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更新日:2014/10/20 調査部:舩木弥和子

ベネズエラ:石油産業をめぐる最近の動向

(Platts Oilgram News、International Oil Daily、Business News Americas、Business Monitor International 他)

1. 2014 年 9 月 2 日、Nicolás Maduro 大統領は内閣改造の一環として Rafael Ramírez 氏を石油鉱業大 臣、PDVSA 総裁及び経済財政担当副大統領の職から解き、外務大臣及び政治主権担当副大統領 に任命した。後任の石油鉱業大臣には Asdrúbal Chávez 氏が、PDVSA 総裁には Eulogio Del Pino 氏 が、経済財政担当副大統領には Rodolfo Marco Torres 氏が任命された。10 年以上にわたりベネズエ ラのエネルギー、石油部門のトップを務めた Ramírez 氏が同部門を離れることで、今後、同国のエネ ルギー、石油産業にどのような影響が生じるのか注目される。

2. 世界銀行の仲裁機関、国際投資紛争解決センターは 10 月9 日、ベネズエラ政府に対して 2007 年に 接収した ExxonMobil の資産の賠償として、同社に 16 億ドルを支払うようにとの仲裁判断を下した。 Exxon Mobil 同様に、ベネズエラ政府に資産を接収された ConocoPhillips は 10 月 10 日に、PDVSA を相手取り国際商業会議所に仲裁を申し立てたことを明らかにした。

3. PDVSA は、2014 年 7 月末に、子会社 Citgo が操業する製油所等の一部もしくは全部の売却を含め ベネズエラ国外の資産を再編する計画で、国外資産売却により得た資金を国内の既存設備の拡 張、改良や新規施設建設に充てるとした。9 月末に Maduro 大統領が PDVSA は Citgo の資産を売却 する計画は無いと発言したものの、その後も Citgo 資産売却のプロセスは継続しているという。 4. オリノコベルト超重質油新規プロジェクトは、インフラや投資が不足しているため遅延したり、生産量 が伸び悩んだりしており、2012 年後半以降、これらのプロジェクトから撤退を表明する企業が出現す るようになっている。このような状況を改善しようと、石油部門への投資に伴う為替取引を新たに導入 された通貨入札制度Sicad を通じて行うように変更したり、パートナーにより大きな決定権を与えるよう 契約条件を変更するために交渉を行ったりするなど、ベネズエラ政府側の譲歩も見られるようになっ ている。一方、ベネズエラ湾Cardón IV 鉱区Perla ガス田開発プロジェクトは 2014 年8 月時点で 69% まで完成しており、12 月までには生産を開始できる計画であるという。サービス会社の中には、 PDVSA からの支払いの遅れや悪化するベネズエラの経済状況を懸念して、ベネズエラでの操業を 縮小するものもある。 5. PDVSA はアルジェリアの軽質原油を輸入し、希釈剤として利用することを計画している。また、11 月 中旬より、ウラル原油 75 万~100 万 bbl をロシアから輸入することも検討しているという。

1.Rafael Ramírez 氏、石油鉱業大臣兼 PDVSA 総裁の職から解かれ外務大臣に

2014年9月2日、Nicolás Maduro大統領は内閣改造の一環として、Rafael Ramírez氏を石油鉱業大臣、 PDVSA 総裁及び経済財政担当副大統領の職から解き、外務大臣及び政治主権担当副大統領に任命し た。Ramírez 氏の後任として、石油鉱業大臣に Asdrúbal Chávez 氏が、PDVSA 総裁に Eulogio Del Pino

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氏が、経済財政担当副大統領に Rodolfo Marco Torres 氏が任命された。

Ramírez 氏は、Chávez 前大統領に対する一貫した忠誠心や機敏な政治判断から、Chávez 前大統領か ら全幅の信頼を寄せられ、2002 年 7 月にエネルギー鉱業大臣(現在の石油鉱業大臣)に、2004 年 11 月 に PDVSA 総裁に任命され、10 年以上にわたりベネズエラのエネルギー、石油部門における最も影響力 のある人物であった。Chávez 前大統領没後の 2013 年 10 月には経済財政担当副大統領にも任命され、 エネルギー部門だけでなく、経済全般についても発言力を有していた。 Ramírez 氏が石油鉱業大臣、PDVSA 総裁及び経済財政担当副大統領の職から解かれた背景には、 同氏がベネズエラに 3 つ存在する為替制度の一元化や世界で最も安いとされるガソリン価格の引き上げ を主張していたのに対し、政権内にはこれに反対する勢力があり、Maduro 大統領がこれを懐柔しようとし たのではないかとの見方がなされている。また、ベテランの政治家であると同時に、エネルギー問題を 把握し、長年、ベネズエラのエネルギー、石油部門に影響力を保持していた同氏を同部門から排除する ことで、Maduro 大統領の同部門での権限を強め、管理を強化しようとする意図があるのではないかとも みられている。

PDVSA 総裁に就任した Eulogio Del Pino 氏は、ベネズエラ中央大学を卒業、Stanford 大学で修士号を 取得した物理探査の技術者で、1979 年に PDVSA に入社し、探鉱・開発部門の様々な部門を歴任、2005 年に PDVSA 役員に任命された。また、PDVSA 子会社の CVP(Corporacion Venezolana del Petroleo)のト ップとして、外国の石油会社との業務を調整してきた。

石油鉱業大臣に就任した Asdrúbal Chávez 氏は Chávez 前大統領のいとこで、化学部門の技術者とし て 1979 年より石油産業に従事し、El Palito 製油所に勤務、 2005 年には PDVSA の役員となり、2007 年 から PDVSA の精製、貿易、供給部門副総裁を務めてきた。

経済財政担当副大統領に就任する Rodolfo Marco Torres 氏は財務大臣を務めており、今後は経済財 政担当副大統領と財務大臣を兼務することになる。

ベネズエラ政府の役職は専門的な経歴とは関係なく任命されることが多いが、長年石油産業に従事し てきた Del Pino 氏と Asdrúbal Chávez 氏が PDVSA 総裁と石油鉱業大臣に任命されたことについては、 合理的であると歓迎する向きもある。 また、今回の内閣改造により、10 年ぶりに石油鉱業省と PDVSA が 別個の人物により運営されることになる。Ramírez 氏が両機関の長を務める以前には、両機関の間に緊 張関係が生じることもあったが、Del Pino 氏と Asdrúbal Chávez 氏は良好な関係にあり、そのため両機関 の間に競合が発生する可能性は低いのではないかとみられている。

Del Pino 氏は、探鉱・開発部門のトップであったことからベネズエラの同部門の状況に精通しているも のの、同氏は Ramírez氏の指揮下にあり、ここ数年にわたり減少している同国の石油生産量を増加させる ための主要な課題に手を付けられなかったと見る向きもある。そして、Ramírez 氏がエネルギー、石油部

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門を離れたことで、Del Pino 氏は、石油・天然ガス生産量を増加させるために外資との関係を強化するの ではないかとの見方をしている。

しかし、Ramírez 氏の指揮下にあった人員が PDVSA と石油鉱業省内にそのまま残っており、Del Pino 氏自身もその主要メンバーであったことから、一部には Ramírez 氏が今後も引き続き PDVSA の意思決定 に影響を与え続けると見る向きもある。Del Pino 氏にどの程度の権限が与えられるかも不明である。さら に、Del Pino 氏は、Ramírez 氏に比べると政治的に重要な役割を担ってはいない。Del Pino 氏は Asdrúbal Chávez 氏の支援を求める可能性があるが、Asdrúbal Chávez 氏自身が政治的な注目を集めることを好ま しく思っておらず、政治面での対応が不十分になることを懸念する向きもある。

2.Exxon Mobil への補償問題

世界銀行の仲裁機関である国際投資紛争解決センター(ICSID:International Center for Settlement of Investment Disputes)は 10 月 9 日、ベネズエラ政府に対して 2007 年に接収した ExxonMobil の資産の賠 償として、同社に 16 億ドルを支払うようにとの仲裁判断を下した。ICSID は、ベネズエラ政府は国際投資 条項に基づき賠償金を支払う必要があるとしたが、接収は適正な手続きに従って行われたとしている。

Chávez 前大統領は 2007 年 5 月 1 日、オリノコベルト超重質油プロジェクトなど全ての石油探鉱・開発 プロジェクトについて国有化を宣言し、PDVSA がこれらのプロジェクトの過半を取得し、その管理下に置 くこととした。Exxon Mobil は、PDVSA が権益の過半を所有するジョイント・ベンチャー・カンパニー (JVC)を設立するという政府が提示した条件の受け入れを拒否し、ベネズエラから撤退することとなり、 ベネズエラ政府は、Exxon Mobilが保有していたオリノコベルトCerro Negroプロジェクトの権益41.67%と La Ceiba 鉱区の権益 50%を接収した。

その後、Exxon Mobil とベネズエラ政府の間で協議が行われていたが、合意が成立せず、仲裁裁判所 に判断が委ねられていた。2011 年 12 月には国際商業会議所(ICC:International Chamber of Commerce) が、資産接収に対する補償として、PDVSA に対し ExxonMobil に 9 億 760 万ドルを支払うようにとの仲 裁判断を下した。その後、PDVSA の反訴により、60 日以内に支払いが行われれば、補償額は 7 億 4,690 万ドルとされることとなった。Exxon Mobil は当初ベネズエラに対し 120 億ドル(のちに 60~70 億 ドルに減額)の補償を求めていたとされていた。ICC の裁定額はこれを大きく下回るものとなり、PDVSA は国有化の補償に関する仲裁の最初のラウンドで勝利を勝ち取ったとし、ExxonMobil は、ICC の裁定 は資産接収の結果 ExxonMobil が失った収益について判断したものであり、接収された資産価値につ いて判断を行う ICSID の裁定に期待したいとしていた。 ExxonMobil は今回の仲裁判断を受けて、接収当時のベネズエラ政府の支払額が不十分だったことが 証明されたとの見解を示したが、賠償額は同社が求めていた額を大幅に下回る水準となった。

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一方、ベネズエラ政府は今回の判決を受けて勝利を宣言した。なお、ベネズエラ政府は 2012 年に ICSID を脱退している。

なお、Exxon Mobil 同様に、政府が提示した条件の受け入れを拒否し、保有していたオリノコベルト Petrozuata プロジェクトの権益 50.1%と Hamaca プロジェクトの権益 40%を接収され、ベネズエラから撤 退することとなった ConocoPhillips は、10 月 10 日、PDVSA を相手取り ICC に仲裁を申し立てたことを明 らかにした。賠償要求額は明らかにされていないが、2007 年に ICSID に行った仲裁申立てでは 200 億ド ルの賠償支払いを求めている。 既存のオリノコベルト超重質油プロジェクトの概況は下表の通りである。また、La Ceiba 鉱区は 2006 年 のテスト生産後、2008 年に生産を開始し、現在 API 比重 19~24 度の原油2~3 万 b/d を生産している。 オリノコベルト超重質油既存プロジェクト概要 (各種資料より作成) 3.Citgo の資産売却へ向けての動向

PDVSA は、2014 年 7 月末に、子会社 Citgo Petroleum が操業する 3 カ所の製油所、2012 年から閉鎖 されている Virgin 諸島の Hovensa 製油所等の一部もしくは全部の売却や Curacao 製油所のリース契約

の変更を含めベネズエラ国外の資産を再編する計画であるとした1。PDVSA は 2019 年までに石油生産

量を 600 万 b/d に引き上げ、うち 400 万 b/d はオリノコベルトで生産するとともに、処理能力 20 万 b/d の アップグレーダー6 基を建設する計画で、国外資産売却により得た資金を国内の既存設備の拡張、改良 や新規施設建設にあてるとした。

1 Platt's Oilgram News 2014/7/28

戦略的提携 (2007 年接収前)

Sincor Petrozuata Hamaca Cerro Negro

PDVSA 38% Total 47% Statoil 15% PDVSA 49.9% ConocoPhillips 50.1% PDVSA 30% ConocoPhillips 40% Chevron 30% PDVSA 41.67% ExxonMobil 41.67% BP 16.66% ジョイント・ベンチャー・ カンパニー (2007 年接収後)

Petro Cedeño Petro Anzoátegui Petro Piar Petro Monagas

PDVSA 60% Total 30.3% Statoil 9.7% PDVSA 100% PDVSA 70% Chevron 30% PDVSA 83.3% BP 16.7% 超重質油生産量(b/d) 20 万 12 万 19 万 12 万 超重質油API 比重(度) 8~8.5 9.3 8.7 8.5 合成原油生産量(b/d) 18 万 10.7 万 18 万 10.8 万 合成原油API 比重(度) 32 20、26 25~26 16.5 超重質油生産開始 2000 年 12 月 1998 年 8 月 2001 年 11 月 1999 年 10 月 合成原油生産開始 2002 年 3 月 2001 年 4 月 2004 年 10 月 2001 年 8 月 出荷先 Open market(スポットで 主に米国市場) Lake Charles 製油所 Cardon 製油所 米国メキシコ湾岸 米国東海岸 Chalmette 製油所 Ruhr Oel 製油所

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Rafael Ramírez 元石油鉱業大臣も、PDVSA は Citgo の資産を最低でも 100 億ドルで売却したいと発言 していたが、これについて 9 月末に Maduro 大統領が、PDVSA は Citgo を売却する計画はなく、Citgo

に対する投資を継続すると発言した2

Maduro 大統領のこの発言により資産売却は中止されたとみる向きもあったが、Citgo やベネズエラ政 府に近い筋によると、最終決定はまだなされていないものの、その後も Citgo 売却のプロセスは継続して いるという。また、Citgo の製油所への関心は低いとみられていたが、Holly Frontier、Valero Energy、

Western Refining、Reliance Industries、PBF Enerry 等が興味を示しているという3

PDVSA は 1986 年 9 月に Citgo 株式の 50%を、1990 年 1 月に残り 50%を取得し、Citgo を傘下に収め た。Citgo 所有の 3 製油所の精製能力は合計で 74.9 万 b/d で、他に石油製品のターミナル 48 カ所やパ イプラインを保有している。なお、Barclays によると Citgo の資産価値は 70~90 億ドルであるという。

Citgo Petroleum 所有の製油所

製油所 所在地 精製能力 特徴

Corpus Christi Texas 157,000b/d PDVSA 供給の高硫黄重質油を処理。

Lake Charles Louisiana 425,000b/d 米国で 6 番目に大きい製油所。高硫黄重質油を処理。

Lemont Illinois 167,000b/d 主に中西部に石油製品を供給。

(Citgo Petroleum ホームページより作成)

4. 探鉱・開発状況

(1)オリノコベルト超重質油新規プロジェクト

オリノコベルト超重質油の新規プロジェクトについては、2012 年 9 月末に、Petromacareo(PDVSA、 Petrovietnam の JVC)が Junin-2 鉱区、PetroMiranda(PDVSA、ロシアコンソーシアムの JVC)が Junin-6 鉱 区、2012 年末に Petrocarabobo (PDVSA、Repsol、ONGC、Petronas、Oil India、Indian Oil の JVC)が Carabobo プロジェクト 1、2013 年 3 月に PetroJunin(PDVSA、Eni の JVC)が Junin-5 鉱区の early production を開始した。しかし、インフラや投資が不足しているため、その後これらの新規プロジェクトは 遅延したり、生産量が伸び悩んだりしている。例えば、Junin-5 鉱区は 7.5 万 b/d のプラトー生産開始時 期が 2013 年から 2015 年に後ろ倒しになった。Carabobo プロジェクト 1 の生産量は 2012~13 年に少な くとも 50,000b/d を生産するという目標を下回っている。Junin-6 鉱区の 2013 年中ごろの生産量は

3,000b/d であったという4

Reliance が Carabobo-1 プロジェクトへの参入を検討したり、Rosneft が PDVSA と Carabobo-2North と Carabobo-4 West block開発に 4.4億ドルを投じることやオリノコベルトの開発を支援するサービス会社の

2 BNamericas2014/9/25 3 Reuters2014/10/9

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設立等で合意したり、とオリノコベルトでの探鉱・開発に前向きな企業もあるが、2012 年後半からは、これ らのプロジェクトから撤退を表明する企業が出現するようになった。

2013 年 8 月、Petronas は PDVSA と諸条件で合意できず Carabobo プロジェクト 1 から撤退するとベネ ズエラ政府に通知した。Junin-6 鉱区のロシアコンソーシアムからは、2013 年に Surgutneftegaz と TNK- BPが撤退を決定、2014年10月にはLukoilがJunin-6鉱区ロシアコンソーシアムの権益の20%をRosneft

へ売却することで合意したと報じられた。権益取得額は 1.5 億ドルとされている5。2014 年 1 月には、

PDVSA と JVC Petromacareo を設立し Junin2 鉱区の開発を行っていた PetroVietnam が、ベネズエラの オリノコベルト鉱区図

(各種資料より作成)

4 Platt's Oilgram News 2014/10/6

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- 7 - 経済状況(インフレと為替レート)に耐えられないとし同プロジェクトへの関与を一時中止すると報じられ た。経済事情が改善されれば、事業を再開する可能性があるという。 このような状況を改善しようと、パートナーにより大きな発言権を与えるように契約条件を変更すること で交渉を行ったり、2013 年 12 月には石油部門への投資に伴う為替取引は新たに導入された通貨入札 制度Sicadを通じて行うように変更したりするなど、ベネズエラ政府側の譲歩もみられるようになってきたと の情報もある6

なお、Maduro 大統領は、2014 年 2 月に、オリノコベルトの名称を Chávez 前大統領にちなんで Hugo Chávez Oil Belt に変更すると発表した。

(2)2014 年中の Perla ガス田生産開始は可能か? ベネズエラ湾主要鉱区図 EniとRepsol YPF は 2005年に実施された Rafael

Urdaneta ラ イ センスラ ウンド でベネズエラ 湾 Cardón IV 鉱区の権益を取得、2009 年 9 月に Perla 井を掘削し、出ガスに成功した。2012 年8 月 には Perla ガス田の確認埋蔵量は 9.51Bcf で商業 生産が可能との発表があった。同ガス田は当初、 2012 年末に生産を開始し、2019 年よりプラトー生 産 1.2Bcf/d を実施する計画とされていたが、2013 年8 月に、2014 年末に生産量300MMcf/d で生産 を開始する計画が発表された。2014 年 8 月時点 で同ガス田開発プロジェクトは 69%まで完成して おり、12 月までには生産を開始できる計画である という。 (各種資料より作成) (3)サービス会社、ベネズエラでの操業を縮小 PDVSA からサービス会社への支払いの遅れや滞りは 2008 年中ごろから生じており、新しい問題では ないが、2014 年に入り、ベネズエラでの操業縮小を明らかにするサービス会社が出現するようになっ た。 Weatherford は PDVSA に掘削や探鉱に関するサービスを提供してきたが、2014 年3 月に経済状況や 支払いの遅れを勘案してベネズエラでの操業を縮小すると発表7 、7 月にはベネズエラ陸上で掘削を行 っているリグ 6 基を Rosneft に売却することで合意したことを明らかにした。

6 Petroleum Intelligence Weekly2014/1/27 7 Rigzone2014/3/24

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Maersk Drilling も 2014 年 9 月に、Maracaibo 湖で作業中の掘削バージ 10 基をパナマ企業 Barrystar

Holding に売却するとしている8 5.アルジェリアからの原油輸入を計画 PDVSA の内部資料によれば、PDVSA はアルジェリアの軽質原油サハラブレンドを輸入し、自国の超 重質原油の希釈剤として利用し、販売量の増加に繋げることを計画している模様である。PDVSA は Sonatrach との間で原油購入について交渉中であることを明らかにしている。 ベネズエラではこれまで希釈剤として利用してきた軽質、中質原油の生産量が減少している。また、 PDVSA はナフサも希釈剤として使用していたが、ナフサが市場で高値をつけるようになり、PDVSA の収 益を圧迫しているという。さらに、新たなアップグレーダーの建設が遅れているという事情もあって、割安 なアルジェリアの原油輸入が検討されるようになったとものと考えられる。 なお、PDVSA は 11 月中旬より、ウラル原油 75 万~100 万 bbl をロシアから輸入することも検討してい るという。Curacao の Isla 製油所(精製能力 33.5 万 b/d)で処理することを検討していると伝えられている9 おわりに Maduro 大統領は Chávez 前大統領の政策を継承してきたが、2014 年に入り、物資不足や高いインフレ 率、治安の悪化等が著しく、経済や政治の運営に対する国民の不満が高まり、デモが頻発している。外 貨準備は低水準に落ち込み、輸入代金の支払い遅延が積み上がり、対外債務の返済が危ぶまれている。 探鉱・開発についても、PDVSA が本来探鉱・開発に充てられるべき資金を政府の貧困者向けプログラム 等に用い、プロジェクトのシェア分の負担やコントラクターへの支払いはパートナーからの資金に依存し ていることから、生産量が伸び悩んでいるとみられてきた。 しかし、このような状況を改善しようと、ベネズエラ政府が外資の呼び込み強化に向け政策転換を図っ ているとの見方がある10。先に述べたように、ベネズエラ政府及び PDVSA が、掘削等の操業や資機材の 購入、投資等に関してパートナーにより大きな発言権を与えるよう契約条件を変更することで交渉が行わ れ、契約が締結されているというのだ。石油鉱業大臣、PDVSA 総裁の交代により、このような動きが加速 するのか、今後のベネズエラの動向を注視していきたい。

8 Platt's Oilgram News 2014/9/18、Business Monitor International2014/9/24 9 Platt's Oilgram News 2014/10/14

参照

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