メトロニダゾールゲル 0.75% 2.4 非臨床試験の概括評価 目次 1 非臨床試験計画概略 緒言 非臨床試験計画 試験ガイドライン GLP 基準 及び動物保護関連規制に対する適合性 非臨床試験で使用したメトロニダゾールゲル製剤

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目次

1 非臨床試験計画概略 ... 5 1.1 緒言 ... 5 1.2 非臨床試験計画 ... 6 1.3 試験ガイドライン、GLP 基準、及び動物保護関連規制に対する適合性 ... 8 1.4 非臨床試験で使用したメトロニダゾールゲル製剤の組成 ... 8 2 薬理試験 ... 10 2.1 効力を裏付ける試験 ... 10 2.2 耐性誘導とその機序 ... 12 2.3 副次的薬理試験 ... 14 2.3.1 抗炎症活性 ... 14 2.3.2 免疫系への作用 ... 15 2.4 安全性薬理試験 ... 15 2.5 薬力学的薬物相互作用試験 ... 17 2.6 薬理試験に関する考察 ... 17 3 薬物動態試験 ... 19 3.1 緒言 ... 19 3.2 吸収 ... 19 3.2.1 in vitro 試験 ... 19 3.2.2 in vivo 試験 ... 20 3.3 分布 ... 20 3.4 代謝 ... 21 3.5 排泄 ... 22 3.6 薬物動態学的薬物相互作用 ... 23 3.7 薬物動態試験に関する考察 ... 23 4 毒性試験 ... 25 4.1 一般毒性試験 ... 25 4.1.1 急性毒性試験 ... 25 4.1.2 亜急性及び慢性毒性試験 ... 25 4.1.2.1 反復経皮投与毒性試験(申請者試験) ... 25 4.1.2.2 反復経口投与毒性試験(文献データ) ... 26 4.1.2.3 非経口投与による反復投与毒性試験(文献データ) ... 26 4.1.3 一般毒性に関する考察 ... 27 4.2 遺伝毒性試験 ... 28 4.3 がん原性試験 ... 28 4.4 生殖発生毒性試験 ... 28 4.5 局所忍容性試験 ... 28 4.6 その他の毒性試験 ... 29 4.6.1 不純物の毒性試験 ... 29

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4.6.2 添加物の毒性試験 ... 29 5 総括及び結論 ... 29 6 参考文献 ... 31

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表目次

1 メトロニダゾールゲル製剤を用いて実施した毒性試験(申請者試験) ... 7 2 メトロニダゾールゲル 0.75%の組成 ... 8 3 中枢神経系に及ぼすメトロニダゾールの影響 ... 16 4 心血管系に及ぼすメトロニダゾールの影響 ... 17 5 マウス、ラット、ウサギにメトロニダゾールを経口投与又は静脈内投与したときの 排泄経路(文献データのまとめ) ... 22

図目次

図 1 メトロニダゾールの構造式 ... 5 図 2 メトロニダゾールの化学構造及び化学的活性化 ... 11 図 3 嫌気性細菌及び原虫におけるメトロニダゾールの活性化機序... 12

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略号一覧

略称・略号 省略していない表現又は定義

Cmax Peak plasma (or serum) concentration 最高血漿中(又は血清中)濃度

CTD CommonTtechnical Document コモン・テクニカル・ドキュメント EP European pharmacopeia 欧州薬局方

GABA Gamma-aminobutyric acid γ-アミノ酪酸

ICH International Conference on Harmonization 日米 EU 医薬品規制調和国際会議 LD50 Lethal dose 50% 50%致死量

NADH Nicotinamide adenine dinucleotide ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド NAD(P)H Nicotinamide adenine dinucleotide

phosphate ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸

nim Nitroimidazole resistance gene ニトロイミダゾール耐性遺伝子

NR Not reported 報告なし

OECD Organisation for Economic Co-operation and

Development 経済協力開発機構

P/KFOR Pyruvate/ketoacid:ferredoxins

oxidoreductases ピルビン酸/ケト酸:フェレドキシンオキシドレダクターゼ ROS Reactive oxygen species 活性酸素分子種

SOD Superoxide dismutase スーパーオキシドジスムターゼ Tmax Peak concentration time 最高濃度到達時間

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1 非臨床試験計画概略

1.1 緒言

本非臨床試験の概括評価では、メトロニダゾールゲル 0.75% w/w(7.5 mg/g)(以下、「本剤」 という)及び本剤の有効成分であるメトロニダゾールの薬理学的、薬物動態学的、及び毒性学的 な特性の包括的な評価に関して記載する。本剤は 1 日 1~2 回の局所塗布投与でがん性皮膚潰瘍 に伴う悪臭を治療することを意図して開発された。治療には、患部の症状及び病巣の広さに応じ て適量を使用する。なお、体重 50 kg の患者に本剤を 1 日 100 g 投与した場合、メトロニダゾー ルとして1 日 750 mg、すなわち 15 mg/kg/day の投与量に相当する。 メトロニダゾール(2-(2-メチル-5-ニトロ-1H-イミダゾール-1-イル)エタノール)の分子量は 171.15 であり、その構造式は図 1に示すとおりである。 図 1 メトロニダゾールの構造式 メトロニダゾールは嫌気性あるいは微好気性の原虫及び細菌に対して高い抗微生物活性を示す。 メトロニダゾールは内服錠、腟錠、及び注射液として既に 50 年以上にわたり広範に臨床使用さ れてきた周知の医薬品である。申請者(ガルデルマ社)は、メトロニダゾールを含有する多くの 局所治療用外用剤を開発しており、現在、酒さ治療剤が米国及びヨーロッパで認可、販売されて いる。それらには、MetroGel®(Topical Gel, 0.75%及び 1%)、MetroCream®(Topical Cream, 0.75%)、MetroLotion®(Topical Lotion, 0.75%)、Rozex® Gel(0.75% metronidazole)、Rozex® Cutaneous Emulsion(0.75% metronidazole)及び Rozex® Cream(0.75% metronidazole)がある。英 国では 1994 年より Metrogel®(Topical Gel, 0.75%)が、がん性悪臭の適応症で認可を受けている。 今回日本で申請するメトロニダゾールゲル 0.75%(ロゼックス® ゲル 0.75%) は、上記 Rozex® Gel(0.75% metronidazole)と同一の製剤である。一方、メトロニダゾールの数種の経口剤、静注 剤、及び経腟剤が、嫌気性細菌及び原虫感染症の治療剤として、世界中で認可されている。日本 で既に市販されているメトロニダゾール含有医薬品は、メトロニダゾール 250 mg を含有する内 服錠(フラジール® 内服錠 250 mg[塩野義製薬]及びアスゾール錠 250 mg[富士製薬工業]、 効能効果:トリコモナス症[腟トリコモナスによる感染症]、嫌気性菌感染症、感染性腸炎、細 菌性腟症、ヘリコバクター・ピロリ感染症、アメーバ赤痢、ランブル鞭毛虫感染症)、及びメト ロニダゾール250 mg を含有する腟錠(フラジール® 腟錠 250 mg[塩野義製薬]、効能効果:ト リコモナス腟炎、細菌性腟症)である。日本では、メトロニダゾールの局所用外用剤は、上記腟 錠以外には認可されていない。

N

N

CH

2

CH

2

OH

CH

3

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2

N

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1.2 非臨床試験計画

メトロニダゾールはトリコモナス症及びヘリコバクター・ピロリH. pylori 感染症等に対する治療 薬として内服錠、腟錠、及び注射液として既に 50 年以上にわたり広範に臨床使用されてきた周 知の医薬品であることから、日本で既承認の適応症及び投与経路における有効性及び安全性は既 に確立されていると考えられる。 ガルデルマ社は、酒さへの適用(海外で既承認)を裏付けるためのメトロニダゾール外用剤の経 皮投与による安全性及び忍容性を検討する非臨床試験を実施してきた。そのうち、以下に列挙す る試験はがん性皮膚潰瘍部位の殺菌・臭気の軽減を効能・効果とする本剤の安全性を裏付けるデ ータとして有用と考えた。 • 日本における市販予定製剤である本剤を含む 3 種類のメトロニダゾール含有製剤を比較した in vitro 皮膚透過性試験(RDS.03.SRE.4720 試験 [評価資料 4.2.2.2.1]) • 反復投与毒性試験として、本剤の処方変更前製剤(Carbopol 940 含有製剤)を用いたラット 4 週間経皮投与毒性試験(1.CG.03.SRE.8163.GDL 試験 [評価資料 4.2.3.2.1])及びウサギ 13 週 間経皮投与毒性試験(1.CG.03.SUM.0371 試験 [評価資料 4.2.3.2.2])、及びメトロニダゾール 1%含有ゲル製剤( の製剤)を用いたミニブタ 3 ヵ月経皮投与毒性試験( 試 験 [参考資料 4.2.3.2.3])。これらの試験で使用した各製剤、すなわち「処方変更前製剤Carbopol 940 含有製剤)」及び「メトロニダゾール 1%含有ゲル製剤( の製剤)」 の定義並びに本剤の評価に及ぼす影響に関しては後述する(1.4項)。 • 局所忍容性試験として、メトロニダゾール 0.75%含有ゲル製剤(報告書に Rozex Gel と記録 されたが製剤組成の記録がない製剤)を用いた皮膚一次刺激性試験(1.CG.03.SUM.0432 試 [参考資料 4.2.3.6.1] 及び 1.CG.03.SUM.0436 試験 [参考資料 4.2.3.6.2])、処方変更前製剤Carbopol 940 含有製剤)を用いたウサギ眼一次刺激性試験(1.CG.03.SUM.0440 試験 [評価 資料 4.2.3.6.3])、及びメトロニダゾール 1%含有ゲル製剤( の製剤)を用いたモル モ ッ ト 皮 膚 感 作 性 試 験 ( 試 験 [参考資料 4.2.3.6.4]、 試 験 [参考資料 4.2.3.6.5])。皮膚一次刺激性試験で用いたメトロニダゾール 0.75%含有ゲル製剤の説明と本 剤の評価に及ぼす影響に関しては後述する(1.4項)。 また、処方変更前製剤(Carbopol 940 含有製剤)を用いたラット経口投与急性毒性試験も実施し た(1.CG.03.SUM.0441 試験 [評価資料 4.2.3.1.1])。 本申請に際しては、 日本では既に内服錠と腟錠が承認、販売されている(1.1 項参照)ことを踏 まえ、申請区分を医療用医薬品(3) 新投与経路医薬品(平成 17 年 3 月 31 日 薬食発第 0331015 号「医薬品の承認申請について」及び平成 21 年 3 月 4 日薬食発第 0304004 号「バイオ後続品の 承認申請について」)として申請することとした。この区分での申請に必要とされる資料として、 がん性皮膚潰瘍に伴う悪臭を有する患者への適用を裏付けるための上記の経皮投与並びに経口投 与による非臨床試験データ並びに利用可能であった適切な科学的公表文献を提出することとした。

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7 公表文献は Medline 及び Toxline データベースでのヒト以外のモデルにおけるメトロニダゾール と毒性に焦点を当てた検索(平成24 年 10 月 30 日までをカバー)により抽出した。 本申請に係る申請者試験を、評価資料(市販予定製剤又は処方変更前製剤[Carbopol 940 含有製 剤]を用いた in vitro 吸収試験及び GLP 適用の毒性試験)と参考資料(評価資料とした試験以外 の試験)の区別とともに表 1 に示す。これらの試験のうち、メトロニダゾール 1%含有ゲル製剤 ( の製剤)を用いた試験は、市販予定製剤より高濃度で適用されたメトロニダゾールの 安全性についての情報を加えるために提出することとしたものである。参考資料については CTD 「2.6.7 毒性試験の概要表」中に個別の詳細なデータ概要表は作成していない。 表 1 メトロニダゾールゲル製剤を用いて実施した毒性試験(申請者試験) 試験番号 試験の種類 (GLP 適用・非適用の別) 市販予定製剤又は処方変 更前製剤(Carbopol 940 含有製剤)の使用・不使 用の別 CTD 2 部(2.6) における 収載項 評価資料/ 参考資料 の別 0.75% 製剤を用いた in vitro 吸収試験 RDS.03.SRE.4720 本剤を用いた皮膚透過性試験 (GLP 基準の対象外) 使用a CDT 2.6.4 の [3.1.1] 評価資料 [4.2.2.2.1] 0.75% 製剤を用いた毒性試験 1.CG.03.SUM.0441 ラット経口投与急性毒性試験 (GLP 適用) 使用b CTD 2.6.6 の [2.1] 評価資料 [4.2.3.1.1] 1.CG.03.SRE.8163. GDL ラット(GLP 適用) 4 週間経皮投与毒性試験 使用b CTD 2.6.6 の [3.2.1] 評価資料 [4.2.3.2.1] 1.CG.03.SUM.0371 ウサギ 13 週間経皮投与毒性試験 (GLP 適用) 使用b CTD 2.6.6 の [3.3.1] 評価資料 [4.2.3.2.2] 0.75% 製剤を用いた局所忍容性試験

1.CG.03.SUM.0432 Rozex Gel 及び Cream を用いたウサギ 皮膚一次刺激性試験 (GLP 適用) 不使用 CTD 2.6.6 の [7.1] 参考資料 [4.2.3.6.1]

1.CG.03.SUM.0436 Rozex Gel 及び Lotion を用いたウサギ 皮膚一次刺激性試験 (GLP 適用) 不使用 CTD 2.6.6 の [7.2] 参考資料 [4.2.3.6.2] 1.CG.03.SUM.0440 ウサギ眼一次刺激性試験 (GLP 適用) 使用b CTD 2.6.6 の [7.3] 評価資料 [4.2.3.6.3] 1% 製剤を用いた試験 Hanford ミニブタを用いたメトロニダ ゾール1%含有ゲル剤の 3 ヵ月経皮投 与毒性試験 (GLP 適用) 不使用 CTD 2.6.6 の [3.6.1] 参考資料 [4.2.3.2.3] モルモットを用いたメトロニダゾール ゲル1%含有ゲル剤の皮膚感作性試験 GLP 適用) 不使用 CTD 2.6.6 の [7.4] 参考資料 [4.2.3.6.4] モルモットを用いたメトロニダゾール ゲル1%含有ゲル剤の皮膚感作性試験 GLP 適用) 不使用 CTD 2.6.6 の [7.5] 参考資料 [4.2.3.6.5] a:市販予定製剤 b:処方変更前製剤(Carbopol 940 含有製剤)- 本製剤の定義並びに本剤の評価に及ぼす影響については1.4項参照。

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1.3 試験ガイドライン、GLP基準、及び動物保護関連規制に対する適合性

申請者試験はすべて OECD ガイドライン又は ICH ガイドラインに準拠し、GLP 基準の対象とな る試験についてはこれを遵守して実施した。非臨床試験の一部又は全部について外部試験機関に 委託して実施した。実験動物を用いた試験は動物の保護に関する当該地域ないし国際的な規制に 適合して実施した。 安全性薬理試験及び毒性試験に関し、公表文献における試験については GLP 基準に適合してい ないか、又は GLP に関する記載がなかった。したがって、文献データはすべて参考資料として の情報であり、CTD 「2.6.3 薬理試験の概要表」 及び「2.6.7 毒性試験の概要表」中に、試験毎の 詳細なデータ概要表は作成していない。

1.4 非臨床試験で使用したメトロニダゾールゲル製剤の組成

申請する市販予定メトロニダゾールゲル0.75% 製剤の組成を 2に示す。 表 2 メトロニダゾールゲル 0.75%の組成 成分名 含量 (% w/w) 機能 規格 主薬 メトロニダゾール 0.75 有効成分 日局(EP) 添加物 エデト酸ナトリウム水和物 安定化剤(キレート剤) 日局(EP) カルボキシビニルポリマー (カーボマー 980) ゲル化剤 薬添規(EP) プロピレングリコール 溶媒(湿潤剤) 日局(EP) パラオキシ安息香酸メチル 保存剤 日局(EP) パラオキシ安息香酸プロピル 保存剤 日局(EP) 水酸化ナトリウム 適量 ( pH ~ に調整) pH 調整剤 日局(EP) 精製水 適量 溶媒 日局(EP) 全量 100.00 EP:欧州薬局方

in vitro 皮膚透過性試験(RDS.03.SRE.4720 試験 [評価資料 4.2.2.2.1])において「Rozex Gel」とい う名称で使用された製剤は、今回申請する市販予定製剤である。ラット経口投与急性毒性試験 (1.CG.03.SUM.0441 試 験 [ 評 価 資 料 4.2.3.1.1] ) 、 ラ ッ ト 4 週 間 経 皮 投 与 毒 性 試 験1.CG.03.SRE.8163.GDL 試験 [評価資料 4.2.3.2.1])、ウサギ 13 週間経皮投与毒性試験1.CG.03.SUM.0371 試 験 [ 評 価 資 料 4.2.3.2.2] ) 、 及 び ウ サ ギ 眼 一 次 刺 激 性 試 験1.CG.03.SUM.0440 試験 [評価資料 4.2.3.6.3])において「Rozex Gel」又は「metronidazole gel 0.75%」という名称で使用された開発処方製剤の組成は、ゲル化剤(カルボキシビニルポリマー) が、残留ベンゼンを含有するカーボポール 940 であったこと以外は、申請する市販予定製剤とほ

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9 ぼ同一であった。すなわち、市販予定製剤では、ゲル化剤(カルボキシビニルポリマー)を上記 開発処方で用いたカーボポール 940(0.60%)からベンゼンフリーのカーボマー980 に変更すると 同時に、同等の粘度を確保するためその濃度が 0.65%に変更された。この軽微な変更は、市販予 定製剤の安全性評価に重大な影響を与えるものではないと考えられる。以下、この 2.4 非臨床試 験の概括評価では、ゲル化剤が処方変更前のカーボポール 940(Carbopol 940)である製剤を 「処方変更前製剤(Carbopol 940 含有製剤)」と記載する。 皮膚一次刺激性 2 試験(1.CG.03.SUM.0432 試験 [参考資料 4.2.3.6.1] と 1.CG.03. SUM.0436 試験 [参考資料 4.2.3.6.2])でも「Rozex Gel 0.75%」と記録されたゲル剤が用いられた。しかしながら、 製剤組成の記録がないため、使用された製剤は市販予定製剤や処方変更前製剤(Carbopol 940 含 有製剤)ではないものとし、これら2 試験は参考資料とした。 モルモット皮膚感作性 2 試験( 試験 [参考資料 4.2.3.6.4]、 試験 [参考資料 4.2.3.6.5])及びミニブタ 3 ヵ月経皮投与毒性試験( 試験 [参考資料 4.2.3.2.3])では、メト ロニダゾールを 1%含有するゲル製剤( の製剤)を使用した。この製剤の添加物処方 (特に )は上記の物とは全く異なるものであり、本申請に係る市販予定製剤との関連性 は低いと考えられたことより、これらの試験は、市販予定製剤より高濃度(1%)で局所適用さ れたメトロニダゾールの安全性についての情報を加えるための参考資料として提出することとし た。 本剤に含まれる添加物はすべて日本薬局方収載品又は医薬品添加物として同等以上の濃度での使 用前例が確認されているものであり、本剤は新添加物を含有しない。

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2 薬理試験

2.1 効力を裏付ける試験

1970 年代初期以降、メトロニダゾールは腹腔内感染症及び婦人科感染症、敗血症、心内膜炎、 骨・関節感染症、中枢神経系感染症、呼吸器感染症、皮膚感染症、口腔感染症、及び歯科感染症 などの嫌気性感染症の治療に有効な第一選択薬として認識されている(Löfmark et al. 2010 [文献 4.3.1.30])。メトロニダゾールは、バクテロイデス・フラジリス Bacteroides fragilis、プレボテラ

Prevotella 属、 フ ゾバ クテ リ ウム ・ヌ ク レア タム Fusobacterium nucleatum、 ウ ェル シ ュ 菌 Clostridium perfringens 及び嫌気性球菌などがん性悪臭に関与する数種類のグラム陰性及びグラム 陽性嫌気性菌に有効である(Paul and Pieper 2008 [文献4.3.1.37])。

メトロニダゾールは抗原虫活性も有しており、腟炎の一般的な原因となる病原体である腟トリコ モナス Trichomonas vaginalis の性感染によるトリコモナス症に有効である。メトロニダゾールは、 腸 管 感 染 症 及 び 肝 膿 瘍 の 一 般 的 な 原 因 と な る 病 原 性 原 虫 で あ る 赤 痢 ア メ ー バ Entamoeba histolytica の経口感染によるアメーバ症にも有効である。さらに、メトロニダゾールは下痢を伴 う小腸感染症の原因病原体であるランブル鞭毛虫Giardia lamblia の経口感染によるランブル鞭毛 虫症にも有効である(Freeman et al. 1997 [文献 4.3.1.21]、 Goodman and Gilman 2001 [文献 4.3.1.23])。 メトロニダゾールはプロドラッグであり、その活性化には絶対嫌気性条件下で 5 位のニトロ基が 還元されることが必須である(図 2参照)。この電子供与はニトロ基への電子伝達を伴い、細菌 又は原虫の細胞内でメトロニダゾールを短寿命のニトロソ遊離基に変換し、これが細胞内で DNA、RNA 及びタンパクなどの高分子と反応する。短寿命のニトロソ遊離基は、DNA と相互作 用して DNA と結合した後に DNA 合成を阻害し、さらに酸化反応によって一本鎖及び二本鎖切 断を誘導することで DNA を損傷すると考えられる。DNA 損傷を生じさせるメトロニダゾール由 来の分子種としては、ヒドロキシルアミン付加体が考えられる(Bendesky et al. 2002 [文献 4.3.1.5])。これにより、最終的に細胞溶解を生じることなく嫌気性微生物に対して特異性の高い

殺効果を示す(Freeman et al. 1997 [文献 4.3.1.21]、Goodman and Gilman 2001 [文献 4.3.1.23]、

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2 メトロニダゾールの化学構造及び化学的活性化

この電子伝達は、嫌気性又は微好気性微生物内にフェレドキシン、小型の Fe-S タンパク、及び 場合により他の酵素や電子伝達成分でメトロニダゾールに電子を供与できるだけの負の酸化還元 電位を持つものが存在することによって行われる(Goodman and Gilman 2001 [文献 4.3.1.23]、

Löfmark et al. 2010 [文献 4.3.1.30])。原虫をはじめとするメトロニダゾール感受性の嫌気性又は 微好気性微生物は、ピルビン酸などのケト酸の酸化発酵からエネルギーを生成している。ピルビ ン酸の脱炭酸反応を触媒するのは、好気性微生物に存在するピルビン酸デヒドロゲナーゼに相当 するピルビン酸/ケト酸:フェレドキシンオキシドレダクターゼ(P/KFOR)である。この P/KFOR は、フェレドキシンを還元するための電子を生成し、その電子を電子受容体又はメトロ ニダゾールに触媒的に供与する。酸素(O2)の存在下では、電子は主に酸素へ伝達されるため、 メトロニダゾールへの電子伝達が減り、その結果メトロニダゾールの還元活性化が抑制され、活 性型薬物の再循環が増加する。最終的に、メトロニダゾールは酸素の存在下ではその抗菌活性を 失うことになる(Goodman and Gilman 2001 [文献4.3.1.23]、Löfmark et al. 2010 [文献4.3.1.30])。

嫌気性細菌及び原虫におけるメトロニダゾールの活性化機序の概略図を図 3に示す。

Prodrug form of metronidazole

Nitroso free radical form of metronidazole

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3 嫌気性細菌及び原虫におけるメトロニダゾールの活性化機序

Ox, 酸化型、red,還元型。Substrate(基質)は以下のものに該当すると考えられる:ジアルジア Giardia 属では 2-ケト酪酸、赤痢アメーバ E. histolytica では α-ケト酪酸、α-ケトグルタル酸及びオキサロ酪酸、ヘリコバクタ ー・ピロリ H. pylori ではピルビン酸。P/KFOR,好気性微生物に存在するピルビン酸デヒドロゲナーゼに換わっ てエネルギーを産生するピルビン酸/ケト酸:フェレドキシンオキシドレダクターゼ。 出典:Leiros et al 2004 [文献4.3.1.28] (一部改変)

2.2 耐性誘導とその機序

上記のように、メトロニダゾールの抗菌活性及び抗原虫活性はプロドラッグであるメトロニダゾ ールのニトロ基が、P/KFOR と連動した電子伝達体であるフェレドキシンによって還元されて、 DNA 損傷性があり変異原性を有する分子種に変換することによって発現する(Upcroft and Upcroft 2001 [文献 4.3.1.50])。P/KFOR は偏性嫌気性微生物の中核的な代謝及びエネルギー生成

に必須である。したがって、偏性嫌気性微生物で臨床的に重要なメトロニダゾール耐性が発現す ることは稀である(Samuelson 1999 [文献4.3.1.40]、Olekhnovich et al. 2009 [文献4.3.1.35])。

メトロニダゾール耐性化率は、微好気性菌であるヘリコバクター・ピロリ H. pylori では 26.7% (95%信頼区間:25.2~28.1%)などと高いが(De Francesco et al. 2010 [文献4.3.1.14])、バクテ

ロイデス Bacteroides 属株では低く、2000~2007 年に米国で分離された耐性株は 2 株にすぎないSnydman et al. 2010 [文献4.3.1.45])。クロストリジウム・ディフィシル C. difficile でもメトロ

ニダゾール耐性が認められており(Shah et al. 2010 [文献4.3.1.43])、2005~2006 年に英国でスク

リーニングされた分離株での低感受性菌発現率は 24.4%以下であった(Baines et al. 2008 [文献

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13 耐性は細菌及び原虫で報告されており、主に 4 つの誘導機構が考えられている(Löfmark et al. 2010 [文献4.3.1.30])。 • 薬物活性化抑制(P/KFOR 酵素系に関連) • 代替経路による薬物不活性化 • 薬物の細胞内移行抑制又は薬物排出 • DNA 損傷の抑制又は DNA 修復能の変化 これらの各耐性誘導機構について、以下に要約する。 1. メトロニダゾールの活性化には P/KFOR 酵素系が関与するため(図 3参照)、P/KFOR 活性 の低下、及び P/KFOR を必要としない発酵経路の利用は、主要な耐性誘導機構と考えられる。 ある腟トリコモナスT. vaginalis の高耐性分離株は、2-オキソ酸オキシドレダクターゼ酵素が P/KFOR 経路を補い、フェレドキシンへの電子供与を必ずしも行わない経路によりエネルギ ーを生成することで、メトロニダゾール高度耐性に関連する P/KFOR の発現量減少の影響を 受けずに済む。これらの 2-オキソ酸オキシドレダクターゼは、ジアルジア Giardia 属で活性 化する経路で認められるものと類似している(Upcroft and Upcroft 2001 [文献4.3.1.50])。メ

トロニダゾール耐性ヘリコバクター・ピロリ H. pylori では、RdxA と呼ばれる非必須酸素非 感受性 NAD(P)H ニトロレダクターゼの変異が同定された(Goodwin et al. 1998 [文献

4.3.1.24])。この酸素非感受性 NADPH ニトロレダクターゼの各種変異がヘリコバクター・

ピロリ H. pylori の主なメトロニダゾール耐性化機序と考えられている(Goodwin et al. 1998 [文献4.3.1.24])。

2. 特異的耐性遺伝子ファミリー nim を獲得した微生物も知られている。現在、nim ファミリー 遺伝子として 9 種類が確認されている。バクテロイデス・フラジリス B. fragilis などの細菌 では異なる 8 種類の遺伝子(nimAnimH)が同定され、いずれも P/KFOR の代替となるニ トロイミダゾールレダクターゼをコードしている。これら 8 種類の nim 遺伝子によりコード されているそれらの酵素が 4-又は 5-ニトロイミダゾール分子を毒性のない 4-又は 5-アミノ イミダゾール誘導体に変換することで、メトロニダゾールの抗菌活性に関与する毒性のある ニトロソ遊離基の生成が回避される(Stubbs et al. 2000 [文献4.3.1.47]、Löfmark et al. 2005 [文 献4.3.1.29]、Löfmark et al. 2010 [文献4.3.1.30]、Alauzet et al. 2010 [文献4.3.1.2])。9 種類目

nim 遺伝子(nimI)もプレボテラ・バーロニアエ Prevotella baroniae で報告されているが、 臨床におけるメトロニダゾール耐性との関連性は不明である(Alauzet et al. 2010 [文献 4.3.1.2])。

3. ヘリコバクター・ピロリ H. pylori において、各種抗生物質の細胞内移行及び細胞外排出に関 与する TolC 薬物排出ポンプの過剰発現がメトロニダゾール耐性化の機序となることが示唆 されている(van Amsterdam et al. 2005 [文献4.3.1.51])。

4. 耐性誘導機構として、酸素捕捉能の亢進による DNA 損傷抑制、及び DNA 修復能の変化も 考えられている。RdxA に変異が生じて NADH オキシダーゼ/NAD(P)H ニトロレダクター

(14)

14

ゼが不活性化し、その結果細胞内の酸化還元電位/酸素圧が上昇し、メトロニダゾール耐性 が発現したとみられるヘリコバクター・ピロリH. pylori のメトロニダゾール耐性株が報告さ れた(Smith and Edwards 1997 [文献4.3.1.44]、De Francesco et al. 2011 [文献4.3.1.15])。また、

ヘリコバクター・ピロリ H. pylori は sodB 遺伝子がコードするスーパーオキシドジスムター ゼ(SOD)を有しており、いくつかの耐性株で SOD 合成が増加し、続いてメトロニダゾー ルの活性化産物の解毒に至ったことが報告されている(Choi et al. 2011 [文献4.3.1.12])。メ

トロニダゾール耐性発現に間接的に関与するもうひとつの機序として DNA 修復能の変化が 提唱されている。これは、絶対嫌気性条件下でメトロニダゾールが休眠期のウシ型結核菌 Mycobacterium bovis に作用し、その活性が recA+ 野生型株に比べてrecA- 変異株では5 倍高い

との観察結果に基づいている。recA 遺伝子は普遍的組換え及び DNA 修復の両方に関与する 遍在的な多機能タンパクをコードしているため、この観察結果は、recA DNA 修復系が過剰 発現すると、メトロニダゾールによる DNA 損傷に対する抵抗性が高まる可能性があること を示唆している(Sander et al. 2001 [文献4.3.1.41])。 メトロニダゾールに対する耐性誘導の可能性について、数種類の微生物について複数の耐性誘導 機構が報告されているが、がん性悪臭に対する本剤の使用では、治療対象である進行がん患者で の本剤の使用期間は比較的短く、一部では 1 年を超えて使用される症例もあるが、多くは1ヵ月 から3 ヵ月程度と考えられ(CTD「2.5 臨床に関する概括評価」の [4.5.2] 項参照)、この治療を 受ける患者数も非常に少ないと考えられるため、原因菌に対する抗菌治療中に大きな問題となる 可能性は低いものと推察される。

2.3 副次的薬理試験

海外において、メトロニダゾール 0.75~1%外用剤は丘疹膿疱性酒さの第一選択薬と考えられて いるという背景があり、メトロニダゾールの副次的薬理作用については、酒さに対する治療薬と しての適用に関連して検討されたデータがある(Cohen and Tiemstra 2002 [文献 4.3.1.13]、

Yamasaki and Gallo 2009 [文献4.3.1.53])。その薬理活性は主として抗炎症活性であり、免疫抑制

活性があることも報告されている。

2.3.1 抗炎症活性

メトロニダゾールの抗炎症活性が、文献報告された数種類の試験によって示されている。すなわ

ち、in vitro でのザイモサン刺激好中球による過酸化水素及びヒドロキシルラジカル産生の、メト

ロニダゾール存在下での低下(Miyachi et al. 1986 [文献4.3.1.33])、好中球による ROS 生成に対

するメトロニダゾールの抑制作用、及びその作用に対するパルミトレイン酸(ヒト皮膚に一般に 存在している遊離脂肪酸の一種)の存在下での濃度依存的かつ相乗的な増強(Akamatsu et al. 1990 [文献 4.3.1.1])、血管周囲炎を有する患者の末梢血管疾患におけるメトロニダゾールの抗炎

症作用(Taylor 1966 [文献 4.3.1.49])、クローン病患者における白血球遊走能の改善(Gnarpe et

al. 1981 [文献4.3.1.22])、及び各種潰瘍病変における抗炎症作用(Tanga et al. 1975 [文献4.3.1.48])

(15)

15

2.3.2 免疫系への作用

メトロニダゾール及び特にその代謝物 1-(2-ヒドロキシエチル-2-ヒドロキシメチル)-5-ニトロ イミダゾールは、マウスリンパ球のフィトヘマグルチニンA 刺激による細胞分裂を促進すると報 告されている(Bähr and Ullmann 1983 [文献4.3.1.3])。 同様に、メトロニダゾール及びそのヒドロキシ代謝物はヒト末梢血リンパ球のフィトヘマグルチ ニン刺激による細胞分裂を用量依存的に促進した。一方、競合実験において、メトロニダゾール 及びそのヒドロキシ代謝物はヒスタミンのリンパ球増殖抑制作用を用量依存的に阻害したが、そ の阻害が非競合的であったことから、イミダゾール化合物の標的は H2受容体の活性部位ではな いと推察された(Elizondo and Ostrosky-Wegman 1996 [文献4.3.1.17])。

メトロニダゾールはin vitro でのヒト末梢血リンパ球、並びに in vivo 及び in vitro での Balb/c マウ スで免疫抑制を誘導することも報告されている(Fararjeh et al. 2008 [文献4.3.1.19])。

2.4 安全性薬理試験

本申請を目的とした開発にあたっては、ICH 準拠の安全性薬理試験に該当する試験は実施しなか った。文献でもICH 準拠の安全性薬理試験は特定されなかった。生理機能に及ぼしうるメトロニ ダゾールのほとんどの有害作用について、その特性が、1970 年代初期から収集されてきた有害 事象の臨床症例報告に基づき、明らかにされている。 実験動物を用いた文献報告では、中枢神経系に及ぼす影響がほとんどである。中枢神経系への影 響に関する文献データの概略を表 3に示す。

(16)

16 表 3 中枢神経系に及ぼすメトロニダゾールの影響 動物種 試験の種類 投与 経路 結果 文献 マウス ヘキソバルビ タ ー ル 誘 発睡 眠 時 間 に 及ぼ す影響 腹腔内 絶食成熟及び離乳期マウスではメトロニダゾール (17.2 mg/kg/day、3 日間)の腹腔内投与によりヘ キソバルビタール誘発睡眠時間の短縮が認められ た。 Hospador and Manthei 1968 [文献4.3.1.25] ラット 中枢神経系及 び 末 梢 神 経系 に 及 ぼ す 影響 の 一 般 状 態観 察 並 び に 組織 学的検査 皮下 メトロニダゾール(90 及び 180 mg/kg/day、16 週 間)の皮下投与で投与関連の影響なし。 Bradley et al. 1977 [文献4.3.1.8] ネコ 中枢神経系に 及 ぼ す 影 響の 一 般 状 態 観察 並 び に 組 織学 的検査 経口 メトロニダゾール(73.5~147 mg/kg/day、40 日 間)の経口投与で急性四肢不全麻痺、無反応、振 戦、異常発声等の中枢神経系関連徴候が認められ た。組織学的検査では、脳幹部の間脳から延髄に わたり、辺縁部が非常に明瞭な多巣性の壊死病巣 が認められた。 Olson et al. 2005 [文献4.3.1.34] イヌ 一般状態観察 強制 経口 メトロニダゾール(150 及び, 225 mg/kg/day、慢性 毒性試験[投与期間の記載なし])の経口投与で 失調性歩行、筋硬直、振戦、及び虚脱が認められ た。 Bost 1977 [文献4.3.1.7] イヌ 中枢神経系に 及 ぼ す 影 響の 組織学的検査 経口 メトロニダゾール(225 mg/kg/day、投与期間の記 載なし)の経口投与で病理組織学的に投与関連の 影響なし。 Bost 1977 [文献4.3.1.7] イヌ 一般状態観察 及 び 薬 物 治療 効 果 ( レ トロ ス ペ ク テ ィブ 研究) 経口 メトロニダゾールの用量は 65.1 ± 23.3 mg/kg/day、 投 与 期 間 は 37.3 ± 34.9 日(ジアゼパム投与な し)。これらのイヌを、メトロニダゾール(60.3 ± 17.5 mg/kg/day、投与期間:127.5 ± 295.5 日間)の 投与後にジアゼパムが投与されたイヌと比較。 イヌ入院時の臨床徴候は、垂直眼振、体幹運動失 調、歩行不能及び不全対麻痺。 メトロニダゾール投与は入院時に中止。回復に要 する時間(残留性の一般状態がすべて消失するま での時間)は、対症療法のみのイヌで 11.6 日、ジ アゼパム投与を受けたイヌで38.8 時間。 この研究の結果から、ジアゼパムが主な作用を発 揮する神経伝達物質 γ-アミノ酪酸(GABA)の受 容体部位とメトロニダゾールとの相互作用が示唆 された。 Evans et al. 2003 [文献4.3.1.18]

(17)

17 また、心血管系へのメトロニダゾールの影響をin vitro で検討した文献報告が 1 件ある( 4)。 表 4 心血管系に及ぼすメトロニダゾールの影響 動物種 試験の種類 投与 経路 結果 文献 ラット 新生児ラットの心臓 か ら 単 離 し た 筋 細 胞、内皮細胞、及び 線維芽細胞に対する 毒性 in vitro メトロニダゾール(最高 810 μg/mL まで)を好 気性又は嫌気性条件下で、直接又は肝ミクロゾ ームとの反応後に検討したところ、いずれの条 件でも毒性は認められなかった。 Wenzel and Cosma 1984 [文献 4.3.1.52]

2.5 薬力学的薬物相互作用試験

メトロニダゾールはヒトにおいて 50 年以上にわたり経口、経腟及び静脈内の投与経路で使用さ れており、関連する重要な影響は既に明らかになっていると考えられること、また、臨床におい て、がん性皮膚潰瘍に伴う悪臭の治療に本剤を患部に局所塗布で適用したときの全身曝露量が、 既に市販されているメトロニダゾール錠250 mg を既承認 1 日最大投与量(2250 mg[1 回 750 mg1 日 3 回])で経口投与したときの全身曝露量を超えることはないと考えられることが確認さ れている(CTD「[2.7.2] 臨床薬理試験」参照)ことより、本剤の申請する用法・用量において新 たな重大な相互作用が引き起こされる可能性は低いと推察されることから、本申請を目的とした 開発にあたって薬力学的薬物相互作用試験は実施しなかった。

2.6 薬理試験に関する考察

1970 年代初期以降、メトロニダゾールは腹腔内感染症及び婦人科感染症、敗血症、心内膜炎、 骨・関節感染症、中枢神経系感染症、呼吸器感染症、皮膚感染症、口腔感染症及び歯科感染症な どの嫌気性感染症の治療に有効な第一選択薬として認識されている(Löfmark et al. 2010 [文献 4.3.1.30])。メトロニダゾールは、バクテロイデス・フラジリス Bacteroides fragilis、プレボテラ

Prevotella 属、 フ ゾバ クテ リ ウム ・ヌ ク レア タム Fusobacterium nucleatum、 ウ ェル シ ュ 菌 Clostridium perfringens、及び嫌気性球菌などがん性悪臭に関与する数種類のグラム陰性及びグラ ム陽性嫌気性菌に有効である(Paul and Pieper 2008 [文献4.3.1.37])。がん性悪臭の治療に関連す

るメトロニダゾールの薬理活性は、この嫌気性菌に対する抗菌活性であると考えられる。 予想されるメトロニダゾール耐性は、数種類の細菌で報告され、耐性化機序も複数提唱あるいは 認められているものの、がん性悪臭に対する本剤の使用では、治療対象である進行がん患者での 本剤の使用期間は比較的短く、一部では 1 年を超えて使用される症例もあるが、多くは1ヵ月か3 ヵ月程度と考えられ(CTD「2.5 臨床に関する概括評価」の [4.5.2] 項参照)、この治療を受 ける患者数も非常に少ないと考えられるため、原因菌に対する抗菌治療中に大きな問題となる可 能性は低いものと推察される。

(18)

18 副次的薬理作用として抗炎症活性があり、この機序に基づいて海外では酒さに対する外用剤とし て販売されている。免疫抑制特性があることも報告されている。 メトロニダゾールは、げっ歯類への腹腔内投与や、ネコ及びイヌへの高用量の経口投与で中枢神 経系に影響を及ぼすことが報告されているが、中枢神経系の病理組織学的検査で変化が認められ たのは高用量を投与したネコの場合に限られていた。臨床において、本剤をがん性皮膚潰瘍に伴 う悪臭を有する患者に局所塗布適用したときの全身曝露量が、既に市販されているメトロニダゾ ール内服錠250 mg を既承認 1 日最大投与量(2250 mg[1 回 750 mg を 1 日 3 回])で経口投与し た場合の全身曝露量を超えることはないと考えられることから(CTD「[2.5] 臨床に関する概括評 価」及び「[2.7.2] 臨床薬理試験」参照)、本申請を目的とした開発にあたって安全性薬理試験は 実施しなかった。安全性薬理に関連する影響は、ヒトにおけるメトロニダゾールの広範な市販後 調査に基づいた臨床での有害事象として記録されており、これについてはCTD「[2.7.4] 臨床的安 全性」及び「[2.5] 臨床に関する概括評価」に記載している。 以上、提出した資料によって、進行がん患者のがん性皮膚潰瘍に伴う悪臭の治療を目的としたメ トロニダゾールの使用に関する薬理作用の評価は適切に裏付けられたと考える。

(19)

19

3 薬物動態試験

3.1 緒言

本剤を用いてin vitro ヒト皮膚透過性試験を実施した(RDS.03.SRE.4720 試験 [評価資料 4.2.2.2.1]、 概要表 [2.6.5.3])。トキシコキネティクス測定は、本剤の処方変更前製剤(Carbopol 940 含有製 剤)を用いたラット4 週間経皮投与毒性試験(1.CG.03.SRE.8163.GDL 試験 [評価資料 4.2.3.2.1]、 概要表 [2.6.7.7.A], [2.6.7.3])、及びメトロニダゾール 1%含有ゲル製剤を用いたミニブタ 3 ヵ月 経皮投与毒性試験( 試験 [参考資料 4.2.3.2.3]、概要表 [2.6.7.6], [2.6.7.3])で実施した。そ の他の薬物動態試験については、本剤並びに有効成分メトロニダゾールの本申請に係る薬物動態 プロファイルを示すのに適切と考えられる情報を、科学的公表文献を利用してまとめた。

3.2 吸収

ヒト皮膚を用いた in vitro 皮膚透過性試験 1 試験を実施し、市販予定製剤を含む異なる 3 種類の 製剤中メトロニダゾールの皮膚透過性について評価した(RDS.03.SRE.4720 試験 [評価資料 4.2.2.2.1]、概要表 [2.6.5.3])。また、種々のメトロニダゾール含有外用製剤について in vitro 皮膚 透過性を比較検討した試験が報告されており(Elewski 2007 [文献4.3.1.16]、Ferreira et al. 1995 [

4.3.1.20]、概要表 [2.6.5.1.A])、その文献データについても検討した。 in vivo 試験では、ラットにメトロニダゾール 0.75%含有ゲル製剤を反復経皮投与したときの血漿 中メトロニダゾール濃度(1.CG.03.SRE.8163.GDL 試験 [評価資料 4.2.3.2.1]、概要表 [2.6.7.7.A], [2.6.7.3])、及びミニブタにメトロニダゾール 1%含有ゲル製剤を反復経皮投与したときの血清中 メトロニダゾール濃度( 試験 [参考資料 4.2.3.2.3]、概要表 [2.6.7.6], [2.6.7.3])を定量した。 文献では経皮投与のデータが特定されなかったため、経口投与又は静脈内投与での文献データを 検討し、概要を記載した。

3.2.1 in vitro試験

本剤、すなわち日本における市販予定製剤であるメトロニダゾールゲル 0.75%(海外での市販製Rozex® Gel 0.75%)をヒト皮膚に塗布したときの皮膚透過性を in vitro 試験で検討したRDS.03.SRE.4720 試験 [評価資料 4.2.2.2.1]、概要表 [2.6.5.3])。製剤 10 mg(メトロニダゾール 75 µg に相当)をフロースルー型拡散セルに装着したヒト皮膚試料(セルの表面積:1 cm2)に塗 布した(10 mg/cm2)。その結果、皮膚(表皮と真皮の合計)には塗布量の 22%が含まれ、レセ プター液(塗布後 0~16 時間に回収)には 23%が含まれた。総透過量(皮膚、レセプター液回収 分及び洗浄分の合計)は塗布量の 45%を占めた。なお、同様に拡散セルを用いて in vitro 皮膚透 過性が検討された文献報告にみられる総透過量[塗布量に対する%]は、ヒト皮膚における 7.5%Elewski 2007 [文献 4.3.1.16]、概要表 [2.6.5.1.A])からラット皮膚における 69%(Ferreira et al.

(20)

20

3.2.2 in vivo試験

メトロニダゾールの経皮吸収について、本剤の処方変更前製剤(Carbopol 940 含有製剤)Rozex® Gel)を用いたラットにおける 4 週間経皮投与毒性試験、及びメトロニダゾール 1%含 有ゲル製剤を用いたミニブタにおける 3 ヵ月経皮投与毒性試験で検討した。これらの試験では、 投与された動物が全身曝露されたことが確認されたが、薬物動態パラメータは算出しなかった。 メトロニダゾールの経口吸収については、ラット(Ings et al. 1975 [文献 4.3.1.27]、Buttar et al.

1979 [文献4.3.1.9]、概要表 [2.6.5.1.A])、ウサギ(Bhatt and Nimbkar 1988 [文献4.3.1.6]、概要表

[2.6.5.1.A])、及びネコ(Sekis et al. 2009 [文献4.3.1.42]、概要表 [2.6.5.1.A])で報告されている。

ラットでは、10 mg/kg を単回経口投与したときの吸収は速やかであり、血中濃度の Tmax1 時間、 Cmaxは 6.4~9.6 µg/mL の範囲であった(Ings et al. 1975 [文献 4.3.1.27]、Buttar et al. 1979 [文献

4.3.1.9]、概要表 [2.6.5.1.A])。ウサギでは、125 mg/kg を単回経口投与したときの吸収は速やか

であり、血中濃度の Tmax15 分、Cmax64.69 µg/mL であった(Bhatt and Nimbkar 1988 [文献

4.3.1.6]、概要表 [2.6.5.1.A])。ネコでは、12.4 mg/kg を単回経口投与したときの血中濃度の Tmax

3.6 時間、Cmax8.8 µg/mL であり、全身吸収率は投与量の 65.2%であった(Sekis et al. 2009

[文献 4.3.1.42]、概要表 [2.6.5.1.A])。いずれの動物種でも、経口投与でのバイオアベイラビリテ

ィは高いと考えられた。

メトロニダゾールを静脈内投与したときの薬物動態パラメータもラット(Buttar and Siddiqui 1980 [文 献 4.3.1.10]、概要表 [2.6.5.1.A])、及びネコ(Sekis et al. 2009 [文 献 4.3.1.42]、概要表

[2.6.5.1.A])について報告されている。

3.3 分布

メトロニダゾールの組織分布はラット(Buttar and Siddiqui 1980 [文献4.3.1.10]、概要表 [2.6.5.1.B])

及びウサギ(Buttar 1982 [文献4.3.1.11]、概要表 [2.6.5.1.B])への静脈内投与、ラットへの経口投

与(Buttar et al 1979 [文献4.3.1.9]、概要表 [2.6.5.1.B])、マウス(Placidi et al. 1970 [文献4.3.1.38]、

概要表 [2.6.5.1.B])及びラット(Ings et al.1975 [文献4.3.1.27]、概要表 [2.6.5.1.B])への静脈内投 与及び経口投与により検討されている。いずれの動物種においても、静脈内投与後の血中から組 織への分布は速やかであり、血中濃度と組織内濃度の差は小さい。 マウスでは、14C-メトロニダゾールの静脈内投与後に放射能分布が多かった組織は肝臓、腸、胃、 膀胱、及び腎臓であり、胃、腸、及び腎臓では、静脈内投与時よりも経口投与時の方が放射能分 布が高かった(Placidi et al. 1970 [文献4.3.1.38]) 、概要表 [2.6.5.1.B])。 14C-メトロニダゾールの静脈内投与後に放射能分布が高かった組織は、ラットでは肝臓、腎臓、 消化管であり(Ings et al. 1975 [文献4.3.1.27]、概要表 [2.6.5.1.B])、ウサギでは肝臓、腎臓、膀胱 であった(Buttar 1982 [文献4.3.1.11]、概要表 [2.6.5.1.B])。ラットへの経口投与後では、肝臓、

腎臓、消化管に高い放射能分布が認められた(Ings et al. 1975 [文献4.3.1.27]、Buttar et al. 1979 [

(21)

21 時間後に、放射能濃度が血中より高かった組織は肝臓、唾液腺、消化管、肺、及び腎臓であった (Placidi et al. 1970 [文献4.3.1.38]、概要表 [2.6.5.1.B])。ラットへの14C-メトロニダゾールの経口 投与24 時間後に、放射能濃度が血中より高かった組織は肝臓、消化管、及び腎臓であった(Ings et al. 1975 [文献4.3.1.27]、概要表 [2.6.5.1.B])。以上のように、分布に関して動物種間の差はほと んどないと考えられる。 タンパク結合について検討された文献は特定できなかったが、14C-メトロニダゾールを経口投与 後の放射能の半減期がラットにおいて 3~4 時間である(Ings et al. 1975 [文献 4.3.1.27] 概要表 [2.6.5.1.B])ことを考慮すると、メトロニダゾール又はその代謝物が高親和性タンパク質に対し て高度に結合することはないと推察される。 14C-メトロニダゾールを投与された妊娠マウスと非妊娠マウスの分布パターンは同じであること、 また、メトロニダゾールは血液-胎盤関門を容易に通過し、胎児中のいずれの組織へも同程度に 分布することが文献に示されている(Placidi et al. 1970 [文献4.3.1.38]、概要表 [2.6.5.1B])。

3.4 代謝

メトロニダゾールの代謝については、数種の動物種において経口及び非経口投与で検討され、ヒ トにおける代謝物との比較も行われている。 腟トリコモナス感染の治療用としてメトロニダゾール 250 mg を 1 日 3 回経口投与した被験者の 24 時間尿には次の代謝物が検出された(Stambaugh et al. 1968 [文献4.3.1.46]、概要表 [2.6.5.1.C])。 • メトロニダゾール未変化体(MVI) • 1-(2-ヒドロキシエチル)-2-ヒドロキシメチル-5-ニトロイミダゾール(MV) • 1-(2-ヒドロキシエチル)-2-カルボキシル-5-ニトロイミダゾール(MIV) • 2-メチル-5-ニトロイミダゾール-1-イル-酢酸(MIII) • メトロニダゾールのグルクロン酸抱合体(MII) • 1-(2-ヒドロキシエチル)-2-ヒドロキシメチル-5-ニトロイミダゾールの グルクロン酸抱合 体(MI) メトロニダゾール(50 mg/kg)を経口投与したマウスでは、24 時間尿中に代謝物 MIII、MIV、 MV、及び未変化体(MVI)が認められた(Stambaugh et al. 1968 [文 献 4.3.1.46]、概要表 [2.6.5.1.C])。 14C-メトロニダゾール(10 mg/kg)を単回経口投与したラットの 24 時間尿では未 変化体(MVI)の割合が最も多く、代謝物 MV、MIV、MIII、MII、及びメトロニダゾールの硫酸 抱合体が認められた(Ings et al. 1975 [文献4.3.1.27]、概要表 [2.6.5.1.C])。 14C-メトロニダゾール10 mg/kg)を静脈内投与したラット尿中には上記経口投与の場合と同様の代謝物に加え、MI も認められた(Buttar and Siddiqui 1980 [文献4.3.1.10]、概要表 [2.6.5.1.C])。14C-メトロニダゾー

ル(10 mg/kg)を静脈内投与したウサギ尿中には MI ~MV の 5 種類の代謝物と未変化体(MVI) が認められた(Buttar 1982 [文献4.3.1.11]、概要表 [2.6.5.1.C])。メトロニダゾール 100 mg/kg を

(22)

22 経口投与したイヌで検出された尿中代謝物は MVI(61%)、MIII(28%)、及び MII(11%)で あった(Ings et al. 1966 [文献4.3.1.26]、概要表 [2.6.5.1.C])。 以上の文献的検討から、結論として、メトロニダゾールの代謝物パターンは、酸化生成物及び抱 合体の種類と量に種差が認められるものの、概して種間で類似している。また、ラットなど各種 実験動物での代謝物はヒト代謝物を網羅しており、ヒト特有の代謝物は認められていない。

3.5 排泄

メトロニダゾールは、検討されたいずれの動物種においても主として尿中排泄され、一部は糞中 にも排泄される(表 5)。ラット(Ings et al. 1975 [文献4.3.1.27]、概要表 [2.6.5.1.D])及びウサギButtar 1982 [文献4.3.1.11]、概要表 [2.6.5.1.D])ともに胆汁中排泄はわずか(静脈内投与 6 時間 後までで投与量の約 7~8%)であったことから、これらの動物種でメトロニダゾールの腸肝循環 はほとんどないと考えられた。また、 14C-メトロニダゾールを静脈内投与したラットにおいて、 放射能物は消化管粘膜から直接分泌されるものと考えられた(Ings et al. 1975 [文献4.3.1.27]、概 要表 [2.6.5.1.D])。ラットでは炭酸ガス(二酸化炭素)が低レベル(4 日間で 6%)ではあるが持 続的に放出されていたことから(Ings et al. 1975 [文献 4.3.1.27]、概要表 [2.6.5.1.D])、分子が持 続的に分解されていることが示唆された。メトロニダゾールのヒト乳汁中への排泄が報告されて いる(Passmore et al. 1988 [文献4.3.1.36]、概要表 [2.6.5.1.D])。 5 マウス、ラット、ウサギにメトロニダゾールを経口投与又は静脈内投与したときの排泄経 路(文献データのまとめ) 動物種 投与量 投与経路 排泄期間 尿 糞 参考文献 マウス 50 mg/kg 経口 24 時間排泄 65% NR Stambaugh et al. 1968 [文献4.3.1.46] ラット 125 及び 250 mg/kg 経口 24 時間排泄 34% 及び 24.5% NR

Meszaros and Szporny 1968 [文献4.3.1.32] 10 mg/kg 経口 4 日間排泄 58% 24% Ings et al. 1975 [文献4.3.1.27] 10 mg/kg 経口 4 時間排泄 16% 21% Buttar et al. 1979 [文献4.3.1.9] 10 mg/kg 静脈内 24 時間排泄 57.6% 14.6%

Buttar and Siddiqui 1980 [文献4.3.1.10] ウサギ 10 mg/kg 静脈内 6 時間排泄 44.7 14.2 Buttar 1982 [文献4.3.1.11] NR:文献中に報告なし

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3.6 薬物動態学的薬物相互作用

本申請を目的とした開発に際して薬物動態学的薬物相互作用試験は実施しなかった。メトロニダ ゾールはヒトにおいて 50 年以上にわたり経口、経腟及び静脈内の投与経路で使用されており、 薬物動態学的薬物相互作用に関連する影響は、ヒトにおけるメトロニダゾールの広範な市販後調 査成績に基づいた臨床での有害事象として記録されており、これについてはCTD「[2.7.4] 臨床的 安全性」及び「[2.5] 臨床に関する概括評価」に記載している。 メトロニダゾール錠(フラジー ル® 内服錠 250 mg、塩野義製薬株式会社)の医薬品添付文書(2013 年 2 月改訂 第 12 版)には、 使用上の注意の相互作用の項において、アルコール、リトナビル、ジスルフィラム、ワルファリ ン、及びリチウムとの併用注意が記載されている。なお、臨床試験の数試験についてレビューさ れた最近の論文では、メトロニダゾールは CYP3A4/5 の阻害剤ではないことが示されているRoedler et al. 2007 [文献4.3.1.39])。

3.7 薬物動態試験に関する考察

申請者が実施した in vitro 皮膚透過性試験において、本剤をヒト皮膚に塗布したとき、メトロニ ダゾールの総透過量は塗布量の45%、そのうち 23%がレセプター液への回収分であった。ラット 4 週間反復経皮投与毒性試験、及びミニブタ 3 ヵ月反復経皮投与毒性試験においても、それぞれ 本剤の処方変更前製剤(Carbopol 940 含有製剤)及びメトロニダゾール 1%含有ゲル製剤を塗布 したときのメトロニダゾールの経皮吸収が確認された。 ヒト皮膚でのメトロニダゾールの経皮吸収性は高いため(上記条件下で塗布量の 45%)、がん性 皮膚潰瘍部位のような損傷皮膚ではそれ以上に吸収されることが懸念される。しかしながら、た とえ吸収の増大があったとしても、総塗布量までに限られ、上記試験結果を踏まえると正常皮膚 からの経皮吸収の 2~4 倍までと考えられる。国内第 3 相臨床試験(RDT.07.SRE.27013 試験 [5.3.5.2-1])において本剤 30 g(メトロニダゾールとして 225 mg 相当)をがん性皮膚潰瘍に伴う 悪臭を有する日本人被験者に局所塗布適用したときの全身曝露量は、既承認の市販メトロニダゾ ール錠250 mg(バイオアベイラビリティは 100 %と考えられる)の内服時に比べて低いことが示 された(CTD「[2.5] 臨床に関する概括評価」参照)。 メトロニダゾールの経口吸収は速やか且つ良好であり、ウサギに 125 mg/kg、ラットに 10 mg/kg、 ネコに 12.4 mg/kg を投与したときの Tmaxは、それぞれ15 分、1 時間、3.6 時間と報告されている。 メトロニダゾールを静脈内投与後の血中から組織への分布は速やかであり、血中濃度と組織内濃 度の差は小さい。投与後に高い濃度で分布するのは、排泄器官(消化管、腎臓、膀胱)と肝臓で ある。投与 24 時間後にも高濃度が認められたのは、肝臓、消化管、腎臓であり、動物種間の違 いはほとんどないと報告されている。妊娠マウスと非妊娠マウスの分布パターンは同じであるこ と、また、メトロニダゾールは血液-胎盤関門を通過することも報告されている。

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メトロニダゾールは速やかに代謝されてヒドロキシ代謝物及び抱合体となり、未変化体は速やか に減少する。代謝物パターンは実験動物とヒトで類似している。メトロニダゾールは CYP3A4/5 の阻害物質ではない(Roedler et al. 2007 [文献4.3.1.39]、概要表 [2.6.5.1.E])。

メトロニダゾールは、検討されたいずれの動物種においても主として尿中排泄され、ラットにお いてメトロニダゾール及び代謝物の顕著な腸肝循環は認められない。メトロニダゾールのヒト乳 汁中への排泄が報告されている。

(25)

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4 毒性試験

4.1 一般毒性試験

4.1.1 急性毒性試験

申請者が実施したラット単回経口投与毒性試験では、本剤の処方変更前製剤(Carbopol 940 含有 製剤)5 g/kg(メトロニダゾールとして 37.5 mg/kg)の単回投与後に一般状態に毒性徴候は認め られず、死亡もなかった(1.CG.03.SUM.0441 試験 [評価資料 4.2.3.1.1]、概要表 [2.6.7.5])。また、 文献報告されたデータでは、マウスとラットにおけるメトロニダゾールの LD50の最も低い値は、 経口投与でそれぞれ3500 mg/kg と≥ 5000 mg/kg、静脈内投与でそれぞれ 1169 mg/kg と 1574 mg/kg、 腹腔内投与でそれぞれ 3650 mg/kg と 5000 mg/kg であった(Bost 1977 [文献 4.3.1.7]、概要表 [2.6.7.1.A])。したがって、本剤の処方変更前製剤(Carbopol 940 含有製剤)の急性毒性は低いも のと考えられる。

4.1.2 亜急性及び慢性毒性試験

申請する適応症に対して臨床適用される場合、本剤 の大部分は皮膚潰瘍部位に塗布投与される が、本 CTD では臨床使用状況下での安全性評価との関連性を考慮し、申請者が実施したラット、 ウサギ、ミニブタを用いた本剤の処方変更前製剤(Carbopol 940 含有製剤)及びメトロニダゾー1%含有ゲル製剤( の製剤)の経皮投与毒性試験データを中心として提示する。

4.1.2.1 反復経皮投与毒性試験(申請者試験)

ラットにおける本剤の処方変更前製剤(Carbopol 940 含有製剤)2 mL/kg の 4 週間経皮投与毒性 試験では、局所及び全身的無毒性量はいずれもメトロニダゾールとして15 mg/kg//day(試験に用 いた最高用量)であった(1.CG.03.SRE.8163.GDL 試験 [評価資料 4.2.3.2.1]、概要表 [2.6.7.7.A])。 ウサギにおける本剤の処方変更前製剤(Carbopol 940 含有製剤)(最高投与容量 1.77 mL/kgL/kg)13 週間経皮投与毒性試験では、局所及び全身的無毒性量はいずれもメトロニダゾールとして 13 mg/kg//day(試験に用いた最高用量)であった(1.CG.03.SUM.0371 試験 [評価資料 4.2.3.2.2]、 概要表 [2.6.7.7.B])。 ミニブタにおけるメトロニダゾール 1%含有ゲル製剤( の製剤)の 3 ヵ月経皮投与毒性 試験では、メトロニダゾールとして 1 mg/kg/day までの用量で、毒性学的に意義のある局所的毒 性作用は認められなかった。また、生存中の毒性パラメータの観察において、全身毒性も認めら れなかった( 試験 [参考資料 4.2.3.2.3]、 概要表 [2.6.7.6])。 以上、メトロニダゾールゲル(処方変更前製剤[Carbopol 940 含有製剤])は、ラット(投与容2 mL/kg、メトロニダゾールとして 15 mg/kg/day)及びウサギ(投与容量 1.77 mL/kg、メトロ ニダゾールとして 13 mg/kg/day)で製剤中メトロニダゾール濃度 0.75%までの経皮投与(皮膚塗 布)で良好な忍容性を示した。また、いずれの試験においても病理組織学的に毒性の標的器官は

(26)

26 特定されず、皮膚毒性も認められなかった。ミニブタで製剤中濃度1%(製剤投与量 100 mg/kg、 メトロニダゾールとして1 mg/kg/day)の経皮投与で良好な忍容性を示した。

4.1.2.2 反復経口投与毒性試験(文献データ)

全身毒性については文献データを利用してまとめた情報を提示する。以下には、顕著な所見のみ について記載する。 マウスでは、メトロニダゾール 600 mg/kg/day を混餌で 78 週間投与したとき、CD-1 マウスの雄 で精子形成低下と精巣萎縮及び体重増加率の低下がみられたが、これらの所見は同用量で 92 週 まで投与された CF-1 マウスでは観察されなかった。これらの試験では、生存率に影響はなかっ た(Bost 1977 [文献4.3.1.7]、概要表 [2.6.7.6])。

ラットでは、メトロニダゾール400 mg/kg/day を混餌で 8 週間(McClain et al. 1989 [文献4.3.1.31]、

概要表 [2.6.7.6])、600 mg/kg/day を混餌で 13 週間(Bost 1977 [文献4.3.1.7]、概要表 [2.6.7.6])、

300 mg/kg/day を混餌で 18 週間(Bost 1977 [文献4.3.1.7]、概要表 [2.6.7.6])、及び 300 mg/kg/day

を混餌で80 週間(Bost 1977 [文献4.3.1.7]、概要表 [2.6.7.6])投与したとき、一貫して精巣重量の 低下、精子形成低下、及び体重増加の減少が観察された。 イヌ慢性毒性試験では、メトロニダゾール 150 及び 225 mg/kg/day の経口投与で中枢神経系関連 の臨床徴候(失調性歩行、筋硬直、振戦、虚弱)が認められたが、病理組織学的検索でこれらの 症状を裏付けるような形態学的変化は認められなかった。また、これらの症状は休薬により約 1 週間で回復した(Bost 1977 [文献4.3.1.7]、概要表 [2.6.7.6])。 サルでは、メトロニダゾール225 mg/kg/day を 14 日間強制経口投与したとき、肝毒性がみられた。 150 mg/kg/day で 52 週間までの慢性強制経口投与では、嘔吐、体重増加の減少、及び肝毒性が報 告された(Bost 1977 [文献4.3.1.7]、概要表 [2.6.7.6])。

4.1.2.3 非経口投与による反復投与毒性試験(文献データ)

ラットにおける 300 mg/kg/day までの 4 週間静脈内投与では、投与に関連する明確な毒性は認め られなかった(Bost 1977 [文献4.3.1.7]、概要表 [2.6.7.6])。 ラットにおける 180 mg/kg/day まで16 週間皮下投与では、中枢神経系、末梢神経系に何ら毒性は観察されなかった(Bradley et al. 1977 [文献4.3.1.8]、概要表 [2.6.7.6])。 サルにおける2 週間の静脈内投与試験では、240 mg/kg/day で病理組織学的に肝毒性が認められた が、血清中酵素レベルに関連する変化は認められなかった(Bost 1977 [文献 4.3.1.7]、概要表 [2.6.7.6])。

図  2  メトロニダゾールの化学構造及び化学的活性化
図  3  嫌気性細菌及び原虫におけるメトロニダゾールの活性化機序

参照

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