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少子高齢化の地域経済・電力需要への影響 -2050年までの長期シミュレーション分析析-

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Academic year: 2021

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(1)

主要な研究成果

背 景

急速な少子高齢化に伴い、わが国の生産年齢人口(15 ∼ 64 歳)は 1997 年に減少局面に転じ、総人口も 2006 年頃をピークに減少過程に入るとみられる。人口構造の変化には大きな地域差があり、少子高齢化の地域経 済・電力需要への影響分析は喫緊の課題となっている。

目 的

地域別人口予測モデルに加えて、新たに地域経済の成長力モデルを開発し、少子高齢化に伴う人口構造の変 化が地域別 GDP や電灯・電力需要(含む自家発)に与える影響を明らかにする。また、出生率、女性・高齢 者の有業率、生産性が変化した場合の影響分析を行う。

主な成果

1.少子高齢化の進展が電灯・電力需要へ及ぼす影響を明示的に捉えるため、既開発の地域別人口予測モデル に世帯数ブロックを追加し、高齢者世帯数の推計を行えるように改良した。また、少子高齢化が地域経済 の成長力に及ぼす長期的な影響を把握するため、供給面を主体にした地域経済の成長力モデルを開発した。 2.これらのモデルを用いた 2050 年までのシミュレーション結果は以下の通りである。 (1)現状維持ケース 少子高齢化の急速な進展により、労働力の減少や民間投資が減退するなかで、各年齢階層の有業率が現 状のままで推移する場合には、地域 GDP は 2011 年(北海道)∼ 2036 年(沖縄)にかけて順次減少局面に 入ると予想される。全国 GDP は 2000 ∼ 2025 年間で年率 0.4 %の低成長となり、2021 年に 548 兆円をピーク に減少過程に入る(図-1、表-1)。 電灯・電力需要は、GDP のピークアウト時期より 1 ∼ 10 年程度遅れ、電灯で 2020 年(北海道・四国)∼ 2042 年(沖縄)、電力で 2013 年(北海道)∼ 2037 年(沖縄)頃から減少局面に入ると予想される(表-1)。電 灯需要のピークアウトが比較的遅いのは、在宅時間の長い高齢者世帯の増加などの増電力要因が働くため である。 (2)出生率・有業率上昇ケース 全地域の合計特殊出生率(TFR)と 30 歳以上の女性と高齢者の有業率が上昇する場合、GDP ・電力需 要のピークアウト時期は地域によっては遅くなる。また、ピーク時では現状維持ケースと比べて、全国 GDP は約 50 兆円(9.1 %)増加し、電灯、電力需要は 164 億 kWh(4.9 %)、1,160 億 kWh(10.8 %)それぞ れ増大する。出生率の回復と労働力の増大を狙った少子高齢化対策は日本経済の規模縮小に歯止めをかけ る効果がある(図-2)。 (3)生産性上昇ケース 地域経済の活性化や技術革新などが功を奏し、各地域の生産性(TFP)が現状維持ケースに比べて、毎 年 1 %ポイント上昇する場合、予測期間中は全国 GDP、電灯・電力需要ともピークアウトしない。全国 GDP の成長率は 2000 ∼ 2025 年間では 1.3 %、それ以降は 0.5 %となり、2050 年に全国 GDP は 775 兆円、電 灯・電力需要は 15,942 億 kWh に達する。

今後の展開

本研究の成果を踏まえて当所の多部門地域計量経済モデルを活用し、より詳細な地域経済及び電灯・電力需 要の将来展望を行なう。また、年齢階層別の消費データを分析し、人口構造の少子高齢化の影響分析を充実さ せる。 主担当者 社会経済研究所 エネルギー・環境政策領域 主任研究員 山野 紀彦 関連報告書 「少子高齢化の進展による地域経済・電力需要への影響 − 2050 年までの長期シミュレー ション分析−」電力中央研究所報告: Y03018(2004 年 3 月) 58

少子高齢化の地域経済・電力需要への影響

−2050年までの長期シミュレーション分析−

(2)

1.経済・社会/経営環境の解明

59 2000年 19.0 43.1 31.0 152.1 70.8 12.2 81.6 28.3 13.5 42.5 3.3 497.4 2025年 18.6 45.9 35.9 168.8 82.8 13.2 86.0 29.3 13.9 46.4 4.1 545.1 2050年 13.3 35.2 29.0 142.8 68.9 10.3 69.0 22.7 10.3 38.4 4.1 444.0 -0.1% 0.3% 0.6% 0.4% 0.6% 0.3% 0.2% 0.1% 0.1% 0.4% 0.9% 0.4% -1.3% - 1.1% -0.9% -0.7% -0.7% -1.0% -0.9% -1.0% - 1.2% -0.7% 0.0% -0.8% 19.6 46.9 36.1 169.0 82.9 13.3 86.7 29.9 14.4 46.8 4.2 548.1 [ピーク年] [ 2011] [ 2016] [ 2022] [ 2023] [ 2024] [ 2021] [ 2021] [ 2016] [ 2016] [2018] [2036] [2021] 2000年 360 847 741 2,334 1,508 285 1,582 829 356 909 69 9,821 2025年 372 917 888 2,786 1,843 319 1,743 869 387 1,002 92 11,217 2050年 270 708 726 2,428 1,562 252 1,424 673 286 839 94 9,262 0.1% 0.3% 0.7% 0.7% 0.8% 0.5% 0.4% 0.2% 0.3% 0.4% 1.2% 0.5% -1.3% - 1.0% -0.8% -0.5% -0.7% -0 .9% -0.8% -1.0% - 1.2% -0.7% 0.1% -0.8% 382 927 888 2,787 1,844 320 1,751 879 394 1,005 95 11,238 [ピーク年] [ 2017] [ 2021] [ 2024] [ 2026] [ 2027] [ 2022] [ 2021] [ 2019] [ 2018] [2022] [2041] [2022] GDP (兆円, 90年価格) 電灯・電力計 (億kWh) ピーク(最大値) ピーク(最大値) 2000∼25 2025∼50 年平均伸び率 年平均伸び率 2000∼25 年平均伸び率 2025∼50 年平均伸び率 中部 北陸 関西 中国 四国 九州 沖縄 全国 首都圏 北関東 東北 北海道 地域GDPは2011年(北海道)∼ 2036年(沖縄)にかけて順次減少 局面に入ると予想される。全国 GDPは2000∼2025年間で年率0.4 %の低成長となり、2021年に 548兆円をピークに減少過程に 入る。 図-1 地域GDPの推移 図-2 地域別GDP、電灯・電力需要(全国) 表-1 地域別GDP、電灯・電力需要 予測結果 出生率の回復と労働力の増大を 狙った少子高齢化対策は日本経 済の規模縮小に歯止めをかける 効果がある。 地 域 経 済 の 活 性 化 や 技 術 革 新 な ど が 功 を 奏 し 各 地 域 の 生 産 性(TFP)が、現状維持ケース に比べて、毎年1%ポイント上 昇すると想定した場合、予測期 間中は全国GDPと電灯・電力需 要ともピークアウトしない。

参照

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