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〔書下講88第編罵言〕
東京女子医科大学学会 第266回例会
日 時 昭和61年5,月22日(木)午後2時半より会場東京女子医科大学第1臨床講堂
吉岡研究奨励金授与式(第25回) (司会)幹事 挨拶 選考経過報告 吉岡研究奨励金授与 前年度受賞者研究発表 大森 学会長 吉岡 選考委員 鎮目 学長 吉岡 (第1解剖)藤沢 (放射線科)成松 安恵 守正 和夫 守正 敬子 明子 (司会)副会長 小幡 裕 重複奇形児の解剖学的研究:重複奇形児における肝 臓の癒合形態 (第一解剖)関口 幸子 重複奇形児(癒合双胎児)における内臓の癒合頻度 としては,肝臓は高率であるが,肝臓の癒合形態に関 する詳細な解剖学的報告は少ない.5例の重複奇形児 を対象に肝臓の癒合形態の解剖学的検索を行なった. 1)対象の内訳は,頭胸結合重複奇形児2例,胸腹結合 重複奇形児2例,および平行性腸骨胸腹結合重複奇形 児1例である.2)頭胸結合例における肝臓は,各児の 脊柱側から右方に約90度廻転し,2次面に平行に位置 してほぼ分離して認められる.各児の肝動脈および門 脈は各児の右に位置する肝臓に入る.胆管系には癒合 を認めない.門脈は2例ともに2児間の吻合をみる. 1例では1児側で,肝静脈が癒合する.3)胸腹結合例 の肝臓は,鞍型に癒合した外形を呈し,その長軸は2 次面に平行に位置する.肝門部は,各回の脊柱側の肝 下面に認められるが,各児の肝動脈は,各署の右に位 置する肝の部に優位に分枝する,肝動脈は2児の間に 複数の吻合を作る.胆嚢は分離しており,総胆管は遠 位部で癒合する.肝静脈は各児の脊柱側に位置し,2 児の肝静脈の間には2次面に平行な太い吻合があり, 加えて2つの2次面方向からのこの吻合に向う複数の 合流枝をみる.肝内における血管,胆管は,その分枝 の一部で2次面に平行に2児のものが癒合する.膀静 脈は2次面側の肝中央部から入り,2次面の左半側を 形成している児の下大静脈に静脈管が入る.2児の肝 臓は,互いの異名半側葉が,2つの2次面側から入る 膀静脈および静脈管を結んだ線上で癒合していると推 測される.4)平行性胸腹結合例の肝臓は,扁平な菱形 の外形を呈し,2次面に平行に位置する,肝門部ほ脊 柱側に位置し,2児の肝動脈,門脈,胆嚢管および総 胆管は2次面に平行に癒合する.肝静脈,膀静脈およ び肝内胆管血管の走行からは,2児の肝臓の1組の異 名半側葉が前後に重なり癒合したと推測される. 2児の外形の癒合部位,癒合角度により,肝臓の位 置およびその癒合形態は異なる,心臓の癒合が軽度の 場合で,分離手術の適応範囲に入る胸腹結合重複奇形 児の肝臓分離の際セこは,2児の肝動脈間の複:数の吻合, 肝静脈の還流形態に留意すべきであると考える, 肥満児における過栄養性脂肪肝による肝機能障害の 診断と治療について (第2病院小児科)山崎 公恵 脂肪肝は肝障害の中でも比較的頻度の高い異常であ るが,最近小児においてもしばしば見出され,そのほ とんどが肥満に伴う過栄養性脂肪肝である.小児の過 栄養性脂肪肝はほとんど自覚症状がなく,検診や偶然 の採血の折りに発見されることが多いが,一見健康な 小児であること,肥満体型による技術上の問題などか ら,生検による確定診断は困難である,CT,超音波に よる画像診断も行なわれるが,被爆,通学に支障をき たす時間上の問題もあり,減量により容易に軽快する ことが多いので一回の来院で診断できることが望まし い.以上の理由により,当科肥満外来を受診した5∼14 歳の男子35例,女子14例に対し脂肪肝の診断のため, S−GOT, S−GPT,(全例),肝CT,エコー(可能であっ たもの20例),に加え,MAO, L・CAT, OCTを検査し て脂肪肝診断上の有意性を検討した.症例は肥満度 25∼102%(平均47.9%)で中等度以上の肥満が多かっ た.脂肪肝の判定基準は,肝脾CT値比0.9以下または エコー上脂肪肝を認めること,肝腫大がありGOT, GPTが上昇していること,ウイルス性肝炎が証明され ないこと,減量によりGOT, GPTが改善すること等 一687一66
とした.初期検査で脂肪肝と診断したものは男子16例, 女子3例であった.
脂肪肝例では,MAO 37.4±7.6(U), LCAT
126.5±21.6(UNIT),OCT 6.9±4.3(U〃)であり, 脂肪肝のない例ではMAO 34.4±10.6(U), LCAT
119.6±18.0(UNIT), OCT 3.6±1.7(U〃)だった. MAO, LCATは脂肪肝において上昇する傾向は認め られるが軽度の上昇であり,統計学的に有意とはいえ なかった.OCTは統計学的に有意に高値を示し, GOT, GPTが正常であってCT上脂肪肝を認めた3 例でも有意に上昇しており,脂肪肝の診断上有効な検 査と考えられる.以上により,小児の過栄養性脂肪肝 の診断に際して,MAO, L・CAT, OCTは,従来の検査 項目に加えて有効と思われる. 吉岡彌生記念講演(第2回) 挨拶 理事長 吉岡 博人 (座長)学長 吉岡 守正 講演 「国際化時代と女性」 高橋 展子氏 閉会の辞 幹事 溝口 秀昭 一688一