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目次 1. 日本 インド社会保障協定 ( 仮称 ) の実質合意 一般的租税回避防止規定 (GENERAL ANTI AVOIDANCE RULE-GAAR) 導入の 1 年延期 個人所得税確定申告時の国外資産情報報告義務の新設 FOREIGN TRAD

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<インド税務・会計情報>

税務・会計アップデートレポート(2012 年 6 月)

2012 年 6 月

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目 次

1. 日本・インド社会保障協定(仮称)の実質合意 ... 1

2. 一般的租税回避防止規定(GENERAL ANTI AVOIDANCE RULE-GAAR) 導入の1 年延期 ... 2

3. 個人所得税確定申告時の国外資産情報報告義務の新設 ... 3

4. FOREIGN TRADE POLICY の年次改訂 ... 4

5. TURN KEY プロジェクトに対する課税論点の傾向 ... 5

本報告書の利用についての注意・免責事項

本報告書は、日本貿易振興機構(ジェトロ)チェンナイ事務所が現地会計事務所KPMG India Private Limitedに作成委託し、2012年6月現在入手している情報に基づくものであり、 その後の法律改正等によって変わる場合があります。また、掲載した情報・コメントは筆 者およびジェトロの判断によるものですが、一般的な情報・解釈がこのとおりであること を保証するものではありませんこと予めお断りします。 ジェトロは、本報告書の記載内容に関して生じた直接的、間接的、派生的、特別の、付 随的、あるいは懲罰的損害および利益の喪失については、それが契約、不法行為、無過失 責任、あるいはその他の原因に基づき生じたか否かにかかわらず、一切の責任を負いませ ん。これは、たとえジェトロがかかる損害の可能性を知らされていても同様とします。 本報告書にかかる問い合わせ先: 独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ) 進出企業支援・知的財産部 進出企業支援課 〒107-6006 東京都港区赤坂1-12-32 Tel:03-3582-5017

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<インド税務・会計情報>

税務・会計アップデートレポート(2012 年 6 月)

1. 日本・インド社会保障協定(仮称)の実質合意 1) 交渉時期 2012 年 5 月 28 日~30 日 2) 概要 インドでは、従業員数20 人以上の事業所に勤務する者は、外国籍であっても インド従業員準備基金制度(Provident Fund 制度-PF 制度)に加入する必要 がある。PF 制度に加入する者は、毎月掛金を拠出する必要があり、料率は以下 のとおりとなっている。 ① 従業員負担部分→基本給部分の 12% ② 雇用者負担部分→基本給部分の約 13% 料率は原則として加入者がインド国内およびインド国外で受領する給与のう ち、基本給部分に適用される。また、ほとんどの日系企業は、本来であれば給 与から控除すべき従業員負担部分についても企業が負担しているが、その場合 には当該企業負担額が従業員に対する手当とみなされ、インド所得税が課税さ れる。そのため、PF 掛金の料率 25%と発生する所得税相当額と合計すると、基 本給部分のおよそ 30%を PF 制度掛金費用として企業が負担することとなって いる。 インド駐在を終了した者に対する既払い掛金の返還についても、当該掛金拠 出額の一部について、駐在者が58 歳に達した時点で当該駐在者個人がインド国 内銀行に保有する個人口座へ返還されることとなっており、時期的および手続 き的な困難性を鑑みると、実際に返還を受けることは困難な状況となっている。 3) 社会保障協定(仮称)の主な内容 外務省によると、今後協定文の確定に向け、双方で必要な作業を進める必要

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があり、協定が署名されるまでに修正が行われる可能性は排除されないとしな がらも、主な内容として以下の2 点を挙げている。 ① 就労が行われる国の法令のみを適用することを原則としつつ、例外として、 派遣期間が5 年以内と見込まれる被用者の場合には、派遣元国の法令のみを 適用することで、両国の年金に関する法令の二重適用の回避。 ② 年金受給権確立のために両国の保険期間を通算する。 4) コメント 社会保障協定の実質合意から発効までには、協定署名・国会承認・外交上の 文書交換といった手続きを経る必要があるため、2 年程度を要することが見込ま れる。一方で、日本人のインドへの駐在期間は 5 年以内であることがほとんど であるため、5 年以内の駐在期間であれば、派遣元国(すなわち日本)のみの社 会保障制度が適用され、インドにおける社会保障制度(PF 制度)に加入義務が なくなった場合、日系企業の費用負担は大きく減少することが見込まれる。韓 印社会保障協定が2011 年 11 月に発効していることも鑑み、日印社会保障協定 の早期の発効が期待される。

2. 一般的租税回避防止規定(General Anti Avoidance Rule-GAAR)導入の 1 年延 期 1) 国会協議日 2012 年 5 月 7 日 2) 一般的租税回避防止規定(GAAR)とは GAAR とは、租税回避を意図した経済的合理性を欠く契約・権利・義務の創 出や、実質的な目的が欠如した取引等について、“容認しがたい租税回避を伴う 行為”(Impermissible Avoidance Arrangement)とみなされる場合に、税務当 局が当該契約・取引等を否認することができるとする規定である(契約・取引 等が否認された結果として税金の追徴等が発生する)。GAAR は、税法上で明確 に禁止されていないが明らかに税金回避を意図するような取引スキームを防止 するための規定である一方、税務当局による恣意的な適用が懸念される。また、 当該規定は租税条約の規定よりも優先して適用されることとされており、強い 効力を持つことに注意が必要となっている。 GAAR は 2012 年 3 月中に公表された 2012 年度インド予算案のなかで、2012

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3 年4 月 1 日からの施行が予定されていた。 3) 変更点 インド予算案での税制改正事項は、例年Finance Bill という名称でインド国 会に提出され決定される。その過程で予算案での発表事項の一部が修正される。 主な修正項目として当初2012 年 4 月 1 日から施行が予定されていた GAAR が 1 年間延期され 2013 年 4 月からとなった。また、予算案では GAAR の対象と なった取引が租税回避行為でないことを立証する責任を納税者が負うこととさ れていたが、Finance Bill では当該部分が削除され、税務当局側が立証責任を負 うこととされた。 4) コメント “容認しがたい租税回避を伴う行為”という明確にすることが難しい定義に 基づき課税が行われるGAAR は税務当局の恣意的な適用等が懸念されていたた め、施行の 1 年延期は納税者である日本企業にとっては有利に働くものと考え られる。一方でGAAR は当初 Direct Taxes Code(DTC)と呼ばれるインド新所得 税法とともに施行される予定であったが、DTC そのものの施行の目途はたって いない。現行のインド所得税法(Income Tax Act)が 1961 年の施行と旧式化し ていることを鑑みると、DTC の早期内容確定・施行が望まれる。 3. 個人所得税確定申告時の国外資産情報報告義務の新設 1) 施行日 2012 年 3 月期の個人所得税確定申告書から 2) 主な内容 2011 年度(11 年 4 月~12 年 3 月)の個人所得税確定申告から、居住ステー タスが「通常の居住者」となる個人については、当該個人が保有する一定の国 外資産情報を確定申告書に記載することが義務付けられた。記載が必要となる 主な情報は以下のとおりである。 項目 記載が求められる主な情報 国外銀行口座情報 銀行名、銀行住所、口座保有者氏名、今年度の最大残高額 投資情報 投資先企業等の名称・住所、総投資額 所有する不動産の情報 不動産の住所、価額

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「通常の居住者」に該当する個人は、給与以外の収入を含む全世界所得につ いてインドで個人所得税の課税対象となる。すなわち、インドに駐在する日本 人がインド所得税法上の「通常の居住者」に当たる場合には、当該個人が日本 国内で保有する銀行口座に関する利子や、日本国内でアパート等の不動産賃貸 を行っている場合の家賃収入等についてもインドでの課税対象となる。本件改 正は従来適切に申告が行われにくかったと考えられる上記のような所得につい て、所得の源となる海外資産情報の提出を求めることにより適切な納税を促す とともに、インド税務当局が個人所得税の税務調査を行う際の根拠情報とする ことが目的であると考えられる。 3) コメント 通常の場合、インド駐在 3 年目、もしくは 4 年目から「通常の居住者」に該 当することとなる。インド個人所得税申告期限は2012 年 7 月末であるため、該 当する日本人駐在者は事前に担当会計事務所等に詳細を確認することが望まし い。

4. Foreign Trade Policy の年次改訂 1) 公布日

2015 年 6 月 5 日 2) 主な内容

<Zero Duty EPCG Scheme 適用期間の延長 ~2013 年 3 月 13 日まで> Export Promotion Capital Goods Scheme(EPCG Scheme)とはインド国外に 輸出する製品を製造するためにインド国外から輸入した設備について、一定の 輸出額条件を満たすことを条件に、当該輸入設備に関する関税を免除・低減す る制度である。関税を完全に免除するZero Duty EPCG Scheme については、 導入当初は適用期間は2011 年 3 月末までとされていたが、昨年に引き続き適用 期間が延長され、2013 年 3 月までの適用となった。

<Post-export EPCG Scheme の導入>

通常の EPCG Scheme と比較して輸出額条件が緩和された新スキームとなる Post-export EPCG Scheme が導入された。Post-export EPCG の適用を受ける 輸入設備については、輸入時にいったん関税を支払うが、輸出額条件を満たし た後に輸入関税の免除を受ける権利が付与される形となる。

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<その他の改訂点>

 Market Linked Focus Products Scrip (MLFPS) Scheme の適用期間が延長 され2013 年 3 月までとなった。また、46 の対象アイテムが追加された。  Focus Product Scheme (FPS) について、110 の対象アイテムが追加された。 3) コメント

インド国外への輸出をメインとする企業にとって、Zero Duty EPCG Scheme の適用期間の延長は歓迎すべき改訂である。一方で、Post-export EPCG Scheme が新たに導入されたことを鑑みると、Zero Duty EPCG Scheme の適用期間のさ らなる延長の可能性についは不透明である。 5. Turn Key プロジェクトに対する課税論点の傾向 1) 判決日 2012 年 4 月~6 月 2) 概要 大規模なTurn Key プロジェクトにおいては、いくつかの企業がコンソーシア ムを組み一つのプロジェクトを遂行することが多く、加えてプロジェクトの構 成要素のうち一部がインド国内で実施され、他の部分がインド国外で実施され る。これまでは、それぞれのコンソーシアムのメンバー個々の役割、On Shore 取引(インド国内取引)、Off Shore 取引(インド国外取引)の区分を契約書内 で明確化することにより、インド国内で発生したとされる取引に関する部分の みインドで納税を行うということが行われていた。 しかし最近では、取引の実態を鑑みるというLook at Principle の原則のもと で、このような複合的契約を一体とみなすことにより、取引全体に対してイン ドで課税が行われるべきという税務当局側に有利な判決が多くなっている。 3) 直近の主な判例 <Linde AG 社の AAR(事前確認)判例(2012 年 4 月)> ドイツのLinde 社と他 1 社の海外企業とともにコンソーシアムを組み受注し たONGC Petro に対する石油化学工場ターンキー契約は、AOP(Association of Person=コンソーシアムの構成員が個々の構成員としてではなく複合契約にお いて一体とみなされてしまう概念)と認定、Off shore ポーションも含めた一体 課税の対象と判断される。

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<Roxar Maximum Reservoir Performance WLL 社の AAR 判例(2012 年 5 月) >

ONGC に対する圧力ゲージ、マノメーターの販売(Offshore)および据付(On Shore)契約が全体としての一体課税の対象と判断される。

<Alstom Transport SA 社の AAR 判例(2012 年 6 月)>

フランスAlstom 社とインド現地法人 Alstom India 社がその他 2 社の海外会 社とともにコンソーシアムを組み受注したBangalore Metro Rail Corporation に対する電車制御・シグナルシステムのターンキー契約が AOP と認定、Off shore ポーションも含めた一体課税の対象と判断される。

4) コメント

税務調査におけるターンキー契約全体への課税は、今後も継続して行われる 傾向が続くと考えられる。これまでは、それぞれのコンソーシアムのメンバー 個々の役割、On Shore 取引(インド国内取引)、Off Shore 取引(インド国外取 引)の区分を契約書内で明確化することにより、インドでの課税範囲を限定す るという納税者側の主張が認められる可能性が高かったと考えられるが、今後 は、上記判例の傾向を鑑み、より一層の工夫、事前準備・分析が必要になると 考えられる。

参照

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