刊 行 の 辞
大正12年4月,第9高等商業学校として弧々の声をあげて以来,今年は古稀 を迎えることになった。この間太平洋戦争という激動の時期には工業専門学校 に転換を余儀なくされ,戦後は再び経済専門学校として復活した。生徒の一学 年の定員は160名,教官24名であった。昭和24年5月,新制滋賀大学経済学部に 改組され,入学定員120名,経済学科と経営学科の2学科でスタートした。その 後昭和47年管理科学科(現在の情報管理学科),昭和52年会計学科,平成3年フ ァイナンス学科が増設され,さらに平成5年10月には経済短期大学部の廃止を 含めての学部・学科の改組により新たに社会システム学科を創設し現在は6学 科を擁することになった。 それとともに従来の社会人特別選抜の枠を拡げ夜間にも勉学ができる真の意味 の社会人への門戸を開いた。さらに3年次への編入を20人と設定しこの制度が 完成する4年後には学生芋貝610名,教官定員117名となり,国立大学の経済学 部としては最大規模となる。 規模の拡大と共にその内容の充実を図り,教官の充足,研究センターの設立 等精力的に取り組んでいる。 『彦根論叢』はそのルーツを昭和3年3月の『彦根高商論叢』に求めること ができる。爾来幾星霜多くの優秀な論孜が寄せられ,第34号まで公刊した。 戦時中は一時休刊が余儀なくされたが,戦後は昭和23年に『彦根経専論叢』 として復活し,翌24年には滋賀大学経済学会のもとに『彦根論叢』として今日 で284号を数えている。この機関誌は経済学部教官の研究発表の場として重きを なしている。 大学の使命は第1は文化的遺産を確実に後世に伝えること。第2は旺盛なる 研究心によって優秀な学問を生産し,彦根発進の研究論文を世に問うこと,第 3は有用な優秀な経済人を多く世に送り出すことであると確信している。この 3本の柱の1本がこの彦根論叢である。この度滋賀大学経済学部創立70周年を記念して特集号を発刊するにあたり, 名誉教授諸先輩の好意に満ちた玉稿と,同僚教官の誠意ある労作をお寄せ戴き 誠に黍ないと考えている。古稀を迎えたわが経済学部がこれを1つの契機とし て研究活動のますます旺盛ならんことを希う。 1993年8月