• 検索結果がありません。

Microsoft Word - 優秀作品(土地)

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "Microsoft Word - 優秀作品(土地)"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

平成28年度政策・実務研修( JAMP 共同実施研修) レポート優秀作 固定資産税課税事務( 土地) 家屋建築の困難な土地に対する所要の補正について 大阪府豊中市財務部固定資産税課 縣 和憲 1.はじめに 間口が 2m 未満の土地は、建築基準法上、市街化区域内であっても家屋の建築や 建て替え(以下、「再建築」とする)ができないため、間口 2m 以上の土地と比較し て、一般的にその価格水準は低位となる。固定資産評価基準の画地計算法におけ る間口狭小補正は、間口が狭いという画地の形状のみに着目した補正であり、建 築制限による減価が反映されるものではないため、個別の画地についてこれを補 正するには、市町村長の定める所要の補正による必要がある1 本研修にて、全国 200 以上の市町村が建築基準法上の規制等にかかる所要の補 正を実施している2ことを知った。当市でも同様の補正を設けており、その適用事 例が増加していることから、本論では、他団体の設定する補正との比較によって、 当市の補正の性質とその課題について検討したい。 2.豊中市の評価補正 当市評価要領においては、建築基準法上家屋の建築または再建築ができない土 地に対し、所要の補正として「建築困難補正」を設けており、接道状況および利 用状況等を勘案し、事情聴取を行った上で減価が必要と認められる場合には、0.90 ~0.70 の補正率を適用している。 その場合分けと補正率は、下表の通りである。 なお、ここでいう「間口」とは、当該土地に家屋を建築または再建築する場合、 建築確認申請時に敷地設定されうる部分の接道面の辺長を想定したものであり、 現地調査および建築部局への調査により確認される(以下、「現況間口」とする)。 1 固定資産税務研究会編『固定資産税実務提要』p.2089-10 2 平成 27 年 5 月総務省調「その他の補正項目及び補正方法等に関する調」

(2)

画地現況 補正率 間口 2m 他人地利用 更地 以上 していない 1.00 している 0.90 未満 でない 0.80 である 0.70 表を読み替えると、場合分けと対応する補正率は次のように表される。 a. 現況間口が 2m 以上で、他人地を利用している土地 0.90 b. 現況間口が 2m 未満で、現に建物が存在する土地 0.80 c. 現況間口が 2m 未満で、現況が更地である土地 0.70 これらをさらに具体化すると、a では、現況において 2m 以上の間口は確保され ているものの、建築確認申請時に他人の所有地を含めた敷地設定をしなければ家 屋の建築ができないという状況の土地等が想定されている。b および c では、現 況において間口が 2m 未満であり、物理的に間口が広がらない限りは家屋の建築が できないという状況の土地について、b では現に家屋の敷地の用に供しているが、 再建築不可である場合、c では現況が更地であり宅地化の見込みのない場合が想 定されている。 3.他団体の評価補正 同様の補正の実施状況について、研修期間中に他団体担当者の方々に取材を行 った(全 15 団体)。結果は次の通りである。 ① 定率を適用するもの … 4 団体 A 市 定率 0.90 B 市 定率 0.80 C 市 定率 0.80 D 市 定率 0.70 ② 「2.0m 未満」の区分が追加された間口狭小補正率を適用するもの … 3 団体 E 市 間口 2.0m 未満 0.80(すべての用途地区) F 市 間口 2.0m 未満 0.80(すべての用途地区)

(3)

G 市 間口 2.0m 未満 0.75(すべての用途地区) ③ 場合に応じ、2段階の補正率のいずれかを適用するもの … 2団体 H市 現に建物の敷地の用に供している場合は0.85 更地の場合は0.70 I市 現に建物の敷地の用に供している場合は0.90 更地の場合は0.70 ④ 該当する所要の補正なし … 6団体 このうち②については、冒頭で述べたように補正としては異なる性格のもので あり、建築基準法上の規制を直接的に補正するものではないが、固定資産評価基 準の間口狭小補正率の附表に区分を追加しているということは、間口2.0m未満の 土地に対して補正すべき特段の減価要素を認めているということであり、その要 素には建築基準法上の規制が含まれているとの解釈が可能であるため、①の類型 と見なしてここに挙げた。 結果としては、15団体中9団体が当該内容の補正を設定しており、①、②のよう に定率を設定している自治体は7団体、③のように場合分けに応じて複数段階の補 正率を設定している団体は2団体であった。また補正率については、すべての団体 が0.90~0.70の範囲内であった。 4.考察 補正の適用条件と補正率のうち、後者については、当市と他団体との間に大き な差異は見られなかったこと、評価基準における無道路地補正(下限0.60)との 均衡3という観点からも妥当性について特段の問題点はみられないことから、本論 では主に前者、補正の適用条件について考察を行う。 前段で示した類型のうち、当市のように具体的な土地の状況によって指定され た場合分けに応じた補正率を適用する団体は、今回の調査では③の2団体に留まっ たが、そのいずれも、再建築不可の土地であっても、現に建物の敷地の用に供し ている場合は、当該地が更地である場合とは異なる補正率を適用するという対応 であり、当市と共通するものであった。これは、当該地が現に宅地としての効用 3 固定資産税務研究会編『固定資産税実務提要』p.2089-10

(4)

を果たしており、建て替えは不可能であってもリフォーム等で宅地としての効用 を維持することが可能であることに着目し、宅地化の見込みがなく有効利用可能 性の面で劣る更地との区別化を意図するものであると考えられる。 ちなみに、今回取材を行った団体の中には、当市「建築困難補正」のもつ「現 況間口」の考え方を採用している団体は他になく、本論2のaで示した「現況間口 が2m以上で、他人地を利用している土地」という場合分けは、やや独自性の高い ものといえるかもしれない。しかし当市のこの3種類の場合分けは、土地所有者が 実際に家屋の建築を企図した際、生じる「困難」の程度によって区分することで、 上記同様、土地の実情を正確に評価に反映しようと意図するものであるといえる。 このように場合分けによって細分化された補正は、個別の土地の状況を評価に 反映させることを可能にする。また、補正する内容が明瞭であることで、所有者 からの理解も得やすいということも長所として挙げられるだろう。その反面、こ のような補正の短所としては、個々の物件について詳細な調査を要するため、そ の認定が容易でなく、実務担当者に大きな負担がかかるということが挙げられる。 一方、前段の①、②のように、個別の土地の状況に関わらず、間口が2.0m未満 のものに定率の補正を適用するものについては、大きな長所としてその認定が容 易なことが挙げられる。特に②の間口狭小補正率を適用するものに関しては、課 税システムに通常通りに間口を入力すれば補正率が自動計算される仕組みであろ うから、実務担当者が個々の物件について「家屋の建築や再建築ができない」こ とに注意を払う必要がなく、画地の正確な間口の捕捉ができている限り、論理的 に認定もれは発生しないことになる。しかしその反面、画一的な補正であること は否めず、個別の土地の状況を評価に反映させることは難しい。 ここに浮かび上がる構図としては、所要の補正はその適用条件が場合分けによ って細分化されているほど、個々の物件の状況をより実態に沿った、明瞭な形で 評価に反映させることができるが、認定作業が煩雑化し、実務担当者への負担は 増大するのに対し、逆に適用条件がシンプルであるほど、認定が容易かつ確実で あり、担当者への負担も軽減されるが、個々の物件の状況を評価に反映させにく い、というものである。 この考察のもと、当市「建築困難補正」の客観的な位置付けを行うならば、当 補正は明らかに前者の性質をもつものであるといえる。その課題へのアプローチ

(5)

として、物件の間口情報と当補正の相関チェックを実施するなど、認定漏れの可 能性を低下させる工夫や、建築部局との情報連携など、実務担当者の負担を軽減 する工夫をしながら、個別の土地の状況を詳細に把握し、適切な補正率を適用し ていくことが望まれるだろう。 5.おわりに 本研修の講義で、固定資産の適正な時価の算定に不動産鑑定評価価格が導入さ れた平成 6 年以降、各市町村において、所要の補正によって個別の土地に内在す る減価要因を逐一評価に反映させようとする向きが強まったこと、しかしながら その傾向は大量一括評価を前提とする固定資産評価のコンセプトとは本来的には 相容れないところもあるということを学習した。本考察において示した構図は、 そのような事象を端的に象徴するものであるように思われるが、私は固定資産評 価事務に従事する担当者として、いずれかの考えに傾斜することなく双方の観点 を持ち合わせておき、評価実務のあり方をつねに検証していく姿勢をもって業務 にあたっていきたいと思う。

参照

関連したドキュメント

21 これ以後は、PIAC(1967 第 13 会大会)[1]の勧告値を採用し山地・平地部 150ppm、市街地 100ppm を採用し、都市内では重交通を理由として 50ppm

突然そのようなところに現れたことに驚いたので す。しかも、密教儀礼であればマンダラ制作儀礼

注文住宅の受注販売を行っており、顧客との建物請負工事契約に基づき、顧客の土地に住宅を建設し引渡し

としても極少数である︒そしてこのような区分は困難で相対的かつ不明確な区分となりがちである︒したがってその

今回工認モデルの妥当性検証として,過去の地震観測記録でベンチマーキングした別の 解析モデル(建屋 3 次元

・私は小さい頃は人見知りの激しい子どもでした。しかし、当時の担任の先生が遊びを

在宅支援事業所

第76条 地盤沈下の防止の対策が必要な地域として規則で定める地