▲学長お気に入りの自画像。
研究室で思いは巡ります。(サトウナオミ氏作)
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CONTENTS
Vol.
33
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学長からのメッセージ
滋賀大学の未来へ
滋 賀 大 学 長 佐和 隆光
在学生紹介
タカラジェンヌから教員の道へ
滋賀大学SIFEチームの社会貢献プロジェクト
教育学部2回生 神谷 彩
経済学部4回生 松本 宣亮
8
滋賀大学の新しい動き
「幼・小・中学校における睡眠教育研修モデル
カリキュラムの開発プログラム」について
教 育 学 部 教 授 辻 延浩
18
特集
キャンパス・リニューアル ∼滋賀大学キャンパスが新たに生まれ変わりました∼
4
今の研究を語る
子どもと教師から見る社会の未来
外部資源の利用のあり方
教育学部准教授 田中 裕喜
経済学部准教授 陳 韻如
20
留学体験記
私の留学体験∼5年間の歩み∼
タン アン ホン大学院教育学研究科1回生
16
海外研究報告
平和へのかけはし
経済学部准教授 福浦 厚子
22
クラブ・サークル Information
茶道部
教育学部
17
表紙解説
23
卒業生インタビュー
西松 秀樹
さん (大津市教育センター 指導主事)
勝部 真美
さん (名鉄観光サービス株式会社)
12
私が滋賀大学長に就任して以来、ちょうど一年が経ちま
した。滋賀大学は教育学部と経済学部の二学部、そして二
つのキャンパスから成る小規模な国立大学法人です。私
が掲げるスローガンは二つあります。一つは、滋賀大学を
魅力と活力に富んだ大学につくり変えることです。もう一
つは、規模の小さなことを欠点としてではなく、小回りが利
くという意味で、利点としてとらえ直し、学生諸君には滋賀
大学に入学してよかった、教職員には滋賀大学に職を得
てよかったと思える大学にするべく、さまざまな改革を推
し進めることです。
私が滋賀大学に来て感動したことの一つは、両学部とも
同窓会の活動が盛んなことです。経済学部の同窓会であ
る陵水会の地区別年次大会には、時間の許す限り出席し、
会の冒頭で講演させていただきました。教育学部の同窓
会年次総会でも、学長としての抱負を語らせていただきま
した。とりわけ印象深かったのは、余興満載の名古屋陵水
会の年次大会でした。
滋賀大学が発足したのは昭和24年のことです。滋賀師
範学校と彦根高等商業学校(第二次大戦中に経済専門学
校に名称変更)が一緒になって出来上がった大学です。戦
前の師範学校は授業料がタダであったため、経済的に余
裕のない家庭の成績優秀な子弟の進学先でした。戦前に
は、小学校教諭の社会的地位はとても高く、憧れの職業の
一つでした。旧高商と言えば、いずこもマルクス経済学の
メッカでした。というよりも、戦前の日本の経済学はマルク
ス一辺倒だったのです。一例を挙げれば、プロレタリア文
学の旗手として知られ、治安維持法違反容疑で特別高等
警察に逮捕され獄死した小林多喜二は、小樽高商の卒業
生です。2008年、非正規雇用とワーキングプアの増加を
受けてのことか、小林多喜二の『蟹工船・党生活者』(新潮
文庫)がベストセラーになり、50万部以上が売れるという
珍事が起きたことを余談として付け足しておきます。
教育学部は小中学校の教諭を、そして経済学部は企業
の事務系社員や自治体の職員を養成することを、それぞ
れのミッションとしています。小中学校での教育を義務教
育と言いますが、戦後の日本が、戦後復興、高度成長、オ
イルショックの克服といった快挙を短期間に成し遂げるこ
とができたのは、日本の義務教育のレベルの高さゆえのこ
とだったのです。1990年にバブル経済が崩壊し、91年以
降、長期不況に陥り、91年度から2009年度までの実質
(名目)経済成長率が平均年率0.8(0.3)%といった具合
に、日本経済はまったく成長しない経済と成り果てたので
す。その理由の一つとして、1987年から90年にかけての
バブル経済期に、勤勉、努力、真面目といった日本古来の
徳目が置き去りにされ、義務教育のレベルが低下したこと
が挙げられます。このことを言い換えれば、「義務教育の建
て直しなくして経済成長なし」ということになります。
2009年9月、鳩山内閣は「コンクリートからヒトへ」を
金看板に掲げて登場しましたが、日本のような無資源国に
とって、経済成長の糧は人財(ヒューマン・キャピタル)でし
かあり得ないのです。一見、関係なさそうな教育と経済は、
以上に述べたとおり、緊にして密なる関係にあるのです。
両学部は別のキャンパスにあり、キャンパス間の移動に1
時間を要するというのは残念なことですが、両学部の学生
諸君が教育と経済の関
わりのあり方、21世紀
の日本の行く末、そし
て持 続 可 能で豊 か な
社会づくりについて語
り合う機会を数多く持
たれることを学長とし
て強く願っております。
滋賀大学の未来へ
滋賀大学長
佐和 隆光
さ わ たか みつ
学 長 か ら の メ ッ セ ー ジ