Title
Beneficial effects of autologous bone marrow mononuclear cell
transplantation against elastase-induced emphysema in rabbits( 内
容の要旨(Summary) )
Author(s)
由月, 英行
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(再生医科学)甲 第686号
Issue Date
2006-11-15
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/23150
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氏名 (本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与要件 学位論文題目 審 査 委 員 由 月 英 行(兵庫県) 博 士(再生医科学) 甲第 686 号 平成18 年11月15 日 学位規則第4条第1項該当
BENEFICIAL EFFECTS OF AUTOLOGOUS BONE MARROW MONONUCLEAR CELL TRANSPLANTAT10N AGAJNST ELASTASE-1NDUCED EMPHYSEMAIN RABBITS
(主査)教授 藤 原 久 義 (副査)教授 小 澤 修 教授 竹 村 博 文 論 文 内 容 の 要 旨, 肺気腫は,病理学的に"肺胞壁の破壊と酸素交換の低下を伴った線維化を伴わない気腔の拡大"と定義 されている。肺気腫の成因には,喫煙やα卜antitrypsinの欠損の他に,elastase(elastinfibersを破 壊する酵素)とanti-elastaseとの不均衡が重要な役割を果たしていると言われている。 一方,骨髄幹細胞が肺胞上皮細胞に分化するか論争の的になっている。最近の報告では,循環器病学に おける骨髄細胞の有効性は,心筋細胞の再生より主に骨髄細胞のパラ分泌効果と言われている。一方,呼 吸器病学においては,これまでに肺気腫の治療に対し骨髄細胞を有効に利用する研究報告はほとんどない。 そこで,私たちはラビットへ経気道的にブタ膵エラスターゼ(PPE)を投与することにより肺気腫を作製し, その後,経気道的に骨髄幹細胞を含む自己骨髄単核球細胞(BMC)を投与し,その有効性を検討した。 対象と方法 日本白色ラビット(体重2.5kg∼3.Okg)を使用した。ラビットをSham群,ブタ膵エラスターゼ投与群(PPE 群),自己骨髄単核球細胞投与群(BMC群)の3群に分けた。Sham群は,1日目に呼吸機能(努力性肺活量 (FVC),0.1秒量(FEVO.1),最大呼気速度時の呼気流量(FEV/PEF))を測定後,左右気管支に生食2mlを 投与した。28日目に呼吸機能を測定後,屠殺し気管と肺を一塊に取り出した。PPE群は,1日目に呼吸機 能を測定後,左右気管支にPPE(200U/kg)を投与した。28日目に呼吸機能を測定後,屠殺し気管と肺を 一塊に取り出した。BMC群は,1日目に呼吸機能を測定後,左右気管支にPPE(200U/kg)を投与し,24 時間後に左右気管支にBMCを投与した。28日目に呼吸機能を測定後,屠殺し気管と肺を一塊に取り出した。 BMCの分離方法は,ラビットの腸骨より骨髄液を採取し,ficoll法でBMCを分離しPKH26で標識した。取 り出した標本に対し,気管を通じて肺に生食10mlを注入した後回収しこの操作を3回線り返し,採取した 液を肺胞洗浄液とし,総細胞数,マクロファージ数を計算した。その後,10%ホルマリン液を注入し25c血120 で24時間固定し,パラフィン包埋後,旺染色,E卜67染色,TU肥L染色,仙『-2染色,Ⅶ肝-9染色を施し 免疫組織所見を検討した。さらに,別のラビットの標本を使用し,Western blot法によりMMP-2とMMP-9 を定量的に測定し,Confocal顕微鏡で肺胞内のcytokeratin陽性なBMCの存在を確認した。 結果 呼吸機能では,Sham群はFVC,FEVO.1,FEV/PEFが4週間後に有意な増加を示した。これは,ラビット の正常な成長によるものと思われる。一方,PPE群は有意な増加を示さなかったが,BMC群は有意な増加を 示した。肺胞洗浄液では,PPE群の総細胞数とマクロファージ数(1027±302/m13and991±290/m13) はSham群(456±218/m13and441±215/m13)に比べ有意に増加しており,BMC群(629±114/
-17-m13and604±110/m13)はPPE群に比べ有意に減少していた。HE染色による組織学的検討では, PPE群は肺胞腔の拡大と肺胞壁の破壊を認めたがBMC群はその病変が抑制されていた。これは,Meanlinear interceptsで示され,PPE群(127.4±52.3pm)はSham群(86.1±25.2〃m)に比べ有意に増加し ておりBMC群(94.8±32.3〃m)はPPE群に比べ有意に減少していた。同様に,Inflammationandfibrosis gradeでも,PPE群はSham群に比べ有意に増加しておりBMC群はPPE群に比べ有意に減少していた。細胞 増殖を示すKi67染色では,陽性細胞数がPPE群(7.8±2.1/200alveoli)はSham群(15.0±4.8/ 200alveoli)に比べ有意に減少しておりBMC群(29.5±7.2/200alveoli)はPPE群に比べ有意に増 加していた。逆に,アポトーシスを示すTUNEL染色では,陽性細胞数がPPE群(3.8±1.8/200alveoli) はSham群(0.6±0.9/200alveoli)に比べ有意に増加しておりBMC群(1.1±1.0/200alveoli) はPPE群に比べ有意に減少していた。同様に,MMMP-2染色とMMP-9染色でも,陽性細胞数がPPE群はSham 群とBMC群に比べ有意に増加していた。MMP-2とMMP-9のWestern blot法による検討では,MMP-2でPPE 群はSham群とBMC群に比べ有意に強く発現していた。MMP-9でもPPE群はSham群とBMC群に比べ強く発 現していたが,Sham群とは有意差を認めたがBMC群とは有意差は認めなかった。Confocal顕微鏡では,サ イトケラチン陽性でPⅢ26陽性細胞が認められ,その頻度は僅かであったが全肺葉に均一に分布していた。 考察 Elastaseにより惹起された肺気腫のラビットにBMCを投与すると,呼吸機能(FVC,FEVO.1,FEV/PEF) は改善し,MeanlinearinterceptsとInflammationandfibrosis gradeも減少した。これは,おそらく BMCの投与が肺気腫の進行を抑制したと考えられる。 これには幾つかの機序が考えられる。第一に,抗炎症効果が考えられ,BMC群の肺胞洗浄液の総細胞数 とマクロファージ数の減少により示された。第二に,仙『を介する機序である。肌Pは線維芽細胞,肺胞上 皮細胞,気道上皮細胞,マクロファージなどから分泌される酵素で,Ⅳ/V型膠原線維,弾性線維を破壊 し肺気腫を進行させる。MMPT2とMMP-9は,PPE群で強く発現しBMC群で発現が抑制されており,これは肺 気腫の形成過程においてBMCの保護作用が仙『の発現を抑制したと考えられた。第三に,細胞増殖効果と アポトーシスの抑制効果であり,BMC群の肺胞内のKi-67陽性細胞数の増加とTUNEL陽性細胞数の減少で 示された。最後に,肺胞内にcytokeratin陽性でかつPKH26陽性細胞が認められ,BMC由来の肺胞上皮細 胞が再生した可能性が示された。しかし,骨髄幹細胞が肺胞上皮細胞に分化したのか既存の肺胞上皮細胞 に融合したのかを免疫組織染色や免疫蛍光染色で識別することは難しく,議論の余地があるところである。 結語 Elastase誘導肺気腫ラビットへの経気道的BMCの投与は,炎症反応やMMP-2の発現やアポトーシスを抑 制し,細胞増殖を促進にすることにより,肺気腫への進行を抑制する可能性がある。 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 申請者 由月英行は,ラビットに経気道的にelastaseを投与し,24時間後に経気道的にBMCを投与す ることにより,肺胞にBMC由来の肺胞上皮細胞が再生し気腫性変化が抑制されることを示した。このこと は,呼吸器病学の進歩に少なからず寄与するものと考える。 [主論文公表誌]
BENEFICIAL EFFECTS OF AUTOLα;OUS BONE MARROW MONONUCLEAR CELL TRANSPLANTATION AGAINST ELASTASE-ⅠNDUCED EMPHYSEMAIN RABBITS
ExperimentalLung Research32,413-426(2006).