内モンゴル牧民に関する「遊牧」論的比較考察
著者
尾崎 孝宏
雑誌名
鹿大史学
巻
50
ページ
11-31
URL
http://hdl.handle.net/10232/3324
内モ ンゴル牧民に関する 「
遊牧」論的比較考察
尾 崎 孝 宏 ● は じめ に 小 論 の 目的 は,モ ン ゴ ル を は じめ とす る移 動 性 の 高 い 牧 畜 社 会 に 関 して ほ と ん ど何 の 疑 念 も無 く使 わ れ て い る 「遊 牧 」 「Nomadism」 「MobilePastora-1ism」 とい う一 連 の 用 語 群 に つ い て,そ の概 念 規 定 が 内 包 す る 問 題 点 を,現 在 中 華 人 民 共 和 国 内 モ ン ゴ ル 自治 区 の 牧 民 社 会 で 発 生 しつ つ あ る現 象 との 対 比 よ り明 らか に し,今 後 の 牧 畜 研 究 に お い て 有 効 と思 わ れ る 新 た な研 究 視 角 を提 起 す る こ とで あ る 。 従 来,モ ン ゴ ル 牧 民 社 会 を形 容 す る 表 現 と して 「遊 牧 」 「Nomadism」 と い う用 語 を用 い る こ と は 何 ら奇 異 で も な く,む しろ 別 の 用 語 で モ ン ゴ ル 牧 民 社 会 を形 容 し よ う とい う発 想 が 思 い 浮 か ば な い ほ どに,両 者 の結 び つ きは深 い と言 っ て も過 言 で は な い 。 な お,語 義 の レベ ル に お い て,日 本 語 お よ び漢 語 の 「遊 牧 」 は 移 動 を意 味 す る 「遊 」 と牧 畜 を意 味 す る 「牧 」 の 造 語 で あ る 以 上,本 来 的 に 「移 動 牧 畜 」 を 意 味 す る言 葉 で あ る の に 対 し,英 語 の 「Nomadism」 は そ も そ も移 動 生 活 の 意 味 しか も っ て い な い 言 葉 で あ る,と い う差 異 が 存 在 す る こ とは 事 実 で あ る 。 しか し,ハ ン フ リー ら は モ ン ゴ ル 牧 民 の 移 動 性 の 変 化 を論 じた著書 『TheEndofNomadism?』 で 「Nomadism」 を 「MobilePastoralism」
と定 義 して い る(Humphrey&Sneath1999:1)。 つ ま り,「Nomadism」 と い う概 念 を 日本 語 や 漢 語 の 「遊 牧 」 と同 義 の概 念 と して 位 置 付 け て お り,少 な く と もモ ン ゴ ル 牧 民 社 会 を論 じ る 限 りに お い て,英 語 の 「Nomadism」 は 「遊 牧 」 と訳 して も意 味 上 の 差 異 が 存 在 しな い の が 現 状 で あ る 。 さ て,そ れ で は こ う した 「遊 牧 」 イ メ ー ジ の 構 成 要 素 は 何 だ ろ うか 。 実 は, こ れ に 関 して は研 究 者 も,ま た 自 ら を 「遊 牧 民(ヌ ー デ ル チ ン(1))」で あ る と
認 識 して い るモ ンゴル牧 民 も明確 な定 義 を持 って い る わけ で は ない 。 これ はむ しろ,「 遊 牧 民 」 とそ れ 以外 の境 界が 人 々 に よっ て 自明 で あ る と考 え られ て い る結 果 であ る と理 解 しうるが,ハ ンフ リー を は じめ とす る研 究者 お よびモ ン ゴ ル牧民 の語 りの 内容 よ り,以 下 の よ うな点 を構成 要 素 と して指 摘 しう る。 A)ゲ ル,つ ま り可 動 住 居 に居 住 して い る こ と。 B)牧 地 に,少 な くと も可視 的 で あ る明確 な境界 が 存在 しない こ と。 C)季 節 移動 を,理 念 的 に は春 夏 秋 冬 の年4回 行 う。 D)ホ トア イル(営 地 集 団)を 構 成 す る世 帯 の 流動 に よ り労 働 力 の 適正 配 分 を 行 う。 つ ま り,突 き詰 めて 言 えば空 間 的 な移動 が 可 能 で あ り,か つ実 際 移動 を行 う こ と,そ して移 動 可 能 性 の帰 結 と して,生 業 に関 わ る社 会 関係 も流動的であ る, とい う こ とで あ る 。 こ う した 「遊 牧」 モ デ ルの 典型 は,現 在 モ ン ゴル 国で 行 わ れ て い る牧畜 の ス タイ ル に見 出す こ とが可 能 で あ る。 以 下 で は,筆 者が フ ィー ル ドと して い る モ ンゴ ル国 ス フバ ー トル 県 オ ンゴ ン=ソ ム の事 例 を挙 げて 簡単 に説 明す る。 まず,写 真1は オ ンゴ ン=ソ ム にお け る冬営 地 の一例 で あ る。 居住 用 の ゲ ル 3つ と倉庫 用 の ゲ ル1つ,石 造 りで屋 根 の無 い家 畜 囲 い で構 成 され て い る。写 真2は 同 一集 団 の夏 営 地 で あ るが 固定 的 な家 畜 囲 い は無 く,ま た集 団 を2分 割 して い るた め に,こ こで は ゲ ル2つ の み で構 成 され て い る。 この事 例 にお い て は,夏 ・冬営 地 間の 距 離 は30kmほ どで あ り,い ず れ の牧 地 に も可 視 的 な境 界 線 は存在 しな い。 なお,彼 らの季 節移 動 を図化 す る と図1の よ うに な る。 各営 地名 の 背 景色 の濃 さは 年 毎 の場 所 の不 確 定性 と比 例 して お り,色 が濃 い ほ ど不 確 定 性 が 高い 。 最 も色 の濃 い 「オ トル」 は,秋 季 に家畜 を肥 育 す る 目的 で行 わ れ る,基 本 的 に群 れ と牧 夫 のみ が 短期 間の移 動 を繰 り返 す 牧 畜 の 形態 で あ る。 なお,移 動 距 離 につ い て は オ ンゴ ン=ソ ム内 で も地域 に よる差 異 が大 きい(尾
崎 1999:64-65,2001a:20)。 ●遊 牧 の 終 焉? さて,こ の よ うな移 動 を明確 な特 徴 とす る遊 牧 の形 態 が 現 在 終焉 へ 向か いつ つ あ る,と す る言 説 は,ま さ に タ イ トル そ の もの で あ る ハ ン フ リ ー の『The End of Nomadism?』 を筆 頭 に,別 段 珍 しい もの で もな い。 これ は特 に,モ ン ゴル 国以外 のモ ンゴ ル族 居 住 地 域,つ ま りロシ アの ブ リヤ ー ト共和 国お よび中 国の 内モ ンゴル 自治 区 の現 状 に関 す る言 説 で あ り,端 的 に言 って しまえ ば上述 の 「遊 牧」 の特 徴 で あ る移 動 性 お よび社会 的流動 性 が 定 住 化 に よっ て損 な われ て しま う,と い う類 の もの であ る。 そ もそ も社 会 主 義 時代 の発 展 ビジ ョンが 固定建 築 群 か らな る集 落 的 な居 住 地 域 と労働 の場 で あ る牧 地 を分 離 しよ う と した もの で あ っ た こ と は,そ れ が徹 底 的 に遂行 された ブ リヤ ー トお よび,そ れ をモデ ル と しつ つ も必 ず しも完 全 に成 功 した とは言 え ない モ ン ゴル人 民共 和 国(当 時)の ネ グ デ ル化 にお い てす ら見 出せ る事 象 であ る。 た だ し,本 論 で議 論す る 中華 人民 共和 国 にお いては む しろ, 集 団化 を放 棄 した1980年 代 以 降 の 「改 革 開放」 の発 展 ビ ジ ョ ンで 言 及 され る 「定居 放 牧」 とい う概 念 が,以 下 の よ うなデ ィテ ール の違 い が 存 在 す る と は い え,遊 牧 を終 焉へ と向か わせ る理 論 的 裏付 け と なっ てい る とい える。 こ こで細 かい議 論 は避 け るが,「 定 居 放 牧」 とは大 まか に言 って,固 定 家 屋 に住 み 季 節 移 動 を行 わず,あ ま り広 くない牧 地 で 放牧 を行 う牧 畜 の ス タ イ ル で あ る(Cf. 稲村 ・尾 崎1996:65-77,尾 崎2000:47-53)。 よ り具 体 的 には,1980年 代 に中華 人 民共 和 国全 土 で展 開 され た改 革 開放 政 策 に伴 い生 産 責任 制が 導 入 され て い くが,内 モ ン ゴル 自治 区 の牧 畜 地域 にお い て は,そ れ は家 畜 と牧 地 の世 帯 レベ ルへ の分 配 とい う表現 形 を取 った。 以 下 に, 内 モ ン ゴルで行 わ れ た家 畜 と土 地の 分 配 とそ れ に伴 う居 住 形 態 の変 化 の 一例 を 示 して お く。
事 例1:シ リ ン ゴ ル 盟 シ リ ンホ ト市 ア ラ シ ャ ンボ ラ グ=ソ ム(U氏,1999年 秋 調 査) 1983年 に 家 畜 を分 配 し た 。 ガ チ ャか ら1人 あ た り何 頭,と い う要 領 で 分 配 さ れ,U氏 の世 帯 は100頭 の 小 家 畜(ヒ ツ ジ ・ヤ ギ)を 分 配 され た 。 な お,調 査 当 時 の 所 有 家 畜 数 は 小 家 畜700頭 お よ び ウ シ50頭,ウ マ 数 頭 で あ り,ウ マ に 関 して は 親 しい 友 人 に 預 託 して い た 。 1991年 に 牧 地 を 分 配 した 。 土 地 も1人 当 た り約2,900ム ー(約200ha)と い う 分 配 方 法 で,こ の 世 帯 は14,490ム ー(約1,000ha)の 土 地 を得 た 。 現 在,2,000 ム ー(約130ha)を 有 刺 鉄 線 で 囲 い 込 ん で あ る 。 土 地 は2塊 に 分 か れ て お り, 春 ∼ 秋 の 営 地 と冬 営 地 に な っ て い る 。 両 者 の 距 離 は10kmほ ど で あ る が,冬 営 地 の 放 牧 は 現 地 に住 み 込 ん で い る 傭 人 が 担 当 し,U氏 は 春 ∼ 秋 営 地 に あ る 固 定 家 屋 か ら 日帰 りで 牧 地 ま で 通 い,群 れ をチ ェ ッ ク して い る 。 な お,固 定 家 屋 は 牧 地 を分 配 した1991年 に 建 築 した もの で あ り,そ れ 以 前 は ゲ ル 居 住 だ っ た(尾 崎 2001b:118-119)。 事 例2:ア ラ シ ャ ン盟 エ チ ナ 旗 ダ ラ ン フ ブ 鎮(Ba氏,2002年 春 調 査) 1983年 に家 畜 と土 地 を 分 配 した 。 小 家 畜120頭,ラ ク ダ20頭 が 分 配 され たが, ラ ク ダ は ガチ ャ に 返 却 し た 。 と い うの も,当 時,家 に は 父 親 と妹 しか い な か っ た の で 労 働 力 が 不 足 して い た 上 に,分 配 さ れ た川 の 近 くの 土 地 は ラ ク ダ に は 向 か な か っ た た め 不 要 で あ る と判 断 した 。 な お,調 査 当 時 の 所 有 家 畜 数 は小 家 畜 300頭 。 土 地 は1塊 の 土 地 を3,000ム ー(約200ha)分 配 さ れ た 。 元 々 自 分 た ち 家 族 が 住 ん で い た 土 地 。 そ の 後,土 地 の 中 に6-7つ の 囲 い を 作 っ た 。 現 住 の 固 定 家 屋 は1996年 に 建 設 し,年 間 を 通 じて そ こ に 居 住 して い る 。 2001年,現 地 で は 環 境 保 護 の 名 目で 放 牧 を 禁 止 す る 決 定 が 国 家 よ り 出 さ れ, 調 査 当 時,全 て 飼 料 で 飼 養 しな け れ ば な ら な くな っ て い た(2)。 家 畜 頭 数 の 上 限 は 設 定 さ れ て い な い が,自 分 で 飼 料 を 調 達 す る 必 要 が 生 じ て い る 。Ba氏 は
2001年,2,000斤(約1t)の ボ ル トール(豆 の一 種)と 車4-5台 分(重 量 換 算 で は約10t)の 干 草 を購 入 した 。そ の他,100ム ー(約7ha)ほ どの畑 を所 有 し てお り,そ の 一部 で ボ ル トー ル を作 って い る。今 後 は 自分 の畑 全 てで 飼料 作 物 を作 る予 定 で あ った(尾 崎 ・中村2002:49,52,54,58)。 つ ま り,こ こで進 行 して い る現 象 は以下 の3点 に要約 で きる だ ろ う。 A)牧 地 の 分 配 に よ り季 節移 動 が 実 質不 可 能 とな った一 方,家 畜 の商 品化 の進 行 に よ り購 入 物 品が 増加 した こ とで,漢 族 風 の 固定 家屋 を建 設 して居 住 す るす る よ う に なっ た こ と。 固定 家屋 は季節 移 動 を行 わ な い状 況 下 で は簡 便 で あ り(3),物品 の収納 や発 電 機 の設 置 に有 利 で あ る上,オ ン ドル や ス チ ー ム な どの 暖房 設 備 も完備 しうる。 なお 固 定家 屋 の 建 設 は1980年 代 よ り開 始 してい る(4)。 B)牧 地 の 固 定化 お よび家 畜増 加 に よる狭 小化 を要 因 とす る,牧 地 の囲 い込 み の進 行 。 た だ しこの プ ロセ ス は1990年 代 以 降 開始 した もの で あ る。 C)干 草,豆 類,ト ウモ ロ コ シな どの飼 料作 物 の利 用 開始 。形 態 と して は干 草 の購 入 と,自 己 の牧 地 を畑 に転 用 して飼料 作 物 を栽培 す る タイ プの2種 類 が存 在 す る。 こ う した 飼料 作 物 の利 用 が何 時 まで遡 るの か,明 確 なデ ー タ は存 在 しない が,少 な く と も自己 栽 培 に 関 して は現 在 進 行 中 の 事 象 で あ る(5)。 また,景 観 的 には写 真3か ら写 真10ま での 施 設 ・装 置 を上 述 の現 象 の証左 と して挙 げ てお きた い 。 そ して こ こか ら,内 モ ンゴル 自治 区 にお け る 「遊 牧 の終 焉 」 後 の景 観 を次 の よ うなモ デ ル と して抽 出す る こ とが で きる だ ろ う。 す な わ ち,図2の よ うに,あ ま り広 くない牧 地 を有 刺鉄 線 で 囲 い,そ の 中 に レ ンガ造 りの 固定 家 屋 と家 畜 囲 いが 建 設 され てお り,敷 地 内 に牧 草 を栽 培 す る畑 を併設 し,さ ら に不足 す る飼 料 は外 部 か らの購 入 に よ る,と い う牧 畜 の ス タイ ルで あ る。
● 遊 牧(の 終 焉)論 の 限 界? 上 述 の よ う な牧 畜 は 一 見,か つ て の ゲ ル居 住 に よ る移 動 牧 畜 とは 根 本 的 に異 な っ た ス タ イ ル で あ る よ う に思 え る 。 つ ま り,「 遊 牧 」 が 終 焉 して 「定 居 放 牧 」 へ と変 化 す る,と い う 図 式 を体 現 して い る か の よ うで あ る 。 しか し,事 例1は 家 畜 所 有 者 こ そ 移 動 して は い な い もの の,畜 群 や 放 牧 を担 当 す る傭 人 は 移 動 し て い る と み な す 事 が 可 能 で あ る 。 そ して 内 モ ン ゴ ル 自治 区 に お け る現 実 は,事 例1の よ う な 「遊 牧 」 と も 「定 居 放 牧 」 と も断 言 しが た い 中 間 的 な事 例 が 理 念 形 どお りの 「定 居 放 牧 」 を上 回 る 多 数 派 な の で あ る 。 以 下 に,そ う した 中 間 的 な事 例 を列 挙 す る 。 事 例3:シ リ ン ゴ ル 盟 東 ス ニ ト旗 チ ャ ン トシ ル=ソ ム(N氏,1999年 調 査) 牧 地 は1984-5年 頃 に 一 応 分 け る こ と に な っ た の だ が,1998年 に正 式 に 分 配 さ れ,彼 の 牧 地16,500ム ー(約1,100ha)の う ち,10,000ム ー(約700ha)を 既 に 有 刺 鉄 線 で 囲 っ た 。 た だ し,小 家 畜 は 通 常 自 分 の 牧 地 で は な く,近 隣 に住 む 「羊 飼 い の 世 帯(ホ ニ ニ ィ=・ア イ ル)」 に 金 を払 って 預 託 して い る 。 調 査 当 時,自 分 の 牧 地 に は近 々 売 却 予 定 の60-70頭 の み を 留 め る の み で あ っ た 。 ま た,ウ シ も1998年 に は 他 人 に 預 け た 。N氏 は,家 畜 頭 数 が 多 く牧 地 が 不 足 して い る 豊 か な 世 帯 が,広 い 牧 地 を持 っ て い る が 家 畜 頭 数 は 少 な い 貧 しい世 帯 に 自 らの 家 畜 を 預 け れ ば,前 者 に と っ て は 牧 地 に か か る 負 担 が 減 り,後 者 に と っ て は家 畜 預 託 の 手 数 料 で 収 入 が 得 られ る た め,双 方 に と っ て 利 益 が あ り,傭 人 を 雇 う よ り も合 理 的 で あ る と の 認 識 で あ っ た(尾 崎2001b:123-124)。 事 例4:シ リ ン ゴ ル 盟 ア バ ガ 旗 ボ グ ドオ ー ラ=ソ ム(M氏,2001年 調 査(6)) 牧 地 の 分 配 は80年 代 に行 わ れ た が,四 季 そ れ ぞ れ 別 の 場 所 に 牧 地 を割 り当 て られ た た め,四 季 の 牧 地 を移 動 可 能 で あ る 。 ま た,牧 地 は世 帯 ご と に分 配 され
た が,夏 営 地 の み は 有 刺 鉄 線 で 囲 っ て お らず,親 族10世 帯 ほ どで 共 同 利 用 して い る 。 た だ し,放 牧 は 世 帯 ご と に行 い,共 同 放 牧 は 行 わ な い 。 春 営 地 に 固 定 家 屋 が あ る が,夏 営 地 は ゲ ル 住 まい 。 母 の ゲ ル,妹 の ゲ ル が1-2kmの 距 離 に 存 在 す る た め,密 集 して い る と い う 印 象 を 受 け る が ,生 活 は そ れ ぞ れ 独 立 して い る 。 調 査 年 度 は 干 ばつ が ひ ど く,ウ シ と ウ マ は 春 営 地 に 留 め て あ る 。 小 家 畜 は 南 に あ る 友 人(牧 民)の 土 地3,000ム ー(約200ha)を 借 り て オ トル に 出 す 予 定 で あ っ た 。 オ トル に は 雇 用 して い る 四 子 王 旗 の 傭 人1名 の み が ゲ ル を携 行 して 赴 き,M氏 の 家 族 は 本 人 の 夏 営 地 に 留 ま る,と の こ とで あ っ た 。 事 例5:シ リ ン ゴ ル 盟 アバ ガ 旗 ボ グ ドオ ー ラ=ソ ム(T氏,2001年 調 査) T氏 はM氏 と は 異 な る ガ チ ャ に属 す る が,牧 地 の 分 配 方 式 は 同 様 で あ る 。T 氏 は 春 営 地 に 建 て た レ ン ガ 造 りの 固 定 家 屋 に 通 年 居 住 して い る 。40頭 ほ どの ウ シ も通 年 で 春 営 地 に留 め て い るが,小 家 畜500頭 は 調 査 当 時 ,6.5km南 西 の 夏 営 地 で 放 牧 して い た 。 夏 営 地 に はT氏 の 娘 夫 婦 と 臨 時 に 雇 っ た 傭 人1名 が ゲ ル 居 住 して お り,T氏 は 時 折 バ イ クで 見 て 回 る 程 度 で あ る 。 小 家 畜 の 群 れ はT 氏 所 有 分 と婿 の 所 有 分 を1群 に ま とめ て,婿 が 管 理 して い る 。 春 に な れ ば 婿 も T氏 と 同 じ春 営 地 に居 住 す る,と の こ とで あ っ た 。 事 例6:シ リ ン ゴ ル 盟 アバ ガ 旗 ボ グ ドオ ー ラ=ソ ム(Bi氏,2001年 調 査) 調 査 当 時,Bi氏 は 夏 営 地 の 草 生 が 不 良 の た め 春 営 地 に 留 ま っ て い た 。 東 約1 kmにBi氏 の 生 家 で も あ る兄 の 固 定 家 屋 が あ る が,Bi氏 は ゲ ル 居 住 。 牧 地 は 1980年 代 に分 配 され,彼 の 牧 地 は 四 季 分 の 合 計 で8,000ム ー(約550ha)。Bi氏 は事 例5のT氏 の 姻 族 で あ り,彼 の 夏 営 地 はT氏 ら の す ぐ北 側 に 位 置 し て い る と い う 。 事 例7:ア ラ シ ャ ン盟 エ チ ナ 旗 サ イ ハ ン トー ラ イ=ソ ム(Bu氏,2002年 調 査)
冬営 地 は ガチ ャ中心 地,夏 営 地 はそ こか ら3km離 れ た地 点 にあ り,い ず れ も固定 家 屋 が あ る。冬 営 地 の 固 定家 屋 は1980年,夏 営 地 の 固定 家 屋 は1985年 に 建 設 し,夏 営 地 は6-10月 まで居 住 す る。 現有 の家 畜 は ヤ ギ120頭,ヒ ツ ジ30 頭,ラ ク ダ12頭,ロ バ1頭 だが,1960年 代 には ウ シや ウマ も存 在 した。 当時 も 冬 営 地 と夏 営 地 の 区 別 は あ っ たが,現 在 同様,距 離 は近 か っ た(尾 崎 ・中村 2002:48,5153-54,61)。 本 論 文 で取 り上 げ た7事 例 よ り容易 に看 取 で きるの は,人(家 畜所 有 者)も 家 畜 も通 年 で 同一 個 所 に留 まる典 型 的 な 「非 移動 」 は事 例2の みで あ り,人 は 固定家 屋 に居 住 して非 移 動 で あ るが 畜 群 は移 動 して い る事 例(事 例1,事 例3, 事 例5),人 が 複 数 の 固 定 家 屋 を所 有 して お り人 も畜 群 も移 動 して い る事 例 (事 例7),人 もゲ ル を併 用 して移 動 す るが 畜 群 は 人 以 上 に 移 動 して い る事 例 (事 例4),人 はゲ ル居 住 だが 自然 条件 に応 じて移 動 しない事 例(事 例6)な ど, 人 と畜 群 の移 動 に関 して多 様 なバ リエ ー シ ョ ンが 見 出せ る こ とで あ る。 また, 一 口 に畜群 と言 って も,事 例4に お け る移 動 す る小 家 畜 と移 動 しない大 家 畜 の コ ン トラス トの よ うに,同 一家 畜 所 有 者が 畜種 に応 じて 別個 の移 動 パ ター ンを 採 用す る こ とす らあ る。 こ う した事 実 は,従 来 の 「遊 牧(の 終 焉)」 論 の 限 界 を次 の よ うに逆 照 射 す る。 A)従 来 の 「遊 牧 」 概 念 で は,人 の(季 節)移 動 と畜 群 の移 動 をア プ リオ リに 同一視 して きた 。 これ は逆 に,人 の移動 と畜 群 の移 動 が 分 離 してい る場 合 や,畜 群 の 一 部 の み が移 動 す る場 合 を カバ ー しきれ ない ことを示 してい る。 B)従 来 の 「遊 牧」 概 念 は,移 動 と非移 動 を完 全 に別 の事 象 と して 想定 して い るが ゆ え,両 者 の境 界 は 自明の もの と して処 理 され て きた 。そ の ため,日 帰 り放牧 で も到 達 可 能 な距 離 を 「移動 」 して い る ケ ース(7)や草 の状態 に よ り夏 営 地へ 移 動 した り春営 地へ 留 まっ た りす るケ ー ス な ど,内 モ ン ゴルで 見 出せ る真 に境 界 的 な事例 に対 して は,却 って有 効 な分析 視 角 を提 供 し得
ない。 とい うの も,内 モ ンゴル で は移 動 と非移 動 は何 に注 目 し,ど こ を閾 値 とす るか に よって異 なるた め で あ る。 C)従 来 の 「遊 牧 」概 念 で は,移 動 は第 一義 的 に可 動 住 居 を持 った季 節 移 動 を 想 定 して きた。 これ は,す で に指摘 した人 と畜群 の独 立 した移 動 や,あ る い は傭 人 と して の移 動(移 住)の よ うな事 例 が頻 発 す る内 モ ン ゴル の移動 の実態 を分 析 す る には不 十 分 な概 念 設定 で あ る。 要 す る に,現 在 内 モ ン ゴルで起 こって い る変 化 を単 純 に 「脱 遊 牧 」(あ る い は遊 牧 の終 焉)と 呼べ ば,そ の概 念 が 有 す る過 剰 な まで の イ メ ー ジ喚 起 力 に よ り却 って そ の現 実 を見 えに く くす る,つ ま り現存 す る移 動 性す ら隠 蔽 して しま う結 果 に陥 る可 能性 が 高 いの で あ る。 よ り正確 な表現 をす れ ば,現 在 内モ ンゴ ル で生 じて い る現 象 は,主 に牧 地 を世 帯 ご と に分 配 した こ との 帰 結 と して の 「脱 可 動 住 居」 つ ま り固定 家屋 化 で あ る。 これ は既 に見 た よ う に,あ らゆ る移 動 性が 無 に帰 す る こ とを意 味 して い ない 。 む しろ居 住 形 態 の変化 を実 態 以上 に 過大視 して しま う,定 住 者 の メ ン タ リテ ィ とで も呼 ぶ べ き認 識 の あ り方 が こ こ で は問題 とな りうるの で あ る。 ●補 足 的 な 考 察 既 に論 じた よ うな事 実 よ り,現 在,内 モ ンゴル にお け る牧 畜 のバ リエ ー シ ョ ンを住 居 の変 動 と畜 群 の拠 点 変動 の有 無 に よ って分 類 す る と図3の ようにな る。 つ ま り,こ こで は住 居 の変 動 も畜 群 の拠 点 変 動 も存 在 す る タ イ プ と して従 来型 の 「遊 牧 」お よび 固定 住居 間 の年 間移動(Cf.事 例7),住 居 の 変動 は な い が 畜 群 の拠 点変 動 が存 在 す る タイ プ と して オ トルお よび傭 人 を使 用 す る牧 畜(Cf. 事 例1),住 居 の変 動 は存 在 す るが 畜群 の拠 点 変 動 が な い タ イ プ と して 傭 人 と しての単 身で の 出稼 ぎお よび春 営 地 な どへ の畜 群 の放 置(Cf.事 例4),住 居 の変 動 も畜 群 の拠 点変 動 もない タ イプ と して 「定 居 放 牧 」 お よ びそ の極 限形 で
あ る舎 飼 い(Cf.事 例2)の4通 りに分 類 が可 能 で あ る。 あ る い は,こ れ を さ ら に細 分 し,住 居 の 変動 と畜 群 の拠 点 変 動 が リンク して い る タイ プ と独 立 して 行 わ れて い る タイ プ等 を設 定 す れ ば よ り現 実 に近 いモ デ ル を構 築 しうる可 能性 もあ るが,こ こで は煩 雑 にな るた め敢 えて細 か い点 には立 ち入 らない こ とに し た い 。要 は,単 に移 動 とい っ て もそ れ は全般 的 に存 在 か不 在 か を二 元 論 的 に論 じうる現 象 な ので は な く,多 様 な フ ァ クター か らの 考察 が 不 可 欠 で あ る,と い う点 が 重 要 なの で あ る。 た だ し,こ こで 次 の よ うな素 朴 な疑 問 に対 す る反論 が 必 要 で あ る。つ ま り, 現 在 の 内 モ ン ゴルは移 動 が完 全 に終焉 す る移 行 過 程 に過 ぎな いの で は ない か, とい う疑 問 で あ る。 これ に関 して,筆 者 は以下 の2点 を指 摘 して お きたい 。 A)内 モ ンゴルの 牧畜 には既 に多 様 なバ リエ ー シ ョンが 存 在 す る。 これ は家 畜 の私有 化 や 牧 地分 割 の あ り方,さ らに地域 的 な諸条 件 が 影響 した結 果 で あ り,こ う した現 状 を踏 まえて も 「完 全 な移 動」 か ら 「完 全 な非 移 動」 へ の 単線 的 な移 行 は不 可 能 で あ る。 さ らに過 去 の状 況 を見 て も,ア ラ シ ャ ン盟 エ チ ナ旗 の よ うに,も と も と移動 距 離 の 小 さい 地 域 す ら存 在 し,過 去 の 「遊 牧 」状 況 す ら斉一 的 なモ デ ル を想像 す る こ とは困 難 で あ る。 B)行 政サ イ ドか ら完 全 な非 移 動 を 目指 す よ うな直接 的 な政 策 が 出 され る こ と は少 ない 。 ア ラ シ ャ ン盟 エ チ ナ旗 につ い て は,黄 砂 防 止 の た め の胡楊 林 保 護 とい う緊 急 の課 題 を背 景 と した決 定 で あ り(尾 崎 ・中 村2002:52), シ リン ゴル盟 にお い て は現段 階 でそ う した指 導 は行 われ て い ない。 また, 牧民 の側 に も積 極 的 に完 全 な非移 動 を 目指 す動 きは見 られ ない。 無 論,B)で 取 り上 げ た点 に関 して は今 後 の状 況 次 第 で 大幅 な 変 更 が 起 きる 可 能性 も否 定 しが た い の は事 実 で あ る。 しか し,筆 者 は未 来 の予 測 以 前 に,牧 畜 の環境 に対 す る可 塑 性 を解 明 す る必 要 が あ るの で は な いか と考 えて い る。 も と よ り,一 口 に 「モ ン ゴルの 牧 畜」 と言 って も,そ の あ り方 には地 域 的 なバ リ
エ ー シ ョンが存 在 す る。 これ はそ れ ぞれ の地域 にお け る 自然 ・社 会 環 境へ の牧 畜 の適 応結 果 で あ る と仮 定 しう るが,と もす れ ば 「遊 牧」 論 は,こ う した 地域 的差 異 を一 律 に 「移 動 牧 畜 」 と見 なす こ とで バ リエ ー シ ョ ンの存 在 を忘 却 させ る効 果 が あ る こ とは既 に見 た とお りで あ る。 また,本 論 で論 じた ように,従 来 の 「遊 牧」 論 にお け る移 動 観 は極 め て不 備 が 多 い。 こ う した 問題 の多 い視 角 か ら得 られ る結 論 の信憑 性 につ い て,我 々は慎 重 で あ る必要 が あ るの で は な か ろ うか 。 最 後 に,今 後 の牧 畜研 究 に有 効 で あ る と思 わ れ る研 究視 角 を,本 論 にお け る 内モ ン ゴル牧民 の現 状 分析 か ら得 られ た結 果 よ りい くつ か提 起 したい 。 A)移 動 主体 の分 化:本 論 で既 に例示 した よ うに,さ しあ た り人 の移 動 と畜 群 の移 動 を別個 に考 察 す る こ とが挙 げ られ る。 また,人 の移 動 に関 して は住 居 レベ ルで の移 動 と個 人 レベ ルで の移動 に細 分 可 能 で あ る。 B)移 動 主体 相 互 の 関係 性 の理 解:そ もそ も,移 動 主体 相 互 にい か な る関係性 が存在 し,ま た それ ぞ れ の移 動 の動 機 や機 能 が牧 民 に とって ど う理 解 ・説 明 され,ま た部外 者 と して の研 究 者 が ど う解 釈 しうるの か を明確 にす る必 要 が あ る。 C)移 動 の 数量 的把握:移 動 を従 来 の よ うな 「有 無」 の レベ ル,つ ま り質 的 な 差 異 と して把 握 す るの で は な く,多 か れ少 なか れ移 動 す る各 主体 の移動 を 数 量 的 に把 握 す る。移 動 を計 測す る タ イムス パ ン と して は,日 移 動 ・年移 動 ・ラ イ フサ イ ク ル にお け る移 動 な どが 考 え られ る。 また,個 別 的 なデ ー タに依 拠 した 「移 動 誌 」 を作 成す る こ とで,あ る社 会 にお け る移 動 の 総体 的理解 が可 能 に な る と と もに,異 な る社 会 にお け る移 動 の様 相 との比 較 が 可 能 にな る と期待 され る 。 こ う した研 究 視 角 は,究 極 的 に は 「移動 民 」 「定 住 民」 とい う概 念 設 定 の 見 直 しに繋 が っ て い くもの と思 われ る。 当然 の こ とで あ るが,人 は多 か れ少 なか
れ,移 動 し な け れ ば 生 活 不 可 能 で あ る 。 こ う し た 自 明 の 事 実 を 再 認 識 す る こ と で,住 居 の 変 動 の 有 無 を 絶 対 的 な メ ル ク マ ー ル と す る 従 来 の 概 念 設 定 か ら 自 由 な,牧 畜 研 究 と い う 生 業 研 究 の 枠 組 み す ら 超 え た 「移 動 研 究 」 と い う,文 化 人 類 学 の 新 た な1ジ ャ ン ル の 可 能 性 す ら 展 望 す る こ と が 可 能 で は な い だ ろ う か 。 本 論 文 は,筆 者 が 日 本 民 族 学 会 第36回 研 究 大 会 で 行 っ た 口 頭 発 表 「内 モ ン ゴ ル 牧 民 に 関 す る 『遊 牧 」 論 的 比 較 考 察-シ リ ン ゴ ル 盟 と ア ラ シ ャ ン 盟 の 事 例 よ り 」(2002年6月2日,金 沢 大 学)を 加 筆 修 正 し た も の で あ る 。 註 (1)モ ン ゴル語 の 「ヌ ー デ ルチ ン」 は正 確 には 「移 動 民 」 つ ま り 「Nomad」 と訳 す べ き用 語 で あ る が,モ ン ゴル の 文脈 に お い て 移 動民 は 移動 牧 畜 民 以 外 に存 在 しな い とい う社 会 的合 意が 存 在 す る ため,本 論 で は 「遊 牧 民」 とい う訳 語 をあ て た。 (2)た だ し実 際 に は,ガ チ ャ党書 記 とい う立場 ゆ えか,決 定 を遵 守 して い るBa氏 の 方 が珍 しい 部 類 に属 す る。 (3)か つ て シ リ ン ゴル 盟西 ウ ジュ ム チ ン旗 の あ る イ ンフ ォ ーマ ン トは,ゲ ル は3-4年 に一 度 は フ ェ ル トを交換 す る必 要 が あ り,移 動 しな い 分 に は面 倒 で あ る と語 って い た(尾 崎2000:57)。 (4)例 えば シ リ ン ゴル 盟 ア バ ガ旗 デ ル ゲ ル=ソ ム で は,1986年 に固 定 家 屋 が 建 設 され た 事 例 が あ る (尾崎2000:59)。 (5)シ リ ン ゴル 盟 で も後 述 す る事 例3のN氏 が,1999年 当時0.5haほ どの 畑 で 飼 料 作 物 を 栽 培 して お り,今 後 拡 大 す る 予 定 で あ る と語 っ て い た事 例 が あ る(尾 崎2001b:125) (6)事 例4か ら事 例6の デ ー タ を収 集 した 調査 は2001年8月24日 ∼30日 の 間,筆 者 が シ リ ン ゴ ル 盟 アバ ガ旗西 部 で 行 っ た もの で あ る が,単 独 で の調 査 報 告 は発 表 され て い な い 。 (7)ア ラ シ ャ ン盟 エ チ ナ 旗 には,夏 営 地 と冬営 地 の距 離 が1.5kmと い う事 例 す ら存 在 した(尾 崎 ・ 中村2002:49) 参 考 文 献 Humphrey,C.&Sneath,D.
1999 The End of Nomasidm?. Duke Univ. Press. 稲 村 哲 也 ・尾 崎 孝 宏
1996 「「中 国 内 蒙 古 自 治 区 に お け る 環 境 と 人 口 」 調 査 報 告 一 漢 族 移 住,生 産 様 式 の 変 化 と環 境 問 題 一 」『 リ トル ワ ー ル ド研 究 報 告』13;57-99。
ソ ム の 事 例 」 調 査 報 告 」『 日本 モ ン ゴ ル 学 会 紀 要』29:61-79。 2000 「牧 地 の 分 割 と定 住 化-南 モ ン ゴ ル,シ リ ン ゴ ル 盟 の 事 例 」『鹿 大 史 学』47:45-66。 2001a 「モ ン ゴ ル 牧 民 の 移 動 ル ー ト選 定 の 安 定 性 一 モ ン ゴ ル 国 ス フ バ ー ト ル 県 の 事 例 」『鹿 大 史 学』48:1-28。 2001b 「南 モ ン ゴ ル に お け る 人 口 流 動 と 家 畜 流 動-シ リ ン ゴ ル 盟 の 事 例 」『 人 文 学 科 論 集』54:115-137。 尾 崎 孝 宏 ・中 村 知 子 2002 「エ チ ナ 牧 畜 調 査 報 告 」『人 文 学 科 論 集』55:45-90。
夏営地
春営地
秋営地
冬営地
オ トル
図1季 節 移 動の概 念 図(モ ンゴル国 オ ンゴン=ソ ム の事例 よ り) 移 動 距 離:10∼90km/年囲い
固定家屋
家畜囲 い
牧地(畜 群 の移動 可能範 囲)
畑(牧草)
図2「 終 焉」 後 の景観 ・あ ま り広 くない牧地,有 刺 鉄線 の囲 い ・レンガ造 りの 固定家 屋 ・世 帯 ご との 牧 地 の 中 で の み飼 養畜 群の移動 あ り 畜群 の移 動 な し 住 居 の移動 あ り 「遊牧 」・「固定 住居 間の移動 雇用 者 と しての 出稼 ぎ ・群 の放 置 住 居 の移動 な し オ トル ・雇 用 者 等 の 使 用 「定 住 放 牧 」 ・舎 飼 い 図3内 モ ン ゴ ル の 牧 畜 バ リ エ ー シ ョ ン 写 真1:冬 営 地(モ ン ゴ ル 国 ス フ バ ー トル 県 オ ン ゴ ン=ソ ム)
写 真2:夏 営 地(モ ン ゴ ル 国 ス フ バ ー トル 県 オ ン ゴ ン= ソ ム)
写 真4:固 定家屋 の家屋 番号(シ リンゴル盟 東 ス ニ ト旗 チ ャ ン トシル= ソム)
写 真6:衛 星 放 送 受 信 用 パ ラ ボ ラ ア ン テ ナ
(シ リ ン ゴ ル 盟 東 ス ニ ト旗 チ ャ ン トシ ル= ソ ム)
写 真8:牧 地 囲 い に 使 う有 刺 鉄 線(シ リ ン ゴ ル 盟 ア バ ガ 旗 ボ グ ドオ ー ラ=ソ ム)
写 真9:越 冬 用 の 干 草(シ リ ン ゴ ル 盟 ア バ ガ 旗 ボ グ ドオ ー ラ= ソ ム)
オ ン ゴ ン= ソ ム エチナ旗 ' モ ン ゴル 国 内モ ンゴル 自治 区 アパ ガ旗 東 ス ニ ト旗 西 ウ ジ ュ ム チ ン旗 シ リ ン ホ ト市 参考地図