高千穂町人口ビジョン
平成
28 年 2 月
宮崎県 高千穂町
高千穂町人口ビジョン
《目次》
Ⅰ 高千穂町人口ビジョンの位置付け --- 1 Ⅱ 対象期間 --- 1 Ⅲ 人口の現状分析と将来展望 --- 1 1 本町の人口問題に対する基本的認識 --- 1 (1) 国立社会保障・人口問題研究所による将来人口推計 --- 1 (2) 本町の人口動態 --- 3 2 人口減少が高千穂町の将来に与える影響 --- 9 (1) 人口減少の影響と発生が懸念される事例 --- 9 (2) 人口減少に対する町民の意識調査結果 --- 10 3 高千穂町の長期人口ビジョンと考え方 --- 13 (1) 本町の人口減少対策の方向性 --- 13 (2) 高千穂町の 2060 年までの将来人口推計 --- 14 (3) 高千穂町の人口ビジョンにおける目標設定 --- 15Ⅰ 高千穂町人口ビジョンの位置付け
高千穂町人口ビジョンは、「まち・ひと・しごと創生法」に基づき、高千穂町まち・ひ と・しごと創生総合戦略を策定するにあたり、地方創生の実現に向けて効果的な施策を 企画立案する上で重要な基礎と位置付けるものとする。 また、この高千穂町人口ビジョンは、本町における人口の現状を分析し、人口に関す る町民の意識を共有するとともに、今後目指すべき将来の方向性と人口の将来を展望す るものである。 なお、策定にあたっては国や県の取りまとめる各種統計データ、町が保有する住民基 本台帳統計データ、町民アンケート結果等を基に分析を加えているが、今後国の調査等 による数値変動や情勢の変化等があった場合には、各分野の有識者等で構成する「高千 穂町まち・ひと・しごと創生会議」での意見を反映させるなどし、随時数値の見直しを 行っていく予定である。Ⅱ 対象期間
高千穂町人口ビジョンの対象期間は、国の長期ビジョンを踏まえ2060 年とする。Ⅲ 人口の現状分析と将来展望
1 本町の人口問題に関する基本的認識 (1) 国立社会保障・人口問題研究所による将来人口推計 国立社会保障・人口問題研究所(以下「社人研」)の将来人口推計(平成25 年 3 月公表) によると、高千穂町の総人口は2030 年(平成 42 年)に1万人程度まで減少し、2040 年(平 成52 年)には 8,409 人まで減少するとされている。 2025 年(平成 37 年)には 65 歳以上の老年人口が 15−64 歳の生産年齢人口を上回ると も推測され、少子高齢化の傾向に一段拍車がかかるものと予想されている。 また、日本創生会議・人口減少問題検討分科会(増田寛也座長)が平成26 年 5 月に公表 した将来推計人口データによると、地方からの「人口移動が収束しない場合」の推計におい て、本町は2040 年(平成 52 年)に総人口が 7,396 人まで減少、2060 年(平成 72 年)に は4,047 人まで減少するという厳しい推計値が示されている。 この日本創成会議による公表資料では、2010 年比で 2040 年の 20−39 歳女性(若年女性) 人口が50%以上減少し、さらに総人口が 1 万人を切る市区町村は、将来的に「消滅」する 可能性があるとされ、全国の特に人口減少が既に進んでいる小規模自治体にとってはショッ キングな公表結果であったことから、国内で人口減少問題に対する危機感が一気に高まるこ ととなった。 その推計結果(表2)において、宮崎県内では 10 の町村がいわゆる「消滅可能性都市」 の条件に該当しており、高千穂町は2040 年の 20−39 歳女性の人口が 2010 年と比較して ▲63.7%減少し 374 人となるなど、県内で4番目にその可能性が高いとされた。表1 社人研による将来人口推計(年齢3区分) 【参考】年少人口(0−14 歳)、生産年齢人口(15−64 歳)、老年人口(65 歳以上) 図 1 社人研による将来人口推計(年齢3区分) 表2 日本創成会議・人口減少問題検討分科会による将来推計データ 【参考】宮崎県内で2040 年に 20−39 歳女性割合が 2010 年比で 50%以上減少し、かつ総人口が 1 万人を切る と推計された町村。 単位:人 2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 2055 2060 総人口 14,778 13,721 12,772 11,841 10,918 10,027 9,205 8,410 7,629 6,919 6,294 5,744 0-14歳 1,925 1,739 1,583 1,410 1,236 1,104 1,013 945 886 819 740 663 15-64歳 8,023 7,236 6,287 5,436 4,835 4,393 4,084 3,700 3,346 3,058 2,911 2,762 65歳以上 4,830 4,746 4,902 4,995 4,847 4,530 4,108 3,765 3,397 3,042 2,644 2,319 国勢調査実数 社人研 推計 社人研 準拠推計 2010年 2010年 2040年 2040年 若年女性人口変化率 2010年 2010年 2040年 2040年 若年女性人口変化率 総人口 20-39歳女性 総人口 20-39歳女性 (2010→2040) 総人口 20-39歳女性 総人口 20-39歳女性 (2010→2040) 日之影町 4,463 230 2,073 123 -46.5% 4,463 230 1,775 60 -73.7% 西米良村 1,241 87 668 53 -39.1% 1,241 87 538 27 -69.4% 椎葉村 3,092 180 1,597 129 -28.3% 3,092 180 1,277 64 -64.3% 高千穂町 13,723 1,031 8,410 623 -39.6% 13,723 1,031 7,396 374 -63.7% 高原町 10,000 767 6,157 416 -45.8% 10,000 767 5,760 290 -62.2% 美郷町 6,248 341 3,173 202 -40.8% 6,248 341 2,914 132 -61.3% 諸塚村 1,882 103 964 78 -24.3% 1,882 103 774 41 -60.2% 都農町 11,137 1,001 7,380 592 -40.9% 11,137 1,001 6,717 429 -57.2% 五ヶ瀬町 4,427 301 2,804 230 -23.6% 4,427 301 2,453 131 -56.4% 綾町 7,224 656 5,268 427 -34.9% 7,224 656 5,032 322 -50.9% 社人研推計 人口移動が収束しない場合 (日本創成会議推計) 市区町村
(2)本町の人口動態 ① 住民基本台帳による人口の推移 本町人口は、平成27 年4月 1 日現在で 13,031 人。10 月 1 日現在を基準とする住基人口 の統計では平成26 年が 13,263 人であり、その 20 年前の平成 6 年(17,485 人)と比較し た場合、この20 年間で 4,222 人の減少がみられ、年平均で 211 人のペースで人口減少が続 いている。 また、年齢3区分別の人口動態では、15 歳から 64 歳の生産年齢人口の減少が目立ち、そ れに伴って15 歳未満の年少人口も減少傾向にある。しかし、65 歳以上の老年人口は増加傾 向にあり、昭和49 年に 11.3%であった高齢化率(65 歳以上の人口が総人口に占める割合) は平成26 年に 36.7%となるなど、少子高齢化が進む状況にある。 図2 高千穂町の住基人口推移(過去 40 年) 資料)高千穂町住民基本台帳(10 月 1 日基準) 図3 年齢3区分人口の推移 資料)高千穂町住民基本台帳(10 月 1 日基準)
② 自然動態の状況 高千穂町では平成に入るまで出生数が死亡数を上回る自然増の状態が続いていたが、平成 に入り死亡数が出生数を上回る自然減の傾向へと転じ、その後現在まで加速的に減少傾向が 続いている。平成26 年では年間出生数 79 人に対し死亡数 238 人と 159 人の自然減となっ ている。 図4 自然動態の推移(過去 40 年) 資料)高千穂町住民基本台帳 ③ 社会動態の状況 転入、転出の状況をみてみると、昭和40 年代から現在まで継続して転出数が転入数を 上回る転出超過の傾向が続いている。町全体の人口規模が縮小する傾向に比例し、転入、 転出ともに減少傾向にある。 図5 社会動態の推移(過去 40 年) 資料)高千穂町住民基本台帳
④ 自然動態と社会動態が人口推移に与える影響 本町の過去 15 年間の人口増減を動態別でみると、自然動態では、死亡数に大きな変動は ないものの、長期的な出生数の漸減が減少幅の拡大に繋がっている(図6)。社会動態にお いても転出超過の状況が常態化しており、結果として総人口の落ち込みに歯止めがかからな い状況が続いている(図7)。 図6 自然動態と社会動態の推移(合算) 資料)高千穂町住民基本台帳 図7 人口減少における自然動態と社会動態の推移 資料)高千穂町住民基本台帳
⑤ 年齢別社会動態 年齢別の社会動態を平成 22 年国勢調査を基にみてみると、15 歳から 24 歳までの年代で 転出超過数が突出しているのがわかる。進学や就職の受け皿となり得る学校や企業が地元に 少ないことが、この世代の人口流出に拍車をかけているものと考えられる。 図8 年齢別の社会動態 資料)総務省「平成22 年国勢調査」をもとに作成 ⑥ 転入率・転出率 社会動態では、転入、転出ともに県内での移動が過半数を占めている。また、転入におい ては県内と県外の割合の変化が比較的大きいが、転出では県内と県外の比率が6:4でほぼ 一定という傾向がみられる(図9)。 図9 転入率・転出率の推移 資料)宮崎県統計調査課資料をもとに作成
⑦ 合計特殊出生率 高千穂町の合計特殊出生率は平成20 年∼24 年で 1.9 と、宮崎県平均の 1.66、全国平均の 1.38 と比較しても比較的高いといえる。しかし、社会動態による転入、転出が同程度で安 定している場合に人口が維持される合計特殊出生率、「人口置換水準」の2.07 には達してお らず、今後なお一層女性が子供を生み育てやすい環境づくりが求められる。 図 10 合計特殊出生率の推移 資料)厚生労働省「人口動態統計」をもとに作成 ⑧ 婚姻・離婚件数 平成 17 年以降の高千穂町の婚姻件数は平成 20 年の 69 件が最多で、その後は年間 50 件前 後で推移している。婚姻件数の伸び悩みは少子化の進展に直結することから、官民連携によ る男女の出会いの場の創出支援や、所得の少ない若年世帯を対象とした生活サポート制度の 拡充等による婚姻件数の底上げが必要と考えられる。 離婚件数は漸減傾向にあり、平成 25 年には 16 件まで減少している。 図 11 高千穂町の婚姻・離婚件数推移 資料)宮崎県福祉保健課資料をもとに作成
⑨ 人口ピラミットの変化 昭和 49 年は、40 代及び 10 代の世代人口が突出して多い。平成 6 年では、20 代の人口が 非常に少ないことが特徴的である。これは高校卒業後に進学あるいは就職で町外へ転出して しまうという地方においての社会減の傾向が典型的に表れているといえる。 平成 26 年では 50 歳未満の人口が少なく、20 年前に 10 代であった世代が 30 代になって 半数程度しか町内に残っていないという厳しい実態がみられる。 図 12 人口ピラミットの変化(20 年間隔) 65 歳以上が占める 高齢化率は 11.3%。 少子化の傾向が既に 始まっている。 高齢化率は 22.6%。 少子化が進んでいる。 高齢化率が 36.7%と、 急激に高齢化が進行 している。
2 人口減少が高千穂町の将来に与える影響 (1)人口減少の影響と発生が懸念される事例 国の「まち・ひと・しごと創成長期ビジョン」にも記載されているとおり、人口減少は「静 かなる危機」と呼ばれ、日々の生活においては実感しづらいものであるが、これまでの対策 に加え、知恵と工夫を凝らした効果的な対策を早期に講じていかなければ、本町においても 今後急速に人口減少が進んでいくものとみられる。 人口の減少は、経済・産業活動の縮小に繋がり、税収の減など町財政にも大きな影響をも たらすと推察される。結果として医療や福祉サービスの低下を招くだけでなく、道路や公共 施設などのインフラ整備も停滞し、そこに「住み続ける」ための魅力を低下させる要因にも なる。 また、地域によっては自治公民館組織などのコミュニティー維持も困難となることが予想 され、共働・共助による生活の維持や地域に残る伝統文化の継承などにも大きな影響をもた らすものと考えられる。 人口減少とあわせ高齢化の進行も懸念されるが、社会保障費の増大等は最終的に若い働き 手一人当たりの負担増として重くのしかかり、勤労意欲の低下を招くことに繋がる。さらに 経済規模の縮小により仕事が減れば、仕事を求めて益々人口が流出するという「負のスパイ ラル」に陥り、人口減少傾向に一層の拍車が掛かる可能性もあり、町の活力維持のためには 人口減少対策は待ったなしに取り組むべき課題である。 【発生が懸念される事例】 ○少子化・高齢化に伴う生産年齢人口の減少 ・高齢化が進む農林畜産業の担い手不足 ・産業全般における就業者の減少と生産力の低下 ○若年層をはじめとする人口減少による小売業等の減少や廃業 ・地域の購買需要の減少による小売業の経営悪化 ・身近な商店の閉鎖による高齢者等、買い物弱者の発生 ○公共施設や社会資本の維持・更新への影響 ・既存施設等の修繕改修及び更新の遅延 ・道路等の新たなインフラ整備の停滞 ○社会保障制度への影響 ・現役世代の負担増と高齢世帯の給付減 ・高齢者数の減少による地域福祉サービスの維持困難
(2)人口減少に対する町民の意識調査結果 ①人口減少が進むことに対する認識 2040 年(平成 52 年)には本町の総人口が 7,396 人まで減少するという、日本創成会議・ 人口減少問題検討分科会の推計結果について、「知っていた」若しくは「聞いたことがある」 との回答は、約7割という結果であった(表3、図 13)。 また、人口減少が進むことに対する考え(図 14)は、「やむを得ないが減少に歯止めをか けるべき」「望ましくなく、現状より増加するよう努めるべき」「望ましくなく、現状程度の 人口維持を目指すべき」が上位となり、何らかの方策を望む傾向がうかがえた。 表3 人口減少に対する意識(男女別) 図 13 人口減少に対する意識(男女別) 図 14 人口減少に対する考え(男女別)
② 人口減少が進行していった場合に生じる社会の影響 人口減少に伴う社会への影響については、「社会保障にかかる個人負担増」「地域担い手不 足や地域活力の低下」「過疎化の進行による土地の荒廃」が上位となった。また、男女とも に同項目が上位となり、男女間に大きな隔たりはない(図 15)。 世帯年収別にみると(参考結果)、年収 400 百万円未満は、「社会保障にかかる個人負担増」 が1位となり、年収 400 万円以上は「地域の担い手不足や地域活力の低下」が1位となる結 果となった。 図 15 人口減少の影響で、大きいと考えることや不安なこと(男女別・複数回答) ③ 人口減少を克服し、活力ある社会づくりを目指して高千穂町が今後取り組むべきこと について最も重視すること 「人口減少の対策として今後取り組むべきこと」の問いに対しては、「産業振興・雇用拡 大による経済の活性化」が1位となった(表4、図 16)。また、男女別でみても同項目が1 位となり、男女間の大きな隔たりはなかった。年代別にみると、40 歳未満は「子育て支援 など結婚・出産・子育て」が1位となり、40 歳以上は「産業振興・雇用拡大による経済の 活性化」が 1 位となった。
表4 今後取り組むべきことについて、最も重視すべきこと(男女別・複数回答)
3 高千穂町の長期人口ビジョンと考え方 (1) 本町の人口減少対策の方向性 本町の人口動態分析によれば、死亡数が出生数を上回ることによる自然減、転入数が転出 数を上回る社会減がともに常態化しており、この状況を改善し減少に歯止めを掛けるために は、本町の特性に合った効果的な施策を少しでも早く実行に移していかねばならない。 住民アンケートによる「今後取り組むべきこと、最も重視すべきこと」では、「産業の振 興や雇用拡大に繋がる施策」を望む声が強く、次いで「福祉の充実等安心して暮らせる地域 づくり」、「高齢者への施策の充実」、「結婚・出産・子育ての希望を叶える取り組み」、「移住・ 定住・Uターン促進」が同程度という結果であった。 本町が抱える様々な課題や住民ニーズを踏まえ、次の5項目を重点ポイントと定め、施策 の立案に繋げていく。 【重点ポイント】 ① 産業の活性化と新たな仕事創造による雇用の確保 ・基幹産業である農林畜産業の活性化 ・観光地としての優位性を活かした市街地の活性化、商工業の活性化 ・地理的条件や高速通信網等の優位性を活かした企業誘致や新たな起業支援 ② 社会減対策として効果的な移住・定住・Uターン施策の充実 ・住みたい町として選ばれるためのソフト、ハード両面の環境整備 ・高千穂町の魅力を広く発信するための取り組み強化 ③ 結婚・出産・子育ての希望を叶える施策の充実 ・結婚を希望する人達のニーズに合った結婚支援施策の企画・実施 ・安心して出産・子育てができる環境整備と各種支援策の充実 ④ 福祉の充実など安心して暮らせる地域づくり ・高齢になっても住み続けられる地域づくり ・充実した医療、介護サービスが受けられる環境整備 ・強い繋がりを持ち、共働・共助の精神で維持されていく地域づくり ⑤ 次代を担う人づくり ・充実した教育環境の整備 ・生まれ育ったふるさとを慕う気持ちを醸成する教育プログラムの充実 ・将来の高千穂を牽引する人材育成プログラムの充実
(2) 高千穂町の 2060 年までの将来人口推計 毎年 200 人を超えるペースで人口減少が進んでいる高千穂町。今後、その傾向に歯止めを 掛けるため、別に定める「高千穂町まち・ひと・しごと創成総合戦略」に基づき様々な施策 を講じていく必要があるが、人口の増減に特に関連の深い項目について4パターンの仮定値 を定め、長期的な視点での将来人口推計を行った。 【パターンごとの前提条件】 ○パターン1 ・合計特殊出生率は現行の 1.9 のまま推移し、若年層の人口流出も抑制できない場合 ○パターン2 ・合計特殊出生率が段階的に 2.3 まで上昇するものの、若年層の人口流出は抑制できな い場合 ○パターン3 ・合計特殊出生率が段階的に 2.3 まで上昇し、若年層の人口流出を段階的に 30%抑制で きる場合 ○パターン4 ・パターン3に加え、今後UJIターン者が段階的に年間 12 世帯(20∼40 代夫婦+子 供2名の家庭が8世帯、リタイア世代夫婦4世帯)に増加、若年層の単身者が段階的 に年間 10 人に増加するとした場合 ※図表は全て、日本創生会議による推計データをもとに仮定値を変更して作成 ※パターン4については、転入による増加分を独自集計しパターン3に加算 ① パターン1から4までの総人口の推移(表5、図 17) 合計特殊出生率が現状の 1.9 のまま推移し、20−30 代という若年層の人口流出も抑制で きないというパターン1では、2030 年(平成 42 年)に人口 1 万人を切る 9,421 人、2060 年(平成72 年)には 3,981 人まで減少が進む。合計特殊出生率を段階的に約 20%向上させ 2.3 としたパターン2では、僅かに改善の兆候が見られるに留まる。パターン2に加えて若 年層の人口流出を段階的に 30%抑制できるとするパターン3では、改善幅が大きいことか ら、実際に子どもを生む若い世代の人口流出を抑制することが人口維持に効果が高いことが うかがえる。また、さらに移住者数を段階的に年間 50 人まで増加させるとしたパターン4 では大きな改善効果が見られることから、若い世代の流出抑制と合わせてUJIターンを促 進する施策の推進や、それに繋がる雇用の場づくりを重点に置いて施策を立案していく必要 があると考えられる。
表5.パターン1から4までの総人口の推移 図 17.パターン1から4までの総人口の推移 (3)高千穂町の人口ビジョンにおける目標設定 中山間地域に位置する本町にとって、人口が減少し続ける状況を短期的に増加に転じさせ るというビジョンは現実的ではない。しかし、将来に亘り活力ある高千穂町を維持していく ためには、考えられる様々な分野から対策を講じ、急速な減少傾向に歯止めを掛け、少しで も大きな人口規模を維持するよう常に努力していかねばならない。 仮定値を変えた4パターンの人口推計結果を基に、本町の目指す将来の人口維持目標や、 それを達成するために必要な指標について、次のとおり目標値を定める。 【高千穂町人口ビジョンの目指す将来像(中期目標)】 総人口の中期目標 2030 年(平成 42 年)に1万人程度を維持 合計特殊出生率 2040 年(平成 52 年)に 2.3 若年層の人口流出抑制 2040 年(平成 52 年)に 2010 年比 30%抑制 UIJターンによる転入数 2040 年(平成 52 年)に年間 50 人