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特集 トップメッセージ 「本を読むことの大切さ」

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Academic year: 2021

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5 4  近江という地域と近江人の特性を表す表 現として、「琵琶湖の鮎と近江商人は外に出 て大きくなる」という言葉があります。 琵琶湖の鮎は琵琶湖内では、10センチ程 度にしか大きくなりませんが、周辺の川を遡上しながら2倍から2.5倍に成 長します。近世以降の近江商人も、近江に本拠を置きながら、京・大坂・江 戸という3都で、そして関東や東北で大きく活躍しました。このように、近江 という地域は、豊かな資源と人を生み出しながら、それらが近江という地 域を飛び立って、大きく育つという特性を歴史的に持っているのです。  滋賀大学経済学部は、近江商人の精神を受け継ぐ経済人の養成をめ ざして90年前に設立されました。これまで、近江という地域にとどまらず、 全国でそしてグローバルに活躍する経済人を送り出してきました。教育学 部は、師範学校以来140年の伝統を持ちますが、初等中等学校の教員を 養成すること通じて、このような近江人の育成に貢献してきたのです。  グローバルに、人や物や資金や情報が動く時代の人材を育成することが 強く求められています。それは、何も英語等の国際的なコミュニケーション 能力を持った人材を育成するということにとどまりません。グローバルな課 題に対応できる能力、そして他文化を理解し許容する思想を持った人材の 育成が欠かせません。そして、今日におけるグローバルな課題に対応するに は、地域性を持った課題の解決が不可欠です。  例えば、都市化が進み新たな産業が展開している琵琶湖集水域におけ る水環境の保全は、地球環境の保全と密接に関係しています。日本の他地 域に比べ、都市と農村が比較的バランスのよい関係を保ってきた近江に おける工場立地政策や農業政策の展開は、21世紀の産業政策の一つの 模範となるものです。第二次大戦後の糸賀一雄氏らによる障がい者福祉 政策は、世界の知的障がい者福祉政策の方向を示す実践でした。このよう に近江という地域は、地域の課題を解決しながらグローバルな課題に応 えてきたのです。まさに近江は、滋賀大学憲章でいうように、「琵琶湖世界 BIWAKO Cosmosから世界へのつながりを拓」いてきたのです。  現在、滋賀大学の将来構想について全学的に検討をしています。それは、 国立大学法人の第3期中期目標・中期計画の終期である2022年までを対象 としています。私たちは、近江という世界に開かれた地域に立地する大学とし て、地域から世界へのつながりを拓く人材を育成し研究成果を発信できる 「知の拠点」たり得る大学をめざして、将来構想を検討しているところです。 理事(総務・企画担当) 副学長

北村 裕明

琵琶湖の鮎と近江商人は

外に出て大きくなる

特集

特 集

トップメッセージ

 第2期の中期目標期間が終了する 平成27年度を前にして、現在、大学教 育を再生する必要性が大きく強調さ れ、各国立大学法人もこれに対応する ことが強く求められています。また、グローバルな環境で活躍でき る人材の養成も急務となっています。本学でも、経済学部では26 年度に新しくグローバル人材育成コースを設け、こうした期待に 応えようとしています。  しかしグローバルに活躍するためには、単に語学力を身につけ るだけでは十分ではありません。英語が話せても日本の文化や慣 習、ビジネス事情などについての知識や理解がなければ何一つ 説明できないでしょう。また、本当の語学力を身につけるために は、そのことばが話されている国や人々に対する関心を持つこと が必要です。そして英語を日常的に読む習慣が身につけば、接す る世界は広がり、おのずと語学力も向上するはずです。  大学の教育において私自身一番大切だと思うのは、スキルと 内容が両輪となって学ぶ力をつけていくことです。語学の学習で 言えば、国外のいろいろな国や文化に対する関心から、語学を学 ぶ意欲が高まり、語学力の向上によって他国の文化に対する理 解も深まるという関係です。教育学部を卒業し教員になる学生に も、教える技術だけでなく、子どもたちに伝えたいと思う豊かな内 容を身につけてほしいと思います。  残念ながら、現在の日本では、中学・高校の中等教育の時代に 受験勉強というスキルの習得に追われ、本を読み教養を身につ け、関心を深めるという側面が弱くなっています。本年度の入学 式でも学長の告示を始め、本を読むことの大切さが強調されてい ました。教育・学術担当の理事・副学長として、多くの学生諸君が 大学の4年間で本を読むことの楽しみを覚え、先行きの見えにく くなっている社会に対応できる力を身につけることのできる教育 環境を作っていきたいと思っています。皆様のご協力をお願いす るしだいです。 理事(教育・学術担当) 副学長

杉江 徹

本を読むことの大切さ

 滋賀には人やモノの滔々たる流れが あります。でも駅から一歩踏み出せば、 土地ごとに異なる気風を感じます。言 葉もそうです。昨年春、本学の方言学の 教員と、南彦根の言葉で育った学外研究者が、「残したい近江の言 葉」について語りあいました。言葉づかいは社会のありようを写し ます。「残したい」と言うからには、どのような社会を大切にするか が問われます。議論は一気に言語学の域を越えました。  じつは、それが「おうみ学術出版懇話会」の第1回目でした。この 会は、本学が平成28年設立を目指す「おうみ学術出版会」の本作 りを企画しています。集まるのは学内をはじめ滋賀県立大や滋賀 医大の教職員のほか編集専門家も含め10名ほど。ほぼ月1度の頻 度で、毎回話題にふさわしい場所を選び、まず執筆志望者が報告、 中身に関わる問答のあと本番――「これはメイド・イン・オウミの知 識ですな」、「どのような読者層を」、「本のデザインは」などと盛り上 がって中締め。  フナズシの世界遺産的価値を話題にした時には、科学知も人文 知も必須と痛感しました。その席に、別の発酵品である紅茶好きの 1回生がいました。「君はフナズシが好きですか」、「え、まだ食べて いない」、「気の毒だ、今からあそこの食堂へ」と急な展開になりま した。以後、出版懇話会には学生さんも誘おうとしております。  滋賀大学憲章は、この地の自然と歴史がおりなす風土全体を びわ湖世界 と呼び、それは地球社会の縮図であり、滋賀大生がこ の 世界 の諸課題に向き合いつつ専門の学びに励めば、人類に貢 献する人に育つとしております。今、本学はこの憲章をさらに活か す改革を進めております。構成員の誰もが学内外で分野を超えて 学びあい鍛えあう機 会が、これまで以上 に増すでしょう。出 版懇話会の小さな 集まりにも、本学が 未来の おうみの総 合大学 の核になる ヒントがあります。 理事(社会連携担当) 副学長

横山 俊夫

びわ湖世界 から

 昨年11月、文部科学省は「国立大学 改革プラン」を公表し、その中で、国立 大学が、強み・特色を最大限に生かし て機能強化を図り、自ら改善・発展に取 り組むことにより高い付加価値を生み出すことを求めています。  そのような中、滋賀大学は、豊かな人間性とグローバルな視野 を備えた専門性の高い職業人の養成と、創造的な学術研究への 挑戦を通して、人類と社会の持続可能な発展に寄与することを基 本理念とし、魅力と活力に満ち溢れた大学づくりに取り組んできま したが、今後一層の機能強化を図る必要があります。  しかし、私の主たる担当である「財務・施設」の観点から申し上げ れば、国立大学法人を取り巻く環境は極めて厳しい状況といえます。  大学の教育・研究活動や運営には十分な財源が必要ですが、学 生諸君が納める授業料などでは賄いきれないのが現状です。  このため、国立大学法人は税金を財源とする国からの補助金(運 営費交付金)を受けていますが、法人化以降毎年1%が減額されて おり、さらに、平成28年度からの第3期中期目標期間に向けて見直し が予定されるなど、財政状況は一層厳しくなることが予想されます。  そのような状況の中でも、限られた財源を活用して、学生諸君が 安全・安心な環境の下で有意義な学生生活を送れるよう、施設の 耐震化や講義室の改修、課外活動施設等の充実やアメニティの向 上などに取り組んでいるところです。  今後とも、有効かつ効率的な財政運営に努め、魅力と活力に満 ち溢れた大学づくりに全力で取り組んで参りますので、皆様のご理 解とご支援をよろしくお願い申し上げます。 理事(財務・施設担当)

阿部 幸輔

快適なキャンパスづくりを

目指して

収入 平成26年度予算 運営費交付金 3,074百万円 (49.46%) 教育研究経費 4,512百万円 (72.60%) 一般管理費 715百万円 (11.50%) 補助金等 12百万円 (0.19%) 産学連携等 研究経費及び 寄附金事業費等 49百万円(0.79%) 施設整備費 927百万円 (14.92%) 施設整備費補助金 904百万円(14.55%) 補助金等収入 12百万円(0.19%) 雑収入 45百万円 (0.72%) 産学連携等 研究収入及び 寄附金収入等 49百万円(0.79%) 国立大学財務・ 経営センター 施設費交付金 23百万円(0.37%) 授業料、入学料及び 検定料収入 2,108百万円 (33.92%) 支出 出版懇話会風景 25年末、彦根市天寧寺

参照

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○堀江座長

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