• 検索結果がありません。

飼料用米「みなちから」の省力・低コスト・多収栽培法

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "飼料用米「みなちから」の省力・低コスト・多収栽培法"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

日本作物学会中国支部研究集録 第 58 号 飼料用米「みなちから」の省力・低コスト・多収栽培法 山口県農林総合技術センター農業技術部 金子和彦・池尻明彦1) (1)現山口県岩国農林水産事務所) 【背景および目的】 飼料用米は近年、山口県においても作付面積が拡大してきているが、未だ県内需要量を満たしてい ない状況である。飼料用米の中でも収量性が優れる専用品種は「北陸193 号」の作付面積が多いが、脱 粒性、休眠性、セジロウンカの抵抗性等問題点も多く、県内生産者からは新たな品種の導入が求めら れている。 そこで、飼料用米の新たな専用品種として「みなちから」を選定し、省力・低コスト・多収栽培法 について検討したので、その概要を報告する。 【材料および方法】 試験は 2016 年~2018 年の3年間、山口県農林総合技術センター農業技術部(山口市大内氷上)の圃 場及び現地(山口市陶、美祢市秋芳町)で行った。試験項目は①鶏糞を利用した施肥法(センター内)、 ②疎植適応性(センター内、現地)、③立毛乾燥適応性(センター内)とした。対照品種として「北陸 193 号」を用い、各試験の区の構成は表1のとおりとした。 【結果および考察】 1 「みなちから」の特性 「みなちから」は「北陸 193 号」と比較して、出穂、成熟はやや早く、収量性はやや劣るものの脱 粒性、耐虫性が優れた。また、種子の休眠が深くないため、採種翌年の播種でも発芽が安定した(デ ータ省略)。 2 鶏糞を利用した施肥法 2016~2018 年のいずれも「みなちから」は「北陸 193 号」と同様、鶏糞と被覆尿素の組み合わせで 慣行の緩効性肥料と同等の収量を確保できた。鶏糞と組み合わせる被覆尿素については 100 日タイプ と 120 日タイプで差はみられなかった(図1)。また、鶏糞の連用により土壌の腐植含有量、可給態窒 素、可給態リン酸が増加し、収量が向上する傾向がみられた(表2)。 3 疎植適応性 2016~2018 年のセンター内ほ場、2016 年の山口市陶(標高6m)の現地ほ場では疎植でも標準植えと 同等の収量を確保できた。しかし、2017、2018 年の美祢市秋芳町の現地ほ場(標高 115m)では疎植が 標準植えに比べて収量がやや低くなった(図2、図3)。 4 立毛乾燥適応性 2016~2018 年のいずれも対照の「北陸 193 号」は成熟期頃から脱粒がみられたが、「みなちから」 は成熟期後 30 日の収穫でも脱粒や穂発芽の発生は少なく、籾水分を 16%程度まで低減することが可 能であった(表3)。 4 まとめ 以上、「みなちから」は「北陸 193 号」に比べて収量性はやや劣るものの、脱粒性、休眠性、耐虫 性が優れ、ほ場条件にもよるが、鶏糞を利用した施肥法、疎植栽培、立毛乾燥等省力・低コスト・多 収栽培が可能であることが明らかとなった。

(2)

日本作物学会中国支部研究集録 第 58 号 腐植 % 石灰 苦土 加里 リン酸 窒素 5.9 3.87 245 23.9 10.8 13.9 15.1 13.0 6.1 4.10 201 20.9 6.9 13.0 27.0 15.0 区名 鶏糞+被覆尿素 pH 交換性塩基 (mg/100g) 塩基交換容量 (me/100g) 可給態 (mg/100g) 緩効性肥料 表 1 各試験の区の構成 図1 鶏糞と被覆尿素を組み合わせた施肥法の収量(粗玄米)(kg/a) (2015~2017 年平均) 表2 試験ほ場の土壌分析結果(2017 年試験終了時 収穫後) 図2 疎植と標準植えの収量(粗玄米)(kg/a) (センター内試験・2015~2017 年平均) 図3 疎植と標準植えの収量(粗玄米)(kg/a) (現地試験 左:山口市陶 2015 年 右:美祢市秋芳町 2016、2017 年平均) 籾水分(%) 脱粒 穂発芽 籾水分(%) 脱粒 穂発芽 籾水分(%) 脱粒 穂発芽 籾水分(%) 脱粒 穂発芽 2015 25.4 0 0 22.6 0 0 16.9 1.7 0 15.7 2.9 0 2016 24.8 0 0 17.0 0.5 0.0 15.5 1.2 0.3 13.8 1.3 0.3 2017 26.0 0 0 25.1 0.1 0.0 16.5 0.9 0.0 16.1 0.8 0 2015 22.7 4.0 0 21.0 5.3 0 20.1 8.1 0 17.2 9.5 0 2016 22.9 1.5 0 18.3 2.8 0 16.7 3.7 0 15.7 3.2 0.1 2017 25.9 2.1 0 23.3 2.5 0 18.4 4.0 0 18.7 5.4 0 注1)脱粒は2株からランダムに選んだ15本の穂、1本ずつの中央(長さ:約6cm)を片手で強く握り、脱粒した籾の平均粒数 注2)穂発芽は1穂当たりの穂発芽粒率(%) 成熟期+10日 成熟期+20日 成熟期+30日 みなちから 北陸193号 品種・系統 年次 成熟期 表3 立毛乾燥適応試験結果 鶏糞 計 (kg/10a) 1 鶏糞+S100日 500 4.5 7.5 12 2 鶏糞+S120日 500 4.5 7.5 12 3 慣 行 0 0 12 12 1 疎植 11 2 標準植え 18 18 12 注1)播種期は5月上旬、移植期は5月下旬 2015 14.7,11.1 2016、2017 18.0,13.6 注1)山口市陶の播種期は5月下旬、移植期は6月下旬 美祢市秋芳町の播種期は5月中旬、移植期は6月上旬 鶏糞 由来 化成 由来 現地試験 センター 内試験 試験年次 シグモイド型120 速効性:リニア型100:シグモイド型100=40:20:40 12 試験 № 区名 栽植密度 (株/㎡) 試験 № 区名 施肥窒素(kg/10a) 鶏糞を 利用し た施肥 法 疎植適 応性 立毛乾 燥適応 性 栽植密度 (株/㎡) 施肥窒素(kg/10a) 緩効性肥料 注3)立毛乾燥適応性試験は施肥法試験の慣行区で実施 肥料の種類と 窒素成分比 シグモイド型100 栽植密度 (株/㎡) 施肥窒素(kg/10a) 緩効性肥料 12 試験場所 山口市陶 美祢市秋芳町 注2)稚苗機械移植 収穫時期 成熟期、成熟期+10日、+20日、+30日 注2)稚苗機械移植 施肥窒素(kg/10a) 緩効性肥料

参照

関連したドキュメント

Photo Library キャンパスの夏 ひと 人 ひと 私たちの先生 文学部  米山直樹ゼミ SKY SEMINAR 文学部総合心理科学科教授・博士(心理学). 中島定彦

島根県農業技術センター 技術普及部 農産技術普及グループ 島根県農業技術センター 技術普及部 野菜技術普及グループ 島根県農業技術センター 技術普及部

児童生徒の長期的な体力低下が指摘されてから 久しい。 文部科学省の調査結果からも 1985 年前 後の体力ピーク時から

 此準備的、先駆的の目的を過 あやま りて法律は自からその貴尊を傷るに至

配合飼料3種類(商品名:子ごい用クランブル1号,同2

靴下加工班 受託作業 靴下・テーブルソックス表返し作業、ダンボール回収 野菜班 自主作業 野菜の栽培・収穫.. 受託作業

① 農林水産業:各種の農林水産統計から、新潟県と本市(2000 年は合併前のため 10 市町 村)の 168