• 検索結果がありません。

阪大産研Sバンド電子ライナックから発生した低速陽電子ビームのバンチング

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "阪大産研Sバンド電子ライナックから発生した低速陽電子ビームのバンチング"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

BUNCHING OF THE SLOW POSITRON BEAM PRODUCED USING

S-BAND ELECTRON LINAC AT ISIR, OSAKA UNIV.

M. Tashiro*, Y. Honda, T. Yamaguchi, P. K. Pujari, N. Kimura,

T. Kozawa, G. Isoyama and S. Tagawa

The Institute of Scientific and Industrial Research, Osaka University

8-1 Mihogaoka, Ibaraki, Osaka 567-0047, Japan

Abstract

A pulsing system of slow positron beam has been developed in order to measure positron lifetime for thin films. Positrons are produced using a S-band electron linac. The pulsing apparatus consists of positron storage section, chopper and bunching section. The storage section has been equipped to reduce the energy width and make a quasi-continuous beam. Positrons are bunched by suitable time-varying voltage which is produced by an arbitrary waveform generator and a following amplifier and is periodically applied to the bunching electrode. The time width of bunched positrons has reached ~780 ps (FWHM) with positron mean energy of ~100 eV at present.

阪大産研

阪大産研

阪大産研

阪大産研 S バンド電子ライナックから発生した低速陽電子ビームのバンチング

バンド電子ライナックから発生した低速陽電子ビームのバンチング

バンド電子ライナックから発生した低速陽電子ビームのバンチング

バンド電子ライナックから発生した低速陽電子ビームのバンチング

1. はじめにはじめにはじめにはじめに 低速陽電子ビームは薄膜材料の極微構造評価に有 力なツールである。薄膜材料での陽電子寿命を測定 するため、我々のグループでは阪大産研の S バンド 電子ライナックから発生した低速陽電子ビームの短 パルス化を進めてきた。要求される時間分解能は数 百ピコ秒程度であるため、バンチの時間幅も同程度 にしなければならない。発生部から得られる陽電子 は、~2 µsのパルス幅で繰り返し 30 pps、~1 keV の 輸送エネルギーで~440 eV のエネルギー拡がりを持 っている。エネルギー拡がりを抑えるため、これまで 磁場中再放出装置を導入して更なる低速・単色化を 行い[1]、~7±2 eV のエネルギーで輸送している。こ のビームを用いてバンチを行うため、電極類の設計 や時間幅の評価を行い[2]、実際に装置を組み上げ実 験を行った。装置は陽電子蓄積部およびバンチング 部から構成されている。陽電子蓄積部で陽電子を貯 め込み準連続ビームを形成し、その後任意波形発生 器から得られる波形を増幅して電極に与え、陽電子 を時間的に収束させている。これらについてその現 状を述べる。 2. 陽電子蓄積・陽電子蓄積・陽電子蓄積・陽電子蓄積・DC 化化化 磁場中再放出後の陽電子ビームは、ライナックか らのビームであるため時間幅~2 µs で繰り返し 30 pps、~7±2 eV のエネルギーで輸送している。これを このままバンチすることは、エネルギー拡がりが大 きく、また計数率の面からも効率的ではない。そこ で、陽電子蓄積部を設置して一度陽電子を貯め込み その後 DC 化を行うことにより、更なる単色化と計 数率の向上を行った。 陽電子蓄積部の電極構造の模式及び電圧の時間変 化を図 1 に示す。陽電子蓄積・DC 化は以下のよう にして行う。(1) 陽電子パルスが蓄積部に来たとき、 電極 A、B の電圧を下げておき、陽電子を B 内に注 入する。(2) 2 µs後に A の電圧を上げ、陽電子を B 内に閉じ込める。(3) B の電圧を徐々に上げていき、 C の電圧に近づけていく。それにより、C の電圧を 超えたポテンシャルを持つ陽電子が次々に C を通過 していく。この方法により DC 化した陽電子ビーム t V A B C ∆T V0 V2 V1 E0 A B C e + l 図 1 蓄積部の電極構造と与える電圧 * M. Tashiro, 06-6879-8502, [email protected] u.ac.jp −407−

Proceedings of the 25th Linear Accelerator Meeting in Japan (July 12-14, 2000, Himeji, Japan)

[13P-44]

(2)

の時間プロファイルを図 2 に示す。B の電圧を上げ ていく時間(蓄積時間)を 15 ms および 30 ms にし たとき、元々2 µsのパルスビームをそれぞれの蓄積 時間程度引き伸ばせていることがわかる。これによ り、効率的に消滅γ線を検出することができ、陽電子 消滅ドップラー拡がり測定が可能なビームを形成す ることができた。 蓄積部通過後のビームのエネルギー拡がりは、陽 電子が電極 B を往復する間に増加する B の電圧と考 えることが出来るので、次式で求められる。 T V V m V E e l E ∆ − ⋅ − = ∆ 1 0 0 0 ) ( 2 2 ここで、本実験でのパラメータは l=2 m, E0=7.5 V, V0=5 V, V1=10 V, ∆T=2 msであり、これにより∆Eを 計算すると 10 meV 程度となることが期待される。 しかし、バンチ電極に追い返し電圧をかけることに よりビームの強度を測定し、実際にビームのエネル ギー拡がりを測定してみると、図 3 のようになり、+2 eV 程度の拡がりが依然として存在することがわか った。この原因については現在明確ではないが、バ ンチの時間幅に大きく影響するので、今後更なる改 善が必要である。 3. 陽電子のバンチング陽電子のバンチング 陽電子のバンチング陽電子のバンチング 陽電子のバンチングは、ビームライン中に設置さ れた電極に時間的に変動する電圧を与え、陽電子に 速度変調をかけることにより行う。陽電子ビームが ある位置で加速され、距離 L 離れた試料部において 時間的・空間的に一点に収束されるとき、かけるべ きポテンシャル V は次式のような時間 t の–2 乗の関 数となる。 0 2 2 2et E mL V =− + ここで m は陽電子の質量、e は素電荷、E0はビーム の初期エネルギーであり、t(<0)は試料に収束される 時間を 0 としている。 陽電子蓄積およびバンチングシステムを図 4 に示 す。バンチングの波形は任意波形発生器(AWG; Sony-Tektronix AWG 510; サン プリ ング 周波 数 1 GHz; 電圧分解能 10 bit / 2 V)から生成された波形を

増幅器(AMP; Thamway T142-4029A; 100 k-350 MHz; 10 W)で増幅して電極に与えた。バンチ電極への不 適切な電圧伝送を小さくするため、バンチ電極等の 周波数特性から理想関数とその周期の接続部を含め た波形を調整し、オフラインで確認した。バンチの 際に理想関数から外れる部分に陽電子が入射するこ とを避けるため、バンチ電極の直前にチョッパーを 挿入している。チョッパーはビームラインに垂直に メッシュを挿入し、矩形波を与えて適切なタイミン グ以外の陽電子を跳ね返し、必要な部分のみ通過さ せるようにしている。また、ターゲット部には銅を 用いた。 以上の条件でバンチングを行った結果、陽電子寿 命スペクトルが得られた。このスペクトルから見積 もられるバンチの時間幅はおよそ 1.4 ns (FWHM) (陽電子の平均エネルギーは~30 eV)であった。し かし、期待した時間幅よりも大きくなっている。こ 0 10 20 30 10-3 10-2 10-1 100 Time (msec) 15 msec 30 msec C o u n ts ( a rb . u n it ) 0 10 20 30 10-3 10-2 10-1 100 0 10 20 30 10-3 10-2 10-1 100 Time (msec) 15 msec 30 msec C o u n ts ( a rb . u n it ) 図 2 準連続化した陽電子ビームの 時間プロファイル 図 4 陽電子蓄積・バンチングシステム 0 5000 10000 15000 20000 25000 30000 35000 40000 0 5 10 15 20 C oun ts ( a rb . uni t) Retarding Potential (V) 図 3 準連続化した陽電子ビームのエネル ギー拡がりの積分分布

(3)

の原因として、前述のように蓄積後のエネルギー拡 がりが依然として存在することが挙げられる。この 影響を小さくするためには、バンチング電圧をより 大きくしたほうがバンチ幅を小さくするのに有効で ある。そこで、より高出力の増幅器(AMP; Thamway T145-5527C; 300 k-50 MHz; 300 W)を用いて実験を 行った。このとき、波形のより正確な伝送とノイズ の低減のため、すべての伝送線を真空内の電極まで 50Ωインピーダンス同軸ケーブルに変更した。この ときのバンチ電極に与えた出力波形を図 5 に、チョ ッパー電極に与えた波形を図 6 に示す。この条件で バンチングを行ったところ、図 7 のスペクトルが得 られた。このスペクトルから見積もられるバンチの 時間幅はおよそ 780 ps (FWHM)であった。このとき の陽電子の平均エネルギーは~100 eV である。時間 幅が依然として期待するものよりも大きい最大の原 因は、前節でも述べたように蓄積後のビームのエネ ルギー拡がりであるが、DC 電圧やグランドの揺ら ぎなどがその一因であると考えられる。また、蓄積 中に陽電子のドリフトによるビームの拡散が強度の 劣化をもたらしている。これらを改善するために、 今後蓄積部の電極構造や電磁場の影響を詳細に検討 しなければならない。また、現段階では S/N が 50 程度であるが、精度の高い測定のため、バックグラ ウンドを抑えて S/N を向上させることが必要である。 そのため、現段階のエネルギー拡がりが改善されな いならば、より電圧の高いチョッパー波形をかける 必要がある。 4. まとめまとめ まとめまとめ 低速陽電子ビームの質向上のため、陽電子蓄積部 を設置してエネルギー拡がりを更に抑え、計数効率 を向上させた。しかし、ビームのエネルギー拡がり に関しては予想に反して改善されておらず、その原 因を特定することが必要である。バンチングでは電 極の周波数特性を考慮して波形を作成し、また伝送 系の整備、増幅器の出力増加により、時間幅として 780 ps程度のバンチが得られた。バンチの時間幅を 更に小さくするためには、上述のエネルギー拡がり の問題解決や、電極等の周波数特性・増幅器の出力 の許容範囲内でのバンチ波形の更なる調整が必要で ある。 参考文献

[1] Y. Honda, et al., “Slow Positron Beam with Small Energy Spread in the Magnetic Field Using Reflection Type Remoderator”, Material Science Forum, 255-257 (1997) 677.

[2] M. Tashiro, et al., “Short-Pulsed Slow Positron Beam Production Using S-Band Electron LINAC in ISIR”, Proceedings of the 23rd Linear Accelerator Meeting in Japan, Tsukuba, September 16-18, 1998, p322.

-300 -250 -200 -150 -100 -50 0 0 50 100 150 200 250 Output ideal function Vo lt a g e (V ) Time (ns) 9 9.5 10 10.5 11 11.5 12 0 50 100 150 200 250 Vo lt a g e ( V ) Time (ns) 図 5 バンチ電極に与えた波形(実線)と 理想関数(破線) 図 6 チョッパーに与えた波形 図 7 バンチした陽電子の寿命スペクトル 100 101 102 103 104 -10 -5 0 5 10 C o u n ts (a rb . u n it) Time (ns)

図 2  準連続化した陽電子ビームの  時間プロファイル  図 4  陽電子蓄積・バンチングシステム  0500010000150002000025000300003500040000 0 5 10 15 20

参照

関連したドキュメント

再生可能エネルギー発電設備からの

・隣接プラントからの低圧  電源融通 ・非常用ディーゼル発電機  (直流電源の復旧後)

・ 11 日 17:30 , FP ポンプ室にある FP 制御盤の故障表示灯が点灯しているこ とを確認した。 FP 制御盤で故障復帰ボタンを押したところ, DDFP

関西電力 大飯発電所 3,4号炉 柏崎刈羽原子力発電所 7号炉 対応方針 ディーゼル発電機の吸気ラインに改良.

当該発電用原子炉施設において常時使用さ れる発電機及び非常用電源設備から発電用

当社は福島第一原子力発電所の設置の許可を得るために、 1966 年 7

東京電力(株)福島第一原子力発電所(以下「福島第一原子力発電所」と いう。)については、 「東京電力(株)福島第一原子力発電所

当社グループは、平成23年3月に発生した福島第一原子力発電所の事故について、「福島第一原子力発電所・事