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日交通量10万台区間におけるRC床版取替工事─九州自動車道・向佐野橋─

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1. は じ め に  九州自動車道は,九州を南北に結ぶ基幹道路であり, 1971 年にまず植木 IC~熊本 IC 間が開通している。現在 では,その延長の約 70%が供用後 30 年以上経過してお り,橋などの構造物の経年的な劣化も顕在化しはじめて いる。向佐野橋は,この九州自動車道の最重交通区間で ある太宰府 IC~筑紫野 IC 間に位置し(図-1),1975 年 に供用を開始した橋である。本橋は,単径間 RC 中空床 版橋,4 径間連続鋼鈑桁橋,2 径間連続 RC 中空床版橋 から構成されているが,特に 4 径間連続鋼鈑桁橋の RC 床版の劣化が著しく,その抜本的な補修対策としてプレ キャスト PC 床版を用いた全面取替工事を実施した。  本工事は日交通量約 10 万台の重交通区間で行われる ことから,渋滞が生じる車線規制期間を短縮するととも に,高速道路利用者や周辺環境に配慮した施工方法を採 用した。さらに,材料等の仕様は,耐久性の向上と環境 負荷の低減に配慮した。本稿では,プレキャスト PC 床 版の取替方法,設計概要や使用材料を中心に報告する。 2. 向佐野橋の概要と劣化状況  向佐野橋は,大宰府 IC から約 2.5 km に位置する片 側 3 車線の橋で,その直下を JR 鹿児島本線が斜め約 17° で交差している(写真-1)。そのため,4 径間連続鋼鈑 桁橋の中間支点では,斜角約 73° で配置された橋脚上の 鋼箱形横梁に,上下線の主桁が剛結されるという特徴の ある構造となっている(図-2)。  本橋は 1975 年に供用を開始したが,その RC 床版は, 供用 10 年後には遊離石灰が確認され,15 年後にはコン クリートの剥離が生じはじめている。これらの損傷に対 しては,1990 年には下面のエポキシ樹脂による補修を, 1990 年と 1994 年には上面の部分打替えを,さらに, 1995 年には上面増厚を行っている(図-3)。また,床版 下側には 1994 年に剥落防護ネットを設置したが,1997 工事記録

日交通量 10 万台区間における RC 床版取替工事

─九州自動車道・向佐野橋─

山本敏彦

*1

・今村壮宏

*2

・三浦泰博

*3

・藤木慶博

*4  概 要 九州自動車道の日交通量約 10 万台区間の高速道路橋で,車線規制をして劣化した RC 床版をプレキャスト PC 床版に取替える工事を実施した。この工事では,工事箇所の制約条件や車線規制期間の短縮等から,プレキャスト PC 床 版の橋軸方向の継手に,エンドバンド継手を採用した。また,使用する材料等の仕様は,コンクリートに高炉スラグ微粉 末を混合するなど,耐久性の向上と環境負荷の低減に配慮した。本稿では,その工事内容を報告する。  キーワード:鋼鈑桁橋,RC 床版取替え,プレキャスト PC 床版,エンドバンド継手,高炉スラグ微粉末 *1 やまもと・としひこ/西日本高速道路㈱ 九州支社 久留米管理 事務所 改良課長 *2 いまむら・たけひろ/西日本高速道路㈱ 九州支社 保全サービ ス事業部 改良グループ サブリーダー *3 みうら・やすひろ/オリエンタル白石㈱ 福岡支店 施工・技術 部 土木工事チーム 現場代理人 *4 ふじき・よしひろ/オリエンタル白石㈱ 福岡支店 施工・技術 部 土木工事チーム 副現場代理人 高速道路(供用後 30 年以上) 高速道路(供用後 30 年未満) 門司 IC 北九州 八幡 IC 福岡 太宰府 IC 筑紫野 IC PC 工場 6 車線区間 久留米 IC 九州自動車道 植木 IC 熊本 IC 熊本 佐賀 大分 長崎 向佐野橋 図-1 九州自動車道と向佐野橋の位置 写真-1 九州自動車道・向佐野橋と JR 鹿児島本線

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年にかぶりコンクリートが 3 m×1 m の範囲で落下した ため,2000 年に剥落防護用の床鋼板を配置している(写 真-2)。しかしながら,2003 年頃から路面のポットホー ルが多発し路面補修の頻度が急増したため,RC 床版全 体の健全性が著しく低下していることが懸念された。そ こで,詳細調査を行い,パネル(主桁間×横桁間)ご との上下面それぞれの劣化度から健全度を複合評価した 結果,上り線は 88%,下り線は 37%のパネルが「劣化 が大きく,早急な補修が必要」なランク以上と判定され, 抜本的な補修対策が必要と判断された1)  このような,RC 床版の比較的早期な劣化進行は,主 に以下のような要因によるものと推定された1) 1) 使用されたコンクリートが,水セメント比の配合 推定値は約 69%であり,コアの圧縮強度は最小で 15 N/mm2,透水係数も最大で 1.5×10-2cm/s と低 品質で多孔質である。 2) RC 床版は 1972 年道示(TL-20)に基づいて設計 されており,現状の重交通量に対して疲労耐久性が 不足している。また,上面増厚を行っているが,当 初床版との付着強度が低く,層間剥離により一体性 が確保されていない。 3) 増厚部と当初床版との剥離により,層間に滞水が 生じてコンクリートを土砂化させる。さらに,凍結 防止剤も浸透して塩化物イオン濃度が増加し(上縁 側鉄筋位置で最大 3.0 kg/m3),鉄筋腐食を促進さ せる。 3. プレキャスト PC 床版への取替概要  RC 床版の抜本的な補修対策としては,①床版上部の 全面打替え,②剥落防護用の床鋼板を利用した場所打ち 合成床版への取替え,③プレキャスト PC 床版への取替 えなどが考えられる。また,施工方法として,床版全幅 を一括で施工する方法と,2 分割して施工する方法とが 考えられる。本橋では,これらの案について,LCC や 社会的影響度(車線規制期間の渋滞損失),施工性,維 持管理性などを比較した結果,プレキャスト PC 床版を 用いて床版全幅を一括で取替える案を選定した1)  プレキャスト PC 床版への取替順序を,図-4 に示す。 取替えでは,まず下り線側に車線幅員を 3.250 m に縮小 上り線 市道 32 000 15450 15450 1100 A1 P1 R=5 000 .0 A=1 800 .0 P2 P3 P4 大佐野川 JR 鹿児島本線 P5 P6 A2 下り線 【単径間 RC 中空床版橋】 幅員拡幅 19 050 18 350 37 500 38 000 【4 径間連続鋼鈑裄橋】 RC 床版取替 153 000 38 000 38 500 【2 径間連続中空床版橋】 幅員拡幅 38 000 18 470 18 650 筑紫野 A1 P1 P2 P3 P4 P5 P6 A2 太宰府 市道 JR 鹿児島本線 大佐野川 M F M M F M M M F M DL=20.0 向佐野橋 210 050 図-2 向佐野橋の一般図 アスファルト舗装 D 19 D 19 220 75 25 アスファルト舗装 鋼繊維補強コンクリート 切削 10 増厚 60 50 210 270 (a) 当初断面 (b) 上面増厚後断面 図-3 RC 床版の床版厚 写真-2 剥落防護用の床鋼板

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した上下各 2 車線を配置し,上り線側を全幅一括で取替 えた。その後,上り線側に縮小した上下各 2 車線を配置 し,下り線側を全幅一括で取替えた。ここで,既設の RC 床版全幅では,縮小した車線幅員でも上下各 2 車線 を配置できないことから,上り線施工時には中央分離帯 部分に仮設の鋼床版を設けて幅員を拡幅した。なお,車 線規制区間の制限速度は 50 km/h とし,高速道路利用 者の安全性を確保するために,上下線の間には PGF を 用いた仮設防護柵を設置した。下り線施工時の片側縮小 2 車線での供用状況を,写真-3 に示す。  上下線の取替えは,それぞれ約 30 日間で行い,迂回 路の施工および撤去を含めて,夏季混雑期から年末年始 混雑期の間に連続して行った。  プレキャスト PC 床版への取替えは,図-5 に示すよう に,トラッククレーン 2 台を使用して,P3橋脚から両 側に向けて行った。ここで,トラッククレーンの施工 ヤード内への侵入方向は 1 方向であることから,一般的 には,トラッククレーンの 1 台は後尾を架設側に,1 台 は車頭を架設側に向けて配置される。しかしながら,こ の区間は片側 3 車線の幅員があり,1 200 kN トラックク レーンは施工ヤード内で反転することが可能であること から,両トラッククレーンとも,車両端部からの作業半 径が大きくなる後尾を架設側に向けて配置した。  取替えでは,騒音の発生の恐れがある RC 床版の撤去 から鋼桁上フランジ上のケレンまでを 8:00~18:00 の間 に行った。プレキャスト PC 床版は,一般道を運搬可能 な 21:00 より PC 工場(図-1)から搬出し,24:00 まで に架設を完了した。その後,スタッドジベルの溶殖と無 収縮モルタルの充てんを行い,1 サイクルとした。ト ラッククレーン 1 台当たりの架設枚数は,3 ~ 4 枚/日で 15 450 1 100 15 450 【下り線】 2 250 3 500+3 750+3 500 750 As 舗装 t=50 【上り線】 750 3 500+3 750+3 500 2 250 RC 床版 t=270 (a) 取替工事前(片側 3 車線供用) 500 9 月 9 日~10 月 7 日(29 日間) プレキャスト PC 床版 トラッククレーン 仮設遮音壁 【下り線】 【上り線】 500 2 @ 3 250 1 500 2 @ 3 250 仮設 PGF 仮設鋼床版 (b) 上り線施工(片側縮小 2 車線供用) 仮設遮音壁 トラッククレーン 10 月 23 日~11 月 21 日(30 日間) プレキャスト PC 床版 【下り線】 【上り線】 500 2 @ 3 250 1 500 2 @ 3 250 500 仮設 PGF (c) 下り線施工(片側縮小 2 車線供用) 15 730 20 16 250 【下り線】 【上り線】 2 555 3 500+3 750+3 500 1 755 As 舗装 t=75 1 945 3 500+3 750+3 500 2 555 プレキャスト PC 床版 t=240 (d) 取替工事後(片側 3 車線供用) 図-4 プレキャスト PC 床版への取替順序 写真-3 下り線の施工と片側縮小 2 車線供用 施工方向 1 200 kN トラッククレーン ポールトレーラ プレキャスト PC 床版 (最大 187 kN) 既設 RC 床版 既設 RC 床版撤去(昼間) プレキャスト PC 床版架設(夜間) プレキャスト PC 床版 施工方向 2 000 kN トラッククレーン プレキャスト PC 床版 (最大 187 kN) 既設 RC 床版 上り線施工時(筑紫野側) P1 P2 P3 P4 P5 9 日目 3 枚 8 日目4 枚 7 日目4 枚 6 日目4 枚 5 日目3 枚 4 日目4 枚 3 日目4 枚 2 日目4 枚 1 日目6 枚 2 日目4 枚 3 日目4 枚 4 日目4 枚 5 日目3 枚 6 日目4 枚 7 日目4 枚 8 日目4 枚 9 日目3 枚 図-5 プレキャスト PC 床版への取替概要(下り線施工時)

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ある。なお,上り線の筑紫野側の架設では,ポールトレー ラを高速道路脇の側道に入れて橋上から吊上げること で,高速道路本線へのポールトレーラの出入台数を低減 した。 4. プレキャスト PC 床版と継手構造 4.1 橋軸方向の継手構造  プレキャストPC床版の橋軸方向の接合方法としては, PC 構造と RC 構造とがある。本橋では,コストが安く 将来的に部分取替えも可能な RC 構造とした。  RC 構造の継手構造としては,標準的には,図-6(a) に示すループ継手が用いられている。この継手構造では, 継手内横方向鉄筋は,床版の横から挿入するか,鋼桁位 置の鉄筋曲げ半径を小さくして設けた空間から挿入する ことになる。しかしながら,本橋は JR と交差しており, 周辺の住宅に配慮して工事中は仮設の遮音壁も設置して いることから(図-4),床版の横から継手内横方向鉄筋 を挿入することができない。また,鋼桁位置に設けた空 間からの挿入も,継手内横方向鉄筋を湾曲させながらの 挿入となるので,挿入が困難で騒音を伴う恐れもある。  そこで,本橋では,継手構造として図-6(b)に示すエ ンドバンド継手を採用した2)。この継手構造は,端部に エンドバンド(鋼管)を圧着した鉄筋を使用し,エンド バンドの支圧抵抗力と鉄筋の付着力との複合作用により 定着することで,重ね継手(継手長 30φ)に比べて継手 長を 15φまで短くすることができる。写真-4 に,エン ドバンド継手を示す。  エンドバンド継手での継手内横方向鉄筋の挿入方法 を,図-7 に示す。継手内横方向鉄筋は,プレキャスト PC 床版の架設時に,あらかじめ上縁側鉄筋の下の仮配 置空間に挿入しておくことで配置が可能である。この仮 配置空間のある断面形状は,様々な形状の目地部に対し て載荷実験した結果の中で,ひび割れ幅が最も抑制され た形状でもある。プレキャスト PC 床版架設時の継手内 横方向鉄筋の挿入状況を,写真-5 に示す。  なお,エンドバンド継手の採用にあたっては,ループ 継手に対して実施された輪荷重走行疲労試験と同一条件 での試験を実施し,その疲労耐久性が同等であることを 確認した3) 4.2 プレキャスト PC 床版の配置  プレキャスト PC 床版の配置は,主桁軸線に直角方向 に配置する場合と,斜角方向に配置する場合とがある。 本橋では,以下の点から斜角方向に配置した。 1) RC 床版の主鉄筋が斜角方向に配置されているこ とから,トラッククレーンやポールトレーラに対す る床版耐荷力を確保するため,床版撤去時の切断方 向を主鉄筋方向と一致させる。 (a) 標準的なループ継手 330 La=280≧279 40 継手内横方向鉄筋 D 19 160 55 25 31 10 30 D 10 橋軸方向鉄筋 D 19 dB=106≧98 240 95 50 95 40 40 440 15 φ=285 継手内横方向鉄筋 D 19 112 240 340 橋軸方向鉄筋 D 19 (b) 向佐野橋で採用したエンドバンド継手 図-6 プレキャスト PC 床版の RC 継手構造 継手内横方向鉄筋 仮配置空間 架設中床版 垂直に降下 架設済床版 仮配置空間 図-7 継手内横方向鉄筋の挿入方法 写真-5 継手内横方向鉄筋の挿入 写真-4 エンドバンド継手 圧着鋼管支圧力 付着力

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2) 車線規制期間を短縮するために,端部場所打ち床 版部を極力少なくする。  また,連続桁の中間支点部においては,曲げモーメン トの最大点は支点位置となるため,弱点部となるプレ キャスト PC 床版の間詰め部を支点位置に設けないのが 一般的である。しかしながら,本橋のように主桁が箱形 横梁に剛結された構造では,横梁と主桁との接合部のせ ん断変形の不連続性により付加的な曲げ応力が床版に生 じて,支点位置よりも応力度が大きくなることから,弱 点部となる間詰め部が,横梁と主桁との接合位置上にな らないようにプレキャスト PC 床版を配置した。  プレキャスト PC 床版の橋軸方向の鉄筋は,中間支点 付近のひび割れを抑制するために,床版としての作用と 不完全合成桁としての合成作用とを組合せた鉄筋応力度 が 140 N/mm2以下となるように配置した。ここで,不 完全合成桁としての合成作用は,配置されたスタッドジ ベルのフレキシビリティ定数が約 2 であることから,完 全合成の場合の 60%とした4)  プレキャスト PC 床版の配置を,図-8 に示す。プレ キャスト PC 床版の幅は,運搬時の制約から,エンドバ ンド鉄筋の両端間の版直角方向の寸法が 2.5 m 以下とな るように設定した。 5. 耐久性向上と環境負荷低減 5.1 高炉スラグ微粉末の混合  本橋は海岸から 14 km の内陸部に位置するが,この 区間の凍結防止剤の散布量が年間 16 t/km に及ぶことか ら1),塩化物イオンの浸透を抑制するために,使用する すべてのコンクリートにセメントの 50%を高炉スラグ 微粉末 6 000 に置換したコンクリートを使用した。  使用したコンクリートの配合を,表-1 に示す。プレ キャスト PC 床版に使用するコンクリートは,工場での 製作工程から材齢 15 時間で緊張強度 35 N/mm2を確保 するために,水結合材比を 33.7%とした。また,場所 打ち部に使用するコンクリートは,車線規制期間の短縮 から材齢 2 日での発現強度が 30 N/mm2以上となるよう に,水結合材比を 35.0%とした。  セメント単味配合の場合と,高炉スラグ微粉末 6 000 で 50%置換した場合について,電気泳動法試験から得 られた見掛けの塩化物イオン拡散係数を図-9 に示す。 図中には,コンクリート標準示方書および道路橋示方書 で想定している水結合材比と見掛けの拡散係数との関係 を付記する。高炉スラグ微粉末を混合した配合に対して 得られた見掛けの拡散係数は,セメント単味の配合に対 して得られた見掛けの拡散係数に比べて,1/10 程度の 値となっている5)  また,高炉スラグ微粉末の混合は,耐久性を向上させ るとともに,環境負荷の低減にも寄与する。高炉スラグ 微粉末は鉄鋼製造での副生品であり,CO2排出量の原単 位はセメントの 1/30 程度である6)。したがって,セメン トの 50%を高炉スラグ微粉末に置換することで,コン クリート製造に伴う CO2排出量は約 43%低減され,本 表-1 各部位に使用したコンクリートの配合 部位 (N/mm呼び強度2 スランプ(cm) (%)W/B 空気量(%) 単位量 (kg/m3 セメント 微粉末 水 粗骨材 細骨材 膨張材 混和材 繊維 プレキャスト PC 床版 50 12.0±2.5 33.7 4.5±1.5 230 230 155 1 051 726 - 3.67 4.55 間詰め・場所打ち床版 50 20.0±2.0 35.0 4.5±1.5 226 226 165 937 766 20 4.25 4.55 地覆・壁高欄 50 23.0±2.0 35.0 4.5±1.5 226 226 165 937 766 20 4.25 - 1 925 16 577 16 771 1 840 37 500 16 536 16 730 1 840 38 000 1 755 1 795 16 498 16 691 1 840 38 000 1 795 1 755 16 483 16 676 下り線 上り線 1 930 38 500 1 965 P1 P2 P3 P4 P5 橋軸方向鉄筋 D 16 版幅 1 840(1 930) 最大 2 375(2 457) 橋軸方向鉄筋 D 19 版幅 1 795 最大 2 428 橋軸方向鉄筋 D 22 版幅 1 755 最大 2 467 間詰め・場所打ち部 寸法は版直角方向の値 ( )内は P4-P5径間の値 図-8 プレキャスト PC 床版の配置

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工事で使用するコンクリート総量約 1 700 m3に対して は,約 240 t-CO2削減することになる。  なお,プレキャスト PC 床版の製造においては,蒸気 養生に替えて断熱養生シートを用いた促進養生を用いて いる7)。これより,CO 2排出量は蒸気養生に比べて約 89%低減され,約 31 t-CO2削減することになる。 5.2 剥落防止用繊維の混入  本橋は JR や市道と交差していることから,床版が将 来的に劣化した場合を想定して,コンクリート片の剥落 防止対策を行った。剥落防止対策としては,対策コスト およびプレキャスト PC 床版の製造サイクルに与える影 響を考慮して,コンクリートへのポリプロピレン繊維の 混入とした。混入したポリプロピレン繊維を写真-6 に, その特性を表-2 に示す。混入量は,剥落防止に必要な繊 維本数 20 万本/m3を確保できるように 0.5 vol%とした。  なお,地覆・壁高欄のコンクリートについては,脱枠 工程を省略するために外側面に FRP 埋設型枠を設置し ていることから,剥落防止用の繊維は混入していない。 5.3 セメント系プレグラウト PC 鋼材の使用  床版の端部は,伸縮装置を通過した後の車両からの衝 撃力によりひび割れが生じやすい。そこで,端部場所打 ち部は,耐久性の高い PC 構造とした。ここで,PC 鋼 材はグラウトの充てんが確実なプレグラウト PC 鋼材と したが,PC 鋼材緊張後に短期間で供用することから, エポキシ樹脂系プレグラウト PC 鋼材に比べてグラウト 材の強度発現が早いセメント系プレグラウトPC鋼材(写 真-7)を使用した8)  なお,セメント系のプレグラウト材は,無機系の材料 であるので環境にも優しい。さらに,PC 鋼材表面に不 動態被膜を形成するので,耐久性にも優れている。 6. お わ り に  本工事は 2010 年 11 月 21 日に下り線の施工を完了し, 迂回路を撤去した後,車線規制に用いた仮設 PGF を転 用して,盛土部の中央分離帯の施工を行っている。本工 事での施工方法や各種の仕様が,今後の RC 床版取替工 事の参考になることを期待するものである。  最後に,本工事にあたって多大なご支援を頂いた関係 各位に,心より感謝の意を表します。 参 考 文 献 1) ㈶高速道路技術センター:重交通区間における鋼橋床版の補修に 関する技術検討報告書(その 2),2008. 3 2) 阿部浩幸・澤田浩昭・大谷悟司・原 健悟:新しい RC 接合構造 を用いたプレキャスト PC 床版に関する研究,プレストレストコ ンクリート,Vol.50,No.1,pp.45~53,2008. 1 3) 原 健悟・福永靖雄・今村壮宏・三浦泰博:エンドバンド継手を 有するプレキャスト PC 床版の輪荷重走行疲労試験,第 19 回プレ ストレストコンクリートの発展に関するシンポジウム論文集, pp.61~64,2010. 10 4) 中井 博:プレキャスト床版合成桁橋の設計・施工,森北出版㈱, 1988. 5 5) 福永靖雄・石塚 純・田中正裕・吉村 徹:高炉スラグ微粉末を 用いた沖縄自動車道・億首川橋におけるリニューアル工事,コン クリート工学,Vol.47,No.2,pp.53~59,2009. 2 6) ㈳土木学会:コンクリート構造物の環境性能照査指針(試案),コ ンクリートライブラリー 125,2005. 11 7) 呉 承寧・佐橋裕隆・堀 博・吉野 博:断熱養生工法における コンクリートの配合設計法およびその実施事例,プレストレスト コンクリート,Vol.46,No.3,pp.56~60,2004. 5 8) 呉 承寧・石橋忠良・白濱昭二・広瀬晴次:超遅延性を有する PC グラウトのプレグラウト工法への応用,第 13 回プレストレストコ ンクリートの発展に関するシンポジウム論文集,pp.571~576, 2004. 10 0.01 0.10 1.00 10.00 20 25 30 35 40 45 50 水結合材比 (%) 見掛けの拡散係数(cm 2/年) 電気泳動法(C+BFS) 電気泳動法(C 単味) 道示想定値 コ標準(普通) コ標準(高炉) log =−3.9( / )2 +7.2( / )−2.5 =15.75 e−1.6( / ) 図-9 コンクリートの配合と見掛けの塩化物イオン拡散係数 表-2 使用したポリプロピレン繊維の特性 比重 0.91 繊維長 30 mm 繊維径 1.0 mm 引張強度 500 N/mm2 ヤング係数 1 000 N/mm2 融点 160~170 ℃ 写真-6 剥落防止用に混入したポリプロピレン繊維 写真-7 セメント系プレグラウト PC 鋼材

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