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労働重役の職能--共同決定権と所有権の関連性を考慮して-続- 利用統計を見る

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(1)

労働重役の職能--共同決定権と所有権の関連性を考

慮して-続-著者

門田 信男

雑誌名

東洋法学

2

1

ページ

97-115

発行年

1958-05

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00007764/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

(2)

ー共同決定権と所有権の関辿併を考慮し℃ーーー

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9

目 次 まえがき 監査役会への労働者参加の沿革 監査役会被用者代表制

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経 営 組 織 法 ( 以 上

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創刊号所載﹀ 四 監査役会被用者代表制 111 共同決定法 五 共 同 決 定 権 と 所 有 権 ノ、 むすび 四 企業の監査役会における被用者代表の波遣に関する規定はほとんどの中央ヨーロッパ諸国にみられる。しかし、そ れ右れの国の一歴史的経済的諸事情から二、三の例外はみられる。フランスにおいては、経営協議会が二名の協議員を 労働重役の職能ハ続) ブし , じ

(3)

東 洋 法 同企. 寸司 九4 i¥. 仮遣することがみとめられている。経営協議会はわが国のそれと同様、労使の構成をなしておち、源達される協議員 は理事会のすべての会議に出席し、審議の表決に参加することができる。しかしその特色をなしているのは、いうま でもなく固有化産業の管理組織における被用者代表の権利であって、国有化産業の理事会は原則として国・消費者お よび労働組合の代表それぞれ同数にて構成されている。フランスのこのような規制に反して、イギリスの国有化法によ れば、固有化産業の理事会は中立の人で構成されるので、労働組合の代表は組合との結びつきをとかなければならな い。オーストリアおよびザ 1 ル地方の諸国では、経営協議会がその協議員二名を株式会社の監査役会に波遣する。被 用者側の監査役はすべての会議に出席し、表決する権利を有している。これらの諸国に共通している点は、先の例外 をのぞいては、経営に使用されている被用者が私企業の監査役会に送られ、しかも経営協議会の協議員である。この ことは一九二

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年法、戦後の諾州経営協議会法、さらには経営組織法についても原則としていいうる。これに反し、鉱 業および鉄鋼業企業の監査役会および取締役における被用者代表の共同決定に関する法律(の

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臼)はまったく新しい制度である。それは監査 役会の労資対等の原則につらぬかれ、被用者側の監査役は主として経営内の被用者ではなく、労働組合の中央組織か ら提案されることにあり、この提案に株主総会は拘束される。また労働担当取締役の制度を創設したこともあげられ る。本法の規定についてはすでにドイツ労働総同盟ハDGB﹀およびドイツ社会民主党(SPD)の経済新秩序法案に 規定されており、事実上一九四七年の協定により鉄鋼業の領域において実現されていたところである

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。この法案 によれば、大企業の監査役会における労資対等の原則をうたい、一般私企業および公企業に適用される。この法案に

(4)

いう大企業とは、企業の法形態のいかんをとわず、原則として三

OO

人以上の被用者を使用し、三百万ドイツマルグ 以上の資本を有する企業をいう。したがってこの制度は、商法・会社法・所有権法にたいする重大な修正を意味して いるといえる。大企業としての要件をみたさない企業の監査役会にたいしては、経営協議会が二名の代表を送ること に な る 。

DGB

SPD

の主曜は結局、経営組織法と共同決定法の実現をみるにいたり、後者において、先の法律の 名の一訴すように基礎産業の一部にその意図を貫徹したにすぎない。 共同決定法は株式会社、有限責任会社もしくは法人格を有する鉱業法上の組合にして、次に掲げる要件をみたし、 通 常 一

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人をこえる被用者を使用するか、または単位会社たる企業に、本法を適用する。 石炭、褐炭もしくは鉄鉱石の採掘またはこれらの原料の選鉱、骸炭、乾溜もしくは煉炭作業を主たる営業目的 とする企業であって、その経営が鉱山局の監督のもとにあるもの ι b 連合国高等弁務官会議法二七号(の

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・ 冨 旦 忌 問 。 ) に掲げる製鉄・製鋼業を行う企業であって、法律二七号にいう単位会社となり、またはその他の形態で引続き経営さ

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れているもの。 前二号に掲げる企業に従属する企業もしくは連合国高等弁務官会議法二七号によって解散すべき企業であって

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号による要件をみたしているもの、または主として鉄および鉄鋼を製造するもの。 従来、有限責任会社または鉱業法上の組合にして、監査役会が存していないときは、本法施行後、監査役会を構成 しなければならない(法三条一項可株式法の規定は鉱業企業の監査役会、ことに構成員の権利および義務について適 C 用 す る ( 法 三 条 二 項 お よ び 四 条 三 項 ) 。 労 働 重 役 の 職 能 ( 続 ﹀ ブし ゴ し

(5)

東 洋 法 学

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これら企業の監査役会は原則として一一名の監査役をもって構成し、その構成は出資者代表と被用者代表それぞれ 同数でなければならない︿法四条一項 ) c 監査役会の構成の面においてみても、 被用者は経営組織法によれば、三分の 一だけしか自己の代表を送れなかったのにたいし、共同決定法により出資者代表と同数の代表を送る権利を有するに いたった。本法は複錯した手続規定を設け、監査役会における出資者代表と被用者代表の平等のみならず、被用者代 表についても、経営協議会の指名する被用者の代表と労働組合の指名する組合の代表の平等をも考慮している。この ような規制は一九四七年の協定の成果である。選任方式をめぐり、使用者は一九二

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年法および州経営協議会法にも と事すいて、汲遺権を経営協議会に帰属せしめようとしたのに反し、労働組合は波遣権を自己の手におさめることを要 求 し た ハ

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。結局和解は中間的な立場をとったが、しかもなお労働組令の優越的な地位をみとめている。一一名の監 査役のうち五名の出資者側の監査役は、監査役の選任に関する法律・定款または規約にもとずいて、会社の機関︿選 任機関﹀、すなわち株主総会または社員総会によって選任される。五名のうち四名は出資者代表であり、他の一名(い わゆる五番目の監査役﹀は中立の立場にある人でなければならない(法四条一項および二項

Y

。被用者側代表の選任につ いては複雑な手続を規定している。五名の監査役は被用者機関の提案、すなわち一部は経営協議会、一部は労働組合 の中央組織の提案にもと e すいて、選任機関により選任される。選任機関はこの提案に拘束される(法六条五項﹀。 五 名 のうち二名

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労働者一名と職員一名は企業のいずれかの経営に雇用される被用者でなければならない の二名は経営協議会が、その企業の経営において代表する労働組合およびその中央組織と協議のうえ、選任機関に提 案する。提案に反対する中央組織は、提案された者が、その企業および国民経済の福祉のために監査役会において責 任をもって協力する保障がえられないという根拠のある疑念を有するときは、経営協議会にたいして異議の申立を行 ( 同 条 一 項 可 こ

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うことができる。経営協議会がこれを拒否すれば、連邦労働大臣が最終的に決定することになるハ同条二項)。中央組 織には経営協議会の提案にたいし、拒否権による猶予がみとめられている。異議の申立が最終的に連邦労働大臣によ りみとめられると、経営協議会は新たに提案することになる。その他の二名は、中央組織が、所属労働組合および経 営協議会と協議のうえ、提案する(伺条三項)。被用者代表の五番目の監査役は、先の手続と同じように中央組織より 提案される(同条四項)。五番目の監査役は、他の五番目の監査役と同じように中立の地位にある者でなければならな い。経営協議会は労働組合のかかる提案につき、異議の申立をなすことはできない。選任機関は経営協議会および中 央組織の提案に拘束される。提案された者が、企業および国民経済の福祉のために監査役会において責任をもって協 力するとの保障がないか、または五番目の監査役が中立の者でないと選任機関が考えるとき、どのように考えたらよ いのかの問題がある。共同決定法はこの点についての規定を欠いている。選任機関は、提案、ことに五番目の監査役 の提案にさいし法条に違反していても、拒否することはできないのであろうか。違法な提案がなされるとすれば、選 任機関はこれに拘束されないと考えるのが妥当であろう。しかし、経営協議会の提案に中央組織の拒否権をみとめ、 連邦労働大臣が決定するのとは異なり、 民事手続により解決されることになるとフゥパーは主張するハム。 だが選任 機関は、法四条二項および六条二項の趣旨に反するか、あるいは株式法九九条および八四条に規定する監査役の注意 義務の履行の保障がはじめから期待しえない場合、提案された者を選任する義務を負わない。選任機関はこの者を選 任することを強制されないと考えるのが妥当であるう?)。選任機関による不当な拒否は、株式法一九七条以下の規 定によりすくなくとも取消しうる。これらの規定は法三条二項の趣旨より、有限責任会社および鉱業法上の組合にも-ここでは公共の利益のために設けられた 準用される。株主総会の無効の事由が株式法一九五条に列挙されているが、 労 働 重 役 の 職 能 ( 続 ﹀

(7)

東 洋 法 学

規定に違反する決議は無効であるとの三号に該当しようハ卒。 提案の拒否が正当であるとしても、選任機関による選 任は許されない。そのさい提案機関が新たに選任機関に提案することになる。新たに提案がなされず、三カ月をこえ て五名にみたないときは裁判所が選任することになるハ法七条、株式法八九条参照)。 とくに重要なのは最終的に定められる監査役、すなわち一一番目の監査役 (050 冨自信)の選任である。彼は他の すでに存する一

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名の監査役の提案にもと,すいて、選任機関において選任されるが、それぞれの側の五番目の監査役 と同じく中立の者でなければならない。提案は、監査役会がすくなくとも両集団の三名の問意をえ、かっ一

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名の過 半数をえて定められる︿法八条一項﹀。提案が成立しないかもしくは提案された者が選任されないとき、両集団二名か らなる調停委員会が構成される(同条二項可調停委員会は選任機関に選任すべき三名を提案する。そのうちから一名 を選任機関が選任することになる。しかし選任機関は、提案された者が、いずれもその企業の繁栄に寄与する保障が えられないという理由にもとがすいてのみ、そのことを理由として決議で拒否することができる。調停委員会が新たに 提案をせず、その申請があれば、拒否の正当性につき裁判所が決定する。裁判所が拒否を不当とみとめれば、すでに 提案された者のうちから選任しなければならない。選任機関がこの義務を履行しない場合には、必要なら裁判所が、 法七条にもとずき、株式法八九条および民法二九条を準用して一一番目の監査役を選任する。提案されていない者の 選任は無効である︽ム。それに反し裁判所が拒否を正当とみとめれば、調停委員会は新たに他の三名を提案しなけれ ばならない。第二の提案の拒否が正当とみとめられるかまたは提案がおこなわれないときは、選任機関が自ら他の者 を選任することができるハ同条三項﹀。同じことは調停委員会が第一次および第二次の手続にしたがって選任の提案を なさない場合にも適用されるので、出資者側が最終的に決定することになる。

(8)

監査役会は、すくなくとも法律または定款において定める構成員の半数が出席しているとき、決議をおこなうこと が で き る ( 法 一

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条可監査役会に属する両集団の監査役が三カ月をこえて五名にみたないときは、取締役・監査役ま たは株主の申立により、裁判所がこの員数まで補充するハ法七条、株式法八九条)。裁判所はしたがって欠けた役員につ いても、株式法と異なり定足数を場慮することなく、それ以後つねにその所属集団から選出しなければならない?﹀。 公称資本二千万ドイツマルグをこえる会社では、定款または規約により、監査役会の構成を一五名とすることができ る。五千万ドイツマルクをこえる場合にも同じく、監査役の構成を二一名に拡大することができる。法九条は比例的 に議席の配分を規定している。 監査役の任期前の解任は株主総会の四分の三の過半数の決議を前提とする。出資者代表の解任については、選任機 関がこれを自由になすことができる︿法一一条一項、株式法八七条二項)。被用者代表の選任の撤回は、波遺機関の請求 がある場合にのみ、選出機関によりこれをなしうる(法一一条二項)。しかし会社の選任機関は、ここでは法六条五項 に対応する拘束的規定を欠いており、解任は株式法八七条二項の適用をうけるため、提案あるにかかわらず義務づけ られないハ£。一一番目の監査役の解任は、 に裁判所がおこなう︿同条三項 U G すくなくとも三名の監査役の請求にもとずいて、 重大な理由があるとき 共同決定法において実現した労働組合の基本的な要求は封働担当取締役の創設にあったハ法一二条可労働担当取締 役は他の取締役と同じ権利および義務を有し、もつばら被用者団体の社会的利益にかかわる問題に関与する。その選 任および解任は監査役会においておこなわれるが、被用者側監査役の同意なくしてはこれをなすことができない(法 一 三 条 一 項

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それ故、三名の被用者側監査役が監査役会の決議において絶対的な拒否権をもつことになる。 労働重役の職能(続)

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回社説勧 10g r-1 Vgl. Goetz Briefs , Zwischen Kapitalismus und Syndikalismus. 1952 S. 106 ff. ; Bo ldt Mitbestimmungsge3e-tz Eisen und StahL 1952 , B. Einfuhrung J , S. 9 ; Ernst G. Erdmann , Das Recht der Arbeitnehmer auf Be-teiligung an der Verwaltung der Betriebe der gewerblichen Wirtschaft. 1952 S. 161 f. c¥l Vgl. Huber. WirtschafLverwaltungsrecht. 2. Band. 1954 S. 568. 者司電寝中乞縦 e 舘-R必 1程 '6 や和主」司ゃい'~童!ì\~'O{司ミ lトミ Q 幅但若草~"ill( ~μ. ャト寝結 !Q 題詩~'*ミ t 乏訟軍将 ε 題穏当帯主よ# l'Q,久) '思匝栴軍司王ト謡議長杓.-k

12

(vgl. Karrenberg 司 Mitbestimmung in der Wirtschaft Jabrbucher fur Nationa]-okonomie und Statistik. Heft 6 Dezember 1952 , S. 425 f. ; L. Bruck (o-determination in German-a Factual Report on Recent Development:; , in International Free Trade Union News April 1951.) 的 Huber , a. a. 0. , S. 569. 吋・ Vgl. Bo ldt Mitbestimmung 'gesetz Ei~en und Koble 1952 Amm 5 zu ~ 6 ; Muller-Lebmann Kommentar zum Mitbestimmung -'ge ョ etz Bergbau und Ei ョ en 1952 Amm 28 u. 57 zu ~6. 的 Vgl. Muller-Lebman. Anm 58 zu ~ 6. Mitbge3. (.D Kotter. Mitbe..)timnng~recht 1952 Anm. 25 zu ~ 8. ; Hueck-Nipperdey Lebrbuch de :i Arbeitsrechts 6. Aufl. 2. Band/ 3. Lieferung. S. 907. ト Vgl. Boldt Anm 4c ; Muller-Lebmann , Anm. 7 ; Kotter Amm. 3 c. alle zu ~ 7. MitbGes. ∞Bo ldt Amm. 3 ~ Kotter , Amm. 5 ; M 臼 ller-Lebmann. Amm. 8 bia 10. alle zu ~ 11.MitGes. ; Huber a. a. 0.. S. 570. , ; Hueck-Nipperdey a. a. 0.. S. 909. 同 ....)'~..J翌豆盟 ~.t:! 時 Q~' 組迩霊報室長官長饗'キ K~ 五~ぜ近辺 ι~ l'Q銅柑 ~~~Q 件 ~Q 君主 f主将吋冶示麗再苦 TT占~]f ~Q 草野 r<ば吋 0 \--1報*巡~忠明 t守て l兵~..J v 士三葉菱重 1臨謀~~l'Q<..q HE 書量挙 Q\ 童相場二 ~t や~初兵l'Q Q .çミ λJ}('\ ,sミ Q~~ 置 ~4 ♀時。-<:t!四畳

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な社会的法治国家において自由主義的法治国家と同様それぞれ分離したものではなく、自己の社会的地位においてそ の 共 同 ( 富 山 仲 B O ロ ω の F O ロ)が要求されている。経営および企業の執行における被用者団休の共同決定権も社会的に義務 づけられた行動の要請をはたしているといえる。それは社会的法治国家の原理の内依円である。被用者にとってその生 容は経営と密接に結びついており、しかも被用者の社会的かつ経済的立場が生産過程にくみいれられているかぎり、 経営または企業がどのように管理執行されているかについて軽重はない。被用者および被用者を含む被用者団休の正 当な社会的権利に反する方法において、経済的所有権が行使されてはならないとの観点にたって、経営または企業の 執行に被用者が介入することをみとめなければならない?﹀。 所有秩序との関係で憲法上問題となるのは、所有者の地位にたいするこの干渉が、基本法第一四条一項の意味する たんなる所有権の制約であるのか、 または基本法第一四条三項の意味における公用徴収であるのか、あるいは基本法 第一五条の社会化と考えられるのかである。所有権の制約を問題とすれば、干渉は所有権の内容と制約は法律の規定 によるとの第一四条{項および所有権は義務を有し、公共の福祉のために用いることを要するとの第一四条二項より 立法過程でみとめられる故、補償の必要を生じない。基本法第一四条一項および二項は原理上共同決定権と対立する ものではない。それに反し公用徴収かまたは社会ル仰が問題となるときは、干渉は第一四条三項または第一五条の規定 にしたがいはじめて補償の可能性を生ずる。では共同決定法はいかなる範囲までみとめられるのか。第一四条一項お よび二項の意味する所有権の一般的・社会的内容の限界はどのように考えられ、かっ共同決定権と所有権候容との限 界はどこに求められるかが問題である。労資代表を含む監査役会の平等構成および出働担当取締役を規定する共同決 定法は、次の理由により公用徴収とはならず、所有権の一般的・社会的内容の制約と者えられなければならない。 労働重役の職能(続)

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O 六 ワ イ マ l ル憲法と同じく基本法においても、公共の福祉のために個人または特定の範囲の 人の財産にたいする干渉、すなわち特別の犠牲の負担とみているハる。一様になされる所有権の制約は公用徴収でな く、所有権の一般的な内容の限界を意味している。ワイマ l ル時代の国事裁判所の判決ハ s u によれば、個別的干渉が 東 洋 法 学 公用徴収につき通説は、 一様にすべての権利にたいしてではなく、個別的にのみ権利を有する人ないしはそれと密接な関係 にある人に、公共の利益のために重大な犠牲を課する場合である。最高裁判所の新しい判例

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﹀も、特定の人または 特定された範囲の人の権利にたいし、個別的干渉が問題となる場合、公用徴収は法律の規定することを前提とするが 法律に定める財産権が、国民全体もしくは特定の国民階層に一様に同一の制約をおよぼすことになるか、あるいは法 律が場合によっては将来不特定多数人にその法制度を適用する場合には、それは公用徴収とはならない(と。共同決 定法は適用企業におけるすべての株主総会の一定の執行権限にむけられている。個別的干渉が問題となりうるのは、 一方では適用をうけ、他方ではうけない場合である。国民のすべてが権利の内容の制約を 問題になるのは、 同一条件にある法主体が、 命ずる法律に該当する必要はないハと。 特定の国民階層

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吉田者。)の語を用いているが!ーの一様 の負担を、なおその個別的干渉のうちに含めていないのであって、裁判所はむしろ個々の人が重大な犠牲を課せられ ているかどうかに求めている。共同決定法は法の適用をうける所有者を確定しているので、この判決の趣旨からして も、共同決定法の適用をうける範囲内の所有者は、全体的・一般的に同一の影響をうける故、そのために生ずる個々 の具象化をみとめることはできない。法律は、これら所有者に特殊の犠牲を課することをただちに認識しうるような 方法で、佃別的にはじめから一定の所有権侵害をそのうちに有していない。法律はその公布のさい、鉱業および鉄鋼 最高裁判所の判例も、もつばら国民全体を目標としてはいない。判決はまた

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業のすべての株主に適用し、その後にいたり株式を取得した人にたいしても適用される。この理由からしても、共同 決定法は個別的干渉であるとはいえず、 一般的干渉を示しており、公用徴収とはならない

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さらに公用徴収の概念の本質をなすものは、 実質的に所有権の実体にかかわる重大な干渉、 いわゆる実体の低下

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である所有権概念にとって不可欠たる経済的処分権能を侵害することにある

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についても共同決定法は充足していない。企業の真の所有者としての株主ハ社員﹀を考えてみれば、それによって彼 の所有権は侵害をうけない。なぜなら共同決定法は株主総会の議事事項にまでおよんでいないからであるハ

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この要件 で は 監査役会は平等構成をとるが、それはどのように考えられるのか、監査役は法律上基本的にことなった取扱をうけな い。監査役はすべて出資者側もしくは被用者側から選任されはするが、同じ権利および義務を有しており、委任およ び命令に拘束されない。監査役は従来にても今日においてもなんらかの利益団体の代表でなく、その統一体としての 監査役会は会社の機関であり、その構成員はすべて同等の責任を負担し、業務執行を監視寸る義務を負っている。し かも監査役会において、被用者代表のみでは過半数の表決権をもたない。 る一一番目の監査役﹀の最終決定を考慮しなければならない。 それは役員の半数をこえず、議長(いわゆ 一一番目の監査役もすでにみてきたごとく、株主総会は 他 の 一

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名の監査役または調停委員会の提案に拘束されない。株主総会は提案の商においてのみ制約をうけるにすぎ ない。しかも提案には必ず出資者側監査役が参加し、その上同意をえているのであり、その選任は選任機関のみがな しうることからして、株主の財産法上の権利を侵害するとの主張はなりたたないハ♂。労働担当取締役は他の取締役 とならんで同じ権利および義務を有している。彼は被用者側監査役の過半数の同意をえずしては選任されないが、会 社はなお定款の定めにより法律のみとめる範囲内において制限することができる。以上の理由からして、共同決定法 労 働 重 役 の 職 能 ︿ 続 ﹀

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(13)

東 洋 法 O>U. 寸ー

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八 しかも監査役会における被用者代表および労働担当取締役も会社 の代表である。彼等は誠実な商人の業務執行の原理にもとずいて、企業および国民経済の福祉、したがって会社の所 有者の利益をも保障する使命をもっている。その任務は会社の経営執行において出資者伐表と対立することなく、調 は所有権の実体にたいする干渉とはいえないハじ。 整されるのであって、公用徴収との関係においても、共同決定法は公用徴収の要件を充足するものではない。 最後に共同決定法の性格につき、社会化との関係で簡単にふれておきたい。共同決定法の背後に社会化的な者があ ったのか。社会化への一歩であると考えられるのであろうか。公用徴収が社会的変化たる要素を有せず、現在の所有 権秩序の領域にとどまっているのにたいして、社会化はその目的のために経済組織・社会組織の基盤・休制および生 産手段を公有またはその他の公共経済の形態に移行せしめるもので、既存の所有権秩序を変革することからハ

3

、 共 同決定法が社会化法たるの性格またはそれへの道程をたどるものであるかどうかは重要な問題をなげかけているとい わねばならない。基本法第一五条は社会化の形態として公有および公共経済の形態の二つをあげている。しかし共同 決定法による監査役会の労資同数の構成・対等の原理は、先にのベた理由からしても、前者の形態にぞくさないこと は明らかである。公共経済の形態は私所有権はそのままとして、外面的な所有関係を変更することなく、経済的支配 カを転位せしめるものであるとされているが、基本法第一五条はワイマ!ル憲法第一五六条と異なり、公共経済の形 態にうっす場合、必ず補償をする必要はない。共同決定法は勿論補償についてふれておらない。所有権の実体にたい する侵害がある場合にのみ、所有者および株主にたいして補償の必要性を生ずるのである。そのさいの補償の範囲は 公共および関係者の利害を正当に考慮して決定されなければならない。したがって共同決定法は純粋な意味での社会 ル刊でなく、補償を裂しない公共経済の一種であると考えられる︿と u 共同決定法は現存の所有権秩序の領域にとどま

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り せいぜい企業者および株主の基本法によって保障をうけない経済的支配力を制約するにすぎないといえる G Y 共同決定法は鉱山産業における所有者と被用者の相対立する利益を相互に調和する試みを示している。労働と資本の 両集団の幾十年にわたる闘争は、企業を社会化または国民全体の手に移行せしめるものではなく、共同決定権の委任 すなわち企業の代表機関および監査役会において、被用者団休の信任をえた人々に共同の責任をもたすことによって 解決されるべきである。共同の原理にたっ責任ある協働は、新しい社会秩序の枠内での階級の対立を調整する歩みよ すでにこの制度の真意の背後に社会化の危倶が帯してい りであると性格づけられるハ

3

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その聞の事情については、 たことが、かような革新的制度をもたらした(とと指摘されているところであり、また、このことは一九四九年一

O

月一二日のドイツ労働総同盟の結成大会の決議からもうかがえる。すなわち

DGB

の決議には、一方で基礎産業の決 議が、他面で共同決定権が要求されており、社会ル仰と共同決定権は、その要求の内容と適用の範囲を異にしている。 前者は

DGB

の選んだ産業のみに適用されるが、後者は私企業・公企業をとわず、監査役会および理事会における労 資対等の共同決定権を主張している。しかも

DGB

の主襲する共同決定権は所有権秩序に介入することなく、経済民 主化の一方法として主張し、社会化

l

公有は例外的事象をなしていることからもおて 真の意味での社会化というこ とはできない。共同決定法に規定された監査役会および取締役会における共同決定権は、所有権の社会法的内容を定 めたものであり、所有権の内容を新しく法律上規格化したとみるべきであるハご。 法はその領域において資本と針働 との関係を新しく限界づけ、 ツの経済組織・企業組織において例外的な現象をなしており、 この範囲内において所有権の行使に新しい制限を加えている。かようなことは、西ドイ この制度が私所有秩序とどのように融和されるかは、 今後にゆだねられているとはいえ、重要な問題を提起していることは否定しえないであろう。 労働重役の職能(続)

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頁以下において詳細に論述されている。なお所有権との関係については、前記中村 教授の論文のほか、久保敬治﹁ドイヲ経営参加制度﹂一 OO 頁 以 下 参 照 。 ドイヲ法律家協会第一部会の報告︿回巳

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含)によれば、共同決定権は純粋に労働法的規制としてのみ正当視すべき であるとの少数意見がある。企業執行には企業者の機能があり、被用者には企業内における労働給付の機能がある。この ごつの機能は明確に区別されなければならない。契約当事者が同時に相手方の決定を共になすとすれば、契約の対立の基 本原理を失わしめることになり、労働者は同時に使用者側にたって代表することは許されない。監査役会における被用者 代表にインフォメーションと監視の立場だけを正当視しようとする面白目。

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(16)

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(17)

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共同決定権が西ドイツの経済・社会組織の要誇であることは否定しえないが、それはまた資本制社会の一般的傾向 をもなしている。階級闘争が資本制社会にとって必然の要素をなしていることは当然否定しえないが、しかしまた一 わが国の労働法の発展を考えるとき、目をおおうことはでき 面 で は 、

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止の実現にむかっていることも、 な い ハ 1 ) 。西ドイツ共同決定法はその滴用領域として先にみてきたように、重要産業部門の一部に適用あるにすぎな い。この事実は、イギリス占領地区においてすでに獲得していた労働者の既得権の防衛のたたかい、ドイツ労働組合 総同盟のストライキ圧迫のもとに実現したことを示している。かくして実現した共同決定法も鉱業および鉄鋼業に適 用あるのみで、他の重要産業諸部門には適用されない。労働組合は時あるごとに不満の意思を表示している。かかる 共同決定法が、現在および将来においていかなる成果をあげるかは、西ドイツのみならずわれわれにとっても重大な 影響をうけないではおかない。しかし施行後数年をいでず、さらに経済・社会構造との関連でどのような成果を示す かは今後にゆだねられている。経営組織法および共同決定法の構造について簡単に概説したにとどまるが、 ここでは これらの法律にいかなる批判がなされているかにふれ、結びとしたい。 労働担当取締役は効果的な制度であるのかどうか。労働担当取締役を営業および技術担当取締役と同じ権利および 義務をみとめ、価値づけたことは、留保なく某本的に進歩であるといわなければならない。法律は経営体の改善と経 営内における被用者の労働生活と生容の安定性にむかつて決定的一歩をふみだしたといえよう。しかし彼は被用者の 代表であるとともに、会社の機関であることより、社会当事者聞の出沼会な板バサミにひきいれられ、 この板バサミを

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一身に負うことになる。われわれの社会秩序の現実の構成は、出資者と被用者の相反した利誌の対立を基底とするこ とから、労働担当取締役に格別の有利な諸条件が現にそなわっているときには、よき成果を期待することができるが、 失鋭化した労資の緊張した状況、ことに労働争議または経済上の不況期においては、その地位からしてたやすく混乱 の渦にまきこまれやすいことは想像しうることであり、彼が満足いく解決を求めようとすれば、彼は磨りつぶされざ るをえない。共同決定法において創設された労働担当取締役のこの両性的地位が、その活動の満足しうる効果をあげ うるかあるいは危険にさらすことになるのかどうか、懸念されるところである。 監査役会における労働と資本の平等の原理の要請にもとずいて、中立的な地位にたっ一一番目の監査役を必要とす る。しかし一一番目の監査役は、実際に無勝負競争の議決をとり除くことはできるが、両者の間着状態を緩和するこ とができるほどの充分な保障が与えられていない。労資代表の意見が対立するとき、彼に最終的につねに決定力をも たしている。その結果として両社会当事者の賛成をえないかぎり、共通の利益を代表することはできない。さらに五 韓自の監査役も中立の者であることを要するが、彼は株主総会または労働組合中央組織の選任によることを考えると き、五番目の監査役は、法の条件に合致しているとしても、純粋に公益の代表とはいえず、両社会当事者の支持をえ られないとき、公共の利益が充分に代表されえないといえる。公共の利益、ことに消費者の利益が、監査役会の参加 についてより以上に考慮されてよいことではなかろうか。第三勢力の制度化の内的理由が共同決定法において充分に 実現されておらない。このことはやはり共同決定法の一つの欠陥として指摘することができよう。 被用者は共同決定権を与えられ、企業者の活動および処分権能に干渉することができるが、かかる干渉によって生 ずる経済的危険負担は、すべて企業者および所有者がこれを負担することに留意しなければならない。被用者代表の 労 働 重 役 の 職 能 ( 続 ﹀

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東 洋 法 学 一 一 四 誤った執行により、企業の収益にはなはだしい損失を与え、場合によっては崩壊に導くことがありうる。しかしその 反面、従来の、企業者の処分権能にもともずく執行が、被用者に社会的危険を担わしたことに注意をむけなければな ら な い 。 一方的に資本利益から決定され、しかも純粋に経済上の誤った執行が、被用者に、ときには全被用者に失業 をもたらしたことがありえたことを。被用者の失業という社会的危険負担が企業者の経済的危険負担と地位において なんら劣るものでないことは否定しえない。共同決定法は社会当事者の利益の調整の理念に立脚しているが、しかし もっと重要なことは、執行権能と責任の正しい調和について、法的組織化という以上に、企業執行の責任ある行動に おいて、社会当事者に共通の意識

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法典を形成することにある。対立する社会当事者が共通の法典を欠き、責任の 尺度を見失い、調和がなされない場合には、共同決定法は無力となる。共同決定権の導入により、社会当事者がどの ように階級闘争理論を克服するかにかかっている。労働力の搾取にむけられた経営の合理化・労務管理の措置は、今 後共同決定権の導入で、労資は企業の収益と生産性の規模に応じて、同一の利益を有することになるとか

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、あるい は﹁労働争議より共同決定へ﹂(ふといわれるこの方向が、新しい実り多い成呆をもたらすことになるであろうか。 われわれはここで今一度、一九二

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年法の失敗をおもいおこす。失敗の原因は出資者側を代表する監査役が、被用者 代表をまじえず、まえもって内部の予備討議で意思の疎通をはかり、既成事実をつくりあげ、あるいは過半数という 地位を利用して、重要な諸問題において被用者代表の意見を排除したことにあるといわれハ)、また、取締役が監査 役会の決議を楯にとり、労働者の希望を無視し、労働者側も自己の地位を乱用し、不当な方法、たとえばアジテ l b f ョンの目的に利用したす v と指摘されている。この歴史的経験はまさしく共同決定法および経営組織法の現在および 将来の行方におもいをいたすとき、つねにその基底をなしている。その成果は、社会当事者が力関係以上に信頼性の

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