第1章 はじめに 第2章 基本方針 第3章 岐阜市の現状 第4章 第二次ぎふ市民健康基本計画の評価 第5章 今後の取り組み 第6章 効果的な推進体制 参考資料
1 岐阜市の人口統計
(1)人口の推移
本市の人口は、昭和60年以降、減少傾向にあったものの、平成18年柳津町と
の合併により、一時的に増加しました。しかし、合計特殊出生率
*7が減少してい
ることから、市全体の人口が減少することが予測されています。
人口の推移と将来推計
(資料:岐阜市人口ビジョン) 410,324 407,134 402,751 399,931 413,136 406,951 397,852 386,223 372,659 350,000 360,000 370,000 380,000 390,000 400,000 410,000 420,000 平成2年 (人) 平成 18 年柳津町との合併 実測値 (推計値)年齢別人口をみると、団塊の世代(65歳前後)とそのジュニア世代(40歳前後)
の2つのピークがあります。今後、高齢者の人口のピークは、65 ~ 74歳までの
前期高齢者から75歳以上の後期高齢者へと移行することが予測され、少子高齢
化が進んでいく状況にあります。
年齢別人口の推移
(資料:岐阜市住民基本台帳) 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 0 ~ 4 歳 5 ~ 9 歳 1 0 ~ 1 4 歳 1 5 ~ 1 9 歳 2 0 ~ 2 4 歳 2 5 ~ 2 9 歳 3 0 ~ 3 4 歳 3 5 ~ 3 9 歳 4 0 ~ 4 4 歳 4 5 ~ 4 9 歳 5 0 ~ 5 4 歳 5 5 ~ 5 9 歳 6 0 ~ 6 4 歳 6 5 ~ 6 9 歳 7 0 ~ 7 4 歳 7 5 ~ 7 9 歳 8 0 ~ 8 4 歳 8 5 歳 以 上 (人) 平成18年 平成22年 平成26年第3章 岐阜市の現状
合計特殊出生率*7 1人の女性が生涯に何人の子供を産むかを表す数値 15 ~ 49歳の女性の年齢別出生率を合計したもの第1章 はじめに 第2章 基本方針 第3章 岐阜市の現状 第4章 第二次ぎふ市民健康基本計画の評価 第5章 今後の取り組み 第6章 効果的な推進体制 参考資料
(2)平均寿命・健康寿命の現状
① 平均寿命
本市における平成22年の平均寿命は、男性が79.5歳、女性が85.7歳となっ
ており、平成12年からの10年間で男性は2.2歳、女性は2.4歳伸びています。
国や県と比べると、男性はほぼ同じくらいですが、女性は、やや低くなって
います。
岐阜市の平均寿命の推移
77.3 78.5 79.5 83.3 85.0 85.7 75.0 80.0 85.0 90.0 平成12年 平成17年 平成22年 (歳) 男性 女性 (資料:平成22年市区町村別生命表)岐阜市・県・国の平均寿命の比較
男 性 女 性 岐阜市 79.5歳 85.7歳 県 79.9歳 86.3歳 国 79.6歳 86.4歳 (資料:平成22年市区町村別生命表)② 健康寿命
国と県は、平成22年の国民生活基礎調査の回答を基に算出した「日常生活
に制限のない期間の平均」を健康寿命の指標としています。国の健康寿命は、
男性が70.42歳、女性が73.62歳で、平均寿命との差が、男性が9.13歳、女性
が12.68歳となっています。県の健康寿命は、男性が70.89歳、女性が74.15
歳で、平均寿命との差が、男性が9.03年、女性が12.11年となっており、男性
女性ともに国と同じような傾向にあります。
県と国の平均寿命と日常生活に制限のない期間の平均(平成22年)
(資料:平成 22 年完全生命表・平成 22 年都道府県別生命表 健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究) 73.62 74.15 70.42 70.89 86.30 86.26 79.55 79.92 65 70 75 80 85 90 国 県 国 県 (歳) 平均寿命 日常生活動作が自立している期間の平均 男性 女性第1章 はじめに 第2章 基本方針 第3章 岐阜市の現状 第4章 第二次ぎふ市民健康基本計画の評価 第5章 今後の取り組み 第6章 効果的な推進体制 参考資料
(3)死亡原因
本市における平成25年の死亡原因の第1位は悪性新生物(がん)、第2位は心
疾患、第3位は肺炎、第4位は脳血管疾患となっています。国の死亡原因の第1
~6位までの順位は、本市と同じで、県は第3位が脳血管疾患、第4位が肺炎と
なっています。
主要死因の順位(死亡率は人口10万対)
(平成25年) 順位 死因 岐阜市 県 国 死亡数 死亡率 死亡数 死亡率 死亡数 死亡率 全死因 4,136 992.4 21,518 1,048.0 1,268,436 1,009.1 1 悪性新生物 1,234 296.1 6,033 293.8 364,872 290.3 2 心疾患 712 170.8 3,507 170.8 196,723 156.5 3 肺炎 413 99.1 1,852 90.2 122,969 97.8 4 脳血管疾患 373 89.5 1,936 94.3 118,347 94.1 5 老衰 165 39.6 1,592 77.5 69,720 55.5 6 不慮の事故 135 32.4 764 37.2 39,574 31.5 7 腎不全 82 19.7 415 20.2 25,101 20.0 8 自殺 68 16.3 385 18.8 26,063 20.7 9 大動脈瘤及び解離 60 14.4 293 14.3 16,105 12.8 10 慢性閉塞性肺疾患 52 12.5 280 13.6 16,443 13.1 (資料:人口動態統計) 【参考】本市の健康寿命について 本市においては、国や県が健康寿命の指標とする「日常生活に制限のない期間の平均」と同等のデータがな いため、「健康寿命の算定方法の指針」※に基づき、介護保険の要介護2 ~ 5を不健康な状態、それ以外を健康な 状態と位置付け、「日常生活動作が自立している期間の平均」を健康寿命として算定しています。 平成25年の本市の平均余命は、男性が80.46歳、女性が86.03歳、日常生活動作が自立している期間の平均(健 康寿命)は、男性が79.07歳、女性が83.09歳で、その差は、男性が1.39歳、女性が2.94歳となっています。 ※「健康寿命の算定方法の指針」第1章 はじめに 第2章 基本方針 第3章 岐阜市の現状 第4章 第二次ぎふ市民健康基本計画の評価 第5章 今後の取り組み 第6章 効果的な推進体制 参考資料
(4)年齢調整死亡率(人口10万対)の推移
本市における年齢調整死亡率
*8は、平成10年と平成25年を比べると、悪性新
生物、脳血管疾患は大きく減少し、心疾患(高血圧を除く)も減少しています。
年齢調整死亡率(人口10万対)の推移(男性)
悪性新生物 心疾患 (高血圧を除く) 肺炎 脳血管疾患 不慮の事故 老衰 自殺 腎不全年齢調整死亡率(人口10万対)の推移(女性)
悪性新生物 心疾患 (高血圧を除く) 肺炎 脳血管疾患 不慮の事故 老衰 自殺 腎不全 (資料:人口動態統計・岐阜市住民基本台帳) 年齢調整死亡率*8 死亡の状況は、人口の年齢構成に影響され、老年人口の多い集団では死亡率が見かけ上高くなります。そこで、 一定の基準人口に当てはめて調整した年齢調整死亡率を用いると、高齢化の影響を取り除いた比較ができます。第1章 はじめに 第2章 基本方針 第3章 岐阜市の現状 第4章 第二次ぎふ市民健康基本計画の評価 第5章 今後の取り組み 第6章 効果的な推進体制 参考資料
(5)標準化死亡比(SMR)の特徴
本市における標準化死亡比(SMR)
*9は、脳血管疾患については、男性女性
ともに、ほぼ全国並みですが、心疾患については、男性女性ともに全国より高く、
特に女性の死亡比が高くなっています。
標準化死亡比(SMR)
(資料:岐阜県の生活習慣病白書) 脳血管疾患(男) 脳血管疾患(女) 心疾患 (男) 心疾患 (女) H12~16 94.1 103.9 111.1 123.1 H14~18 92.3 99.7 113.4 124.6 H19~23 93.4 103.0 112.9 119.8 0 20 40 60 80 100 120 140がんの部位別に標準化死亡比をみると、胃がん、大腸がん、乳がん、子宮がん
は、全国より高い状況にあり、特に女性の胃がんが高い状況が続いています。
部位別がん標準化死亡比(SMR)
(資料:岐阜県の生活習慣病白書) 胃がん (男) 胃がん (女) 肺がん (男) 肺がん (女) 大腸がん (男) 大腸がん (女) 乳がん 子宮がん H12~16 108.6 125.5 97.0 106.4 108.1 107.1 115.8 117.6 H14~18 105.7 121.2 92.5 104.1 101.7 98.2 105.2 135.8 H19~23 113.4 120.5 77.4 76.1 109.5 105.9 105.9 103.1 0 20 40 60 80 100 120 140 160 標準化死亡比(SMR)*9 地域間の年齢分布の違いを補正し、計算により算出される死亡数と実際の死亡数を比較する標準化死亡比は、 全国を100として、100以上であれば、国の平均より死亡率が高く、100以下であれば、国の平均より死亡率が第1章 はじめに 第2章 基本方針 第3章 岐阜市の現状 第4章 第二次ぎふ市民健康基本計画の評価 第5章 今後の取り組み 第6章 効果的な推進体制 参考資料
(6)20 ~ 65歳未満の年代による死亡原因の特徴
本市における20 ~ 39歳の死亡原因は、男性女性ともに第1位が自殺、第2位
が男性では不慮の事故、女性では悪性新生物となっています。
40 ~ 64歳の死亡原因は、男性女性ともに第1位が悪性新生物、第2位が心疾
患となっています。
(資料:人口動態統計(平成 21 ~ 25 年データ)) 自殺 不慮の 事故 悪性 新生物 心疾患 (高血圧 性を除く) 脳血管 疾患 消化器系 の疾患 その他 20~39歳の死亡原因(男性) 自殺 悪性 新生物 不慮の 事故 心疾患 (高血圧 性を除く) 呼吸器系 の疾患 脳血管 疾患 その他 20~39歳の死亡原因(女性) 悪性 新生物 心疾患 (高血圧 性を除く) 脳血管 疾患 自殺 不慮の 事故 呼吸器系 の疾患 その他 ~ 歳の死亡原因(女性) 悪性 新生物 心疾患 (高血圧 性を除く) 脳血管 疾患 自殺 不慮の 事故 呼吸器系 の疾患 その他 ~ 歳の死亡原因(男性)(7)0 ~ 65歳未満の年齢調整死亡率の推移
本市における0~ 65歳未満の年齢調整死亡率は、男性女性ともに減少傾向に
あります。
(資料:人口動態統計・岐阜市住民基本台帳) 268.4 245.5 216.5 140.7 127.8 118.0 0 50 100 150 200 250 300 平成11年~15年 平成16年~20年 平成21年~25年 男性 女性第1章 はじめに 第2章 基本方針 第3章 岐阜市の現状 第4章 第二次ぎふ市民健康基本計画の評価 第5章 今後の取り組み 第6章 効果的な推進体制 参考資料
2 岐阜市国民健康保険特定健康診査結果
(1)特定健康診査受診率
本市の国民健康保険が実施している特定健康診査
*10では、平成20年度の受診
率が31.1%であるのに対し、平成25年度の受診率は34.4%と増加していますが、
男性は、女性に比べて受診率が低い状況が続いています。
特定健康診査受診率
(資料:特定健診・特定保健指導実施結果総括表) 25.8% 29.0% 27.4% 29.1% 29.8% 29.7% 35.6% 39.7% 37.4% 39.1% 39.3% 38.3% 31.1% 34.9% 32.9% 34.6% 35.0% 34.4% 20% 25% 30% 35% 40% 45% 平成20年度 21年度 22年度 23年度 24年度 25年度 男性 女性 全体(2)特定保健指導実施率
平成20年度の特定保健指導
*11実施率が17.3%であるのに対し、平成25年度の
実施率は13.9%と減少しています。
特定保健指導実施率
(資料:特定健診・特定保健指導実施結果総括表) 16.1% 13.0% 12.3% 13.1% 15.6% 12.7% 19.0% 16.4% 15.5% 18.6% 20.9% 16.3% 17.3% 14.3% 13.4% 15.0% 17.4% 13.9% 10% 15% 20% 25% 平成20年度 21年度 22年度 23年度 24年度 25年度 男性 女性 全体 特定健康診査*10 メタボリックシンドロームに着目した生活習慣病予防のための健康診査のこと 40歳から74歳の被保険者・被扶養者を対象に、医療保険者が健康診査を実施 特定保健指導*11 特定健康診査の結果により健康の保持に努める必要がある人に対する保健指導のこと第1章 はじめに 第2章 基本方針 第3章 岐阜市の現状 第4章 第二次ぎふ市民健康基本計画の評価 第5章 今後の取り組み 第6章 効果的な推進体制 参考資料
(3)メタボリックシンドローム該当者・予備群の状況
特定健康診査の受診者のうち、メタボリックシンドローム該当者
*12の割合は、
平成20年度が19.3%であるのに対し、平成25年度は17.2%と減少していますが、
女性が3.3ポイント減少したのに対し、男性は1.1ポイントの減少に留まっていま
す。
メタボリックシンドローム該当者の推移
(資料:特定健診・特定保健指導実施結果総括表) 30.0% 28.9% 29.5% 27.7% 29.1% 28.9% 12.9% 11.7% 11.0% 9.9% 9.9% 9.6% 19.3% 18.2% 18.0% 16.7% 17.4% 17.2% 0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 平成20年度 21年度 22年度 23年度 24年度 25年度 男性 女性 全体メタボリックシンドローム予備群
*13の男性の割合は、平成20年度が9.6%で
あるのに対し、平成25年は9.7%と横ばいとなっています。
メタボリックシンドローム予備群の推移
(資料:特定健診・特定保健指導実施結果総括表) 16.4% 16.7% 15.9% 16.9% 16.4% 16.7% 5.5% 5.8% 4.8% 5.3% 5.2% 5.2% 9.6% 9.9% 9.0% 9.7% 9.6% 9.7% 0% 5% 10% 15% 20% 平成20年度 21年度 22年度 23年度 24年度 25年度 男性 女性 全体 メタボリックシンドローム該当者*12・メタボリックシンドローム予備群*13 腹囲が男性85㎝以上、女性90㎝以上を内臓脂肪型肥満としています。内臓脂肪型肥満に加え、①血圧、②血糖、 ③血清脂質のうち2項目以上が基準値を超えている場合をメタボリックシンドローム該当者、1項目が基準を超 えている場合を予備群といいます。メタボリックシンドロームは、血圧・血糖・脂質の値が治療を要するほど 高値でなくても動脈硬化が進行しやく、心筋梗塞や脳出血などの重い循環器病にかかる可能性が高くなります。第1章 はじめに 第2章 基本方針 第3章 岐阜市の現状 第4章 第二次ぎふ市民健康基本計画の評価 第5章 今後の取り組み 第6章 効果的な推進体制 参考資料
(4)受診者の健康状況
特定健康診査の受診者のうち、有所見者で一番多いのは、男性の64歳以下で
は腹囲、65歳以上ではHbA1c
*14、女性の64歳以下ではLDLコレステロール
*15、
65歳以上ではHbA1cとなっています。
男性の有所見者の割合(平成25年度)
順位 40歳代 50歳代 60 ~ 64歳 65 ~ 74歳 1 腹囲 49.2% 腹囲 51.5% 腹囲 54.5% HbA1c 57.1% 2 LDLコレステロール 48.5% LDLコレステロール 50.5% 収縮期血圧 52.6% 収縮期血圧 54.9% 3 中性脂肪 39.7% 収縮期血圧 44.6% HbA1c 52.4% 腹囲 50.1% 4 BMI 34.8% 中性脂肪 40.4% LDLコレステロール 47.0% LDLコレステロール 42.1% 5 GPT 32.2% HbA1c 39.8% 中性脂肪 40.0% 中性脂肪 35.1%女性の有所見者の割合(平成25年度)
順位 40歳代 50歳代 60 ~ 64歳 65 ~ 74歳 1 LDLコレステロール 28.7% LDLコレステロール 58.2% LDLコレステロール 62.3% HbA1c 59.6%2 HbA1c 19.8% HbA1c 41.4% HbA1c 52.0% LDLコレステロール 55.8%
3 収縮期血圧 15.5% 収縮期血圧 32.1% 収縮期血圧 45.4% 収縮期血圧 52.5% 4 BMI 12.5% 中性脂肪 20.4% 中性脂肪 23.8% 中性脂肪 26.8% 5 中性脂肪 12.0% BMI 15.3% BMI 16.2% 腹囲 19.0% (資料:岐阜県市町村国保における医療費・疾病・特定健診の状況) ※検査値が保健指導判定値以上の場合を「有所見」としています。 項 目 有所見となる値 脂質 LDLコレステロール 120㎎/dl以上 中性脂肪 150㎎/dl以上 身体状況 BMI 25以上 腹囲 男性85㎝以上 女性90㎝以上 血糖 HbA1c(NGSP(国際基準値)) 5.6%以上 血圧 収縮期血圧 130㎜Hg以上 肝機能 GPT(ALT) 31U/L以上 HbA1c*14 赤血球中のヘモグロビン(Hb)とブドウ糖などが体内で結合してできるもので、血糖値の上昇とともに増え、 長期間血液中にとどまります。HbA1cは、過去1 ~ 2か月間の平均的な血糖の状態を知ることができることから、 糖尿病の判断基準に用いられます。 以前は、日本独自の表記JDS値を使用していましたが、平成24年4月以降、国際基準値であるNGSP値を使 用しています。NGSP値=JDS値+0.4% LDLコレステロール*15 肝臓で作られたコレステロールを全身に運ぶ役割があり、増えすぎると動脈硬化を起こして心筋梗塞や脳梗 塞を発症させます。悪玉コレステロールともいわれます。
第1章 はじめに 第2章 基本方針 第3章 岐阜市の現状 第4章 第二次ぎふ市民健康基本計画の評価 第5章 今後の取り組み 第6章 効果的な推進体制 参考資料