日本標準商品分類番号 876343
2017年9月∼2018年3月
総合製品情報概要
新発売
CONTENTS
開発の経緯 ケイセントラ®の特性 製品情報 臨床成績 国内第Ⅲ相臨床試験(3004試験) 海外第Ⅲ相臨床試験(海外データ:3002試験) 海外第Ⅲ相臨床試験(海外データ:3003試験) 安全性 薬物動態 血漿中濃度推移 (1)単回投与時の血漿中濃度推移(健康成人、外国人データ) (2)ビタミンK拮抗薬療法中患者における単回投与時の血漿中濃度 (3004試験、日本人データ) (3)ビタミンK拮抗薬療法に起因するビタミンK依存性の血液凝固第Ⅱ、第Ⅶ、 第Ⅸおよび第Ⅹ因子ならびにプロテインCおよびプロテインSの欠乏症を 有する患者における血漿中濃度(3003試験、外国人データ) 分布 代謝 排泄 薬効薬理 作用機序 プロトロンビン時間およびトロンビン濃度のピーク値に及ぼす影響 (in vitro) プロトロンビン時間、活性化部分トロンボプラスチン時間および失血量に及ぼす 影響(ラット) 一般薬理試験および毒性試験 一般薬理試験(イヌ、マウス、ラット) 毒性試験 (1)単回投与毒性試験(マウス、ラット) (2)反復投与毒性試験 (3)抗原性(ウサギ、モルモット) (4)局所刺激性(ウサギ) 製剤学的事項 ケイセントラの各種条件下での安定性 取扱い上の注意 包装 関連情報 主要文献 3 4 5 12 12 18 24 30 31 31 31 33 34 35 35 35 36 36 36 37 38 38 38 38 38 38 39 40 40 41 41 41 42開発の経緯
ワルファリン等のクマリン系薬剤およびインダンジオン系薬剤といったビタミンK拮抗薬(VKA)は、ビタミンK 作用に拮抗し、肝臓におけるビタミンK依存性血液凝固因子(第Ⅱ、第Ⅶ、第Ⅸ、および第Ⅹ因子)の産生を抑制して 抗凝血効果および抗血栓効果を発揮します。VKAは治療域が狭く、薬物動態が複数の内因性および外因性 変数の影響を受けやすいことが知られており、実際に長期間安定していた場合であっても、VKA療法中の患者は、 ビタミンK依存性の血液凝固因子の欠乏により、しばしば過剰の抗凝固状態、すなわちプロトロンビン時間-国際 標準比(PT-INR)の上昇を示します。このため、頭蓋内出血をはじめとする重篤な急性出血性有害事象を生じる ことが問題となっています。また、過剰の抗凝固状態は、患者が出血リスクの高い外科手術または侵襲的処置を 受ける際に止血困難を引き起こすため、事前に正常化させる必要があります。 ケイセントラ®静注用(一般名:乾燥濃縮人プロトロンビン複合体、以下本剤)は、ヒト血漿を分画して製造した 凍結乾燥製剤であり、ビタミンK依存性血液凝固第Ⅱ、第Ⅶ、第Ⅸおよび第Ⅹ因子、ならびにプロテインCおよび プロテインSの濃縮物からなります。 本剤は、1996年にドイツにおいて、その後欧州各国において、「①VKA療法による凝固因子欠乏、またはVKAの 過剰投与下等の後天性プロトロンビン複合体凝固因子欠乏状態において、凝固障害の速やかな是正が求めら れる場面での出血治療および周術期の出血予防、②先天性ビタミンK依存性凝固因子欠乏症において、特定の 凝固因子の高純度製剤が入手困難な場面での出血治療および周術期の出血予防」の効能・効果で承認され ました。その後、米国において急性重篤出血を起こした患者を対象とした海外第Ⅲ相臨床試験(3002試験)、 緊急外科手術をする必要がある患者を対象とした海外第Ⅲ相臨床試験(3003試験)において、血漿と比較した 本剤の有効性および安全性が示され、2013年4月(VKA投与時における急性重篤出血に対する効能・効果) および12月(VKA投与時における緊急外科手術に対する効能・効果)に米国FDAによりKcentra®の商標で承認 されました。現在、42の国と地域で承認されています(2017年1月現在)。 本邦においては、2012年4月に厚生労働省より「医療上の必要性の高い未承認薬」としてVKA投与時における 重篤な出血や緊急手術が求められる場面でのPT-INRの補正を効能・効果とする本剤の開発が要請されました。 これを受けてCSLベーリング社では医薬品医療機器総合機構との協議の末、2014年よりVKA投与により PT-INRが上昇した日本人患者における、急性重篤出血時あるいは外科手術または侵襲的処置のためにVKA療法 による凝固障害(PT-INRの上昇)の緊急是正が求められる場面での本剤の有効性および安全性を評価する 第Ⅲ相臨床試験(3004試験)を実施しました。その結果、海外第Ⅲ相臨床試験(3001試験、3002試験、3003試験) と同様の有効性、安全性が確認され、「ビタミンK拮抗薬投与中の患者における、急性重篤出血時、又は重大な 出血が予想される緊急を要する手術・処置の施行時の出血傾向の抑制」を効能又は効果として、2017年3月に 承認されました。ケイセントラ
®
の特性
ケイセントラ®は、ヒト血漿を分画して製造したビタミン
K
依存性血液凝固第Ⅱ、第Ⅶ、第Ⅸおよび第Ⅹ因子、ならびにプロテイン
C
およびプロテインS
からなる、乾燥濃縮人プロトロンビン複合体(
PCC
:Prothrombin Complex Concentrate
)です。(
p5
参照) ケイセントラ®は、日本で初めてのビタミンK
拮抗薬投与患者の欠乏凝固因子を補充する4
因子 含有プロトロンビン複合体(4-Factor PCC
)で、迅速な凝固能回復と止血効果を示します。 (p12
∼29
参照) ケイセントラ®には専用の溶解器が添付してあり、薬剤の調製が簡便です。また、凝固因子を高濃 度で含有しているため総投与量を抑えることができます。 原料血漿はHBs
抗原、抗HCV
抗体、抗HIV-1
抗体および抗HIV-2
抗体について陰性であることを確認しています。
HIV-1
、HBV
、HCV
およびHAV
については核酸増幅検査(NAT
)を実施し、検出限界以下であることを確認しています。また、ヒトパルボウイルス
B19
についてもNAT
を 実施し、一定の基準に適合した血漿を用いています。さらに、ウイルス不活化・除去を目的とした 製造工程が組み込まれています。 (p7
参照) 副作用 海外第Ⅲ相臨床試験において、234
例中20
例(8.5%
)に副作用が認められました。主な副作用は、 虚血性脳卒中、PT-INR
増加、深部静脈血栓症、四肢静脈血栓症、頭痛が各2
例(0.9%
)でした。 (承認時) 日本人患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験において、11
例中2
例(18.2%
)に心房血栓症、脾臓梗塞 の副作用が各1
例認められました。(承認時) 重大な副作用として血栓塞栓症、ショック、アナフィラキシー、播種性血管内凝固(DIC
)があらわ れることがあります。 (p8
、30
参照)1.
2.
3.
4.
5.
製品情報
「禁忌を含む使用上の注意」の改訂に十分ご留意ください。 本剤は、貴重なヒト血液を原料等として製剤化したものである。原料となった血液を採取する際には、問診、 感染症関連の検査を実施するとともに、製造工程における一定の不活化・除去処理などを実施し、感染症 に対する安全対策を講じているが、ヒト血液を原料としていることによる感染症伝播のリスクを完全に排除 することはできないため、疾病の治療上の必要性を十分に検討の上、必要最小限の使用にとどめること。 (「使用上の注意」の項[p7]参照) 【禁忌(次の患者には投与しないこと)】 播種性血管内凝固(DIC)状態の患者[過凝固状態を誘発又は悪化させる可能性がある。] 2017年9月改訂(第2版)■
禁忌
■
組成・性状
1
.組成 本剤は、1バイアル中に下記成分・分量を含有する凍結乾燥製剤である。 備考 1000 1,000IU注2) 8–60IU 80–160mg 16–80IU 120–240mg 91–183mg 適量 適量 40mL 500 500IU注2) 4–30IU 40–80mg 8–40IU 60–120mg 45–92mg 適量 適量 20mL ヒト血液由来成分 採血国:ドイツ 採血の区分注3):献血 及び 採血国:米国 採血の区分注3):非献血 ヒト血液由来成分 採血国:米国 採血の区分注3):非献血 成分 人プロトロンビン複合体注1) アンチトロンビンⅢ 人血清アルブミン ヘパリンナトリウム 塩化ナトリウム クエン酸ナトリウム水和物 塩酸 水酸化ナトリウム 添付溶解液(日局注射用水) 1バイアル中の分量 本剤は製造工程でアンチトロンビンⅢ(採血国:米国、採血の区分注3):非献血)及びヘパリンナトリウム(ブタの腸粘膜由来成分)を使用している。 注1)人プロトロンビン複合体は、血液凝固第Ⅱ・第Ⅶ・第Ⅸ・第Ⅹ因子、プロテインC及びプロテインSを含有する。 注2)血液凝固第Ⅸ因子としての分量。 注3)「献血又は非献血の区別の考え方」の項(p9)を参照。 IU:国際単位 有 効 成 分 添 加 物製品情報
2
.性状 白色又はわずかに着色した粉末又はもろい塊であり、日局注射用水で溶解するとき、無色ないし淡黄色の ほとんど澄明な液となる。 pH:6.5∼7.5 浸透圧比:約0.6(生理食塩液に対する比)■
効能又は効果
ビタミンK拮抗薬投与中の患者における、急性重篤出血時、又は重大な出血が予想される緊急を要する手術・ 処置の施行時の出血傾向の抑制■
用法及び用量
通常、血液凝固第Ⅸ因子として、下記の投与量を単回静脈内投与する。 〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉 本剤の投与を受ける患者には、ビタミンK製剤の併用を考慮すること。 製品情報■
使用上の注意
1
.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること) (1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者(2)ヘパリン起因性血小板減少症(HIT:heparin-induced thrombocytopenia)の既往歴のある患者[「重要な 基本的注意」の項(p7)参照] (3)溶血性・失血性貧血の患者[ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合 には、発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある。] (4)免疫不全患者・免疫抑制状態の患者[ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染 した場合には、持続性の貧血を起こすことがある。]
2
.重要な基本的注意 [患者への説明] 本剤の使用にあたっては、疾病の治療における本剤の必要性とともに、本剤の製造に際し感染症の伝播を防止 するための安全対策が講じられているが、血液を原料等としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に 排除することができないことを患者に対して説明し、理解を得るよう努めること。 (1)本剤の原料等となる血漿については、HBs抗原、抗HCV抗体、抗HIV-1抗体及び抗HIV-2抗体が陰性である ことを確認している。さらに、プールした試験血漿については、HIV-1、HBV、HCV及びHAVについて核酸増 幅検査(NAT)を実施し、検出限界以下であることを確認している。また、ヒトパルボウイルスB19についても NATを実施し、一定の基準に適合した血漿を用いている。 その後の製造工程では、ウイルス除去や不活化の工程として60℃10時間の液状加熱処理、硫酸アンモニウム 沈殿/リン酸カルシウム吸着及びナノフィルトレーションによる処理を実施しているが、現在の製造工程では、 ヒトパルボウイルスB19等のウイルスを完全に不活化・除去することが困難である。そのため、本剤の投与に よりその感染の可能性を否定できないので、投与後の経過を十分に観察すること。 (2)現在までに本剤の投与により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はない。しかし ながら、製造工程において異常プリオンを低減し得るとの報告があるものの、理論的なvCJD等の伝播の リスクを完全には排除できないので、投与の際には患者への説明を十分行い、治療上の必要性を十分検討 の上投与すること。 (3)本剤の投与は、出血性及び血栓性疾患に関する十分な知識・治療経験を有する医師のもとで行うこと。 (4)本剤の効果を確認するため、必要に応じ血液凝固能のモニタリングを行うこと。十分な効果が得られない 場合には、患者の状態に応じ、他の適切な治療を行うこと。[本剤の追加投与に対する有効性及び安全性は 検討されていない。また、本剤の追加投与後に血栓塞栓性事象を発現し、死亡した症例が報告されている。] (5)止血後は、患者の状態を十分に観察し、血栓塞栓症の発現リスクと出血リスクを考慮した上で、抗凝固剤の 再開を検討すること。 (6)本剤には添加物としてヘパリンが含まれているため、ヘパリン起因性血小板減少症(HIT:heparin-induced thrombocytopenia)があらわれる可能性がある。本剤投与後に血小板数を測定し、血小板の著明な減少が みられた場合には、適切な処置を行うこと。 投与前のプロトロンビン時間−国際標準比 (PT-INR) 体重100kgを超える場合 2500IU 3500IU 5000IU 体重100kg以下の場合 25IU/kg 35IU/kg 50IU/kg 投与量 2 ∼<4 4 ∼ 6 >6製品情報 製品情報
3
.副作用 海外第Ⅲ相臨床試験において、234例中20例(8.5%)に副作用が認められた。主な副作用は、虚血性脳卒中、 PT-INR増加、深部静脈血栓症、四肢静脈血栓症、頭痛が各2例(0.9%)であった。(承認時) 日本人患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験において、11例中2例(18.2%)に心房血栓症、脾臓梗塞の副作用が 各1例認められた。(承認時) (1)重大な副作用注) 1)血栓塞栓症(3.8%) 血栓塞栓症(致死的な転帰の症例を含む)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認め られた場合には適切な処置を行うこと。 2)ショック、アナフィラキシー(頻度不明) ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には 適切な処置を行うこと。 3)播種性血管内凝固(DIC(頻度不明)) 播種性血管内凝固(DIC)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には 適切な処置を行うこと。4
.高齢者への投与 一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。5
.妊婦、産婦、授乳婦等への投与 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与 すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。本剤の投与によりヒトパルボウイルスB19の感染の 可能性を否定できない。感染した場合には胎児への障害(流産、胎児水腫、胎児死亡)が起こる可能性がある。]6
.小児等への投与 低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ 投与すること。[小児等に対する安全性は確立していない。] 注)副作用頻度は、海外臨床試験データに基づく。7
.過量投与 過量投与により、心筋梗塞、DIC、静脈血栓症及び肺塞栓症等を発症する可能性がある。このような症状があら われた場合には、適切な処置を行うこと。8
.適用上の注意 (1)調製時: 1)添付の溶剤以外は使用しないこと。 2)他の製剤と混合しないこと。 3)使用後の残液は細菌汚染のおそれがあるので使用しないこと。 4「ケイセントラ静注用) 500/1000の使用方法」(p10、11)に従い調製を行うこと。 (2)投与時: 1)注入速度は3IU/kg/分以下とし、210IU/分を超えないこと。(臨床試験において検討されていないため。) 2)他の製剤との混注を避けること。 3)本剤は溶解後ただちに使用すること。 4)不溶物又は混濁が認められるものは使用しないこと。■
献血又は非献血の区別の考え方
献血又は非献血の区別は製剤の安全性の優劣を示すものではありません。この表示区別は、下記の手順に 従って決められています。 (2)その他の副作用注) 一般・全身障害及び投与部位の状態 神経系障害 免疫系障害 頭痛 0.5%以上 体温上昇 抗体産生、過敏症/アレルギー反応 頻度不明 採血国の政府が「自発的な無償供血」の 定義を定めているか その定義が1991年国際赤十字・赤新月社 決議と同じ趣旨か いる いない 異なる 確認できない 「非献血」の表示 確認できる 「献血」の表示 当該国の「自発的な無償供血」の定義に そって採血されたことが確認できるか 同じ趣旨製品情報 製品情報 透明な部分を付けたまま、薬剤バイアルを泡立てないように 緩やかに揺り動かして完全に溶解する。バイアルを振らない こと。
7
空の滅菌済注射器に空気を吸い込む。薬剤バイアルが直立 した状態で、注射器を溶解器のルアーロックに接続し、薬剤 バイアルの中に空気を注入する。8
注射器のプランジャーを押したまま、薬剤バイアルごと全体を 上下逆さまにして、プランジャーをゆっくりと引っ張りながら、 薬液を注射器の中に吸引する。9
薬液が注射器の中に移行したら、注射器のプランジャーを 下向きにしたままの状態で、溶解器を注射器から取り外す。10
■
ケイセントラ静注用
500/1000
の使用方法
薬剤バイアル及び溶解液バイアルを室温に戻す。両バイアル のプラスチックキャップをはずし、ゴム栓をアルコール綿等で 消毒する。1
溶解器(薬液用両刃針)のシールを完全にはがして開封する。 ブリスター包装から取り出さないこと。2
溶解液バイアルを水平の台に置き、しっかりと握る。溶解器を ブリスター包装に入れたままの状態で取り、青色側アダプ ターの穿刺部を、溶解液バイアルのゴム栓にまっすぐ下向き に刺しこむ。3
ブリスター包装の縁をつかみ、ブリスター包装のみを垂直に 引き上げ、溶解器から慎重に取り外す。このとき、溶解器を 一緒に引き上げないよう注意する。4
薬剤バイアルを水平の台に置き、しっかりと握る。溶解器を 付けた溶解液バイアルを逆さまにして、バイアル全体を しっかりと握り、溶解器の透明側アダプターの穿刺部を薬剤 バイアルのゴム栓にまっすぐ下向きに刺し込む。このとき 溶解液が薬剤バイアル中に移行します。5
溶解液 バイアル 溶解液 バイアル 薬剤 バイアル 溶解液 バイアル 片手で青色の部分をつかみ、もう片方の手で透明な部分を つかみ、慎重に回して二つに分ける。6
臨床成績
国内第Ⅲ相臨床試験(
3004
試験)
1) ●試験概要 臨床成績 「禁忌を含む使用上の注意」等についてはp5∼11をご参照ください。 1)社内資料(承認時評価資料):国内第Ⅲ相臨床試験(3004試験) 目 的 対 象 試験デザイン 方 法 ケイセントラの投与によって、プロトロンビン時間-国際標準比(PT-INR)を1.3以下に低下させることにより、 ビタミンK拮抗薬(VKA)の効果が是正されることを示す。 VKA投与によりPT-INRが上昇している患者のうち、急性重篤出血を来した、あるいは外科手術または侵襲 的処置のためにVKA療法の速やかな是正が必要となった日本人患者11例(出血群6例、手術群5例) 前向き非盲検非対照単群多施設共同試験 ベースラインのPT-INRおよび体重に応じて、以下の用量のケイセントラを静脈内に単回投与し、Day45まで 追跡調査した。また、全患者に対して、原則施設の治療基準にしたがって、ビタミンKを静脈内投与すること とした。 : : : : 有効性評価項目 安全性評価項目 解 析 計 画 〈主要評価項目〉 ベースラインおよびケイセントラ投与終了後30分に測定されたPT-INR 〈副次評価項目〉 •止血評価 手術群のみ:外科手術または侵襲的処置時の過剰出血の回避に関する医師の評価(表1) 出血群のみ:進行中の急性重篤出血の止血に関する評価(表2) •ケイセントラ投与開始からPT-INR是正までの時間 •ベースラインおよびケイセントラ投与終了後30分、1、3、6、12、24時間のPT-INR •ケイセントラ投与開始後24時間までの赤血球輸血、他の血液製剤および止血剤の使用•出血群のみ:頭蓋内出血を有する患者について、修正ランキンスケール(modified Rankin Scale:mRS) により評価されたDay45の神経学的転帰
•手術群のみ:予想失血量(predicted blood loss:PBL)と実際の失血量(actual blood loss:ABL)の処置 ごとの比較 •手術群のみ:縫合終了から創部ドレナージ停止までの時間(ドレーン留置時間)、創部ドレナージ量 など •ケイセントラ投与後に発現した有害事象: ̶ 有害事象(Day14まで) ̶ 重篤な有害事象(Day45まで) など すべての有効性解析はFASを対象として実施した。有効性の主要評価項目は、全例ならびに出血群、手術群別 に解析した。PT-INRの変化量の解析において、投与終了後30分の値が欠測していた場合、投与終了後1時間 (投与終了後1時間の値も欠測の場合には投与終了後3時間)の値を用いて補完した。副次評価項目に おける手術群での過剰出血の回避に関する医師の評価は「非常に良好」、「良好」、「議論の余地あり」または 「なし」の順序カテゴリカル変数とした。出血群でのこれらのカテゴリーは「優」、「良」、「劣/無」に分類した。 全例を対象に評価の分布(患者数および割合)を示し、Kaplan-Meier曲線を用いてPT-INR是正までの時間 を評価した。 : : : ※:体重100kgを超える場合は、体重100kgとして投与量を算出した。そのため、第Ⅸ因子の最大用量は5,000IUを超えない。 ケイセントラの投与量 表2:進行中の急性重篤出血の止血に関する評価 筋骨格系出血の場合、疼痛、腫脹および出血の徴候は典型的な症状と考えられ、またベースラインに認められるものと予想される。 *1:24時間の補正ヘモグロビン/ヘマトクリット値の算出について:PRBC輸血の1単位につき、一般にヘモグロビンの1g/dL増加またはヘマトクリットの3%増 加がみられる。実変化量は、ベースラインと投与後24時間における補正ヘモグロビン/ヘマトクリット値の差と定義される。 *2:効果の評価において、「優」、「良」または「劣/無」の評価に、ヘモグロビンまたはヘマトクリットの最小減少率(%)を使用すること。 ケイセントラの投与量※(第Ⅸ因子の量として[IU/kg]) ベースラインのPT-INR 2 ∼<4 4 ∼ 6 >6 25 35 50 表1:外科手術または侵襲的処置時の過剰出血の回避に関する医師の評価 定義 分類 非常に良好 良好 議論の余地あり なし 外科手術または侵襲的処置における止血は、通常の止血と臨床的に有意な差はない。 外科手術または侵襲的処置における止血は、量および質において軽度に異常である(わずかに血がにじんでいる)。 外科手術または侵襲的処置における止血は中等度に異常である(コントロールできる出血)。 外科手術または侵襲的処置における止血は、量および質において極めて異常である(コントロールが困難な重度の出血)。 定義 評価 良(有効) 目に見える出血:投与終了後1時間超∼4時間以内の間に止血が認められ、追加の凝固介入を必要としない。 目に見えない出血: (1)筋骨格系出血:投与終了後1時間超∼4時間以内の間に鎮痛が得られる、あるいは腫脹の増大が認められない、あるいは出血 の客観的徴候の明らかな改善が得られる、かつ24時間の間に状態の悪化が認められない。 (2)頭蓋内出血:24時間の時点で再度実施されたCTスキャンで、ベースラインと比較した血腫量の増加が20%超∼35%以下。 (3)上記以外の目に見えない出血(例:胃腸出血):24時間の時点*1のベースラインと比較したヘモグロビン/ヘマトクリット*2の 減少がいずれも10%超∼20%以下(PRBCで最初にヘモグロビン減少を是正、輸血のトリガー値はヘモグロビン≦8±1g/dL [すなわち、ヘモグロビン≦8±1g/dLである場合はPRBCを輸血])。 出血の全タイプについて:ケイセントラの初回投与後、2単位を超える追加の血漿、血液製剤および/または凝固因子製剤を必要 としない。血液製剤とは全血製剤を意味し、PRBCを含まない。 優(有効) 目に見える出血:投与終了後1時間以内に止血が認められ、追加の凝固介入を必要としない。 目に見えない出血: (1)筋骨格系出血:投与終了後1時間以内に鎮痛が得られる、あるいは腫脹の増大が認められない、あるいは出血の客観的徴候の 明らかな改善が得られ、かつ24時間の間に状態の悪化が認められない。 (2)頭蓋内出血:24時間の時点で再度実施されたCTスキャンで、ベースラインと比較した血腫量の増加が20%以下。 (3)上記以外の目に見えない出血(例:胃腸出血):24時間の時点で*1、ベースラインと比較したヘモグロビン/ヘマトクリット*2の
減少がいずれも10%以下(濃厚赤血球[packed red blood cells:PRBC]によって最初にヘモグロビン減少を是正、輸血の トリガー値はヘモグロビン≦8±1g/dL[すなわち、ヘモグロビン≦8±1g/dLである場合はPRBCを輸血])。 出血の全タイプについて:ケイセントラの初回投与後、追加の血漿、血液製剤および/または凝固因子製剤を必要としない。血液 製剤とは全血製剤を意味し、PRBCを含まない。 劣/無(無効) 目に見える出血:投与終了後4時間を超えてから止血が認められ、および/または追加の凝固介入を必要とする(例:血漿、全血製剤 または凝固因子製剤)。 目に見えない出血: (1)筋骨格系出血:投与終了後4時間までに改善が得られない、および/または24時間の間に症状悪化 (2)頭蓋内出血:24時間の時点で再度実施されたCTスキャンで、ベースラインと比較した血腫量の増加が35%を超える。 (3)上記以外の目に見えない出血:24時間の時点*1のベースラインと比較したヘモグロビン/ヘマトクリット*2の減少がいずれも 20%を超える(PRBCで最初にヘモグロビン減少を是正、輸血のトリガー値はヘモグロビン≦8±1g/dL[すなわち、ヘモグロビン ≦8±1g/dLである場合はPRBCを輸血])。 出血の全タイプについて:ケイセントラの初回投与後、2単位を超える追加の血漿、血液製剤および/または凝固因子製剤を必要と する。血液製剤とは全血製剤を意味し、PRBCを含まない。
臨床成績 臨床成績 ●ベースラインおよびケイセントラ投与終了後
30
分に測定されたPT-INR
(主要評価項目) 患者11例の投与前のPT-INRは2.0以上であったが、投与終了後30分時点において9例(81.8%)が1.3以下に 低下し、残りの2例は1.38(出血群)および1.92(手術群)であった。PT-INR中央値はベースラインでは3.13 であり、投与終了後30分では1.15に低下した。 ●ケイセントラ投与開始からPT-INR
是正までの時間(副次評価項目) 投与終了後30分のPT-INRが1.3以下に低下した患者は、出血群では6例中5例、手術群では5例中4例で あった。 投与終了後30分のPT-INRが1.3以下に低下しなかった2例は、投与終了後24時間までの追跡期間を通して PT-INRが1.3以下に低下しなかった。出血群の1例は、ベースラインでは7.08、投与終了後24時間までの 値の範囲は1.38–3.93であった。手術群の1例は、ベースラインでは5.82、投与終了後24時間までの値の範 囲は1.92–2.46であった。 なお、1例は検体が凝固していたため投与終了後30分のPT-INRは欠測とし、投与終了後1時間値を有効性の 解析に使用した。本患者のPT-INRは投与終了後すべての測定時点で1.3以下であり、投与終了後24時間までの 値の範囲は0.94–1.07であった。 ●外科手術または侵襲的処置時の過剰出血の回避に関する医師の評価(副次評価項目):手術群のみ 止血効果の判定は、すべての患者で「有効」であった。過剰出血の回避に関する評価は5例中4例が「非常に 良好」であり、残りの1例は「良好」であった。 ※:ケイセントラ投与終了後30分のPT-INRが1.3以下の場合、PT-INR是正を「達成」とした。 処置 症例 7 8 9 10 11 経動脈的塞栓術(左腰の外傷性出血) ブラッドアクセスカテーテル挿入 (血液透析のため、内頚動脈への挿入) 血腫除去(腰部) 上部消化管内視鏡検査 内視鏡的総胆管括約筋切開術 PT-INR是正の達成状況※ 達成 未達 達成 達成 達成 止血効果の判定 有効 有効 有効 有効 有効 ●進行中の急性重篤出血の止血に関する評価(副次評価項目):出血群のみ 止血評価が可能であった患者は6例中5例で、その5例中3例が「有効」、2例が「無効」で、1例はくも膜下出血 のため「評価不能」であった。 止血効果の判定が「有効」であった3例のうち、進行中の急性重篤出血の止血に関する評価が「優」は2例、 「良」が1例であった。止血効果が「有効」であった3例はいずれもケイセントラ投与終了後30分のPT-INRが 1.3以下であったが、止血効果が「無効」であった2例のうち1例は投与終了後30分のPT-INRが1.3以下に 低下していなかった。 出血イベント(PT※1) 症例 1 2 3 4 5 6 外傷性頭蓋内出血 視床出血 顔面損傷 肺胞出血 皮下出血 処置後出血 PT-INR是正の達成状況※2 達成 達成 達成 達成 達成 未達 止血効果の判定 評価不能※3 無効 有効 有効 有効 無効 ※1:PT(Preferred term):基本語 ※2:ケイセントラ投与終了後30分のPT-INRが1.3以下の場合、PT-INR是正を「達成」とした。 ※3:外傷性頭蓋内出血でくも膜下出血と脳内出血を併発していたため、血腫の容積を測定できなかった。 ベースラインのPT-INR Mean±SD 中央値(範囲) 投与終了後30分のPT-INR※ Mean±SD 中央値(範囲) 5.33±3.36 4.76(2.26–10.56) 1.15±0.15 1.11(1.01–1.38) 3.46±1.52 3.13(2.11–5.82) 1.33±0.34 1.25(1.07–1.92) 4.48±2.74 3.13(2.11–10.56) 1.23±0.26 1.15(1.01–1.92) 出血群(n=6) 手術群(n=5) 全体(n=11) ※:手術群の1例で血液検体が凝固していたため、投与終了後30分のPT-INRが欠測であった。統計解析計画書に従い、主要有効性評価項目の解析では投与終了後1時間の値 を使用した。臨床成績 臨床成績 ●予想失血量(
PBL
)と実際の失血量(ABL
)の処置ごとの比較(副次評価項目):手術群のみ 全例で、外科手術または侵襲的処置の際のABLは、PBLと同程度またはそれ以下であった。 ●縫合終了から創部ドレナージ停止までの時間(ドレーン留置時間)、創部ドレナージ量(副次評価項目): 手術群のみ 1例が手術創にドレナージを施行した。ケイセントラ投与終了後約2時間の時点でドレーンを挿入し、約16時 間留置した。創部ドレナージ量は52mLであった。 ●安全性 有害事象全体の発現率は出血群で83.3%(5/6例)、手術群で100%(5/5例)であった。 副作用(因果関係が否定できない有害事象)発現率は18.2%(2/11例)であり、心房血栓症、脾臓梗塞が各1例 (いずれも手術群)認められた。死亡例、投与中止に至った有害事象は認められなかった。重篤な有害事象は 手術群の2例(心房血栓症、脾臓梗塞)に認められた。 ●ベースラインおよびケイセントラ投与終了後30
分、1
、3
、6
、12
、24
時間のPT-INR
(副次評価項目) 投与終了後のすべての測定時点でPT-INRが1.3以下に維持されたのは11例中6例(54.5%)であった。投与 終了後24時間までの時点でPT-INRが1.3超であった5例のうち2例はいずれの測定時点においても1.3以下に 低下せず、他の2例は投与終了後24時間まで1.5未満に維持され、残りの1例は投与終了後24時間を除く すべての測定時点で1.3以下であった。 出血群のPT-INR中央値は、投与終了後すべての測定時点で1.3以下であった。一方、手術群のPT-INR中央値は、 投与終了後3時間を除くすべての測定時点で1.3以下であった。 ●ケイセントラ投与開始後24
時間までの赤血球輸血、他の血液製剤および止血剤の使用(副次評価項目) 赤血球輸血を受けた患者は11例中6例(54.5%、出血群2例、手術群4例)であった。 他の血液製剤および止血剤が使用された患者は、手術群の2例であった。血小板減少症の既往歴を有する 症例がDay4から3回にわたって血小板輸血を受けた。また、ケイセントラ投与日に内視鏡的止血術を施行し た症例が、出血予防の目的でトロンビンを経口投与された。 [参考情報]頭蓋内出血を有する患者について、mRS
により評価されたDay45
の神経学的転帰(副次評価項目):出血群のみ 出血群のうち2例が頭蓋内出血を有する患者であった。 1例のベースラインのmRSスコアは5(重度の障害)で、Day45では4(中等度から重度の障害)であった。もう 1例のベースラインのmRSスコアは2(軽度の障害)で、Day45では5(重度の障害)であった。 出血群(n=6) 投与群 ベースライン 投与終了後の PT-INR 中央値(範囲) 30分 1時間 3時間 6時間 12時間 24時間 4.76(2.26–10.56) 1.11(1.01–1.38) 1.11(1.01–1.44) 1.14(1.03–1.66) 1.18(0.99–2.06) 1.15(0.95–2.68) 1.18(0.96–3.93) 手術群(n=5) 3.13(2.11–5.82) 1.26※(1.15–1.92) 1.28(1.07–2.08) 1.33(1.07–2.35) 1.27(1.06–2.33) 1.22(0.94–2.34) 1.22(0.94–2.46) 全体(n=11) 3.13(2.11–10.56) 1.15(1.01–1.92) – – – – – ※:n=4、手術群の1例で血液検体が凝固していたため、投与終了後30分のPT-INRが欠測であった。ただし、有効性の主要評価項目の解析では、統計解析計画書に従い 投与終了後1時間の値を使用した。 外科手術または侵襲的処置 症例 7 8 9 10 11 経動脈的塞栓術 ブラッドアクセスカテーテル挿入 血腫除去 上部消化管内視鏡検査 内視鏡的総胆管括約筋切開術 PBL※1(mL()n=5) 20 10 50 0 0 ABL※2(mL()n=5) 5 5 20 0 0
※1:PBL(Predicted blood loss):予想失血量 ※2:ABL(Actual blood loss):実際の失血量
ケイセントラおよび血漿の投与量 ケイセントラは再溶解して1mLあたり25IUの第Ⅸ因子を含む溶液とした。 ※1:体重100kgを超える場合は、体重100kgとして投与量を算出した。 ※2 :投与終了後30分以内にPT-INRが1.3以下へ低下、と定義 ※3:投与終了後30分のPT-INRが欠測の場合、「PT-INRの速やかな低下を示さなかった」と評価した。 ケイセントラの投与量※1(第Ⅸ因子の量として[IU/kg]) ベースラインのPT-INR 2∼<4 4∼6 >6 25 35 50 血漿の投与量※1(mL/kg) 10 12 15
海外第Ⅲ相臨床試験(海外データ:
3002
試験)
2) ●試験概要 臨床成績 2)社内資料(承認時評価資料):海外第Ⅲ相臨床試験(3002試験) 目 的 対 象 試験デザイン 方 法 経口ビタミンK拮抗薬(VKA)療法に起因するビタミンK依存性の血液凝固第Ⅱ、第Ⅶ、第Ⅸおよび第Ⅹ因子 ならびにプロテインCおよびプロテインSの欠乏症を有する患者を対象に、特発性または外傷により惹起 された重篤出血に対するケイセントラの止血効果を血漿と比較する。 経口VKA療法に起因して血液凝固第Ⅱ、第Ⅶ、第Ⅸおよび第Ⅹ因子ならびにプロテインCおよびプロテインS が欠乏し、急性重篤出血の治療のため抗凝固作用の速やかな是正を要する患者 Intention-to-treat有効性解析対象集団(ITT-E):202例(ケイセントラ群98例、血漿群104例) Intention-to-treat安全性解析対象集団(ITT-S):212例(ケイセントラ群103例、血漿群109例) 前向き無作為化非盲検非劣性多施設共同試験 ベースラインのプロトンビン時間-国際標準比(PT-INR)および体重に応じて、以下の用量でケイセントラま たは血漿を静脈内に単回投与し、最長Day90まで追跡調査した。また、全患者に対して、原則ビタミンKを静 脈内投与することとした。なお、ビタミンKの投与量は米国胸部医学会ガイドラインまたは当該地域の臨床 指針に基づいて設定した。 : : : : 有効性評価項目 安全性評価項目 〈主要評価項目〉 投与開始から投与開始後24時間までの間に評価した止血効果 〈共主要評価項目〉 PT-INRの速やかな低下※2が認められた患者の割合 〈副次評価項目〉 •投与開始後3時間および6時間の止血効果 •投与開始からPT-INR是正までの時間•濃厚赤血球(packed red blood cells:PRBC)の総輸血量およびPRBCの輸血を1回以上受けた患者の割合
•無作為化から投与開始後24時間までの、他の血液製剤および/または止血剤の使用(PRBCを除く) •Day45の全死因死亡率 〈その他の評価項目〉 •PT-INRの経時的推移 など •投与後に発現した有害事象 など : : 解 析 計 画 止血効果の主解析は、止血効果の判定(表)が「有効」であった患者の割合の群間差(ケイセントラ群−血漿 群)について、両側95%信頼区間をFarrington and Manning法を用いて算出した。非劣性マージン(δ)は−
10%とし、両側95%信頼区間の下限が−10%を上回った場合、ケイセントラの血漿に対する非劣性が証明 されたと結論することとした。止血効果の副次的解析は、3つのカテゴリー(「優」、「良」および「劣/無」)に基づ いて実施した。Cochran-Mantel-Haenszel検定を用いた補助解析として、カテゴリー別の患者の割合を投 与群間で比較した。 主要有効性評価項目でケイセントラの非劣性が証明された場合は、PT-INRの速やかな低下が認められた 患者※3の割合について、血漿に対するケイセントラの非劣性を検定した。検定法、仮説および非劣性マージン は、止血効果の場合と同じ方法を用いた。 ITT-Eで主要および共主要有効性評価項目の両方で血漿に対するケイセントラの非劣性が証明できた場合、 本試験の目的は達成されたと判断した。事前に規定した階層型の仮説検定を用いたため、検定の多重性の 調整は行わないこととした。 : 表:止血効果の各評価の定義 注:全体的評価においては、特定の出血部位に関する追加の診断データ(経鼻胃管、超音波、胃腸内視鏡またはCTスキャンなど)も考慮した。筋骨格系出血の 場合、疼痛、腫脹および出血の徴候は典型的な症状であり、ベースラインですでに認められるものと想定した。 *1:止血効果の評価では、ヘモグロビンまたはヘマトクリットの減少率(%)を用い、低い順に「優」、「良」または「劣/無」と評価した。 *2:24時間の補正ヘモグロビン/ヘマトクリット値の算出:PRBC輸血の1単位につき、一般にヘモグロビンが1g/dLまたはヘマトクリットが3%増加する。 *3:血液製剤とは全血製剤を意味し、PRBCを含まない。 PRBC輸血の1単位につき、一般にヘモグロビンが1g/dLまたはヘマトクリットが3%増加する。実際の変化量は、ベースラインおよび投与後24時間の時点での 補正ヘモグロビン/ヘマトクリット値の差と定義した。 定義 評価 良(有効) 目に見える出血:投与終了後1時間超∼4時間以内の間に止血が認められ、追加の凝固介入を必要としない。 目に見えない出血: (1)筋骨格系出血:投与終了後1時間超∼4時間以内の間に鎮痛が得られる、あるいは腫脹の増大が認められない、あるいは出血 の客観的徴候の明らかな改善が得られる、かつ24時間の間に状態の悪化が認められない。 (2)頭蓋内出血:24時間の時点で再度実施されたCTスキャンで、ベースラインと比較した血腫量の増加が20%超∼35%以下。 (3)上記以外の目に見えない出血(例:胃腸出血):ベースラインと比較したヘモグロビン/ヘマトクリット*1の減少が24時間の 時点*2で、いずれも10%超∼20%以下(PRBCで最初にヘモグロビン減少を是正、輸血のトリガー値はヘモグロビン≦8±1g/dL [すなわち、ヘモグロビン≦8±1g/dLである場合はPRBCを輸血])。 出血の全タイプについて:ケイセントラまたは血漿の初回投与後、2単位を超える追加の血漿、血液製剤および/または凝固因子 製剤を必要としない。*3 優(有効) 目に見える出血:投与終了後1時間以内に止血が認められ、追加の凝固介入を必要としない。 目に見えない出血: (1)筋骨格系出血:投与終了後1時間以内に鎮痛が得られる、あるいは腫脹の増大が認められない、あるいは出血の客観的徴候の 明らかな改善が得られ、かつ24時間の間に状態の悪化が認められない。 (2)頭蓋内出血:3時間および24時間の時点で再度実施されたCTスキャンで、ベースラインと比較した血腫量の増加が20%以下。 (3)上記以外の目に見えない出血(例:胃腸出血):ベースラインと比較したヘモグロビン/ヘマトクリット*1の減少が24時間の 時点*2で、いずれも10%以下(PRBCによって最初にヘモグロビン減少を是正、輸血のトリガー値はヘモグロビン≦8±1g/dL [すなわち、ヘモグロビン≦8±1g/dLである場合はPRBCを輸血])。 出血の全タイプについて:ケイセントラまたは血漿の初回投与後、追加の血漿、血液製剤および/または凝固因子製剤を必要 としない。*3 劣/無(無効) 目に見える出血:投与終了後4時間を超えてから止血が認められ、および/または追加の凝固介入を必要とする(例:血漿、全血 製剤または凝固因子製剤)。 目に見えない出血: (1)筋骨格系出血:投与終了後4時間までに改善が得られない、および/または24時間の間に症状悪化。 (2)頭蓋内出血:24時間の時点で再度実施されたCTスキャンで、ベースラインと比較した血腫量の増加が35%を超える。 (3)上記以外の目に見えない出血:ベースラインと比較したヘモグロビン/ヘマトクリット*1の減少が24時間の時点*2で、いずれも 20%を超える(PRBCで最初にヘモグロビン減少を是正、輸血のトリガー値はヘモグロビン≦8±1g/dL[すなわち、ヘモグロビン ≦8±1g/dLである場合はPRBCを輸血])。 出血の全タイプについて:ケイセントラまたは血漿の初回投与後、2単位を超える追加の血漿、血液製剤および/または凝固因子 製剤を必要とする。*3 臨床成績
臨床成績 臨床成績 ●投与開始から投与開始後
24
時間までの間に評価した止血効果(主要評価項目) 止血効果が「有効」(止血評価が「優」および「良」)と評価された患者の割合は、ケイセントラ群で72.4%、血漿 群で65.4%であった。投与群間差(ケイセントラ群−血漿群)は7.1%(95%信頼区間:−5.8,19.9)であり、両 側95%信頼区間の下限が非劣性の限界値−10%を上回ったため、ケイセントラ群の血漿群に対する非劣性 が示された。72.4
65.4
止 血 効 果 が﹁ 有 効 ﹂と 評 価 さ れ た 患 者 の 割 合 100 80 60 40 20 0 (%) 投与群間差:7.1% 95%信頼区間:−5.8,19.9 ケイセントラ群(n=98) 血漿群(n=104) ●PT-INR
の速やかな低下が認められた患者の割合(共主要評価項目) PT-INRの速やかな低下(投与終了後30分以内にPT-INRが1.3以下へ低下)が認められた患者の割合は、 ケイセントラ群では62.2%、血漿群では9.6%であり、ケイセントラ群で高かった。投与群間差(ケイセントラ群− 血漿群)は52.6%(95%信頼区間:39.4,65.9)であり、両側95%信頼区間の下限が−10%を上回ったため ケイセントラ群の血漿群に対する非劣性が示された。PT-INRの速やかな低下が認められた患者の割合から 算出したリスク比(ケイセントラ群/血漿群)は6.47(95%信頼区間:3.52,11.90)であった。62.2
9.6
PT -IN R の 速 や か な 低 下 が 認 め ら れ た 患 者 の 割 合 100 80 60 40 20 (%) ●投与開始後3
時間および6
時間の止血効果(副次評価項目) 投与開始後3時間および6時間の止血効果が「有効」(止血評価が「優」および「良」)と評価された患者の割合は、ケ イセントラ群では73.5%、血漿群では67.3%であった。投与群間差(ケイセントラ群−血漿群)は6.2%(95%信 頼区間:−6.5,18.8)であり、両側95%信頼区間の下限が非劣性の限界値−10%を上回ったため、ケイセ ントラ群の血漿群に対する非劣性が示された。73.5
67.3
止 血 効 果 が﹁ 有 効 ﹂と 評 価 さ れ た 患 者 の 割 合 100 80 60 40 20 0 (%) ケイセントラ群(n=98) 血漿群(n=104) 投与群間差:6.2% 95%信頼区間:−6.5,18.8 投与群間差:52.6% 95%信頼区間:39.4,65.9 95%信頼区間:Farrington and Manning法95%信頼区間:Farrington and Manning法 :95%信頼区間 :95%信頼区間 :95%信頼区間 ●投与開始から
PT-INR
是正までの時間(副次評価項目) 投与開始からPT-INR是正(PT-INRが1.3以下へ低下)までの時間は血漿群に比べケイセントラ群で短かった。 投与開始後1時間の時点で、ケイセントラ群の69%でPT-INRが是正されたのに対し、血漿群でPT-INRが是正 された患者はいなかった。投与開始後3時間、6時間、12時間でもこの傾向は持続し、投与開始後24時間 におけるPT-INRが是正された患者の割合はケイセントラ群では88%、血漿群では58%であった。 PT -IN Rの 是 正 が 認 め ら れ な か っ た 患 者 の 割 合 1.0 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0.0 ケイセントラ群(n=98) 血漿群 (n=104) Kaplan-Meier 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28(時間)臨床成績 臨床成績 ●
PT-INR
の経時的推移(その他の評価項目) ケイセントラ群では血漿群に比べて投与開始後30分から12時間までの各時点のPT-INRの是正において、 統計学的な有意差が認められた。 ●Day45
の全死因死亡率(副次評価項目) Day45において、ケイセントラ群の9例および血漿群の5例に死亡が認められた。Day45での全死因死亡率 から算出したリスク比(ケイセントラ群/血漿群)は1.91(95%信頼区間:0.66,5.50)であり、投与群間に統計学的 な有意差は認められなかった。 ●安全性 有害事象全体の発現率はケイセントラ群で64.1%(66/103例)、血漿群で65.1%(71/109例)であった。副作用 (因果関係が否定できない有害事象)発現率はケイセントラ群で9.7%(10/103例)、血漿群で21.1%(23/109例) であり、主な副作用はケイセントラ群でPT-INR増加2例(1.9%)、血漿群で肺水腫、水分過負荷が各3例 (各2.8%)であった。 重篤な副作用発現率はケイセントラ群で1.9%(2/103例)、血漿群で3.7%(4/109例)で、その内訳はケイ セントラ群では虚血性脳卒中1例、深部静脈血栓症1例、血漿群では心筋虚血2例、呼吸不全1例、水分過負 荷1例であった。 ケイセントラ群の1例に死亡が認められた。投与中止に至った有害事象の発現はケイセントラ群では認めら れず、血漿群では3例(水分過負荷、輸血反応、高熱が各1例)に認められた。 ●濃厚赤血球(PRBC
)の総輸血量およびPRBC
の輸血を1
回以上受けた患者の割合(副次評価項目) 患者あたりのPRBCの総輸血量(Mean±SD)は、ケイセントラ群では1.4±1.77単位※、血漿群では 1.2±1.57単位※と同程度であり、統計学的な有意差は認められなかった(Wilcoxon順位和検定)。 PRBCの輸血を1回以上受けた患者の割合も、ケイセントラ群では49%(48/98例)、血漿群では45% (47/104例)で同程度であり、統計学的な有意差は認められなかった(カイ二乗検定)。 ※PRBCの1単位:通常、ヘモグロビン濃度を1g/dL上昇させ、ヘマトクリット値を3%上昇させる量 ●無作為化から投与開始後24
時間までの、他の血液製剤および/
または止血剤の使用(PRBC
を除く) (副次評価項目) 投与開始後24時間までのPRBC以外の血液製剤および/または止血剤の使用量(Mean±SD)は、ケイセントラ 群では0.3±1.36単位、血漿群では0.3±0.87単位と同程度であり、統計学的な有意差は認められなかった (Wilcoxon両側検定)。 ●曝露状況 投 与 開 始 後 の PT -IN R 5 4 3 2 1 0 *:p<0.05 Wilcoxon両側検定 中央値 * * * * * ケイセントラ群(n=98) 血漿群 (n=104) (時間) BL 0.5 1 3 6 12 24 投与開始からの時間 ITT-Sはケイセントラ群では103例、血漿群では109例であった。予定投与量に対する実際の総投与量の 割合は、ケイセントラ群では約112%、血漿群では96%であった。両投与群で最も頻度が高い必要投与量は 最低用量であった。 投与時間、投与量は薬剤の違いを反映し、ケイセントラ群では血漿群に比べ投与量が少なく、投与時間も 短かった。血漿群の投与時間および総投与量は、ケイセントラ群と比較して、それぞれ7.2倍および8.2倍で あった。 予定された投与量(ITT-S) ※:ケイセントラは1mLあたりの第Ⅸ因子含有量が25IUとなるよう再溶解した。 ケイセントラ群(n=103) 投与開始前の PT-INR 2∼<4 4∼6 >6 第Ⅸ因子のIU/kg 25 35 50 用量※ 1.0mL/kg 1.4mL/kg 2.0mL/kg mL/kg 10 12 15 n(%) 58(53.2) 20(18.3) 31(28.4) n(%) 48(46.6) 26(25.2) 29(28.2) 血漿群(n=109) 投与時間、総投与量および投与速度(ITT-S) パラメータ 投与時間(分) 総投与量(mL) 投与速度 体重あたりの投与速度 IU/分 mL/分 IU/分・kg mL/分・kg ケイセントラ群(n=103) 23.6(31.65) 105.2(37.36) 149.3(58.77) − 1.97(0.812) − 169.1(142.54) 864.8(268.86) − 8.2(6.10) − 0.11(0.086) 血漿群(n=109) Mean±SD海外第Ⅲ相臨床試験(海外データ:
3003
試験)
3) ●試験概要 臨床成績 3)社内資料(承認時評価資料):海外第Ⅲ相臨床試験(3003試験) 目 的 対 象 試験デザイン 方 法 経口ビタミンK拮抗薬(VKA)療法に起因するビタミンK依存性の血液凝固第Ⅱ、第Ⅶ、第Ⅸおよび第Ⅹ因 子ならびにプロテインCおよびプロテインSの欠乏症を有する患者を対象に、緊急の外科手術または侵襲的 処置中の過度の出血の予防におけるケイセントラの止血効果を血漿と比較する。 経口VKA療法に起因して血液凝固第Ⅱ、第Ⅶ、第Ⅸおよび第Ⅹ因子ならびにプロテインCおよびプロテインS が欠乏し、緊急の外科手術または侵襲的処置にあたって出血の周術期予防を要する患者 Intention-to-treat有効性解析対象集団(ITT-E):168例(ケイセントラ群87例、血漿群81例) Intention-to-treat安全性解析対象集団(ITT-S):176例(ケイセントラ群88例、血漿群88例) 前向き無作為化非盲検非劣性多施設共同試験 ベースラインのプロトロンビン時間-国際標準比(PT-INR)および体重に応じて、以下の用量でケイセントラ または血漿を静脈内に単回投与し、最長Day90まで追跡調査した。また、全患者に対して、ビタミンKを静脈内 投与することとした。なお、ビタミンKの投与量は米国胸部医学会ガイドラインまたは当該地域の臨床指針 に基づいて設定した。 : : : : 有効性評価項目 安全性評価項目 解 析 計 画 〈主要評価項目〉 投与開始から緊急の外科手術または侵襲的処置※2が終了するまでの間に評価した止血効果 〈共主要評価項目〉 PT-INRの速やかな低下※3が認められた患者の割合 〈副次評価項目〉 •投与開始からPT-INR是正までの時間•外科手術開始から開始後24時間までの間に輸血された赤血球(濃厚赤血球[packed red blood cells:PRBC] または全血)の総単位数 •外科手術開始から手術開始後24時間までの間に赤血球(PRBCまたは全血)の輸血を受けた患者の割合 〈その他の評価項目〉 •PT-INRの経時的推移 など •投与後に発現した有害事象 など 止血効果の主解析は、止血効果の判定(表1、表2)が「有効」であった患者の割合の群間差(ケイセントラ群− 血漿群)について、両側95%信頼区間をNewcombe-Wilsonスコア法を用いて算出した。非劣性マージン (δ)は−10%とし、両側95%信頼区間の下限が−10%を上回った場合、ケイセントラの血漿に対する非劣性 が証明されたと結論することとした。 止血効果でケイセントラの非劣性が証明された場合は、PT-INRの速やかな低下が認められた患者※4の 割合について、血漿に対するケイセントラの非劣性を検定した。検定法、仮説および非劣性マージンは、止血 効果の場合と同じ方法を用いた。 ITT-Eで主要および共主要有効性評価項目の両方で血漿に対するケイセントラの非劣性が証明できた場合、 本試験の目的は達成されたと判断した。事前に規定した階層型の仮説検定を用いたため、検定の多重性の 調整は行わないこととした。 : : : ケイセントラおよび血漿の投与量 ケイセントラの投与量※1(第Ⅸ因子の量として[IU/kg]) ベースラインのPT-INR 2∼<4 4∼6 >6 25 35 50 血漿の投与量※1(mL/kg) 10 12 15 ケイセントラは再溶解して1mLあたり25IUの第Ⅸ因子を含む溶液とした。
表1:止血効果の各評価の定義(実際の失血量[actual blood loss:ABL]と予想失血量[predicted blood loss:PBL]の差が50mL超の場合)
定義 評価 良(有効) 患者は、薬剤の投与開始から緊急の外科手術の開始までの間、血液凝固物質を含有する製剤(血漿、全血製剤またはその他の 凝固因子含有製剤と定義、ただし、PRBCおよび血小板は除く)の追加投与を受けなかった; かつ 患者に正常な止血(凝固障害のない患者が同様の処置を受けた後に予想される止血と同等の止血の達成と定義)が認められ、かつ、 患者の手術または処置中の推定ABLの超過率が当該外科手術でPBLの20%を超えていたが、30%以下であった; または 患者に軽度の止血異常(凝固障害のない患者が同様の処置を受けた後に予想される出血と比べて量的および/または質的[軽度 の毛細血管出血または止血を達成するまでの時間の延長など]にわずかな出血の増大と定義)が認められ、かつ、患者の手術中 の推定ABLの超過率が、当該外科手術でPBLの30%以下であった。 優(有効) 患者は、薬剤の投与開始から緊急の外科手術の開始までの間、血液凝固物質を含有する製剤(血漿、全血製剤またはその他の 凝固因子含有製剤と定義、ただし、濃厚赤血球[PRBC]および血小板は除く)の追加投与を受けなかった; かつ 患者に正常な止血(凝固障害のない患者が同様の処置を受けた後に予想される止血と同等の止血の達成と定義)が認められた; かつ 患者の手術中の推定ABLの超過率が当該外科手術でPBLの20%以下であった。 劣/無*(無効) 患者は、薬剤の投与開始から緊急の外科手術の開始までの間、血液凝固物質を含有する製剤(血漿、全血製剤またはその他の 凝固因子含有製剤と定義、ただし、PRBCおよび血小板は除く)の追加投与を受けた; または 患者は、薬剤の投与開始から緊急の外科手術の開始までの間、血液凝固物質を含有する製剤(血漿、全血製剤またはその他の 凝固因子含有製剤と定義、ただし、PRBCおよび血小板は除く)の追加投与を受けなかった; かつ 患者に中等度から重度の止血異常(凝固障害のない患者が同様の処置を受けた後に予想される出血と比べて量的および/または 質的[管理が困難な中等度から重度の出血]に中等度から重度の出血の増大と定義)が認められた; または 患者の緊急手術中の推定ABLの超過率が、当該外科手術でPBLの30%を超えていた。 *:頭蓋内、脊髄、眼内手術については、いずれもABLがPBLを上回った場合に、止血効果の主観的評価に関わらず「劣/無」と評価した。 *:頭蓋内、脊髄、眼内手術については、いずれもABLがPBLを上回った場合に、止血効果の主観的評価に関わらず「劣/無」と評価した。 表2 :止血効果の各評価の定義(実際の失血量[ABL]と予想失血量[PBL]の差が50mL以下の場合) 定義 評価 良(有効) 患者は、薬剤の投与開始から緊急の外科手術の開始までの間、血液凝固物質を含有する製剤(血漿、全血製剤またはその他の 凝固因子含有製剤と定義、ただし、PRBCおよび血小板は除く)の追加投与を受けなかった; かつ 患者に正常な止血(凝固障害のない患者が同様の処置を受けた後に予想される止血と同等の止血の達成と定義)が認められ、 かつ、患者の手術または処置中の推定ABLの超過率が当該外科手術でPBLの20%を超えていた。 または 患者に軽度の止血異常(凝固障害のない患者が同様の処置を受けた後に予想される出血と比べて量的および/または質的[軽 度の毛細血管出血または止血を達成するまでの時間の延長など]にわずかな出血の増大と定義)が認められた。 優(有効) 患者は、薬剤の投与開始から緊急の外科手術の開始までの間、血液凝固物質を含有する製剤(血漿、全血製剤またはその他の 凝固因子含有製剤と定義、ただし、PRBCおよび血小板は除く)の追加投与を受けなかった; かつ 患者に正常な止血(凝固障害のない患者が同様の処置を受けた後に予想される止血と同等の止血の達成と定義)が認められ た; かつ 患者の手術中の推定ABLの超過率が、当該外科手術でPBLの20%以下であった。 劣/無*(無効) 患者は、薬剤の投与開始から緊急の外科手術の開始までの間、血液凝固物質を含有する製剤(血漿、全血製剤またはその他の 凝固因子含有製剤と定義、ただし、PRBCおよび血小板は除く)の追加投与を受けた; または 患者は、薬剤の投与開始から緊急の外科手術の開始までの間、血液凝固物質を含有する製剤(血漿、全血製剤またはその他の 凝固因子含有製剤と定義、ただし、PRBCおよび血小板は除く)の追加投与を受けなかった; かつ 患者に中等度から重度の止血異常(凝固障害のない患者が同様の処置を受けた後に予想される出血と比べて量的および/または 質的[管理が困難な中等度から重度の出血]に中等度から重度の出血の増大と定義)が認められた; 臨床成績
臨床成績 臨床成績 ●投与開始から緊急の外科手術または侵襲的処置が終了するまでの間に評価した止血効果
(主要評価項目) 止血効果が「有効」(止血評価が「優」および「良」)と評価された患者の割合は、ケイセントラ群で89.7%、血漿群で 75.3%であった。投与群間差(ケイセントラ群−血漿群)は14.3%(95%信頼区間:2.8,25.8)で、両側95% 信頼区間の下限が非劣性の限界値−10%を上回ったためケイセントラ群の血漿群に対する非劣性が示された。 95%信頼区間:Newcombe-Wilsonスコア法 止 血 効 果 が﹁ 有 効 」 と 評 価 さ れ た 患 者 の 割 合 100 80 60 40 20 0 (%) ケイセントラ群(n=87) 血漿群(n=81) ●
PT-INR
の速やかな低下が認められた患者の割合(共主要評価項目) PT-INRの速やかな低下(投与終了後30分以内にPT-INRが1.3以下へ低下)が認められた患者の割合は、 ケイセントラ群では55.2%、血漿群では9.9%で、ケイセントラ群で高かった。投与群間差(ケイセントラ群− 血漿群)は45.3%(95%信頼区間:31.9,56.4)で、両側95%信頼区間の下限が−10%を上回ったため ケイセントラ群の血漿群に対する非劣性が示された。55.2
9.9
PT -IN R の 速 や か な 低 下 が 認 め ら れ た 患 者 の 割 合 100 80 60 40 20 0 (%) ●投与開始からPT-INR
是正までの時間(副次評価項目) 投与開始からPT-INR是正(PT-INR1.3以下へ低下)までの時間は血漿群に比べケイセントラ群で短かった。 投与開始後1時間の時点で、ケイセントラ群の54%でPT-INRが是正されたのに対し、血漿群でPT-INRが是正 された患者はいなかった。投与開始後3時間、6時間、12時間、24時間でもこの傾向は持続し、投与開始後 24時間におけるPT-INRが是正された患者の割合はケイセントラ群では87%、血漿群では48%であった。 PT -IN Rの 是 正 が 認 め ら れ な か っ た 患 者 の 割 合 1.0 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0.0 ケイセントラ群(n=87) 血漿群 (n=81) ●PT-INR
の経時的推移(その他の評価項目) ケイセントラ群では血漿群に比べて投与開始後30分から24時間までの各時点のPT-INRの是正において、 統計学的に有意差が認められた。 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 投与開始からの時間 (時間) 投与群間差:45.3% 95%信頼区間:31.9,56.4 投与群間差:14.3% 95%信頼区間:2.8,25.8 Kaplan-Meier89.7
75.3
投 与 開 始 後 の PT -IN R 5 4 3 2 1 0 *:p<0.05 Wilcoxon両側検定 ケイセントラ群(n=87) 血漿群 (n=81) * * * * * (時間) BL 0.5 1 3 6 24 中央値 :95%信頼区間 :95%信頼区間臨床成績 臨床成績 ●安全性 有害事象全体の発現率はケイセントラ群で55.7%(49/88例)、血漿群で60.2%(53/88例)であった。副作用 (因果関係が否定できない有害事象)発現率はケイセントラ群で9.1%(8/88例)、血漿群で17.0%(15/88例) であった。ケイセントラ群では、便秘、悪心、心房細動、心室性期外収縮、発熱、頭痛、虚血性脳卒中、深部 静脈血栓症、血栓症、静脈不全、四肢静脈血栓症、挫傷、そう痒症、関節腫脹が各1例(同一症例に複数件 発現もあり)、血漿群では肺水腫、うっ血性心不全、水分過負荷が各2例認められた。 水分過負荷および同様の心イベントが、ケイセントラ群で3.4%(3/88例、うっ血性心不全2例、肺水腫1例)、 血漿群で12.5%(11/88例、肺水腫6例、水分過負荷およびうっ血性心不全が各3例)に認められた。 重篤な副作用発現率はケイセントラ群で3.4%(3/88例)、血漿群で3.4%(3/88例)であり、その内訳は ケイセントラ群では虚血性脳卒中、深部静脈血栓症、血栓症および静脈不全が各1例、血漿群では塞栓性 脳梗塞、深部静脈血栓症、急性肺水腫が各1例であった。 ケイセントラ群の4例(うち1例はDay48に死亡)、血漿群の8例に死亡が認められた。投与中止に至った有害 事象の発現は両群ともに認められなかった。 ●外科手術開始から開始後