家畜 の心 電 図 第15号,1-20(1983) Adv,Anim ,ECC NO.16, 1-20(1983)
家 畜 心 電 図 研 究 会 の 歩 み
中
村
良
一
わ が 国 に お け る 家畜 の心 機 能 検 査 に,は じめ て 心 電 図 が 用 い られ た報 告 は昭 和18年(1943)で あ る。 そ れ 以 来 昭 和57年(1982)ま で40年 を 経 過 し,心 電 図 の み な らず 心 音 図,超 音 波,X線 な ど の研 究 も加 え,現 在 で は 異 常 な 発 展 を とげ た。 著 者 は この 間 の多 くの 研究 業 績 を歴 史 的 に 観 察 し, そ の ま とめ は 畜産 の研 究 誌37巻8号 か ら38巻7号 に わ た って,分 割連 載 し た。 そ の 結 論 を要 約 す る と,著 者 が 調 査 し た範 囲 の研 究 報 告 は40年 間 に835件 に 達 して い る。す なわ ち,こ れ を 黎 明 期,揺 籃前 期,揺 籃 後 期 及 び 成長 期 に分 け て観 察 す る と,表1に 示 す ご と く,そ れ ぞ れ 計6,63,79, 687件 で あ る 。 す なわ ち,成 長 期 に は驚 異 的 な 発 展 を とげ,こ の うちECGに 関 す る研 究 報 告 は80%を 占め, そ の 進 展振 りが うか が え る と思 う。 著 者 は,昭 和39年(1964)に 創 設 さ れ た家 畜 心 電 図 研究 会(以 下 研 究 会 と略 称)の 設 立 に 関与 し,ま た 初 代会 長 の責 も感 じ,今 日 まで 研究 会 の発 展 を見 守 っ て き た。 こ の間 研 究 会 は,心 臓 を め ぐ る多 くの研 究 の進 展 に 大 き な役 割 を演 じ,そ の功 績 は め ざ ま し い も の が あ る。 よ っ て,研 究 会 発 足 以来20年 間 の活 動 状 況 を振 り返 り,そ の足 跡 を後 世 に の こす と とも に,今 後 の発 展 を 祈 念 す る意 味 で,研 究 会 の 活動 歴 とし て ま と め て み た。 何 か 参 考 とな れ ば幸 い で あ る。 ち な みに,本 稿 で の べ る内 容 は,機 関誌 家 畜 の心 電 図 お よびそ の 他 の 誌 上 に 記載 され た事 項 を参 考 と した も ので あ る。 1研 究 会 誕 生 の 背 景 昭 和26,27年 頃(1951-1952)か ら,わ が 国 の2∼ 3の 大 学,競 走 馬 研究 所 な どで,牛 ・馬 な ど に関 す る 心 電 図 の研 究 に着 手 され,昭 和28年(1953)か らそ れ ぞ れ基 礎 的 及 び臨 床 的 の成 果 が遂 次 報 告 され た。 しか し当 時 は,各 研 究 者 がそ れ ぞれ 独 自の 立 場 で,異 な っ た医 学 系 研 究 者 の指 導 を 受 け られ,家 畜 に 対 す る心 電 図 の臨 床 的 応 用 に主 眼 が 向け られ てい た 。 そ し て,研 究 者 相 互 の連 繋 は ほ とん ど見 られ ず,む しろ そ の 余 裕 も な く,し た が っ て動 物 を 対 象 と した 場 合,論 理 的 に も ま た技 術 的 に もか な り問 題 点 が あ り,学 会 時 の 討 論 は混 乱 を招 くこ とが 多 か った 。 よっ て各 研 究 者 相 互 の緊 密 な 連 携 の 必要 性 が痛 感 さ れ,忌 憚 な く語 り合 う場 と して,ま と ま った 家 畜(動 物)の 心 電 図研 究 会 をつ くるべ き機 運 が 抬 頭 した 。 そ し て,以 下 のべ る よ うな 経 過 を た どっ て,昭 和39年4 月5日(1964)め で た くわ が 国獣 医 界 に は は じ め て 「家 畜 心 電 図 研 究 会 」 が 誕 生 した の で あ る。 ち なみ に 研 究 会誕 生 の 裏 方 役 と して,東 大 農 学 部 家 畜 労 役 生 理 学 教 室 の 野 村 晋 一 氏 ほ か教 室 員,競 走 馬 研 究 所 の天 田 明男 氏 らの こ労苦 の あ っ た こ とを銘 記 し, 感 謝 の意 を 表 す る。 II研 究 会 誕 生 の 経 過 1.研 究 会 発 足 の 準備 期 (1)家 畜 の心 電 図 に 関 す る第1回 集 会 昭 和37年10月12日(1962),第54回 日本獣 医学 会 が岩 手 大 学 農 学 部 で 開 催 され るの を機 に,第1回 集 会 が行 わ れ た 。 代 表 世 話 人 は 岩 手 大 学 の安 田純 夫 氏 で,参 会 1家畜心電図研究会 の歩み
表1家 畜(動 物)の 心 機 能 診 断 研 究 の 成 果 者 は 生 理 ・薬 理 学 関 係10名,臨 床 関 係14名 計24名 で, い ず れ も大 学 ・研 究 所 の関 係 者 で 占め られ た 。 そ して,各 機 関 に お け る家 畜 の心 電 図 に 関 す る研 究 の 現 況 を話 し合 い,心 電 計 の問 題,心 電 区 の誘 導 法, そ の 他 将 来 の研 究 の問 題 点 な どにつ き,そ れ ぞ れ 意 見 の交 換 が 行 わ れ た。 そ し て,各 大 学 及 び研 究 所 に そ れ ぞ れ 連 絡 員1名(計10名)を お ぎ,互 い に緊 密 な連 絡 を と る こ と とし た 。 (2)家 畜 の心 電 図 に 関 す る第2回 集 会 昭 和38年10月21日(1963),東 大 農学 部 に お い て 第2 回 の 集 会 が 行 わ れ た 。 代 表世 話 人 は 東 大 の 野村 晋 一 氏 で,出 席 者 は 生 理 ・薬 理 関 係18名,臨 床 関 係(大 学 ・ 研 究 所)18名 計36名 で あ った 。 ω 当 日の 話 し合 い 事 項 家 畜 に お け る心 電 図 の 誘 導 法 ・心 電 計 等 につ き話 し合 い が行 わ れ た 。 そ の 中 で 特 に 注 意 す べ き点 は,電 極 に は 天 田明 男 氏 らの 考 案 し た ク リ ップ電 極,ま た 野村 晋 一 氏 の考 案 に よる ゴム キ ャ ップ 内埋 蔵 電 極 が推 賞 され た こ とで あ る。 ま た家 畜 の臨 床 検 査 用 に は,ヒ トの場 合 と 同様 に, 1.5∼2.0秒 の時 定 数 の 心 電 計 で 十分 波 形 の 観察 が てき る の で,と くに動 物 用 と して の新 規 格 の心 電 計 を考 え る 必要 は な い とい う こ とで あ った。 一 方,研 究 用 とし て は,正 しい美 麗 な 波 形 が 必 要 な こ とか ら,写 真 式 の 方が よい とい う意 見 もで た 。 さ らに誘 導 法 に つ い て は, 各 研 究 者 の デ ー タに基 づ き,そ の利 点 ・難 点 が 論 議 さ れ,家 畜 に お け る誘 導 の む ずか し さが 改 め て理 解 され た。 (ロ)話 題 提 供 話 題 と して,次 の よ うな研 究 成 果 が 報 告 され,き わ め て有 意 義 であ った。 (a)競 走 馬 不 整 脈 の心 電 図 学 的 観察(天 田 明 男,千 田哲 生)250頭(育 成 馬,競 走 馬,乗 馬)の 馬 に つ き,心 尖 部 の左 側 下 胸 部 と心 底 部 の 右 側 肩 部 か らの 胸 部 双 極 誘 導 に よ っ て 記録 し た心 電 図 で は,洞 性 不整 脈 3,期 外 収 縮5,心 房 細 動2,第1度 房 室 ブ ロ ッ ク11, 第2房 室 ブロ ッ ク36,洞 房 ブ ロ ック3,心 房 内 ブロ ッ ク4,心 室 内 ブ ロ ック1,WPW症 候 群1と い う所 見 を得,こ の誘 導 法 は不 整 脈 の診 断 に 適 切 で あ る との べ られ た 。 (b)反 芻 獣 の 心 臓 の 心 室 内興 奮 伝 播 様 式 に つ い て (菅 野 弘)岩 手 大 学 の 菅 野 弘 氏 は,当 時 東 大 医 学 部 の 上 田 英 雄 教 授 一 門 に 師 事 し,牛12頭 及 び 山羊12頭 に つ き心 室 内興 奮 伝 播 様 式 を検 討 した 。 本 研 究 には 直 記 式 心 電 計 が 用 い られ た 。誘 導 法 は, 不 関 電 極(R)を 肛 門,L・LFを 関電 極 と し て それ ぞ れ の電 極 に接 続 し,胸 壁 周 囲 の体 表 面 単 極 誘 導,食 道 誘 導,左 右 心 臓 内誘 導,心 表 面 直 接 誘 導,横 隔膜 側 誘 導 等 を行 って,波 形 の解 析 を試 み た。 そ の 結 果,牛 ・ 山羊 に お け る興 奮 伝播 様 式 は ヒ トの場 合 と異 な り,複 雑 な こ と が わか り,さ らに基 礎 的に 研 究 す べ きで あ る との べ た 。 (c)イ ヌの 正 常 心 電 図(高 橋 貢,澤 崎 坦)高 橋 ・澤崎 は,犬 に つ い て 実 験 的 に基 礎 的問 題 か ら検 討 し,と くに 胸 部 誘 導 部 位 に つ き吟味 し た。 そ の 結 果, 従 来 提 唱 され た ヒ トや イ ヌの 興 奮 伝 播様 式 と一 致 す る こ とを確 認 し,誘 導 部 位 と心 表 面 との 電場 の関 係 も 明 らか に し た。 そ して 体 表 面 の 波形 お よびそ の 誘 導 部位 な らび に解 剖 学 的 心 臓 の位 置 の観 察 結 果,提 案 した 胸 部誘 導 部 位 (A-B)と 補 助 誘 導 部 位 は,心 の興 奮 伝播 様 式 の確 認 に よっ て,心 電 図 学 的 に根 拠 あ りと し た。 心 電 計 は 直 記 式 が用 い られ た 。 以 上 の よ うな話 題 提 供 に よ って,こ れ ら を中 心 と し中村 良 一 て各 研 究 者 の考 え方 もそ れ ぞ れ 忌憚 な く披 歴 さ れ,論 理 点に 相 違 は あ った もの の,今 後 の 研究 発 展 に大 きな 光 明 を見 出す こ とが で きた 。 そ して,出 席 者全 員 か ら 研 究 会 設 立 に つ き強 い 要 望 が あ った 。 2.研 究会 の誕 生 ・発 足 (1)家 畜 心 電 図 に 関 す る 第3回 集 会 昭 和39年4月5日(1964),日 本 獣 医 畜 産 大 学 で 第57 回 日本 獣 医 学 会 が 開催 され る の を機に,第3回 の 集 会 を 日獣 大 で 開 催 した 。 代表 世 話 人 は 中村 良一 氏 で,出 席 者 は38名 で あ った 。 特 別 講 演 と デモ ンス トレーシ ョ ン 野 村 晋 一 氏 は犬 の 心 電 図 誘 導 法 に 関す る従 来 の研 究 に対 し て批 判 し,ヒ トと犬 で は 心 臓 軸 を 異 にす るか ら, ヒ トの誘 導 法 をそ の ま ま イ ヌに 応 用 す る こ とは 不 適 当 で,犬 で はA-B誘 導,胸 部 単 極誘 導,補 助 誘 導 を 行 うこ とが よ い とのべ た 。 これ は,前 回 の 高 橋 及 び 澤崎 の の べ た 内 容 と同 じ で あ る。 つ い で 野村,澤 崎,天 田,千 田 らに よ って,ネ ソ ブ タ ール 麻酔 犬 に つ き,熱 ペ ン直 記式 心 電 計 を用 い,前 記3種 誘 導 に よ る心 電 図 を 記録 し,そ れ ぞれ の波 形に つ い て解 説 され た 。 (2)研 究 会 の設 立 出席 者38名 で集 会 が 開 か れ,世 話 人 中 村 良一 氏座 長 とな り,心 電 図研 究 会 設 立 の件 に つ き一 同 に は か った と こ ろ,満 場 一致 異 議 な く決 定 され た 。 直 ち に研 究 会総 会 を開 き,第1・2・3回 の 集 会 は そ れ ぞ れ研 究 会 と改 称 し,以 後 順 次 回 数 を 重 ね る こ と に した 。 次 い で役 員選 出 が行 わ れ,次 の ご と く決 定 し た 。 会 長:中 村 良一 幹 事 長 二野 村 晋一 常 任幹 事(11):天 田(競 研),岡 田(農 工 大),奥 木 (伝 研),黒 川(日 獣大),佐 藤(日 大),澤 崎(東 大),高 橋(麻 布 大),辰 己(畜 試),飛 田(中 外 製 薬),松 本(家 衛 試),山 内(実 中研) 幹 事(5):戸 尾(北 大),西 川(岩 大),宍 戸(東 北 農試),山 本(東 北 大),長 野(鹿 大) 以 上 の よ うな 経過 を た ど り,1年 半 に して とも か く 研 究 会 が 発足 し た。 当時 の状 況 は,各 機 関 とも独 自に 研 究 が 進 め られ,各 研 究 者 の考 え方 及 び 技 術 的 に も相 違 点 が認 め られ た。 こ れ を一 定 の軌 道 に 乗 せ よ う とす る裏 方 役 諸兄 の あ せ り もあ り,会 則 その 他 研 究 会 の 運 営 に 関 す る準 備 も未 完 成 の ま ま,一 応 基 礎 的 の 地 盤 だ け が つ く られ た とみ て よか ろ う。 そ し て,当 分 の 間, 実 質 的 の 研究 会 運 営事 務 は,幹 事 長 所 在 の 東 大 労 役 生 理 学 教 室 の諸 兄 が 担 当 され た の で あ る。 か くし て,正 式 の 会 員 名 簿 作成,毎 年2回 の研 究 会 開 催,文 献 集 の作 製,誘 導 法 の 申 し合 わ せ,会 則 の制 定 へ と,他 の研 究 集 団 に は み られ な い変 則 的 な歩 み を な し,以 来 会 員 相 互 の熱 意 に よ って 諸般 の 改善 が 加 え られ,年 毎 に隆 盛 を見 つつ,研 究 会 は 実 質 的 に ゆ る ぎ な ぎ今 日の発 展 を来 し た。 す な わ ち研 究 会 の発 足 は,実 質 的 の研 究 面 が 先 行 し, 研 究 会 の 運営 面 の整 備 は第2と な って し ま った。 これ は 初 代 会 長 筆 者 の責 任 で あ るが,当 時 の 情 勢 で は 止 む を得 な か った の で あ る。 皿 研 究 会 会 則 の 制 定 昭 和42年4月8日(1967),第7回 研 究 会 が東 大 農 学 部 で 開 催 され,総 会,一 般 講 演(11題)が 行わ れ た。 出席 者 は60名 であ った 。 こ の総 会 で,あ らか じめ 準 備 され た研 究 会会 則 制定 の件 が 議題 と され,一 同 検 討 の 上,異 議 な く決 定 され た。 この こ とは正 式 に 研 究 会 が 発 足 し て か ら3年 目で あ る。 そ の 内 容 は,次 の と お りで あ る。 (1)総 則 1.こ の研 究会 は,家 畜 心 電 図 研 究会 と称 す る。 2.こ の 研 究会 は,事 務 所 を 東 京 都文 京 区弥 生1丁 目1番1号,東 京 大 学 農学 部 畜 産 獣 医 学 科 内にお く。 3.こ の研 究 会 は,わ が 国に おけ る家 畜 心電 図 学 の 発 展 と,そ の 普 及 を は か る こ とを 目的 とす る。 4.前 条 の 目的 を 達 す る た め に,つ ぎの事 業 を行 う。
家畜心電図研究会の歩み
(1)会 員 の研 究 発 表 会,学 術 講演 会,技 術 講 習 会 な ど の開 催 (2)文 献 集 な ど の発 行 (3)そ の 他 目的 を 達 す るた め に必 要 な事 業 (II)会 員 5.こ の研 究 会 の会 員 は,正 会 員 お よび賛 助 会 員 と す る。 6.正 会 員 は,こ の研 究 会 の趣 旨 に賛 同 し,会 費 を 納 付 す る個 人 とす る。 7.賛 助 会 員 は,こ の研 究 会 の 目的事 業 を賛 助 し, 賛 助会 費 を納 付 す る もの とす る。 8.会 員 は,こ の研 究 会 の主 催 す る研 究 発 表 会 に お い て 口演 し,こ の 研 究 会 の 発 行 す る 出版 物 な ど の優 先 的 配 布 を うけ こ とが で き る。 (皿)役 員 お よ び会 議 9.こ の 研 究 会 に は,つ ぎの 役 員 を お く。 会 長:1名 幹 事:(在 京幹 事 お よび 地 方幹 事)若 干 名 10.会 長 は,正 会 員 の互 選 に よ り,総 会 に お い て選 出す る。 12.幹 事 は,会 長 が 委 嘱 し,総 会 の承 認 を うけ て決 定 され る。 13.幹 事 は,幹 事 会 を 組 織 して 会 長 を補 佐 し,こ の 研究 会 の運 営 に 当 る。 会 長 に事 故 あ る とき は,幹 事 会 がそ の職 務 を代 行 す る。 14.在 京幹 事 は,互 選 に よ り事 務 局 を選 出 し,事 務 局 は運 営 の実 務 を 司 る。 15.役 員 の 任期 は2力 年 と し,再 任 を妨 げ な い 。 16.通 常 総 会 は,毎 会 計 年 度 終 了後2ヵ 月 以 内 に 会 長 が 招 集 す る。 17.臨 時 総 会 は,会 長 また は幹 事 長 が 必 要 と認 め た と き,何 時 で も招 集 で き る。 18.幹 事 会 は,随 時 会 長 が 招 集す る。 (IV)会 計 19.こ の 研 究会 の経 費 は,会 費,そ の 他 の収 入 を も っ て これ に 当 て る。 20.こ の 研 究会 の会 計 年 度 は,4月1日 に 始 ま り, 翌 年3月31日 に 終 る。 21.会 長 は,毎 会 計 年 度 の 収 支 決 算 を通 常 総 会 に報 告 し,承 認 を 受 け な け れ ば な らな い。 (V)付 則 22.こ の会 則 は,昭 和42年4月8日 よ り施 行す る。 23.こ の会 則 の変 更 は,総 会 の 議 決 に よる 。 以 上 が,遅 れば せ な が ら制 定 され た 会 則 で あ る が, 本 会 の趣 旨 に賛 同 され る獣 医 ・畜産 関 係 者 は も と よ り, そ の他 の科 学 者 な ら誰 で も 自 由に,個 人 の 資 格 で入 会 で き る こ と と した 。 と くに応 用 面 で は,臨 床 家 の 多数 参 加 を期 待 した。 そ し て,こ の会 則 は 以 後 若 干変 更 さ れ た箇 所 もあ るが,根 幹 は 上述 の 内容 に した が って 会 の 運 営 が 行 わ れ て今 日に い た って い る。 IV研 究 会 の 組 織 と そ の 変 遷 1.会 員 (1)正 会 員(表2,付 図 参 照) 正 会 員 は,研 究 会 発 足初 期 の時 点 では,生 理 ・薬 理 等 基 礎 関 係 者 と大 学 ・研究 所 等 の臨 床 関 係 の研 究 者 で 占め られ,総 数 は69名 であ った 。 昭 和42年 の 第5年 目 に は,小 動 物 開 業 者 が 数 名入 会 し,以 後 各 分 野 と も遂 年 増 加 の 一 途 を辿 り,昭 和43年106名,45年283名, 46∼57年311→397名 に 達 した 。 そ して会 員 の構 成 は, 臨 床 関 係 が75∼80%を 占め,と くに 目立 つ の は,昭 和 44年 か ら小 動 物 開 業 者 の急 激 な増加 を み,全 会 員 の50 %余 を 占め た こ とで あ る。 しか し,農 業共 済 の産 業 動 物 診 療 関 係 の臨 床 獣 医 師 は,よ うや く昭 和56年 か ら入 会 をみ た に過 ぎな い。 (2)賛 助 会 員 賛 助 会 員 は,本 研 究 会 の趣 旨に 賛 同 さ れ,会 の 発展 を支 援 し て い た だ く関 係諸 社 及 び団 体 で,6∼11社 と 競 馬 会 で あ る。 と くに 競馬 会 か らは,毎 年 多 額 の 援 助 を 受 け て い る。 2.役 員 組 織(表2参 照) (1)役 員 の構 成 と変 遷 役 員は 会 長1,副 会 長1,幹 事 若 干 名 と し,発 足 当 時 は幹 事 長1で あ った が,そ の後 幹 事 長 は 廃 止 され,中 村 良 一
付 図 会員の変遷
昭 和45年 か ら副 会 長 が置 か れ た。 幹 事 は,業 務 進行 上 の都 合 か ら,在 京 と地 方 の幹 事 に 分 け られ,学 校 ・研究 所 ・団体 ・会 社 ・開 業 等 の 各 分 野 の 研 究 者 か ら構 成 さ れ て い る。 各 役 員 の 変 遷 は 表 2に 示 す ご と く,幹 事 は 遂 年 増 員 され た 。 研 究 会 が 正式 に発 足 し て昭 和57年 まで 約20年 を経 過 し,責 任者 の会 長 は6名 が 交 代 され て大 きな 活 躍 を な さ れ た が,と くに澤 崎 坦 氏 及 び天 田明 男 氏 は そ れ ぞ れ 9年 の長き に わ た っ て,そ れ ぞ れ 会 長 及 び 副 会 長 と し て運 営 の責 任 を負 わ れ,今 日の 発 展 に大 き く貢献 さ れ た。 (2)編 集 委 員 会 機 関 誌 「家 畜 の心 電 図 」 発 刊 本 研究 会 を発 展 させ るに は,機 関 誌 を刊 行 す る こ との 必要 性 を認 め,ま ず 昭 和43年 度(1968)に 日本 中 央 競 馬会 か ら多 額 の援 助 を受 け て,家 畜 の心 電 図 第1号 を 創刊 し た。 これ は 北 昂 氏 が 会 長 時 代 で あ る。 そ して将 来は,原 著 論 文,症 例 報 告,技 術 的 諸 問 題 論 説,会 報 等 を 登 載 し,会 員 諸兄 に 寄 与 す る と同 時 に,わ が 国 にお け る家畜(動 物) の 心 電 図 に 関 す る唯 一 の 学 術雑 誌 とす べ く発 刊 に及 ん だ 。 そ の 後 毎 年 刊 行 され,そ の内 容 は 名 実 と もに他 の 学 術雑 誌 に 何 等 劣 る こ とな く,昭 和57年 度(1982)に家畜心電図研究会 の歩 み
表2家
畜心電図研究会組織の変遷
は 第15号 が 出 さ れ た。 編 集 委 員 会 創 刊 号 は,世 話 人有 志 の方 々に よ っ て 編 集 され た。 昭 和44年 度(1969)か ら,大 学 ・研 究 所 ・製 薬 会 社 ・団 体 ・開 業 等 ,基 礎 及び臨床 の各分野か らそ れ ぞ れ 代 表 者 を 選 出 し,10名 内外 の委 員 に よって 編 集 委 員 会 を組 織 し て,以 後 この 委 員会 が 編集 事 務 を 行 って い る 。そ の 構 成 員 の 変 遷 は 表2に 示 す とお りで あ る。中村 良 一
表3心
電図研究会運営状況
註:会 員 一 名 宛 の 所 要 経 費(昭 和56年 度)会 員400名 と し た 算 出 (1) 総 経 費 … …6,799(2,719,680/400)円. (2) 会 誌,研 究 会 要 旨(2回),発 送 費… …4,761円 { 会 誌No.13… …3,836(1,917,980/400)円 研 究 会 要 旨…… …358(143,500/400)円 発 送 費… … …567(226,840/400)円 V研 究 会 の 運 営 研 究 会 の 事 務 局 は,選 出 され た 会 長 の機 関 に おか れ る こ とに な っ てお り,そ の 下 で そ れ ぞれ の役 員が 運 営 事 務 を担 当 され て い る。 い ず れ も,多 忙 な本 来 の専 門 業務 に従 事 され て い るか た わ ら研 究 会 の 運 営事 務 を処 理 され,そ の 犠 牲 的 な ご苦 労 に 対 し,心 か ら敬 意 と感 謝 の 念 を 捧 げ ね ば な らな い 。 1.収 支 決 算 の 概 要 研 究 会 の発 足 当 初 は, ,会 員 数 が 少 な く,物 価 は 現在 よ り低 く,会 費 は100円 で あ っ た 。 そ の後,研 究 会 活 動 の 拡 大 及 び 物 価 の 上 昇 に と もな って支 出 の増 大 を き た し,漸 次 会 費 の 増 額 を よ ぎな く され た 。 しか し,多 大 な 援 助 金 もあ り,適 切 な運 営 に よっ て, 次年 度 へ の繰 り越 し金 を み るに い た った 。 本会 が 発足 して以 来,昭 和57年 度 に い た る20年 間 の 収 支 の概 要 は, 表3に 示 す と お りで あ る。 2.収 入 関 係 (1)正 会 員 費 本 会 発 足 当 初 の 一 人 当 りの会 費 は僅 か100円 で,と くに 研 究会 と して の活 動 は で きな か っ た 。 そ の 後,各 地 の研 究 会 開催,講 習 会,諸 調 査,印 刷 物 の配 布,機 関 誌 の 刊 行等 め ざ ま し い活 動 に入 り,し か も物 価 の上 昇に 伴 い,会 費 は漸 次 増 額 され,昭 和55 年 度 か らは 年5,000円 とな った 。そ し て,昭 和56年 度 に は150万 円余,57年 度 に は340万 円 の収 入 が あ っ た。 ち なみ に,会 費 改 正 の 推移 を み ると,表4に 示 す とお りであ る。 (2)賛 助 会 費 昭 和42年 度 か ら賛 助 会 費 とし て数 社 が 入 会 され,そ の後 多 少 の増 減 はあ つた が,概 ね6∼ 11社 で(表2参 照),1社 当 り1年 に おお む ね10,000円 納 入 され てい る。 (3)中 央 競 馬 会 助成 金 昭和43年 か ら中 央 競 馬 会 か ら助 成 金 を交 付 され,5-10-15-20-30万 と遂 次 増 額 され,昭 和57年 度 に は30万 円交 付 され,研 究 会 に と っ ては 機 関 誌 の刊 行 に 当 て られ,大 きな 資 金 源 とな っ て い る。 これ は あ ず か って,競 馬会 の御 理 解 と天 田 明 男 氏(競 走 馬 研 究所)や 歴 代 会 長 の 努 力 に よ る もの で家畜心 電図研究 会の歩 み
表4会
費改正の推移
表5会 員 一 人 当た りの 所 要 経 費(昭56年 度) あ る。 (4)研 究 会 参 加 費 研 究 会 開 催 に あ た っ て は,そ の 都 度 参 加 費 を お おむ ね1,000円 徴集 し,こ れ を会 場 費 等 に 当 てて い る。 (5)広 告 料 家 畜 の心 電 図 誌 に 広 告 も掲 載 す べ く, 各社 よ り広 告 料 が 納 入 され るが,毎 年 お おむ ね20数 万 円に 達 して い る。 (6)そ の他 講 演 テキ ス ト代,会 誌 売 却 代(会 員外), 会 誌 別 刷 負 担 金,貯 金 利 子 等 の 収入 は,お お む ね20数 万 円 に 達 す る。 以 上 の よ うな 状 況 で,収 入 源 は漸 次増 加 し,年 間 の 総 収 入 は,昭 和37年2,400円,40年3,800円,42年94,200 円,45年945,708円,46∼49年100∼160万 円,以 後150 ∼180万 円 を維 持 し,昭 和56年 度は約400万 円,57年 度 は340万 円 に 達 した(表3参 照)。 3.支 出 関 係 (1)事 業 費 会 誌 の発 行 本 会 の最 も大 き な使 命 の 一 つ は機 関 誌(家 畜 の心 電 図)の 発行 で あ る。 これ に は編 集 費 を含 め,約200万 円を 要 して い る。 そ の 他 研 究 会 開 催費,研 究 会 講 演 要 旨印刷 費,テ キ ス ト印刷 費 及 び こ れ ら 印刷 物 の発 送 費 等 で約50万 円 余 を必 要 とす る。 (2)事 務 費 印刷,通 信,消 耗 品,謝 礼,諸 会 議 等 に要 す る費 用 は10万 円余 で あ る。 す な わ ち 以 上 が 必要 とす る諸 経 費 で,約300万 円 の 支 出 で あ るが,こ こ数 年 来 は100万 円 余 を 翌 年 に 繰 り 越 し,健 全 な研 究 会 の運 営 が行 わ れ て きた 。 次 に,昭 和56年 度 に会 員400名 として,会 員1人 当 りの所 要 経 費 をみ る と,表5に 示 す とお りで あ る。 す なわ ち上 述 の よ うに,研 究 会 総 経 費 か らみ る と一 人 当 り6,799円 を 要 し,こ れ を5,000円 の 会 費 に 比 す ると 欠損 とな る。 こ の うち研 究 会 誌 関 係 のみ に つ い て み る と,一 人 当 り4,761円 で,お お む ね 会費 で 充 足 さ れ るわ け で あ る。 ち なみ に,毎 年 度 の 会 計 報 告 は 総 会 に お い て 行 わ れ, これ は毎 号 の研 究 会 誌 の 会 報 に 記 載 され てい る。 VI研 究 会 の 活 動 歴 わ が 国 の本 格 的 心 電 図 の 研 究 は,揺 籃 期 の 初 期 か ら で あ ろ う。 昭 和42年(1967)以 降今 日に い た る 間 に は,獣 医 界 は じ ま って 以 来 の 進 歩 発 展 を み た が,そ の 裏 に は 研 究 会 の大 きな 支え の あ った こ とを忘 れ て は な らな い 。 よ っ て こ こで は,研 究 会 発 足 以 来 の 活動 の概 況 を 紹 介 す る こ とに した 。 1 .家 畜(動 物)心 電 図誘 導 法 の調 整 昭 和37-38年に わ た り,研 究 者 相 互 の 集 会 を経 て, 昭 和39年 に 研 究 会 が 発 足 した 。従 来 もっ とも 問題 とな り,か つ 混 乱 を引 き起 した 誘 導 法 に つ い て,研 究 者相 互 の 忌 憚 な ぎ意 見 の交 換 が な さ れ,昭 和41年 にわ が国 に お け る家 畜(動 物)の 心 電 図 の誘 導 法 が調 整 合 意 さ れ た 。 そ し て,心 電 図 の 記 録 はA-B誘 導 を 中心 とし て進 も う とい う申 し合 わ せ が 行 わ れ,混 乱 を来 した問 題 も一 応 足 並 みが 揃 え られ た 。 これ は 著 者 が 会 長 時 代 で,最 も頭 を いた め た 問 題 で あ る。 また 心電 計 は,市中 村 良 一 販 され て い る人 の 直記 式 で よい とい う結 論 に 達 し,こ こで 心 電 図 記 録 の 技術 的 面 も調 整 され た 。 す なわ ち, この調 整 はわ が 国 独 特 の もの で,そ れ 以来 今 日まで, 調 整 され た技 法 を 用 い て 進 展 を み た の で あ る。 そ し て昭 和42年に,お くれ ば せ な が ら,研 究 会 の会 則 が制 定 され,よ うや く研 究 会 の基 盤 が完 成 され,本 格 的 な研 究 会 活 動 に 入 った わ け で あ る。 2.研 究 発 表 会 開 催 お お む ね 日本獣 医 学 会 開 催 時 に 毎 年2回,研 究 発 表 会 を 開催 し,一 般 研 究 の講 演,特 別 講 演 等 が 行 わ れ, 昭 和57年 度 まで通 算38回 の研 究 会 が 開 催 され た 。 3.普 及 ・指導 活 動 (1)文 献 集 の 発 行 昭和41年 に 家 畜(動 物)の 心 電 図に 関 す 為文 献 集 を 発 行 し,全 会 員 に配 布 して,研 究 進 行 の参 考 と した 。 (2)講 習 会 等 初期 は も っぱ ら心 電 図 の ガ イ ダ ンス, デ モン ス トレー シ ョン,パ ネ ル デ ィス カ ッシ ョン,特 別 講 演 等 を しぼ しば 行 い,さ らに 会 誌上 に お い て心 電 図 は も ち ろ ん,心 音 図,超 音 波,X線 あ るい は循 環 器 病 の 治療 薬 剤 に及 ぶ指 導 ・普 及 活 動 を 行 った 。 ま た昭 和56年5月23日 に はDr.Ettingerを 招 聘 し,犬 の 不 整 脈 の 診 断 と治療 に つ いて 特 別 講 演 が 行 わ れ た。 す な わ ち,総 説 ・講 座 等 をみ る と,1958∼1982年 の 25年 間 に,心 電 図関 係51件,心 音 図2件,超 音波2件, X線1件,治 療 剤9件,計65件 に 達 した 。 そ の状 況 を 一 括 す る と,表6お よび総 説 ・講 座 等 文 献 に 示 す とお りで あ る。 4,会 誌 刊 行 編 集 委 員 会 を も うけ,「 家畜 の心 電 図 」 誌 の投 稿 規 定が 設 定 され,年1回 当 て,昭 和43年 以 降57年 度 まで 15号 が 刊 行 され た 。 そ して,原 著 論 文,総 説,講 座, 会 報,外 国 文 献 紹 介 等 多 彩 に わ た って掲 載 され,他 の 学術 雑 誌 に決 して 劣 らぬ 堂 々た る もの で あ る。 5.外 国 との 交 流 昭 和50年7月(1975),第20回 世 界 獣 医会 議 が ギ リシ ア の テ ッサ ロニキ 市 で 開 催 され た 。 そ の 際 家畜 の 心電 図 誘 導 法 に 関 す る シ ソ ポ ジ ウムが7月11日 に ア リス ト テ レス 大 学 図 書 館 第 一 ホ ール で 開 か れ た。 わ が国 は代 表 と して 天 田 明 男 氏 を 送 り,中 村 良一,葛 野浩,益 田 矩 之 も陪 席 した 。 これ は ス ペ イ ンの マ ド リ ッ ド大 学 獣 医 学 部 生 理 学 教 授 のM.Illera氏 の 提 唱 で,各 家 畜 の 心 電 図誘 導 法 の国 際 的 統 一 をは か る 目的 で 開 か れ た も の で あ る。 そ の 他 の出 席 者 はPhaneuf教 授(カ ナ ダ), Huthinson博 士(ア メ リカ),Osborne博 士(ス コ ッ トラン ド)で あ る。 出席 者 は少 なか った が,真 剣 な 討 論 が交 わ され た 。 そ して 心 電計,導 子,誘 導 法,動 物 種 の 問題 等,と くに欧 米 で用 い られ て い る肢 誘 導 の可 否 に つ い て は,結 論 は得 られ な か っ た よ うで,今 後 密 接 な 情 報交 換 を 約 し て散 会 され た。 わ が 国 の心 電 図研 究 会 の 活 動,機 関 誌(家 畜 の 心 電 図)に 対 しては,参 会 者 か ら多 大 の 関 心 が よせ られ た模 様 で あ る(天 田報 告 よ り)。 筆 者 は 昭 和51年(1976)に,オ ー ス トラ リア の シ ド ニ ー 大 学 でCroft教 授 ほ か3氏,ニ ュ ー ジー ラ ン ド の マ ッセ イ 大 学 獣 医 学 部 に お い てGoulden教 授, Frielden教 授,Pryor教 授 に,そ れ ぞ れ"日 本 に お け る家 畜 の 心電 図(天 田氏 執 筆,英 文)"な る もの を 差 し 上 げ,日 本 の研 究 会 の状 況 を説 明 し た。 と くにGoul-den教 授 の研 究 室 で は,古 くさ い一 素 子 の心 電 計 で 肢 誘 導 を行 って お り,わ が国 のA-B誘 導 に は 大 そ う興 味 を 持 た れ た。 ま た筆 者 は昭 和52年(1977)に,ア メ リカ
のWis-consin Animal Health LaboratoryのRowe博 士 及
び,Lyle博 士,さ らに カ ナ ダ の ゲ ル フ 大 学 獣 医 学 部
のKing教 授,McPherson教 授,Cote教 授 ら と 会
った 際,前 記 の 天 田 報 筆 の プ リン トを差 し上 げ,日 本 の 家 畜 心 電 図 研 究 の 現 況 を 説 明 し て おい た。 非 常 に 興 味 深 く傾 聴 され,相 互 の学 術交 流 及 び情 報 交 換 を 依 頼 し てお い た。 そ の 他 各 大 学,開 業 獣 医 師,競 馬会 職 員 等 の留 学 あ る い は個 人 的 の交 流,と くに 小 動 物 の 臨床 家 とア メ リカ の臨 床 研 究 者 と の交 流 は 顕 著 な もの が あ り,循 環 器 病 全 般 な い し心 電 図 の あ り方 な どに つ い て もか な り意 見 の交 換 が行 わ れ た よ うで あ る。 そ して,欧 米 の 小動 物
家畜心電 図研究会 の歩み
表6循 環 器 系 疾 患 診 療 の ガイ ダ ンス 的 総 説 ・講 座 臨 床 家 て は,肢 誘 導 が 定 着 して い る こ とか ら,わ が 国 のA-B誘 導 法 に は未 だ な じめ な い よ うで あ る。 6.昭 和56年 度以 降 の 活 動 方 向 昭 和56年 度 か ら は,(1)小 動 物 臨床 分 野,(2)前 臨 床 試 験 ・実 験 動 物 分 野,(3)大 動 物 臨 床分 野 の3つに 区 分 し て,そ れ ぞ れ活 動 すべ く検 討 す るこ とに な った 。 そ して 小動 物 臨 床分 野 で は,小 動 物 循 環 器 病 症 例 検 討 会 が,昭 和57年 度 ま で4回 行 われ た。 7.家 畜 心電 図 研究 会 の活 動 歴 以 上 の べ た よ うに,研 究 会 は 多 くの会 員 の 支 持 を 得 て,堅 実 な基 盤 の も とに 着 実 な 運営 を行 い,大 きな 成 果 が 得 られ た もの と思 う。 将 来 いか よ うに 変 貌 す るか は,会 員 相互 の双 肩 に か か って お り,今 後 の発 展 を 期 待 して 止 まぬ もの で あ る。 ち なみ に,本 研 究 会 活 動 の 足 跡 をふ り返 り,そ の 概 要 を 一 括 して表7に 示 した。W関
運 研究 会 ・集 談 会
家 畜(動 物)の 心 臓 を め ぐ る諸 問 題 の 解 決 を 目的 と し て,上 述 した 家 畜 心 電 図 研 究 会 の ほ か に 同 系 の 研究 会 や 集 談 会 が 生 れ た 。 そ の 概 要 を 紹 介 す る と,次 の と お りで あ る。 1.比 較 心 電 図 研 究 会(天 田 氏 資 料) わ が 国 に お け る 家畜(動 物)の 心電 図研 究 は,昭 和 41年(1366)に 理 論 的 及 び 技 術 的 に よ うや く足 並 み を 揃え,多 くの 問題 は あ るに せ よ,一 応 一 定 の方 向付 け が な され,そ れ 以 来 基礎 的 及 び 臨 床 的 に 活 発 な研 究 活 動 が 行 わ れ て い る。 一方 医 学 面 か ら,動 物に関す る異な った分 野の研究 者 に よっ て,色 々 の動 物 の心 電 図 を,比 較 生 理 学 的 に 検 討 し よ う とい う機 運 が盛 り上 ってき た,そ し て,家 畜 心電 図研 究 会 とは別 に,昭 和49年(1974)に 比 較 心 電 図 研究 会 が 誕 生 し,も っぱ ら心 電 図 の本 質 に つ い て の討 論 の場 が も うけ られ た。 これ は今 ま でに なか った 珍 らし い研 究 会 で,わ が 国心 電 図研 究 の歴 史 に 刻 む べ き も の とし て,そ の概 要 を紹 介 す る こ とに した 。中村 良 一
家畜心電図研究会の歩み
(1)研 究 会 発 足 の 背 景 昭 和39年(1964)頃,ヒ トの心 電 図 でT波 の終 り と 次 のP波 の 始 ま り との 間 に出 現 す る低 くゆ るや か な波, す な わ ちU波 の 成 因 に 関 し て研 究 され て い た大 阪医 科 大 学 内 科 学 教 室 の三 戸 粲 博 士 が,各 種 動 物 の 心 電 図 の U波 を 検 討 す る た め競 走 馬 研 究 所 の 天 田明 男 氏 を訪 問 さ れ た 。 そ こで,天 田 氏 か ら馬 の心 電 図 を 提 示 さ れ た 三戸 氏 は,そ の 波 形 が ヒ トの 心 電 図 波 形 と非 常 に異 な る こ とに 驚 か れ,両 氏 の 話 し合 い の 結 果,心 電 図学 の た め に は ヒ トと各 種 動 物 の心 電 図を 比較 討 議 す る必 要 性 を 痛 感 され た との 由 で あ る。 す な わ ち,従 来 医 学 実 験 に 用 い られ た イ ヌや ウサ ギ な どは ヒ トと同 じ哺 乳 動 物 で あ るか ら,こ れ らの動 物 の心 臓 の電 気 現象 は ヒ トの それ と 同 じで あ ろ うとの 推 定 の も と に,実 験 成 績 が 医 学 臨 床 に応 用 され て い た 。 しか し実 際に は,動 物 種 に よっ てか な り相 異 す る部 分 が あ る。 し た が っ て,各 種 動 物 の心 電 図 を比 較 生 理 学 的 に 検 討 す る こ とは,従 来 得 られ た心 電 図 理 論 の修 正, あ る い は ヒ ト及 び 動 物に 共 通 の新 ら し い心 電 図 学 的 知 見 が得 ら れ るの で は な い か との考 えを 持 たれ た 由で あ る。 (2)研 究 会 の発 足 三 戸 及 び 天 田 の 談合 で は,そ の 当時 早 期 に 研 究会 の 発足 を考 え られ た が,医 学 界 の 因襲 的 体 質 な らび に 獣 医 界 に お け る心 電 図 研 究 層 の薄 い こ と な どか ら,研 究 会 の 設 立 は 容 易 に 実 現 で きな か った。 しか し,両 氏 の中村 良 一 間 に話 しが 持 ち 上 って 以 来10年 後 に は,よ うや く賛 同 者 の足 並 み も揃 い,昭 和49年(1974)に 「比 較 心電 図 談 話 会 」 の 設 立 ・発 足 を み るに い た った 。 こ の談 話 会 の 設立 ・発 足 に あ た っ て は,三 戸 粲氏 の 名 に おい て,次 の よ うな趣 音 書 が各 方 面 に送 られ て, 多 くの 同好 研 究 者 の参 集 が得 られ た模 様 で あ る。 趣 音 書 の要 旨 は,次 の とお りで あ る(原 文 の ま ま)。 「私 は 以前 よ りU波 に興 味 を持 ち,こ れ を大 動 物 と比 較 す べ く,獣 医学 心 電 図 グル ー プ の天 田先 生 に,馬 の 心 電 図 を見 せ て い ただ き ま した 。 しか し そ の波 形 が ヒ ト心 電 図 とあ ま りに相 異 す る為 に,浅 学 の私 に は解 釈 す る こ とが 出来 ませ ん で した 。 諸 外 国 に は数 々 の動 物 心 電 図 に 関 す る文 献 ・成書 も あ り,又 比 較 解 剖 学 の大 塚 教 授 よ り,プ ル キ ンエ線 維 の 分 布 が動 物 に よ り異 な る が,そ の心 電 図 は ど うな っ て い る のか と言 わ れ ま した 。 そ こで現 在 の進 歩 した ヒ トの 心電 図 理 論 の 解 釈 に応 用 す る なれ ば,ヒ ト ・各 種 動 物 及 び そ の 解 剖 と,各 部 分 の共 通 の話 題 か ら,新 ら しい 何 か 有益 な 思 考 の発 展 がみ られ るか も知 れ な い と思 って お りま した。 こ の よ うな 話 を 諸 先 生 方 に致 し まし た と ころ,現 在 最 も フ リーな お前 が 面倒 を み う とい う こ とに な り,と にか く,こ の 方 面 の 諸先 生 方 の諒 解 を得 ま した の で, 「比 較 心 電 図 談 話 会 」(仮 称)を 開 く こ とに い た し ま し た 。 … … 以下 略」 以 上 の よ うな 三戸 氏 の 呼 びか け に よっ て,動 物 を 扱 う各 界 の 同好 研 究 者24名 が,昭 和49年7月6日 東 京 の エ ーザ イ本 社 講 堂 に 相 集 い ,第1回 の 談 話 会(研 究 会)が 開催 され た次 第で あ る。 (3)研 究 会 の 組 織 と運 営 α)世 話 人 本 会 運 営 のた め,次 の よ うな 方 々が 世 話 入 とな り,そ れ ぞ れ の地 域 の 談 話 会(研 究 会)開 催 時 の事 務 的 業 務 を 行 うこ とに され た 。 羽生 功(東 大 農,水 産 学) 内 野 富 弥(日 獣 畜 大,家 畜 内科) 岡 田 了 三(順 天 堂 大,循 環 器 内科) 桐 生 啓 治(東 京 農 工 大,家 畜 病 理) 村 尾 覚(東 大 医,第 二 内科) ○ 澤 崎 坦(東 大 農,家 畜 環 境 生 理) 大 塚 長 康(岡 山 大 医,第 一 解 剖) 天 田 明男(競 走 馬 総 合 研) 岡 島 光 治(名 古 屋 保 健 衛 大,総 合 医科 研) 大 井 澄 雄(宇 都 宮 大 農,家 畜 疾病) 三 戸 粲(大 阪 府,枚 方 市 開 業) ○ 野 原 義 次(東 京 医大,八 王 子医 療 セ ン タ ー) 渡 部 良 夫(名 古屋 保 健 衛大,総 合 医 科 研) ○ 印 は代 表 世 話 人 。 回 研 究 会 の運 営 本 研 究会 は,そ の 活 動 が 定 着 す るま で は 同好 会 の性 格 で進 め られ,と くに 会 則等 は つ く られ て い な い。 年1回 同好 の土 が 集 り,定 め ら れ た テ ー マ に つ い て 自由 に討 議す る形 で 進 め られ て き た。 した が って,研 究 会 の運 営 は 世 話 人会 で討 議 さ れ, 東 大 農 学 部 家 畜 環 境 生 理 学 教 室 が一 応 事 務 局 と し て諸 般 の事 務 処 理 を し てい る。 そ し て研 究 会 で は,毎 次 の開 催 時 に参 会 費 を徴 集 し, これ を講 演 要 旨,記 録 集 な どの 印刷 費 に 当 て,参 会 者 及 び 希 望 者 に 実 費 で 配 布 した 。 しか し第8回 か らは, 雑 誌 「心 電 図 」 に 研 究 会 記 事 が 集録 され,そ の 別 刷 を 参 会 者 にそ れ ぞ れ 無 償 で 配 布 す るこ とに な った 。 (4)研 究 会 の 開 催 α)開 催 の 状 況 研 究 会 は毎 年1回 当 て,昭 和57年 まで 計9回 開 催 され た が,第1・2回 は 談 話 会 と して 開 催 され た 。 開 催場 所 は,東 京 のエ ーザ イ本社 講 堂, 台 糖 フ ァイ ザ ー 本社 講 堂,経 団連 会 館,東 京 医 科 大 学 等 で あ るが,全 国 各 地 か ら多 くの研 究者 が 参 会 さ れ た 。 参 会 者 を大 別 す る と,医 学 関 係,獣 医 学 関係,水 産 学,動 物 実験 施 設 関 係 等 の研 究 者 で,第1回 は 総 員24 名 で あ った が遂 年 増 加 し,昭 和57年 の参 会 者 は65名 に 達 し た 。 そ の状 況 を ま とめ る と,表8に 示 す とお りで あ る。 (ロ)研 究 会 の発 表 ・講 演 題 材 研 究 会 で は,一 般 講 演,招 請 講 演,特 別 講 演,シ ソポ ジウ ム等,ヒ ト及 び 動 物 の両 者 に わ た る研 究 の成 果 が披 露 され,こ れ を 中
家畜心電図研究会 の歩み
表8研
究会 開催状況
心 と して そ れ ぞ れ の研 究 者 が忌 憚 な く意 見 を 吐 露 し, 討 論 され た 。 す な わ ち,毎 回数 題 の演 題 が 講 演 され て い るが,第1∼9回 に わ た る延 演 題 は45の 多 き に及 ん だ。 話 題 と して 提 供 され た 演 題 は,い ず れ も本 研 究 会 の 目的 とす る比較 心 電 図 の討 議 にふ さわ し い もの で,医 学 ・獣 医 学 の 両 面 か ら検 討 さ れ るべ き重 要 な もの ば か りで あ る。 と くに シ ソポ ジ ウ ムで 取 り上 げ られ た,ヒ トと動 物 の 刺 激 伝 導 系,誘 導 法 を め ぐ る諸 問題,血 管 平 滑 筋 の 形 態 と機 能(動 脈 硬 化 症 へ の ア プ ロー チ),WPW型 心 電 図,心 房 細 動 症,突 然 死 等 に 関す る それ ぞ れ の演 題 は,ヒ ト及 び 動 物 に 共 通 した 現実 の基 礎 的 及 び臨 床 的 に 重 要 な 問題 で あ る。 こ の よ うに,ヒ ト及 び動 物 の心 疾患 を め ぐ る多 くの 問 題 は,直 ち に解 決 し得 る もの で は な く,当 然 今 後 も 討 議 され て 研究 が 推進 され るで あろ うが,生 命 維 持 に きわ め て重 大 な こ とで あ る。 次 に,第1∼9回 にわ た る演 題 を,表9に ま とめ て 記 録 に と どめ た。 以 上 の講 演及 び討 議 の 内容 は,そ れ ぞ れ毎 次 の研 究 会 講 演 集 あ るい は 記録 集 とし て刊 行 され て い る。 本 研 究 会 は,医 学 ・獣 医学 の境 を脱 して,今 後 ます ま す 活 発 な る活 動 が 展 開 され る で あ ろ うが,.そ の 成 果 は 心 電 図 な い し循 環 器 病 全 般 に わ た って 大 きな 貢 献 を な さ れ る こ とを 期 待 す る もの で あ る。 2.小 動 物 循 環 器 病 症 例 検 討 会 家 畜 心 電 図研 究 会 では,昭 和56年 度(1981)か ら, 小 動 物 臨 床,前 臨 床 試 験 ・実 験 動 物,大 動 物 臨 床 の 分 野 に 分 け て,そ れ ぞれ 研 究 活動 を 行 うこ とに な った 。 そ し て まず,小 動 物 臨 床 分 野 で は,循 環 器 病 症 例検 討 会 を 開 催 し,そ れ ぞ れ 話 題 の 提 供 に よ って シ ンポ ジ ウ ムが 行 わ れ た。2年 間に4回 行 わ れ た が,大 きな 成 果 が み られ た。 (1)検 討 会 の運 営 話 題 提 供 者 は,演 題 を研 究 会 事 務 局 に 提 出 し,事 務 局 は これ を一 括 し て,開 催 場 所 及 び 日時 を公 表 す る。 経 費 は,開 催 当 日参加 費 を徴 集 し,諸 雑 費 に 当 てて い る。 昭 和57年 度 ま で の開 催 状 況 は,表10に 示 す とお り で あ る。 (2)検 討 会 の 内 容 この症 例 検 討 会 で は,話 題 提 供 者 が 直 接 体 験 され た 臨床 例 につ い て そ の実 態 を公 表 し,こ れ に基 づ いて 各 研 究 者 が そ れ ぞ れ の 立場 か ら所 見 を述 べ あ っ て,多 く の 疑 点 を 解 明 し よ うとす るも の で あ る。 そ して,心 電 図 学 の み に と らわ れず,循 環 器 病 全 般 の 立 場 か ら検 討 し合 うとい う こ とで,き わ め て有 意 義中村 良 一
家畜心電図研 究会の歩み
表10小 動物 循 環 器 病症 例 検 討 会 な もの で あ る。 昭 和57年 度 ま でに 行 わ れ た,検 討 会 の 内 容 は 表11に 示 す とお りで あ る。 3.獣 医 超 音 波 診 断 集 談 会 (1)集 談 会 発 足 の背 景 1972年 頃か ら,家 畜 の超 音 波診 断 の研 究 報 告 が な さ れ,と くに牛 及 び犬 に つい て導 入 され つ つ 今 日に い た っ てい る。 そ し て,心 臓 を 中心 と し て他 の臓 器 の 診 断 に応 用 さ れ てい るが,獣 医 臨 床 面 に 導 入 す べき 基礎 的 の問 題 が あ る に か か わ らず,そ れ ぞ れ 人 医法 を取 り入 れ て 独 走 してき た 感 が あ る。 す な わ ち,装 置 類 は いず れ も人 医 用 に 開 発 され た もの で,獣 医 用 と して 開発 を必 要 とす る部 分 が あ り,ま た家 畜 に お け る画 像 診 断 の 基 礎 的 な 面 も十 分 検 討 す る必 要 が あ る。 こ の よ うに,獣 医 臨 床 に おけ る超 音 波 診 断 に 関 し て は,論 理 的 に も技 術 的 に も色 々の 問 題 が 内在 し て い る。 した が って,わ が 国 に お け る今 後 の獣 医 超 音 波 診 断 の 研 究 を 発 展 させ るに は,ま とま っ て勉 強 した 方 が よい との 観点 か ら,北 大 獣 医 学 部 の戸 尾 祺 明 彦教 授 が 多 くの研 究 者 に 呼 び か け,談 話 会 を も うけ るこ とに な った 。 (2)獣 医 超 音 波 診 断 集 談 会 発 足 昭 和57年10月7日(1982),鳥 取 大 学 に おけ る第94回 日本 獣 医 学 会 開 催 を機 に,超 音 波 研 究 同好 者 の出 席 を 得 て,鳥 取 市 白兎 会 館 に お い て会 合 が 行 わ れ た 。 そ し て,次 項 に のべ る よ うな 話 題 に 対 す る討 論 及 び 申 し合 わ せ が 行 わ れ た 。 また,獣 医 関 係 の 超 音 波研 究 領 域 は 未 だ 狭 す ぎ るの で,当 分 の 間,そ の都 度集 会 形 式 で 会 合 を 持 と うとい うこ とに な っ た。 そ し て,当 分 の 間 北 大 の 戸尾 教 授 が世 話 人 と な っ て い る。 第1回 集 談 会 の中村 良 一 表11検 討 会 の 話 題 と講 演 者 出席 者 は,次 の19名 で あ る。 山 田 明夫(帯 広 畜 大) 本 好 茂 一(日 獣大) 若 尾 義 人(麻 布 大) 戸 尾 祺 明彦(北 大) 内 野 富 弥(日 獣 大) 信 田 卓 男(麻 布大) 山 我 義 明(北 大) 三 谷 節 生(日 獣 大) 天 田 明 男(中 央 競 馬会) 竹 内 啓(東 大) 織 間 博 光(日 獣 大) 小 田 隆範(日 高 軽 種 馬 農協) 萩 尾 光 美(宮 崎 大) 左 向 敏 紀(日 獣 大) 川 島 勲(日 立 メ デ ィコ) 小 山 秀 一(日 獣 大) 橋 詰 雅(麻 布 大) 矢 野 敏 彦(日 立 メ デ ィコ) 吉 田 辰 雄(日 立 メデ ィコ) (3)集 談 会 の 話題 (イ)山 田 の 提 案 に よ る超音 波 画像 表 示 法 の検 討 山 田 明夫 氏 に よっ て 次 の ご とき話 題 が 提 供 され,各 研 究 者 か ら それ ぞれ 意 見 の交 換 が行 われ た。 (a)米 国 超音 波 医学 会 の 申 し 合わ せ に よ る,人(小 動 物)の 背 ・腹 ・側 臥 位 に よる画 像 の表 示 法 の紹 介 。 (b)Veterinary Radiologyお よ び 第6回 国際 獣 医 放 射 線 会 議 に お け る,横 断像 及 び縦 断 像 の超 音波 画 像
家畜心 電図研究 会の歩み
表 示 法 の 紹 介 。 (ロ) 山 我 義 明 氏 の,馬 ・牛 の 胸 腹 臓 器 の 診 断 に超 音 波 の応 用 に関 す る業 績 の 紹 介 。 と くに 画 像表 示 法 の 問 題 につ い て強 調 され た 。 (ハ) 小 田隆 範 氏 の,馬 の早 期 妊娠 診 断 に超 音 波 の応 用 に 関 す る業 績 の紹 介 。 と くに 画 像 表 示 法 及 び超 音 波 機 器 の問 題 に つ い ての 私 見 に 関 して強 調 され た 。 以 上3件 の 話題 を 中心 と して,各 研 究 者 は 忌 憚 な き 意 見 を 交 換 され,当 面 の 問 題 点 とし て 次 の よ うな 申 し 合 わ せ が 行 わ れ た 。 (4)集 談 会 の 申 し合 わ せ 事 項 第1回 の集 談会 で は,次 の よ うな 申 し合 わ せ が行 わ れ た。 (イ)大 動 物 の立 位(立 体)時 の表 示 は,今 回 の資 料 に準 拠 し て,な る べ く統 一 の方 向で 行 うこ とが 適 当 と 思わ れ る。 (ロ) 心 臓 のMモ ー ドに 関 して は,従 来 通 り左 か ら右 へ の流 れ(心 電 図 と同 じ)と す る。 (ハ) 小 動 物 に つ い ては,体 位 が 多 岐 に わ た るの で, と くに 基 準 は も うけ な い が,お おむ ね ヒ トの そ れ に準 ず る こ と が好 ま し い。 (ニ) 直 腸 経 由の 子 宮 内 の 映像 は,背 → 腹 とな る可 能 性 が大 きい の で,尾 側 か らみ た 背→ 腹 とし,背 側は 像 の 上 面 に も って く る。卵 巣 に つ い て は,と くに きめ な い。 以 上 の よ うな経 過 を と って,獣 医 臨 床 面 に おけ る超 音波 診断 の集 談会 が発 足 し,画 像 表 示 法 及 び 獣 医 臨 床 に応 用 す る た め の 問題 点 な どが 討 議 され,一 応 の申 し 合 わ せ が行 わ れ た 。 これ は,ま さに 家畜 心 電 図 研究 会 が発 足 し た ご く初 期 の揺 籃 期 時 代 の 様 相 に 匹 敵 して い る。 超 音 波 の応 用 は,心 臓 の み な らず 他 の 諸臓 器 の 診断 に 汎 用 され るが,現 今 の 獣 医 臨 床 で は,未 だ 研究 の層 及 び領 域 が 狭 隘 で あ り,将 来 は 重要 な研 究 域 を有 す る 分 野 で あ る。 と く に画 像 に よ って,体 内臓 器 の あ り方 を 直視 し得 る とい う利 点 は,心 電 図 ・心 音 図 ・X線 撮 影 等 の 診 断 に 増 して,技 術 的 に重 要 な武 器 と な り,今 後大き な 発 展 が期 待 され る。 これ を 契 機 と し て,今 後 は 時 間 を か け て多 くのデ ー タ ーを 積 み 重 ね,機 器 の 改 善等 十分 討 議 され て確 固た る方 向を 見 出 す よ う願 って 止 まな い 。 参 考 循 環 器 系 疾 患 の 診 療 に に 役 立 つ 総 説 等 基 礎 的 の 生 理 ・病 理 学 面 〔基 礎 ・生 理 学 面 〕 1) 草 地 良 作(1959):心 電 図 学 の 基礎(I) .日 獣 会 誌, 12, 553-558. 2) 草 地 良 作(1960):心 電 図 学 の 基 礎(II) .日 獣 会 誌, 13, 30-34. 3) 野 村 晋 一 ら(1961);実 験 動 物 の 臨 床 生 理 .日 本 臨 床,19,(臨 増 号), 48-57. 4) 関 一 郎(1973):ヒ トの 臨 床 と 動 物 の 心 電 図― 比 較 病 態 生 理 学 の 立 場 か ら―.家 畜 心 電 図,6, 1-8. 5) シ ン ポ ジ ウ ム(1978):動 物 実 験 と くに 前 臨 床 試 験 に お け る 循 環 機 能 検 査 の 問 題 点.家 畜 心 電 図, No.11, 52-57. 6) 大 島 武 史 ら(1978):無 麻 酔 犬 に お け る 循 環 動 態 の 研 究― 血 圧,血 流,心 電 図 の 測 定 法 .家 畜 心 電 図, No.11, 44-51. 7) 澤 崎 坦(1980):脊 椎 動 物 の 心 臓― そ の 形 態 と 機 能 の 比 較.第33回 心 電 研 講 演. 8) 菅 野 茂(1982):非 臨 床 試 験 に お け る 心 電 図 検 査 導 入 上 の 問 題 点.第37回 心 電 研 講 演. 〔心 の 病 理 学 面 〕 9) 桐 生 啓 治(1975):心 臓 病 理 組 織 学 の た め の 採 材 手 技― 競 走 馬 に お け る 心 電 図 等 と の 関 連 性 を 考 慮 し て.家 畜 心 電 図, No.8, 22-31. 10) 桐 生 啓 治(1981):馬 に お け る 不 整 脈 の 心 臓 病 理, 馬 の 科 学, 18, 519-526. 心 の 臨 床 診 断 〔臨 床 と 心 電 図 〕 11) 若 尾 義 人(1973):心 疾 患 の 臨 床 診 断.第20回 心 電 研 講 演,(ガ イ ダン ス) 12) 高 橋 貢 ら(1976):イ ヌ に お け る 心 疾 患 の 臨 床 診 断 法.第26回 心 電 研 講 演(ガ イ ダ ン ス). 13) 小 暮 一 雄(1979):心 疾 患 の 臨 床 診 断― 心 電 図 を 中 心 に.第32回 心 電 研 講 演(ガ イ ダン ス). 14) 座 談 会(1980):心 疾 患 に お け る 聴 診 の 重 要 性 に つ い て.家 畜 心 電 図, No.13, 1-11. 15) 天 田 明 男 ら(1981):循 環 機 能 検 査 機 器 の 実 際(心 電 計 と 心 音 計,血 圧 計. UCG, UCT).家 畜 心 電 図, No.14, 1-3 16) 鈴 木 健 二(1982):実 験 動 物 と 経 済 動 物 の 行 動 研 究.畜 産 の 研 究, 36, 609-614. 心 電 図 の 基 礎 ・誘 導 法 〔心 電 図 の 入 門 〕 17) 中 村 良 一(1967):家 畜(動 物)の 心 電 図 の 誘 導 法. 獣 医 畜 産 新 報, No.441, 185-192 (1967);家 畜 心中 村 良 一 電 図No.1, 14-22 (1968). 18) 大 井 澄 雄 ら(1970):家 畜 心 電 図 の ベ ク トル 解 析 に お け る 面 の 呼 称 と軸 の と り 方 に つ い て,家 畜 心 電 図, No.3, 88-92. 19) パ ネ ル デ ィス カ ッ シ ョン(1972):心 電 図 記 録 上 の 諸 問 題 。 家 畜 心 電 図, No.5, 87-88. 20) 大 井 澄 雄(1974):家 畜 に お け る 心 電 図 の 誘 導 法 に つ い て.家 畜 心 電 図, No.7, 1-19. 21) 内 野 富 弥(1977):心 電 図 に 関 す る ガ イ ダン ス, デ モ ン ス ト レ ー シ ョン 。 第28回 心 電 研. 22) 岩 田 千 代 蔵 ら(1978)1臨 床 心 電 図 入 門.第30回 心 電 研 講 演(ガ イ ダ ン ス). 23) 戸 尾 祺 明 彦(1979):心 電 図 の 基 礎 第32回 心 電 研 講 演(ガ イ ダ ン ス). 馬 の 心 電 図 〔主 と し て 不 整 脈 の 問 題 〕 24) 天 田 明 男(1965):馬 の 心 電 図 に つ い て,― 研 究 の 現 況 と問 題 点,(I)獣 医 技 術, No.8, 1-8; (II) No.9, 1-12. 25) 天 田 明 男(1970):不 整 脈 入 門 の た め の 基 礎 知 識. 家 畜 心 電 図, No.3, 36-44. 26) 天 田 明 男(1970):馬 の 不 整 脈 に つ い て.家 畜 心 電 図, No.3, 45-57. 27) 千 田 哲 生(1976):馬 の 血 行 動 態 に つ い て.家 畜 心 電 図, No.9, 1-8 28) 天 田 明 男(1976):馬 の 心 房 細 動 に つ い て.獣 医 技 術, 13, 71-103;家 畜 心 電 図, No.11, 1-16 (1978). 29) 天 田 明 男(1977):ウ マ の 心 電 図 誘 導 法 の 歴 史. 家 畜 心 電 図, No.10, 19-27. 30) 天 田 明 男(1979):馬 の 運 動 生 理 学 的 研 究 の 重 要 性 と 問 題 点,獣 医 技 術, 16, 412-420. 31) 天 田 明 男(1980):サ ラ ブ レ ッ ドの 心 房 細 動.日 本 臨 床, 38, 181-188. 32) 天 田 明 男(1981):競 走 馬 の 不 整 脈 研 究 の 現 状 と 問 題 点.馬 の 科 学, 18, 502-511. 牛 の 心 電 図 〔心 電 図 の 応 用 〕 33) 戸 尾 祺 明 彦 ・中 村 良 一(1958):馬 お よ び 牛 の 心 電 図 と そ の 臨 床 的 応 用.畜 産 の 研 究, 12, 850-854; 12, 975-980; 12, 1095-1098. 34) 菅 野 弘(1970):牛 の 不 整 脈 に つ い て,家 畜 心 電 図, No.3, 58-66. 35) 戸 尾 祺 明 彦(1977):ウ シ の 心 電 図 誘 導 法 の 歴 史. 家 畜 心 電 図, No.10, 8-18. 36) 内 野 富 弥(1980):ウ シ の 心 疾 患 の 臨 床 診 断.家 畜 心 電 図, No.13, 39-55. 〔主 と し て 不 整 脈 〕 37) 南 三 郎(1982):ウ シ の 心 房 細 動 症― 特 に 心 軸 算 出 と 臨 床 応 用 を 含 め て.第38回 心 電 研 講 演 要 旨, 1-6(シ ン ポ ジ ウ ム). 38) 黒 沢 隆 ら(1982):乳 牛 の 心 房 細 動 の 臨 床 観 察 と 治 療 成 績.第38回 心 電 研 講 演 要 旨,7-10(シン ポ ジ ウ ム). 39) 内 野 富 弥(1982):ウ シ の 心 房 細 動 症 の 発 症 と 治 療,第38回 心 電 研 講 演 要 旨,11-17(シン ポ ジ ウ ム). 40) 其 田 三 夫(1982):牛 の 最 近 の 心 疾 患― 心 筋 症 を 中 心 と し て.昭 和57年 度 日 本 臨 床 獣 医 学 会 年 次 総 会 講 演. 41) 本 好 茂 一(1982):牛 の 最 近 の 心 疾 患― 心 房 細 動 に つ い て.昭 和57年 度 日本 臨 床 獣 医 学 会 年 次 総 会 講 演. 犬 の 心 電 図 〔基 礎 と 臨 床 〕 42) 高 橋 貢(1969):犬 の 臨 床 心 電 図.家 畜 心 電 図, No.2, 35-36. 43) 澤 崎 坦(1970):犬 の 不 整 脈― 臨 床 例 か ら.家 畜 心 電 図, No.3, 67-72. 44) 武 藤 真 ら(1975):イ ヌ の 先 天 性 疾 患― 主 と し て 国 内 の 文 献 的 考 察.家 畜 心 電 図, No.8, 63-69. 45) 内 野 富 弥(1977):わ が 国 お よ び 諸 外 国 で 使 用 さ れ て い る イ ヌ の 心 電 図 誘 導 法 第27回 心 電 研 講 演. 46) 内 野 富 弥(1977):イ ヌ の 心 電 図 誘 導 法 の 歴 史. 家 畜 心 電 図, No.10, 28-32. 47) 広 瀬 昶(1977):各 種 誘 導 法に 現 わ れ る 異 常 所 見 と 障 害 部 位 と の 関 係(実 験 的 発 症 例 か ら)。 第27 回 心 電 研 講 演. 48) 小 暮 一 雄(1979):イ ヌ の 心 疾 患 の 臨 床 診 断― 心 電 図 に よ る 右 室 肥 大 ・左 室 肥 大 判 定 規 準.家 畜 心 電 図, No.12, 31-44. 49) 米 国 動 物 病 院 協 会(1981):イ ヌ の 心 電 図 判 読 に 関 す る ガ イ ド ラ イ ン(小 宮 山 訳).家 畜 心 電 図, No. 14, 71-72. そ の 他 の 技 法 〔マ ス イ と 心 電 図 〕 50) 山 村 穂 積(1974):麻 酔 監 視 装 置 と し て の 心 電 計 の 応 用.第22回 心 電 研 講 演(ガ イ ダ ン ス). 51) 山 村 穂 積(1976):全 身 麻 酔 の 循 環 監 視.家 畜 心 電 図, No.9, 31-41. 〔心 音 図 〕 52) 戸 尾 祺 明 彦 ・中 村 良 一(1971):家 畜 の 心 音 図 に つ い て.日 獣 会 誌, 24, 55-67. 53) 若 尾 義 人(1972):犬 の 臨 床 心 音 図,家 畜 心 電 図, No.5, 47-62. 〔超 音 波 〕 54) 山 田 明 夫(1981):乳 牛 に 対 す る 超 音 波 検 査 法 の 進 歩 と 集 団 検 診 へ の 応 用.日 獣 会 誌, 25, 5-9. 55) 山 田 明 夫(1982):ウ シ の 超 音 波 診 断.家 畜 診 療, No.231, 45-55. 〔X線 〕 56) 原 崇(1974):心 臓 大 血 管 造 影 法.家 畜 心 電 図. No.7, 63-83. 循 環 系 疾 患 の 治 療 関 係 〔治 療 薬 剤 とそ の 他 〕 57) 菅 野 茂(1971):循 環 系 疾 患 に 用 い ら れ る薬 剤. 家 畜 心 電 図, No.4, 12-26. 58) 若 尾 義 人(1971):β-受 容 体 興 奮 剤(Isoprotenol) の 応 用― と く に 犬 に お け る麻 酔 中 毒 に 対 し て.家 畜 心 電 図, No.4, 27-30. 59) 天 田 明 男(1971):馬 に 対 す る 抗 不 整 脈 薬 の 使 用 例.家 畜 心 電 図, No.4, 40-43. 60) 菅 野 茂(1975):心 疾 患 の 薬 物 療 法 に つ い て.