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アジアの起業とイノベーション (特集1 開発途上国、地域の理解の深化に向かって -- 2017年度アジア経済研究所の研究プロジェクト)

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Academic year: 2021

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アジアの起業とイノベーション (特集1 開発途上国

、地域の理解の深化に向かって -- 2017年度アジア

経済研究所の研究プロジェクト)

著者

木村 公一朗

権利

Copyrights 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア

経済研究所 / Institute of Developing

Economies, Japan External Trade Organization

(IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp

雑誌名

アジ研ワールド・トレンド

260

ページ

6-6

発行年

2017-05

出版者

日本貿易振興機構アジア経済研究所

URL

http://hdl.handle.net/2344/00048946

(2)

特集1

開発途上国、地域の理解の深化に向かって

―2017年度アジア経済研究所の研究プロジェクト― 近年、アジアでもインターネット系やテクノロジー 系の新興企業(スタートアップ)の増加や、起業を通 じたイノベーションに注目が集まっている。さらなる 経済成長のために、スタートアップというイノベー ションの新しい担い手への期待が高まっているからだ。 既存文献をみると、アジア各地のスタートアップやそ のエコシステム、すでに大企業となったインターネッ ト系中国企業の成長プロセス、深圳やシンガポールに おける新しいモノづくりの動き(メイカーズ・ムーブ メント)などがいち早く伝えられてきた(それぞれ参 考文献①、②、③)。 もちろん、起業はこれまでも、アジア諸国・地域の 産業発展を牽引してきた。産業によっては外資系企業 や国有企業の存在感が大きいこともあるが、多くの民 間企業の参入も産業全体の生産拡大と競争を通じた価 格下落・品質向上に貢献してきた。とりわけ中国の携 帯電話機産業や太陽電池産業、レアアース採掘業など の産業では、無数の企業が参入したことで、これらは 同国を代表する産業にまで発展した(参考文献④)。 しかし、近年のスタートアップには既存企業の成長 パターンと異なる点もある。中国製造業の発展を振り 返った場合、既存大手は技術開発より市場開拓、その 市場開拓も海外より国内を重視しながら急成長してき た。一方、深圳のハードウェア・スタートアップをみ ると、創業当初からイノベーターであり、また、グロー バル企業として成長しようとしている(参考文献⑤)。 その背景には、まず、IoT(モノのインターネット) やロボットなど、新しい製品の市場が生まれているこ とがある。また、オープンソースのソフトウェアやハー ドウェア、クラウドファンディングなどの各種ツール やサービス、スタートアップ・エコシステムの発展に よって、起業のハードルが下がったことも大きい。事 業環境の世界的な変化は、新しいタイプの企業を各地 で多数生み出す可能性がある。 そこで本研究会では、近年のスタートアップの増加 に注目しながら、アジア諸国・地域の産業発展が変容 しつつあるのか否かを検討する。研究会活動を通じて、 まず、スタートアップによるイノベーションの実態や 特徴を明らかにしていきたい。また、起業増加の背景 として、スタートアップ・エコシステムの各種構成要 素(投資家、大学、政府、産業集積など)の役割にも 注目する。本研究会の成果がアジア経済の変化を理解 するための一助となれば幸いである。 (きむら こういちろう/アジア経済研究所 技術革 新・成長研究グループ) 《参考文献》

① Fannin, Rebecca A., Startup Asia: Top Strategies for Cashing in on Asia's Innovation Boom, Singapore:

John Wiley & Sons (Asia), 2011.

② Tse, Edward, China’s Disruptors, New York: Portfolio/Penguin, 2015. ③ 高須正和+ニコニコ技術部深圳観察会編『メイカー ズのエコシステム 新しいモノづくりがとまらな い。』インプレスR&D、2016年。 ④ 丸川知雄『チャイニーズ・ドリーム―大衆資本 主義が世界を変える―』ちくま新書、2013年。 ⑤ 木村公一朗「中国企業の変化―起業を通じたイ ノベーション―」『アジ研ワールド・トレンド』 No.258、2017年、38~42ページ。

木 村 公 一 朗

アジアの起業とイノベーション

開発支援スペースのオープニング・イベント(深圳のx.factory)(筆者撮影)

6

アジ研ワールド・トレンド No.260(2017. 6)

参照

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