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Key words: renal disease, computed tomography, renogram, renal function, diagnosis.

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(1)

断*

修**

政**

Key words: renal disease, computed tomography, renogram, renal function, diagnosis.

1. は じ め に 腎 臓 病 とそ の診 断法 に 関 し て,従 来,尿 所 見,血 液 検 査 を 中 心 と して い た が,近 年, 核 医学,超 音 波 学, コン ピ ュ ー タの導 入 に よ り急 速 に進 歩 し,腎 臓 の 生理 機 能, 形 態 異 常 な どが よ り正確 に診 断 され る よ うに な ってき た.一 方,逆 に これ ら の検 査 法 の進 歩 に よ り,今 日ま で 解 明 され て い な か っ た 腎臓 の形 態,機 能 に つ い て分 析 さ れ る よ うに な っ て きて い る.そ こ で これ ら の検 査 法 に つ い て,主 訴,理 学 所 見,尿 所 見,血 流 所 見,生 検, X 線, シ ンチ レーシ ョン カ メ ラ,超 音 波 検 査 な どを主 と して解 説 を行 う. 2. 臨 床 症 状 1) 浮 腫 自覚症 状 とし て 腎臓 病 が 発 見 され る もの は,浮 腫, 乏 尿,多 尿,血 尿,腹 水 貯 留,高 血 圧(頭 痛, め ま い, 肩 こ り),疼 痛,腎 部 腫 瘤 な ど で あ る.こ の 中 で も浮 腫 は 腎 疾 患 を最 も疑 わ せ る もの で あ る が,心 性 浮 腫,粘 液 水 腫,上 大静 脈 症 候 群, 低 蛋 白血 症 な ど で も起 こっ てくる の で鑑 別診 断 が 必 要 で あ る. 浮 腫 が 出現 す る部 位 とし て顔 面,特 に眼 窩 周 囲 に 多く, 足 背,足 首,手 背,体 幹 部 な どに み られ,腹 水,胸 水 貯 留 を 伴 うこ と もあ る.原 疾 患 と して は急 性,慢 性 糸 球 体 腎 炎,そ の 他 腎不 全 の 乏尿 期 に 出 現 して くる. 2) 触 診 腎 臓 は 背 部,後 腹 膜 に あ り,脊 柱 の 両 側 に 左 腎 は 第 11 胸 椎 の 上縁,右 腎 は これ よ り半 ∼1椎 体 下 方 に 位 して い る 150g 前 後 の手 拳 大 の臓 器 で あ る.健 常 人 で は 両 腎と も触 れ な い か,右 腎 の 下 極 を 深 呼 吸 と一 致 して 触 れ る程 度 で あ る.こ れ が よ く触 れ る場 合 は 腎 下垂 症 か 遊 走 腎 の 場 合 が 多い. 腎 臓 が 大 きい 場 合,腎 腫 瘍 や 嚢 胞 腎 が 考 え られ,前 者 で は 硬 く片 側 性 が 多 く,後 者 で は 嚢 腫 状 で 巨 大 な ことも あ り,両 側 性 で あ る.水 腎 症 や 腎 結 核,腎 結 石 な どでも 大 き く触 れ る こ とが あ る. 3) 皮 膚 慢 性 腎不 全 患 者 の皮 膚異 常 とし て は,着 色,掻 痒 感 乾 燥, uremic frost な ど が あ る.着 色 は 日光 に あた る部 位 に 多 く, cartinoid 類, urochrome 類 の酸 化物,過 酸 化物 が 皮 膚 に沈 着 して きて起 こ る とい わ れ て い る.ま た, 頻 回 の 輸 血 に よ る hemosiderosis や pigment が 腎より 排 泄 さ れ な い こ とに よっ て も起 こっ て くる. 浮 腫 が な い場 合 は皮 膚 は乾 燥 し,落 屑 が み ら れ,掻 痒 感 が 強 い こ とが あ る.発 汗 が 高 度 とな る と皮 膚 に尿 素 の 結 晶が み ら れ る こ とが あ り,こ れ を uremic frost と い う。 発 汗 異 常 も時 々み ら れ る.腎 不 全 末期 に な る と出血 傾 向 も み ら れ 皮下 出血 斑 が 出現 す る こ と もあ る が 多 くは 透 析 に よ り治 る. 爪 も薄 く,も ろ く,変 形 す る こ とが あ り,赤 味 を帯 び た線 が 爪 の 先 端 に 片 よ った りす る. 4) 眼 症 状 白 内障,緑 内 障,結 膜 へ の石 灰 沈 着(い わ ゆ る red eye), 視 力障 害 な どが 腎 不全 患 者 に 合 併 して くる こ とが あ る. 視 力障 害 の 原 因 とし て は 白 内 障 の ほ か に 眼 底 出血,網 膜 剥 離, ク ロ ロキ ン長 期 使 用 に よ る網 膜 色 素 変 性 な どが あ るが, これ ら は 眼 底 カ メ ラで証 明 され る.高 血 圧,糖 尿 病,膠 原 病 な どで は 腎 不 全 自体 以 上 に 眼 底 の 変 化 が 強く, * 原稿 受 付 昭和 55 7 月 21 日. ** 東 京大 学 医科 学 研 究所(東 京 都 港 区 白金 台4-6-1) 表 1 腎 疾 患 精密機械 46 巻 9 号

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動 脈 硬 化,血 管 蛇 行,出 血,白 斑,網 膜 剥 離 な どが み ら れ る.螢 光 抗 体 法 を 併 用 す る と眼 底 出血 は よ り明 白 に証 明 され る.

red eye は血 清 中 Ca×P 値 が 70 を 越 え る と 眼 球 結 膜 へ の 石 灰 沈 着 が 起 こ り,反 応 性 に血 管 が 増 生 し て生じ る. 5) 聴 力 先 天 性 の 腎 疾 患 と して 腎 不 全, 白 内障,神 経 性 難 聴 を 伴 った AlPort 症 候 群 が あ り,家 族 性 に み ら れ る. 腎 不 全 で 高 音 障 害 が み られ,血 清 Na が 減 少 す る と高 度 と な る が, これ は 血 清 Na が 低 い と蝸 牛 殻 の endo-lymph が血 液 よ り高 浸 透 圧 とな り, endoendo-lymph が 増 加 し,細 胞 膨 化 が 起 こ り聴 力が 低 下 す る と考 え ら れ て いる. こ の聴 力障 害 は 腎移 植 を す る と治癒 す る. 腎不 全 の場 合,不 注 意 な抗 生 物 質 投 与, 特 に カナマイ シ ソ,ゲ ン タ マ イ シ ン, ス トレプ トマ イ シ ソ な ど で は難 聴 とな る. 6) 高 血 圧 高 血 圧 の原 因 は色 々 とあ るが,腎 疾 患 に よ る高血 圧 は 腎 性 高 血 圧 とい わ れ,収 縮 期 血 圧,拡 張 期 血 圧共 に 上 昇 す る.高 血 圧 が み られ る場 合 は尿 検 査 を 必 ず 行 い,蛋 白 尿 が 合 併 し て いれ ば 腎炎 が疑 わ れ る.慢 性 腎 炎 の場 合 は 蛋 白尿 や 血 尿 を主 とす る ほ か に,高 血 圧 の み の型 もあ る. 慢 性 腎不 全 で は高 血 圧 を伴 うこ とが 多 く,尿 毒 症 となる と頭 痛,悪 心, 嘔 吐 を は じ め 多彩 な臨 床 症 状 を 合 併 して く る. 腎血 管 の 狭窄 が あ れ ぽ 腎血 管性 高血 圧 が み られ,若 年 者 の 場 合 で 血 漿 レニ ン活 性 が 高 く,血 管 撮 影 に よ り診 断 され る. 高 血 圧 は 腎 不 全 の 結 果 起 こ る症 状 とは 限 らず, 逆 に高 血 圧 が 持 続 す る こ とに よ り,腎 障 害 が 続 発 す る こ とが あ り腎 硬 化 症 とい わ れ て い る. 3. 尿 1) 蛋 白 尿 腎 臓 病 の重 要 な所 見 で集 団検 診 な どで 偶 然 発 見 され る こ とも少 な くな い.し か し健 康 な人 で もみ ら れ,月 経 時, 寒 い時, 激 しい 運 動 の あ と,精 神 的 ス トレス,食 事によ る も の な どは 生 理 的 蛋 白尿 とい わ れ る1). 病 的 蛋 白尿 の原 因 は次 の三 つ が 考 え られ る.(1)糸 球 体 の 膜 が 障 害 を起 こ した とき,蛋 白が 透 過 し て し ま う. こ れ は ネ フ ロー ゼ症 候 群,ル ー プ ス 腎炎,糖 尿 病 性 腎症 が 原 因 とな る.(2)低 分 子 の蛋 白は 尿 細 管 で再 吸 収 さ れ る が,尿 細管 の障 害 を起 こ し再 吸 収 され な い 場 合 で, カド ミ ウムや 水 銀 な ど の重 金 属,薬 物 中 毒 が あ る.(3)尿 路 系 の 障 害 に よ り組 織 液 や 蛋 白が 流 入 す る場 合 で,膀 胱炎, や 尿 路 結 石 で 尿 管 や 膀 胱 壁 が 損 創 きれ るた め に起 こる. これ らの鑑 別 診 断 は 尿 を 遠 心 分 離 し,沈 渣 をみると(1), (2)では 赤 血 球 円 柱 や そ の他 の 円柱 が み ら れ,(3)の 場 合 で は 細 胞 や 上 皮 細 胞 な どが 認 め られ る. 2) 血 尿 肉 眼 的 血 尿 よ り沈渣 を 顕 微 鏡 で 見 て 判 定 され る顕 微 鏡 的 血 尿 まで 量 に よ って 段 階 が あ る.正 常 人 で も 12h に 平 均 65750 個 の 赤 血 球 が 排 泄 され て い るが,標 本 で 弱 拡大 に して, 1 視 野 に 数 個 以 上 見 え る場 合 を 病 的 血 尿 と して い る.肉 眼 的 血 尿 で は 泌 尿 器 系 疾 患 が 多 く,腎 腫 瘍, 腎 結 核,膀 胱 腫 瘍,尿 路 結 石,膀 胱 炎,腎 破 裂,腎 外 傷 な どで,顕 微 鏡 的 血 尿 で は 腎 炎, 原 因不 明 の血 尿 として は 特 発 性 腎 出血 な どが あ り,と きに は 過 激 な 運 動,労 働 の あ とに も血 尿 が み られ る こ とが あ る. 3) 尿 沈 渣 尿 の沈 渣 の検 査 は 最 も重 要 で あ る.そ の方 法 は 中 間新 鮮 尿(排 尿 の始 め と終 わ りは 捨 て,中 間 尿 を とる)を 10 ml遠 心 管 に と り 1500rpm で 5min 間 遠 心 し, そ の後 液 層 を全 部 す て,遠 心 管 を濾 紙 上 に逆 さ に立 て 水分 を さ ら に除 き,残 存 尿 と沈 渣 を混 和 し,ピ ペ ッ トで 一 滴 ス ラ イ ドグ ラス に落 とし,カ バ ー グ ラスを か けて 検 鏡 す る. 所 見 とし て赤 血 球,白 血 球(正 常 値, 男 1∼2 以 下/ 10 視 野 ×400, 女 1∼2 以下/1視 野), 上 皮 細 胞, 円 柱,粘 液 糸,脂 肪 球,精 子,寄 生 虫,酵 母 菌,細 菌,結 晶 の 有 無 を検 査 す る. 上 皮 細 胞: 尿 路 系 上 皮 細 胞 には 腎 細 胞,移 行 上 皮 細 胞,扁 平 上 皮 細 胞,多 核 巨細 胞,異 型 細 胞 が あ り,腎 細 胞 は 尿 細 管 に 由来 し,比 較 的 大 きな 核 を 有 し,多 角形 で 表 2 尿毒症 の臨床症状 1980 年 9 月 49

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あ り,ネ フ ロ ーゼ に み られ る.移 行 上 皮 細 胞 は, 腎 ・尿 路 系 の炎 症 性 疾 患 に 多 くみ られ,腎 孟, 尿 管 ・膀 胱 の移 行 上 皮 由 来 の も の で,白 血 球 の 2∼4 倍 大, 核 は 円 ∼ 楕 円 形,形 状 は紡 錘 形,有 尾 形, 楕 円形,円 柱 形 と多 様 で あ る.扁 平 上 皮 細 胞 は細 胞 質 が扁 平 で大 き く,尿 道, 膣 の 表 層 由来 で あ る.多 核 巨細 胞 は 20∼ 25μm で 多核, 尿 道 の移 行 上 皮 と考 え られ,麻 疹,水 痘,流 行 性 耳 下 腺 炎 な ど ウイ ル ス性 感 染 症 の尿 中 に み ら れ る. 円柱: ガ ラス 円柱,上 皮 円柱,穎 粒 円柱 な ど があり, 原 疾 患 に よっ て 出現 す る も のが 異 な って くる. 結 晶: サ ル フ ァ剤 を服 用 し て い る と尿 中 に結 晶 状 に 排 泄 され る こ とが あ り,尿 管 を閉 塞 して 乏 尿,痔 痛, 血 尿 な ど を起 こす こ とも あ る. 4) 尿 路 結 石 背 部 痛,血 尿 な どで 尿 路 系 の結 石 が 発 見 さ れ る こ とが あ る が,こ の結 石 には 尿 酸 塩 石,修 酸 塩 石,リ ソ酸 塩 石, 炭 酸 塩石 な ど が あ り,赤 外 線 ス ペ ク トル で分 析 を行うと 成 分 が判 明 す る. 5) 尿 量,尿 生 化学 尿 量 の変 化 も 重 要 な所 見 で, 1 日の尿 量 が 500ml 以 下 を 乏尿, ほ とん ど 出 ない か全 く出 ない と無 尿 となる. 健 康 な 人 で も脱 水 となれ ぽ乏 尿 とな る.急 に尿 量 が減 少 した場 合 は,急 性 腎不 全 や 腎 炎,尿 道 閉 塞 が考 え られる. 逆 に 多尿 の場 合 も糖 尿 病,尿 崩症 で あ る こ と もあ る. 腎 機 能 を しらべ る方 法 に水 分 制 限 に よ り尿 比 重 が 上 昇 す る か 否 か,多 量 の 水 を負 荷 して尿 量 が 増 え,尿 比 重 が 上 昇 す るか を し らべ る方 法 が あ り,前 者 を濃 縮 試 験, 後 者 を 希 釈 試 験 と呼 ぶ2)3). 抗 利尿 ホ ル モ ンで あ る ピ トレ ッシ ソを 注射 して 濃縮 機 能 を 見 る方 法 もあ り,尿 崩症 の鑑 別 診 断 に 用 い られ る. 4. 血 液 ・尿 生化 学 腎 不 全 とな っ た と き,血 液 や 尿 の生 化学 検 査 で 診 断 が つ く.血 清 中 の ク レア チ ニン,尿 素 窒 素,尿 酸 値 が 上 昇 す る。 末 梢 血 で は 赤 血 球数 減 少,ヘ マ トク リッ ト値 の低 下 が み られ る.急 性 腎 不 全 で は 尿 中 Na 値 の低 下 とK の 上 昇 が み られ, ク レアチ ニ ンや 尿 素 窒 素 値 で 血 清 中 と尿 中 の比 が 上 昇 す る.血 中 と尿 中 の 物 質 濃 度 を 測 定 するこ とに よ り腎 機 能 が 検 査 で き る.腎 ク リア ラ ン スは 腎 を 流 れ てい る血 漿 中 よ り,あ る物 質 が 除 か れ る場 合 に,単 位 時 間 に血 中 よ り尿 中 に除 去 され るの に 何 ml の血 漿 を要 した か を示 し て い る.す なわ ち 物 質 X の ク リア ラソ ス Cx =Xの 尿 中濃 度 ×lrnin間 の尿 量 Xの 血 漿 中 濃 度 と な る.

1) 腎 血 流 量 (renal blood flow),腎 血 漿 流 量 (re-nal plasma flow)

パ ラ ア ミ ノ 馬 尿 酸 ソ ー ダ (PAH) は 腎 を1回 通 過 す る の み で す べ て 尿 中 に 排 泄 さ れ, こ の ク リ ア ラ ソ ス値 は 単 位 時 間 に 腎 を 循 環 す る 血 漿 量, す な わ ち 腎 血 漿 流 量

(RPF) と な る 。

RPF= CPAH= 尿 中 PAH 血 漿 中 PAH× 1mih 間 の尿量

ま た,ヘ マ ト ク リ ッ ト値(Ht)よ り,腎 血 流 量(RBF ) は

とな る.

正常 者 で はRBFは 1000ml/ min, RPFは 500ml / minで あ る.

2) 糸 球 体 濾 過 値 (glomerular fi1tration rate) 糸球 体 か ら 100% 濾 過 され,尿 細 管 で再 吸 収 も排 泄 も さ れ な い物 質 の ク リア ラ ソ ス値 は,糸 球 体 濾過 値 (GFR ) を示 して い る.イ ヌ リン,チ オ硫 酸 ソー ダや マ ニ トー ル が 用 い られ,内 因性 ク レア チ ニ ン ク リア ラ ン スC、 ・が 代 用 され る.し た が っ て1日 蓄 尿 と血 中 ク レア チ ニ ソ測 定 でCcrが 測定 で き る4). 3) 濾 過 率 (filtration fraction) 濾 過 率 はRPFに 対 す るGFRの 比 率 を い い,糸 球 体 腎 炎,糸 球 体 硬 化 症 な ど,糸 球 体 に病 変 が あ る も ので は 低 下 す る. 4) PSP 排 泄 試 験 フ ユ ノ ール スル フ ォ フ タ レ イ ン (PSP) は 近 位 尿 細 管 で 排 泄 され,尿 細 管 機 能 と腎 血 流 量 を 表 す.尿 細 管 機能 が 良 好 な と きは,腎 血 流 量 の,特 に 15min 値 は そ の 指 標 とな る. 5. 生 検 腎 臓 自体 の病 変 を知 る には そ の 一部 を採 取 して,顕 微 鏡 的 に 検 索 す る のが よい. そ の方 法 とし ては,腹 部 単 純 X線 撮 影 で 腎 臓 の位 置 を 確 認 し て お き,背 部 よ り生 検 用 穿 刺 針 で 腎臓 を刺 し,組 織 の一 部 を採 取 し,染 色 して 検 鏡 した り,電 子 顕 微 鏡 で し らべ た り,螢 光 抗 体 法 で 検 鏡 した りして 病 変 を診 断 す る. 6. X 線 X線 上 の診 断 法 と して は 腹 部 単 純 撮 影 法, 気 後 腹膜 術,腎 孟 造 影 法,腎 血 管 造 影 法, CT な どが あ る. 1) 腹 部 単 純 撮 影 法 精密機械 46 巻 9 号

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1125 腹 部 単純 撮 疑三法で は,腎 臓 の形 が 造 影 され, 大 き さ, 位 置 が 判 明 す る.腎 硬 化症, 末 期 慢 性 腎 不全 で は小 さく な って い る し,尿 路 閉 塞 な ど で 水 腎 症 に な って い れ ば 大 き くな っ て い る.腎 腫 瘍 の場 合,不 規 則 な 腫 瓦 嚢 胞 腎 では 全 体 が 大 き く凹 凸 が み ら れ る. 2) 気 後 腹 膜 術(後 腹膜 空 気 注 入 法) 肛 門 部 よ り穿 刺 して 後 腹膜 へ 酸 素 等 を 注 入 し,腎 臓 周 囲 に 気 体 を 入 れ る こ とに よ り,腎 臓 の コ ン トラ ス トを 良 くす る 方 法 で,腎 臓 の 形 態 異 常 が よ く判 明 す る. 3) 腎盃 造 彫 法 静 脈 注射 に よ り造 影 剤 を 注 入 して,腎 臓 よ り排 泄 させ, 腎 孟,尿 管, 膀 胱 の形 態 を造 影 させ る方 法 で あ る.腎 孟 の形 態 異常 は 腎腫 瘍, 水 腎症 の 診 断 とな る.造 影 が 早け れ ば 腎 機 能 は 良 く,運 か っ た り造 影 され な い 場 合 は 腎 機 能 不 全 が 考 え られ る,尿 路 系 結 石 の 診 断 に も欠 かせ な い 検 在法 で, 結 百 の部 位 診 断 と もな る. 経 静 脈 的 に 造 影 され な い と きは, 膀 胱 鏡 に よ りカ テ ー テ ル を尿 管 に 挿 入 し,逆 行 性 に造 影 剤 を 入 れ 腎 孟 の形 を しらべ る こ とが で き る. 4) 腎血 管造 影 法 大 腿 動 脈 よ りカテ ー テル を 挿 入 し,腎 動 脈 よ り上 方 に て 造 影 剤 を 注 入 し,大 動 脈造 影 を 行 うこ とに よ り,腎 動 脈,腎 臓 腎孟,尿 管 造 影 を 行 うこ とが で き る.こ れ は 腎 動 脈 に 選 択 的 に カ テ ー テ ル を 入 れ,造 影 す る選 択 的 腎 動 脈 撮 影 も行 え る. 腎 動 脈 性 高 血 圧 の場 合 は 腎 動 脈 の狭 窄 が 認 め られ, 腎 動 脈癌, 腎 動 静 脈痩 な ど腎 血管 の異 常 も診 断 され る. 腎 動 脈 の 走 行 や,造 影 剤 の 残 仔な ど に よ り腎 の 腫 瘍 も判 明 す る. 造 影剤 が 排 泄 され る と腎 孟造 影 とな り尿 管 の 所 見 も得 ら れ る. 5)CTス キ ャ ン X線 透 過 型 コ ン ピ ュ ー タ断 層 撮 影 装 置 は , X 線発生 器 と検 出 器 が 人 体 の周 囲 を1周 す る こ とに よ り得 られ た画 像 を コン ピ ュー タ 処理 す る こ とに よっ て,そ の部 位 の断 層 像 を描 写 す る,さ ら に RI を 使 用 す る こ とに よ り そ の 分 布 を再 溝 成 処理 す る こ とが で き る. RI の 種 類 に よ っ て2種 に分 け られ, r 線 を 放射 す る RI で は 単 一 光 子 計 数 方 式 と称 され,陽 電f放 射 性 の RI を 用 い る も ので は陽 電 子の 消波 放創 線 の 同時・計 数 を 行 うの で,消 滅 放射 線 同 時 検 出 方式 といわ れ る. 腎 実 質 の 戸現 で は CT が 他 の X 線 よ りよ り多 く の 情 報 が 得 られ,翼 胞 腎,腎 腫 瘍 の診 断 に1よ有 力 で あ る. 7. 核 医 学 1) ン ノ ソラム シ ン チ レーシ ヨン (図 1, 2)

1311- Hippuran5) や 99m Tc- Sn- diethylene - triamine-penta- acetic acid (以 下 99mTc- DTPA) な ど を 静 注 し, γ線 シ ン チ レ ー シ ョ ン カ ウ ン タ で 体 外 よ り記 録 す る と, 左 右 の 腎 の そ れ ぞ れ の 腎 血 流, 腎 機 能, 尿 路 通 過 状 態 を 知 る こ と が で き る, 正 常 の レ ノ グ ラ ム で は, 静 注 後 20s ま で の 急 激 な 上 昇 を 示 す 血 管 相 と そ の 後 3∼ 4min ま で ピ ー ク に 達 す る ま で の ゆ る や か な 上 昇 を 示 す 分 泌 相 , 急 な 下 降 よ り平 坦 化 ま で の 排 泄 相 の 三 つ に 分 け ら れ る (図 1下). 血 管 相 で は 1311- Hippuran が 腎 に 流 入 し, 腎 血 管 容 鼠 を 示 し, 分 泌 相 で は 腎1血 漿 流 量, 尿 細 管 機 能 を 示 し , 排 泄 相 は 腎 孟 よ り尿 管 へ の 通 過 状 態 を 示 し て い る. こ の 三 つ の 相 の 変 化 に よ っ て 腎 機 能 の 障 害 部 位, 程 度, 原 疾 上 ; シ ン ナ レー シ ョ ン カ メ ラ装 置 お よび撮 影 風 景 中 : レ ノ シ ン チ レー シ ョ ン.シ ン チ1ノー シ ョン カ メ ラに よ る腎 ン ンチ レー ン ヨン所 見 .左 右 腎 の大 き さ,血 流 分 布 ,腎 機 能 が そ の 濃 淡 に よ り判 定 され る.本 症 例 は正 常 パ タ ー ン 下 : レ ノ グ ラ ム.左 右 別 腎 レ ノ グ ラ ムで,血 管 相,分 泌 相 , 排 泄 相 の3相 に 分 け られ,そ の 曲 線 の パ タ ー ン に よ り各 腎 の 機 能 が 判 定 され る.本 症 例 で は 右 腎 の 機 能 低 下 が 認 め られ る. 図 1

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患 な ど も推 測 で き るが,定 性 的評 価 法 の 一 つ と し て 町 田6)ら の分 類 が あ り,, N 型, Mx 型, M2 型, L 型 の 4 型 の パ タ ー ン分 類 が行 わ れ て い る.N 型 (正常 型)は 典 型 的 な3相 で あ る. M1 型(腎 実 質 機 能 低 下 型)は 分 泌 相 の 平 低 化 と排 泄 相 の遅 延 で,腎 炎,腎 孟 腎 炎,腎 性 高 血 圧 な ど, M2 型(尿 路 通 過 障 害 型)は 排 泄 相 の 上 昇 ・平 低 化 で尿 管結 石,尿 路 結 核 な ど 腎尿 管 の通 過 障 害 を 表 す. L 型(無 機 能 型)は 血 管 相 も分 泌 相 も低 く,腎 機 能 不 全 を示 す7)∼9). 99mTc- DTPA を静 注 し,シ ソチ レーシ ョンカ メラ を 用 い コ ン ピ ュ ー タに よ るデ ー タ処 理 を行 うこ とに よ り, 関 心 領 域 の み の レノ グ ラムや 三 次 元 表 示,ス ム ー ジング な どが 可 能 で あ る10)11).関 心 領 域 の み の レ ノ グ ラム は, 腎 の皮 質,上 極 な ど の 関心 領 域 を ライ トペ ンで指 定 し, そ の部 分 の み の レノ グ ラ ムを測 定 す る こ とで で き る12). シ ン チ レー シ ョン カ メ ラ は 99mTc- DTPA 静 注後, 一 定 時 間 ご とに 連 続 的 に オ シ β ス コ ープ 上 か,ボ ラ 灘イド フ ィル ムやX線 フ ィル ムで撮 影 を行 い ,腎 臓 の大 きさ, 形 態 位 置,機 能 血 流 分 布 を 検査 で き る13)14)が,近 年 で は ロン ピ ュ ー タが組 み込 ま れ た り,断 層 シ ソチ レー シ ョン カ メ ラ も開 発 され て きて い る.断 層 シ ソ チ レーショ ン カ メ ラは2組 の カ メ ラを用 い る こ とに よ り断 層像 を 作 り出す が,さ らに コ ン ピ ュー タ処 理 に よ り,体 軸 に 対 す る横 断 面 も とれ る よ うに研 究 が進 め ら れ つ つ あ る。 試 薬 の開 発 も,当 初 は 131I- Hippuran2) が シ ン チ レー シ ョン カ メ ラに 用 い られ て い た が,半 減 期8日 と長 く, 99mTc-DTPAが 用 い ら れ る よ う に なっ た.前 者 は主と し て腎 血 漿 流 量 を反 映 して い るが,後 者 は 糸 球 体 濾過 量 を反 映 し,腎 実 質 機 能診 断 に よ り早 期 に 役 立 つ.197Hg-chlormerodrin や 9gm Tc- penicillamine-

acetazolam-ide complex な ど も開 発 され た が,後 者 は使 用 の際 合 成 しな け れ ぽ な らぬ な どで 広 くは 用 い られ な か っ た. 8. 超 音 波 診 断 法 超 音 波 を 利 用 した診 断 法 と して は,反 射 法, ドップラ ー法 ,透 過 法な どがあ る15)∼17). 反 射 法 は 工 饗 一法 また は パ ル ス反 射 法 と もいわ れ, 超 音 波 (2∼ 10MHz) の 衝 撃 波 を 体 内臓 器 に 向 け 発射する と,超 音 波 の音 束 は直 進 し,音 響 イ ン ピー ダ ソス の異 な る部 位 で反 射 す るが,そ の程 度 が組 織 に よっ て異 なり, この反 射 波 を増 幅 す る こ とに よ り所 見 が得 ら れ る。A モ ー ド装 置 は この エ コ ーを 時 間軸 上 に波 形 で 表 示 す るの で 横軸(時 間 軸)は エ コ ー物 体 まで の距 離, 高 さは そ の 強 さを 表 し,腫 瘤 まで の距 離 性 状 診 断 に 有 効 で あ る. B モ ー ド装 置 は 超 音 波 断 層 装 置 で 走 査 法(図3,4)に よ り物 腎 臓 の各 部 の機 能 を 高 さで 表 現 して い る. 図 2 腎 シ ン チ レー シ ョン カ メラ の コン ピ ュ ー タ処 理 に よる 腎機 能 の三 次 元 表 示 図 3 超 音波断層撮 影装置 右腸 骨窩の移植 腎を体軸 に縦 方向に体表に沿 って 探触 子を動かし断 層走査 を行 っている。 図 4 超 音波断層撮影に よる移植腎所見 精密機械 46 巻 9 号

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腎 臓 病 の 診断 体 の断 層 像 を 描 写 す る.腎 臓 の大 き さ,位 置,性 状 が 表 示 され, 腎 腫 瘍, 水 腎 症, Wilmus 腫 瘍, 神 経 芽 細 胞 腫,移 植 腎 の拒 絶 反 応,腎 周 囲 膿 瘍,移 植 腎 周 囲 リンパ 腫,腎 結 石,嚢 胞 腎,膀 胱 腫 瘍,前 立 腺 肥 大 ・癌 な ど の 診 断 が 可 能 で あ る. こめ 超 音 波 断 層 像 の画 像 処 理 を 行 うこ とに よ り階 調 性 向上, グ レー ス ケ ー ル表 示, ワイ ドダ イ ナ ミ ック レソジ 表 示 な どが 行 わ れ て 解 像 度 が 向 上 して きて い る. ドップ ラ ー装 置 で は 音 源 の 音 が 運 動 す る物 体 に 反 射 さ れ る と周 波 数 が 変 化 す る.連 続 波 の 超 音 波 を 用 い て 血 流 な ど の測 定 が 可 能 で,移 植 腎 な どで は 腎 血 流 の 有 無 の み で な く,血 流 のパ タ ー ソを 分 析 す る こ とに よ り血 行動 態 が 解 析 で き る. 透 過 法 装 置(超 音波 映 像)は X 線 像 の ご と く超 音 波 の 透 過 波 で 映 像 を 描 写 す る方 法 で あ る.こ れ は レン ズ系 を 用 い 超 音 波 の透 過 波 と,も との参 照 用 超 音 波 との 干 渉 に よ って 液 面 に 凹 凸 の ホ ロ グ ラ ムを 作 り,こ れ を レー ザ 光 線 を 用 い 面 像 を テ レビ画 面 に再 現 す る方 法 で,生 体 の ま まX線 の よ うに 内 部 を観 察 で き るが,ま だ研 究 段 階 で あ る.超 音 波 顕 微 鏡 も実現 可能 で生 体 の ま ま観 察 で きれ ば, 今 まで 得 られ な か っ た情 報 が 得 られ,医 学 的 に も画 期 的 な 進歩 が期 待 で きる. 駄 赤 外 線 サ ー モ グ ラ フ ィ 赤 外 線 サ ー モ グ ラ フ ィは 皮 膚 温 を 黒 白 の濃 淡 あ るい は カ ラ ー表 示 で 示 す.腎 移 植 に お い て 腎 周 囲 膿 蕩 が あ り局 所 的 に温 度 の変 化 が あ る場 合,赤 外 線 サ ーモ グ ラ フ ィで 撮 影 す る と皮 下 の 膿 瘍 の 所 見 が 温 度 差 に よ り描 写 され る (図5). 10. 術 後 ・重 症 患 者 管 理 シ ス テ ム 重 症 患者 の 管 理 シ ス テ ム と して 腎機 能 の モ ニ タ リン グ は 重 要 で あ るが,1.C.V.モ ニ タに 組 み 込 まれ て い な い. 集 中 治 療 室 は 心電 図,呼 吸 数,脈 波,血 圧 な ど生 理学 的 モ ニ タが 主 で,尿 量,尿 生 化学,血 液 生 化学 な ど生 化 学 的 モ ニ タは 無 視 され て い る が,片 手 落 ち とい わ ざ るを 得 ない.そ こで 著 者 ら18)の研 究 室 で は,尿 中 Na, K, Cl の 連 続 測 定 装 置 を 東亜 電 波 工業 と,ま た尿 量 尿 比 重, 深 部 温(移 植 腎 用),中 心 静 脈圧,超 音 波 血 圧 計,脈 拍 計 を テ ルモ との 協 同研 究 で シ ス テ ム 化 し,腎 機 能 を 中心 とす る モ ニ タ リソ グシ ス テ ム を 開発 し た. 尿 電 解 質 連 続測 定 装 置 は サ ン プ リン グ,測 定,記 録 の 3装 置 よ り構成 され て い る.サ ソ プ リン グ装 置 は 一 定 時 間 に導 尿 の チ ュー ブ よ り採 尿 して,一 定 量 測 定 装 置 に 注 入 す る. Na, K, Cl を 電 極 法 に よ り測 定 す るが,キ ャ リブ レー シ ョンは 尿 用 として Na100mEq/1, K40mEq/ 1, Cl100mEq /1 で 測 定 ご とに前 も って 自動 的 に 行 わ れ る. 記 録 計 は, 次 のサ ソ プ ル の測 定 値 が入 力 され る まで は デ ィジ タ ルで 保 持 し,記 録 紙 に も打 ち 出 し,同 時 に 多 ペン 記 録 紙 に も グ ラ フ表 示 す る. 尿 量 モ ニ タは 点 滴 筒 の 外 部 に 固 定 され た プ ロ ーブ によ り光 学 的 に 滴数 計 測 され る.尿 比 重 は尿 サ ンプ リン グ容 器 で超 音 波 を利 用 して測 定 す る.こ れ は流 体 中 の音 速 度 は,そ の液 体 のわ ず か な 溶 質 が 溶 存 して い る場 合,そ の 溶 液 密度 に比 例 して変 わ る こ とを 利用 して い る. 深 部 温 モ ニ タは,測 定 部 位 の表 面 を完 全 に断 熱 体 で 覆 うこ とに よ り,皮 膚表 面 と深 部 温 度 とを 同 じ くし,皮 膚 表 面 で深 部 体 温 を測 定 す る.皮 下 熱 源 か ら の熱 放 散 によ っ て測 定 用 と制 御 用 サ ー ミス タの温 度 は差 を生 じ るが, 比 較 増 幅 器 を通 じ,ヒ ー タ に は フ ィー ドバ ックが か かり, ア ル ミニ ウム ブ ロ ッ ク温 度 が測 定 用 サ ー ミス タ温 度 と等 し くな る よ うに 自動 制御 さ れ て い る. 中心 静 脈 圧,超 音 波 血 圧 ・脈 拍 モ ニタ(超 音 波 ドップ ラー一 な どを も含 み,生 理 学 的 モ ニ タ リン グ もで き るよ うに な って お り,重 症 患 者 の腎 機 能 が 尿 量,尿 比 重, 尿 中 Na, K, Cl を 中 心 として 連 続 モ ユ タ され る よ う に な っ て お り,同 時 に 心 機 能,脱 水 の 有 無,移 植 腎 の感 染, 拒 絶 反 応 時 の 発 熱 を も検 知 で き る。 11. お わ り に 腎 疾 患 に お け る診 断 法 に つ い て解 説 を行 っ たが, ど の 検 査 法 を とっ て も十 分 説 明 す る に は小 冊 子1冊 分 は必 要 で あ る.ま た検 査 法 も試 験 管 と顕 微 鏡 の時 代 か ら コン ビ 体 表 が温 度 差 に よ り撮 影 され て い る。 皮 下 の濃 蕩 部 が 高 温 で あ る た め に, そ の部 位 が 白線 で囲 まれ てい る. △ 部 の 濃 度 が37。Cで, そ れ よ り濃 い 所 は 高 温 で あ る. 破 線 で囲 ん だ部 分 は腎 臓 の位 置 を示 す. 図 5 赤 外 線 サ ー モ グ ラ フ ィ に よ る移 植 腎 周 囲 膿瘍 1980 年 9 月 53

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ュー タ時 代 へ 移 行 し,医 師 は 机 に坐 っ てい て デ ー タを ま とめ れ ば診 断 が つ くよ うな誤 解 が な き に し も あ らず で あ る.し か し,自 動 分 析 化, コン ピ ュ ー タ化 が 進 んだ 今 日 で も腎 臓 病 の診 断 は 尿 沈渣 が 重 要 な 意 義 が あ る.腎 機 能 診 断 に は CT をは じめ 形 態 学 的 に高 度 の医 用 電 子 工 学 の 進 歩 が大 切 な反 面,昔 な が ら の経 験 に 頼 ら ざ るを 得 な い 面 が あ り,こ れ らを い か に 有 機 的 に 結 びつ け て い くかが 今 後 の検 査 法 の進 歩 に つ なが る も の と思 わ れ る.

1) 石 本 二 見 男 ほ か: 尿 蛋 白分 析 と 腎 機 能, 綜 合 臨 床, 24 (1975) 572. 2) 折 田義 正 ほか: 腎 機 能 検 査 法 に つ い て の 研 究, 第 40 報, 臨 床 病 理, 12 (1964) 54. 3) 浦 壁 重 治 ほ か: Fishberg 濃 縮 試 験, 臨 床 検 査, 9, 6 (1965) 489.

4) R. Dominguez et al. : Recovery of Creatinine after Ingestion and after Intravenous Injection in Man, Proc. Soc. Exp. Biol. Med., 58, (1945) 26.

5) R. A. Nordyke et al,: Use of Radioiodinated Hip-puran for Individual Kidney Function Tests, J. Lab. Clin. Med., 56, (1960) 438.

6) 町 田豊 平: ラジ オ アイ ソ トー プに よ る腎 機 能 検 査 法 一 レノ グ ラ ムを 中心 に, 日本 臨 床, 23 (1965) 1344.

7) R. P. Krueger et al. : Analysis of the Radio-reno-gram Curve, Amer. J. Roentgenol., 86, (1961) 819. 8) H. Otake et al. : Study of Radiohippuran Renogram in Mobile Kidney, Nagoya J. Med. Sci., 26, (1963) 36. 9) 木 村 和 文: RI デ ー タ処 理 装 置 とイ メ ー ジ処 理, 綜 合 臨 床, 20 (1971 )1784. 10) 古 川俊 文: RI 動態 の ア ナ ロ グモ デル の デ ジ タ ル コ ン ピ ュ ー タ に よ る 解 析, 医 用 電 子 ・生 体 工 学 研 究 会 資 料, MBE 71-9 (1971). 11) 西 村 恒 彦 ほ か: 腎 内 関 心 領 域 に お け る RI 動 態 の 解 析 と 臨 床 応 用, 第 17 回 日腎 総 会 予 稿 集 (1974) 269.

12) L. Rosenthall et al. : Radionuclide Distribution of Vascular and Non-vascular Resion of the Kidney, Canad. Med. Assoc. J., 98, (1968) 1165.

13) 宮 前 達 也 ほ か: 99mTc- Sn- DTPA と シ ン チ カ メ ラ に よ る 腎 動 態 撮 影 と レ ノ グ ラ ム の 臨 床 評 価,Radioisotope, 23 (1974) 563.

14) S. E. Halpern et al. : A New Renal Scanning A-gent, 11, Evaluation in Humans, J. Nucl. Med., 13,

(1973) 723. 15) 日本 超 音 波 医 学 会 編: 超 音 波 医 学, (1966). 16) 井 出 正 男編: 超 音 波 診 断 法, 電 波 実 験 社 (1973). 17) 和 賀 井 敏 夫: 超 音 波 診 断 装 置, 現 代 の診 療, 16, 3(1974) 339. 18) 高 橋 郁 夫 ほか: 腎 移 植 術 後 管 理 シ ス テ ム, 移 植, 14, 2 (1979)87. 図 6 術 後 ・重 症 患 者 モ ニ タ リン グ シス テ ム 54 精密機械 46 巻 9 号

参照

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