ピークフローメーター Q&A
医師との協力で行う喘息治療
主治医の先生は喘息の治療において自己管理がいかに大切かについて時間をかけて説明してくれることと思 います。 喘息の治療は、まず最初に重症度の診断を行い、患者・医師・看護師でチームを組んで進めていくことになり ます。 治療方法は、以下の事項の説明といっしょに、患者さんそれぞれの症状によって決められます。 ・喘息についての基礎知識 ・薬物療法の役割 ・吸入器・スペーサー・ピークフローメーターの使い方 ・環境管理について ・急変時の処置についてあなたと喘息
最初に喘息をコントロールするための療養プランを立てるため、(少なくとも)1 日 2 回(朝起床時、夜就寝 前)ピークフロー値を2 週間程度継続して測定する必要です。 このコーナーでは、ピークフローについて、及びピークフローメーターを使っての自己管理について説明しま す。 Q: ピークフローとは何か? A: ピークフロー(値)とは、どれだけ早く空気を吐き出せるかを示すものです。ピークフロー値は喘息症状 が良好な場合には、高い値が測定され、気道が狭まると低い値となります。ですから、ピークフロー値は喘息 患者の気道の状態を知る有用な手がかりとなるのです。ピークフロー値は最低でも朝起きてすぐと、夜気管支 拡張剤を使用する前の2 回測定する必要があります。ピークフロー値を管理することで、患者の気道の状態が どのように変化しているかを客観的に判断することができるようになります。 患者さん自身の自覚症状は大切ですが、ピークフロー値は自覚症状より早く正確に呼吸の変化を伝えてくれ ます。近年の喘息治療では、患者のピークフロー値をグリーンゾーン内(自己ベストの80%以上)に維持し、 できるだけ高いピークフロー値を得ることと、朝晩のピークフロー値の変動を小さくすることにも重点が置か れています。 Q: なぜピークフローを測定するのか?A: 一般的に 6 歳以上であれば、ピークフローメーターを使用できるとされています。ピークフロー値で自己 管理をすれば処方された薬剤を、いつ、どの程度服用したら良いかが分かるようになり、患者さんにとっては 大きなメリットがあります。 また、治療する医師の側から見ても、患者さんの喘息がうまくコントロールできているか?治療方法の変更 は必要か?などの判断も的確に出来るようになり、これも大きなメリットの一つです。 Q: どのように療養プランを立てるか? A: 療養プランを策定できるのは、担当の医師のみです。これは初診の時から、その後数週間の診断期間を経 て、決められます。この数週間の間はピークフロー値の測定は欠かせません。このときのピークフロー値をも とに療養プランが立てられるからです。治療方法・療養プランは、治療効果や症状の回復・悪化具合などによ り変更されることがあります。この一連の作業は最適なプランが決められるまで続けられます。 Q:基準値とは何か? A:基準値とは、患者さん自身の最大のピークフロー値のことです。これを患者さんの「100%値」または、「参 考値」とも呼びます。治療の目的は、この基準値を常に獲得できるようにすることです。 ですから、「健常者のピークフロー正常値」は、喘息患者さんのモニタリングにおいては、必ずしも絶対的 なものではありません。大切なのは、患者さん自身の最良値です。 あなた個人の療養プラン ピークフローモニタリングを含む自己管理は、今後の喘息治療において大きな成果をあげることが期待されて います。医師は、患者さん個人個人の喘息症状、および環境などを考慮して、あなた自身の療養プランを作成 します。そして、このピークフローメーターに付属しているアクションプランシールに、その内容を医師また は看護婦さんが記入してくれます。 あなたのベスト時のピークフロー値は以下の通りです: ---L/min BTPS ベスト時というのは、あなたの喘息症状が良好な時の最高ピークフロー値のことです。 療養プランの更新 あなたの喘息症状と療養プランの見直しをするために、外来受診時には、必ず日誌とピークフローメーターを 持参して下さい。先生は日誌を見て、喘息症状を判断し、療養プランを変更することがあります。もし、あな たのピークフロー値が頻繁にイエロー(黄)ゾーン(自己最良値の 80%未満‐50%以上)に入る場合には、
早急に医師に連絡してください。 療養プラン理解するために あなたの現状の療養プランは、ピークフローメーターの裏面に貼ってあるシールに記入してあるはずです。測 定した値がどのゾーンに属するのか?表側のカラースライダーを見てチェックしてください。スライダーの設 定は主治医が行います。 1)緑の線より上は、喘息がうまくコントロールされていることを意味します。緑ゾーンはだいたい次のよう に表記されているはずです。 (例)「気管支拡張剤を朝晩各2 パフ、現在の治療を引き続き行う」 2)黄色ゾーンを緑ゾーンの間にある数値は、あなたのベストピークフロー値の80%の値です。 黄色ゾーンの場合には、以下のような表記になります。 (例)「30 分おきに、B2刺激剤を吸入。様子を見て医師に連絡」 3)黄色と赤の間の数値は危険域を意味します。ベストピークフロー値の50%以下の状態です。 4)赤は喘息警報。 (例)「ステロイドを経口服用し、至急医師に連絡のこと」 注:上記の3つの(例)はあくまでも一例に過ぎません。実際には主治医の指示によります。 極端に高地に移動した場合のピークフロー値は、空気濃度の減少のために、低地よりも低い値を示すよう になります。大体1000m高くなると、5%ピークフロー値は低下しますから、その分、割増を考慮してくださ い。 ピークフローメーターの使用方法 1)まっすぐに背筋を伸ばして立って下さい。(無理な場合には硬い椅子に浅く腰掛けても構いません)なる べくいつも同じ姿勢で測定してください。 2)赤い針をメモリの一番下に下げて下さい。 3)手で針に触れないように持ち、体の正面に水平に構えて下さい。 出来るだけ息を深く吸い、息を止めて、マウスピースをくわえます。歯で軽マウスピースをかみ、唇で息 がもれないようにマウスピースを覆います。首を前方に傾けないように注意して下さい。 4)出来るだけ強く、早く一気に息を吐き出します。(1秒以上)この時舌などで、マウスピースをふさがな いように注意して下さい。唾液を飛ばすような吹き方は、正しいデータがとれませんのでやめてください。
5)動いた針が停止した時点のメモリを読んでメモしてください。針を元の一番下の位置に戻します。 6)これを3回繰返し、最も高かった値が属するカラーゾーンの対処法を裏面のシールに従って行ってくださ い。 7)最も高かった値を日誌に記録してください。 ピークフローの意味を理解するために もし、ピークフロー値が、通常よりも下に頻繁に落ちるようであれば、それは喘息が悪化している兆候だと言 えます。同様に朝晩のピークフロー値が大きく変動したり、特に喘鳴や咳で夜中や明け方に目が覚めるのは喘 息の悪化を意味しています。 あなた自身の喘息療養プラン 療養プランシールをピークフローメーターの裏面に貼ります。あなたが測定したピークフロー値はこのシール のどのゾーンかに必ず属します。このプランに従えば、ピークフロー値に応じた治療法が可能になり、すばや く対処すれば、たいていの喘息発作を事前に予防できるようになります。 重要: この療養プランシールを記入できるのは、医師か看護師さんだけです。療養プランはその都度見直さ れる可能性がありますので、外来受診する再には、必ず日誌とピークフローメーターを持参してください。 ピークフローメーターの表面のスライド式カラーゾーンを勝手に動かしてはいけません。もし間違って動かし てしまった場合には、医師に連絡してください。動かないようにセロハンテープなどで固定することも可能で す。 重症度の判定、変更 医師が、 1) 最初にあなたの喘息症状を判定するために、 2) 治療中に改善、悪化具合を判断するために ピークフロー値を1日2回以上記録した日誌が不可欠です。日誌を見て、 1) どの程度の重症度で、どのような治療が適当か? 2) グリーンゾーンにコントロールできているか?より強い処方が必要か? などの判断をします。 このように、喘息の治療はあなた自身が測定し記録した日誌をもとにその都度調整されていきます。 うまく管理されていれば、ピークフローの測定は以下の場合を除いては必要なくなるでしょう。 ・ 喘息症状を自覚したとき
・ 感冒にかかったとき ・ 毎年の発作頻発時期(9,10月など)の数週間前から終了まで ・ 旅行や出張前 ・ 運動会やスポーツなどをするとき ・ 解熱鎮痛剤を使用する場合、その前後 ピークフローメーターのお手入れ ピークフローメーターの耐用年数は、約3年です。それ以降は新しいピークフローメーターに交換して下さい。 ピークフローメーターをぶつけたり、落としたりしないようにして下さい。また清潔に保管して下さい。 もし測定値が疑わしいと思われる場合は、機器の故障も考えらますので、医師に相談してください。 マウスピースは毎日、本体は毎月1回は洗浄してください。洗浄方法は、最高 65℃の自動食器洗い機を使用 するか、食器用洗剤を溶かしたぬるま湯に30 分ほど浸して下さい。洗浄後はよくすすぎ、(吹き込み口から流 水を入れないで下さい。水の圧力でバネをのばしてしまい、故障の原因になります。)余分な水分をふき取り、 機器を立てて自然乾燥させて下さい。ドライヤーなどで強制乾燥させないで下さい。変形のおそれがあります。 ピークフローメーターの精度の確認 年に1回は、病院でスパイロメーターを使用してあなたのピークフロー値を測定し、お手持ちのピークフロー メーターの精度を確認してください。