• 検索結果がありません。

ネットワーク型RTK-GPS測量

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "ネットワーク型RTK-GPS測量"

Copied!
29
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

RTK-GPS 単点観測による基準点

(星測点)測量作業マニュアル

平成

18 年 3 月

(2)

[序]...3 1. はじめに ...3 2. 工事測量等の測量手法...3 3. ネットワーク型RTK-GPS測量...5 4. 単点観測法 ...5 5. 既存基準点との整合 ...6 6. 測量作業マニュアル(案) ...6 1) 目的と適用範囲 ...6 2) 本マニュアルの構成 ...6 3) 標準仕様の規定 ...7 第1編 総則...8 第2編 星測点設置における単点観測によるネットワーク型RTK-GPS測量...13 第1章 概 説 ...13 第2章 星測点設置における単点観測によるネットワーク型RTK-GPS測量 ...14 第1節 作業計画 ...14 第2節 選 点...14 第3節 測量標の設置 ...15 第4節 観 測...16 第5節 計 算...22 第6節 成果等の整理 ...22 第3編 資料...24 第1章 標準様式...24 様式 - 1 ネットワーク型RTK-GPS測量観測手簿(例)...24 様式 - 2 セット間較差の点検及び座標計算 ...25 第2章 参考資料...26 2.1 ネットワーク型RTK-GPS測量への理解を高める基礎資料...26 2.2 実験結果の取りまとめ ...28

(3)

[序]

1. はじめに 富田林市では、年間を通じて多くの公共工事や管理台帳作成のための測量(以下、「工事測量等」 という。)が行われており、現地測量による公共測量3級あるいは4級基準点に相当する基準点測量 も行われている。これらの現地測量は、本来、公共測量として国土地理院の助言を得、埋設点は基準 点とし、市の財産として管理することが望まれる。特に近年では、国土交通省が推進するCALS/EC にみられるように公共事業全体を通じた測量成果の有効活用が進められており、骨格となる基準点の 管理は、当市でも後続の地形測量や応用測量を進める上で重要な位置づけと認識されつつある。さら に、これらの測量成果を取り込んだ地理情報システムの導入により各種行政サービスのための基盤整 備が図れるものと考えられている。 一方、工事測量等の骨格となる3級あるいは4級基準点測量を公共測量として行うには、既知点と して上位の国家基準点や公共基準点を使用しなければならないが、既知点は公共工事等へ効率的に利 用できるほどの密度で整備されていない。そのため、公共測量として3級あるいは4級基準点測量を 行うためには、同時に上位の基準点測量を行わざるを得ず、経済的に過度な財政負担を強いられるこ ととなる。そのため、実際には国家基準点からダイレクトに3級、あるいは4級相当の基準点測量を 実施している。これらの測量作業が公共測量として国土地理院に申請されることはなく、測量成果も 当該工事の他に利用されることはあまりない。 このような中、国土交通省国土地理院では「ネットワーク型RTK-GPSを利用する公共測量作業マ ニュアル(案)」(以下、「国土地理院マニュアル」という。)を策定され、3級及び4級基準点測量へ のネットワーク型RTK-GPS測量の適用が認められている。また、国土地理院等による実験報告から ネットワーク型RTK-GPSによる単点観測法でもスタティック測位との差も 2cm程度の範囲で一致 (再現性)しているといわれている。この精度が確保できれば、この単点観測による基準点(以下「星 測点1」という。)が3級あるいは4級基準点の既知点として十分利用可能であるとともに、これまで 公共測量手続きを経ずに実施してきた現地測量が星測点を既知点とすることで測地座標系と関連づ けて管理できるようになり、関連する成果がその他の用途にも利用可能となり、測量成果の一層の高 度利用が図れるものと考える。 そこで、本市としては星測点の設置に単点観測によるネットワーク型 RTK-GPS 測量を用いるマ ニュアルを策定し、実施するものとする。 なお、既知点間における3級及び4級基準点測量は、富田林市公共測量作業規程(国土交通省公共 測量作業規程を準用)あるいは国土地理院マニュアルによるネットワーク型 RTK-GPS 測量により 行うものとする。 2. 工事測量等の測量手法 中村英夫・清水英範共著『測量学』では、第1章測量学序説において測地的測量と平面的測量につ いて次のように解説されている。 1 基準点名称は、三角形の網を組む「三角点」に対比して、衛星から測位された点として衛星測位点 を縮めて「星測点」と呼称する。

(4)

球状である地球の形状を考慮し、地点の位置を三次元直交空間上の座標、あるいは経度、緯度、高 さとして表現しようとする測位方法を測地的測量(geodetic surveying)と呼ぶ。 一方、土地の境界を決めたり、土木工事を行ったりする場合に必要とするのは、地球上の極めて限 られた部分の測位であることが多い、このような場合、地球のその部分は基本的に平面であり、その 上に地表の起伏があると考えても必要な精度は十分確保できるのが一般である。このような立場から 地表の水平位置と高さ(基準平面からの高低差)を求める測位方法を平面的測量(plane survying)と 呼ぶ。 土木工学での調査、計画、工事に際して用いられるのは一般に平面的測量である。しかし、平面的 測量は測地的測量と独立的なものではなく、その成果は測地的測量の成果と結びつけられる。また、 平面的測量には、従来より、平面での水平位置の測量と高さの測量からなる独自の技術体系が築かれ てきたが、近年では測量技術として平面的測量と測地的測量とを明確にすることが困難となってい る。 本マニュアルでは、平面的測量と測地的測量を関連づけようとしているものであるが、かといって 平面的測量に過度の経済的負担を強いることはできない。 本市では平面的測量、いわゆる工事測量等として例年、次の事例をはじめとして多くの測量を行っ ている。 【事例】市道竜泉1号線拡張工事(整備延長 約1,000m) 1、 基準点測量(3級・4級基準点、工事用多角点) ・ 既知の三等三角点を与点として平均点間距離1,350m の 3 級基準点(木杭)を 4 点設置。 《成果精度1/24968》 ・ 工事区間に該当する3 級基準点間 1,150m において平均点間距離 60m の 4 級基準点(木 杭又は金属鋲)を19 点設置。《成果精度 1/20824》 ・ 4 級基準点間 150mにおいて平均点間距離 24m の工事用多角点を 6 点(木杭又は金属 鋲)設置《成果精度1/9132》 2、 中心線測量(1/250)、縦断測量(1/250)、横断測量(1/100) 3、 地形測量(1/250) 4、 用地測量(1/250) 5、 境界確定測量(1/250) これらの平面的測量が測地的測量として位置づけられ、各種行政サービスのための基盤となること の意義は大きい。 なお、これらの平面的測量以外にも統合型 GIS の導入と共に、下水道人孔等の位置確定において ネットワーク型RTK-GPS 測量による単点観測を実施し、GIS 基盤整備の充実を図っている。

(5)

3. ネットワーク型 RTK-GPS 測量 ネットワーク型 RTK-GPS 測量とは、3点以上の電子基準点での観測データを用いて観測点(以 下、「移動局」という)近辺に仮想的な基準局を設置したり(VRS 方式)、状態空間モデルを生成して 補正情報を計算したり(FKP 方式)することにより、電子基準点と移動局の距離に依存せず、短距 離基線のRTK-GPS 測量と同等の測位精度を実現するものである。 国土地理院が策定した RTK-GPS を利用する公共測量作業マニュアルでは、電子基準点と移動局 の距離が長くなると測位精度が低下するため、10km 以上での利用は認められていない。ネットワー ク型 RTK-GPS 測量は、仮想的な基準局や状態空間モデルによる補正情報で、距離の制約を取り除 くものである。

VRS(Virtual Reference Station、仮想基準点)方式の解説を次のとおり国土地理院マニュアルから 引用する。 VRS方式は、移動局から概略位置情報を通信装置により、位置情報サービス事業者(以下「配信 事業者」という。)に送信し、配信事業者では、移動局周辺の基準局の観測量から補正情報(電離層・ 対流圏の遅延、衛星の軌道誤差等)を求め、概略位置(以下VRS方式においては、「仮想点」とい う。)で観測されるはずの位相データ等(以下「補正データ等」という。)を計算する。移動局側で は、通信装置により配信事業者から補正データ等を受信し、RTK-GPS測量を行って位置を求める方 式である。又、サーバ型のVRS方式は、移動局の概略位置情報を通信装置により、解析処理サービ ス事業者(以下「解析処理事業者」という。)経由で配信事業者に送信し、配信事業者では、補正デ ータ等を算出し、解析処理事業者へ送信する。解析処理事業者では、移動局の位置を求めて移動局へ 返信する方式である。 ︵搬送波位相、または擬似距離︶ 観測 量 この平面を定義 する定数が FKP ΨA L A M N C ΨC X V こ の 基線 でロー バ ー の位置を計算する 仮想点 ΨV ローバー R 南北方向 ΨB B 東西方向 A、B、C:実在する基準点、ΨA、ΨB、ΨC:A、B、Cの観測量、ΨV:仮想観測量 図 1 ネットワーク型 RTK-GPS 測量(VRS 方式)の概念図 4. 単点観測法 近年の測量技術等の向上によって工事測量等といえども精度のよい測量が可能となっている。しか

(6)

し元来、工事測量等では1/10,000 程度の精度を目標に測量を実施し、1/5,000 程度を超える工事用多 角点であればよしとしてきた。この場合、既知点となる基準点の精度は 1/10,000 程度であればよい ことになる。これは200m 離れた既知点が2cm の精度で決定すればよいことになる。 既知点を相対位置2cm の精度(標準偏差)で決定することは、国土地理院マニュアルで規定され た単点観測方法でも実現できる。単点観測方法とは、国土地理院マニュアルによれば次のとおりであ る。 従来の地形・応用測量では、作業地域の基準点から放射法により観測される。しかし、ネットワー ク型RTK-GPS 測量では、従来と異なった形で観測される。VRS 方式では仮想点からの放射となるが、 基準点成果上に仮想点が設置されなければ、基準点からの放射法にはならない。また、FKP 方式で は電子基準点からの放射となるので、作業地域外からの放射法となることが多い。いずれも従来の 地形・応用測量とは異なり、作業地域の既知点とは無関係に忽然と測点が設置されることになる。 これらに共通するイメージとしては、空中写真測量における図化作業において、図化機のメスマー クにより座標値を測定する「単点」というものに似ている。 このことから、ネットワーク型RTK-GPS 測量による地形・応用測量の観測を、「単点観測法」とい う。 5. 既存基準点との整合 本マニュアルで仮想点を生成するために使用する電子基準点は、日本測地系2000 の座標を用いて 運用されているため、既存基準点も日本測地系2000 で、かつ所定の精度で整備されている必要があ る。本市では、既存基準点は基準点網が日本測地系 2000 へ変更以後にスタティック法による GPS 観測で整備されてきており、かつ、2005 年6月にネットワーク型 RTK-GPS による測量を行い、そ れらの較差がXY の合成成分でも最大 4cm 以内であることを確認している。 6. 測量作業マニュアル(案) 1) 目的と適用範囲 本マニュアルは、富田林市公共測量作業規程第16 条(機器等及び作業方法に関する特例)を適 用し、工事測量等の星測点設置にネットワーク型 RTK-GPS 測量を実施する場合の標準的な作業 方法を定め、その規格の統一、成果の標準化及び必要な精度の確保に資することを目的とする。 2) 本マニュアルの構成 本マニュアルは、工事測量等の星測点測量にネットワーク型 RTK-GPS 測量を実施する際の標 準的な作業方法、使用する機器等の必要な事項について規定している。 また、測量技術としてのネットワーク型 RTK-GPS 測量を工事測量等の星測点測量へ適用する ことに対する理解を深めるとともに、測量精度を確保し、効率的に作業が進められるようにするた め、条文、運用基準のほかに解説を加えている。なお、本マニュアルの全体構成は、次のとおりで ある。 ①第1編 総則

(7)

本マニュアルの目的、工事測量等の星測点設置にネットワーク型RTK-GPS 測量を実施する に当たっての条件及びデータの取り扱い等について規定している。 ②第2編 工事測量等の星測点設置でのネットワーク型 RTK-GPS 測量 工事測量等の星測点設置にネットワーク型RTK-GPS 測量を実施するに当たっての工程別作 業区分及び作成手法、主な測量記録等の規格について規定している。 ③第3編 資料 工事測量等の星測点設置にネットワーク型RTK-GPS 測量を実施するに当たっての精度管理 やファイル仕様等の標準様式を規定している。 3) 標準仕様の規定 本マニュアルで規定している標準仕様等は、下表の再現性、適合性、整合性の実験結果をもとに している。 再現性とは、同一点を時間差で繰り返し観測し、観測座標の変動量を検証したものである。 適合性とは、実際の測量に適合させた実験を行い、所定の精度が得られるかを確認したものであ る。 整合性とは、本手法を採用するに当たっての根拠となる日本測地系 2000 との整合度合を確認す るものである。 実験項目 実 験 内 容 備 考 5時間にわたる1時間毎観測を5日間(5×5 セット) 再現性 約2日おきの観測を 10 日間 (10 セット) それぞれの観測において、仮想点を 2m、200m、500m、1000m、2000m の距 離で生成して座標算出 約 200m の距離で TS 測量成果を真値とする精度 検証 同上、約 400m 適合性 同上、約 1,000m 仮想点までの距離は、自動、200m お よび 1000m を使用 整合性 市内の既存基準点5点で、既存座標あるいはス タティック GPS 測量成果と比較 仮想点までの距離は、自動、200m お よび 1000m を使用

(8)

第1編 総則

(目 的) 第1条 本マニュアルは、工事測量等において富田林市公共測量作業規程(平成 14 年 10 月 30 日承認) 第16 条「機器等及び作業方法に関する特例」に基づいて実施する基準点(星測点)設置におけ る単点観測によるネットワーク型RTK-GPS 測量を利用する標準的な方法を定めることにより、 その規格の統一、成果の標準化及び必要な精度の確保に資することを目的とする。 <第1 条 運用基準> 工事測量等とは、次の各号に示す測量をいう。 (1) 本市が費用を負担又は補助し実施する公共工事に伴う工事測量 (2) 本市に帰属また移管される公共施設の整備に伴う工事測量 (3) 公共施設の台帳等の整備に伴う測量 (4) その他本市の空間基盤の整備を目的に実施する測量 [解 説] 富田林市公共測量作業規程第16 条を次に表示する。 (機器等及び作業方法に関する特例) 第16 条 この規程に定めるものと異なる機器等又は作業方法は、必要な精度の確保及 び作業能率の維持に支障がないと認めて計画機関が指示し、又は承認した場合に限 り、作業の一部に用いることができる。 2 計画機関は、前項の指示又は承認をしようとするときは、国土地理院の長の意見 を求めなければならない。ただし、法第36 条の規定に基づく国土地理院の長の技術 的助言をもってこれに代えることができる。 <第 16 条 運用基準> 1.作業機関は、機器等又は作業方法を変更する場合、計画機関に対して精度を確認 するために必要な資料を提出し承認を得なければならない。 2.新しい測量技術で国土地理院が作業マニュアル等を作成した場合は、法第36 条の 規定に基づく、技術的助言によりこれを準用することができる。 第16 条における法第 36 条とは、測量法第 36 条をいい、その条文は次のとおりである。 (計画書についての助言) 第三十六条 測量計画機関は、公共測量を実施しようとするときは、左に掲げる事項 を記載した計画書を添えて、あらかじめ国土地理院の長の技術的助言を求めなければ ならない。その計画書を変更しようとする場合も、同様とする。

(9)

一 目的、地域及び期間 二 精度及び方法 三 測量作業機関の名称 注:条文は縦書きであるため、ここでは条文中、「左に掲げる事項」とは「下に掲げる 事項」を意味する。 「工事測量等」には本市が実施する公共工事のほか、本市が費用の一部または全部を負担する工事、 民間が実施する道路、公園、上下水道等公共施設整備にかかる測量が含まれる。また道路台帳、上下 水台帳、公園台帳等の施設台帳図の整備に伴う測量や、都市計画図、地形図、航空写真、地番図等空 間基盤の整備に必要な測量も含まれる。 (富田林市公共測量作業規程の準用) 第2条 本マニュアルに定めるもの以外は、富田林市公共測量作業規程の関係規定を準用する。 [解 説] 本マニュアルでは、星測点設置における単点観測によるネットワーク型 RTK-GPS 測量に特有な 事項について記述している。本マニュアル以外の事項は、富田林市公共測量作業規程を準用する必要 がある。 (星測点設置における単点観測によるネットワーク型RTK-GPS 測量) 第3条 星測点設置における単点観測によるネットワーク型 RTK-GPS 測量とは、工事測量等に使 用する3級及び4級基準点の既知点となる星測点をネットワーク型 RTK-GPS 測量の単点観測 法で観測、設置する作業をいう。 2. ネットワーク型 RTK-GPS 測量とは、基準局の観測データ等により算出された補正基準情報 と、移動局に設置したGPS 測量機で観測したデータを用い、即時に位置解析処理を行うこと で、位置を定める作業をいう。 <第3 条 運用基準> 1. 補正基準情報とは、補正データ等をいう。 2. 位置解析処理とは、基線解析をいう。 3. VRS 方式のネットワーク型 RTK-GPS 測量は、おおむね次の手順で行う。 (1) 移動局に設置したGPS測量機で、GPS衛星からの信号を受信する。 (2) 移動局からその概略位置データを、通信装置により配信事業者に送信する。 (3) 配信事業者で補正データ等を算出して、通信装置により移動局に送信する。 (4) 移動局の観測データと補正データ等を用いて、即時に基線解析を行って移動局の位置を 決定する。 4. サーバ型VRS 方式のネットワーク型 RTK-GPS 測量は、おおむね次の手順で行う。

(10)

(1) 移動局に設置したGPS測量機で、GPS衛星からの信号を受信する。 (2) 移動局からその概略位置データ及び観測データを、通信装置により解析処理事業者経由 で配信事業者に送信する。 (3) 配信事業者で補正データ等を算出して、解析処理事業者に転送する。 (4) 解析処理事業者で移動局の観測データと補正データ等を用いて、即時に基線解析を行っ て移動局の位置を決定し、移動局に送信する。 5. VRS 方式において、配信事業者とは、利用者の要求に応じて、基準局の観測データ 等を用いて、補正データ等を算出する者をいう。解析処理事業者とは、移動局の観 測 データと補正データ等を用いて、即時に基線解析を行い、移動局の座標を決定する 設 備を有する者をいう。 [解 説] 本マニュアルでは、VRS 方式のネットワーク型 RTK-GPS 測量について規定する。 (作業計画) 第4条 測量作業機関(以下「作業機関」という。)は、作業着手前に作業の方法、使用する主要な 機器、要員、日程等について適切な作業計画を立案し、これを本市の測量計画部門(以下「計画 機関」という。)に提出して、その承認を得なければならない。作業計画を変更しようとすると きも同様とする。 <第4 条 運用基準> 1. ネットワーク型RTK-GPS 測量では、作業方法、主要機器の構成、観測時間帯の選定、測量 地域近辺の基準局の稼働状況、観測データ、計算処理の流れ等について十分考慮し、適切な 作業計画を立案しなければならない。 2. 測量地域近辺の基準局の稼働状況は、観測の前後に稼働基準局配置図として、配信事業者か ら提供を受けるものとする。 (工程管理) 第5条 作業機関は、前条の作業計画に基づき、適切な工程管理を行わなければならない。 2. 作業機関は、作業の進捗状況を随時計画機関に報告しなければならない。 (精度管理) 第6条 作業機関は、測量の正確さを確保するため、適切な精度管理を行い、その結果に基づいて精 度管理表を作成し、これを計画機関に提出しなければならない。

(11)

2. 作業機関は、各工程別作業の終了時、その他適切な時期に所要の点検を行わなければならな い。 3. 作業機関は、作業の終了後速やかに点検測量を行わなければならない。 <第6 条 運用基準> 点検測量率は、10%とする。 (機器等の検定等) 第7条 作業機関は、計画機関が指定する機器については、所定の検定を受けたものを使用しなけれ ばならない。 2. 前項の検定は、測量機器の検定に関する技術を有する第三者機関によるものでなければなら ない。 3. 作業者は、観測に使用する主要な機器について、作業前及び作業中に適宜点検を行い、必要 な調整をしなければならない。 <第7 条 運用基準> 測量機器の検定は、富田林市公共測量作業規程第13 条(測量機器の検定)の規定を準用する。 (測量成果の検定) 第8条 作業機関は、高精度を要するもの又は利用度の高いものとして計画機関が指定する測量成果 については、その提出前に、検定に関する技術を有する第三者機関による検定を受けなければな らない。 <第8 条 運用基準> 測量成果の検定は、富田林市公共測量作業規程第14 条(測量成果の検定)の規定を準用する。 (測量成果等の提出) 第9条 作業機関は、作業が終了したときは、遅滞なく、測量成果、測量記録、その他必要な資料を 整理し、これらを計画機関に提出しなければならない。 2. 計画機関は、前項の規定により測量成果等の提出を受けたときは、速やかにこれを検査しな ければならない。 <第9 条 運用基準>

(12)

測量成果等の標準的な様式は、本マニュアルに規定するものとする。

(運用基準)

第10条 このマニュアル(案)に定めるもののほか、本マニュアルの運用に関し必要な事項につい ては、RTK-GPS 単点観測による基準点(星測点)測量作業マニュアル運用基準に定める。

(13)

第2編 星測点設置における単点観測によるネットワーク型 RTK-GPS 測量

第1章 概

第1 節 要 旨 (要 旨) 第11条 星測点設置における単点観測によるネットワーク型 RTK-GPS 測量とは、工事測量等に使 用する3級及び4級基準点の既知点となる星測点を設置する作業をいう。 <第11 条 運用基準> 1. 星測点間の距離は、400m 以上とする。 2. 3級及び4級基準点測量は、富田林市公共測量作業規程もしくは国土交通省国土地理院策定 のネットワーク型RTK-GPS を利用する公共測量作業マニュアル(案)によるものとする。 3. 既知点とする電子基準点は、作業地域に近接する3点以上を使用する。 (測量の方式) 第12条 星測点設置における単点観測によるネットワーク型 RTK-GPS 測量とは、ネットワーク型 RTK-GPS 測量の単点観測法により行うものとする。 2. 標高については、必要に応じて水準測量により行うことができる。 <第12 条 運用基準> ネットワーク型 RTK-GPS 測量により標高を定める場合は、国土地理院が提供するジオイドモデ ルによりジオイド高を補正して決定する。 (工程別作業区分及び順序) 第13条 工程別作業区分及び順序は、次のとおりとする。ただし、計画機関が指示し、又は承認し た場合は、これを変更し、又は一部を省略することができる。 (1) 作業計画 (2) 選 点 (3) 測量標の設置 (4) 観 測 (5) 計 算 (6) 成果等の整理

(14)

第2章 星測点設置における単点観測によるネットワーク型 RTK-GPS 測量

第1節 作業計画 (要 旨) 第14条 作業計画は、富田林市公共測量作業規程第 10 条(作業計画)の規定により、工程別に作 成するものとする。 <第14 条 運用基準> 1. 作業計画は、ネットワーク型RTK-GPS 測量の特徴を考慮し、地形図上で星測点の概略位置 を決定し、計画図を作成する。 2. 作業機関は、作業の方法、使用する主要機器、人員編成及び作業工程等を考慮して、作業計 画書を作成する。 3. 作業計画書は、GPS 衛星の配置、地形、既知点の配置、測量地域近傍の基準局の稼働状況等 を十分に考慮し作成する。 4. 既知点として使用する電子基準点外での観測は、行わないものとする。 5. 補正基準情報は、日本測地系2000 と整合したものを使用するものとする。 [解 説] 計画は、複数の星測点で路線を構築し、それらの路線は網になるようにする。 既知点として使用する電子基準点の運用状況については、配信事業者に確認する。 既知点として使用する電子基準点外では、三角辺から 10km 程度までは精度の劣化がなく、それ 以遠は 2ppm 程度で劣化するという報告もあるが、富田林市では周辺に十分な電子基準点があるた め、既知点として使用する電子基準点外での観測は行わないものとした。 測地成果 2000 の元期座標(97 年成果)に合致する補正基準情報が補正データ等として提供され る必要がある。補正基準情報が測地成果 2000 の元期座標(97 年成果)に合致するものであること を配信事業者に確認する。 第2節 選 点 (要 旨) 第15条 選点とは、計画図に基づき、現地において星測点の位置を選定し、地形、植生、地物、GPS 衛星からの信号の受信条件及びその他の現地状況に応じて、作業の実施方法を検討する作業を いう。

(15)

(星測点位置の選定) 第16条 星測点位置は、後続作業における利用、保全、配点密度等を考慮し、最も適切な位置に選 定するものとし、原則として偏心は行わないものとする。 <第16 条 運用基準> 構造物や植生等の影響によるマルチパス、GPS 衛星信号やデータ通信に対する電波障害等による観 測不良が発生しないように留意する。 (選点図及び平均図の作成) 第17条 選点図は、星測点の位置を選定し、その位置、路線等を地形図に記入して作成する。 2. 平均図は、選点図に基づいて作成し、計画機関の承認を得るものとする。 第3節 測量標の設置 (要 旨) 第18条 測量標の設置とは、星測点の位置に、永久標識等を設ける作業をいう。 <第18 条 運用基準> 1. 永久標識等とは、永久標識と一時標識をいう。 2. 永久標識は、作業地域の外縁、路線の節点などの重要箇所あるいは長期保存が可能な箇所に 使用する。 3. 永久標識は、将来の地殻変動等による測量成果の座標変換に使用することを考慮して設置す るものとする。 (計 画) 第19条 星測点に永久標識を設置する場合は、測量標設置位置通知書を作成する。 <第19 条 運用基準> 1. 永久標識の規格及び設置方法は、富田林市公共測量作業規程付録2(永久標識の規格及び埋 設方法)による。 2. 永久標識については、写真撮影する。

(16)

(点の記の作成) 第20条 点の記は、設置した永久標識等について作成する。 第4節 観 測 (要 旨) 第21条 観測とは、平均図等に基づき、移動局に GPS 測量機を整置し、GPS 衛星から搬送波位相等 の信号を受信するとともに、配信事業者から受信した補正基準情報を用いて解析処理を行い、移 動局の座標の算出及び基線解析結果、誤差バイアス量の補正処理結果等を記録する作業をいう。 (機 器) 第22条 使用する GPS 測量機は、次表に掲げるもの又は同等以上のものとする。 項 目 性 能 1級GPS 測量機 測量機器級別性能分類表による。 RTK-GPS 測量の機能を有する。 [解 説] GPS測量機級別性能 級別性能基準 判定項目 1級 2級 GPS 受信機 2周波 1周波 GPS アンテナ 2周波 1周波 受信周波数 解析ソフトウェア 2周波 1周波 求心器の精度 1mm 以内 2mm 以内 ただし、2 周波は L1 及び L2、1 周波は L1 とする。 (機器の検定) 第23条 観測に使用する機器は所定の検定を行うとともに、適宜、点検及び調整する。 <第23 条 運用基準> 1. 機器の点検は、作業着手前及び観測期間中に適宜行い、必要に応じて調整する。

(17)

[解 ] 説 アンテナポールは使用しないものとする。 (観 測) 第24条 観測は、干渉測位方式による単点観測法で行う。 <第24 条 運用基準> 1.単点観測法とは、仮想点を固定点とする放射法による観測方式をいう。 2.観測セット内の条件は、次表のとおりとする。 使用衛星数 観測回数 データ取得間隔 6衛星以上 FIX 解を得てから連続 10 エポック以上 1秒 3.仮想点は、仮想点を生成する電子基準点網内にあるものとする。 4.三脚は、GPS アンテナが標識の真上に来るように整置すると共に、観測セット内は動揺させ ないように留意する。 5.GPS アンテナの向きは、常に一定の方向を向けて整置する。 6.アンテナ底面高はmm.位まで測定する。 7.観測時における精度低下率(DOP)、標準偏差等は、メーカー推奨値を考慮して観測を行う。 8.GPS 衛星の飛来情報を考慮して観測する。 9.測量地域の周辺にある基準局の稼働状況等を調べ、正常なネットワーク型RTK-GPS 測量に よる観測が可能であることを確認する。 10.GPS 衛星の最低高度角は、15°を標準とする。ただし、上空視界の確保が困難な場合は、 最低高度角を30°まで緩和することができる。 11.初期化に著しく時間を要する場合は、初期化位置の見直しを行う。 12.観測は、路線を決めて往復観測を原則とする。 13.仮想点は往路と復路のぞれぞれに設置するものとし、往路あるいは復路それぞれの観測中 は変更しないものとする。 14.往路と復路の観測には、1時間以上の時間を空けることを標準とする。 15.2回観測の較差の許容範囲は、次表のとおりとする。 座標 較差の許容範囲 水平(⊿N、⊿E) 20mm 以内 標高(⊿U) 50mm 以内 16.2回観測の較差が許容範囲を超える場合は、さらに1 時間以上の時間を空け、いずれかの 座標較差が許容範囲内に入るまで路線単位での観測を繰り返すものとする。

(18)

座標 許容範囲 許容範囲 PS 観測) 16.計画機関が必要と認める場合には一連の観測の開始時もしくは終了時に、計画機関が指定 する三角点又は公共基準点において 1 セットの観測を行うか、あるいは新点においてスタ ティックGPS 観測を行い、較差が次表の許容範囲にあるかを点検する。 較差の (三角点又は公共基準点) (スタティック G 較差の 水平(⊿N、⊿E) 40mm 以内 20mm 以内 標高(⊿U) 150mm 以内 50mm 以内 [解 ] 説 1.GPS 測量は、基準局と観測地点における電離層や大気状態等の条件が近似しているほど品質 を安定させることができるため、仮想点と観測地点との距離に制約を与えた。 2.単点観測法では、移動しながらの観測であったり、他の観測点との調整計算が不要であったり するため、過誤が生じ易くかつ発見し辛い特性がある。したがって、観測環境(異なる仮想点) 及び観測条件(時間差)を変えた観測を行うことにより、過誤を防ぐこととした。 3.観測手順は次のとおりとする。 ① 仮想点Aを星測点から所定距離範囲内に生成する。 ② 星測点を観測し、仮想点Aとの基線解析により座標を算出する。その際、1秒間隔で連続 10 エッポック以上の標準偏差又は RMS 誤差(Root Mean Square Error 平均二乗誤差) が所定許容値以内とする。 ③ 星測点往路での観測終了後、星測点から所定距離範囲内で、仮想点Aとは異なる地点に仮想 点Bを生成する。 ④ 復路で星測点を再観測し、仮想点Bとの基線解析により座標を算出する。算出した座標は、 往路観測と同一条件で評価する。 ⑤ 往路観測と復路観測での結果座標差異が所定許容値以内であれば、往復観測結果の平均値を 成果とする。所定許容値から外れた場合は、仮想点A(もしくは仮想点B)と同一座標地点 に仮想点Cを新たに生成して再測を行う。

(19)

仮想点A 仮想点B 仮想点Aによる観測 仮想点Bによる観測 仮想点C 仮想点Cに よる観測 上位基準点 仮想点C 路線 4.往路と復路の観測時間差は、衛星配置の変更を考慮して決定する。 5.整数値バイアスの確定(初期化)は、通常は数十秒間で終了する。初期化時間がこれ以上に長 い場合は、マルチパス等の影響も考えられるため初期化が早くできる場所に移動して再度初期 化する。

(20)

衛星電波の反射と遮蔽の原因となるもの (すべての GPS 利用に共通であるが反射はとくに測量への影響が大きい) 反射(マルチパス) 遮蔽 一般住宅 アンテナの近傍ではトタン屋根が 反射 真横以外は問題少ない 高層建築 近距離では壁面が反射 近傍では蔭になる 山の稜線 稜線で若干の反射あり、回折現象も 起こる 山蔭の衛星は完全に遮蔽 大きな野立ち看板 近傍にあるときは反射がある 近傍では蔭になる 鉄塔,給水塔等 構造によるが看板等より反射の影 響は少ない 衛星が蔭に入ると受信困難 金属網 野立ち看板と同程度 ほとんど完全に遮蔽 網目が 10cm 以下 金属網 若干の反射あり ある程度電波通過 網目が 10cm 以上 位相が乱れる可能性あり 市内配電線、電話線 僅かに測位精度に影響 若干、受信強度低下 高圧送電線 僅かに測位精度に影響むしろ電波 雑音源とない 若干、受信強度低下 超高圧は電波雑音が激しい 歩道橋,ガード等 若干の反射がある 直下,近傍では受信不能 葉の落ちた森の中 反射はほとんどない 受信強度低下、何とか測位可能 葉の繁った森の中 反射はほとんどない 受信強度低下いちじるしいほとん ど測位不能 降雨 反射なし 極度の豪雨以外は影響なし 降雪、砂塵 反射なし アンテナの積雪で受信不良降雪、砂 塵が電波雑音発生 土屋 淳・辻 宏道著 新・やさしいGPS測量 2005年5月24日第3刷 発行者 社団法人 日本測量協会より引用

(21)

GPS 受信に対する外来電波の混信妨害の原因と影響度 障害原因と選択性 障害発生時間 影響距離の目安@ 備考 ●すべての GPS 受信機に影響するパレス性雑音 電気鉄道 常時 100m 電車接近時に増大 電気溶接 使用時 100m 超高圧送電線 常時 100m ガソリンエンジン 使用時 数 10m 自動車,農耕機等 大出力特殊モーター 使用時 10m サイリスタ制御機 雷 発生時のみ* 数km ●すべての GPS 受信機に影響する人工電波 (特定の GPS 受信機では影響距離は 10 倍∼100 倍に達することがある。) 電大電力レーダー 常時,使用時 数 100m 気象用,軍用 指向性内では* 数km 宇宙通信・追跡管制装置 使用時 数 10m 指向性内では* 数km 大電力放送・通信設備 常時* 数 100m TV,音声放送とも 電波航法陸上局 常時* 数 100m オメガ,ロラン等 高周波利用工作機械 使用時 100m 科学実験設備も含む 計算機,ワープロ 使用時 数m CDプレイヤーも含 ●普通は支障ないが、特定の GPS 受信機にだけ影響することのある人工電波 航空管制無線装置 常時 1km 固定無線通信設備 使用時 数 100m 漁業無線局等 マイクロ中継機 常時 100m以下 携帯無線 使用時 数 10m 携帯、自動車電話# 常時 数 10m 非通話時も障害 FMラジオ 使用時 数m以下 @ 条件によって大幅に変わる。あくまでも概略の目安である。 * 発生源のアンテナ指向性内で至近距離(100m以内)のときは、GPS 受信機(電源の入切に関係なく)回 路を破壊するこがある。 # 携帯電話器は通話していないときも、基地局にその電話がサービスエリアにあることを知らせるため、 周期的に短時間の発信をしているものがある。 土屋 淳・辻 宏道著 新・やさしいGPS測量 2005年5月24日第3刷 発行者 社団法人 日本測量協会より引用

(22)

第5節 計 算 (要 旨) 第25条 計算とは、新点の位置、標高及びこれらに関連する諸要素の計算を行い、成果表等を作成 する作業をいう。 (点検計算及び再測) 第26条 点検計算は、観測終了後、速やかに行い、所定の許容範囲にあることを確認し、許容範囲 を超えた場合は、必要な再測を行うか、又は、計画機関の指示により適切な措置を講ずるものと する。 <第26 条 運用基準> 点検計算は、往路と復路での観測値の較差を求めることにより行う。 (計 算) 第27条 計算は、往路観測と復路観測の観測座標の平均計算により行う。 第6節 成果等の整理 (成果等) 第28条 成果等は、次のとおりとする。 (1) 成 果 表 (2) 成 果 数 値 データ (3) 基 準 点 (星 測 点 )網 図 (4) 観 測 手 簿 (5) 観 測 記 録 (6) 計 算 簿 (7) 点 の記 (8) 平 均 図 (9) 稼 動 電 子 基 準 点 配 置 図 (10) その他 の資 料

(23)

<第28 条 運用基準>

1.成果表、成果数値データは、富田林市公共測量作業規程付録1(標準様式)に基づいて整理 する。

2. その他の資料は、観測図、建標承諾書、精度管理表、点検測量簿、測量標の地 上写 真、測量標設置位置通知書、基準点(星測点)現況調査報告書等を含む。

(24)

第3編 資料

第1章 標準様式

様式 - 1 ネットワーク型 RTK-GPS 測量観測手簿(例)

ネットワーク型

RTK-GPS 測量観測手簿

観測日 : 2003 年 1 月 16 日 セッション名 : 16-A 観測方式 : ○○○○ 使用した周波数 : L1、L2 観測点 : ○○○ 観測点: 移動局 受信機名: 受信機番号: アンテナ名: アンテナ番号: データ取得間隔: 衛星の最低高度角: ○○○○○ ○○○○○ ○○antenna ○○○○○ 1 秒 15 度 移動局の観測状況 観測点 番号 名称 アンテナ 底面高 (m) 観測開始時刻(JST) 観測終了時刻(JST) 共通受信 衛星数 備考 8788 10:50:41 8788 2.052 10:50:54 8 9088 10:56:53 9088 2.052 10:57:04 8 9091 11:02:02 9091 2.052 11:02:13 8 9291 11:06:58 9291 2.052 11:07:09 8 9293 11:19:33 9293 2.052 11:19:44 8 9493 11:31:25 9493 2.052 11:31:38 8 9495 11:36:51 9495 2.052 11:37:02 8 9795 11:44:50 9795 2.052 11:45:02 8 9787 12:19:28 9787 2.052 12:19:39 7 再初期化 z 観測時刻、受信衛星数以外は、手入力で良い。 z 観測時刻は、JST 又は UTC を記入する。 z アンテナ底面高は、垂直高を記入する。 z セッションは、一連の観測の中での観測開始から終了までをいう。 z 観測の途中で再初期化を行った時は、セッションを変えて新たな観測を行うか、又は備 考欄に最初期化に関する表記をする。(数字、記号等でも良い。ただし、欄外数字、記 号の意味を注記すること。) z 移動局で利用した観測地域周辺の基準局配置図を配信事業者から提供を受け、資料とし て添付する。なお、可能であれば観測手簿備考欄に使用した基準局名を記入する。

(25)

様式 - 2 セット間較差の点検及び座標計算

セット間較差の点検及び座標計算

工事測量 セット間較差許容範囲 ⊿H(⊿U)= 0.050 m ⊿X(⊿N)、⊿Y(⊿E)= 0.020 m 観測点 番号 名称 座標 1 セット (m) 2 セット (m) セット間 較差(m) 平均値(m) 備考 3-3246-2 X Y H -44551.436 -16995.128 -44551.435 -16995.127 -0.001 -0.001 -44551.436 -16995.128 3-3250 X Y H -44683.511 -16816.215 -44683.500 -16816.233 -0.011 0.018 -44683.506 -16816.224 X Y H X Y H X Y H X Y H X Y H X Y H X Y H X Y H X Y H X Y H X Y H z セット間較差の許容範囲は、X、Y 座標、H(標高)の比較とする。

(26)

第2章 参考資料

2.1 ネットワーク型 RTK-GPS 測量への理解を高める基礎資料 ネットワーク型RTK-GPS 測量を理解するための主な資料としては、次がある。 z 土屋淳、辻宏道/著 (2005):新・優しい GPS 測量 (社)日本測量協会 z 土屋淳、辻宏道/著 (2002):新・GPS 測量の基礎 (社)日本測量協会 z 安田明生/監修 (2004):月刊「測量」別冊 GPS フロンティア (社)日本測量協会 土屋(2002)からネットワーク型 RTK-GPS について解説部分(pp198-200)を次のとおり抽出する。 なお、土屋(2002)では、国土地理院により「ネットワーク型 RTK-GPS」という命名がされる前 であったため、「仮想基準点方式」という呼称を使用している。 仮想基準点方式は、利用者から遠く離れた複数の実基準点の観測データをもとにして、利用者のごく近傍 に基準点があったときと同様のデータをソフトウェア的に作り出す技術である。利用者はこのデータを参照点 データとして、これまで通りのGPS 測量を行う。実基準点までの距離が遠くても、ごく近傍の基準点と類似の 状況を作り出すので、実質的に短距離測量と同等になり 1 周波数解析が可能となる。その結果、RTK の初 期化時間を短縮し、よい精度が得られる。この方式はもともとは実時間型キネマティック測位を対象にした技 術であるが、一般の 1 周波数後処理キネマティック測位にも利用できる。さらに高速スタティック測位、スタテ ィック測位でも、基準点から遠い地点で1周波数受信機だけで測量しようとするときに利用できる。 不可思議なことは、仮想基準点方式の英語一般名詞、ないしはドイツ語名が判然としないことである。実際 にはvirtual reference station(VRS と略記される。)という名称があるが、これは後述するように特定方式の 登録商標となっている。したがって、商標となっていない日本語の仮想基準点方式は一般名詞として通用す るが、上記英語名は固有名詞である。 仮想基準点方式の利用範囲は純粋の測量に止まらず、工事測量、工業計測と制御、GIS(Geographic Information System)からさらに、およそ位置情報を必要とするあらゆる公共、民生利用が考えられる。 同じ概念を DGPS に応用することも可能である。在来の DGPS で、基準局からの距離が数 100km 以上 になると、やはり電離層等の影響で精度が低下する。仮想基準点方式DGPS では、精度が参照点からの距 離に依存しないので有利である。 6.6.1 仮想基準点方式の原理 もっとも単純な例として、図-6.21 に示す実基準点 3 点、A,B,C で囲まれた領域を考える。(富田林市注: 図-6.2.1 は、本マニュアル[序]概説 4ネットワーク型 RTK-GPS の説で使用した図と同等のものであり、ここ では掲載を省略する)。 A,B,C 点等の間隔は、実際の仮想基準点方式では 30∼70km、ときには 100km 以上にとられる。また冗 長性確保のため、実基準点を4 点以上とすることもある。 この図で、水平軸は幾何学的座標を表すが、縦軸は上下方向ではなく、観測量(observable) である。観測量とは、この場合は搬送波位相が中心的データであるが、擬似距離も RTK 初期化(事前のバ イアス決定)のための補助データとして必要である。 実基準点 A,B,C や移動受信機は、簡単のためすべて同一平面上にあるものとする。ここでは測地学的 な楕円体面やジオイド面は考えないで、すべての点は数学的平面上にあるものとする。

(27)

A,B,C の受信機によって測定されたある衛星の搬送波位相(擬似距離でもまったく同じである。以下で、 単に「搬送波位相」と書いてあっても擬似距離も含まれると理解してよい。)は、ここでは仮に、整数値バイア スや衛星、受信機時計の誤差、電離層、対流圏遅延、アンテナ位相、マルチパス等の誤差を一切含まな い、絶対的に正確なものであると仮定する。 ある衛星に対する受信機A,B,Cの観測量をΨA,ΨB,ΨC とする。 この領域の中に移動受信機R(ローバー)があったとき、その近傍に仮想基準点 V を考える。具体的に、こ の仮想基準点 V の位置は移動受信機の単独測位機能によって測定された数値の位置とすることが多い。 「数値の位置」という意味は、単独測位精度の制約のため、移動受信機の正確な位置は必ずしもその数値 通りではないことである。 仮にこの仮想基準点に本当に参照受信機が置かれていたとしたとき、その受信機によって測定されるであ ろう観測量を、周辺の複数の実基準点による観測量から推定して仮想的な観測量を作成することを考える。 仮想観測量はつぎのようにして求める。 実基準点 A,B,C の座標は正確に分かっているから、移動受信機の単独測位による座標をもとに、補間 計算によって仮想観測量を生成する。 図-6.21 のように、実基準点の観測量ΨA,ΨB,ΨCをつなぐ三角形LMNにおいて、仮想基準点Vから垂線 を立ててこの三角形の面と交わった点Xの高さが、線形補間による仮想観測量ΨVである。実際にも高次で はなく、線形的な補間が使われることが多い。 その理由は曲面補間を行うには沢山の実基準点を必要とし、計算負荷が増大することにある。また、実基 準点間隔が 100km程度までなら、線形補間でもそこそこの精度が得られるという実績にもよる。 GPS測量 を完結させるには最低4 衛星、さらにOTFを作動させるためには 5 衛星以上のΨVn(n=1,2,・・・・・)、そし て擬似距離を同様にして計算する。 仮想基準点方式 DGPS は上記の原理における擬似距離だけを計算、利用するものであるから、とくに説 明の要はないであろう。 実際の実基準点観測量には、整数値バイアス、電離層、対流圏遅延等が含まれている。したがって、上の 補間計算の前に、これらを除去しなければらない。それが本方式の中心課題となるのである。

(28)

2.2 実験結果の取りまとめ ネットワーク型 RTK-GPS 測量における単点観測法の精度を検証するため、再現性、適合性、整 合性の3 つの実験を行った。 再現性では、同一点を時間差で繰り返し観測し、観測座標の変動量を検証した。適合性では、実際 の測量作業に適合させた実験を行い、所定の精度が得られるかを確認した。整合性では、富田林市保 有の既存基準点との整合度合いを確認した。 再現性では、その1 とその2に区分し、その 1 では 1 日における 1 時間おきの変動を、合計 5 日 間で確認した。その結果、スタティック測量結果との比較で、dxyでは平均値が 10mm弱、最大値で 13mmから 22mm、RMS誤差i8mmから 10mmとなった。 また、その1は富田林市マニュアル(案)にしたがって 1 時間以上の時間を空けた観測値の較差 を確認したところ、較差の絶対値で評価したところ X 成分、Y 成分、XY 成分のいずれもが 21mm 以下であり、21mm となった結果は1つだけであった。 その2では、数日おきに同時間で繰り返し観測を15 回にわたって行った。その結果、dxy では平 均値が12mm から 16mm、最大値が 33mm から 48mm、RMS 誤差で 15mm から 20mm となった。 なお、再現性では、仮想点までの距離を 2m、200m、500m、1000m、2000m と違えたが、距離 による明確な差はみられなかった。元来、観測値は複数の電子基準点と観測点で得られるものである ため、便宜的に観測点との基線解析を行うために設けられる仮想基準点は仮想基準点を生成する電子 基準点で構成される三角形内であれば、精度は変わらないものといえる。 適合性では、TS 測量成果と比較し、1000m の距離で 1/51,000 の精度が得られた。このときの仮 想点までの距離は、自動設定であった。 整合性では6 つの既存基準点を観測した結果、dxy では仮想基準点を自動取得した観測では 9mm から40mm、200m で取得した観測では 7mm から 20mm、1,000m で取得した観測では 11mm から 27mm となっている。 これらの結果をまとめると、次のことがいえる。 再現性の結果より、スタティックGPS 測量の成果と比較して、RMS 誤差で 20mm 以下、最大値 で48mm 以下の観測が可能であった。また、2回観測の較差は、21mm 以下であった。 これらの結果を基に、安全性を考慮して工事測量等へ適合させるには、工事用基準点間の精度が所 用の精度を満たす必要がある。今回の実験結果から富田林市マニュアル(案)に準拠した再現性(そ の1 較差)の結果を 20mm として基準点間でえられる精度を算出すると、表 1 のとおりである。な お、較差の和では各基準点での観測精度が危険側に現れたとして、単純な和(2 倍)を採用している。 つまり、表内の基準点間精度は、安全側に見積もられた数値といえる。 表 1 ネットワーク型 RTK-GPS 測量で得られる基準点間精度(安全側見積もり) 種別 較差 較差の和 基準点間距離 基準点間精度 200m 1/5,000 400m 1/10,000 500m 1/12,500 2回観測の較差 20mm 40mm 1,000m 1/25,000 参考までに国土交通省公共測量作業規程第21 条運用基準で規定されている既知点の種類、既知点

(29)

間の距離及び新点間の距離を標準とされる値を表 2 に示す。 表 2 既知点の種類、既知点間の距離及び新点間の距離(作業規程第 21 条運用基準より) 項 目 区 分 既知点の種類 既知点間距離(m) 新点間距離(m) 1級基準点測量 電 子 基 準 点 一 ∼ 四 等 三 角 点 1 級 基 準 点 4,000 1,000 2級基準点測量 電 子 基 準 点 一 ∼ 四 等 三 角 点 1 ∼ 2 級 基 準 点 2,000 500 3級基準点測量 電 子 基 準 点 一 ∼ 四 等 三 角 点 1 ∼ 2 級 基 準 点 1,500 200 4級基準点測量 電 子 基 準 点 一 ∼ 四 等 三 角 点 1 ∼ 3 級 基 準 点 500 50 高さは、再現性その1では平均値が11mm から 14mm、最大・最小値の幅が+43mm から-20mm の間、RMS 誤差(Root Mean Square Error 平均二乗誤差)で 17mm から 20mm、再現性その1で は平均値が13mm から 24mm、最大・最小値の幅が+72mm から-29mm、平均値二乗誤差が 19mm から 28mm であった。富田林市マニュアル(案)にしたがって観測値の較差では、最大・最小値の 幅が+44mm から-39mm の間であった。 整合性の結果より、富田林市が所有する既存基準点とネットワーク型 RTK-GPS 測量成果は、整 合していることがわかった。 今回の実験の再現性では衛星は6 から8を捕捉し、良好な受信状態であったといえる。 GDOP は概ね 2 強であったが、悪い場合には 6 程度のものもあった。ただ、GDOP が悪い場合に 精度が劣化しているかといえば、必ずしもそのような傾向は見られなかった。 気象状況との関連を検討するため、スタティックGPS測量成果との較差が絶対値で 20mm以上の 観測時点を抽出し(7時点存在)、気象庁大阪観測所の気象データと照らし合わせた。その結果、全 天日射量の変化が 1 時間で 0.5MJ/m2以上である 4 時点と整合した。ただ、全天日射量時間変化が 0.5MJ/m2以上にも関わらず較差が20mmを超えていない時点(過剰)が 2 時点、較差が 20mm以上 なのに全天日射量時間変化が0.5MJ/m2未満であった時点(不足)が2 時点あった。これらの結果は、 全天日射量の時間変化が仮想基準点発生に使用した電子基準点への局部的な水蒸気等の影響を推測 することに利用可能なことを示しているといえる。 GPS 測量(干渉測位)の精度は、原理的にはどの測量方式も 10mm 前後であるため、途中に仮想 基準点を設けるネットワーク型RTK-GPS 測量は理論的には 10mm と 10mm の累積誤差(14mm) と考えられる。そのため、今回の結果は妥当であったといえるが、離散的に成果が得られ、再測しか 精度保証が確保できないため、引き続き観測特性の理解に努めていくことが必要である。

参照

関連したドキュメント

基本目標4 基本計画推 進 のための区政 運営.

まとめ資料変更箇所リスト 資料名 :設計基準対象施設について 章/項番号:第14条 全交流動力電源喪失対策設備

1 低炭素・高度防災 都市を目指した環境

添付資料 4.1.1 使用済燃料貯蔵プールの水位低下と遮へい水位に関する評価について 添付資料 4.1.2 「水遮へい厚に対する貯蔵中の使用済燃料からの線量率」の算出について

添付資料 4.1.1 使用済燃料貯蔵プールの水位低下と遮へい水位に関する評価について 添付資料 4.1.2 「水遮へい厚に対する貯蔵中の使用済燃料からの線量率」の算出について

核分裂あるいは崩壊熱により燃料棒内で発生した熱は、燃料棒内の熱

解析結果を図 4.3-1 に示す。SAFER コード,MAAP

核分裂あるいは崩壊熱により燃料棒内で発生した熱は、燃料棒内の熱