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金属ブラウン管用クローム鉄合金に就て

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Academic year: 2021

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金属ブラウン管用クローム鉄合金に就て The Evaluation of Chromium‐Iron Alloys for Metal Kinescope Cones

R.C.A. Review, December 1949 by Arnold S. Rose and John C. Turnbull 静岡大学 電子研究室 西田亮三 § 諸言

外形図(第一図)に示されて居る1AP4 Kinescope のmetal coneは市場でISI Type 446の修正され たものとして知られて居る28%クローム鉄合金にてスピニ ング法(1)によつて製作 される。このConeの大 きな端は3/16吋の上質窓 硝子の円形face plate に、小さな端はプレスし て作られた鉛硝子のCone に封着される。metal coneと硝子部分がガスの 焔で加熱されて封着され る時には封着面の極く近 くが1200℃近くに達す る。〓〓〓クローム鉄合金のこの高温度に於ける熱膨張特性 の影響が後述する試験の基礎となつてゐる。 (1) 金属ブラウン管用クローム鉄合金に就て The Evaluation of Chromium‐Iron Alloys for Metal Kinescope Cones

R.C.A. Review, December 1949 by Arnold S. Rose and John C. Turnbull 静岡大学 電子研究室 西田亮三 § 諸言

外形図(第一図)に示されて居る1AP4 Kinescope のmetal coneは市場でISI Type 446の修正され たものとして知られて居る28%クローム鉄合金にてスピニ ング法(1)によつて製作 される。このConeの大 きな端は3/16吋の上質窓 硝子の円形face plate に、小さな端はプレスし て作られた鉛硝子のCone に封着される。metal coneと硝子部分がガスの 焔で加熱されて封着され る時には封着面の極く近 くが1200℃近くに達す る。〓〓〓クローム鉄合金のこの高温度に於ける熱膨張特性 の影響が後述する試験の基礎となつてゐる。

(2)

(2) §クローム鉄合金の温度効果 Bain(2)によつてクローム鉄合金の種々な温度に於ける状態 は完全に研究されてゐる。 第二図は28%のクローム を含有する合金が1200℃ まで加熱されても変化がな く主としてferrite C+炭 化物)結晶組織が保たれる ことを示す。15分間12 00℃で加熱した後水冷し た場合の顕微鏡寫眞を第三 図aに示す。熱膨張の期間 Fig.2 Fig.3a Fig.3b に於て結晶内に何ら変化が認められないので、合金が1200℃ まで加熱の後冷却されても膨張曲線の勾配は連続して一定であ る。第四図の曲線Aは28%のクロームを含有するクローム鉄 合金の代表的な膨張特性を示す。この型の合金の膨張係数の値 は通常25℃~500℃の間で108~108×10-7/℃の範 囲にある故にブラウン管の製造で硝子の封着が行はれる時に何 (2) §クローム鉄合金の温度効果 Bain(2)によつてクローム鉄合金の種々な温度に於ける状態 は完全に研究されてゐる。 第二図は28%のクローム を含有する合金が1200℃ まで加熱されても変化がな く主としてferrite C+炭 化物)結晶組織が保たれる ことを示す。15分間12 00℃で加熱した後水冷し た場合の顕微鏡寫眞を第三 図aに示す。熱膨張の期間 Fig.2 Fig.3a Fig.3b に於て結晶内に何ら変化が認められないので、合金が1200℃ まで加熱の後冷却されても膨張曲線の勾配は連続して一定であ る。第四図の曲線Aは28%のクロームを含有するクローム鉄 合金の代表的な膨張特性を示す。この型の合金の膨張係数の値 は通常25℃~500℃の間で108~108×10-7/℃の範 囲にある故にブラウン管の製造で硝子の封着が行はれる時に何

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(3) Fig 4 ら困難を経験しなかつた。 代表的な市販の17%クロ ーム含有の合金は1200℃ に於てferrite結晶組織 からaustenite結晶組織へ 変態を受けることが第二図に示 されて居る。第三図bはかヽ る組織を示す顕微鏡寫眞であ る。第四図曲線Cは17%ク ローム鉄合金のもので、約8 00℃まで一定の割合で膨張し、この点でr austeniteへの 変態を受ける。この変態の結果熱膨張の割合は増加し、冷却の 際も増加したまヽである。逆の(r-α)変態は一般に約200 ~300℃で生じ、硝子のsetting point(530℃)以 下であり、しかも急激な膨張をともなふ爲に引張応力の増加の 結果金属と硝子との封着は失敗する。face plateの封着部に 放射状のクラックが生じるのは明かにこのtypeの失敗である。 28%合金の中にも1200℃まで加熱する際に1150℃附近 で変態を受けるものがある。第四図曲線Bはこの合金の膨張曲 線を示す。25℃から500℃の間に於て膨張係数が120× 10/-7/℃まで増加する場があつて硝子と金属の間の応力が増加 する爲にこのtypeの材料は推薦出来ない。 以上の考察の結果よりmetal-cone kinescopに適す るクローム鉄合金としては、合金の試験片を1200℃(±10℃) で15分間加熱した後水冷して、500倍の顕微鏡で調べた時に 何の変態も起つてゐないことを要する。即ち本質的にferrite と炭化物とから成り立つて居なければならない。 § 熱膨張 (3) Fig 4 ら困難を経験しなかつた。 代表的な市販の17%クロ ーム含有の合金は1200℃ に於てferrite結晶組織 からaustenite結晶組織へ 変態を受けることが第二図に示 されて居る。第三図bはかヽ る組織を示す顕微鏡寫眞であ る。第四図曲線Cは17%ク ローム鉄合金のもので、約8 00℃まで一定の割合で膨張し、この点でr austeniteへの 変態を受ける。この変態の結果熱膨張の割合は増加し、冷却の 際も増加したまヽである。逆の(r-α)変態は一般に約200 ~300℃で生じ、硝子のsetting point(530℃)以 下であり、しかも急激な膨張をともなふ爲に引張応力の増加の 結果金属と硝子との封着は失敗する。face plateの封着部に 放射状のクラックが生じるのは明かにこのtypeの失敗である。 28%合金の中にも1200℃まで加熱する際に1150℃附近 で変態を受けるものがある。第四図曲線Bはこの合金の膨張曲 線を示す。25℃から500℃の間に於て膨張係数が120× 10/-7/℃まで増加する場があつて硝子と金属の間の応力が増加 する爲にこのtypeの材料は推薦出来ない。 以上の考察の結果よりmetal-cone kinescopに適す るクローム鉄合金としては、合金の試験片を1200℃(±10℃) で15分間加熱した後水冷して、500倍の顕微鏡で調べた時に 何の変態も起つてゐないことを要する。即ち本質的にferrite と炭化物とから成り立つて居なければならない。 § 熱膨張

(4)

(4) 上述の如く金属の熱收縮曲線を測定して硝子の歪に及ぼす硝 子封着の際の高温度の影響を直接調査することが出来る。 metal-cone Kinescopeの製作に於ける封着のスケヂュー ルは大凡次の如くである。 (1)3分間1200℃に加熱す(硝子封着)、(2)炉内に移して550℃ で8分間保つ(硝子アンニーリング)、(3)炉から取出して室温 まで冷却す。このスケヂュールに於ける冷却の間合が速すぎて 膨張計による正確な測定は出来ないでの、硝子の歪に重大な影 響を及ぼす硝子のsetting point(530℃)と室温の間の 收縮曲線を次の試験方法によつて測定する。(1)4吋の長さの尖 つた試験片を炉に入れて1200℃で15分間加熱する。(2)試験 片を速やかに膨張計に移し、550℃以下にならないうちに、試験 片と膨張計を膨張計炉(550℃)に挿入する。(3)炉の温度を徐 々に下げながら(40℃まで2℃/分の割合で)收縮曲線を測定 する。測定はiElectrical strain gaugeを有する石英膨張 計からなる。記録装置(2)によつてなされる。 合金の許容規格としては試験片を1200℃まで加熱した後5 30℃より-40℃までの間で長さに急激な変化がなく、500℃ から30℃までの間の平均膨張係数が114×10-7/℃以下であるこ とが要求される。 §硝子封着試験 既知の物理的性質の硝子を金属に封着してアンニールする試 験によつて金属の熱膨張の迅速なチエツクが出来る。硝子の膨 張係数は一定に保たれるので、硝子の歪が約500℃から30℃ま での間の金属の收縮の全体の指示することになる。この試験に 於ては硝子の組成、封着の寸法及び封着とアンニーリングの條 件を統一することが必要である。 (4) 上述の如く金属の熱收縮曲線を測定して硝子の歪に及ぼす硝 子封着の際の高温度の影響を直接調査することが出来る。 metal-cone Kinescopeの製作に於ける封着のスケヂュー ルは大凡次の如くである。 (1)3分間1200℃に加熱す(硝子封着)、(2)炉内に移して550℃ で8分間保つ(硝子アンニーリング)、(3)炉から取出して室温 まで冷却す。このスケヂュールに於ける冷却の間合が速すぎて 膨張計による正確な測定は出来ないでの、硝子の歪に重大な影 響を及ぼす硝子のsetting point(530℃)と室温の間の 收縮曲線を次の試験方法によつて測定する。(1)4吋の長さの尖 つた試験片を炉に入れて1200℃で15分間加熱する。(2)試験 片を速やかに膨張計に移し、550℃以下にならないうちに、試験 片と膨張計を膨張計炉(550℃)に挿入する。(3)炉の温度を徐 々に下げながら(40℃まで2℃/分の割合で)收縮曲線を測定 する。測定はiElectrical strain gaugeを有する石英膨張 計からなる。記録装置(2)によつてなされる。 合金の許容規格としては試験片を1200℃まで加熱した後5 30℃より-40℃までの間で長さに急激な変化がなく、500℃ から30℃までの間の平均膨張係数が114×10-7/℃以下であるこ とが要求される。 §硝子封着試験 既知の物理的性質の硝子を金属に封着してアンニールする試 験によつて金属の熱膨張の迅速なチエツクが出来る。硝子の膨 張係数は一定に保たれるので、硝子の歪が約500℃から30℃ま での間の金属の收縮の全体の指示することになる。この試験に 於ては硝子の組成、封着の寸法及び封着とアンニーリングの條 件を統一することが必要である。

(5)

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この試験にはmetal-cone Kinescopeのface plateと同 一の板硝子が使用され、その膨張係数は30℃~300℃の間で91× 10-7/℃である。封着に用ひられる試験片の寸法は金属が1/8 ×1 1/2×4吋、硝子が3/16×3/4×3吋である。金属片は1 1/2× 4吋の面の片面をサンドブラストして清潔にして次の方法で封着 する。(1)1200℃の炉内に15分間金属片を置く。(2)炉内で 金属片の上に硝子を置く。(3)硝子が融てから併し硝子片の縁が 金属の表面に流れ始めない前に封着された試料を取り出す。(4) 試料を約600℃まで急冷し、525℃に保たれたアンニーリン グ炉に少なくとも30分間入れる。(5)炉を400℃まで隙々に (1℃/分)冷却して後試料を室温まで急冷する。 冷却後、硝子の中に残つた歪の量を決定する爲偏光器によつ て試験をする。この際1/4波長板が使用されて居るGoranson-Adams(4)の装置を用ひると良い結果が得られる。材料に対す る許容規格としては上記の条件で測定された封着の歪は700mμ/cm 以下であることが必要である。 §結言 上述の試験はKinescopeのConeとして使用される特殊のク ローム鉄合金の適否を決定する爲の標準となるものであつて、 実際の製造に於ける硝子封着作業中の熱処理に対する合金の反 應を基礎として居るので、得られたデータは十分信頼して利用 し得るものである。 (5)

この試験にはmetal-cone Kinescopeのface plateと同 一の板硝子が使用され、その膨張係数は30℃~300℃の間で91× 10-7/℃である。封着に用ひられる試験片の寸法は金属が1/8 ×1 1/2×4吋、硝子が3/16×3/4×3吋である。金属片は1 1/2× 4吋の面の片面をサンドブラストして清潔にして次の方法で封着 する。(1)1200℃の炉内に15分間金属片を置く。(2)炉内で 金属片の上に硝子を置く。(3)硝子が融てから併し硝子片の縁が 金属の表面に流れ始めない前に封着された試料を取り出す。(4) 試料を約600℃まで急冷し、525℃に保たれたアンニーリン グ炉に少なくとも30分間入れる。(5)炉を400℃まで隙々に (1℃/分)冷却して後試料を室温まで急冷する。 冷却後、硝子の中に残つた歪の量を決定する爲偏光器によつ て試験をする。この際1/4波長板が使用されて居るGoranson-Adams(4)の装置を用ひると良い結果が得られる。材料に対す る許容規格としては上記の条件で測定された封着の歪は700mμ/cm 以下であることが必要である。 §結言 上述の試験はKinescopeのConeとして使用される特殊のク ローム鉄合金の適否を決定する爲の標準となるものであつて、 実際の製造に於ける硝子封着作業中の熱処理に対する合金の反 應を基礎として居るので、得られたデータは十分信頼して利用 し得るものである。

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(1) A.Hildebrandt, “Automatic Spinning of Stainless Steel”, The Tool Engineer, Vol. XXI, P. 21, 1948.

(2) E.C.Bain, “The Nature of the Alloys of Iran and Chromium,” Trans. Amer. Soc. Steel Treaters, Vol. 9, 1926.

(3) J.C. Turnbull, “A Recording Dilatometer for Measurement of Thermal Expansion”, Bulletin of the American

Ceramic Society, Vol.28, p.121, March 15, 1949.

(4) R.W. Gorauson and L.H Adams, “A Method for the Precise Measurement of Optical Path-Differnces, Especially in Stressed Glass”, Jour. Frank. Inst., Vol. 216, p.475, 1933.

(6)

(1) A.Hildebrandt, “Automatic Spinning of Stainless Steel”, The Tool Engineer, Vol. XXI, P. 21, 1948.

(2) E.C.Bain, “The Nature of the Alloys of Iran and Chromium,” Trans. Amer. Soc. Steel Treaters, Vol. 9, 1926.

(3) J.C. Turnbull, “A Recording Dilatometer for Measurement of Thermal Expansion”, Bulletin of the American

Ceramic Society, Vol.28, p.121, March 15, 1949.

(4) R.W. Gorauson and L.H Adams, “A Method for the Precise Measurement of Optical Path-Differnces, Especially in Stressed Glass”, Jour. Frank. Inst., Vol. 216, p.475, 1933.

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