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双方向遠隔授業システムを活用した対話型授業の構想と実践

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Academic year: 2021

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(1)Title. 双方向遠隔授業システムを活用した対話型授業の構想と実践. Author(s). 小野寺, 基史; 井門, 正美; 梅村, 武仁; 野寺, 克美; 松橋, 淳; 小沼 , 豊. Citation. 北海道教育大学大学院高度教職実践専攻研究紀要 : 教職大学院研究紀要 , 10: 1-13. Issue Date. 2020-02. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/11172. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 北海道教育大学大学院高度教職実践専攻研究紀要 第10号. 特集1. 双方向遠隔授業システムを活用した対話型授業の構想と実践 小野寺基史*1・井門 正美*1・梅村 武仁*1・野寺 克美*1・松橋 淳*1・小沼 豊*1. はじめに 文部科学省(2018)は「学びの革新プラン」の中で、2020年代の早期に全小中高校で遠隔教育が活 用できることを目指し、 「遠隔教育の推進による先進的な教育の実現」を提言した。 その中で、教師による質の高い教育を実現するために以下の三点を指摘した。 ○様々な状況に対応した教育の充実(小規模校、中山間地、離島、分校、複式学級、病院内の学級) ○特別な配慮が必要な児童生徒の支援(病気療養、不登校、外国人、特定分野に特異な才能を持つ児 童生徒等) ○教育の質向上のための優れた外部人材の積極的活用(グローバル化に向けた外国語、情報教育等) さらに、上記三点を推進するため、指導体制の充実を図りつつ、以下の内容についても言及した。 ・遠隔教育のグッドプラクティスの全国的普及 ・民間企業・大学等の遠隔教育に関するノウハウ・技術の集約・活用を促進 ・中学校の遠隔授業におけるニーズの高い分野での実証的取組の実施(新しいタイプの特例校創設) ・免許制度の弾力的な活用による社会人等の積極的な登用 等 以上の提言がなされている現状において、北海道教育大学教職大学院(以下、本院)は、すでに 2008年度の開設時から、札幌、旭川、釧路、函館(函館 は2017年度開設)の広域なキャンパスを双方向遠隔授業 システム(以下、本システム)を結んで授業を展開して おり(図1)12年にわたる授業実践・研究の蓄積がなさ れてきた。また本システムの弱点でもある、同じ空間に 存在しない4キャンパスの受講生に対して、いかに臨場 感をもって対話型授業を成立させるかといった授業のノ ウハウ等についての知見も積み上げてきた。 「遠隔教育 の推進による先進的な教育の実現」を標榜する我が国に. 図1 授業風景. あって本院の取り組みを全国に向けて発信することは、 大変重要であり意義のあることだと確信している。. Ⅰ 問題と目的 遠隔授業システムは、国際的にも国内的にもすでに普及しており、特に目新しいものではないが、 システムの形態は様々であり、活用方法も多岐にわたる。 ───────────────────── *1. 北海道教育大学教職大学院(大学院教育学研究科高度教育実践専攻)札幌. 1.

(3) 小野寺基史・井門 正美・梅村 武仁・野寺 克美・松橋 淳・小沼 豊. 例えば、昔懐かしいラジオ講座や外国語習得のための教育放送番組、放送大学等の配信授業は、双 方向ではなく、一方向の遠隔授業システムであるといえる。また、 オリイ研究所が開発した分身ロボッ ト「OriHime(オリヒメ) 」は、 病気や不登校等で教室に入れない子どもたちの代わりに教室に鎮座し、 病室や自宅に居ながらにして「OriHime(オリヒメ) 」を遠隔操作して授業に参加することができる システムである。この「OriHime」は、視覚・聴覚を有し、インターネットを経由して、手・首の向 きを自由に動かしたり、音声を発して相手と会話することもできる。クラスメイトと一緒に授業に参 加できない孤独感や、心因的な理由で顔を見せたくない子どもたちにとっては、大変有効なシステム といえる。このシステムは、神奈川県の横浜南養護学校、秦野養護学校、フリースクールの東京シュー レなどでも活用されている。その他の活用例として、本学を含む北海道内の国立大学7校(本学、北 海道大学、室蘭工業大学、小樽商科大学、帯広畜産大学、旭川医科大学、北見工業大学)が「国立大 学教養教育コンソーシアム北海道」を立ち上げ、教養教育の充実に向けた双方向遠隔授業による単位 互換制の授業を実施するとともに、デジタル教材等の提供もしている。 遠隔授業システムの活用そのものは、目的ではなく手段である。本研究は、遠隔授業システムの類 型とその特徴を明らかにするとともに、本院が2017年度に実施したFD研修会と2019年度に実施した 教員によるアンケートの結果を通して、本システム活用における現状と課題、授業づくりにおける長 所と弱点、弱点を改善するための方策や工夫等を明らかにする。さらには、北海道の広域なキャンパ スを同時につないで「対話型授業」を成立させるためには、どのような方策や工夫等が必要となるの か等についても明らかにしたい。 1.遠隔授業システムの類型について ①同期型・非同期型 非同期型とは、一方向配信、時間軸で言うと、送り手と受け手が同期していない配信システムで、 いわゆる垂れ流しシステムであるとも言える。古くは、ブラームス作曲の「大学祝典序曲」がテーマ 曲で流れた「大学ラジオ講座」 (1954年)の形態であり、現在では、NHKのTVやラジオ番組で流 れる語学学習、放送大学の授業、インターネットを活用した講義ビデオの配信などがこれにあたる。 この非同期型配信システムは、一方向という意味で、 「気軽に」 「緊張せず」受講できるとともに、 「都 合の良い時間に」 「自分のペースで」 「好きな場所で」 「自分のレベルに応じた進度で」といったメリッ トがある(岡田ら、2002) 。ただ、授業に対する感想や質問等、配信者とのやり取りについては、電 子メールやファックス等の活用が余儀なくされ、教師とのコミュニケーションにおいては非同期型配 信システムのデメリットともなる。一方、同期型は双方向配信、時間軸においても同期しているシス テムである。本院の授業システムはこの同期型で、4つのキャンパスがシステムを同時に立ち上げ、 モニターを通してそれぞれのキャンパスの受講生を映し出す。授業では、主担当教員による講話、課 題等がその場で提供され、それに対する質問や意見等についても即座にフィードバックされる。同期 型であるため、どのキャンパスの受講生から発信されたものでも、キャンパス全体で即座に共有化で きるというメリットがある。その一方で、本院のほとんどの授業は、授業後に、受講者全員に振り返 りレポートの提出を求めている。これは、 「都合の良い時間帯に」 「自分のペースで」 「好きな場所で」 講義を振り返り、自分の言葉でレポートを作成し、後日、教員のポートフォリオ(レポート入れフォ ルダ)に提出できるという非同期型のメリットも工夫されている。さらに、その振り返りレポートの 意見や質問に対しては、次時の授業初めに、主担当教員がコメントしたり、回答したりするなど、同 期型システムを活用して再度、新たな知として提供されている。このように、本院の授業は「同期型 2.

(4) 双方向遠隔授業システムを活用した対話型授業の構想と実践. →非同期型→同期型→」といった授業の展開が工夫されている。 ②集合型・非集合型 集合型は、まさに一堂に会するということで、同じ空間(教室)に教師と学生が存在し、その中で 授業が展開される形態である。集合型授業のメリットは、臨場感、空気感、緊張感、タイムラグがな い、教師や受講者の表情等がつかみやすいといったところであろう。一方、非集合型は、受講者が点 在しているため、一堂に会することができず、双方向遠隔授業システム等を使って、自分の居場所か ら授業を受けるシステムである。本院のシステムはまさにこの非集合型である。というか、非集合型 でなければ授業は成立しない。そこで、この集合型のメリットを担保するために本院が工夫している ことは、授業中に可能な限り、集合型の場面を組み込むことである。たとえば、主担当教員が配信す る課題等について、まず初めに、それぞれのキャンパス内で交流を行うといった方法である。それぞ れのキャンパスには副担当教員が常駐しているため、キャンパス内交流そのものがまさに集合型であ り、集合型のメリットが担保できる。その後は、4キャンパス合同の全体交流となるが、一台のモニ ターを四分割してキャンパス間交流を行えば、同じ空間ではないものの、画像を通した直接対話が可 能となり、臨場感も担保できる。また、本システムは、四分割されたモニターのスペースを変更する ことができ、自動追尾システムで発言者の表情が自動的にズームアップされるので、現在では、かな り鮮明に発言者の表情等を確認することができている。 その他にも、本院ではこの集合型を担保するために、年度始めの早い時期に、全キャンパスの学生 が一堂に会した合同宿泊ゼミを実施している。この集合型の合宿ゼミの効果は絶大で、合宿終了後に は、モニターを通した非集合型の授業においても、キャンパス同士の仲間意識が芽生え、集合型に近 い意見交流等が活発に行われるようになることを確信している。 2.対話型授業について 平田オリザ(2015、2018)はディベート(討論)とダイアローグ(対話)の違いについて、 「ディベー トは、話す前と後で考えが変わった方が負け。ダイアローグは、話す前と後で考えが変わっていなけ れば意味がない。 」と述べ、 「自分の価値観を主張し、その価値観と論理によって相手が説得されるこ とが最終的な目的」であるディベートに対して、対話は「自分の価値観と、相手の価値観をすり合わ せることによって、新しい第三の価値観とでもいうべきものを造り上げることを目標としている。 」 としている。中央教育審議会教育課程部会(2016)による「主体的・対話的で深い学び」における「対 話的な学び」とは、 「子どもの同士の協働、教職員や地域の人との対話、先哲の考え方を手掛かりに 考えること等を通じ、自己の考えを広げ深める「対話的学び」が実現できているか。 」と定義してい るが、平田の定義をこれに当てはめると、さらに理解が深まるものと思われる。いずれにしても対話 的学びとは、年齢、職種、文化や興味、意見や考え方等が異なる人々が、自分の考えを主体的に発信 するとともに、相手の主張にも心を向け、受け入れ、相互のやり取りを通して、新しい価値観を生み 出していくことであると思われる。それでは、同期型ではあるが非集合型である本院の授業システム において、「対話型授業」をどのように成立させるか、また、それを担保するために、どのような配 慮や工夫等が必要であるか、想定されるポイントを以下に示す。 ①受講者同士の思いや考えを主体的に発信するとともに、それらを互いに交流・交換し、共有化が はかられたか。 ②授業前と授業後で「思考の変化、修正、確認、強調、同調」等がおこなわれたか。 3.

(5) 小野寺基史・井門 正美・梅村 武仁・野寺 克美・松橋 淳・小沼 豊. そして、そのために必要な要件として ①可能な限り多くの受講者と対話ができているか。 ②同質集団だけではなく、異集団(年齢、校種、経験値、地域等)による対話の機会が用意されて いるか。 ③話し合いの形態(個人、グループ、全体等)の配慮がなされているか。 ④思考ツールや方法(KJ法、インシデントプロセス法、モデル化、キーワードの生成、ホワイトボー ドの活用等)の工夫・検討がなされているか。 ⑤自ら学んだことの発信(振り返り)と他者の振り返りの受容、確認、修正、発展等の機会が用意 されているか。 ⑥ある事象に対して、 理論と実践のそれぞれの切り口(視点)から提言がなされ、 その事象を理解・ 解決するうえで、それらが融合されて効果的なものとなっているか。. Ⅱ.方 法 1.FD研修会での提言・協議(2017年度) FD研修会は年4~5回、本院の全教員を対象に本システムをつないで実施している。内容は、 「授 業公開」、「教員の研究内容の紹介」 、 「視察報告」 、 「テーマ別研修」など多岐にわたっており、今回の 「双方向遠隔授業システムについて」はテーマ別研修の一環として実施された。実施に当たっては、 「学級経営・学校経営」 、 「生徒指導・教育相談」 、 「授業開発」という3つの分野から、各分野で話し 合われた内容について分野長が整理し発表した。その後、全体で協議した後、各教員に対して振り返 りを求めた。 ⑴ 実施日程:平成30年1月26日(金)16:00~17:25 ⑵ テ ー マ:「双方向遠隔授業システムについて」 ⑶ 報 告 者:各分野代表 濵野(経営) 、安川(生徒指導) 、水上(授業開発) 2.「双方向遠隔授業システム」に関するアンケート調査と分析(2019年度) ⑴ 調査対象:北海道教育大学教職大学院に所属する教員28名のうち有効回答のあった11名のデータ を分析対象とした。 ⑵ 調査時期:令和元年年6月~7月 ⑶ 調査方法と内容:自由記述よるアンケート調査 質問内容は、①双方向遠隔授業システムの光(長所)と影(短所) 、②本シス テムの活用において、自身の授業で工夫しているころ、③本システムの改善点 (希望) 、④その他 ⑷ データ分析 分析に関しては、4つの質問項目のうち、文章量が少なく分析が困難であると判断した③、④を省 略し、①、②の質問のみKH Coder(樋口、2004;2014)を使用して内容分析を行った。なお、③、 ④の記述内容については後述する。 テキストマイニングにおける分析手順は以下の通りである。 (i)アンケートの記述内容をテキス トデータとして変換し、HTMLマーキングによって文章の範囲を明確にした。 (ⅱ)同じ意味で使わ れた言葉は、同じ単語としてカウントされるように修正を加えた。例えば、 「講義」という単語は「授 業」と同じ意味として扱った。 (ⅲ) 形態素分析を行い、 分析対象となる文章を単語の単位に区切って、 4.

(6) 双方向遠隔授業システムを活用した対話型授業の構想と実践. 各単語の品詞を判別した。分析に用いた品詞は、名詞、サ変名詞、形容動詞、動詞、形容詞、副詞、 感動詞、固有名詞、組織名、地名であった。 (ⅳ)単語頻度分析に基づく単語の抽出を行った上で、 それらの語の共起関係を探り、実際の自由記述の内容から検討した。. Ⅲ 結 果 1.FD研修会での提言・協議(2017年度) 提言内容については、学級経営・学校経営分野から出された資料(図2)が、本システムの現状を 物語っているものと思われる。図1上部の中心に「双方向→◆実は一方向になりがち。◆伝わりにく さがある」と指摘し、その改善点として、①振り返りの重視 ②4人の教員がいることを生かす ③ 広い北海道だからこその良 さ ④180分授業を強みに ⑤さらなる可能性の追求、 を 挙 げ て い る。 ピ ン チ は チャンスではないが、短所 を長所に変える視点をもつ ことの重要性が示されてい る。 その他、他の分野から提 言された長所と短所につい て以下に示す。 【長所】 ・距離が離れた多くの院生 に一度に授業を届けられ るのが一番のメリット。 ・4キャンパス相互の院生. 図2 学級経営・学校経営分野から出された資料. 発表(発言・プレゼン・ 印刷資料)がリアルタイムで臨場感がある。 ・受講者は他キャンバスの課題への取組状況がわかり、即時的に、自己評価、他者評価が可能になる。 ・キャンパス毎の少人数学習に比べ、院生や講師間のコミュニケーションが多様になり、理解の深ま りや主体的な関わりができる。 ・他キャンパスの学生との意見交流は、知識の幅が広がり、思考がより深まるように思う。各キャン パスで話し合い、その後すぐに、全体交流できることも双方向ならではの良さ。授業内容を教師も 学生も共有しやすく、無駄な時間が省かれる。 ・各キャンバスの教員、院生の意見を全てのキャンバスで共有できる。授業者は、各種機器を操作し て、映像、画像、音声、講義などの情報を全てのキャンバスに提供できる。 ・主担当と副担当とが協力して授業構築ができる。 ・各キャンパス毎にそれぞれの専門家がいるので、主担当の教員以外の考え、意見などに触れること ができ、学習に広がりや深まりが生まれる。 ・複数の教員が授業を担当することで、他の教員の授業を参考にしたり、自分の授業をモニターして 5.

(7) 小野寺基史・井門 正美・梅村 武仁・野寺 克美・松橋 淳・小沼 豊. もらえる。 【短所】 ・システム上の障害や不自由さがある。 ・他キャンパスの受講生の反応が伝わらない。 ・機器にタイムラグがあり間延びする感じがある。 ・授業デザインやそこでのねらいについて、主担当 や副担当間での理解の共有に難しさがある。 【工夫しているところ】 ・ICT機器を活用して各キャンパスの受講生とイン タラクティブに授業ができるようにしたい。 ・無 料で使用できるウェブ上のクリッカーである 「kahoot !」を用いて、ウォーミングアップ、 振り返り、導入を兼ねた各キャンパス合同のワー クを取り入れている。 ・織田(1991)が考案した蓄積型コミュニケーショ ンシート「大福帳」 を参考にしたフォーマットシー ト(図3)を活用して、 教員と院生が個別にコミュ ニケーションを図っている。. 図3 大福帳を参考にしたフォーマット. ・授業内容や場面に応じて、対面を重視して各キャ ンパス毎で深める時間を工夫している。 ・各キャンパスで、インシデントプロセス法による事例検討を行っている。 ・キャンパス毎のグループ討議を十分活用する。討議の内容の評価や成果の確認を副担当との連携し ながら行っている。 ・主担当だけが一方的に講義を進めるのではなく、副担当にもできる限り話題を振って、話してもら うようにしている。そのことで、各キャンパスでの学びが広がり、深まることを期待している。 2.「双方向遠隔授業システム」に関するアンケート調査と分析(2019年度) (1)双方向遠隔授業システムの光(長所)と影(短所)の分析結果 ①単語頻度分析による「出現回数」 分析するにあたり、光(長所)と影(短所)を区別した。KH Coderを用いて前処理を実行したと ころ、光(長所)の総抽出語数(分析対象ファイルに含まれている全ての語の延べ数)は577語、異 なり語数(何種類の語が含まれていたかを示す語) は、219語であった。そのうち、 助詞や助動詞など、 どのような文章にも出現する一般的な語が除外され、分析に使用される語として242語、異なり語数 は146語が抽出された。 一方、影(短所)の総抽出語数は、443語(うち188語を使用) 、 異なり語数は185語(うち120を使用) であった。そして、 「双方向遠隔授業システムの光(長所)と影(短所) 」の自由記述における頻出語 を上位10語まで並べ替えた(なお、出現頻度が同一の場合はより実際を表していると考えられる語を 選択した)(表1) 表1より「双方向遠隔授業システムの光(長所) 」は、 「授業」が14回と出現頻度が最も高かった。 続いて、 「キャンパス」 (7回) 「院生」 、 (5回) 「教員」 (5回) 「地域」 、 「意見」 「遠隔」と続いている。 6.

(8) 双方向遠隔授業システムを活用した対話型授業の構想と実践. すなわち、「キャンパスが遠隔地に. 表1 自由記述における頻出語の出現頻度. あるために授業での意見交流(院 生・教員)に効果がある」というよ. 光(長所). 影(短所). 順位. 抽出語. 出現頻度. 順位. 抽出語. 出現頻度. 1. 授業. 14. 1. 院生. 7. 2. キャンパス. 7. 2. 授業. 6. 出現頻度が最も高かった。続いて、. 3. 院生. 5. 3. 表情. 5. 「授業」(6回) 「表情」 、 (5回) 「読 、. 4. 教員. 5. 4. 読み取れ(ない). 4. み取れ(ない)」 (4回) 「システム」 、. 5. 地域. 4. 5. システム. 3. 「機器」「時間」と続いている。す. 6. 意見. 3. 5. 機器. 3. なわち、「機器のタイムラグや対面. 6. 遠隔. 3. 5. 時間. 3. 6. 画面. 3. 8. タイムラグ. 2. 6. 交流. 3. 8. 反応. 2. 6. 効果. 3. 8. 対面. 2. うにまとめることができよう。 一方「「双方向遠隔授業システム の影(短所)」は「院生」が7回と. ではないことから、授業において、 院生の表情が読み取れない」という ようにまとめることができよう。 ②共起ネットワーク分析 KH Coderの「共起ネットワーク」. を用い、共起の程度が強い語を線で結んだネットワーク図を描いた。強い共起関係ほど太い線で、出 現回数の高いほど大きな円で描かれる。なお、 分析にあたり、 出現数による語の取捨選択に関しては、 最少出現数を2に設定し、 描画する共起関係の絞り込みにおいては描画数を60に設定した。以下では、 「双方向遠隔授業システム」における「光(長所) 」と「影(短所) 」についてみていくことにする。 (②-1)「双方向遠隔授業システムの光(長所) 」の共起ネットワーク図 「双方向遠隔授業システム」における光(長所) の共起ネットワーク図を示した。 (図4) 。 共起関係については、 『 「授業」 「キャンパス」 「交 流」 「遠隔」』といった単語同士の結びつきや『 「院 生」「意見」「地域」 「双方向」 「やり取り」 』 、そし て『「自動」 「システム」 「カメラ」 「追尾」 「効果」 』 といったまとまりから構成されていた。そして、 実際の自由記述では「遠隔地であっても、授業の 発信地に出向かずとも授業を受講できる」 「一方 的な受け身の授業ではなく、 双方向のやり取り (質 問、意見、議論等)が可能」 「遠隔地にも関わらず、 授業の中で瞬時にやり取りができる」「1つの授 業を4人の教員で指導することにより、学びを深. 図4 双方向遠隔授業システムの光(長所). めることにつながる」というように、システムの 特性を活用した教員の授業や院生同士の議論に長所を見出していると考えられる。 (②-2)「双方向遠隔授業システムの影(短所) 」の共起ネットワーク図 「双方向遠隔授業システム」における影(短所)の共起ネットワーク図を示した(図5) 。 共起関係については、 「授業」という単語を中心として、 『 「院生」 「表情」 「読み取れ(ない」 「対面」 「理解」「タイムラグ」 』といった単語同士の結びつきと、 『 「機器」 「システム」 「教室」 「時間」 』いっ 7.

(9) 小野寺基史・井門 正美・梅村 武仁・野寺 克美・松橋 淳・小沼 豊. た単語同士の結びつきから構成されていた。実際 の自由記述では、 「院生の細かい表情が読み取れ ないこと」 「院生の表情等が見えないし、 読めない。 話がどの程度通じているか不安」 「機器のアクシ デントにより、授業内容の変更が余儀なくされる」 「タイムラグがあり、スムーズな話し合いに難が ある」といった、システム機器に関わって、院生 の表情や学習理解の把握に短所を見出していると 考えられる。 このように、遠隔授業システムによって、院生 同士の学びや授業の双方向性が長所として考えら. 図5 双方向遠隔授業システムの光(短所). れる一方で、遠隔地であるが故に院生の表情の読 み取りに困難があることや機器トラブル・タイムラグに対して短所があると言える。こうした長所と 短所を捉えた上で、教員が授業においてどのように工夫しているのかを次に見ていくこととする。 (2)「本システムの活用において、自身の授業で工夫しているところ」の分析結果 ①単語頻度分析による「出現回数」 KH Coderを用いて前処理を実行したところ、総抽出語数は、888語(うち372語を使用) 、異なり語 数は299語(うち215を使用)であった。そして、 「本システムの. 表2 授業で工夫しているところ. 活用において、自身の授業で工夫しているところ」の自由記述に. 光(長所). おける頻出語を上位10語まで並べ替えた(なお、出現頻度が同一. 順位. 抽出語. 出現頻度. 1. 授業. 13. 2. 院生. 8. 続いて、「院生」 (8回) 、 「行う」 (6回) 「キャンパス」 (5回) 、. 3. 行う. 6. 「検討」 「振り返る」 「ホワイトボード」と続いている。すなわち、. 4. キャンパス. 5. 「キャンパスが遠隔地にあるために授業での意見交流(院生・教. 4. 検討. 5. 員)に効果がある」というようにまとめることができよう。すな. 4. 振り返る. 5. わち、 「グループでの検討をホワイトボードで共有化したり、振. 7. ホワイトボー. 4. の場合はより実際を表していると考えられる語を選択した) (表 2) 表2より「本システムの活用において、自身の授業で工夫 しているところ」は、 「授業」が13回と出現頻度が最も高かった。. り返り(コメント)を重視している」とまとめることができよう。 ②共起ネットワーク分析 「本システムの活用において、自身の授業で工夫しているとこ ろ」に対する共起ネットワーク図を示した(図6) 。共起関係に ついては、 『「院生」「振り返る」「シート」 「記述」 「コメント」 』. ド 7. 話. 4. 8. グループ. 3. 8. コメント. 3. といった単語同士の結びつきや『 「キャンパス」 「交流」 「ホワイトボード」 「写真」 』そして『 「検討」 「事例」「設ける」 「発表」 「時間」 』といったまとまりから構成されていた。そして、実際の自由記述 では「グループ討議の際のホワイトボードの写真も記録として残し、 振り返りと一緒に配付している」 「実践を中心にした話し合い活動が多いので、話し合いの様子を映し、ホワイトボードに話し合いの 内容をまとめ、それを見ることで各キャンパスが互いに意識し合えるように配慮した」 「各校で考え・ 検討できる時間を設け、検討したものを他校でも共有できるよう発表の時間を設ける」 「直接的なや りとりが難しいため、授業の振り返りを行うリフレクションノートでは、院生の記述に必ず教員がコ 8.

(10) 双方向遠隔授業システムを活用した対話型授業の構想と実践. メントするようにしている」といった、院 生の学習環境に関して、振り返りやホワイ トボード・写真などを使用し、院生同士の 議論や教員とのやり取りに配慮し工夫して いることが考えられる。 (3)本システムの改善点(希望) ・講義室のモニターに電子黒板が使われて いるが、この電子黒板の機能を用いて授 業はできないだろうか?おそらく可能の ように思われるが、だれも使い方がわか らず、教室設備の使用マニュアルがほし い」。 ・システムのバグ、時々映像が送れない、 見られない。. 図6 授業で工夫しているところ. ・追尾システムが遅いときがあるので、スムーズになるような改善が欲しい。 ・最新のシステムに改修していただけたら、今よりも更に双方向の教育が充実するのでないか ・システムの予約画面がInternet Explorer でなければ正しく表示されない点。 (企業名) を法人契約し、 簡単に使えるようにしてほしい。 ・双方向遠隔システムに求めることはない。 それが実現すると、双方向遠隔システムで一斉講義を行う場面と、 (企業名)を使ってキャンパス 横断グループで協議する場面を両立することができる。 ・教員の表情もリアルに伝わるようなものがあればと思う。 (4)その他 ・同じ授業を担当している教員同士、まめにメールや電話でやりとりをしている。 『理論と実践をつなぐ(往還)』の場面として、この対話型授業構築を捉えることはできないか。 ・ 「新教職大学院は、『教員養成学』を唱えている。この往還する場面が、この対話型授業だと示しつ ・ つ、ここで行われる対話に、 『教員養成学』の重要なポイントが隠されていると。つまり、往還部 分が、まさに各キャンパスとの交流場面であり、それを見取る方策として、テーマにそった発表と それに対する質問・意見、さらに、追加の質問や意見になるのでは。それに対する毎回の振り返り (省察)が加わり、考察が膨らむ。新教職大学院に求められる、理論と実践を架橋するシステムが 対話型授業であり、各キャンパスとの交流に教員の養成が期待できるのではないか。 ・システムの活用の仕方や授業の在り方などについて、交流や研修などが年に一度くらいあっても良 いのではないか。 ・必ずしも全キャンパスに副担当教員がいる必要はないのではないだろうか。一言も話さないまま終 ※1. わることがほとんどであるし. 、かといって無理に全教員に何か話をさせるというのも主担当者. のデザインから逸れ、本末転倒になるように思われる。 (※筆者注:本指摘はある特定の授業についての指摘であると思われる。). 9.

(11) 小野寺基史・井門 正美・梅村 武仁・野寺 克美・松橋 淳・小沼 豊. Ⅳ 考 察 本研究は、2017年度のFD研修会における本システム活用に関する提言および協議内容と、2019年 度に実施された教員アンケート調査結果を分析することにより、本学の授業システムの現状と課題、 それに対する授業改善や工夫等について明らかにするとともに、本システムを活用した対話型授業の 構想について検討してきた。 本システムの長所と弱点については、本院の開設当初から様々に認識されてはいたが、2017年度の FD研修会で初めて、教員全員による意見交流ができたことは大変意義深いものであった。また、そ れぞれの分野から取り上げられた具体的提言は、今まで暗黙知として認識されていたものが形式知と して明らかになり、本システムの弱点に関する方策や工夫等が整理されたことで、今後の授業改善に 向けた多くのヒントを得ることができた。また、このFD研修会の提言内容が、今回のアンケート調 査と分析においても、ほぼ同様の課題や知見として確認できたことは、本システムの光と影が感覚的 なものではなく、実証的に確かなものになったと認識している。 本システムは同期型であるが非集合型であり、システム上、長所と弱点が混在していることは明ら かである。しかし、12年間という本システム活用の経緯の中で、それぞれの教員がその弱点を補うべ く、様々な工夫や改善を試みながら、対話型授業にチャレンジしていることも確認された。授業中に キャンパス内交流を組み込み、非集合型から集合型に切り替える工夫。その一方で、キャンパス内交 流は集合型であるが、キャンパス間ではその時間は非同期型となるため、キャンパス内で話し合われ た内容を、同期型システムであるキャンパス間交流を通して担保する工夫。教員と学生の関係におい ては、主担当教員のキャンパス以外の学生は非集合型授業を受けていることになるが、各キャンパス には副担当教員が常駐しているため、キャンパス内交流や授業後のオフィスアワーにおいて集合型の メリットを担保していること。また、受講者の授業後の振り返り等を通して、 「同期型→非同期型」 の形態を取り入れ、受講者自身が自分のペースでじっくり学びを深める機会を提供していること。そ して、それにとどまらず、次時の授業始めに、再度、同期型システムにおいて振り返り等のコメント を主担当教員が受講者全員に紹介し、学びを全体に広げていこうとする配慮。院生の学習環境や学び の支援については、ウェブ上のクリッカーである「kahoot !」等のICT機器の積極的活用や蓄積型 コミュニケーションシートである「大福帳」 (図3)の活用など、それぞれの教員がそれぞれの目的 に応じて、様々な取り組みを行なっていることが明らかになった。最後に、本院で学ぶ学生の構成員 の特徴として、ストレートから現職、若手からベテラン、特別支援学校や管理職を含む校種や役職の 違い、広域な北海道における都心部からへき地、様々な産業や文化圏で活躍する教員集団等、本院を 構成する学生たちが、双方向遠隔授業を通して一堂に会し、学びを深めていく環境は、前述した教員 による様々な工夫や配慮との相乗効果によって、冒頭に提示した対話型授業構想における要件を十分 に満たしているものと考えている。 本院は北海道の広域な地域に点在する4キャンパスを抱えており、現状では、本システムを活用し ない限り、本院の授業を担保することはできない。文部科学省の「学びの革新プラン」を待つまでも なく、ICT機器等がフルに活用され、進化した授業システムの台頭にはそれほど時間はかからないで あろう。しかし、授業システムがどんなに進化しても、その活用の是非は、これまでも、これからも、 教師と受講者、受講者同士の相互交流をとおした対話型授業の中で検証されるものであろう。本院が 今まで培ってきた本システムの活用のノウハウをさらに充実・発展させながら、今後とも双方向遠隔 授業システムにおける対話型授業を構想していきたい。 10.

(12) 双方向遠隔授業システムを活用した対話型授業の構想と実践. 謝 辞 FD研修会(2017年度)において、貴重な資料を作成・提供してくれた「学級経営・学校経営」分 野長の濱野雅輝前特任教授に心から感謝します。また、2019年度に実施したアンケートにおいて、多 くの教員の皆様方から回答をいただきましたことに、あわせて感謝申し上げます。 【参考文献】 樋口耕一(2004) 「テキスト型データの計量的分析-2つのアプローチの峻別と統合」、理論と方法、19(1) 、101115 樋口耕一(2015) 「社会調査のための計量テキスト分析-内容分析の継承と発展を目指して-」ナカニシヤ出版. 平田オリザ(2015) 「対話のレッスン」講談社学術文庫 向後 千春(2007) 「eラーニング授業でコミュニケーションカード「e大福帳」を使う」 、日本教育工学会研究報 告集」JSET07-5、297-300 近藤喜美夫(2001) 「大学間教育交流ネットワークSCSの開発」、メディア教育研究、第7号、1-27 文部科学省(2016) 「次期学習指導要領等に関するこれまでの審議のまとめ」 文部科学省(2018) 「新時代の学びを支える先端技術のフル活用に向けて~柴山・学びの革新プラン~」 岡田政則・中西一夫・樋川和伸(2002) 「eラーニングを利用したサイバーキャンパスコミュニケーション」財団法 人電子情報通信学会、3-6 織田 揮準(1991) 「大福帳による授業改善の試み」、三重大学教育学部研究紀要(教育科学)別冊、42:165-174 重田 勝介・八木 秀文・永嶋 知紘・浜田 美津・宮崎 俊之・島 麻里江・小林 和也(2015)「MOOCプラットフォー ムを利用した大学間連携教育と反転授業の導入」情報処理学会デジタルプラクティスVol.6 No2、89-96 鷲田清一(2018) 「折々のことば」朝日新聞. 【参考資料】 2018(平成30)年のFD研修会おける振り返り資料 2019年のアンケート調査と関連して、2018年に実施されたFD研修会における振り返り資料を提示 する。なお、個人名や謝辞といった記述に関しては削除した。 (授業改善について) ・双方向システムについて各分野が抱えている課題を知ることができ、それぞれの授業のありかたに ついてイメージがわきました。 ・大学院なので、これからは教育内容の充実とともに、それがどのように院生に届いているかを検討 する段階になりつつあることを再確認できた。 ・他分野の双方向を使った授業の方法が分かってよかった。しかし、分野の授業の特質があるので、 「なるほど!」で終わってしまうかもしれないと思った。特に、授業開発分野の授業は、校種だけ でなくそれぞれの専門教科も違うため汎用させるのが難しい。また、 教育課程編成などについては、 管内事情もあるのでなおさらである。授業内容と方法のリンクのさせ方を分野会議の中で突き詰め ていきたい。授業開発分野は、マイクロティーチング、ストップモーション方式による授業検討、 地域素材を教材化するためのフィールド・ワークなど、どちらかというと各キャンパスでの授業の 充実を目指していたが、全キャンパスを結んで双方向遠隔システムを有効活用しての授業の充実に ついても考えていきたいと思った。. 11.

(13) 小野寺基史・井門 正美・梅村 武仁・野寺 克美・松橋 淳・小沼 豊. ・各分野から、双方向システムでの様々な工夫や効果の発表があり、また長所短所について具体的な 指摘があって、新たに気づくこと、自分の授業の参考になること、課題解決について考えることな ど、大変有意義でした。そのような中で、私が担当する「学校組織マネージメントの理論と実際」 の中での、ケースメソッドによる討論について考えさせられましたので、若干述べます。 4回の授業で5つのケース教材(長文の事例)を取り上げ、4回目はその中から、二つを扱いま した。前半は共通教材による双方向での全体討論を行い、後半は、校種の違いに配慮し、キャンパ スごとにケース教材を選択して討論を行う形をとりました。札幌の場合、高等学校教員がいる関係 で、初めて高等学校を舞台としたケース教材の事例を用いてキャンパス内討論を展開しました。 ・前半の共通教材を用いての、4キャンパスによる双方向での全体討論は画面越しといえ、これまで の3回の全体討論に比べ、着実に進化していると感じられました。議論がかみ合い、教員と院生と のやりとりばかりでなく、院生同士のやりとりがタイムリーに行われる状況がしばしば見られたか らです。その理由を考えると、次の点が挙げられます。 ①進行を務めるディスカッション・リーダーが、瞬時に顔と氏名の判別ができるようになってきた こと。 ②受講者が双方向での討論のスタイルに慣れてきたこと。 (双方向での発表・交流スタイルとの違 いがわかってきたこと) ③機器の更新により、画面の解像度が上がったこと。 以上、③をベースに、①と②が4キャンパスをつないだ全体討論を可能にし、院生も進行役の教 員も成長できたと感じました。ディスカッション・リーダーを教員が務めるケンブリッジ方式の ケースメソッドの場合、教員と受講者との心理的関係性の近さ、この場合は教員が顔と氏名を瞬時 にわかる状況ということが、討論の環境として効果を高めているのではないかと考えます。双方向 システムでの全体討論について、将来的に受講者が増えた場合、どこまでの人数であれば現在のよ うな討論が可能か、あるいは効果的と言えるかを、今後検討したいと思います。 (各分野での取り組みの様子) ・各分野での工夫点がより具体的に理解できた。 ・各分野で工夫されている点が具体的に理解できました。取り入れることができることは積極的に導 入していきたいと思いました。双方向システムの利点と限界を理解し、利点は最大限に活用してい こうと考えています。 ・各分野から工夫していることや、悩みなどを共有できてよかった。 「ICTありき」ではなくて、理 解を深めるために、通常一つの教室で行っていることを、いかに双方向遠隔でも行うか、たとえば キャンパスをこえて気軽に指名して発言をもとめ、それを交流するなどのたゆまぬ努力が必要であ ることを改めて認識した。このような会は、新しい教員が着任したときは、年度明けの春(早い時 期)にも行ったほうが良いと感じた。いきなりこの大学院でこのシステムを使って講義をしろ、と いわれたときに、何がなんだかわからず、気が遠くなったのも遠い昔のことだが、あのときはとて も心細かったことを覚えている。 ・共通の課題と分野ならではの課題と両方を知ることができた。 ・各分野からの報告だったので、分野の特徴がよくわかり、良かったです。. 12.

(14) 双方向遠隔授業システムを活用した対話型授業の構想と実践. (双方向遠隔授業システムについて) ・4キャンパスの教員が一堂に会して、一つのテーマについて話し合うことの良さを改めて感じてい ます。それぞれお忙しい中、なかなか時間は取れないと思いますが、是非、年4回程度、このよう な交流会(授業交流も含めて)があると良いなと思いました。双方向遠隔授業の光と影がなくなる ことはありませんので、 「ピンチの裏にチャンス有り」と心して、これからも望ましい双方向遠隔 授業システムの在り方を考えていきましょう。やがて、このシステムは、全国各地に飛び火するも のと思います。その時こそ、本学教職大学院の双方向遠隔授業システムのノウハウが必ずや、全国 の先駆けになっていくものと思います。 ・双方向遠隔機器は、このような状況が限界だと思っています。つまり、双方向システムがつながっ て授業を行うことができれば、 それでいいのではないか、 ということです。そのような状況の中で、 できる工夫を交流協議ができれば、自分の授業に生かすこともできると感じていますが。 (ただ、 あまりにも研究者教員の方々との理論的なベースが違うので、別な悩みももっています。 ) ・双方向遠隔授業システムの講義では、 教員が座って話すのではなく、 できる限り対面的な授業と様、 動作をともなって話した方が良いと考える。教師に動きがある方がActive e-Learningとしても、 双方向遠隔授業システムのデメリットを克服するためにも良いと考える。受講者が教員の動きを追 うことだけでも、臨場感や近接感が生まれてくるのではないだろうか。また、スライドの中身も効 果的に程よく動きがあることがさらに教育効果を促進することになると思う。私の実施した「緊急 職員会議」は、双方向遠隔授業システムを活用して、遠隔地で学ぶ院生同士が、あたかも一つの職 員会議の場に居合わせたような感覚を持って、各々が役柄やテーマについて調べたことや自身の考 えを提示することを通じて、学び合う学習システムとしている。校種云々よりも、この学習システ ムが上手く機能していたかどうかを議論することの方がFDのテーマからしても肝要である。 ・課題や成果を共有する、多面的な捉え方ができる、知恵やアイデアを学び実践に生かすことができ る意味で、大きな成果のある交流会でした。 ・内容的にも、交流会の設け方や運営についても、学ぶべきことが多かった交流会でした。 ・各分野で話し合い、それをふまえての交流会でしたので、短い時間で多くの情報交換ができたので はないかと思います。 ・前々から教職大学院の授業改善について協議を望んでいたので、 大変良いと思っていました。ただ、 終了してからふと思ったのは、双方向遠隔機器が持つ特徴とその取扱に協議が集中していたと感じ ました。自分は、教職大学院としての授業の在り方として、これでよいのか悩んでいたので、次回 は協議の視点をそこに置いてほしいと思っています。つまり、 「理論と実践の往還」 と掲げているが、 この授業では、このような時に「理論と実践の往還」ですよ、という実践事例をそれぞれが提示し 合って、協議することも必要だと思うのですが。 ・各分野から、双方向遠隔授業システムの長短について、様々な意見が提示されたことは大変良かっ た。特に、本年度は10周年という節目であり、認証評価もあったことから、本院の核となる双方向 遠隔授業システムについての議論をFD委員会が率先して行ったことは、大変評価できる。今回の 議論に関しては紀要第9号の特集テーマにするのも良いと思う。10周年記念式典の第5部(札幌) で、加治佐先生が双方向遠隔授業システムの今後の重要性を指摘されていたので、本院でも、この システムの活用に関する実践的研究を行うべきと考える。. 13.

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参照

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