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高齢者の利他的行動場面における世代間相互作用の実験的検討

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Academic year: 2021

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(1)口頭発表 02-04. 高齢者の利他的行動場面における世代間相互作用の実験的検討 ○田渕 恵(関西学院大学大学院文学研究科/応用心理科学研究センター), 三浦 麻子(関西学院大学文学部) キーワード:高齢者, 利他的行動, 世代間相互作用, 世代性 Generativity 尺度(田渕ほか, 2012)を用いて世代性を測定. 問題 高齢者の他者との関わり,特に異世代との世代間相互作. した。また,語り直後に 3 種類(若者支援,健康,趣味). 用は,高齢者の心理的変化にどのような影響を与えるので. の情報を記載したチラシを提示し,若者支援チラシの持ち. あろうか。高齢期の発達研究では,高齢者の心理的発達を. 帰り行動を,若者への利他的行動として測定した。倫理的. 加齢に伴う個人内の長期的な心理的変化として捉えること. 配慮:本研究は,事前に関西学院大学の定める倫理委員会に. が多い一方で,他者との関わりを考慮した社会的コンテク. よる倫理審査の承認を受け,その規定を遵守した(承認番号;. ストの中で捉えることの重要性も指摘されてきた。本研究. 2012-14)。 結果および考察. では,高齢者の他者との関わり場面,特に次世代の若い世 代に対する利他的行動場面において,相手との相互作用が. 相手の世代および反応が世代性に及ぼす影響を検討した. 高齢者の心理的変化と行動にどのような影響を与えるかに. 結果,相手が若者である場合は反応の違いによって語り後. ついて,実験的に検討した。. の世代性得点に有意差が認められ,ポジティブ反応条件の. 高齢者が自らの経験や知恵を活かし,若者に利他性を発. 方がニュートラル反応条件よりも有意に世代性得点が高か. 揮する行動は, Erikson の提唱した心理的発達である“世. った。また,チラシを持ち帰った人数の比率の差の検定を. 代性(Generativity)”の向上につながるとされてきた。し. 行った結果, “若者支援”のチラシにおいては相手が若者で. かし一方で,世代性の発達には若者との良好な相互作用が. ある場合にのみ,ニュートラル反応条件下でより持ち帰り. 必要であり,高齢者が若者に対する利他性を発揮しても若. 人数の割合が有意に少なかった(田渕・三浦, in press)。. 者から良い反応が得られなかった場合,世代性の発達が停. 「語り」の内容分析を行ったところ,相手が若者である. 滞し,利他的行動が継続しないという報告もある(e.g.. 場合,ポジティブ条件下では「~すればいい」といった語. Cheng, 2009)。これらの先行研究で提唱された理論は全て. 尾が多く認められた。一方,相手が若者のニュートラル条. 調査研究によるものであるため,本研究では高齢者が若者. 件下もしくは相手が同世代のポジティブ・ニュートラル条. に対して利他的行動をとる場面を統制し,行動を受け取る. 件下では, 「昔」や「時代」という言葉が多く認められた。. 相手の世代と反応を操作した実験を行い,世代性の向上や. 相手が若者のポジティブ条件下では,経験を基にしたアド. 若者に対する利他性の誘発が認められるかを検討した。. バイスが語りの中心となっており,聴き手である若者への. 方法. 利他性がより発揮されている一方,その他の条件下では回. 実験参加者・デザイン:実験参加者は中高年男性 34 名(平. 想的な昔語りに終始していると考えられた。利他的行動の. 均年齢 68.38±3.53 歳)であった。実験デザインは,利他. 対象が若者でありかつポジティブな反応を返す条件下でよ. 的行動をとる相手の世代(若者/実験参加者と同世代の高齢. り利他的行動が誘発されるという,世代性の結果や行動指. 者)と,相手の反応(ポジティブ/ニュートラル)を操作し. 標の結果と同様の傾向が「語り」の質的データ分析の結果. た 2 要因 4 水準で,いずれも被験者間要因とした。実験課. にも認められた。. 題・操作:利他的行動として,高齢者が過去の経験とそこ. 本研究により,世代性の向上および若者に対する利他的. から得た知恵について教えるという語り場面を設定した。. 行動の誘発には良好な世代間相互作用が必要であるとする. 語りはおよそ 20 分間とし,参加者は実験協力者と 1 対 1 で. 理論を,行動レベルで実証することができた。 ※分析結果に関する詳しい情報は以下に記載。. 着座して語りを行った。実験協力者は,実験者が作成した 反応マニュアルにより,視線・ジェスチャー・表情変化等. https://sites.google.com/site/tabuchimegumi/research/feedback. を用いてポジティブ反応およびニュートラル反応を行った。 引用文献 測度:語り内容の質的分析を行うため,実験参加者にマイク 田渕・三浦 (in press). 心理学研究 を 装着し , 語り 場面の 音声デ ー タ を 記録し た 。 短縮版 Cheng, S. T. (2009). Journal of Gerontology, 64B(1), 45-54. ―9―.

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