• 検索結果がありません。

○ 訪日外国人旅行者の受け入れ環境整備事業

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "○ 訪日外国人旅行者の受け入れ環境整備事業"

Copied!
24
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

2.海外事例調査の結果について(資料編)

資料6

(2)

Ⅲ資料編-海外事例調査

2.海外事例調査の結果について(概要)

2 事例 概要 1.タイ: 洪水発生時におけるタイ国政府観光庁 の情報提供体制(2011) • 洪水発生時に情報提供を積極的にWeb上で外国人観光客向けに情報発信し ていた。Webの運営体制や評価について文献調査及び訪問調査を行った。 2.ニュージーランド: 地震発生時の政府観光局の対応(2011) • 地震時に政府観光局がWeb上で積極的に外国人観光客向けに情報発信して いた。その内容を文献調査で把握した。 3.アイスランド: 火山噴火発生時の欧州における対応 (2010) • 火山噴火発生時に、航空運航状況を統括するユーロ・コントロールが、運航情 報や火山灰情報をウェブやツイッターで配信していた。その内容について文献 調査を行った。 4.米国: ハリケーン・カトリーナ発生時のニューオ リンズ市の対応(2005) • ハリケーン襲来時に、Webで情報を提供していた。その内容について文献調査 を行った。 5.韓国: 気象庁のスマートフォンを利用した外国 人観光客向け情報提供対応 • 韓国で開始された、韓国在住外国人と外国人観光客向けのモバイルサイト上の 気象情報や地震情報を英語及び韓国語で提供するサービスについて文献調査 を行った。 ○海外で発生した大規模災害のうち、外国人旅行者に対して効果的な情報提供が行われた事例を 取り上げ、提供した情報の内容、運用主体、運用に当たっての課題等を調査した。

(3)

Ⅲ資料編-海外事例調査 a.調査概要

対象

【1-情報発信側(実務機関)】 TAT(Tourism Authority of Thailand), 【2-情報発信側(所管省庁)】 観光・スポーツ省

【3-情報活用側】 TCT(Tourism Council of Thailand), 泰日旅行業協会, 日系旅行業A社、日系旅行業B社、日系WebニュースC社

時期 2012年10月15日(月)~17日(水) 項目 【1-情報発信側(実務機関)】 ・Webサイト(TTU)による情報発信の内容について ・Webサイト(TTU)の運営体制について ・Webサイト(TTU)による災害情報提供の実績について(昨年の洪水時) ・Webサイト(TTU)の評判・実績について ・日本版TTUに対するアドバイス 【2-情報発信側(所管省庁)】 ・旅行者への情報提供に係る全体方針について ・Webサイト(TTU)の運営体制の概要について ・Webサイト(TTU)の評判について ・日本版TTUに対するアドバイス 【3-情報活用側】 ・Webサイト(TTU)全体について(認知度、活用実態、評価) ・Webサイト(TTU)による災害情報の提供について(昨年の洪水時) ・Webサイト(TTU)に限定しない、タイ国政府による情報発信について ・日本版TTUに対するアドバイス 3

(2)調査結果

①タイ:洪水発生時における政府の情報提供体制

(その1)

○タイの2011年洪水発生時における政府の情報提供体制について、訪問調査を実施した。 ○情報発信側(実務機関および所管官庁)、情報活用側(タイ旅行業、日系旅行業、日系メディア)の双方を 調査対象とした。

(4)

Ⅲ資料編-海外事例調査

Webサイト

運営 タイ国政府観光庁(TOURISM AUTHORITY OF THAILAND(以下、TAT)) 情報提供内容

(次頁に詳細)

• 災害時にTATのWebサイト内に特設コーナーが設置され情報提供。

• 最新の災害関連情報を随時アップデート。(更新頻度はおよそ1日1回(現地訪問調査より))

情報提供体制

• TAT では、災害発生時に マ ーケ テ ィ ング部 、 PR部、政策部、 そし て TIC( Tourism Intelligence Unit and Crisis Management Centre、以下TIC)の4つの部署からなる対策チームを作る。対外発信はPR部のみが担う。 • 具体的には、災害等発生時にはマーケティング部が情報収集を担う。国内43箇所の事務所に問合せ、現地情報(災害の状 況、道路等インフラの状況、空港の離発着が可能か)を収集。また、海外事務所に問合せ、海外でどのように報道されてい るか、どのような混乱があるか、どのような点に敏感になっているかを確認。この情報を政策部が分析し、どのような対策を 行うかを検討。最終的に、PR部に収集した情報及び現状分析の結果を伝える。TICは、発生した災害が観光業にどう影響 するか、収束後にこれを教訓にどのようなことをすれば良いかを分析する。 • 民間事業者やマスコミ等の外部への情報発信を行うのは、TAT内ではPR部のみである。情報の混乱、誤りを防ぐために、 PR部からのみの情報提供としている。 【補足】 • TATでは2004年のスマトラ沖地震や2006年の鳥インフルエンザをきっかけに、2007年にTAT内にTICを組織。 • TICの役割は、災害時の危機管理、災害前対応等が主であり、災害時の情報提供にも当該観点から協力。 2011年 洪水の際の 情報提供 • 洪水の際には、 TATのホームページ内に最新の情報を随時掲載。英語で情報を掲載し、各国の大使館等が各国の旅行者 に情報提供できるようにした。

• Webサイトより詳しい情報をSituation Update Reportとして日時で作成、メール等で国内関係者に広く展開。

• 洪水の際には、様々なPR活動を実施。情報提供に関しては、TAT本部として情報を常にアップデートして、各国の駐在事務 所に発信。各国の駐在事務所が、地元メディアに情報提供。

b.情報提供サイト"Thailand Tourism Update“(1/3)

○タイ(Webサイト“Thailand Tourism Update”)における情報提供(例) を以下に示す。

○平時より運用されているが、近年では2011年7月に発生した洪水時に、旅行者向けに情報を発信。

4 出典:MRI作成(文献調査結果を訪問調査結果により補足)

(5)

Ⅲ資料編-海外事例調査 サイト 参考 項 目 内 容 ① Home ② ● News Update 最新のニュース、タイ主要メディアへのリン ク(毎日更新) ③ ● Official Statement タイへの旅行計画者や、現在訪問中の観 光客に対するタイ国政府からの公式発表

Destination Update タイ国内主要地域(Bangkok、Cha Am、 Chaiyaphum等)の最新状況 ④ ● Travel Industry Release 観光客向けの観光業界プレスリリース ⑤ ● Travel Advisories 主要交通機関の状況 ※通常は、正常である旨の記載のみ Real Travelers's Opinions タイ旅行での経験等に関するインタビュー Travelers' Interviews Clips 観光客へのタイ観光に関するビデオインタ ビュー Travelers' Interviews タイ観光に関連した様々なトピックに関する インタビュー

Blogs & Articles

ホットスポットや現在の情報に関連する注 目のブログおよびコラムの紹介

※活用数は僅か(ブログで10件程度)

サイト

参考 項 目 内 容

Press Release TATからのプレスリリース

⑥ Forums All

掲示板(現在のイベントやフェスティバルの 状況なども含む)

※活用数は僅か(トピック数で6件程度)

⑦ ● Travelers Tips 観光客のための便利な情報(宿泊施設や航空会社の選び方など)

Did You Know タイに関する世界中のブロガーのブログ

⑧ ● Location Alerts 現在、タイ各地で発生している災害の情報( 主に洪水)

⑧’ Flood Situation Googleの地図と連動し、洪水地域がマップ 上に表示 RSS Feed RSSフィード(Webサイトのニュースアラート) Subscribe Newsletters 旅行者、メディア、すべての旅行業界関係者 向けの無料ニュースレター配信サービス(登 録制) ⑨ ● Contact us TATに対する問合せ

b.情報提供サイト"Thailand Tourism Update“(2/3)

5

●:今回検討するポータルサイトのコンテンツ要素として特に参考となるもの

○タイ(Webサイト“Thailand Tourism Update”)のサイトマップを以下に示す。

○最新ニュース、政府公式発表、観光客向けのプレスリリース、主要交通機関の状況、観光客向け便利情報、 災害情報などの情報が発信されている。

(6)

Ⅲ資料編-海外事例調査 Thailand Tourism Update TOPページ News Update ・最新のニュース情報 ・タイ主要メディアへの リンク Official Statement ・タイ国政府の公式発表

Travel Industry Release ・観光客向けの観光業界

プレスリリース

6 b.情報提供サイト"Thailand Tourism Update“(3/3)

Forums All ・掲示板機能 ・写真添付も可能 Travel Advisories ・道路・バス・鉄道・航空の 交通情報

Travelers Tips ・観光客のための 便利な情報

Flood Situation ・地域別の洪水復旧状況 ・オンライン地図と連動 Location Alerts ・タイ各地で発生している災害情報

Contact Us ・問い合わせ

○タイ(Webサイト“Thailand Tourism Update”)のサイト構成を以下に示す。

(7)

Ⅲ資料編-海外事例調査 c.TICの組織概要

○2007年、TATに、危機管理セクション(TIC:Tourism Intelligence Unit and Crisis Management Centre) が 設置され、観光産業の危機が表面化する前に対応を実施している。

○TIC(またTAT) の対象は、レジャーツーリズムである。別途、MICE等を専門的に担当するTCEBと役割分担 している。TCEBには、TATにおけるTICのような常設の危機管理セクションはない。

TICの沿革

• 2001年、タイ国政府観光庁(TAT)は、不測の事態が発生した際に、組織内部、および民間の観光業者との円滑なコミュニケーショ ン、協力、およびネットワーキングを行うために、TAT Crisis Communication Centreを組織。

• 2007年3月、TATは危機管理に関して、組織的、かつ構造化された取り組みを行うために、Tourism Intelligence Unit and Crisis Management Centre(TIC)を組織。 TICの目的 • TICは、タイの観光産業が、急速に変化するトレンド、およびグローバリゼーションにより、競争が激化する環境に対応でき るように組織されている。TATは観光産業の危機が表面化する前に対応を開始する。このため、日常業務として、TICは 国内外の現在進行中の状況に関して情報収集、分析を行う。 TICの組織 • TAT本局内部の組織として位置付けられる。 理事会が委員会とワーキンググループを総括。理事会の下に①委員会(方針策定、意思決定、 支援・調整等を管掌)、②企画(TIC運営体制の企画・設計、情報収集・調整の中心部等を管掌)、 ③マーケティング・広報(広報前の情報分析、メディア対応を管掌)を設ける。 • 海外のTAT支局の役割は、本国から発信される情報を現地の言語に訳して、インタ ーネット等を通じて随時発信すること。同時に、現地における市場状況、反応等を本 国に報告すること。 • 海外のTAT支局は、事態が収束した後、TICおよびTAT本局からの指示に基づき、リ カバリーキャンペーンを実施する。 • タイにおける観光担当の政府機関はタイ国政府観光庁(TAT)の他に、MICEを専門 的に担当するThailand Convention & Exhibition Bureau(TCEB)が存在するが、 TATの役割分担は、TCEBはMICE市場における団体需要(企業のインセンティブツ アーや展示会、国際会議等)に対して直接的な関わりを持ち、TATはそれ以外の包 括的な観光情報の発信・プロモーションを担当。TCEB内部には、TICのような組織 は存在しないが、MICE需要に対して直接的な不足の事態が発生した場合には、適 宜対応を行う。 TATの危機管理専門組織「TIC」 出典:週刊トラベルジャーナル2011年5月2日・9日合併号「諸外国に 学ぶ危機からのリカバリー」 理事会 (委員会とワーキンググループを総括) 企画 委員会 マーケティング ・広報 [管掌分野] [管掌分野] [管掌分野] • 方針策定 • 意思決定 • 支援・調整等 • TIC運営体制 の企画・設計 • 情報収集・調 整 の 中 心 部 等 • 広 報 前 の 情 報分析 • メディア対応 出典:観光庁「平成23年度日中韓三国間における観光リスクに対する危機管理マニュアル素案策定事業」関連資料 7

(2)調査結果 ①タイ:洪水発生時における政府の情報提供体制(その5)

(8)

Ⅲ資料編-海外事例調査 d.TATの活動イメージ TAT本局

連携 連携 連携 連携 TAT 海外支局 PR部 タイ国政府 関連省庁 タイの観光業者 (インバウンドツアー オペレーター) タイの観光業者 (交通機関) タイの観光業者 (宿泊施設) TAT 海外支局 TAT 海外支局 報告 情報提供 指示 イギリス (ロンドン) シンガポール イタリア (ローマ) マレーシア (クアラルンプール) スウェーデン (ストックホルム) 韓国 (ソウル) ドイツ (フランクフルト) 台湾 (台北) フランス (パリ) 中国 (北京、香港、上海) ロシア (モスクワ) 日本 (東京、大阪、福岡) アラブ首長国連邦 (ドバイ) アメリカ (ニューヨーク、ロスアンゼルス) インド (ニューデリー) オーストラリア (シドニー) ヴェトナム (ホーチミン) 計 22支局 ※東京支局で10人未満規模 報告 情報提供 指示 報告 情報提供 指示 出典: 観光庁「平成23年度日中韓三国間に おける観光リスクに対する危機管理マ ニュアル素案策定事業」関連資料 8 マーケ ティング部 TIC (リスクマネジ メント) 政策部 災害対策チーム TAT 地方支局 TAT 地方支局 報告 報告 情報提供 指示 情報提供 指示 ○災害発生時のTATの活動イメージを以下に示す。マーケティング部、政策部、TIC、PR部からなる災害対策 チームを設置し、国内外のTAT支局から集めた情報を分析、国内外への情報発信を行う。

(2)調査結果 ①タイ:洪水発生時における政府の情報提供体制(その6)

(9)

Ⅲ資料編-海外事例調査

e.訪問調査(情報提供サイトの活用)

9 【Webサイト(Thailand Tourism Update)等によるタイ政府による災害情報提供の概略】

可視化、更新頻度を重視 • 政府の発表を英語に翻訳したもの、バンコクや周辺の観光地の洪水の状況、空港など交通の状況などを掲載。 Google Mapを使い、どこが危ないか地図上で可視化。 • 更新はおよそ1日1回。 情報収集、PRの担当部署を一元化 • 国内では、洪水の状況を聞く簡単なチェック式のレポート(回答を素早く集めるため予めフォーマット設定)や 写真など、海外ではその国でどのように報道されているか、どのような影響があるかを集める。 • シングルメッセージとするため、観光に関わる情報はすべてPR部が一元的に発信する。 外部SNSを活用 • FacebookやTwitterなど外部のSNSとも情報収集・情報提供の両面で連携。普段は観光PR情報を流している。 留意点としては、モニタリングすること。TATのスタッフも割り当てているし、外部のチェックサービスも使い、 24時間体制で監視。 Webサイトより詳細な情報を、業者向けに提供 • Webサイトだけではなく、観光業に関わる業者のメーリングリストなども活用し、TATとして作成した

Situation Update Reportを関係者2,000名/機関以上にメール展開。

○2011年のタイ洪水発生時、TTUは更新頻度も高く、Google Mapによる災害情報の可視化や外部SNSの 活用などの工夫も行いながら、積極的に情報発信した。

(10)

Ⅲ資料編-海外事例調査

f.訪問調査(情報提供サイトの評判-タイ国内関係者)

10

【Webサイト(Thailand Tourism Update)の評判 (タイ国内関係者)】

タイ国内関係者からは、評価の声あり • TATのWebサイト全体としては、昨年10月から今年9月までで1億3200万のPage View。国内観光 業者が情報源としてお客さんに伝えているという利用が多いと聞く。(TAT) • 思った以上に多くの観光者に見られているとの報告。良い物だと思っている。(MOTS) • Webサイトは観光客だけでなく、観光業の経営者にも役に立ったと聞いている。様々な人に参照され た、とても良いものであると考えている。成功要因として、コンテンツが良かった点、毎日アップデート された点、早い段階で開設された点。(TCT) • メディアは、悪い情報は流すが、誤解に対する責任をとらない。誤解を正せる情報を見せられるWeb サイトは有効である。(TCT) 一方、タイ国内関係者からも、課題の声や、別の情報が役に立ったことを示唆する声あり • 認知度を高めることが課題である。(観光スポーツ省)

• TATはWebサイト以外にも、毎日Situation Update Reportを提供していた。E-mailで展開されるもので あり、Webサイトに掲載されるよりも細かい情報であり、役に立った。(TCT) • 民間の立場から、政府が出せないような情報(一部の地域や産業のための細かい情報や、ポジティブ な情報)を代わりに出すための新組織を設立予定。(TCT) ○TTUによる災害情報発信の効果について、タイ国内の関係者は概ね高評価している。 ○一方、さらに認知度を高めることが課題との見解もある。

(2)調査結果 ①タイ:洪水発生時における政府の情報提供体制(その8)

(11)

Ⅲ資料編-海外事例調査 11

【Webサイト(Thailand Tourism Update)の評判 (日本関係者)】

日本関係者によると、TTUの知名度は低い • TTUがあることは知っていたが、直接見ることはなかった。(TJTA) • TTUは全く知らなかった。誰向けに出している情報なのか、わからない。(旅行A社) • ほとんどの人が認知していないだろう。ニュースでのPRもなかった。(TAT日本人スタッフ) 政府からの情報発信全般にも、課題あり • 政府からの英語の情報は、インパクトがなかった。平文が中心であり、読みにくい。動画などあると 良い。内容も、抽象的で意思決定に使えないものが多かった。(TJTA) • 政府からの情報発信は、担当者によって異なっているなど信憑性に欠けた。(旅行A社) • 地震や津波も、ハワイの太平洋津波センターのWebサイトをチェックする方が情報が早い。(旅行A社) • 第一報がどこから来るかは様々であるが、いずれにせよタイ政府あるいは政府系機関の情報を利用 することはない。(旅行B社) • TTUは情報が一日遅れであり、この翻訳だけでは足りなかった。 (TAT日本人スタッフ) g.訪問調査(情報提供サイトの評判-日本関係者) ○TTUによる災害情報発信の効果について、日本関係者は課題ありと評価している。 ○特に、日本関係者においてはTTUの認知度が低く、広報・周知が課題と見られる。

(2)調査結果 ①タイ:洪水発生時における政府の情報提供体制(その9)

(12)

Ⅲ資料編-海外事例調査 12 【日本国観光庁のWebサイト構築に対するコメント (その1)】 他の情報源をつなぐポータルサイトへのニーズあり • 情報の早いところとリンクを結ぶことも重要ではないか。協力者として有望なのは、日本に来てもらえないと 死活問題になる立場の方々であろう。(TAT日本人スタッフ) • 自前で情報を用意するとリソースもかかり、即時性も損なわれる。同じ情報を複数の窓口から出されると、 混乱にも繋がる。ポータルサイトを目指すことが効率的では。 (旅行B社) 公共の情報は政府からの提供にニーズあり • 国の対応(臨時交通手段、食事、水など)について把握できると良い。(旅行A社) • 交通網がどうなっているかは、民間企業では把握しがたい。(旅行A社) • 災害発生時に欲しい情報としては、どの地域が安全なのかという情報、交通インフラの状況、宿泊施設の状況、 食べ物・飲み物の情報である。また、より緊急性の低いものとしては、催し物の情報や観光地の状況 (建物が崩れていないか、閉鎖されていないか、など)といった、その場所に行ってやりたいことができるか、 という情報である。(旅行B社) • 次の機会に使うとすれば、交通機関の状況は必要な情報である。また、川の流量やダムの水位など、 公的な 管理のもとにある情報も必要である。他に、国のステートメントが集まっているというのも良い だろう。 (日系WebニュースC社) h.災害時情報提供ポータルサイトに対するコメント(1/2) ○災害時に情報提供を行うWebサイトについて、他の情報源をつなぐポータルサイトへのニーズ、 また、政府ならではの情報提供へのニーズが聞かれた。

(2)調査結果 ①タイ:洪水発生時における政府の情報提供体制(その10)

(13)

Ⅲ資料編-海外事例調査 13 【日本国観光庁のWebサイト構築に対するコメント (その2)】 MAPに紐付いた情報、動画や写真などのメディア情報が有用 • マップに紐付けられた動画や写真やライブカメラは、有用である。(TJTA) • 動画の活用は重要である。今の時代は、写真ではなく3Dの情報がないと現実味に欠ける。 文字情報だけでは、なおさら見ないだろう。(旅行A社) 収束時の情報提供や、ポジティブな情報が重要 • メディアなどが流さないポジティブメッセージを出すことが重要である。(旅行A社) • 国の役割として重要と感じるのは、もう大丈夫というPRである。マスメディアは、発生した時には大きな報道を するが、沈静化したときには報道してくれない。(旅行B社) Webらしい速報性や双方向性に期待 • 未確認情報でも出していくという思い切りが必要ではないか。(旅行A社) • 業界関係者等がログインすることで自分たちが得た情報を書き込めるサイトとしてはどうか。民間が持つ情報 は政府とは異なるため、政府としてもメリットがある。(旅行A社) アップデート回数が重要 • アップデートの頻度も重要である。1日1回というレベルでは足りず、有事のときには1日3回、5回とアップデート する。見るたびにアップデートされていれば、活用されるようになる。逆に何度見ても変わっていないと、 見なくなる。(旅行A社) h.災害時情報提供ポータルサイトに対するコメント(2/2)

(2)調査結果 ①タイ:洪水発生時における政府の情報提供体制(その11)

○災害時に情報提供を行うWebサイトについて、Webの特性(MAP活用、動画・写真などのメディア活用、 速報性、双方向性)を活かしたコンテンツ提供へのニーズが聞かれた。

(14)

Ⅲ資料編-海外事例調査 観光への 影響 •NZではクライストチャーチ空港は22日閉鎖。23日から再開。 •日本からツアーは一時催行中止。3月下旪までの催行を見合わせする会社も出た。 •NZへの観光客数は、世界的な景気後退などにより、10年度(10年4月~11年3月)が6.1% 減の250万6639人。11年3月単月で見ると11.4%減と、地震の影響も大。 発災後の 対応状況

•政府観光局は発災当日から4日間、1日1~3回、Webサイト(NEW ZEALAND TOURISM) で空港等交通インフラ情報を発信。 •クライストチャーチ内の観光客、その家族、訪問予定者向けに情報を整理。観光客の家族向 けには、安否確認のための情報も提供。 発災後の 情報提供 関する対応 (詳細) •初回の更新は発災当日(2011年2月22日)で、クライストチャーチ空港の一時的な閉鎖や、 交通機関への影響について簡潔に報告。 •第2回の更新は当日の午後(22日18時30分)に行われ、上記に加えて、非常事態宣言が発 令されたこと、他の空港には影響がないことを報告。 •第3回以降の更新(23日10時、第4回:14時、第5回:17時50分、第6回:24日10時)では、空 港情報等に加え、詳細な道路、鉄道、港湾情報を提供。また、宿泊先や航空券のない観光 客への対応や、都市間のコーチサービスについて周知。 •第4回(23日14時)以降は、「全般的な情報」、「クライストチャーチ内にいる観光客向けの情 報」、「クライストチャーチへの訪問を予定している観光客向けの情報」、「NZのその他の地域 への訪問を予定している観光客向けの情報」、「クライストチャーチ内にいる観光客の家族や 友人向けの情報」に分けて、情報提供を実施。 ■ニュージーランド地震の事例(1/5) 14 出典:ニュージーランド政府観光局webサイト:http://www.tourismnewzealand.com/news-and-features/christchurch-earthquake-update-archive/

(2)調査結果 ②ニュージーランド:地震発生時の政府観光局の対応(その1)

○2011年2月のニュージーランド地震における地震発生時の情報提供(例) を以下に示す。 ○地震発生時には、政府観光局が平時より運用しているWebサイトを用いて、観光客向けに情報を発信。

(15)

Ⅲ資料編-海外事例調査 ■ニュージーランドの事例(2/5) NZ地震発生時の政府観光局Webサイト における情報発信(第1回) NZ地震発生時の政府観光局Webサイト における情報発信(第2回) NZ地震発生時の政府観光局Webサイト における情報発信(第3回) 出典:ニュージーランド政府観光局webサイト: http://www.tourismnewzealand.com/news-and- features/christchurch-earthquake-update-archive/earthquake-update-two/ 出典:ニュージーランド政府観光局webサイト: http://www.tourismnewzealand.com/news-and-features/christchurch-earthquake-update-archive/christchurch-earthquake-update-three/ 出典:ニュージーランド政府観光局webサイト: http://www.tourismnewzealand.com/news-and- features/christchurch-earthquake-update-archive/earthquake-update-one/ 15

(2)調査結果 ②ニュージーランド:地震発生時の政府観光局の対応(その2)

(16)

Ⅲ資料編-海外事例調査 ■ニュージーランドの事例(3/5) 16 NZ地震発生時の政府観光局Webサイトにおける情報発信(第4回) 出典:ニュージーランド政府観光局webサイト: http://www.tourismnewzealand.com/news-and-features/christchurch-earthquake-update-archive/christchurch-earthquake-update-four/ クライストチャーチ内 にいる観光客 向けの情報 = クライストチャーチ への訪問を 予定している 観光客向け の情報 = クライストチャーチ内にいる観光客の家族や 友人向けの情報 =

(2)調査結果 ②ニュージーランド:地震発生時の政府観光局の対応(その3)

(17)

Ⅲ資料編-海外事例調査 ■ニュージーランドの事例(4/5) 17 NZ地震発生時の政府観光局Webサイトにおける情報発信(第5回) 出典:ニュージーランド政府観光局webサイト: http://www.tourismnewzealand.com/news-and-features/christchurch-earthquake-update-archive/christchurch-earthquake-update-five/ クライストチャーチ内にいる観光客向けの情報 = クライストチャーチへの訪問を予定 している観光客向けの情報 = クライストチャーチ内にいる 観光客の家族や友人向け の情報 =

(2)調査結果 ②ニュージーランド:地震発生時の政府観光局の対応(その4)

(18)

Ⅲ資料編-海外事例調査 ■ニュージーランドの事例(5/5) 18 NZ地震発生時の政府観光局Webサイトにおける情報発信(第6回) 出典:ニュージーランド政府観光局webサイト: http://www.tourismnewzealand.com/news-and-features/christchurch-earthquake-update-archive/christchurch-earthquake-update-six/ クライストチャーチ内にいる観光客向けの情報 = クライストチャーチへの訪問を予定 している観光客向けの情報 = = クライストチャーチ内にいる 観光客の家族や友人 向けの情報 = NZのその他の地域への 訪問を予定している 観光客向けの情報

(2)調査結果 ②ニュージーランド:地震発生時の政府観光局の対応(その5)

(19)

Ⅲ資料編-海外事例調査 観光への 影響 •欧州を中心に30か国近くに影響、数百万人が各地で足止め。 •日本からの欧州ツアー客7000人以上が旅行を中止。 発災後の 対応状況

•欧州の航空運航状況を統括するユーロ・コントロール(European Organisation for the Safety of Air Navigation:欧州航空航法安全機構)が、運航情報や火山灰情報をWebやTwitterで配 信。 •各航空会社のコールセンターはパンク。Twitterで乗客からの問合せに個別対応。 ※ユーロ・コントロールは、2012年現在、欧州の39の国で構成する政府間組織。構成国が欧州全土において安全・効率的で環境に配慮した航空交通管制を行うことを支 援。 発災後の 情報提供に 関する対応 (詳細) •ユーロ・コントロールが、運航情報や火山灰情報をWebやTwitterで配信。具体的には、各国の 航空事業関連団体のツイートのリツイート、ユーロ・コントロールのTwitterアカウントに寄せら れたツイートに対する個別対応。 •ツイートには、#ashtag(一般ユーザーが設定)や#ashcloud(#ashtagに遅れて航空会社が公 式に使用。主流は#ashtag)といったハッシュタグを付記し、観光客の容易な情報取得に配慮。 •各航空会社のコールセンターはパンク。Twitterで乗客からの問合せに個別対応。Twitterの ハッシュタグに最初に参加したのはKLMとルフトハンザであり、最新の運航情報を流した他、 乗客からの問合せツイートへの個別対応も。 •単なる運航案内だけではなく、個別払戻しや宿泊代提供も含めて柔軟に対応。 •ユーロ・コントロールのTwitterアカウントのフォロワーは、火山が噴火した14日の翌日から1週 間で3500→7000に倍増。 ■アイスランド火山噴火の事例(1/3) 19

(2)調査結果 ③アイスランド:火山噴火発生時の欧州における対応(その1)

出典: http://www.eurocontrol.int/faq?tid=517, http://blogs.itmedia.co.jp/saito/2010/04/post-41d4.html , http://simpliflying.com/2010/simpliflying-hero-may-2010-aurelie-valtat-from-eurocontrol/ ○2010年4月のアイスランドにおける火山噴火発生時の情報提供(例) を以下に示す。 ○Twitter活用企業による災害時緊急対応の成功事例。

(20)

Ⅲ資料編-海外事例調査 ■アイスランド火山噴火の事例(2/3) 20 出典:http://twitter.com/eurocontrol 火山噴火発生時ユーロ・コントロールのTwitter活用(例) 火山噴火発生時KLM社のTwitter活用(例) 出典:http://twitter.com/KLM

(2)調査結果 ③アイスランド:火山噴火発生時の欧州における対応(その2)

(21)

Ⅲ資料編-海外事例調査 ■アイスランド火山噴火の事例 (3/3) 21 出典:http://simpliflying.com/2010/simpliflying-hero-may-2010-aurelie-valtat-from-eurocontrol/ ユーロ・コントロールのフォロワー増加状況 出典:http://www.metoffice.gov.uk/aviation/vaac/data/VAG_1306194460.png ユーロ・コントロールがTwitter上で提供した火山灰に関する情報 (作成はMet Office)

(2)調査結果 ③アイスランド:火山噴火発生時の欧州における対応(その3)

(22)

Ⅲ資料編-海外事例調査 観光への 影響と経過 <影響> • 観光客数は、2004年には約1000万人であったが、2006年には370万人に減少。2010年には830万人にまで 回復。2011年は875万人を記録。 • 経済効果(観光客による支出)は2004年には4.9億ドルであったが、2006年には2.8億ドルまで下落。 • 経済効果(観光客による支出)は、2010年には5.3億ドルまで回復。2011年は5.47億ドル。 発災後の 対応状況 <発生当時> • 市長は非常事態を宣言し、過去のハリケーン発生時と同様、市民に任意の避難勧告を発令。 • 災害時には、電気、携帯電話、コンピューター、電話回線が寸断、コンベンション・ビジターズ・ビューロー(以 下、CVB)のWebサイトのアップデートが唯一のコミュニケーション手段。メディアへの連絡は容易ではなかっ た。 ※CVBは、ニューオリンズ市内の観光関連業者からなる組織。ホテル税収入とメンバーシップ料金で運営。ホテル、レストラン、 名所等の情報提供を行う他、コンベンションや観光客の連絡照会先として機能。 <長期的な対応> • 観光客への情報提供が円滑に行われなかった反省から、CVBは、2006年6月1日、観光客向けに緊急対策 計画(Tourism Emergency Communication Plan)を策定し、毎年見直しを実施。

• 現在、発災時には、CVBが観光関連業者や観光客、各国大使館、メディア等に災害情報を随時報告。また、 コンベンション等を行う団体に直ちに連絡し、絶え間なく災害情報を伝達。さらに、災害が深刻な場合、CVBの Webサイトに一元的に最新情報を掲載。災害収束まで、市内各ホテルに直接、電子メールで情報提供。 ■ハリケーン・カトリーナの事例(1/2) 22

(2)調査結果 ④米国:ハリケーン・カトリーナ発生時のニューオリンズ市の対応(その1)

出典:観光庁「平成23年度過去に発生した海外と日本国内の観光分野へ多大な影響を与えた災害の類型化およびその災害からの各国の観光分野における復興プロセス調査」関連資料 http://www.neworleanscvb.com/, http://www.neworleanscvb.com/articles/index.cfm?action=view&articleID=7185&menuID=1602, http://www.neworleanscvb.com/includes/content/images/MEDIA/docs/2011erplan.pdf ○2005年8月のアメリカ合衆国南東部を襲った大型ハリケーンのカトリーナ発生を契機とした情報提供(例) を 以下に示す。 ○カトリーナ発生時には、観光客への情報提供が円滑に行われなかったとされ、その後情報伝達システムが刷新。

(23)

Ⅲ資料編-海外事例調査 発災後の 情報提供に 関する対応 (詳細) <発生当時> • 市長は非常事態を宣言し、過去のハリケーン発生時と同様、市民に任意の避難勧告を発令。 • 災害時には、電気、携帯電話、コンピューター、電話回線が寸断、CVBのWebサイトのアップデートが唯一 のコミュニケーション手段。メディアへの連絡は容易ではなかった。 • カトリーナ発生時には、観光客への情報提供が円滑に行われなかったとされ、その後、この反省を踏まえ て、情報伝達システムが刷新。 <カトリーナの経験を踏まえた現状の体制> • 住民と観光客に対する市長のアナウンスだけだった緊急対策計画を大幅に見直し。災害時に、住民だけで なく観光客の安全を確保するとともに、住民や観光客とのコミュニケーション手段の確保にも万全を期す計 画に改善。 • 市内のホテルは、2週間先までの予約状況を市政府の警察部局・観光部局や州政府等に毎週報告。水は 飲めるか、大気汚染はあるか、電気が回復したエリアはどこかなど、平時から、観光客の安全の迅速な確 保のための情報共有体制を整備。 • 被災時には、CVBが災害情報を観光関連業者や観光客、各国大使館、メディア等に随時報告。また、コン ベンション等を開催する団体に直ちに連絡し、絶え間なく災害情報を伝達。 • 災害の状況が深刻化した場合には、 CVBのWebサイトにその内容を掲載。災害収束まで、市内各ホテル とホテル指定のジェネラル・マネージャーに直接、電子メールで情報提供。 • 観光客の市外への避難が必要な場合、又は観光客が希望した場合は、緊急対策計画に基づき、市外等に より迅速に避難させる。 • 毎年ニューオリンズ市民を対象とした避難訓練を実施。 • 緊急対策計画は毎年改訂。 ■ハリケーン・カトリーナの事例(2/2) 23 出典:観光庁「平成23年度過去に発生した海外と日本国内の観光分野へ多大な影響を与えた災害の類型化およびその災害からの各国の観光分野における復興プロセス調査」関連資料

(2)調査結果 ④米国:ハリケーン・カトリーナ発生時のニューオリンズ市の対応(その2)

(24)

Ⅲ資料編-海外事例調査

(2)調査結果 ⑤韓国:気象庁のスマートフォンを利用した情報提供

■韓国気象庁の対応の事例 各地の当日の黄砂濃度 各地の現在の天気 週間天気予報 発生した台風の進路や強さ 韓国国内及び世界で発生した 地震の強さや場所 サービスのトップページ 出典:韓国観光公社のPRサイト参照。2011年11月3日付けのニュース記事 http://japanese.visitkorea.or.kr/jpn/MA/MA_JA_9_6_1.jsp?cid=1426708 24 ○韓国気象庁では、韓国在住外国人と外国人観光客向けに、モバイルサイト上でタイムリーかつ正確な気象情報や地 震情報を英語及び韓国語で提供するサービスを開始。今後、日本語と中国語にも対応予定。 ○当該サービスでは、各地の現在の天気、週間天気予報、発生した台風の進路や強さ、各地の当日の黄砂濃度、韓国 国内及び世界で発生した地震の強さや場所などの情報を提供。

参照

関連したドキュメント

 しかし,李らは,「高業績をつくる優秀な従業員の離職問題が『職能給』制

運営、環境、経済、財務評価などの面から、途上国の

現在政府が掲げている観光の目標は、①訪日外国人旅行者数が 2020 年 4,000 万人、2030 年 6,000 万人、②訪日外国人旅行消費額が 2020 年8兆円、2030 年 15

海外旅行事業につきましては、各国に発出していた感染症危険情報レベルの引き下げが行われ、日本における

J-STAGE は、日本の学協会が発行する論文集やジャー ナルなどの国内外への情報発信のサポートを目的とした 事業で、平成

の総体と言える。事例の客観的な情報とは、事例に関わる人の感性によって多様な色付けが行われ

事  業  名  所  管  事  業  概  要  日本文化交流事業  総務課   ※内容は「国際化担当の事業実績」参照